1 :
名無しって呼んでいいか?:
あかねかわいいよあかね
>>2 いや、むしろこっちでやったほうがいいと思われ。
ゲームキャラ板はめっちゃ過密で落ち放題だし。
女向けゲーム板はスレ要領に300以上余裕あるし。
攻略スレも攻略板じゃなくてこっちでしょ?
>>3 1キャラごとに萌えスレ立ててたらキリがないだろ
だいたいこいつ本当にすきなのか?
漢字間違えてるぞ
出た!「遥」かwwww
>>3 ローカルルールでキャラスレ禁止されてるから。ここでやっちゃいけないんだ。
>5.キャラスレは禁止です。
8 :
1:2006/12/13(水) 01:14:04 ID:???
すみません、ゲーキャラ板と間違えました
普通間違えないだろ
ネオロマ糞スレ晒しage
11 :
名無しって呼んでいいか?:2006/12/14(木) 20:59:38 ID:yZiKJJCf
>>5-6 検索避けのためにわざとに決まってるだろ。
お約束の「検索避け」という言い訳ww
そんなことする意味がどこにある
あかねたんを後ろからだきしめて
おっぱいもみもみしてあげたい。
バックでイカせたい
おまいら制服と十二単とどっち派?
>>8 間違えてないっての。
勝手に俺の名前を騙るなや。
正直性的魅力はない
何を言ってんですか
性的魅力溢れるキャラクターデザインと豪華キャストですよ。
19 :
1:2006/12/15(金) 09:21:46 ID:???
>>16は偽者です
ゲーキャラ板と間違えてすみません
本者なら削除依頼だしておいてくれ。
21 :
名無しって呼んでいいか?:2006/12/15(金) 21:55:15 ID:VdLY1vi7
こんな所に住み着くなよ
23 :
名無しって呼んでいいか?:2006/12/16(土) 03:19:52 ID:JN6HsVEV
24 :
名無しって呼んでいいか?:2006/12/16(土) 09:54:37 ID:thDLnzcK
天真くんだめっこんなとこでっ
あんっあんっあぁ…っ
・・・イっちゃううぅぅーー(ビクッビクッ
あかねはエロくもないし可愛くもないんですが…(^^;
27 :
名無しって呼んでいいか?:2006/12/17(日) 01:30:00 ID:T+SZbnxL
何だとこの野郎
遙かの3人の中では一番エロカワイイと思うよ
清楚なエロさってのもあるんだよ
藤姫の方が可愛い
あかね「友雅さんのセクハラがひどいんですが」
>>30 ハゲド
藤姫可愛いよ藤姫
民草には表現できない内面的な情緒が溢れる少女ダヨネー
35 :
名無しって呼んでいいか?:2006/12/17(日) 12:53:18 ID:0CPz2oyW
>>30 友雅にいたずらされる藤姫が一番かわいい
遥か2を否定してもいいから現代にお持ち帰りしたい
遥厨はバカばっかだな
ウンコー
ゲームキャラ板はいろんなゲームのキャラスレ多く立ちまくってて
かなり競争が激しいから、乙女関連ゲームのキャラスレはこっちの板に立てたほうが
鯖に優しいと思うよ。
そんな言い訳いらん
あかねかわいいよあかね
神子服はかわいいけど、なんかありえない服装で萎える。
いいからはやくきえろ
44 :
名無しって呼んでいいか?:2006/12/17(日) 17:13:52 ID:ZFykQ7su
マジレスすると、俺は常にメル欄は空白で書き込んでいるので、
メル欄にsageを書き込んでるやつ(
>>8、
>>19)はニセモノ。
ウェスト細すぎ。
>>44 そんなことはどうでも
いいからはやく画像をうpしる
47 :
名無しって呼んでいいか?:2006/12/17(日) 17:17:16 ID:ZFykQ7su
こいつのお陰で今や「あかね」と言う名前に対して拒否反応が出てしまう
どうしてくれる
実写だとさすがに赤い髪がありえないな。
イラストだとかわいいけど。
大沢あかねはアホカワイイ
木緑あかねはヤンキーカワイイ
天道あかねは暴力カワイイ
>>53みたくわざわざ誘導までして言ってやっても
>>39みたいな言い訳しか出来ず
謝りもしないこんな遥か厨連中に今更何言っても無駄デショーwwwww
謝らなくてもいい。消えろ。
(´,_ゝ`)プッ
あかねたんとちゅっちゅしたいよお(*´д`)
ネオロマのギャルゲー出してくれんかなぁ
58は粘着カワイイ
ムキになって何度も何度もコピペしてるところとか哀れだよな。
さぞかしPCの前でムカムカしながらコピペしてるんだろうなぁ。(w)
>>47 こうしてみると配色は結構綺麗だよね。
ゲームのキャラの服装ってケバいのが多いけど、あかねの服装は淡い感じの色で綺麗。
あかねちんの髪をそっとかきあげたい
あかねタンの中に白濁液出したい
ノーサンキュー
頼久「お慕いお慕いお慕いお慕いお慕いお慕いお慕いお慕いお慕い
((((((((;゜д゜))))))
いやがるあかねちんに無理やりキスしたい。
そして泣かせたい。
お前は鬼か
70 :
元宮あかね:2006/12/18(月) 12:07:09 ID:???
下らん
あかねタソ(*´Д`)ハァハァ
あかねかわいいよあかね
イノリ「あかねまた鮎食うか〜?」
あかね「うん、食べる!」
(゚д゚( * )<バッチ恋
79 :
名無しって呼んでいいか?:2006/12/19(火) 13:42:05 ID:wlXM63oA
あかねたんあげ
藤姫が可哀想だよ
そうだよ
>>1の干しブドウみたいな乳首噛んだって誰も嬉しく無いもんなー
こんなスレがあったのか。
あかねかわいいよね。
性格もいいし。
守ってあげたくなる。
('A`)
守ってやったんだからやらせろよあかね
86 :
あかね:2006/12/19(火) 16:59:01 ID:???
シリンのおっぱいでシコtってろよw
ブザマね
あかね「もう…やめてぇ…っ」
o
o_ /)
/<<
あかねって誰?
あかね「はあっはあっはあっ…もう…許してぇ…」
しかし男達の肉棒は衰えることを知らなかった
あかね「悔しい…でも感じちゃうビクビクッ」
俺このゲームやったことあるぞ!
俺漏れも!
濡れも!
澪れも!
99 :
名無しって呼んでいいか?:2006/12/22(金) 14:54:56 ID:o7ikS1h9
永泉だな
普通に友雅のことだろう
普通に鷹通
105 :
http://www5.ocn.ne.jp/~keitaro4/index.html:2006/12/23(土) 08:19:44 ID:7P6qNonf
↑優良お小遣いサイトの紹介です
月3万から自分のペースでできますよー
106 :
珍 宝行:2006/12/24(日) 17:48:54 ID:???
ホワイトクリスマス・クリスタル・ガーデン〜君に捧げる最後の愛〜
「フッ…クリスマスか」
今週のジャンプを読む手を止め、俺は何のけなしに呟いていた。
黒板の右端に書かれた日付があと一か月でクリスマスを迎えるからだ。
まあ何にせよ期末テストでそれどころではないし、真面目にこなしている生徒会長の仕事もきりがない
まあそんなことはおいといても、当日だって家族とケーキやご馳走を食らうだけだろう。
彼女がいればまた違うのだろうが。
彼女。
はっきり言ってモテモテで学校でモテ四天王に数えられている俺だが、彼女はまだいない。
フッ・・・何故かというと。
人に言うと笑われたりヤバイ人と思われるので心の奥に封印しているのだが、俺には運命の人が
いると信じている。心の中でその人のために生まれてきたのだと信じている。
そんな予感がするのだ。
俺は窓ガラスごに映る自分の姿を見た。
自分でいうのも何だがメガネの似合う知性的で凛々しい顔立ち。さらさらの髪。
切れ長の目。奥深さの中に下品でない程度の艶やかさを持つ二つの瞳・・・
フッ・・完璧だ。これから出会う運命の彼女にもきっと気に入ってもらえるだろう。
けれど。
「いつ、君と出会えるのかな・・・」ぽつりと呟いた。
「出会えたら一生大事にするよ。たとえ何が襲いかかってきても」
などと独り言をブツブツ呟いていると。
ガラリ。
「まだいたのか田中次郎」
嫌味がかった声が俺を呼んだ。
俺の唯一の弱点、凡平すぎてむしろ気にしている名前をフルで口にする唯一人の男。
放課後の教室に生徒会副会長の龍神キラが入ってきた。
銀がかった輝く白い髪に整った細身の容姿、顔はすこぶる良く外面も完璧。
だが嫌な男で、裏では何をしてるかわからない男だった。目立つ男なので入学当初は不良に
目をつけられていたが、程なくしてその不良たちは重傷を負い学校から去っていった。
原因について、連中はなにも話そうとしなかったという。しかし龍神が関わっているのは
暗黙の了解だった。
多分自分を押しのけて生徒会長になった俺のことも、実のところは良くは思ってないだろう。
油断のならない野郎だ。
「龍神先輩、田中先輩、さようなら」
いつの間にか後輩の女子達が入口からこちらをのぞいている。
「ああさようなら」
「さようなら。帰り道気を付けてね」
龍神がにこやかに手を振ると黄色い奇声があがり、興奮したままぱたぱたと去っていった。
猫かぶりの表情を崩すと、冷たい流し目を送ってくる。
「相変わらず冷たいねえ。君にも声が掛かったのに。生徒会長さん」
「フッ、まさか。お前のついでだろ」
「ほんとにわかってないのかい。その容姿なら俺みたいに女の子をはべらすことだって
簡単なのに本当に理解できないよ」
やれやれといった風の龍神を見て、俺も龍神にげんなりしていた。
改めて向いているベクトルが違う人間だと確認する。
俺は大事な女は一人でいい。いつか出会う運命の人だけでいいのだ。
「まあ、お前のモテにはかなわんさ」と、一応奴をたてておく。
「ふうんまいいけど。それよりさ実は例の件実証できる準備できたんだ」
龍神の声が急にはずんだ。
例の件。
それは俺以外の人間は苦笑して聞いている、龍神キラの“血”の話だ。なんやかんやと龍神が
俺にまとわりつくのは、そう、俺が彼のおとぎ話に唯一真剣に耳を傾ける存在だからだ。
「へえあの話か。お前が京を守る龍神の一族の末裔で、とかいう」
「そうだ田中次郎。良かったらこれからちょっと付き合わないか」「は?」
「証拠を見せるよ」
罠だ、直感でそう思った。だが何か魅かれるものがあり何故か断れなかった。
放課後龍神と一緒に廃ビルへと入った。
「おいおいこんなことに連れてきてどうする気だよ」
俺を無視して龍神は話し出した。
「お前には何度も話したよなあ田中次郎。
昔昔、と言ってもここではない時空の昔・・・都に危機が迫るたび、俺の祖先の龍神は
自分の神子を選び、送り込んだ。この世界からね」
カツンカツンと靴音がいやに響く。
「彼女達は白龍の神子として崇められ大事にされた。八葉という美形ぞろいの男達に囲まれ、
都を救い、役目を果たし、そしてこの世界へと戻ってきた」
背筋を冷たいものが走る。これからとんでもないものを見せられる、そんな気がした。
「だけどさあ、それって何だか都合のいい話じゃね?・・・龍神が召喚したっつってもだよ。
反則って言っていいくらいの巨大な力を貸してあげて、奇跡みたいなこと起こさせてあげて。
そんな経験までさせてあげたんだ。見返りをもらってもいいと思うんだよね
・・・子孫であるこの俺が」
いつの間にか屋上へでた。一気に夕焼けの広がる赤い空が広がる。
ふら。
そこに、少女が三人いた。
おかしな光景だった。夕日に照らされてそれぞれ別の方向を向いて、ただ突っ立っている。
マネキンを放置してあるようだった。
「あーそっか、ここに集まれとしか『命令』してなかったからな」
龍神がボリボリ頭をかいてパチンと指をならすと、三人は音も無く龍神のもとへ集まった。
「ちぇ、今びしっと三人揃ってこっち向いてたらカッコ良かったのに。
まだまだ扱いづらいな・・『人形』は」
俺を稲妻が走っていった。遙かなる運命が俺を貫いた。
この子達だ、俺がさがしていた運命の女性は。ただ本能でそう思った。
三人もいるけど疑問を挟む余地も無くそう思った。
「そう俺はこれから報酬をいただくのさ・・・面白いだろ?龍神の力を使いすぎたせいで
すっかりその力に染まってやがる。だいぶ力の弱くなった子孫である俺のいいなりさ」
最初は何を言っているのかわからなかったが、三人の女子高生を見て俺は驚愕した。
明らかに目に自分の意思がない。
龍神は俺の動揺をカラカラと笑いながら、おかっぱの少女を抱き寄せた。
「や、やめろっ」
「こいつは怨霊と恋に墜ちてこのザマさ。まったくせっかく美形を8人も用意してやったのに、
よりによって怨霊だぜ怨霊。最後にそいつ自分で消滅させて終わりよ。とんでもない女だ」
祖先の偉業をまるで自分のしたことのようにほざく。
「お前…っ」
おかっぱの子を放り出し、ショートカットの子を引き寄せる。
「次、こいつ。これは特に誰ともくっつかずにこっちへ戻ってきたみたいだな。まあ八葉たちは
気になってたみたいだが。声かけてやればよかったのにな、どうせこっちの世界じゃ普通の
ただの冴えない女子高生なんだからよ」
そんな可愛い子をつかまえて何を言っているんだと苛立ちがつのった。
言い方がいちいちひねくれすぎていてぞっとする。いや、これが本性なのだろう。
「そして最後にこれ。これすごい。なんせ自分で剣とって戦った。まあ結局東北へ逃げて何の
役にも立たなかったみたいだけどな、ハハ」
龍神が俺を馬鹿にする為に、彼女達に演技をさせているのかとも思った。
むしろそうだったらどんなに良いか。
だが彼女達の目を見るたびそれは違うと確信した。
「ど・・どうするつもりだ」
わかりきっていることを訊かずにはいられなかった。
キラはただ顔を歪める。多分笑っているのだろうがあまりにも歪みすぎてわからない・・・
「俺結構節目節目を大切にするタイプでね。
喰うのはクリスマスまでとっといてるんだ。あはははは聖夜の乱交ってのもおつだろ?ひはははは」
俺はぞっとした。
こいつ…ヤバい…ッ!
「お、おいしっかりしろ!こんなヤツのいいなりになるな!」
おかっぱ頭の子の腕をつかむが、目にはもう光が宿っていなかった。
「龍神!お前そんなことしなくてもじゅうぶんモテるだろう」
「そうだけどさ。疲れるんだよね色々と。こういうさあ、自分専用の人形があるといいよねえ・・・
何も気を使わなくて」
真っ青になる俺を楽しむかのごとく龍神は言い放った。
「さあどうするよ田中次郎。」
突然自分にふられて俺は戸惑った。それをキラは嘲笑った。
「むかつくんだよお前、俺をさしおいて生徒会長なんて・・・何の力もない、ただの
一般人の分際で・・・何だよ男子票はともかく女子票まで削りやがってまるで俺が悪者みたいじゃん。
すかした言動でヒーロー気取りか?ヒーローならこの女ども救ってみろよ。
ん?正義の生徒会長さん?まあいくら努力したってこいつらは俺のいいなりだがな。
何が言いたかったかわかるか?お前がしょせん女の三人ぽっちも救えない、役立たずだってことだよ!!!!」
狂気でできているとしか思えない高笑いが響き渡った。
ブチンと切れた俺は龍神に掴みかかろうとしたが、済んでのところで長髪の子に阻止され、
蹴り飛ばされた。
「クリスマスの夕方、あの一番高いホテルの最上階を借り切ってやるんだ。
もし見たいなら大歓迎だぜーえ、仲間にはいれてやらないけどな」
龍神の笑い声がさらに高らかに周辺を支配した。
やがて四人が入ってしまうと、痛みを耐える無様な俺だけが無音の闇に残された・・。
それからクリスマスになるまで、俺は寝る間も惜しんで情報収集に奔走した。
龍神は何事もなかったかのように生活している。俺にたまに勝者の余裕を見せて
くる以外は。
多分あの三人もごく普通に生活していることだろう・・・キラの命令により。
誰か、誰かいないのか…八葉…八葉!!
確か龍神の話では、おかっぱの子には友人から二人、長髪の子には幼馴染から二人、八葉に
選ばれていたはずだ。だが八葉とて龍神の手の内の中のこと、こうなってはどうしようもない。
それでも、それでも。
そんな中で迎えた期末テストは散々だった。初めて2桁台に転げ落ちた。が、どうでも良かった。
両親も家族も心配したが、話して理解されるとは思っていないので黙っていた。そのうち家に帰
りづらくなり、学校にも行かなくなった。好きな子が乱暴されようとしているのにそんな暇はないのだ。
貯金をくずして家を飛び出した。
警察に連絡されると面倒なので一日に一度は家に連絡したが、母の泣き声が胸に痛かった。
靴底には穴が開き、鏡に映る姿は近寄りがたいものになっていた。
奮発して買ってもらった高価なメガネはいつの間にかなくしていた。
偶然俺を慕ってくれている女子達に会ったが、まるで汚物でも見るような目で見て逃げていった。
俺はだんだん精神的にもボロボロになっていった。
友人達にも連絡するのが怖い・・・みんな本当は俺のことをどう思っていたんだろう?
本当はいなくなってせいせいしているのではないだろうか?
つい数週間前にはかっこいい完璧な勝ち組などとピカピカに磨きこんだはずの自分というのを信じていたが、
ただの思い込みだったその容姿はいとも簡単に汚れまみれ地に堕ちた。
その程度なのだ。俺の磨いてきたものなど。俺のかっこよさなど。俺など・・・。
そしてクリスマス当日の昼。俺は結局何も成果を得られず、駅の広場でうずくまっていた。
俺は絶望で、望んでもいないのに笑っていた。
この1ヵ月頑張った成果は何もなく、接した人間たちから与えられたのはキチガイの称号だった。
だが、このまま凡人の俺などが龍神キラの元へ突撃してもあの三人に阻まれるのは確実だ。
隙を突くといっても龍神キラだって警戒しているだろう。もしあいつに危害を加えるとしても
・・・多分実際傷つくのはあの三人だ。
ああなんとばかばかしい話だ。生徒会長になったからといってなんだ。
井の中の蛙とはこのことだろう。
ああ生徒会のみんな今大変だろうな・・・龍神などモテるために忙しくて
実際の仕事など当てにならないし。
俺は結局こんなに他人にも迷惑をかけて・・
俺は思った以上の子供・・クソガキだったのだ。どうすればいいんだ
誰か、誰か助けてくれ…!!
絶望の淵に堕ちた後、俺は滲む目とともにゆっくりと深呼吸した。
だめだ。希望を持て。
そうだ。彼女達はもっとつらいはず。
彼女達に救いというクリスマスプレゼントを贈るために…俺は行かなければいけない。
そう、最後、そのときまでは・・・諦めるわけにはいかない!
「どうか助けてくれ・・力を貸してくれ八葉のみんな」
焦心しきった俺を覗きこむ奴がいた。
犬だ。
驚いて顔を上げると、飼い主らしい黒尽くめの和服の男が異様な雰囲気をまとって立っていた。
顔立ちはいいがずいぶんと印象は悪い。
「・・・」
なんだこいつ。
や、やばい人か?つい身構える。
眉間に激しくしわを寄せた不機嫌そのものの男は、ずいと俺に近寄ってきた。
怖え!
「はっはい!邪魅の雫ちゃんと読了しました!」
「今、八葉といったか」
聞いてねえ今畜生!
だがしかし、ドクンと心臓がなった。
「まさかあんた…」
八葉?
尋ねようとして思いとどまる。
龍神にきいた話を高速で思い返すと、ある一人の男に思い当たったからだ。
そう…奴だ。
長髪の子が東北に落ち延びた時、現地の王者の跡継ぎだった男、だ。
確か長髪の子の力を借りるまでもなく頼朝軍を撃退し、和議を結んだという・・
まさか生まれ変わり、とかいうヤツなのか?つうか生まれ変わりって前世そのままなのか?
対面する男をまじまじと見る。
まあ容姿は悪くはないが・・もっと性格良くなりたいとかさらに美形になりたいとか願わないのか?
頭の中に何故か違和感が渦巻く。
「答えろ。八葉と言ったな」
強く容赦ない目の力にぐっと押される。だがここで負けられない。
「は、はい」
聞いてくれる人間が現われたという現実に、俺の口はなだれを起こしたように喋りつづけた。
俺は一通り話し終えた。
「嫌になるほど俺のかかえている現状と一致するな・・・」
男は眉間のしわをまた深くして自分の事を端的に語った。
「女だ。女が夢に出る。お前が見たという、その長い髪の女だ。
八葉をしたがえ平泉まで逃げてきた女。それが俺を呼ぶ」
やはりそうなのか・・
しかし何故彼だけがそんな夢を…?たいしてつながりもないはずだが。
だが八葉や、その他長髪の子が関わって長髪の子の味方をしそうなやつは全部キラが力を封じて
いるはずだ。確か長髪の子はこの男の従者との方がまだつながりは太いはず。
それから平家方のちょいヤバ目なかっこいい変態とか・・・。
いや、確かこの男は陰陽道をかじっているらしい。それでか・・・?
あかねは糞
今はコルダだよ!
納得はいかないが、今は理由などどうでもいい!
「協力して…くださいますか」俺はずいと迫った。
黒髪の男は深く思いため息をついた。
「面倒だな。だがこの煩わしい夢から解放されるためなら話は別だ…」
ゆらりと立ち上がる。
「刻限は近いな。わかった、俺が行こう。お前は戻って休め」
「え!?でも」
「話は十分にきいた。特に力のない者についてこられても正直迷惑だ。わかったな。
行くぞ金」
い、犬はいいのに俺はだめなのかよ!反論しようとしたが、言葉の裏にボロボロの自分を心配して
くれているのがわかったので口をつぐんだ。
俺は息をついた。何にせよ確かに俺が行っても足手まといなだけだな・・
あっけない幕切れに身体中から力が抜ける。
ここまでだ、凡人の俺にできるのは。俺の役割は終わったのだ。
・・・。はは。乾いた笑いが漏れる。
それにしても運命の人が三人もいたなんて俺も何でもアリなヤツだよなあ・・
いやそもそも俺の感じていた運命とはなんなんだ?ただの中二病の症状だったのか?
わからない。ただあの三人が該当するということだけは確かなんだが・・・
いや・・・本当にあの三人だったのか?
俺は誰を好きなんだ???
悩んでいると雨が降ってきた。
・・・・。
なんだ、あの妙な動きをしている兄さんは・・・
いや・・多分、あれは舞・・・か?
いや、舞うなよ。こんな雨降ってる中。
しかも帽子を目深にかぶりさらにグラサンまでしているので、アブないことこの上ない。
着てるものが何気にセンスがいいのでさらにおかしい。
通行人が彼を見て俺と同じことを感じるらしく、得体の知れないモノを見る目で去っていく。
・・・あーと。
俺はハズした芸人を見たような気持ちになり、いたたまれなくなって声をかけ、雨のあたらない
ところまでひっぱってきた。
話をきくと、初めて彼女と会ったのがこんな雨の降る日だったようだ。
雨に打たれ舞っている自分に彼女が見かねて薄衣をかけてくれたのが縁らしい。
しかしその彼女と離れ離れになってしまい、懸命に探しているが、なかなか見つからないので
初心を思い出して試しに舞ってみたそうだ。
いや、試しにって。
俺が呆れていると、不思議な男は俺をじーっと見据えて呟いた。
「帰る家があるなら帰れ。お前にも家族はいるだろう・・・」
なんかどっかのソニックブーム撃つ人の台詞みたいだな・・
「いや俺はちょっといろいろあって・・とは言っても実際もうお役御免だけど。なかなか
帰る気になれなくて」
聞いてるんだか聞いてないんだかわからないグラサンはぼそりと呟いた。
「役立てるとは思えぬが、吐き出すだけでも軽くなることがある・・」
ヤバい人だがいい人のようだ。
どうせ赤の他人に話しても頭のおかしいガキの戯言にしか聞こえないであろう。
ていうか相手もヤバそうな人だしお互い様だ。
俺はせっかくだからここ一ヶ月のことをすべて自嘲まじりにぶちまけた。
ところが、話せば話すだけ相手は真剣な顔になっていく。
まさか、この人は・・・
そのときだった。例のホテルの屋上から閃光が走った。
次の瞬間、ドウン!!でかい音が辺りを揺るがす。
音の出場所は・・・黒髪の男が向かった例のホテル!!!
俺は無我夢中で駆け出していた。
ホテルは大混乱で、逃げ出す人の波に押し流されそうになった。
すきを突いて最上階にあがる。
龍神と黒髪の男の壮絶な戦いが繰り広げられていた。
ホテルご自慢のスイートルームは半壊し、天井からは淀んだ空が部屋をのぞいている。
あの黒髪の男が放ったのであろうか鋭く大きな氷の塊が一面に花咲いていて
まるでクリスタルの神殿のようだった。
しかし漂う異様な空気は明らかに道を間違えた龍神の子孫の存在を証明している・・
おかっぱの子とショートの子はまだいないようだ。長髪の子だけが剣を構え龍神の隣にいた。
「やはりきたか田中次郎」この世のものとは思えないすさんだ笑みを浮かべる。
それを見て、俺はしまったと後悔する。勢いで何も考えずきてしまったが、
俺なんかがきてどうするというのだ。現に黒髪が珍入者に目を見開いて血の気をひかせている。
「戻れ!!」
黒髪の叫びと同時に俺の後ろの扉がしまった。
「残念だな田中…俺は結構お前を気に入っていたんだがなあ…」
全然残念そうでない口調で笑うと、次の瞬間龍神キラはブチ切れた。
「クソがあーーー!!こんなめんどくせえ野郎呼んできやがってゴルア!!!!
ゴミカスのくせに身の程をしれボケえええぇーーーーーーーーーーーーーーー」
状況を理解できないうちに身体に衝撃が走る。ふっとばされたのを知ったのは10秒後だった。
「一応龍神の血はひいてるもんでね。こんなこともできるわけよ」
龍神が手の平をこちらに向けるだけで、ドン!!すさまじい衝撃が俺たちを襲った。「くっ」
黒髪にかばわれ何とかやりすごす。畜生こんなのきいてねえ・・・!
俺は自分がきたことで、黒髪の緻密な計算を狂わせてしまったことに気付いた。
あせった。
普段ならもう少し冷静な対応ができそうなものだが、追い詰められ駆けずり回った数週間の後だと
精神もいささか変調をきたしていた。
畜生畜生畜生!!男の俺が!足手まといでなんていられるか・・・!!
「うおおおおおおおお!」
キラが黒髪とやりあっている隙をついてキラにタックルした。
パニック状態の俺はそのままキラと共に転がり、考え無しの殴り合いに持ち込む。
「あおああおおおおお」
俺が守る!俺が守る!絶対に・・・俺が守るんだあああ!!!
半ば狂ったように一方的に殴りつける俺にキラは防戦一方だったが、
「望美っ!!」
とキラが叫んだ次の瞬間、俺は長髪の子に思い切り蹴り飛ばされた。
痛みを感じつつ、自分の視線の先に何かが落ちているのに気付く。落ちているというよりは
俺に見つけてほしいという風に感じた。
これは?
光の塊があった。さっきタックルした時にキラから落ちたのか・・?
俺は疑問に思った直後に理解した。
なんてことだ。龍神の封印あってもなお神子のために輝き助けようとしているのか・・・
これが・・八葉の思い、か・・・
俺は状況もわきまえず・・ただただ悔しくて吐き出した。
「なんでだよ…お前らだって彼女たちを好きだったんだろう。ほんとはお前らだって・・
選んでほしかったんだ・・なのに・・・
お前らだって・・誰も選ばれなかったのに…なんで」
塊はせかすように一段と強く輝いた。
ああ、こりゃまいった。
俺なんかが八葉に選ばれないはずだぜ・・・。
「頼むぜ八葉…フッ、俺なんかに力預けんのも不本意だろうけどな」
光の玉を手に取り、俺は覚悟した。
わかっている。神子でもない俺が・・・ただの凡才の俺が、
八葉の結集した力を宿して無事でいられるわけがない。
けれど、志はこいつらと同じだ。決してひけをとるつもりはない。
だから、俺の命をかけて・・・彼女達を救おう。
俺は決意した。
そのときだった。
突如。
俺のかばんがまばゆく光り輝くではないか・・・!!
『おいおいまだハタチにもなってないガキが、命かけるとかいってんじゃねえよ漫画でも
あるまいし。困った時は誰かに相談しなきゃだめだぜ。自分ではわかっているつもりでも、
お前さんの世界はまだまだ狭いんだ・・』
誰かが俺に話しかけている・・・
『ったくただでさえ少子化だってんのにこれ以上貴重な少年読者失ってたまるかよ。
少年は黙ってジャンプ読んでな』
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド
あれは・・・まさか・・・
あの大量の光を放ちゆっくりと浮かび上がっていく長方形の雑誌は・・・
今週の週刊少年ジャンプ・・・!!!!!
まさか八葉や俺の熱意がこの雑誌を読む漢達の念と同調したというのか!!
まさかそんなことが!
『そんなようなものだ。』
いとも簡単に認めた。
『従来ならあるはずのないことだがな。ウチは現状、少年雑誌のくせに
女の子向けゲーを出してしまうほどある特定の女性をターゲットにした商売をやってるからな。
だからこうして乙女ゲー向けイベントの真っ最中なお前さんとも連動できたんだろうぜ』
少々自嘲気味な解説が入った。
『だがな、その熱い決意は気に入ったぜ・・どんなジャンルにいたって男が熱い気持ちを持つのには
変わりねえってことだ。そうだろ?一緒にひと暴れしようじゃないか』
力強い意志が俺を助けるように包んだ。俺は勝利を確信した。
頭に流れ込んでくる言葉を紡ぎ練りこんでいく。
「邪鬼眼、アメウマー、ランダエタ戦…この世のすべての恥ずかしい過去それすなわちオサレなり…
それすなわちうおっまぶしっ…」
俺のまわりを光の螺旋が舞い、徐々に力と光を増していく。そして・・・!
「卍・解!!」
ドン!という巨大な衝撃とともに、光が轟音をたてて形となる!!
《フッ、ニーニョ、お前の心意気しかと受け止めたぜ・・・そう・・漢とは、一つを護る
ために在る!!!!》
意識の集合体のうちの一つが突出した。
シュゴオオオオオオオオオオオ!!!!!
川`⊇´)という顔をした光の龍がうねって勢いをつけ龍神キラを襲う!
「突き抜けろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺は骨がきしむのも忘れて全身全霊をかけて咆えた。
「な・・・なにいいいいいっ!!」
その熱くたぎる情熱はいとも簡単にキラを飲み込み、天高く舞い上がった。
一瞬空中で停止すると、後は急降下してホテルに落下し・・さまじい衝撃音をぶちまけた後、
床にクレーターを残した。
その真ん中にKOされたキラが無様に焼け焦げ、プスプスと横たわっていた。
いやただのKOではない・・・ぞ?キラの何だか身体がやけに不自然に歪んでいるように見える。
近づいてみて俺は一気に血の気が冷めた。
キラの自慢の顔は落書きに適当なアニメ塗りしただけの
やる気のない糞画像になっており、直視していたら爆笑してしまう仕様になっていたのだ。
嗚呼これは・・・!俺は思わず目を見開き口を覆った。
「・・・カニメ・・・!!伝説のカニメの呪い・・・っ!!」
なんてことだ!!これが力を乱用したキラへの報いだというのか・・!!あまりに恐ろしい!!
確かにキラは人として糞だがここまではしなくてもいいだろう!!
一人の人間の尊厳を踏みにじる行為だ!!!カレーとうんこを取り替えるようなものだ!!!
凡人の俺は思わずキラに同情した。
キラが撃沈したのを見て安心したのか俺はその場に崩れ落ちた。
決意で保っていた意識、身体のすべてが壊れて倒れる。
もう動かない。
だがその時またも光が・・・
その回復の光に包まれて、いつの間にか俺の身体は痛みを残しつつも問題のない状態まで戻っていた。
「これは・・・」
か細いジャンプの息吹を感じるが、さっきとは出所が少々違う・・・?
もっと何かゆったりしたようなだらだらしたような・・言い換えれば惰性っていうか・・
光を送ってくる主は黒髪の連れていた、金とかいう犬だった。
しかも立って腕組みをしているではないか。
さらに何故か犬種が変わり、メガネをかけ、だらしなくベロを出している。
こ、これはまさか“念”能力ッ!!?
《帰りなさい少年よ・・・・帰って無事な姿を見せ、ご両親を安心させなさい・・
少年よ、君は確かに頑張った。だがその裏でたくさんの人が君を気遣い心を痛めていたのを知らなければ
ならない。待つ者のつらさや不安、悲しみを理解しなさい・・
それらの苦しみは・・・私にも子供がいるからとてもよくわかるのだよ・・》
「まさかあなたは・・とが《帰りなさい少年よ・・》
「は・・はい帰ります!!ところでHUNTER×HUN《さらばだ!!》
光はまさに光の速さで消え去った・・・。
「ありがとう・・・師匠、みなさん、後とが・・じゃなくてT樫先生・・・」
心の底から、ジャンプ読者でよかったと思った。
そして・・
「お前達が守ったんだぜ・・・ありがとよ」
役目を果たし消え行く光にそっと声をかけた・・・。
その時。八葉と同調したせいなのか、俺に過去の・・いや転生の記憶がよみがえってきた。
流れ込んでくる記憶。これが前世の俺・・・。
ああそうか。だから今の技が使えたのか俺。
・・・死んだ方が良かったと思えるほどの恥ずかしさが俺を襲い、俺はばたばたと暴れ悶えた。
はらり。静けさを取り戻した街には静かに白い天使達が舞い降り始めた。
終わったあと、半壊したホテルの屋上には俺と黒髪と倒れたキラと、我に返った長髪の子・・望美さんがいた。
望美さんは長い黒髪の陰湿そうな男に息を飲み、呆然としたまま男の名を呟き、目を丸くして
絶句していたが、やがて一粒涙を流した。
(ああ…そういうことか…)鈍い俺でもさすがに理解した。
誰とも結ばれず戻ってきた、ということは、イコール誰にも恋をしていなかったということでは
ないということだな・・・。
なのに男は美少女の涙に微動だにともせず言い放った。
「迷惑だ。何者かは知らんが俺におかしな夢を送ってくるな」と凄まじいガン飛ばし付きで。
空気がびしっと固まった。
おいおいそりゃねえだろエセ京極堂!!
だが、俺が助け舟を出そうか悩んでいる間に望美さんは石化から回復し、なんとぎろっとヤツを睨み返した。
「わかりました。夢だかなんだかしらないけど何とかしましょう。夢で逢うのが嫌になるくらいに
起きてる間あなたの側にいさせてもらいます」
はっきり言い放つと、ささっと男の腕にからみついたのだ。
うおお!つ、強ぇ!!望美さんつええーーー!!!!
「・・・もう離れません」
大胆な行動にそのぽつりと呟いた台詞は似合わなくて、何だか可愛らしかった。
男はしばらく呆気にとられ、自分に抱きつく女を訝しげにながめた後、やがて・・敗北した。
「・・聞きたいことが山ほどあるぞ」と、やはり面倒そうに言い、疲れと傷でよろける彼女を
支えながら立ち去っていった。男によりそう彼女はとてもきれいで・・ちょっとだけ振り返って
俺に軽く頭を下げる姿には、思わずみとれた。
その後を、犬がぱたぱたと尻尾をふりながらついていった。
しかし。
味方してもらって何だが、あの男に彼女を任せて大丈夫だろうか?という不安が頭をよぎる。
あの男なんかSっぽいし・・・
少し心配したが、彼が彼女を見た時の一瞬の優しさを・・信じたいと思った。
うん大丈夫だ。ああいうのに限って実は結構Mなんだ。定説だ。
無理矢理自分を納得させつつも、少しだけ、胸がズキリと痛んだ。
・・・こちらの世界ではそのチャンスをつかんで、どうか幸せに、望美さん。
「見ろよ龍神キラ・・・お前に彼女にあんな顔をさせられるのか?あんなきれいに咲く花を
むしることしかできないお前に・・・その資格はねーんだよ・・」
俺はどちらかというと自分に言い聞かせるように呟いていた。
だがそれは龍神には地雷だったらしい。
龍神は最後の狂ったような馬鹿力で俺の首を絞めてきた。
「ぐ・・・」
気が遠くなる。
シュッ!!
閉じた扇子がキラの眉間にクリーンヒットした!
「間にあったか・・いや、事は済んでしまったようだな。遅くなってすまない」
扇子を飛ばした主は先ほどの舞の男だった。グラサンが取れている。
彼は…!
確か古典芸能界の氷川○よし的立場を担う期待のイケメン演技者・TAKISHI(仮名)!!
「あかねは」
一瞬戸惑ったが、その名はおかっぱの子の名前だとすぐにわかった。
おかっぱの子は怨霊になった舞手と恋に落ちたはずだからだ。
そして彼は、彼女を求め今も彷徨う彼女の想い人・・・ということか。
「いえ、まだ…あ、でも多分今頃は洗脳が解けただろうから・・ここへはこないんじゃないかと」
「そうか」TAKISHIはちょっと肩を落とした。
「へあははは!ざまあみろや馬鹿どもがっ!」「龍神んっ!貴様っどこまで…」
殴りたい気持ちをぐっと抑える。
「龍神・・・もしお前にも反省する心があるのなら、この人にあかねさんの住所だけでも
教えてやれよ」
俺を無視してカニメ龍神はただゲラゲラと笑い転げるだけだった。
「よい田中」「でも」「このような者に頼らずともいつか会えると信じている」
男は俺に優しくほほえみ、そして龍神に向き直った。
「それより・・・少々仕置きが必要な者がいるようだ」
TAKISHIの笑いはキラの狂い笑いをぴたりと止めさせた。
それほどまでに端正な顔立ちの歪みは冷酷で恐ろしかった。
笑っているのに目はヤクをキメたやばい人のように座っている。
この世の無情を身に受けた怨霊のような冷たさは、お坊ちゃんの龍神の比ではなかった。
「丁度良い・・先ほど公園のベンチで声をかけられたのでつれてきた。というかついてきた。
これもそなたの暴走を知った龍神のめぐり合わせかも知れぬ」
パチンと指を鳴らした。
すると半壊した部屋で唯一無事だったソファに、いつの間にか一人の男が座っていた。
男は穏やかだが挑発を秘めた微笑を絶やさず、すっとツナギのチャックをヤバイところまで
・・・っていうか完全にアウトなところまでおろしてこう言った。
「やらないか」
龍神の阿鼻叫喚のアッー!を置き去りにして、俺はTAKISHIに連れ出され、それでもやはり少々
痛む身体で何とか帰宅した。
家の少し前でタクシーを止めてもらいTAKISHIとは別れた。
彼は最後に「ありがとう」と言った。
礼をいうのは助けられた俺のほうなのに?と不思議に思ったが、タクシーが去ってから理解した。
俺のあかねを守ってくれて、ありがとう・・・ってことか。
そういえばさっき黒髪の男も世話をかけた、とか呟いてったな・・
・・ああそうか。あの二人の存在は、本物の龍神さまが自分の神子へ贈ったご褒美みたいなもんなんだな。
「へっ」思わず苦笑が漏れた。
直後、俺を見つけた母親が奇声に近い叫びをあげ飛び出してきた。
母さん・・こんな汚れきった俺を抱きしめて泣いてる・・・
たった1ヵ月程度で母はずいぶんやつれたように見え、俺は理由があったとはいえ反省せざろうえなかった。
「母さん心配かけてごめん。でも何とか終わったよ・・・」
そうだ・・夢ばかり追っていて、現実がこんなにあたたかいものだなんて気付こうともしなかった。
ここが俺の、今の居場所なんだ・・・
その後龍神は高校を中退させられ―――姿を消した。
ホテルの修理代なんかはキラを引き取った何らかの団体が出してくれた、とか。よくは知らない。
黒髪の男は転生後の今も東北では名の知れた地位と財力の持ち主らしく、龍神関係の本家を探し当てて
キラの厳罰と今後の対処を求めたのだそうだ。
で、当のキラは現在・・
ベーコンレタスだかガチホモだかに目覚めたらしく、女を襲う心配は皆無になったといえるらしい・・・
・・・のわりには、その類の女子たちが喜んで集まるらしいから、女には囲まれてるみたいだが。
姿はカニメでも中の人は人気声優だからなあ。
ある日ヤツから謝罪の手紙が届いた。
謝罪とは名ばかりの、俺の息子に逢いたいという手紙だった。
破って捨てた。
そして年が明け、数日後。ジャンプを買いにコンビニへと歩いていた時だった。
俺は偶然ショートの子とあった。
彼女はクリスマスに洗脳が解けてから、少々記憶はあいまいかもしれないが、基本的には
洗脳されたことも知らず普通に生活していたに違いない。
声をかけたい衝動にかられたが、思いとどまった。
操られていて意識がなかったとはいえもう少しで惨劇が身に起こるはず
だったのだ、こんな現実は知らない方がいいだろう。
そう・・・。何もなかったのだ。それでいい。
普通にすれ違うつもりが、思わぬ出来事が起きた。
「あの」
なんと彼女の方から声をかけてきたのだ。
「あなた・・・どこかでお会いしたことありませんでしたっけ」
心臓が飛び跳ねる。
「あ、いや・・!ナンパとかじゃないですよ、ほんどどこかでお会いしたこと
ありませんですか!?」
わたわたしている彼女を見て、封じ込めようとしていた愛しさが爆発する。
そうだ、彼女には今特定の相手がいないはずだ。
今なら伝わるかもしれない。伝えてもいいかもしれない。今なら、今なら・・・
遊ぼう、また昔みたいに・・・
愛の言葉が喉まで出かけた。
だがこの花は手に入らない花だ・・・
手を入れてはいけない花だ・・・
「いいえ、人違いではないでしょうか。急いでいるので失礼」
俺は静かに否定し足早にそこを去った。
言葉が冷たくなってしまったが、それが精一杯だった。
龍神関係以外…そう、君たちの強い絆の輪の外にも君たちを見ていたやつはいたのさ。
それが俺。
遙かなる時空を超えいつか結ばれたいと思っていたのだ。
だが違う。俺が焦がれたのは多分龍神の神子という時空をかける少女の幻影で・・・
華やかとはいえ縛られた息苦しい毎日の中、まわりと雰囲気の違う、自由であたたかな希望の塊のような
存在に・・・甘い幻想をいだいていただけなのだ。
夢のようなものだ。あの三人の誰でもあり、それはつまりあの三人の誰でもないということ。
それぞれに一人の神子を想う八葉とは明らかに違うのだ。
それではいつまでも俺はねじれた束縛から解き放たれない。結局自分を縛るのは自分なんだな。
俺は多分、今・・龍神キラに心のどこかで感謝している。もし彼の愚行がなければ俺は同じことを彼女達に
焦がれる余りにしてしまっていたかもしれないから。
だから。
俺は君達を忘れなければならない。
そっと振り返る。遠ざかるショートの子・・・花梨さんの小さな後姿が見えた。
「さようなら、うるわしの姫君たち」
そして俺は 二度と振り替える事なくその場を去った。
きっと花梨さんにも、また彼女と逢いたいと節に願う男達のめぐり合わせがあるんだろう。
ふ、と笑いがこぼれた。今はそれをとても穏やかな気持ちで祝福してあげられる。
ああそうだ昔俺は君たちにつっかかってばかりで・・・
君たちが気になるのを無駄なプライドで隠して知らないふりばかりして・・・。
そんな思いに酔いながら歩いていたら、あやうく滑ってこけそうになった。
危ない危ない。すんでのところで踏みとどまる。
そういえば昔はよく何度も勢いつけてこけて彼女達に苦笑されたり呆れられたりしてたっけ・・・
行こう。俺は、俺の新しい道を。
そう。
もう夢を見るのをやめて行かなきゃ行けない時間がきたんだ。
多分生きていくとはそういうことだ。
次の扉を開けよう。
歪んでしまった妄想の果てではなく、自分の力で切り開き、自分で選ぶ大事な運命の人をさがしにいこう。
しんしんと雪がふる。
この先にある、雪解けの光降り注ぐ春へと俺は進んでいく・・・
終
あかねたんは可愛いけど、漏れにはあの声が………orz
つい読みふけってしまったw
つーかこの主人公まろだったのかー!!!!!wwww
どうせ転載なんだろうけど、どこのだろう…?
マイ神の文体に似てるので気になる…
そういえばアレが投下されたのも去年の今頃だったなあ…
こらこら転載厨?なぞスルー汁
ここはあかねたんスレですよあかねたんへの萌えを語りなさい
129 :
名無しって呼んでいいか?:2006/12/24(日) 21:11:38 ID:mFMQxPxW
転載SSのタキシあかね(;´Д`)ハァハァ
131 :
126:2006/12/25(月) 07:37:26 ID:???
>>130 川上のあのあかねたん声は漏れはちと苦手……
あとあかねたんには合わないような……(あくまで漏れから見て)
スマソ、好きだって人もいるだろうに(´・ω・`)
>>128も言ってるようにこれからは萌えを語りますノシ
132 :
名無し:2006/12/25(月) 23:46:59 ID:???
友雅って童貞?
あれだけ色事語って色男フェロモン出しといて
チェリーボーイだったらいっそ禿ワロス<友雅
あかね「みんなもうすぐアニメやるから見てね!」
A泉(あれは勧めてよいものなのでしょうか)
あかねたんハァハァ
アニメひどいが止め絵はまあ見れるのもあった
あかねタソのエロSSマダー