選択肢を選んで1000スレ目でエンディング

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1名無しって呼んでいいか?
・リレー形式で話を作れ。
・話の最後には選択肢をつけること。
・次に進める人は選択肢を選んだ後それにあった話を作り、1000スレ目でED。
・誰とくっつけさせようが話を作る人の自由
・途中にキャラ追加、話まとめなどO.K.

<初期キャラ設定>
大堂愛菜:高校二年の主人公
大堂春樹:主人公の義理の弟(高1)
主人公よりしっかりものなので兄にみられがち

<OP>
部屋のカーテンが開けられる。
光が差し込みたまらず私は布団をかぶった。
春樹「朝だ。いいかげん起きてくれ、姉さん。」
@春樹に抵抗する
A無視
B起きる
2名無しって呼んでいいか?:2006/02/18(土) 23:34:55 ID:???
ちょwさすがに1000スレは多いww
とりあえずつB起きる

春樹「今日は学校に早く行かなきゃならないって言ってただろ?」
愛菜「!そうだった!今日は…」
@一時間目から数学のテスト!
A委員会の集まりがあったんだ
B転校生が来るんだっけ…

こんな感じ?
3:2006/02/19(日) 00:02:18 ID:???
そんな感じ。

Aを選ぶ
愛菜「バカ、春樹のバカ!!早く起こしてっていったでしょ。」
春樹「起こしたよ!!姉さんが起きなかっただけだろ。」
愛菜「私も、バカだ〜。着替えるからでてけ〜。」
愛菜はすばやく着替えると朝食も食べないまま学校目掛けて駆け出していく。
春樹もそれに続いていく。
春樹のため息が聞こえた気がしたが反応している暇はなかった。
それだけ遅刻すると委員長が怖いのだ。
@近道する
A通学路をいつも通り行く
B春樹に先行ってもらって事情を話してもらう
4名無しって呼んでいいか?:2006/02/19(日) 04:27:10 ID:???
@近道をする

時計を見ると委員会まで後10分…。
愛菜「えっ?!普通に行ってたらもう間に合わないじゃない!
…今日くらい仕方ないわよね?」
校則で通学路以外の道は禁止されているのだが、時間がない。
愛菜は仕方なく普段は使わない近道の路地を行く事にした。

愛菜「きゃっ!!」

時計で時間を確認しつつ路地を暫く走っていると、何者かにぶつかり転んでしまった。
愛菜「いったぁ……」
?「‥大丈夫か?」

涙目になりつつも何とか立ち上がろうとした愛菜に手を差し出したのは…。

@委員長
A幼馴染み
B見知らぬ男の子
5名無しって呼んでいいか?:2006/02/19(日) 08:48:21 ID:???
→幼馴染み

手を差し伸べた相手は幼馴染の隆だった

「だ、大丈夫!ごめんねっ!」

愛菜は彼に謝ると、慌ててその場から走り出した。
例の一件以来、隆とは気まずく顔もまともに見れない状態だったのだ。

例の件というのは…

1.愛菜は思い切って隆に告白したが振られてしまった
2.隆から告白されたものの、どうすればいいか分からず避け続けている
3.隆が女教師とキスしているのを偶然見てしまった
61:2006/02/19(日) 10:05:13 ID:???
>>2
スマソ、正しくは1000レス目でED

<今出ているキャラ>
大堂愛菜:高校二年の主人公
大堂春樹:主人公の義理の弟(高1)
主人公よりしっかりものなので兄にみられがち
隆:主人公の幼馴染(性格?)
委員長:???

<今までのあらすじ>
朝寝坊して委員会に遅刻しそうな愛菜は近道するも、
幼馴染の隆とぶつかる。
隆とはある一件以来すれちがっていた。
>>5の続きを書くべし。

みたいに話の整理をつけるも良し。
では、続きをドゾー。
7名無しって呼んでいいか?:2006/02/19(日) 13:51:08 ID:???
3,隆が女教師とキスしているのを偶然見てしまった。

「ごめん、隆…」

愛菜とてこの状況がよいものだとは思っていない。
しかし彼を見ると、数日前の偶然入った音楽室での光景が蘇ってくるのだ。
若くてそのわりに妖艶な雰囲気を持つあの音楽教師との濃厚な…

生々しい男女の関係にショックを受けたのか
それとも仲の良かった幼なじみが遠くに行ってしまうことが寂しいのか。
愛菜の気持ちも未だ整理がつかない。

「おっはよ、愛菜」
「香織ちゃん…おはよ」
クラスメートで親友の長谷川香織が声をかけてくる。
「あんたまだ隆と気まずい感じなの?」
「うっ、うん…」
「あんたたち仲が良すぎたのよ。ここでこの香織様が彼氏を紹介してあげようか?」

1、テニス部のエース
2、バンドのボーカリスト
3、漫研のコスプレ美少年
8名無しって呼んでいいか?:2006/02/19(日) 17:11:58 ID:???
1、テニス部のエース

香織の言葉で頭に浮かんだのは、テニス部のエース宗像修二。

宗像はテニスの実力は確かだったが、それを鼻にかけて
他人を見下し、平気で何人もの女の子と同時に付き合うような
いわば絵に描いたような女の敵。愛菜のもっとも嫌いなタイプだった。

(なんであんなヤツのことなんて…!)

思いがけず頭に浮かんだ相手に動揺する愛菜。
でもそれには理由があった

・宗像の双子の兄、一郎が気になってる
・認めたくないけど宗像が気になる
9名無しって呼んでいいか?:2006/02/19(日) 17:41:16 ID:???
・宗像の双子の兄、一郎が気になってる

修二の兄の一郎は委員会の委員長で、
同じ顔をしていても宗像とは違って誠実で優しい人だった。
愛菜は入学当時からの憧れで同じ委員会に入れたことがなにより嬉しかった。
「怒ると怖いけどね。」
「なにが怖いの。」
香織に突っ込まれて現実に戻り頭に浮かんだ人物を振り払う。
「宗像君、人気あるし紹介しようか。」
「冗談でしょ。一郎君とは似ても似つかないのに!! 」
「あぁ、委員長のこと考えてたんだ。」
自分から漏らしてしまい、愛菜の顔が朱に染まる。
「ち、違うよ。た、ただ今日遅刻して怒られたから反省してただけだもん。」
「あいなちゃ〜ん。」
「大堂。」
声を掛けられて振り向くとちょうど話にでてきた二人が声をかけてきた。
「大堂、放課後委員会に来てくれ。朝片付けられなかった仕事を手伝って欲しい。」
「今日、俺の試合応援しに来て欲しいな。愛菜ちゃんに応援してくれたら頑張れるから。」
同じ顔が二人見合わせてにらみあって一触即発。
「兄貴一人でできるでしょ。頭がいいんだから。」
「本当に自分勝手な奴だな。」
二人の間に香織が入って止めるとチャイムがなった。
二人は愛菜の返事も聞けずにそれぞれのクラスに戻っていった。

-放課後-
「姉さん、今日は買い物手伝ってくれる。」
「春樹!えっと……。」

1.委員会に出席する
2.気が進まないが応援に行く
3. 春樹の買い物に付き合う
10名無しって呼んでいいか?:2006/02/19(日) 23:34:25 ID:???
1.委員会に出席する

「ごめんね春樹、今日は委員会に出なきゃならないの」
「そっか…うん、まあしょうがないよな。じゃあ俺先に帰ってるから」
春樹は少し寂しそうな顔をして去ってしまった。

「すまないな、わざわざ放課後までつき合わせて」
「ううん、これも仕事だし」
ところで、二人の所属している委員会とは…

@風紀委員
A放送委員
B実は生徒会執行部
11名無しって呼んでいいか?:2006/02/20(月) 00:38:32 ID:???
A放送委員

レコーディングスタジオ並みの機材が揃った部室に夕焼けの赤い光が射し込んでくる。
ようやく仕事を終えた二人はやっと向かい合うことが出来た。

「これで学園祭の打ち合わせは完璧だな」
「ええ…お疲れさま」

いくら祭りと名付けられた行事とはいえ、当日の放送委員会の仕事は山のようにある。
念入りに繰り返された打ち合わせもとりあえずの形にはなったようだ。
二人は他の委員に手渡す資料を整えながら帰宅の準備を始める。

そのとき突然放送室の扉が開かれて、誰かが顔を覗かせる。
その人は放送委員会の顧問を務める…

1、気さくで優しい宮本先生(男)
2、厳格だが生徒想いの近藤先生(男)
3、隆とキスをしていた音楽の女教師
12名無しって呼んでいいか?:2006/02/20(月) 22:49:36 ID:???
3、隆とキスをしていた音楽の女教師

扉から顔を出したのは、放送委員会の顧問を務める音楽教師、水野だった。
水野は帰宅の準備をしている二人を見て、にっこりと微笑む。

「もう仕事は終わったみたいね? ご苦労さま。残すはリハーサルと本番のみね」
「委員への資料の配布もまだ残ってはいますけどね」

書類を整え終わった一郎の律儀な答えに、水野は大袈裟に肩を竦めて笑ってみせる。
それから「ほらほら」と手をひらめかせるようにして二人を追いたてた。

「早く帰る用意済ませちゃいなさい。最終下校時刻が迫ってるんだから……ってアラ」
何かに気付いたように水野は言葉を止め、俯き気味だった愛菜の顔をひょいっと覗き込んだ。
「どうしたの、大堂さん。なんだかしんどそうよ。気分でも悪い?」

愛菜の脳裏を数日前に目撃した、あの映像が掠めていく。愛菜は…

1.「気のせいですよ」と笑ってごまかす。
2.「気のせいですよ」とつっけんどんに答える。
3.「ちょっとお腹が…」とこの場から逃げようとする。
13名無しって呼んでいいか?:2006/02/21(火) 17:40:10 ID:???
3.「ちょっとお腹が…」とこの場から逃げようとする。

「あら大変…保健室、一人で行ける?」
「あ、すぐ帰りますんで、心配しないでください。
 それじゃあ一郎君、また次の委員会で」
「あぁ、無理するなよ」

愛菜はそそくさと放送室を抜け出した。 
(やっぱり、気まずいよね…)
ため息をつく愛菜。
その時、衝撃的な言葉が愛菜の耳に飛び込んできた

@水野「やっと二人きりになれたわね、一郎君」
A宗像「で?先生、口止め料は持ってきたんでしょうね?隆君とのキスの…」
14名無しって呼んでいいか?:2006/02/21(火) 23:29:39 ID:???
数秒待つと出現する選択肢・3
水野「ちゃんと隆君の事、捕まえておいているんでしょうね?」

「え・・・?」
ひどく衝撃的な言葉が愛菜の耳に飛び込んできた。
「あら、そんなに私って信用無いの?…それとも魅力が無いのかしら?」
先ほどの、愛菜の体調を気遣う教師らしい優しげな声とは少し違う
艶めいたニュアンスの水野先生の声が聞こえる。

どくん…どくん…

この二人は何を話しているのだろう…
(一郎君が…先生と隆君の事を知っている…?)
それどころか一郎が水野先生をけしかけているようにも取れる。

どくん… どくん…

(なんだか、これ以上…聞くのは怖い…)

愛菜は震える足を動かしてその場から離れた。
鼓動の音だけが耳に響くような感覚。周りの音が聞こえない。
愛菜の足取りははだんだん早足になり、気付いた時には駆けていた。
ただひたすら、何も目に入らずに。
廊下の曲がり角に差し掛かったとき…誰かと衝突した。

衝突した相手は…
1、隆君
2、宗像修二
3、厳格だが生徒想いの近藤先生(男)

数秒待ち出現選択肢、ありですか?
無しでしたら華麗にスルーで次の人ヨロ。
15名無しって呼んでいいか?:2006/02/21(火) 23:31:55 ID:???
あ、出現選択肢、水野じゃなくて宗像です。スマソ。
16名無しって呼んでいいか?:2006/02/22(水) 00:27:48 ID:???
面白ければ何でもいい希ガス。ダメなら>>1対応してくれ。

3、厳格だが生徒想いの近藤先生(男)

「うわっ、」

ぶつかった勢いのまま廊下に倒れこんだ愛菜は、聞こえてきた声に驚いて顔を上げる。
落とした眼鏡をかけ直しているのは、直接授業を受けたことはないが校内一厳しいと評判の教師だった。
(どうしよう…お、怒られる…)
「あ、あのっ!すみません、私の不注意でした!」
先手必勝とばかりに勢いよく頭を下げると、ぽんと大きな掌が頭を撫でた。
(…え?)
「怪我はないか?…今度から気をつけるように」
「あ…はい、すみませんでした」

前評判から、当然頭ごなしに怒られるものだと思っていた。
しかし怒られもせず、逆に心配までされてしまった。
愛菜は意外な心境で、ぼんやりと去っていく背中を見つめた。

折りよくそこに、最終下校を告げるチャイムが流れる。

愛菜は…
1 真っ直ぐ帰宅する
2 その場でぼんやりする
3 …やっぱり放送室に戻る
17名無しって呼んでいいか?:2006/02/22(水) 01:19:09 ID:???
1 真っ直ぐ帰宅する

「よお、お帰り」

自宅には買い物を済ませた春樹が戻っていた。
両親は仕事が忙しいらしく、今日は奴が夕食を作ってくれていたらしい。

「オムライス。好きだろ」
「あっ…ありがと…」

脳内も心の中もぐしゃぐしゃな愛菜にとって、弟の優しさが胸に染みる。
そのせいか、急に春樹に対して甘えたいような気持ちになってきた。

「ねえ、春樹」
「ん?」
「男の人ってさ、やっぱり女教師みたいな大人の女に惹かれるものなのかな」

1、「…なにかあったのか?」
2、「おいおい、高校生と教師じゃ犯罪じゃん。危ないことには首はつっこまねーよ。」
3、「まーな。俺の初恋は幼稚園の先生だったし。」
181:2006/02/22(水) 09:42:22 ID:???
>>14
別にかまわないが、
他の人も選択肢選んで欲しくて書いてるだろうから
できるだけ選んでくれまいか。


<今出ているキャラ>
大堂愛菜:高校二年の主人公
大堂春樹:主人公の義理の弟(高1)
主人公よりしっかりものなので兄にみられがち
隆:主人公の幼馴染(性格?)
宗像一郎:放送委員の委員長。
誠実で優しい優等生だが、裏あり?
宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース
他人を見下しているところがあり、不誠実
近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師
水野先生:隆とキスしていた音楽教師、
一郎と裏で繋がっているかも
長谷川香織:愛菜の親友

<今までのあらすじ>
隆と水野のキスを見て以来隆と疎遠になっている愛菜。
憧れの一郎と二人で委員会の仕事をしていると水野が入ってくる。
水野から遠ざかるように部屋を出て行った後の二人の会話に衝撃を受ける。
一郎は隆と水野の関係に何か関わりがあるらしい。
重い気持ちのまま帰宅すると春樹の何気ない優しさに癒される自分がいた。
愛菜の質問に春樹はなんと答えるのか……。
>>17の選択肢を選んで続きを書くべし。

というわけで次の人ドゾー
19名無しって呼んでいいか?:2006/02/22(水) 13:18:40 ID:???
1、「…なにかあったのか?」

春樹は心配そうに私の顔を覗き込む。
その目はどことなく、父に似ていた。

血はつながってないのに、不思議だなと思う。
夫婦はだんだん似てくるというけれど、春樹の場合もそうなのだろうか。

「別に何があったってわけじゃないんだけど…。
そういえば春樹ってモテるのにその手の話全然しないね。好きな子とかいないの?」

さっと春樹の表情が変わる。どうしたんだろう?

1)気になるので追求する
2)興味ないし、放っておく
3)からかってみる
20名無しって呼んでいいか?:2006/02/23(木) 19:05:12 ID:???
3)からかってみる

「もしかして、今まで好きになった子いないとか。
まだ春樹には早いのかな」
ムッとした表情になった春樹を見て、
思わず笑ってしまう。
「…ちょっと酷いよ。だって俺は…」
真剣な表情の春樹に戸惑っていると
チャーラーラーチャラーラーラー
私の携帯がなった。

電話の相手は
1)隆
2)宗像一朗
3)長谷川香織
21名無しって呼んでいいか?:2006/02/23(木) 19:08:58 ID:???
スマソ名前間違った

×一朗
○一郎
22名無しって呼んでいいか?:2006/02/23(木) 21:19:47 ID:???
1)隆

隆からの電話…無視しようかとも思ったが
いつまでも避け続けるわけにいかない。
愛菜は思い切って出ることにした。

「もしもし…」
「俺だけど」
「うん」
「……なあ、お前最近俺のこと避けてない?」

いきなりの問いかけにドキッとする

1.隆の気のせいだよ
2.………
3.私、見ちゃったんだ
23名無しって呼んでいいか?:2006/02/23(木) 22:07:49 ID:???
3.私、見ちゃったんだ

思わず声が震えてしまった。言ってしまって良かったのかと今更
ながらに後悔する。でも、このまま隆を避け続けていくのも私の精神上
良ろしくない。気まずいのは、嫌だから。

携帯越しに、隆の息を飲む音が聞こえた気がした。

「……は?見たって、何を?」

何をって…これはとぼけているのだろうか。努めて明るい声で隆は
聞き返してきた。
もしかしたら隆は追求してほしくないのかもしれない。どうしようか…

1.更に追求する(先生と隆が…キスしてるとこ、とハッキリ言う)
2.話を逸らす(いや、隆がこないだ肥だめに落ちたところ見ちゃってさ)
3.言葉につまり泣き出す
24名無しって呼んでいいか?:2006/02/23(木) 22:31:48 ID:???
1.更に追求する(先生と隆が…キスしてるとこ、とハッキリ言う)

「ごめん、覗くつもりはなかったんだけど…音楽室にたまたま入った時に、ね…」
「…そうか」

しばしの沈黙。
「そ、そういうことだから…それじゃ、また…」
「待て!切るな!」
重い雰囲気に耐え切れなくなった愛菜が電話を切ろうとした瞬間、隆が叫んだ。
「その事実を否定するつもりはない…でも、あれには理由があるんだ!
 今まで誰にも言えなかったけど、お前には知っていて欲しい…
 なぁ、今からちょっと会えないか?話がしたいんだ…頼む」

「え…」

@「…わかった。近くのファミレスでいいよね?」
A「そんなの、聞きたくないよ…ごめん」
B「…もしかしてそれって、一郎君と何か関係があるの?」
25名無しって呼んでいいか?:2006/02/23(木) 23:53:24 ID:???
B「…もしかしてそれって、一郎君と何か関係があるの?」

電話の向こうから、隆が息を飲む気配が伝わってきた。

「……一郎? 一郎って、あの宗像一郎か?」
「え、うん。そうだけど…?」

妙に真剣な隆の声に戸惑いつつもそう言葉を返すが、
電話越しに聞こえてくるのは考え込むような沈黙のみ。
どういうことだろう。隆の口調から察する限りでは、
彼は一郎の名前が出てきたことに驚いているようだが…。

困惑しながら泳がせた視線の先で、心配そうにこちらを窺っている春樹の姿が見えた。
ねぇ、と愛菜は電話口に声をかける。

「知っていて欲しいことがあるんでしょ? なら直接会って話そうよ。
 私もそこで一郎くんのこと、話すから」

待ち合わせを近くのファミレスに決め、愛菜は電話を切った。
さあ、これから…

1.すぐにファミレスに行こう。
2.春樹が心配そうな顔をしている。隆に会うだけだから、と説明しなくちゃ。
3.少し近所を歩いて頭を冷やしてから、ファミレスに行こう。
26名無しって呼んでいいか?:2006/02/24(金) 01:29:20 ID:???
2.春樹が心配そうな顔をしている。隆に会うだけだから、と説明しなくちゃ。

「隆と話があるから行ってくるね。」
「でも姉さん…話、少し聞こえてたけど大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。心配ないって。」

春樹に心配かけたくないという思いで、笑顔で大丈夫という愛菜。
内心は、隆にどんな話をされるかとビクビクしているが、そんな表情をおくびにもださなかった。
春樹はまだ何か言いたそうだったが、愛菜はそれを振り切って家をでた。

ファミレスへと向かう道を急いで歩いていると、公園が見えてきた。
あの公園の角を曲がれば、もうファミレス…というところで愛菜の耳に聞き覚えのある声が届いた。

その声は…

1.一郎と修二
2.一郎と香織
3.修二と水野
27名無しって呼んでいいか?:2006/02/24(金) 12:28:53 ID:???
横レス悪いが、これって途中バッドエンド(ゲームオーバー)もアリ?
281:2006/02/24(金) 13:46:47 ID:???
>>27
私はBADかまわないよ。
その次のレスは選択肢を選びなおして続けるでどうだろうか。
29名無しって呼んでいいか?:2006/02/24(金) 17:10:48 ID:???
3.修二と水野

(あの声は…!)
愛菜は思わず立ち止まった。
(水野先生…もう一人は、修二君?)
「いい加減にしてくださいよ、先生」
「そうやって、いつまで意地を張り続けるつもりかしら?修二君」
(なんか、修二君いつもと違う…?)
思わず愛菜は聞き耳を立ててしまう。
「一郎君と違って、あなたはあまり賢くないようね?」
「俺は…兄貴とは違う!!あんたの言いなりにはならない!」
修二はそう叫び、公園の出口に向かって駆け出した。
(!見つかっちゃう!!)
愛菜は茂みに隠れようとしたが、運悪く公園を飛び出してきた修二と
鉢合わせしてしまった。
「愛菜ちゃん…」

1、とにかく逃げ出す
2、聞いてなかったふりをしてとぼける
3、二人の話の内容について聞いてみる
30名無しって呼んでいいか?:2006/02/25(土) 00:07:28 ID:???
2、聞いてなかったふりをしてとぼける

「あっ、しゅ…修二くんっ! 偶然だね!」
「……」

お約束のように素知らぬ振りを決め込んでみるが、衝撃と動揺で心なしか声が震える。
愛菜のそんな素振りに気付いているのかいないのか、
修二は眉を寄せるようにして顔を歪めると、くるりと踵を返してしまう。

「えっ、ちょ、修二くん…!?」

そのまま何も言わずに歩いて行ってしまう修二を思わず呼び止めようとした愛菜の耳に、
公園内から誰かが近づいてくる音が聞こえてきた。
(うわっ、やばい!)
反射的にすぐ傍にあった電柱に身を隠すと、案の定公園入り口から出てきたのは水野だった。
水野は公園前を通る歩道で足を止め、修二が歩き去った方角を見ながら「あーあ」と声を上げる。

「やっぱり一郎くんの名前を引き合いに出したのは失敗だったかー……。
 対抗心でも燃やすかと思ったんだけど、難しいお年頃なのねぇ」

はーあ、とため息をつきながら前髪を掻き上げ、水野は携帯を取り出した。
どこかに電話をかけるのだろうか。
手早くボタンを押し耳に当てながら、再び公園内に足を向ける水野の背中を見ながら、愛菜は…。

1.水野の電話を盗み聞きする。
2.ファミレスに向かう。
3.家に帰る。
31名無しって呼んでいいか?:2006/02/25(土) 09:41:37 ID:???
2.ファミレスに向かう。

(気になるけど、今はそれどころじゃない。隆が待ってるんだから)

ファミレスに到着し、店内を見渡して隆を探す。
私は一番奥の席でぼんやりと外を眺めている彼を見つけた。

「話って何?」

隆の向かいの席に座りながら、すばやく私は聞く。
しかし頭の中はさっきの光景のことで一杯。
だから隆の口から出た言葉を聞いたときは思わず自分の耳を疑った。
いや、例えさっきの光景に気をとられていなかったとしても
同じく唖然としてしまっただろう。

「……ここ数日、お前に避けられて気づいた。お前が好きだ」

彼はそう言ったのだ。

1)冗談はよして
2)ごめん。聞こえなかった。もう1回言ってくれる?
3)水野先生のことは?
32まとめ:2006/02/25(土) 11:01:14 ID:???
<今出ているキャラ>
大堂愛菜:高校二年の主人公
大堂春樹:主人公の義理の弟(高1) 。好きな人がいるらしい。
主人公よりしっかりものなので兄にみられがち
隆:主人公の幼馴染(性格は不明。口調はぶっきらぼうな感じ)
宗像一郎:放送委員の委員長。
誠実で優しい優等生だが、裏あり?
宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース
他人を見下しているところがあり、不誠実
近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師
水野先生:隆とキスしていた音楽教師、
一郎と裏で繋がっている模様。修二にも何やらちょっかいをかけたが拒まれた
長谷川香織:愛菜の親友

<一人称・呼び方>
愛菜:一人称→私。春樹と隆は呼び捨て、その他キャラは君付け
春樹:一人称→俺。愛菜に対しては姉さん
隆:一人称→俺。愛菜に対してはお前
一郎:一人称→?。愛菜に対しては大堂
修二:一人称→俺。愛菜に対しては愛菜ちゃん、一郎に対しては兄貴
香:一人称→?。愛菜や隆に対して呼び捨て

<今までのあらすじ>
隆と水野のキスを見て以来隆と疎遠になっている愛菜。
憧れの一郎と二人で委員会の仕事をしていると水野が入ってくる。
水野から遠ざかるように部屋を出て行った後の二人の会話に衝撃を受ける。
一郎は隆と水野の関係に何か関わりがあるらしい。

隆と話し合いをするためにファミレスに向かう愛菜は
途中で言い争う水野と修二を見かける。
気になりつつもその場から立ち去り、隆と対面すると
彼はいきなり好きだと告白してきて……
33名無しって呼んでいいか?:2006/02/25(土) 18:42:03 ID:???
1)冗談はよして

隆の言葉が頭の中で反芻する。
混乱した頭でようやく理解できると
顔がみるみるうちに赤くなっていった。

「じょ…冗談はよしてよ」
笑って言うはずの声が上手く出せない事に、
うるさい心臓の音に愛菜自身戸惑う。

告白した隆の方は、黙ったまま
真剣な面持ちでこちらを見つめていた。
二人の間に沈黙が流れる。
隆は何も言わない。
愛菜は手持ちの鞄を掴むと立ち上がった。

「私は隆と水野先生のこと聞きに来たのに!
何か悩んでるんじゃないかって心配してたのに。
そんなことではぐらかすなんて。バカにしないでよ!」
自分でも思っていない言葉に驚き、唖然としたが、
そのまま立ち去ろうと出口に向かう。
「待てっ」
後ろから隆に腕を掴まれた。


1)振りきって帰る
2)そのままでいる
3)振り返って殴る
34名無しって呼んでいいか?:2006/02/25(土) 20:44:01 ID:???
3)振り返って殴る

ドカッ!!!!!
愛菜が振り向いた瞬感隆の顔面に愛菜の鉄建が炸裂した。

隆「いってーな!!!!人がまじめな話してんのに何すっ・・・!!!」
隆は息を呑んだ、愛菜が泣いていたからだ。
幼馴染で付き合いの長い隆でさえ愛菜の泣き顔をあまり見たことがない。
そんな気丈な愛菜が目の前でぼろぼろ泣いているのだから驚くのも当然だ。

隆「おっおい・・」
愛菜「なんで・・・」
隆「え?」
愛菜「なんであたしの事好きなら先生とキスなんてしてんのよ・・・」
隆「それは・・・」
愛菜「馬鹿!!最低!!スケベ!!エロ魔人!!キス魔!!死んじゃえ馬鹿!!!
   ・・・・・嘘・・・死んじゃえは嘘・・・死んじゃ嫌だ・・・嘘だから」
隆「・・・うん。」

そう言って隆は愛菜を静かに抱きしめた。
愛菜「良い訳位してよ・・・このままじゃ隆がよく分かんないよ」
隆「うん・・・話す・・・全部お前に話すから・・・」

???「何・・・やってるんだ・・お前ら・・・」
抱き合ってる二人のめの前に現れたのは・・・

1)春樹
2)一郎
3)修二
35名無しって呼んでいいか?:2006/02/26(日) 00:40:20 ID:???
1)春樹

「春樹……。」
愛奈は隆から慌てて離れる。
「うわっ。」
「春樹、ど、どうしたの。」
春樹は慌てて目線をそらしうろたえていた。
「えっと、ごめん。姉さんが心配で後追いかけて……。
 そっか姉さんは隆さんと付き合って、俺知らなくて。」
「ち、違うの春樹!!隆となんて付き合ってないわよ。」
「そんな力いっぱい否定しなくても。」
隆の傷ついた声が耳に入ったが春樹の表情の方がつらそうでたまらず春樹に駆け寄った。
「とにかく、今日は帰るわ隆。私も混乱してるし……行きましょう春樹。」
「あぁ、でも俺の気持ちは本当だからこれだけは、本当に。」
隆の言葉、真剣な表情に春樹は体が震えた。
春樹の視線は隆を一瞥し、愛奈へと移動する。
「隆さん……。」
「隆、じゃまた明日学校で。」
「隆さん失礼しました。」
いつもは誰にでも明るく接する春樹の声と表情が冷たく隆に突き刺さる。
「は……るき。」
「行こう、姉さん。」
「……えぇ。」
帰り道、先ほど修二と水野と出会った公園に差し掛かり愛奈は足を止めた。
公園に目をやるとすでに水野の姿はなかった。
「なにを考えているの、姉さん。」
「えっ。」
春樹の冷たい声が後ろからかけられ、
愛奈はいつもとは違う弟の姿にようやく気づく。
「隆さんのこと……考えてたの。」
愛奈は春樹の変化に戸惑いながら言った。

1)春樹、ちょっと怖い。どうしたの?
2)隆のことじゃなくて水野先生のことを。
3)うん、実は隆に告白されて……。
36名無しって呼んでいいか?:2006/02/26(日) 04:36:50 ID:???
1)春樹、ちょっと怖い。どうしたの?

「さっき、姉さんが電話で話してた内容、少し聞こえたんだけど」
「…うん」
「隆さんが、先生とキスしてたって。水野先生って、あの音楽の先生だよね」
「…うん」
「びっくりしたよ。隆さんとは付き合いも長いし」
「そうだね。私も、びっくりした」
「…じゃあ、どうして」
隆は急に語気を強めた。
「どうして姉さんと隆さんが抱き合ってるんだよ!水野先生とキスしてたんだろ?
 付き合ってるんじゃないのかよ!?」
いつになく真剣な春樹の瞳に愛菜は言葉が出ない。
「春樹…」
「姉さんが辛い思いするの、黙って見てるなんて俺にはできないからな…!」
その時、愛菜の頭に浮かんだのは…

1.春樹がこんなにも私を大切に思ってくれてたなんて知らなかった
2.そうだよね…これ以上あの人達に関わるのはよそう…
3.事態は良くわからないけど、隆が苦しんでるのをほっとくわけにはいかない!
37名無しって呼んでいいか?:2006/02/26(日) 07:43:51 ID:???
2.そうだよね…これ以上あの人達に関わるのはよそう…

「ありがとう、春樹。大丈夫だから。さ、早く帰ろう」
納得できない顔でいる春樹の手を引き、家路を急いだ。


早朝。眠い目を擦りながら、とぼとぼと学校へ向かう。
愛菜は昨日の一件で一睡もしていなかった。
また、いつも朝から、うるさく口を出してくる春樹が
やけに静かでよそよそしい態度をとってくることも
少なからず愛菜の気分を落ち込ませていた。
「おはよう」
愛菜に声を掛けてきたのは


1)水野先生
2)一郎
3)修二
38名無しって呼んでいいか?:2006/02/26(日) 18:26:09 ID:???
3)修二

「ねえ、今日こそ放課後俺とデートしない?」
「ちょっと、修二くん! 私達との約束は?」
「修二先輩酷いです!」

修二の両側にいた後輩らしき女の子たちが修二を睨むが
その目は本気で怒っていない。
彼がそういう男だと知っているからだ。

いつもと変わらない修二の態度…
昨日の光景は何だったのか。少し引っかかりはしたが、
ヘラヘラと後輩に弁解している修二の姿を見ていると
バカバカしさを感じる。
愛菜は女の子たちに問い詰められてる修二を無視して教室へ向かった。


隆と会ったらどうしよう…昨日からそればかり考えていた愛菜だったが
隆はその日学校へ来なかった。
学校に来なければ来ないで気になってしまう。

1.電話する
2.メールを送る
39名無しって呼んでいいか?:2006/02/26(日) 20:24:14 ID:???
2 メールを送る

「メールくらいなら大丈夫かな……。『隆、どうしたの?
風邪でも引いた?』っと。送信」
手早くメールを打ち、愛菜は携帯電話を閉じた。しばらく
してから明るい着メロがメールの到着を告げた。電話を
開けばそこには

1 隆からの返信メール

2 知らないアドレスからメール
40名無しって呼んでいいか?:2006/02/26(日) 20:51:59 ID:???
1 隆からの返信メール

メールを見て私は駆け出した。
それは隆のお姉さんからのメールで
隆が交通事故に遭い、病院に運ばれたという衝撃的な内容だった。

メールに書かれていた病院は
偶然にも学校からはそれほど離れていなかった為
私は10分後には病院に到着していた。

きっと軽い怪我に違いない、絶対にそうに決まってる…

自分にそう言い聞かせて恐ろしい想像をかき消そうとする。

しかし、私を待っていたのは眠った隆に縋り付きながら
号泣する隆のお母さんだった。
呆然とその場に立っていることしか出来ない私の肩を誰かが叩く。
振り返った私が見たのは、隆のお姉さんの美由紀さんだった。

1、美由紀と話す
2、隆のもとへ駆け寄る
41名無しって呼んでいいか?:2006/02/27(月) 00:48:50 ID:???
1、美由紀と話す

「あ、あの…」

何か言おうと唇を開いてから、何を言うべきなのかわからないことに気付いた愛菜は愕然とした。
病室には隆の母親の泣き声だけが響いている。
ヒステリックなその声は、愛菜の脳にわんわんと打ちつけるように反響する。
なんだか、ひどい眩暈を感じた。自分がこの世界に立てていないかのような。

「愛菜ちゃん」

そっと手を引かれ、愛菜はぼんやりと目の前に立っている美由紀を見た。
泣き腫らした赤い目の彼女が、ぎこちなく唇を上げる。痛々しい笑顔。

「ちょっと、廊下出よう? お母さん、一人にさせてあげたいんだ」

掠れた声でそう言われ、愛菜はこくりと頷いた。
そのまま手を引かれて病室を出る間際、
そっと肩越しに振り返った白い室内は、滲んでよく見えなかった。

愛菜が後ろ手で扉を閉めたと同時に、
背を向けていた美由紀がくるりと振り返り真正面から愛菜を見つめた。
そして低く震え、引きつった声で呟いた。

「愛菜ちゃん……もしかしてあなたの学校に、水野 咲という教師が……いる?」
「……え?」

1.どういうことなのか、積極的に事情を訊く。
2.もう関わらないと決めたので、水野という名前の教師はいることだけを答える。
42sage:2006/02/27(月) 10:20:00 ID:???
2.もう関わらないと決めたので、水野という名前の教師はいることだけを答える。

「ええ、うちの学校の先生ですが…。
そんなことより隆の容態は?お医者さんはなんて?」

実際、今は水野先生のことより隆自身のことが心配だ。
「あ…ええ、そうよね」
愛菜の言葉に、美由紀もハッと我に返ったようだった。
美由紀が言うには、隆は今は意識がなく昏睡状態で、とにかく命はとりとめたので、
あとは意識が戻るのを待つしかないとのことだった。

「しっかりして下さい。
今は隆が早く目覚めるよう皆で信じて見守りましょう。ねっ」
「ありがとう、愛菜ちゃん…」

美由紀と話していると、向こうからバタバタと人がかけて来る足音が。
振り返った愛菜は思わず叫んだ。

1.「水野先生!?」
2.「修二くん!まさか私のこと追いかけて来たの?」
3.「春樹、どうしてここへ…」
43名無しって呼んでいいか?:2006/02/27(月) 10:24:48 ID:???
間違えた。すみません。
44名無しって呼んでいいか?:2006/03/01(水) 02:57:04 ID:???
2.「修二くん!まさか私のこと追いかけて来たの?」

「くそっ…遅かったか」
修二がガン、と音を立てて病院の壁を殴る。
愛菜の存在を知ってか知らずか、その表情はいつもの能天気なものとは違う。
(修二君の顔…昨日の夜見たのと同じ…?)
愛菜は困惑しながらも、壁に押し付けたままの修二の拳が震えているのに気づいた。
(隆の事故は…偶然じゃなかったとでも言うの?)
修二に声をかけるべきかどうか迷う愛菜。その横を美由紀がすっと通りぬけた。
修二の肩に手をかける美由紀。
「あなたは、悪くないわ…いつかこういう日が来ることを、私もあの子も理解していたのだから」
「でも、俺が…俺が、もっと早く気づいていれば!」
(二人は知り合いなの?…ていうか、二人は何を話しているの?)
困惑に反応するかのように、色々な言葉や情景が愛菜の頭の中を駆け巡った。
『隆君のこと、ちゃんとつかまえてるんでしょうね?』
『全部、お前に話すから…』
突然、愛菜は体中の毛が逆立つような感覚をおぼえた。
(…まさか、隆は)
足が震える。
(私に秘密を話そうとして、それで…!!)
たどり着いてしまった結論を必死に否定しようとするが、それが無駄な努力であることは
愛菜自身が一番良くわかっていた。
(これから、私はどうしたら良いんだろう…)

1.美由紀と修二に全てを話して欲しいと頼む
2.耐え切れなくなり、その場から逃げ出す
3.自分なりに水野や一郎を探ることを決意する
45名無しって呼んでいいか?:2006/03/02(木) 17:31:08 ID:???
2.耐え切れなくなり、その場から逃げ出す

その場にいるのが耐えられなくて、私は逃げ出した。
何も聞きたくなかった。何も知りたくなかった。

けれど、逃げた私に待ちうけてたものは、容態が急変し
春樹が亡くなったという知らせだった。

『死んじゃえ馬鹿!!!』

彼に向けて放ったあの言葉が頭の中で幾度とくなく繰り返される

死んじゃえ馬鹿!!! 死んじゃえ馬鹿!!! 死んじゃえ馬鹿!!! …

あのときちゃんと話し合っていれば彼は死なずに済んだのかもしれない…
しかし、いくら後悔しても、彼は戻ってこない

BADエンド
>>31に戻る)
46名無しって呼んでいいか?:2006/03/02(木) 17:32:24 ID:???
うわー春樹じゃなくて隆だった
ごめんなさい…
47名無しって呼んでいいか?:2006/03/06(月) 05:20:48 ID:???
→3)水野先生のことは?

「…水野先生とキスしてたのは何なの?」

数日前にあんな光景を見て、素直に信じる方がどうかしてる。
私の問いかけは自然とトゲのあるものになっていた。

「あ、あれは、その…。その場の雰囲気つーか…」
「雰囲気でしたの!?」
「違う! いや、違わないんだが何ていうかさ…。
 とっ、とにかく。さっき言ったことは嘘じゃねぇから」

隆は左手の甲で鼻のあたりを隠しながら、最後の言葉を強調する。
それは幼い頃から何度も目にしてきた彼の癖だった。
恥ずかしいときにいつもする、照れ隠し。

そんな隆の姿を見て

・受け入れた
・保留した
・断った
48名無しって呼んでいいか?:2006/04/20(木) 04:29:23 ID:???
→受け入れた

ドクン、と鼓動が高鳴る。
水野先生の一件があるまでは、隆のこと「ちょっとイイな」なんて
思ってたことだってあったから。
隆を……信じてみたい。そう思った。
「私も、隆のこと好き……だと思う」
一瞬の間があった後、隆が思いっきり私の手をつかんだ。
「それは付き合ってくれるってことか!?」
私はゆっくりうなずく。
「信じていいのよね? もし水野先生とまた何かあったら、その時は隆のこと……もう信じられない」
「わかった。俺にはお前だけだと、証明してみせるよ」
隆は心から嬉しそうな、それでいて安心したような笑顔になった。

隆と一緒に夜の道を帰る。
と、その時。

1.隆が手をつないできた
2.春樹が現れた
3.水野先生が現れた
49名無しって呼んでいいか?:2006/05/07(日) 17:29:39 ID:???
→隆が手を繋いできた

何だかドキドキする。二人で、ただ歩いているだけなのに。
幼馴染が急に彼氏になって――相手の肩書きが変わっただけで、
まるで別人と歩いているような気持ちだった。

(こんな事、初めて……)

「愛菜…」
「…何?」

返事をした途端、手に触れてきた――熱。
それが、隆の手だと解るまでに1秒もかからなかったと思う。
私は驚いてしまい、慌てて手を引っ込めた。

「あっ…隆、ごめんね!その、嫌とかじゃなく、ね…ただ…」
真っ赤になって言い淀む私。
でも隆の方も私以上に照れているようだった。
「い、いや、俺の方こそ……いきなりゴメン」

少しだけ立ち止まっいた私たちは、どちらともなく再び歩き始めた。

「愛菜…」
「…何?」
「手、繋いでも、いいか?」
「えっ?」
「さっきは驚かせたよな。
だから、今度前もって承諾を貰おうと思って……ダメか?」

私は……

@手を繋ぐ
A断る
B誰かが、向こうからやって来るのが見えた

50名無しって呼んでいいか?:2006/05/12(金) 01:11:58 ID:???
B誰かが、向こうからやって来るのが見えた


暗闇の向こうから見えた人影は愛菜と隆の前で立ち止まった。
「い、一郎くっ……。」
水野先生と二人で話していた一郎のことを思い出し愛菜は怖くなる。
「あぁ、大堂偶然だな。湯野宮も一緒か……、本当うらやましいぐらい仲がいいな。」
「えっ、あぁ。幼馴染だしな。」
愛菜は一言も声が出ず、隆の服のすそを掴んだ。
隆が愛菜を見ると愛菜の表情は固く、体は震えていた。
今までの憧れの宗像一郎をみる愛菜の表情は隆が嫉妬するぐらいに良い表情をしていたのに、
今日の愛菜はいつもと違っていた。
隆の頭に1時間前の愛菜との電話が脳裏を掠めた

「…もしかしてそれって、一郎君と何か関係があるの?」

水野先生と自分の関係についての電話で愛菜は一郎の名前を出していたのを思い出す。
「……幼馴染という関係なのは知っている。だが、俺にはそれ以上に見えるのは気のせいか。」
「うっ……。」
隆の頬が朱に染まる。
「大堂がずいぶん君に寄り添っているように見えたからカマをかけたんだが、
見事的中したみたいだな。」
「宗像兄には関係ないだろ、確かに俺達は付き合っているよ!!」
隆の言葉に一郎はため息をついた。

@確かに俺には関係ないね。
A関係……ね。
Bあるさ。君達が付き合ったら何のために水野先生にけしかけたらわかったものじゃない。
C修二が君のこと好きだって言うから協力してたんだ。大堂に恋人ができたら困るよ。
51名無しって呼んでいいか?:2006/05/12(金) 21:35:15 ID:???
ちょい質問だが、これって主人公(愛菜)以外の選択も有りなの?
前一回春樹の選択もあったけど・・・
521:2006/05/12(金) 23:54:01 ID:???
>>51
私的にはかまわないんだが、
やっぱり乙女ゲーだったら主人公の選択の方がいいか?
男の心情も選べるってなかなか面白そうな気がしたんだが……。
53名無しって呼んでいいか?:2006/06/16(金) 15:11:44 ID:???
視点に関してはどうなんだろ?
コロコロ変わりすぎてもアレだし
やっぱり愛菜で統一した方がいいよね
54名無しって呼んでいいか?:2006/08/18(金) 20:11:54 ID:???
統一でいいんじゃね。
乙女ゲーだし。
55名無しって呼んでいいか?:2006/09/20(水) 00:04:06 ID:???
良スレの予感
56名無しって呼んでいいか?:2006/09/21(木) 00:15:34 ID:???
こんなにすぐに隆とくっつくと1000ではどうなってくるんだろう?
彼氏いるのにアプローチされてうけいれるのかなあ?
5750:2006/09/21(木) 20:31:28 ID:???
>>56
それは書き手に関わってくるだろう。
書き手がどういう選択してくるか楽しみだ。

50だが自分の作品無視してくれていい。
自分の間違いの所為で話が続かなくてスマソ。
49の選択からお願いする。
58名無しって呼んでいいか?:2006/09/23(土) 02:31:04 ID:???
>>50=>>56が責任もって書きなおしって事で、お願いしたいんだが
59名無しって呼んでいいか?:2006/09/23(土) 02:31:50 ID:???
>>50>>57が責任もって書きなおしって事で、お願いしたいんだが
60名無しって呼んでいいか?:2006/09/23(土) 02:46:30 ID:???
>>56
スレタイに反したこと言うけど
台本スレみたく定期的に終わらせた方がいいと思う。
100レスとか
61名無しって呼んでいいか?:2006/09/23(土) 03:04:56 ID:???
→修二が君のこと好きだって言うから協力してたんだ。大堂に恋人ができたら困るよ。

「でも、こうなった以上に僕に協力できることは何もないし、修二にもそう伝えておくよ。
君も恋人がいる身で修二から付きまとわれるのも迷惑だろ?」

一郎はそう言うと、すぐにその場から立ち去った。

「何なんだよあいつ……」

一郎に挑発され大声で彼に恋人宣言をしてしまった隆は
急に恥ずかしくなったのか、そわそわしている。
そんな隆を見て愛菜は…

・隆ってカワイイ
・修二くんが私を好き?
・一郎くん、どうでもよさそうだっなた…
62名無しって呼んでいいか?:2006/09/23(土) 03:05:47 ID:???
・一郎くん、どうでもよさそうだっなた…

・一郎くん、どうでもよさそうだったな…
63名無しって呼んでいいか?:2006/09/26(火) 00:53:46 ID:???
流れ切る様で悪いが、なかなか面白そうなスレだし>>1-100の間でルールを
話し合ってみればいいんじゃないだろうか。
何レスで区切るのか、選択肢は主人公の行動や受け答えについてのみにするのか
それとも周囲の状況についてでもおkなのか
キャラもどんどん増殖させていいのか制限設けるのか
色々細かいとこ決めてかないと後々続かないと思う
まぁそんなのどうでもいいと思うんだったらこのレスはスルーして>>61に答えて欲しい
64名無しって呼んでいいか?:2006/09/26(火) 18:16:31 ID:???
私はある程度ルール決めた方がいいと思うよ
制限なさすぎると逆に困る。
65名無しって呼んでいいか?:2006/09/27(水) 22:16:52 ID:???
選択肢は主人公の行動や受け答えについてのみにするのか
って点は、主人公のみでFAジャマイカ

キャラ増殖は、肝心なもの以外できるだけ控える・・・としか決められないような。
まだこの物語の真相を決めている人はいないと思うしww
66名無しって呼んでいいか?:2006/09/28(木) 12:06:28 ID:???
真相はなかなか決められないんじゃないかな。
もし、真相を決めてる人がいても話をうまく持ってこられないかもしれないし。
だったらむしろ、人数制限した方が話を作りやすいかも
67名無しって呼んでいいか?:2006/10/02(月) 20:24:26 ID:???
→隆ってカワイイ

少し前までは、ただの幼馴染だったのに
いつの間にか私の中で隆はこんなに大きな存在になっていたんだ。

「…何、笑ってるんだよ?」
隆は真っ赤な顔でそっぽを向いている。

私がクスクス笑うと、隆は私にデコピンをした。


しばらく、いろいろな話をしていて
隆は急に黙り込んでしまった。

「・・・・・・なぁ、これから俺のウチに来ないか?今、誰もいないしさ。
ほ、ほら、冷えてきたしっ、なっ?」



私は…
1・普段通り、遊びに行く
2・「幼馴染」から「恋人」になったので少し迷いつつも、隆を信じて行く
3・春樹が家でご飯を作ってくれてる事を思い出し、断る
4・意識してしまい、話を無理やりそらす


選択肢って何個までオケなの?
68名無しって呼んでいいか?:2006/10/03(火) 18:21:37 ID:FhGLTbMf
age
69名無しって呼んでいいか?:2006/10/03(火) 18:24:56 ID:???
3つか4つが限度だろうけど・・・
やっぱりスタンダードに3つか??
70名無しって呼んでいいか?:2006/10/03(火) 18:47:00 ID:???
じゃあ基本は3つで
場合によっては2つや4つって事でおk?
71名無しって呼んでいいか?:2006/10/03(火) 21:16:58 ID:???
んじゃ、それで。
72名無しって呼んでいいか?:2006/10/04(水) 15:33:13 ID:hkhJsALF
無料オンラインゲーム情報サイト
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73名無しって呼んでいいか?:2006/12/08(金) 20:10:50 ID:r7HzoGzD
ホッシュ
74名無しって呼んでいいか?:2006/12/10(日) 09:58:17 ID:???
BADエンド止めないか?
さっき発見して全部読んだんだけど、せっかく書いてくれたのに台無しになるのは可哀想だと思う。
75名無しって呼んでいいか?:2006/12/10(日) 22:22:07 ID:???
↑同意



そして内容がドロドロしすぎたとオモw

なにか秘密が…的な話にすると
みんな各自違う内容考えちゃうから
流れに身をまかせたのほほんとした話にしないか?w
76名無しって呼んでいいか?:2006/12/17(日) 17:19:56 ID:???
自分は、三択、主人公視点でいいと思う。



3・春樹が家でご飯を作ってくれてる事を思い出し、断る

「だめだよ。春樹が待ってるから」
私が断ると、ごまかすように笑いながら
「あっ、そうだよな、ごめん。それじゃ送っていくよ」

家の前に着くと、玄関から春樹が出てきた。
「あれ、出かけるの?」
「何言ってんのさ、姉さんを迎えに行こうとしたんじゃないか」
隆が後ろにいるのを気付き
春樹の顔が…

@怒っているように見えた。
A無表情に見えた。
Bわざとらしく笑っているように見えた。
77名無しって呼んでいいか?:2007/01/03(水) 20:27:26 ID:???
あげ
78名無しって呼んでいいか?:2007/01/03(水) 23:20:42 ID:???
1 怒っているように見えた。
春樹「姉さんが中々戻って来ないから、心配したんじゃないか。最近物騒だしさ。」
私「ごめん、春樹。」
隆「悪い、俺が引き止めちゃったから…」

私がちょっと頼り無いせいか、春樹にはいつも心配をかけてしまう。何だかんだと
面倒見の良い春樹のそばは居心地が良く、つい甘えてしまっていた。
でも…
1 彼氏も出来たんだし、弟離れしなきゃな

2 もっと、お姉さんらしくしっかりしなきゃ

3 彼氏が出来ても、春樹との関係は変えたくないな…
79名無しって呼んでいいか?:2007/01/07(日) 00:33:30 ID:8V7qcVuS
Aもっと、お姉さんらしくしっかりしなきゃ

いつまでも春樹に心配ばかりはかけていられない。私の方がお姉さんなんだから。

送ってくれた隆にお礼を言って春樹を家に入るよう促す。
玄関をくぐる時に肩越しに振り返ると、暗がりの中で隆が私の方に軽く手をあげて
元来た道へと帰っていくのが見えた。

扉を閉めた所で後ろから憮然とした様子の春樹に声をかけられた。

「メシ、どうすんの?」

私は…
@食べてない。春樹もまだなら、一緒に食べよう?
Aごめん、今日はいいや。
Bどうして遅くなったか、聞かないの?
80名無しって呼んでいいか?:2007/01/09(火) 12:56:38 ID:???
→@食べてない。春樹もまだなら、一緒に食べよう?

 すっかりさめてしまったオムライスを温めなおし、
 春樹と向かい合ってテーブルに座る。
 春樹が作る料理はおいしい。
 私と違って、何でも器用にこなす春樹は自慢の弟であるが、
 時々自分がとても不出来な人間である錯覚を覚えてしまう。
 今食べているオムライスも絶品だ。私ではこうは出来ない。
 少し、自己嫌悪に陥りつつ、目を上げると春樹と目が合った。
 怒っているような、何かを探るような目に思わず息を止める。

 何かを言わなくてはいけない。無性にそんな気になる。

 @「憎たらしいくらい、おいしいわよね。春樹のご飯」
 A「・・・怖い顔してどうしたの?」
 B「あのね私、隆と付き合うことになったの」
81名無しって呼んでいいか?:2007/01/10(水) 16:11:48 ID:???
A「……怖い顔してどうしたの?」

さり気なく言ったつもりだったけれど、春樹の表情は尚も固い。
「姉さんさ、最近勝手なんじゃないの?」
春樹らしくない突き放した言い方に、私は思わず手を止めた。
「勝手って……」
「勝手だよ。今見たく急に出てったり、俺の立場も考えて欲しい」
どうしたんだろう、突然。私が馬鹿をやって春樹を怒らせるのはいつものことだ。
だけど今日のはいつもとは違う。春樹は本気で怒っている。
「ごめんね、心配かけて」
私は、春樹の顔が直視できずに俯く。
カタンと、春樹が席を立つ音がした。

私は…
@「春樹!」と慌てて呼びかけた。
Aどうしていいか分からず、ただ呆然としていた。
B身勝手な春樹に腹がたった。
82名無しって呼んでいいか?:2007/01/11(木) 13:36:13 ID:???
Aどうしていいか分からず、ただ呆然としていた。

春樹はそのまま乱暴に部屋を出て行く。
春樹の言葉が頭の中でぐるぐると回っている。
  勝手だよ!
確かに今日の行動は、せっかく晩御飯を用意してくれていた
春樹から見れば勝手以外の何者でもない。
もし晩御飯の用意を、春樹ではなく父や母がしていたら、
私は外出することを考え付きもしなかっただろう。
姉らしくしようと思っいても私は春樹に甘えているのだとおもう。

今日は全面的に、私が悪い。
もし逆の立場なら、私だって怒る。
春樹に謝りに行こうと、立ち上がった所に電話が鳴った。
電話を見ると、修二くんからだ。
  修二に伝えておくよ
一郎くんの言葉が、ぱっと脳裏に浮かぶ。

私は
@とりあえず春樹に謝るのが先。電話は無視する。
A修二からの電話に出る。
Bなんとなく恥ずかしくて出られない。伝言モードにしておいて用件を聞く。
83名無しって呼んでいいか?:2007/01/12(金) 15:42:47 ID:???
Bなんとなく恥ずかしくて出られない。伝言モードにしておいて用件を聞く。

きっと一郎君に話を聞いて、電話をしてきたのだと予想をつける。
なんとなく気恥ずかしくて電話に出ずにいると、伝言モードに切り替わった。

アナウンスが流れ電話に伝言が録音された。
伝言を再生させると、修二君らしくない、暗い声。

『修二だけど、さっきはごめん。ちょっと、むしゃくしゃしててさ‥‥。
 ちょっと話したいことがあるんだ。遅くてもいいから電話‥‥‥』

プツッっと音がして、伝言が切れた。
録音時間が途中で終わってしまったらしい。

隆に会う前に、公園の前で修二君に鉢合わせをした事を思い出す。
水野先生と何かもめていたみたいだった。
一郎君と別れてから、時間がそう経っていないことを考えれば、
隆とのことはまだ修二君には伝わっていないのかもしれない。
そういえば告白されて舞い上がってしまったため、
隆に一郎と水野先生のことを話すのも忘れていた。

さて、どうしよう?
1.すぐ修二に電話をかける。
2.まず春樹に誤りに行く。
3.忘れないうちに、隆に電話する。
84名無しって呼んでいいか?:2007/01/13(土) 20:30:12 ID:???
2.まず春樹に誤りに行く。

でも、とにかく今は春樹に謝らなきゃ。
あの春樹が本気で怒っている。
この事実に、思った以上にショックを受けている自分がいる。

「……本当に、姉失格だよね。」
ぐちゃぐちゃした気持ちのまま春樹の部屋の前へ立った。

コンコン

「春樹……?あの、ごめんね。私、本当に勝手だったと思う。」
ドア越しに話しかけるものの、春樹からの返事はない。
春樹と姉弟になってから、こんなこと一度もなかった。

どうしよう。

1 「もう寝てるのかな…」謝るのは明日にする。
2 「このままじゃ嫌だ。」ドアの前で話し続ける。
3 「春樹、お願い。ドアを開けて、ちゃんと話をさせて」と説得する。
85名無しって呼んでいいか?:2007/01/13(土) 22:48:05 ID:???
2 「このままじゃ嫌だ。」ドアの前で話し続ける。

「ねえ、春樹。私が悪い。ちゃんと謝るから」
…やっぱり返事は無い。涙が滲んだ。
「…私どうしたらいいの?」
私はドアの前でしゃがみこんだ。嫌だ。春樹と喧嘩したままなんて嫌だ。
出来がいいとか悪いとか関係なくて、ただ大切な弟なんだ。
「…姉さん」
驚いて顔を上げると、春樹が立っていた。
「春樹…」
くしゃりと、春樹の顔がゆがむ。
「何泣いてるのさ?」
「何って、だって春樹が!」
馬鹿にしたような物言いに反射的に怒ろうとしたけれど、
春樹の手がすっと伸びてきて、私は口を噤んだ。
春樹は手を私の頭に置いて、髪の毛をくしゃくしゃにした。
「…まったく、姉さんはしょうがないな」
可愛くない言い方。そう思う。
でも、そう言う春樹の顔は何だか泣きそうに見えた。
「春樹だってしょうがないよ」
春樹はやれやれと言うように、肩を竦めた。
その顔は、もう怒ってはいなかった。私は初めて春樹の顔を見て謝る。
「…春樹、ごめんね」
「分かってるよ」
春樹はほんの少し顔をそむけて、呟いた。
「…ちゃんと分かってる」
そう言って春樹は、いつも通りの顔でほほえんで見せた。

そう言えば…
1.隆に言わなきゃいけないことがあるんだった。
2.修二君、電話待ってるかもしれない。
3.春樹と喧嘩するのなんて、初めてじゃない?
86名無しって呼んでいいか?:2007/01/13(土) 23:55:20 ID:???
3.春樹と喧嘩するのなんて、初めてじゃない?

仲直りできたことにほっとして、春樹につられるように微笑む。
そういえば、春樹とこんな喧嘩をしたのは始めてかもしれない。
そういうと、春樹は苦笑する。
「そりゃあね…」
言葉を続けようとした春樹の視線が一瞬泳ぐ。
「…姉さんと兄弟になったのだって小さな子供のころってわけじゃないし、
普通の兄弟とは違うんだから、当たり前だよ」
けれど戻ってきた視線は、いつもの春樹で…。
でも何か引っかかった。
それを考えようとする前に春樹が思い出したように言葉を続けた。
「そういえば俺、食器片付けないままきちゃったな、姉さんは?」
「あ、わたしも…」
春樹に謝ることしか考えていなかったから、食器はそのままテーブルの上だ。
「仕方ないな。俺片付けてくるよ」
苦笑しながら、春樹は歩いていった。
春樹が見えなくなって、私は体の力を抜いた。
思った以上に緊張していたみたいだ。
気が抜けると、電話のことを思い出した。

どうしよう?
@隆に一郎くんと水野先生のことを話す。
A修二くんに折り返し電話をする。
Bちょっと落ち着きたい。お風呂に入る。
87名無しって呼んでいいか?:2007/01/17(水) 13:13:09 ID:???
A修二くんに折り返し電話をする。

部屋にもどり、修二くんに電話をすることにした。
いつもの修二くんらしく無かったことが、気にかかる。

リダイヤルで発信すると、1コールで修二くんが出た。
「あ、私、愛菜だけど」
「あ、愛菜ちゃん、かけてもらっちゃってごめん。
また、こっちから連絡してもよかたんだけど…」
電話にでた修二くんの声は、やはりいつもより歯切れが悪い気がした。
そのまま、修二くんは沈黙してしまった。

私は沈黙に耐えきれなくなって…
1、「うん、伝言聞いたよ。話ってなに?」
2、「伝言の話って、公園でのこと?」
3、「そういえば、一郎くんに、隆との話はきいた?」
88名無しって呼んでいいか?:2007/01/18(木) 08:19:02 ID:???
1、「うん、伝言聞いたよ。話ってなに?」

「あー、うん。今日はもう遅いし、話長くなりそうだから明日の昼休みに話せないか?」
「明日?うん、いいよ」
それじゃ、と電話をきる。

「明日ね。」
ベットに入り、明日の予定を考えながら眠りについた。
1、「久しぶりに早起きして春樹のために朝食作ろうかな」
2、「修二くんの話って何だろう」
3、「隆に水野先生のことを話してないなぁ。明日会うから、いいかな」
89名無しって呼んでいいか?:2007/01/18(木) 11:16:25 ID:???
3、「隆に水野先生のことを話してないなぁ。明日会うから、いいかな」

明日絶対に話そうと思いつつ、眠りに落ちる。

そして、夢を見た。
朝起きるとまったく覚えていない、予知夢。
覚えていないから、現実になって初めて、
「これはどこかで見たことがある」と感じる。
そして「夢で見た」と思い出す。
(ぜんぜん使えない)
いつもそう思う。
覚えていれば、もしかしたら変えられた事柄もあるかもしれない。

そして、今日見た夢は…
1.一郎くんと修二くんが喧嘩している夢。
2.水野先生と隆が楽しそうに話をしている夢。
3.春樹と隆と修二くんが深刻そうに話をしている夢。
90まとめ:2007/01/18(木) 12:31:05 ID:???
<現在の登場人物>
大堂愛菜:高校二年の主人公 。使えない予知夢を見る
大堂春樹:主人公の義理の弟(高1) 。好きな人がいるらしい。
     主人公よりしっかりものなので兄にみられがち。
湯野宮隆:主人公の幼馴染(性格は不明。口調はぶっきらぼうな感じ)
宗像一郎:放送委員の委員長。
     誠実で優しい優等生だが、裏あり?
宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース
     他人を見下しているところがあり、不誠実とおもわれているが…
近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師
水野先生:隆とキスしていた音楽教師、
     一郎と裏で繋がっている模様。修二にも何やらちょっかいをかけたが拒まれた
長谷川香織:愛菜の親友

<一人称・呼び方>
愛菜:一人称→私。春樹と隆は呼び捨て、その他キャラは君付け
春樹:一人称→俺。愛菜に対しては姉さん
隆 :一人称→俺。愛菜に対してはお前
一郎:一人称→俺。修二は呼び捨て、他は苗字
修二:一人称→俺。愛菜に対しては愛菜ちゃん、一郎に対しては兄貴
香織:一人称→?。愛菜や隆に対して呼び捨て

<今までのあらすじ>
隆と水野のキスを見て以来隆と疎遠になっている愛菜。
憧れの一郎と同じ委員会だったが、ひょんなことから、
隆と水野の関係に一郎が何か関わっているらしいことを知る。

隆と話し合いをするためにファミレスに向かう愛菜は
途中で言い争う水野と修二を見かける。
気になりつつもその場から立ち去り、隆と対面すると
彼はいきなり好きだと告白してきた。
隆を憎からず思っていた愛菜は、隆の思いを受け入れ付き合う。

その夜、修二から電話が。
大事な話があるということで明日の昼休みに話をすることに。

そして夜、愛菜は予知無を見る。
その夢は……

では>>89のつづきをどうぞ〜
91名無しって呼んでいいか?:2007/01/18(木) 19:00:14 ID:???
2.水野先生と隆が楽しそうに話をしている夢。

隆はほとんど後ろを向いていて、顔はよく見えないが、笑い声が聞こえる。
呆然と立ち尽くす私に水野先生がきづいた。
私と目があうと、何かを隆に言い、ゆっくりと顔を近づけていく。
隆もそれを制するそぶりは見せない。

「・・・・さん、姉さん!」
目を開けると、春樹が心配そうな顔で覗き込んでいた。
「どうしたの?春樹」
春樹は、ほっとしたように、息を吐きそれから眉をひそめていった。
「どうしたって・・・時間になっても起きてこないから起こしにきたんだ。
そしたら、すごくうなされてるし・・・・」
そういって、そっと手が伸びてきて、ほほをなでた。
「泣くほど怖い夢だったの?」
言われて初めて、自分が泣いていることに気づいた。
「・・・・覚えてない、けど・・・・・」
起き上がりながら、軽く頭を振る。
覚えてないけれど、きっと夢の名残はある。
胸の奥に、もやもやとした感情。

1「多分、すごく悲しい夢だっとおもう」
2「ものすごく怒ってる夢だったとおもう」
3「だれかに、裏切られた夢だったとおもう」
92名無しって呼んでいいか?:2007/01/19(金) 12:42:43 ID:???
3「だれかに、裏切られた夢だったとおもう」

この感情は一度経験している。
私の実の母が、父と私をおいて家を出て行ったとき。
それと良く似ていた。
怒りと悲しみと絶望といろいろがごちゃ混ぜになった感情。
思わず身震いする。あんなこと二度と経験したくない。
「大丈夫だよ、それは夢だろ?」
春樹が優しく、私を安心させるように頭をなでながら言う。
「……うん」
「それに誰が裏切っても、
俺だけは絶対に姉さんを裏切らないって約束するよ。
……ね?それなら安心だろ?一人じゃないんだから」
よほど私は不安そうな顔をしていたらしい。
春樹が励ますようにぽんぽんと背中をたたいてくれる。
「……そう、だね」
やっと笑った私に、春樹も微笑む。
「さ、早く起きて。学校行かないと」
「うん!」

準備を済ませ春樹と家を出ると、隆が玄関の前に立っていた。
私と見ると照れくさそうに「おはよう」と挨拶をする。
そういえば隆は彼氏になったんだ、と思い出してこちらも恥ずかしくなる。
そして、思い出した。一郎君と水野先生のことを話さなくては。

@「春樹、隆と話があるから、先に行ってて」
A春樹にも相談したい「二人に話したいことがあるんだ」
B話はあとでいいや、3人で学校に行く。
93名無しって呼んでいいか?:2007/01/19(金) 15:35:18 ID:???
嗚呼
94名無しって呼んでいいか?:2007/01/19(金) 17:22:05 ID:???
@「春樹、隆と話があるから、先行ってて」

私は、つとめて明るい声でそう言った。
本当は、春樹にも聞いてもらったほうがいいのかもしれない。
けれど、その話をすれば、隆と水野先生のことにも触れることになる。
それは避けた方がいいと思った。
「…そう。なら俺は先に行ってるよ」
春樹は微かに俯いた。日差しが微妙な陰影を作り、一瞬寂しげな表情に見える。
けれど、顔を上げた春樹はやんわりと笑って言った。
「隆さん。姉さんをよろしく」
言われた隆は、あっと言う間に顔を紅くした。
「あ、ああ、もちろん!」
…春樹ってば。
姉思いなのは嬉しいけれど、改めてやられると、どうにも気恥ずかしい。
先を行く春樹の背中を見送って、私は隆の顔を見あげた。
@「水野先生と一郎君のことなんだけど…」
A「…何だか照れちゃうね」
B「昨日の話、覚えてる?」
95名無しって呼んでいいか?:2007/01/20(土) 11:13:16 ID:???
B「昨日の話、覚えてる?」

「え?き、昨日?」
まだ、春樹の不意打ちから立ち直っていなかった隆が何の事かと首をかしげる。
「うん、昨日隆が電話をくれたときに、一郎くんの話をしたでしょ?」
隆は、ハッとして愛菜を見る。
「そういえば、宗像兄の話をしてたな。どういうことだ?
愛菜は、昨日の放課後のことをかいつまんで隆に話した。
「そんなこと言ってたのか・・・どういうことだろう?」
眉をよせて考え込む隆と一緒に歩きながら、ふと疑問が浮かび上がる。
隆は電話で水野先生とキスをしたのには「あれには理由がある」と言っていた。
だが、ファミレスで会ったときには「その場の雰囲気で」と言葉を濁した。
「理由」が「雰囲気」だったのだろうか?
何かかみ合っていない気がする。

自分の気にしすぎなのだろうか……
@「隆、キスした本当の理由は、何?」隆に問いただす。
A「隆、私に何か隠してない?」遠まわしにたずねる。
B気にしないことにする。
96名無しって呼んでいいか?:2007/01/22(月) 11:31:08 ID:???
B気にしないことにする。

隆を見ると真剣に考え込んでいた。
その顔を見たら、ふと浮かんだ疑問が消えていく。
(隆は私のこと好きって言ってくれたし、水野先生とのことは
 もう深く追求しないことにしよう…)
今、隆が隣に居ることがうれしい。
「そういえば宗像兄、昨日の帰りに宗像弟が
 お前の事好きだから協力してたとか言ってたよな?」
「あ…」
確かに、昨日偶然会ったときにそんなことを言っていた。
「その、協力ってやつの一環だったんじゃないのか?
  …その、水野先生が……」
隆は言いにくそうに口ごもる。
「そう、なのかな……?」
隆が言いにくい理由がわかるので愛菜もあいまいに頷く。
(でもどうして水野先生だったんだろう?
 先生だって、一郎くんに協力しても何の利益も無いはず…)
それどころか、他の先生にばれたら水野先生だって
停職か免職になってしまう危険があった行為だとおもう。
(先生じゃなく、他の女子生徒のほうが協力してもらいやすかったんじゃ…?)
ぐるぐると、疑問が渦を巻いてだんだんわけがわからなくなってくる。

愛菜は…
@「……どうして水野先生だったんだろう?」
A「……なにか変」
B「……まぁ、いいか」
97名無しって呼んでいいか?:2007/01/25(木) 11:25:11 ID:???
@「……どうして水野先生だったんだろう?」

愛菜の口からでた言葉に、隆が不思議そうな顔をする。
「放送委員の顧問だからじゃないのか?」
隆は疑問を抱いていないようだ。
「そう、だよね・・・・」
(修二くんも関係してるみたいし、生徒に言っちゃうと噂が広がるとかそういう心配したのかも・・・・)
どんなに口止めしても、生徒相手ならどこからか秘密は漏れるものだ。
その点、先生ならその危険性は低い。
放送委員長と放送委員顧問という関係なら、二人きりで話をしていても不自然ではない。
とりあえず、納得したところへ隆がはなしかけてきた。
「なあ、昼休み一緒に食べないか?」
「え、お昼・・・・?」
今日の昼休みと聞いて、修二くんと約束していることを思い出す。

@「ごめん、先約があるんだ・・・・」
A「昼は修二くんと約束が・・・」
B「う〜ん、どうしようかな」
98名無しって呼んでいいか?:2007/01/27(土) 22:21:50 ID:???
@「ごめん、先約があるんだ・・・・」

(修二くんは、何か知っているみたいなんだよね)
隆と一緒だと話してくれないだろう。
「ごめんね。明日は絶対大丈夫だから、明日、一緒に食べよう?」
「急だったもんな。じゃあ、明日な」
疑う様子もなく笑顔で答える。

昨日の電話で、屋上で話しをすることになっていた。

昼休みになり、愛菜は屋上に来た。


@「私の方が早かったみたいね」
A「修二くん、もう来ていたんだね」
B「早めに来たし、ご飯食べとこう」
99名無しって呼んでいいか?:2007/01/28(日) 11:12:40 ID:???
@「私の方が早かったみたいね」

私は近くの縁に腰掛けて、修二君が来るのを待った。
話って何だろう?
どれだけ頭を捻っても、心あたりなんて、昨日の一朗君の件だけ。
でも、冷静に考えてみると、修二君が私のことを好きだなんて、ありえないことだと思う。
特別に仲が良い訳ではないし、たまにちょっかいかけられるのだって、私だけという訳じゃない。
どう考えても、修二君が私を好きだなんて、恥ずかしくなるくらいのひどい自惚れだ。
かといって、わざわざ私に相談事をする理由も思い当たらないし……。
私が首を傾げていると、屋上の扉が開く音がした。
そこに立っていたのは、

@修二くん
A一朗くん
B水野先生
100名無しって呼んでいいか?:2007/01/28(日) 12:43:00 ID:???
@修二くん

修二くんは私をみつけるとにこっと笑って歩いてきた。
「ごめん、待たせたかな?」
「ううん、さっき来たばっかりだよ」
「そっか、よかった」
そういって、修二くんはぐるりと周りを見渡した。
「だれも、いないかな?」
「私が来てからはだれもきてないよ」
ずっと扉を気にしていたが、私の後には修二くんだけだ。
「そう、でも、ま、念のためあっちに行こう」
「う、うん(そんなに聞かれたくない話なのかな)?」
周りに人が居ないことを確認してから、修二くんが言った。
「水野に気をつけろ」
水野、と言われて一瞬だれのことかわからなかった。
先生という敬称がついていなかったので水野先生のことだとわかるまで、少し時間がかかる。
聞きたいことはいろいろある。

@「水野、って水野先生のこと?」
A「一郎くんと水野先生が話してるのを聞いたよ」
B「昨日、水野先生と何を話していたの?」
101名無しって呼んでいいか?:2007/01/29(月) 11:57:50 ID:???
A「一郎くんと水野先生が話してるのを聞いたよ」

そのときの様子を修二くんに話す。
なぜ一郎くんは水野先生をけしかけるようなことを話していたのか?
「兄貴がそんな事を……?……そうか……兄貴は……」
少し何か考えていた修二くんの瞳が明るくなる。
修二くんは何かに安心したらしいが、私にはさっぱりわからない。
「…くそっ、何もかも一人でやるつもりか!」
一人で納得して、今度は怒り出す。
私には何がどうなっているのかさっぱりわからない。
まだ聞きたいこともある。

1、「私にもちゃんと説明して!」
2、「修二くん、どうしたの…?」
3、「隆と水野先生がキスしてたのは一郎くんのせいなの?」
102名無しって呼んでいいか?:2007/02/03(土) 19:36:35 ID:???
3、「隆と水野先生がキスしてたのは一郎くんのせいなの?」

するりと一番聞きたかったことが口からすべりでた。
修二くんは一瞬動きを止め、それから難しい顔で言った。
「キス?水野は隆にキスまでしたのか?」
「う、うん。私みちゃったんだ…」
「そうか…。兄貴のせいかと言われれば半分はそうだろうな」
修二くんはいつもの不誠実な物言いではなく真剣に答えてくれる。
「半分は、水野の独断だとおもう。兄貴は方法までは指示していないだろうから」
そこでチャイムがなった。
昼休みが終わる。
さて、どうしよう?

1.午後の授業をサボってもっと話を聞く。
2.放課後もう少し話を聞かせてほしいと頼む。
3.教室に戻る。
103名無しって呼んでいいか?:2007/02/05(月) 15:32:44 ID:???
2.放課後もう少し話を聞かせてほしいと頼む。

また聞きたいことはたくさんある。
けれど午後の授業をサボるのは気が引けるので、放課後にもっと話をしたいと修二くんに頼む。
「かまわないよ。俺が答えられることなら、答えてあげる。放課後もここでいいかな?」
「うん」
にこっと修二くんは笑うと、私を促した。
「それじゃ、先に行って。俺は少し間を空けてからもどるから」
「あ、うん。それじゃあ放課後に」
階段を下りていく途中でチャイムがもう一度鳴った。
「やばい、普通に戻ったんじゃ間に合わない…」

1、1学年教室の中を突っ切る
2、特別教室棟を突っ切る
3、あきらめてゆっくり行く
104名無しって呼んでいいか?:2007/02/06(火) 11:51:05 ID:???
とりあえず>>103の1を選択したが、これは廊下を突っ切るっていう解釈でおけ?
その方向で進めるけど間違ってたら責任もって書き直すよ。

1、1学年教室の中を突っ切る

(1学年の教室を突っ切れば、まだ間に合うかも……)
そう思った私は急いで階段を下りて、すぐ先の1学年の教室へと駆け出した。
授業開始前だからなのか廊下に生徒の姿はもうない。
(どうしよう、本当にまずいかも)
焦りだけが募っていく。
「急がなきゃ……」
誰もいないのをいい事にさらにスピードを上げようとしたそのとき、
すぐそばの教室から誰かが出てきた。
「え、あっ」
それは解ったけれど、それだけでどうすることもできない。
(だめ、危ない!お願いよけて!)

どんっ

私の心の声は届くことなく(当然と言えば当然だけど)、結局そのままぶつかった。
「わっ」
ぶつかった反動で、私はそのまま床にしりもちをつく。
「いたた……ご、ごめんなさい」
慌てて謝りながら、ぶつかった相手を確かめる。
そこにいたのは……

1、春樹
2、春樹の親友の男の子
3、全然知らない男の子
105103:2007/02/06(火) 12:28:46 ID:???
>>104 わかりにくくてスマソ。その解釈でおkです。

1、春樹

「……姉さん?」
春樹のほうはなんとか転ぶのは免れたらしい。
「こんなところで何してるんだよ?」
言いながら手を差し出される。
「ごめん、時間なかったから、ここを突っ切ろうとおもって……っいた…」
春樹に差し出された手を掴んで立ち上がろうとしたが、左足に激痛が走る。
「ひねったのか!?」
あわてて春樹もしゃがみこむ。
「だ、大丈夫……ぅ…ぃたぁ」
「ぜんぜん大丈夫じゃないだろ!?」
そっと触られたが、その瞬間痛みが駆け抜ける。
「保健室いこう姉さん」
春樹が私を立たせてくれる。
立ってしまえば、何とか歩けそうだった。
春樹にだって授業はあるし、保健室はすぐそこだし…どうしよう?

1、「大丈夫、一人で行けるよ」強がる
2、「ごめんね迷惑かけちゃって」素直に連れて行ってもらう
3、「それじゃ、おんぶしていって」茶化す
106名無しって呼んでいいか?:2007/02/06(火) 12:30:06 ID:???
3、全然知らない男の子

視線の先にいたのは全然知らない男の子だった。
彼は私のようにしりもちをついたりなんかしていなくて、じっと私を見下ろしている。
無表情なような、だけどどこか驚いたような顔で。

「……………」
何かを呟くように彼の唇がかすかに動く。
だけどその呟きのようなものは私には聞こえない。
「え?」
私が聞き返すと、彼の表情から驚きのようなものがなくなった。
ただ無表情に私を見下ろし続ける。
「……………立てますか、とお聞きしたつもりだったのですが」
彼はしばらく間をおいてそういった。
「あ、はいっ」
私がそう答えると、彼は私に手を差し伸べてくる。
彼に支えられて私は立ち上がった。

「本当にごめんなさい」
「いえ、今後は気をつけてください。では」
彼は私に軽く一礼すると、そのまま去っていった。

(そうだ、私も急がないと!)
自分も急いでいたのを思い出し、駆け出そうとした時つま先に何かが当たった。
「誰かの落し物かな……」
そこには生徒手帳が落ちていた。
確認のためにちょっとだけ中を見てみる。
「えっと、なになに……
御門、冬馬、くん?」
そこに貼ってある顔写真はさっきぶつかった彼のものだ。
もしかしたらさっきぶつかったときに落としてしまったのかもしれない。

「うーん、どうしよう?」

@なくしたことに気がついたら困るかも。すぐに追いかけて届ける
A気にはなるけど授業が優先。とりあえず届けるのは後回し。
B必ずしも自分が届ける必要性はない。誰かに頼んで渡してもらう。
107106:2007/02/06(火) 12:33:16 ID:???
スマソ。被ってしまった。
先に書いた>>105が優先だろうから>>106は忘れて。

>>105の続きドゾー↓
108名無しって呼んでいいか?:2007/02/06(火) 14:22:05 ID:???
もしかしてかぶったのって今回が初めて?
これからかぶったときも前者優先でおk?

もしも>106の展開だったら新キャラ出てたんだな。ちょっと勿体ない気がス。
109名無しって呼んでいいか?:2007/02/06(火) 14:51:36 ID:???
被ったら最初のでいいんでないかな?
でも、もったいないので、新キャラ生かすように話しを進めるw

1、「大丈夫、一人で行けるよ」強がる

春樹だってこれから授業のはずだ。
私のせいで遅刻なんてさせられない。
「でも……」
春樹は心配そうに私を見たが、私は努めて平静を装う。
「大丈夫大丈夫、保健室すぐそこだし、春樹遅刻しないように行って」
「……そこまでいうなら」
春樹は私を気にしながら、歩いていった。
それを見送ってから保健室へ向かって歩く。
「あぁ〜、でも痛い、失敗したかなぁ…」
大丈夫だと思ったが2,3歩歩いただけで、激痛が走る。
壁にすがりながら、何とか歩いていると、急に体を支えられた。
「え!?」
驚いてみると、見たこともない男の子。
無表情に私を見下ろしている。
無言のまま、その男の子は保健室に歩き出す。
そのまま引きずられるように、私は保健室にたどり着いた。
「先生、けが人です」
その男の子が保健室の中に向かって言う。
「あら?御門くん?と……大堂さん?」
保健の先生が男の子を見て、それから私を見る。
御門くんと呼ばれた男の子は、私を先生に預けるとすぐに出て行ってしまった。
「あらあら…、これは結構はれるわね。少し安静にしておいたほうが良いわ」
私の足を見て先生が言う。

1.保健室で休む
2.授業に戻る
3.さっきの男の子について聞く
110名無しって呼んでいいか?:2007/02/06(火) 20:47:51 ID:???
1.保健室で休む

そのまま保健室で休ませてもらうことにする。
「それじゃ先生、あなたの教室まで行って来るわね。先生に伝えてくるから」
「あ、はい、ありがとうございます」
「ちょっと、ひどくひねっているから、熱が上がるかもしれないわ。寝ていてもいいわよ。
あ、暇なら、この本読んでてもいいし。図書室から借りたものなんだけどね」
そういって、先生は本を渡してくれる。
「そうそう、ちょっと職員室よってきたりするから、少し遅くなるかも知れないけれど、ちゃんと安静にしてるのよ?」
「はい、わかりました」
先生が保健室を出て行く。
ひねった左足の熱が全身に回ってきているようでだるい。
静かになった保健室で私はすることもなく…

1.寝る。
2.ぼーっと窓の外を眺める
3.借りた本 シ○トン動物記を読む
111名無しって呼んでいいか?:2007/02/07(水) 10:52:33 ID:???
2.ぼーっと窓の外を眺める

私は窓際のベッドに腰掛けたままなんとなく外を眺めた。
校庭では体育の授業が行われている。
どれくらいボーっとしていたのか、ふと時計を見るともうそろそろ授業が終わる時間だった。
「あ、もうこんな時間だ、…先生帰ってこないな」
そのとき、ふと視線を感じて、窓の外を見る。
校庭の隅、少しはなれたところから、私を見ている人がいる。
それは…

1.隆
2.御門くん
3.水野先生
112名無しって呼んでいいか?:2007/02/07(水) 21:34:49 ID:???
2.御門くん

さっき、保健室までつれてきてくれた男の子だった。
(確か、御門くんっていったっけ……)
その男の子……御門君は、制服姿のままそこに佇んでいる。

私が見ていることに気がついていないのか。
それとも……気がついていて、なおそうしているのか。
御門くんは私を見つめ続けていた。

1.窓を開けて声をかける
2.見つめ返す
3.視線をさえぎるようにカーテンを閉める
113名無しって呼んでいいか?:2007/02/08(木) 01:39:37 ID:???
2.見つめ返す

まだチャイムも鳴っていないのに御門君は校庭でなにをやっているんだろう?
体育の授業の見学にしては不自然だし、かといって参加するわけでもない。
サボるにしたって、目立ちすぎるし。まじめそうな外見で実は問題児だったりして……。
そんな他愛のないことを考えていると、ふと御門君と目が合った。
ジッと私に見つめられていることに気付いたのか、無愛想にきびすを返すと、御門君はその場から去ってしまった。

あ……そういえば御門君にお礼言ってないな。
一年生だったら、春樹が知っているかもしれない。帰ったら訊いてみようかな。
そんな事を考えながら、傍らの本をぺらぺらとめくっ

授業の終わりを告げるチャイムと同時に、ガラッとドアが開いた。

「ちょっと! 大怪我したって大丈夫なの?」
「香織……ちゃん」
私を見るなり飛びつくようにして、突然、香織ちゃんが近づいてきた。
「足首ひねったって、ちゃんと歩けるの?」
「うん……た、たぶん」
「熱もあるっていうじゃない。私が送ってってあげるわよ」
「大丈夫……平気」
「もう……本当に心配したのよ」
そう言いながらも、少し安心したのか香織ちゃんの顔に笑顔が戻っていた。

「ありがとう、香織ちゃん。でも本当にたいした事でもないから安心して。ホームルームまでにはちゃんと戻るから」
「ダメよ。先生から帰宅の許可も下りているんだから、愛菜は大人しく帰りなさい。わかった?」

放課後には修二君との約束があるけど、どうしよう?
1.素直に帰宅する
2.保健室に残る
3.教室に戻る




114名無しって呼んでいいか?:2007/02/08(木) 09:15:15 ID:???
2.保健室に残る

香織ちゃんの気遣いはうれしいけれど、修二くんとの約束がある。
でも、香織ちゃんを心配させるのも心苦しいので、保健室で休んでいることにする。
「ありがとう、でももう少し休んでるね」
香織ちゃんはちょっと頬を膨らませると、ため息をついた。
「仕方ないわね。次の授業終わったら鞄持ってきてあげるから、おとなしくしてるのよ?」
「わかってるって」
何度も念を押しながら香織ちゃんが出て行く。
次の授業のチャイムが鳴った。保健室の先生はまだ戻ってこない。
私はベッドに横になった。

…いつの間にか眠っていたらしい。
ふと、額にひんやりしたものが触れて目が覚めた。
「あ、姉さん、起きた?」
目を開けると、春樹がいた。
「あれ?春樹?」
「足は大丈夫?さっきまで長谷川先輩が居たんだけど、姉さん寝てたから鞄置いていったよ」
「香織ちゃん来てたんだ…、起こしてくれればよかったのに」
私は時計を見て、あわてて飛び起きる。
修二君との約束の時間が過ぎている。
「姉さん?どうしたの?」
急に起き上がった私にびっくりした春樹が私を押しとどめようとする。
「…いったぁ……」
床に足をつけたとたん、痛みが走った。
「急に動くからだよ、仕方ないなあ姉さんは」
あきれたように春樹が言う。
どうしよう…

@春樹に屋上へ連れて行ってもらう。
A春樹に修二君を連れてきてもらう。
Bがんばって一人で屋上へ行く。
115名無しって呼んでいいか?:2007/02/08(木) 09:53:47 ID:???
A春樹に修二君を連れてきてもらう。

「あのね、放課後に修二君と会う約束してたの」
「修二先輩と?」
訝しげに問われた。
「そう。時間すぎちゃったから、今も待ち合わせの屋上で待っているはずだから会いにいかないと…いたっ」
足をベットからおろしたらまたしても痛みが走った。
「そんな足で何やってんだよ。あーもう、先輩をこっちに連れてくるから、姉さんはおとなしくしてて」
そういいおいて保健室を出ていった。
ほっとしたが、よく考えると春樹と一緒だと修二に話しが聞けないのではないだろうか?
(だけど、この足だと寄り道なんて春樹が許さないだろうな)
春樹のこと、どうしよう…

@修二君に判断してもらおう。
A私に関係あることだし家族の春樹にも聞いてもらおう。
B今日は事情を話して家に帰る
116名無しって呼んでいいか?:2007/02/08(木) 12:25:12 ID:???
A私に関係あることだし家族の春樹にも聞いてもらおう。

私だけでは煮詰まってしまいそうだし、春樹は信頼できる。
修二君にお願いして、一緒に話を聞いてもらえるようにしようと思ったとき。
廊下を走る音が近づいてきた。
「愛菜ちゃん!怪我したってほんと?」
息を切らせて保健室に入ってきたのは修二君。
その少しあとに、春樹がこちらも息を切らせて入ってくる。
「修二先輩、さすが、足、はや……」
「二人とも、どうしたの…?」
「俺も何がなんだか…、姉さんが怪我をして保健室にって言ったら、血相変えて走って行って…」
「誰かにやられたの!?」
私の言葉も春樹の言葉も修二君の耳には届いていないみたいだった。
「ちがうって、私が不注意で春樹にぶつかっちゃったの、ね?」
最後は春樹に同意を求める。
「うん、姉さん廊下走ってたから…」
「な、なんだ、そうか」
ホッとしたように修二君は笑う。
「それで、話のことなんだけど、春樹も一緒に聞いてもいい?春樹は家族だし」
修二君に頼んでみると、修二君はじっと春樹を見つめた。
「……姉さん変なことに巻き込まれてるのか?」
それを見つめ返しながら、まじめな顔で春樹が問う。
「どうしてそう思う?」
「さっき、修二先輩が「誰かにやられたの?」って言ってたから」
それに、修二君は苦笑する。
「あー、俺としたことが、失態だわ。まあ、いいや君は信用できそうだし。で、何が聞きたい?」
聞きたいことは…

1、水野先生のこと
2、一郎君のこと
3、隆のこと
117名無しって呼んでいいか?:2007/02/08(木) 21:52:02 ID:???
2、水野先生のこと

水野先生とことが、やっぱり気になる。
一郎君と人目を盗んでコソコソと話し合ったり、修二君を誘惑してみたりする。
目的は何? そして、隆まで誘惑してどうしようっていうの?

「水野先生の事を教えて……」
語尾が震えてしまった。私、緊張してるんだ。
「水野か。水野の事を話す前に兄貴と水野の関係を話しておいたほうがいいか」
そういいながら、修二君はベッドのそばにあるパイプ椅子に腰掛けた。
「一郎先輩と水野先生? どういう事だよ、一体……」
春樹はまったく話が見えていないようだ。
無理もないか。春樹は何も知らないんだし。
「ああ……弟君はとりあえず適当に聞いといて」
修二君は片手をヒラヒラさせながら言った。
「……」
春樹は馬鹿されたと思ったのか、何も答えず、ムッとしている。
やっぱり、こういう仕草が軽薄にみえちゃうんだろうな。実は親切なところもあるのに、損してるよ。
だけど、一郎君と水野先生の関係って……何だろう。

「昼休みに兄貴と水野が二人きりでいる所を放送部で見かけたって言ってたよな?
愛菜ちゃんは、 二人の様子について……どう感じた?」

えっと……
@恋人同士のように親しくみえた
A一郎君が先生を利用しているようにみえた
B先生が一郎君を利用しているようにみえた
118名無しって呼んでいいか?:2007/02/08(木) 22:56:00 ID:???
A一郎君が先生を利用しているようにみえた

どちらかというと、一郎君が水野先生をけしかけてる、利用してるみたいだった。
見た感じはそうだった。でもすぐにその場を離れてしまったので自信はない。
「うん、それアタリ。「兄貴は、水野を利用してる。でも、水野は兄貴から聞き出したいことがある」
修二君はそこで言葉を切って、じっと私を見つめた。
「いってみれば、水野と兄貴は化かしあいをしてるんだ。今は、ね」
少しの間をおいて、言葉を続ける。
「そして、それは俺も同じ。水野は俺からも聞きだしたいことがある」
修二君は私と春樹を順番に見ていった。
「兄貴はそれをネタに水野を利用して、俺は水野を拒絶した」
小さく笑って、修二君はまたじっと私を見る。
「水野は探し物をしている。とても、とても見つけにくいものだ」
「その情報を、一郎先輩と、修二先輩がもっているということですか?」
それまで、黙って聞いていた春樹が口を挟む。
「ん〜、情報そのものじゃないんだけどね。たぶん情報へとつながる…カギ、かな?」
修二君はしっくり来る言葉を捜すように視線をさまよわせる。
「さて、そろそろ下校の時間だ、最後に聴きたいことはある?」
時計を見て、修二君が言った。時間的に今日聞けるのは後一つだけだ。

1、「水野先生が探しているものは何?」
2、「一郎君の目的はなに?」
3、「修二君はどうしてそれを私に教えてくれるの?」
119名無しって呼んでいいか?:2007/02/09(金) 02:29:11 ID:???
1、「水野先生が探しているものは何?」

私は最後の質問を修二君にぶつけた。
水野先生が探しているものは、とても見つけにくいもの――
それを知る手がかりを一郎君と修二君が握っている――
水野先生の探しているものを知れば、水野先生と隆の事も分かるかもしれない。

「水野の探しているものは、ごく一部の人にしかないものだ。それは水野を含む普通の人には見えない。
だけど……兄貴と俺は分かる。それが俺たち双子の力だから」
力って、何? もう、わけが分からないよ。
「じゃあ、水野先生は一郎君と修二君を利用して、それを探そうとしているって事?」
「まぁ、そんなに上手くいかないから、逆に、兄貴に利用されてるんだけどな」
そういいながら、薄い笑みを浮かべた。
とても優しくて、冷たい表情。
その顔が一郎君とダブって見えて、やっぱり双子なんだと思い知らされる。
「さて、そろそろ時間だ」
そう言って、修二君はパイプ椅子からゆっくり立ち上がった。
「ちょっと、待て!  そんな話じゃ、姉さんが巻き込まれている理由にはならないだろっ」
そう言って、春樹は修二君の前に立ち塞がった。
「春樹……」
修二君はやれやれといった表情の後、ため息を吐くように漏らした。
「愛菜ちゃんも部外者じゃないって事くらい、気付けよ……」
そして、修二君は春樹を睨みつけると、私だけに何か耳打ちをして、保健室を去っていった。

今、修二君は私に何って言っていたのかな……
@「湯野宮隆の力が利用されようとしている。気をつけろ」
A「湯野宮隆は水野の手駒だ。気をつけろ」
B「湯野宮隆も愛菜ちゃんの力を狙っている。気をつけろ」




120名無しって呼んでいいか?:2007/02/09(金) 09:27:31 ID:???
B「湯野宮隆も愛菜ちゃんの力を狙っている。気をつけろ」

(隆が私をねらっている?)
不意に耳打ちされた言葉に、呆然とする。
隆は幼馴染だ。小さいときから知っている。
でもそんなそぶりは一切ない。
でも、修二君がウソをついているようにも見えない。
修二君の言葉をすべて信じるとしたら……。
(私、もしかしてすごく大変なことをしたのかも…?)
修二君の言葉をすべて正しいものだとするなら、私は隆に一郎君と水野先生のつながりを話してしまった。
でも、修二君が私にウソをついている可能性もある。
「……姉さん」
呼ばれてハッと顔を上げる。心配そうな春樹。
「あ、ご、ごめん…。ちょっと考え事してた」
「うん……帰ろう、姉さん」
そう言って春樹が私を支えてくれる。
保健室を出ると、向こうから隆が走ってきた。
「愛菜!怪我をしたって!?」
私は思わず、春樹の制服をぎゅっと掴む。
「姉さん?」
一瞬不思議そうな顔をした春樹は、次の瞬間何かに気づいたように険しい顔になる。
「愛菜、送っていくよ」
隆が言う。どうしよう

1.隆に送ってもらう
2.春樹に送ってもらう
3.3人で一緒に帰る
121名無しって呼んでいいか?:2007/02/09(金) 10:05:40 ID:???
3.3人で一緒に帰る

さっき修二くんが言った言葉は気になるけれど……。
仮に修二くんの言葉が本当であったとしても、今いきなり態度を変えたりしたら怪しまれてしまうかもしれない。
……それに、何より私の中にまだ隆を信じたいって気持ちがある。

だからと言って、完全に信じられるかといえば……酷い話だけど、そういうわけじゃない。
今はまだ、何もわからなすぎる。

私は今だ握り締めたままの春樹の制服をじっと見つめる。

「……」
何かに気がついたのか……春樹はこちらに視線を向けた。
そして僅かに頷く。

(ごめんね、頼りないお姉ちゃんで……)
都合のいいときにだけ春樹を頼ってしまう自分を恨めしく思う。
内心で春樹に謝りながら、私はそっと頷き返した。

「じゃ、じゃあ、3人で帰ろうよ。ね?」
顔を上げて私はそういった。

「あ、ああ」
「わかった」
私の言葉に二人はそれぞれ了承してくれた。
……隆は戸惑うように、春樹はその言葉がわかっていたかのように。


そうして、帰ることにはなったものの。

「「「………………」」」

保健室を出てからというもの、誰も一言も話さない。

なんとなく、隆に支えてもらうのも、春樹に支えてもらうのも悪い気がしてしまって、私は自分で歩いていた。
とはいえ、歩みはまさに亀のような速度。

二人が気を使ってくれるのはわかるんだけど……だからこそ、余計に沈黙が辛く長く感じる。

@隆に話しかける
A春樹に話しかける
B何もいえなくてなんとなくあたりの景色に目をやる
122名無しって呼んでいいか?:2007/02/09(金) 10:52:13 ID:???
@隆に話しかける

なんとなく沈黙に耐え切れなくなって、隆に話しかける。何も話さないのは不自然だ。
「そういえば、隆」
「ん?なんだ?」
「どこで私が怪我したって聞いてきたの?」
とりあえず、当たり障りのない話題を振る。
(香織ちゃんか、クラスの誰かだとはおもうけど……)
半ば答えの分かっている質問だった。
「どこって……………クラスのヤツだよ。迎えに行ったら居ないしさ」
(まぁ、そうだよね)
予想通りの言葉が返ってくる。
「……にしては、遅かったですね、隆さん」
唐突に春樹が言う。言葉にわずかな棘がある。
「え?」
春樹の言うことが分からず、私は春樹を見る。
「迎えに行ったって、もう下校時間ギリギリですよ?」
(あっ!)
私は反射的に隆を見る。
そう、遅すぎだ。
私を迎えにきてクラスの誰かに私の怪我のことを聞いたとしたら、保健室に来るのはもっと前。そうでなければおかしい。
私は委員会がない限り、すぐに帰宅するのが普通なのだから、わざわざ下校時間近くになって迎えに行くなんて、おかしい。
幼馴染の隆がそれを知らないわけはない。
「それは……」
隆が言いよどむ。
疑問が頭の中で渦巻く。足から発生した熱が、全身に回ってボーっとする。
「姉さん大丈夫?熱あがってるんじゃない?タクシー拾おうか?」
見かねた春樹が、私を支える。

1、タクシーを拾って帰る
2、このまま歩いて帰る
3、少しどこかで休んでいく
123名無しって呼んでいいか?:2007/02/09(金) 19:54:17 ID:???
1、タクシーを拾って帰る

頭のなかがぐるぐるする。本格的に熱が上がってきたみたいだ。
疑問だけどんどん湧いてきて、答えが全然でてこない。
「ごめん、春樹……おねがい」
一人で歩いているのもつらくなっていた。そのまま春樹にすがる。
「愛菜…」
「隆さんすみません、このまま帰りますのでここで」
隆が何かを言いかけたが、ちょうど来たタクシーをとめた春樹が言葉をさえぎった。
「姉さん大丈夫?」
「うん、ごめん……」
ぼんやりする意識で、春樹に謝る。私は本当に春樹に頼りっぱなしだ。
タクシーに乗り、春樹が行き先を告げる。
「姉さん、つらかったら俺によりかかってていいから」
「うん……」
別れ際隆を見ることができなかった。声をかけることもできなかった。
(信じたいのに……)
ぼんやりとしたまま、家に帰り着き、春樹に助けられながら部屋へとたどり着く。
そのまま、着替えてベッドに倒れこんだ。
いろいろなことがありすぎて、すぐには眠れそうにない。
今日は休んだほうがいいのはわかっているけれど…

1.自分で今日聞いたことを整理する。
2.春樹を呼んで一緒に考える。
3.無理をしてでも寝る。
124名無しって呼んでいいか?:2007/02/09(金) 20:58:47 ID:???
本当はたくさん考えたいこと……考えなきゃいけないことはあった。
だけど、その「考えなきゃいけないこと」は次々と浮かんでは消えていく。
ぼんやりとして、何一つまとまってはくれない。

「私、どうしたらいいのかな……?
これから、どうなるのかな……?」
ふと、不安になって呟く。

自分以外誰もいない部屋。
答えなんて、帰ってくるはずも無かった。

(とりあえず、無理してでも寝なきゃ……。
これ以上みんなに心配をかけたくないもの)
そう思った私は、布団を頭から被り目を閉じる。

やがて、だんだんと薄れていく意識の中で私は……

1、どこかから物音がするのを聞いた気がした。
2、今日はどんな夢を見るのだろうと思った。
3、今日一日のことを思い出していた。
125名無しって呼んでいいか?:2007/02/09(金) 21:00:32 ID:???
ごめん、選択抜けてた。
>>124>>123の3.無理をしてでも寝る。 を選択。

では、>>124の続きをどうぞよろしく。
126名無しって呼んでいいか?:2007/02/09(金) 21:40:25 ID:???
2、今日はどんな夢を見るのだろうと思った。

私は使えない予知夢をみることがある。
あまり覚えていないし、今朝みたいに夢の名残として感情だけが残ることの方が多い。
だけど、現実になって初めて、「これはどこかで見たことがある」と何度も感じることがあった。
デジャビュっていうんだっけ……こういうの。

いい夢だといいな。
今朝みたいな悲しい気分にならない楽しい夢を見たい。
だけど、まったく思い通りにならないから本当に困る。
こんな使えない力なんて、いっそ無くなれば楽なのに。

こんなチカラ――

そういえば、修二君が私に耳打ちした時、「湯野宮隆も愛菜ちゃんの力を狙っている」って言っていた。
もしかして、私の力ってこの予知夢の事なのかな?

まさかね。よく覚えてもいない私の予知夢じゃ、馬券の一つだって当てることは出来ない。
それに、修二君が本当の事を言っているとは限らないのだ。

本格的に意識が薄れていく……
そこで見た夢は

1.私と隆がキスをしている夢
2..私と修二がキスをしている夢
3..私と春樹がキスをしている夢
127名無しって呼んでいいか?:2007/02/10(土) 08:08:01 ID:???
2..私と修二がキスをしている夢

気がつくと目の前に修二くんの顔。
驚いて目を見開く私。
キスをしている、と気づくまで一瞬の間があり……、気づいた時には修二くんは離れていった。
修二が何かを言う。
けれどその声は私には聞こえない。
(何?何をいってるの?)
聞き取ろうと意識を凝らす。
「……なんだ、ありがとう愛菜ちゃん」
やっと聞こえた声、胸が苦しくなるくらい綺麗に微笑む修二くん。
修二くんは私に背を向けて歩いていってしまう。
追いかけようと思って………

「あ……」
目が覚めた。
ぼんやりと明るい部屋の中。
そろそろ起きないといけない。
何か夢を見た気がする、少し胸が痛い。
「なんだったんだろう……?」
体を起こし、とりあえず着替えようと床に足をつけ……
「いったぁ……そういえば、捻挫してたんだ……」
熱は下がっているが、これでは歩くのも一苦労だ。
どうしよう…?

@学校を休む
A病院へ行ってから学校へ行く
B学校へ直行する
128名無しって呼んでいいか?:2007/02/12(月) 10:40:12 ID:???
A病院へ行ってから学校へ行く

熱も下がっているし、一応病院へ行ってから学校へ行こうと決める。
(そろそろ学園祭だし、休んでられないもんね)
色々気になることは多くて不安だけれど、放送委員としての準備とクラスでの出し物の準備もある。
この先学園祭に向けてどんどん忙しくなるんだ。
制服に着替え終わると同時にノックの音。
「姉さん起きてる?」
「春樹?起きてるよ」
「入るよ」
「うん」
春樹は私が制服に着替えていることに驚いたようだ。
「姉さん、今日は休んだほうがよくない?」
心配そうに足を見る。
「大丈夫だよ。それに学園祭も近くて準備も忙しくなるしね。大丈夫、ちゃんと病院にいってから学校行くから」
「そう…それなら……。ところで姉さんのクラスは学園祭なにするの?」

1、喫茶店
2、お化け屋敷
3、町の歴史展
129名無しって呼んでいいか?:2007/02/12(月) 11:19:25 ID:???
2、お化け屋敷

「お化け屋敷だよ」
私が答えると、春樹が悪戯っぽく笑った。
「……ふーん。姉さん、大丈夫なの?結構怖がりじゃなかったっけ?」
「大丈夫だよ!私、お客さんじゃないんだから!」
からかうようなその言葉に、ちょっとムッとしながら言い返す。
すると、なぜか春樹はやさしく笑った。
「ごめんごめん。
……じゃあ、下で朝食の用意してくるから。準備できたら下りてきて」
それだけ言って部屋を出て行った。

「もう……」
春樹が出て行った後、大きくため息をついた。
呆れたような言葉とは裏腹に、私はなんだか明るい気持ちになれていた。
(どうしてかな……)
知らなかった。
何気ないやり取りで、こんなにも救われるなんて。
「ありがとう、春樹……」
一人呟く。
聞こえないとはわかっていたけれど、言わずにはいられなかった。

階段を下りてリビングへ行くと、春樹はもう座って待っていた。
「ああ、来た。歩くの辛いかなって思って、タクシー呼んでおいたから。
来るまでに朝食済ませよう。さ、座って」
春樹に促されて、席に着く。
朝食はトースト、ハムエッグ、サラダ。それとスープ。

「「いただきます」」
二人で挨拶をしてから、朝食に手をつけようとして―――
(……そうだ、春樹に話したいことがあったんだっけ)
不意に、そんなことを思い出す。

「……あのね、春樹」
手を止めて春樹に話しかける。
「ん?何、姉さん?」
春樹も食事の手を止めて、こちらを見た。

@「隆のことなんだけど……」
A「昨日も予知夢を見たよ」
B「御門君って男の子、知ってる?」
130名無しって呼んでいいか?:2007/02/12(月) 11:49:01 ID:???
B「御門君って男の子、知ってる?」

「御門?うーん……」
私に言われて、春樹が考えるようなしぐさをする。
「……ごめん、俺は知らないな。
1年のヤツ?」
考えこんだ様子のまま、申し訳なさそうに春樹が言ってきた。
そして逆に問われる。
「うん、たぶん……」
そう答えたものの、彼が1年生なのかはわからない。
ただ、1年生の教室の近くであったからそうなのかと思っただけ。
(お礼言いたかったし、気になることもあったから、会いたかったんだけど……。
御門君のこと、全然わからないや……)
素性も、保健室の外からのあの行動も。
御門君についてもまた、謎が多かった。
(なんて、1回……2回かな?会っただけだし、当然か)
「何?何かあったの?」
春樹が訝しげに聞いてくる。
昨日のこともあるから、余計に心配しているのかもしれない。
私は……

@素直に話す
Aごまかす
B話をそらす
131名無しって呼んでいいか?:2007/02/12(月) 12:04:22 ID:???
Aごまかす

とりあえず保健室へ運んでもらったことだけ話し、校庭で見たことは伏せた。
「そう……俺が知らないだけかもしれない。他のやつに聞いてみるよ」
春樹はそういいながら、まだ自分の記憶を探っているみたいだった。

ぴんぽーん

そこでチャイムが鳴る。
「あ、タクシーがきたのかな?姉さん準備して、ちょっと待っててもらうように言ってくるから」
「わかった」
春樹が玄関へ向かう。
私もなるべく急いでかばんを取りに行き、玄関へ向かう。
「ですから、姉さんは病院に……」
玄関へ行くと春樹の硬い声が聞こえた。
「春樹?どうしたの?」
「あ、愛菜!」
「……隆」
(そうだ、一応付き合ってるんだし、昨日も来たんだから、今日だって迎えに来て当然よね…)
「あ、あの、よ、足、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。一応これから病院にいくし…」
「それじゃ、俺がついていくよ」
「え!?」
突然の隆の申し出に驚く。
「隆さんが付き添うのはおかしいですよ。家族でもないんですから病院の人が変に思います。
 付き添いが必要なら俺が付き添いますから大丈夫です」
すかさず春樹が口を挟む。

プップッー

ちょうどそこでタクシーが到着した。
どうしよう…

1、隆につきそってもらう
2、春樹につきそってもらう
3、一人で行く
132名無しって呼んでいいか?:2007/02/12(月) 13:48:30 ID:???
3、一人で行く

「もぅ、二人とも、私だって子供じゃないんだから、一人でいけるって」
微妙な雰囲気の二人に、つとめて明るく笑う。
「私に付き合う口実で、サボろうとしてるんでしょ?まったくもぅ」
やれやれと、肩をすくめてみせて靴を履く。
「それじゃ、二人とも遅刻しないようにね?」
「うん、姉さんも、無理しないで痛かったら休むんだよ?」
「…………」
「はいはい」
春樹が苦笑ながら言う。隆は何かをいいたそうだったが、無言で頷いた。
タクシーのドアが閉まる。
行き先を告げ、走り出したタクシーの中で思わずため息をつく。
隆へどう接していいのかわからない。
修二くんの言った事が本当かどうかわからない今、態度を変えるのはおかしいことだとわかってはいるけれど…。

診察を終え、会計を済ませる。
湿布を張り替えてもらい、万が一また熱が上がったときのための薬ももらった。
病院を出ようとして、ふと視界の先に見知った顔。
それは…

@一郎くん
A御門くん
B厳格だが生徒思いの近藤先生
133名無しって呼んでいいか?:2007/02/12(月) 17:03:23 ID:???
A御門くん

御門くんだった。
「……」
玄関の柱に背を預けて、時間を確認している。

(……何してるのかな?)
疑問に思いながらじっと見ていると、不意にその視線がこちらを向く。

(わっ!)
私は思わず見えないように隠れてしまった。
御門くんは見回すようにこちらを眺めていたが、やがて視線を手元に戻す。

(はぁ……よかった)
ほっと、息をつく。
(って、よく考えたら、別に隠れる必要なかったんだよね……)
ふとその事実に気がつき、なんとなく恥ずかしくなる。
だけど、なんとなく出て行くタイミングがつかめいまま、私はそのまま御門くんの様子を見ることにした。

(それにしても、どうしてこんなところにいるんだろう?今日は普通に学校のはずなのに)
しばらく様子を伺っていると、今度は胸元から何か小さなものを取り出した。
そして、それを手の平に乗せてじっとみつめている。

「……」
その顔は相変わらず無表情のまま。
なのに、なぜだろう。御門くんから何かの感情が伝わってきた気がして。
……どこか気になった。
(何、見てるんだろう……?)

1、話しかける
2、そっと近づく
3、気にせず学校へと向かう
134名無しって呼んでいいか?:2007/02/12(月) 18:26:48 ID:???
1、話しかける

よく考えれば昨日のお礼を言ういい機会だ。
「あ、あの、御門くん?」
思い切って声をかけながら近づく。
私の呼びかけに顔を上げた御門くんは相変わらず無表情だ。
「あ、あの昨日保健室に連れて行ってもらった大堂愛菜です。昨日はありがとう」
「………」
(覚えてない、ってことはないよね、昨日のことだし……
 あ、でも少しの間だったし、向き合ってたわけでもないから、顔は覚えてないのかも…)
「……いえ、足の具合はいかがですか?」
少しの沈黙の後、感情の伺えない声で御門くん。
「あ、うん、湿布もお薬ももらったし、大丈夫。まだ痛いけどね」
「そうですか、それは良かったです」
そういいながら、御門くんは持っていたものを胸ポケットにしまう。
(何だろう?金属?)
ちらりと見えたものはなにか金属の破片のように見えた。
そのまま会話が途切れる。
えーっと…

@「ここで何をしているの?」
A「今のはなに?」
B「今から学校へ行くんだけど、良ければ一緒に行かない?」
135名無しって呼んでいいか?:2007/02/12(月) 21:59:32 ID:???
@「ここで何をしているの?」

金属片の仕舞われたポケットを見つめながら、私は尋ねた。
「…………」
御門くんは無表情のまま、何も答えず私の顔を見つめている。
「学校はどうしたの?」
「…………」
御門くんは何も言わず、無表情にこちらをジッと見ている。
「どうしてこんな所にいるの? 教えて」

ポケットに仕舞われた金属片。
保健室で見た光景。
隠し事をしているような態度。

「どうしてここにいるの? ここで何をしているの? お願い、教えて」
助けてくれた御門くんを信じたい。
だから私は、心の中に生まれた『監視されているかもしれない』という疑念を振り払うために尋ね続けた。
それでも御門くんはずっと黙ったまま、私を見つめ続けている。
「答えて!」
取り乱した私を見て、御門くんがようやく重い口を開いた。
「…………わかりました」
そう言うと突然、御門くんはネクタイに手を掛け、シュルッという音をさせながら一気に外した。
ブレザーを手早く脱ぎ捨て、真っ白なシャツのボタンを外していく。
「なっ、何?」
病院の前で何を始める気なの!?
自動ドアから出てきたおばさんが奇異の目で私たちを見ている。
「まっ、待って!」
私は御門くんを止めようと必死になってその腕をつかんだ。

上半身が露わになった御門くん。
そこで私が見たものは……

@肩に巻かれた包帯
A体に埋め込まれた金属片
B文化祭用のボディペイント


136名無しって呼んでいいか?:2007/02/12(月) 22:15:11 ID:???
@肩に巻かれた包帯

「今朝、自転車とぶつかってしまって肩を痛めたので病院へ来ました」
淡々と話す御門くん。
「あ、そう、なんだ…」
私が納得したと確認すると、何事もなかったかのように制服を着る。
(そう、だよね。私の考えすぎ…、病院だもん怪我とか病気の治療に来てるに決まってるじゃない……)
取り乱してしまったことにいまさらながら恥ずかしくなる。
「ご、ごめんなさい」
御門くんは何も言わず、じっと私を見ている。
昨日も校庭から私を見ていた。
その視線に落ち着かなくなる…

1、「わ、私の顔に何かついてる?」
2、「昨日も見てたよね?」
3、「御門くんは一年生?」
137名無しって呼んでいいか?:2007/02/13(火) 01:29:55 ID:???
2、「昨日も見てたよね?」

「昨日も私の事を見ていたよね?」
私はどうしても昨日の不可解な行動が気になって思わず尋ねた。
「はい。あなたが廊下で怪我をしている姿を見かけました」
御門くんは冷静な口調で答えた。
「そうじゃないの。えっと……」
「以前にもお会したことがありましたか?」
「昨日、初めて会ったよ」
「いつ、どこで、何を見ていたのかもう一度、明確に教えてください」
淡々と御門くんは言った。

「昨日、この怪我の後にね……保健室から制服を着たまま校庭にいる御門くんを見かけたんだ。授業中だったから、少し気になって」
あの時、お互いの目が合っていたような気がする。確か、御門くんは私の視線に気付いて去っていったんだ。
「昨日は、五時限目も六時限目も教室で授業を受けていました。校庭には行ってません」
有無を言わせない、はっきりとした言い方だ。
「……そうなんだ。私の見間違いだったのかもしれないよ。ありがとう」
確かに御門くんだったような気がするけど、本人が否定しているのならきっと私の勘違いだったんだろう。


それにしても、御門くんって……
@少し変っているな
A何を考えているか分からないな
Bすごく真面目だな
138名無しって呼んでいいか?:2007/02/13(火) 09:18:27 ID:???
A何を考えているか分からないな

表情に変化が乏しいのが一番の原因だと思う。
声にも感情が入っていなくて淡々としているし…。
人をじっと見るのはクセなのかな?

 チャラリ〜ン

「あ…」
私の鞄の中から音がする。
メール着信の音だ。
(あぶない、あぶない、マナーモードにし忘れてた…)
携帯電話を取り出す。
「では、これで」
「えっ?」
メールを確認しようと携帯電話に視線を落としたところで、御門くんは行ってしまった。
(誰かを待っているみたいだったのに……?)
疑問に思いながらメールをチェックする。
メールの送信者は…

@春樹
A隆
B知らないアドレス
139まとめ:2007/02/13(火) 10:30:28 ID:???
<現在の登場人物>
大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている)
大堂春樹:主人公の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。
     主人公よりしっかりものなので兄にみられがち。
湯野宮隆:主人公の幼馴染で愛菜の彼氏。愛菜を狙っている?
宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある
宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。
     他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。
近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師
水野先生:隆とキスしていた音楽教師。一郎に接近してなにかを探しているらしい。
長谷川香織:愛菜の親友
御門冬馬:表情の変化に乏しい。言葉遣いは丁寧。

<一人称・呼び方>
愛菜:一人称→私。春樹と隆は呼び捨て、その他キャラは君付け
春樹:一人称→俺。愛菜に対しては姉さん、隆はさん付け
隆 :一人称→俺。愛菜に対してはお前
一郎:一人称→俺。修二は呼び捨て、他は苗字
修二:一人称→俺。愛菜に対しては愛菜ちゃん、一郎に対しては兄貴
香織:一人称→私。愛菜や隆に対して呼び捨て
冬馬:一人称→僕。

<未実現の夢>
@ >>91  水野先生と隆が楽しそうに話をしている夢
A >>127 私と修二がキスをしている夢

<今までのあらすじ>
愛名は隆と水野のキスを見て以来隆と疎遠になっていた。
ひょんなことから、隆と水野の関係に一郎が何か関わっているらしいことを知る。
隆からの呼び出しに応じ告白され、水野との事はこれ以上詮索しないと決め付き合い始める愛菜。
しかし修二から、水野と隆は愛菜を狙っていると告げられショックを受ける。
修二の話の正否が分からず、隆への態度も決めかねる愛菜。
不注意で足を怪我した愛名は病院へ行き、保健室へ運んでくれた御門に会う。
不可解な行動に疑問を持ちつつ、メールを確認する愛菜。
そこには……?

では>>138の続きをどうぞ
140名無しって呼んでいいか?:2007/02/13(火) 14:17:44 ID:???
A隆

それは隆からのメールだった。
『昨日からお前……、俺のこと避けてないか?
放課後ゆっくり話をしたいんだ。
ちゃんと水野との誤解も解いておきたいし、音楽室まで来れるか?』

音楽室……。
もう気にしないって決めていたのに、偶然見てしまった光景を思い出して心臓がはねた。
隆と水野先生の濃厚なキスシーン。
私と付き合う以前の出来事なのに、今でもこんなにも心を乱されてしまう。

もちろん、避けているだけじゃ恋人になった隆をいつまでも信じることは出来ない。
だけど、修二くんが耳打ちした言葉を考えると、少しだけ会うのが怖い。

私は携帯を握り締めながら、メールを隆に送る。
その内容は……
@『用事がある』と誤魔化して断る
A『わかったよ』と承諾する
B『音楽室だけは嫌なの』と牽制する
141名無しって呼んでいいか?:2007/02/13(火) 14:40:57 ID:???
A『わかったよ』と承諾する

(でも、このままで良いはずがない…)
承諾の返送をして、病院を出る。
病院の前に並んでいるタクシーに乗り学校へ向かう。
学校へ着いたときには昼休みが終わるところだった。
教室へ向かう途中で丁度昼休み終了のチャイムが鳴る。
教室へ戻って行く集団と一緒に教室に入る。
「あ、愛菜!今日は休むかと思ってたよ。足は大丈夫?」
すぐに私を見つけて、香織ちゃんが近づいてくる。
「うん、病院に寄ってきたら遅くなっちゃった」
「そっか、こんな時間になるなら休んじゃえば良かったのに。っと、先生来ちゃった、じゃ」
先生が入ってきて香織ちゃんが席に戻っていく。
授業が始まるが、隆とどうやって話そうかということばかり考えていて集中できない。
そんな事ばかり考えていたら、すぐに放課後になってしまった。

音楽室へ行かなくては…

@少し早いけどに行く
A時間ぎりぎりに行く
Bやっぱり行かない
142名無しって呼んでいいか?:2007/02/13(火) 15:40:49 ID:???
@少し早いけどに行く

少し早いけど、音楽室へ行こう。
私は鞄に荷物を入れると、足を引きづりながら音楽室へ向かった。

(つ、疲れた……)
壁を這うようして、ようやく音楽室の前までたどり着くことが出来た。
深呼吸をして、乱れた息を整える。
(まだ少し早いけど、待っていればいいよね)

そう思いながら音楽室の扉に手を掛けた瞬間、二つの人影に気付いた。

隆と水野先生?

ほとんど後ろを向いていて、隆の顔はよく見えないが、笑い声が聞こえる。
呆然と立ち尽くす私に水野先生がきづいた。
扉越しの私と目があうと、何かを隆に言い、ゆっくりと顔を近づけていく。
隆もそれを制するそぶりは見せない。

この光景――
めまいで視界が歪む。
夢がフラッシュバックする。

わたしは思わず……
@逃げ出した
Aその場にへたり込む
B鞄を落としてしまう
143名無しって呼んでいいか?:2007/02/13(火) 15:56:36 ID:???
@逃げ出した

きびすを返し足を引きずりながら音楽室を離れる。
怒りと悲しみと絶望とぐるぐると胸の奥で感情が渦巻く。
(どうして?)
それだけが頭の中でぐるぐると回っている。
頬を涙が伝うがそれをぬぐおうとすら思わなかった。
早くここから離れたい、そう思うのに思うように足が動かない。
数歩あるいて思わずよろける。
転びそうになった私の腕を誰かが掴んで支えてくれる。
あわてて振り替えるとそこには…

1、春樹
2、一郎
3、近藤先生
144名無しって呼んでいいか?:2007/02/13(火) 17:26:14 ID:???
2、一郎

そこには、私を支えてくれいてる一郎くんの姿があった。
「一郎……くん……」
「泣いているのか。可哀想に……」
ポケットからハンカチを取り出すと、一郎君は私に差し出してくれた。

いろんな感情が渦巻いていて、ただ涙がこぼれる。
隆の事を信じていたかったのに、決定的な光景を見てしまった。
どうしてこうなっていまったの? なにもかもわからない……。
信じたくない、認めたくない。
だけど……もしこれが本当の出来事なら、もう隆とは笑い合えない。
付き合い続けることなんて……絶対にできない。

差し出されたハンカチを握り締め、目を覆う。
石を飲み込んでしまったように、喉の奥が鈍く痛み続けている。
嗚咽でうまく息が出来ない。
まぶたが熱く火照って、重い。

「こんな所で盛大に泣いていると……他の生徒に見られてしまう。
ここから近い屋上に行こう」

そう言うと、一郎くんは私を支えながら歩き出す。
私は……
@一郎に支えられるまま屋上に向かった。
A不安を感じて、咄嗟に一郎から体を離した。
Bもう一度確認するために、音楽室へ戻った。
145名無しって呼んでいいか?:2007/02/13(火) 17:48:35 ID:???
Bもう一度確認するために、音楽室へ戻った。

「っ…ごめん、ちょっとだけ…」
しゃっくりあげながら、やんわりと一郎君から離れる。
(今言わないと…、今……)
何を言いたいのか分からなかった。
けれど、言わなければ、という思いがわきあがる。
音楽室へもどり、扉を開ける。
「……!あい、なっ」
隆の驚いたような顔。
「あら、大堂さん」
そして水野先生の妖艶な微笑み。
「何を…ッ…驚いて、るの?隆、私と約束……してたでしょ?」
うまく言葉が出てこない。
「……そう、だな」
隆の声が低くなる。
(言わなければ…)
何が言いたいのか分からないまま言葉が滑り出す

1、「隆、さようなら」
2、「水野先生何をさがしているの?」
3、「隆は何がしたいの?」
146名無しって呼んでいいか?:2007/02/13(火) 19:26:21 ID:???
3、「隆は何がしたいの?」

私は嗚咽をこらえながら、言った。
水野先生といるところを私に見せ付けて、どうしようっていうの?

「それは……」
隆は言いよどんで、うつむいてしまう。
「水野先生と仲良くして、なにやっているのよ!!」
もう嫌だ。何もかも。

「大堂さん。湯野宮くんと私が男女の関係と誤解しているようだけど……それは勘違いよ」
いきなり、口を開いたのは水野先生だった。
水野先生はすべて知っているような口調で話を続けた。
「湯野宮くんと私が口付けしている所を偶然あなたが見かけてしまったと、湯野宮くんから聞いたわ。
でも、それは誤解なの。少しだけ冷静になって、私たちの話を聞いてちょうだい」
こんな状況でも、水野先生は大人の笑みを絶やさない。

「そ、そうなんだ! あれは……かこ……」
隆はそう言って、水野先生を見る。
「湯野宮くんが言いたいのは過呼吸。過呼吸状態になったの私を口を塞いで救ってくれたのよ」

かこきゅう……って、何?
でも、言い訳なんてもう聞きたくない気もする。
私は……

@もう少しだけ、水野先生と隆の話を聞く。
A隆に別れを告げる。
B隆と二人で話がしたいと言う。
147名無しって呼んでいいか?:2007/02/13(火) 19:56:24 ID:???
A隆に別れを告げる。

「そう、でも、もういい!!」
私は叫んでいた。
「隆、私言ったわよね?もし水野先生とまた何かあったら、隆のこと信じられないって!!」
涙がとまらない。
「前のことは許してたのに!なのに、今のはなに!?」
「……そ、れは」
「もう、信じない!隆のことなんて信じないっ。さようなら!」
「愛菜!」
隆が叫んで、私に近づいてくる。
私は隆をにらんだまま、後ろに下がる。
と、何かにぶつかった。
「湯野宮、君はそんなに大堂を傷つけたいのか?」
一郎君だった。ずっと廊下にいたんだろう、怒りを含んだ声で隆に言う。
「俺は……」
隆が何かを言いかけ、それから口をつぐむ。
「大堂、行こう」
私は一郎君に促されるまま音楽室を離れる。
一郎君は屋上に向かっているみたいだった。
涙はとまりそうに無い。けれど妙に頭が冴えている。
(そうだ、水野先生、水野先生が何かを探していることから始まったんだ)
そして、一郎君と修二君に接触した。
一郎君は何をしたくて水野先生を利用したのだろう?

@「一郎君は何がしたいの?」
A「水野先生は何を探しているの?」
B「なんで隆に水野先生をけしかけたの?」
148名無しって呼んでいいか?:2007/02/13(火) 23:41:50 ID:???
@「一郎君は何がしたいの?」

屋上へと続く階段の途中で立ち止まって、私は問いかける。
「……?
大堂が何を言っているのか、よくわからないな」
同じように立ち止まり、不思議そうに聞き返してくる一郎君。

そのまま……短いような、長いような沈黙が訪れる。

数日前の私なら、ありのままの一郎君を信じていただろう。
一郎君は何も知らなくて、ただ隆に怒りを感じながらも私を慰めようとしてくれているだけなんだって。

だから、一郎君にはこの質問は理解できないもので、私のしていることは無意味なんだって。
そう思っただろう。

……でも、今は。
ほんの一部だけだけど……知ってしまったことがある、今は。

私は思っていることを言葉にするために、口を開いた。

@「私が何も知らないって、思ってるの?」
A「私、一郎君がわからない……信じられないよ」
B「私だって無関係じゃないんでしょ?お願いだから話して」
149名無しって呼んでいいか?:2007/02/14(水) 06:34:42 ID:???
A「私、一郎君がわからない……信じられないよ」

涙が止まらない。
私は何を信じれば良いのだろう。
「そう、か、修二か。修二が話してしまったんだな……」
ため息をつきながら一郎君がふとつぶやく。
ふっと一郎君の表情が変わる。
どこか硬く線を引いたような表情が消えた。
「すまない、大堂。君を泣かせることになってしまった」
苦しそうに一郎君が私に手を伸ばす。
とまらない涙をぬぐってくれる。
「守りたかっただけなのにな……」
言葉にかすかな後悔。
「行こう」
涙をぬぐっていた手を離し、そっと手を差し出す。
どこへ?屋上?私は…

1、ついて行く
2、どこへ行くのかたずねる
3、家に帰る
150名無しって呼んでいいか?:2007/02/14(水) 11:45:44 ID:???
1、ついて行く

私は頷いてその手をとった。
一郎君が微笑む。
そうして笑うと修二君とそっくりになった。
同じ顔なのに絶対に見間違うことがなかったのは、やっぱり雰囲気がぜんぜん違うからなんだな、とぼんやりと思う。
「足は大丈夫か?」
「うん…」
一郎君と私の間にさっきまであった見えない壁みたいなものが消えている。
一郎君がそれを消してくれたのだと分かる。
今の一郎君なら信じられる、そんな気がした。
私たちはそのまま屋上への階段を上る。
屋上の扉の前までたどり着いたとき、向こう側から誰かが扉を開けた。
それは…

1.修二くん
2.御門くん
3.春樹
151名無しって呼んでいいか?:2007/02/14(水) 15:40:06 ID:???
3.春樹

「姉さん探したよ。鞄はないのに靴は残ってるしさ…」
私の姿を見てホッとしたように息をついたのもつかの間、春樹はすぐに怖い顔になる。

「お前!姉さんに何をしたんだっ!?」
そういいながら私をかばうように一郎君との間に割ってはいる。
今にも殴りかかりそうな勢いだ。

「春樹?」
春樹の行動の不可解さにあっけにとられたが、すぐに私が泣いているからだと気付く。

「春樹違う!一郎君のせいで泣いてるんじゃないからっ」
「…いや、俺にも原因はある。責められても仕方がない」
「……どういうことだよ。昨日の修二先輩との話にも関係あるのか?」
私の制止と、一郎君の言葉に眉をしかめて春樹が問う。

「修二がどんな話をしたのかは分からないが、おそらく関係あるだろう」
「また、力がどうとかいうのか!?そんな話信じられるとでも?」
「信じる信じないの問題ではない。一部の人間にとっては現実だ」
静かに一郎君が言う。
その静けさに春樹が口をつぐむ。

「大堂、君にもそろそろ分かっているのではないか?」
一郎君が私を見る。
私は…

1「わからない」
2「夢の事?でも…」
3「そんな力はない」
152名無しって呼んでいいか?:2007/02/15(木) 11:28:09 ID:???
3「そんな力はない」

「そんな力、私には……」
一瞬、夢のことかとも思った。
だけど……あれは内容もよく覚えていない、その瞬間になって初めて認識するような―――普通の夢とほとんど変わりがないものだ。

「それは、本当か?本当にそう思って、そう言っているのか」
射抜くような視線。
一郎君は私の”何か”を探るかのようにじっと見つめてくる。

そこには、先ほどまでの柔らかな雰囲気はなくなっていた。
いつもの……硬い壁のようなものを感じる。
(……どうして?)

「わ、私は……」
一郎君への安心感が……この人なら信頼できるという自分の思いが急速に揺らく。薄らいでゆく。
私は一郎君の視線から逃れるように、ただ俯くしかなかった。

「もう、やめてください」
私の声をさえぎるように言葉。
そっと顔を上げる。
春樹が半ば睨み付けるようにして、一郎君をじっと見据えていた。

「力とか、現実とか、関係者とか……仄めかすだけで、ろくに真実を告げようともしない。
姉さんを不安にさせて、あなた達はそんなに楽しいんですか?」
強い、責めるような口調のまま春樹は続ける。
一郎君は、何を言い返すわけでもなくただ冷静にその言葉を受け止めていた。

「確かにあなたたちが何をしようが何を探そうが、おそらく俺には関係ないことなんでしょう。
だけど、何も知らない姉さんを……勝手に巻き込んで、傷つけるのはやめてください」
「春樹……」
春樹は一度だけこちらを振り返って―――わずかに苦笑いのような微笑を浮かべた。
そして再び一郎君へと向かい合う。

「もし、あなたたちの勝手な都合で姉さんに何かしようというのなら……傷つけようというのなら、俺はあなたたちを決して許さない」
最後に、はっきりとそう告げた。

誰も何も言わない。
ただただ沈黙が訪れる。

やがて、沈黙を破ったのは一郎君だった。
「……帰るよ。弟さんがいれば大丈夫だろうからね」
春樹から視線をそらすと、大きく息をついた。
それから階段のほうへと歩いていく。

「すまなかったな、大堂……」
すれ違いざまに、一郎君が私に囁いた。
「一郎くっ」
思わず振り返り、その名前を呼ぶ。
しかし引き止める私の声にも足を止めずに、彼は階段を下りていく。

1.一郎君を追いかける
2.春樹と一緒に帰る
3.今は一人にしておいてほしいと言う
153152:2007/02/15(木) 11:32:00 ID:???
修正ミス orz

×→私の声をさえぎるように言葉。
○→私の声をさえぎるかのような、その言葉。

だいぶ違いすぎます、本当にあ(ry
154名無しって呼んでいいか?:2007/02/15(木) 12:37:06 ID:???
2.春樹と一緒に帰る

一瞬追いかけるように足が動いたが、追いかけてどうするつもりなのかと冷静な自分が問いかけてきてすぐに止まった。
「…春樹、帰ろう」
全身を覆う脱力感。
「うん」
春樹が私を支える。足も相変わらず痛かったが、それ以上に胸が痛い。

階段を下りながら、もしも、のことを考えてしまう。
もしも、私の力のことが予知夢だったとして、きちんと内容を覚えていたらこんなことにはならなかった?

(分からない)

もし夢を覚えていたら、今日のような事態になることを避けるために私は隆に音楽室で会うことをしなかっただろう。
でも、そうすると予知夢は予知夢ではなくなる。
実現しないただの夢だ。
それなら、覚えていないほうがいいのだろうか?
でもそうなると、やはり意味のない力になる。

でも予知夢を見ることがなければ、今日のように夢で見たのに防ぐことが出来なかった、とやりきれない気持ちになることはなかっただろう。
「……こんな力いらなかった」
思わずつぶやく。

「姉さん?」
つぶやきに私を支える春樹の驚いたような顔。
無性に春樹にすべてを話してみたくなる…

@「春樹、たぶん私の力は…」
A「春樹は未来を知りたいと思う?」
B「なんでもないよ」
155名無しって呼んでいいか?:2007/02/15(木) 16:47:42 ID:???
B「なんでもないよ」

私はできるだけ笑顔を作ってそう言った。

(全部話しちゃおうなんて……自分が楽になりたいだけだ)
そんな私の衝動的で勝手な思いを、春樹にぶつけるわけには行かない。

「姉さん……?」
春樹が気遣うようにこちらを見る。
「どうしたの?帰ろう?春樹」
私も春樹を見つめ返し、言った。
……そして、私たちは歩き出す。

(ダメだな……私)
隣にいる春樹をちらりと伺いながら、ふと思う。

今までだって、「お姉ちゃんなんだからしっかりしなきゃ」なんて思いながら頼りにしてばかりだった。
春樹は優しくて……いつだって私の味方でいてくれて。
それが嬉しくて、ズルズル甘えてた。

一瞬とはいえ、私の荷物をさらに春樹に背負わせようとしてしまった。

でも、これ以上はダメだ。
これ以上、春樹を巻き込みたくない。
(私だって、春樹を守らなきゃ……)

家までの道のり、私は密かにそう決意していた。



「ふぅ……」
ベッドの中。
天井を見上げながら、小さくため息をつく。

あれから、春樹とはほとんどいつもどおりだった。
夕食を食べて、テレビを見て、話をして。
本当にいつもどおりだった。

……でも、本当は気づいていた。
いつもどおりになるように振舞っていただけだ。
(そうしなきゃ、何かが壊れちゃう気がしたから……)
私も、おそらく……春樹も。


(それにしても、夢か……)
なんとなく眠れなくて、次から次へといろいろ考える。
ううん……なんだか、眠るのが怖かった。

もし本当に、この夢を見ることが一郎君の言う『力』だとしたら―――
そして、また今夜も悲しい夢を見てしまったら―――

そんな思いが私の中をぐるぐる回って、眠れない。

@気分転換に散歩にでも行こうかな……。
A春樹、まだ起きてるかな……?
B今までのこと、自分なりに整理しておいたほうがいいのかな……。
156名無しって呼んでいいか?:2007/02/15(木) 17:11:03 ID:???
A春樹、まだ起きてるかな……?

ふと春樹のことが気になって、戸を開け春樹の部屋のほうを見てみる。
まだ電気はついている。
(……だめだめ、春樹は巻き込まないって決めたんだから)

また、春樹に頼りたくなってしまう自分を叱咤する。
でも眠れそうにない。
けれどこのまま部屋にいるといつか眠ってしまう。
(眠りたくない…)

私はため息をついて、部屋を出た。
キッチンへ向かい、水を飲む。
一階にはすでに人はいない。静まり返っている。
キッチンを出て、薄暗いリビングへ移動した。
電気はつけず、リビングから庭を眺めた。
「きれい……」
雲のない夜空。半分くらい膨らんだ月が静かにあたりを照らしている。

ふと、その月明かりの下何かが動いた。
(何……)
目を凝らしてみると、そこには人が…
それは…

1.御門くん
2.修二くん
3.隆
157156:2007/02/15(木) 17:12:58 ID:???
6行目の「でも眠れそうにない。」はみすです。
読むときは飛ばしてくださいorz
158名無しって呼んでいいか?:2007/02/15(木) 18:58:03 ID:???
1.御門くん

御門くんがいた。

「……」
もう夜も遅いのに制服姿のまま。
その横顔には何の表情も映さずに、ぼんやりと月を見上げている。

(一人ぼっちで、どうしてそこに立っているの……?)

こんな時間だからなのか、人通りなんて全然ない。
ただ一人、御門くんだけがそこに存在していた。

……私は一瞬、自分が何かの芝居を見ている観客であるかのような錯覚に陥る。

月はスポットライト。
道路は舞台。
役者は御門くん。

(なんだか、不思議な感じ……)

最近の出来事や今の状況から考えれば、人を呼ぶべきなんだと思う。
だけど、この静かで不思議な雰囲気のせいか……私は判断に迷った。

私はどうするべきなんだろう?

この雰囲気を壊してでも、彼に近づいて話を聞くべきか。
見なかったことにして、部屋に戻るべきか。
それとも、念のため誰か人を呼ぶべきか。

私の選択は、

@声をかける
A部屋に戻る
B人を呼ぶ
159名無しって呼んでいいか?:2007/02/15(木) 21:24:18 ID:???
@声をかける

どうしようか一瞬迷う。
部屋に戻ると眠ってしまう。
人を呼ぶといっても、春樹には迷惑をかけたくない。

「こんばんは御門君、何をしているの?」
結果私はリビングの戸を開けて御門君に声をかけている。

「月を見ています」
そんなに話したことがあるわけではないが、珍しくすぐに答えが返って来た。
視線は月から離れない。

「今日の月は綺麗ね」
私も月を見上げる。

「今日の月は泣いています」
月を見上げたまま相変わらず感情の伺えない顔と声。

「……月の気持ちがわかるのは御門君の力なの?」
月を見上げながら不思議なことを言う御門君に、私は視線を御門君に移す。
「いいえ」
御門君はあっさりと否定して、月から私へ顔を向けた。
月明かりの下、すべてが幻のように現実感がない。

(御門君はきっと何かを知っている…)
それは確信。
じっと見つめられる。いつもこうして見つめられる。
答えが返ってくるとは限らない。
むしろはぐらかされる確立のほうが高い。
私は…

@「御門君の力は何?」
A「御門君も私を狙っているの?」
B「どうしていつもそんな目で私を見るの?」
160名無しって呼んでいいか?:2007/02/15(木) 22:10:07 ID:???
B「どうしていつもそんな目で私を見るの?」

「……」
私が問うと、御門君は私を見つめたまま黙り込んだ。
そして、そっと自分の胸元に手を差し入れる。
そこから取り出した金属片。

近くで見て、初めてそれが何であるのかを認識した。
―――それは小さなロケット。
私も御門君も、それをじっと見つめていた。

「確かめているからです」
やがて、ロケットを包み込むようにして握り締めながら御門君は言う。
「何……を?」
「あなたをです」
「私?」
私が自分を指差すと、御門君は頷く。

(私を確かめる?どういうこと?)
言葉の意味がよくわからなくて、首をかしげる。

私の様子を特に気にした風もなく、御門君はさらに言葉を続ける。
「あなたは変わらない人なのですね。
……記憶に刻まれたままの、そのままの人のようです」
(記憶のまま?)
そこで、また疑問が増える。

私と御門君は、昨日以前にどこかであったことがあるのだろうか?
……それにしては、言い回しがおかしい気がする。
自分のことを話しているわけではなく、誰かから聞いたことを話しているような…・・・そんな感じ。

御門君は、まだ立ち去る様子は無い。
私は質問を続けることにした。

1、「御門君は誰かから私のことを聞いていたの?」
2、「御門君は私を確かめてどうするつもりなの?」
3、「御門君がなにかと私の傍にいるのは偶然じゃないよね?」
161名無しって呼んでいいか?:2007/02/15(木) 23:36:32 ID:???
2、「御門君は私を確かめてどうするつもりなの?」

「…………」
御門君は沈黙する。
すいっと私から月へと視線を移す。
しばらく月を眺めてまた私に視線を戻した。

「わかりません」
御門君の言葉はある意味予想通りであり、まったく違ってもいた。
明確な答えが返ってこないことは予想通り。
「わからない」と言われたことが予想外だ。
御門君にはわからないことなど存在しないとなぜか思ってしまう。

しばらく無言で見つめあう。
そうして何を確かめようとしているのだろう。
(何を確かめようとしているの?)
そう口に出そうとしたとき、カタンと小さな音がする。
普段なら、聞き逃すような小さな音。
けれど静かな夜、それは思いのほか大きく聞こえた。

音のした方を見上げると部屋の窓から春樹がこちらを見下ろしていた。
「姉さん?声が聞こえると思ったら…なにしてるんだよ?」

私はあわてて御門君を見る。
(……!居ない………)
さっきまでそこに居た御門君は居なかった。
春樹にはなんて言おう…

@「…………」
A「月を見ていたんだ」
B「さっきまで今朝話した御門君がいたの」
162名無しって呼んでいいか?:2007/02/16(金) 00:43:15 ID:???
A「月を見ていたんだ」

こんな夜更けに人と会っていたなんて言えば、春樹が心配してしまう。
私はとっさに嘘をついた。

春樹は私の言葉につられる様に、夜空を仰ぎ見る。
そして、また私に向き直った。
「姉さん。月を見るのもいいけど、ほどほどにして寝ないと明日が辛いよ」
「うん、わかってる」
「怪我もしているんだし、早く寝なよ」
「うん。おやすみ、春樹」

ようやく納得したのか、春樹の姿が消えると、窓の閉まる音がした。
それにしても……さっきまでいた御門君はどこへ行ったんだろう。
まるで、月明かりの中で幻でもみているようだったな。

春樹が言っていたように、もうそろそろ寝ないと明日が辛そうだ。
私は部屋に戻ってベッドに入る。
眠らなきゃいけない。でも眠れるかなのかな。

私は……
@今日のことを振り返る
A無理をしてでも寝る
Bもう一度外を見る
163名無しって呼んでいいか?:2007/02/16(金) 07:21:22 ID:???
Bもう一度外を見る

私は視線だけを窓の外にやる。
カーテンが開いたままの窓からは空しか見えなかった。

おそらく御門君はもう庭にはいないのだろう。

空を見れば、月がまだ浮かんでいた。
「今日の月は泣いています……か」
御門君が言った言葉を思い出す。
私にはいつもと変わらない綺麗な月に見える。
(どうして御門君はそんなことを思ったんだろう?)

それからいろいろと考えているうちに、だんだんと意識が薄れていく。
不思議と夢に対する恐怖はあまりなくなっていた。

その日、私はまた夢を見る。

1、春樹の夢
2、一郎君の夢
3、御門君の夢
164名無しって呼んでいいか?:2007/02/16(金) 07:50:13 ID:???
3、御門君の夢

御門君の姿があった。
相変わらずの無表情のまま、私をじっと見つめている。

「……あなたが逃げずに、立ち向かうというなら」
言葉とともに、ゆっくりと御門君が私の前に跪く。

「あの人との約束だけではなく、僕自身の意思で……
僕があなたを守ります」
私をまっすぐ見上げて、静かに……だけど力強く宣言する。

(あの人……?あの人って、誰?)
私が疑問に思っている間にも、夢の中の出来事は続いていく。

「愛菜……僕の主」
微かに……本当に微かにだけど、御門君が微笑んだ気がした。

(え?)
私が思わず見入っていると、御門君はそのまま私の手を取る。

「あなたの望みのままに」
そして、私の手の甲に唇を寄せた―――


そこで、目が覚めた。
窓から差し込む陽光が眩しい。
ぼんやりしたままの頭で辺りを見回す。
見慣れた私のベッド。枕。部屋。
「夢……また、夢だ……」
大きくため息をついて呟く。

(あれ……?)
そこで、ふと気がついた。
今日の夢、いつもに比べて…

1.内容が鮮明だった気がする
2.悲しくない夢だった気がする
3.感覚がリアルだった気がする
165名無しって呼んでいいか?:2007/02/16(金) 08:40:25 ID:???
3.感覚がリアルだった気がする

手を取られた。優しく、暖かな手。
ふと自分の右手を見る。
(あれ…?)

右の中指の爪に小さな赤いアザ。
(昨日まではなかったはず…、どこかにぶつけた?)

でも、ぶつけたくらいで爪にアザなんかできるだろうか?
まじまじと見る。三日月型のアザだ。
『守ります』
ふっと、御門くんの姿が脳裏に浮かぶ。
(御門くん……主……夢?)
フラッシュバック。
「夢じゃ、ない……?」
少なくともいつもの予知夢ではない。

「姉さん起きてる?」
そのときノックとともに春樹の声。

「あ、うん。起きてる」
「入るよ」
そう断って、春樹が入ってくる。

「足はどう?」
まだベッドの上に居る私に、春樹が心配そうに尋ねてくる。

「だいぶいいよ」
「そう、良かった……」
一瞬の沈黙。

「……姉さん、今日は休んだら?やっぱり一日安静にしてたほうがいいと思うんだ」
春樹が目を伏せて言う。
その仕草で、春樹が私を心配しているのだとわかる。
(昨日いろいろあったしね……)
心配するなという方が無理なのかもしれない。
私は…

1.学校を休む
2.学校へ行く
3.考える
166名無しって呼んでいいか?:2007/02/18(日) 18:02:02 ID:???
1.学校を休む

最近、いろいろありすぎてとても疲れていた。
何よりも今までの出来事を自分なりに考える時間がほしい。

「うん、今日は学校を休むことにするよ」
「俺もその方がいいと思う。た・だ・し」

春樹は私の目の前に指を突き出す。
「必ず安静にしておくように」

(やっぱり、春樹にすごく心配されてる…)
「信用ないなぁ。この足じゃ、無理なんて出来ないよ。ていうか、春樹は心配し過ぎ」
私は春樹の突き出された指を掴んでひねってみた。
「いてて!痛いな……何するんだよ!?」

@「弟のくせに生意気だからよ」
A「心配してくれて、ありがとう」
B「私は平気だから、大丈夫」
167名無しって呼んでいいか?:2007/02/18(日) 20:10:50 ID:???
A「心配してくれて、ありがとう」

自分でもだいぶひねくれているなと思うけれど、素直にお礼を言うのも気恥ずかしい。
春樹は一瞬驚いた顔になり、それから少し眉をしかめる。
「……そう思ってるなら………」
「?」
言葉を続けない春樹に、首をかしげる。
少しの間の後、春樹はため息をついていつものような優しい笑みを浮かべる。
「今日は絶対に家から出ないこと!いいね?」
「わかってるってば!」
「そう?それじゃ、俺は学校行くから」
春樹はそういって部屋を出て行った。
その後しばらくして、玄関のほうから春樹の「いってきます」と言う声が聞こえた。

それを聞きながら、なんとなく外に目を向ける。
今日はとてもいい天気だ。昨日の夜のように、雲が無い。
考えたいことは色々ある。
今、一番気になるのは…

1、水野先生の探し物のこと
2、一郎くんや修二くんのいう「力」のこと
3、夢と爪のアザのこと
168名無しって呼んでいいか?:2007/02/19(月) 10:36:27 ID:???
1、水野先生の探し物のこと

やはりここ数日の出来事の始まり。
水野先生の探し物が気になる。
修二君はとても見つけにくいものだといった。
ごく一部の人にしかないもので、普通の人には見えない。
それが一郎君と修二君には分かる。
修二君が言うには、私は部外者ではない…。
隆も私の力を狙っている。

そう、隆「も」と修二君はいった。
なら、水野先生がねらっているのは、私の力?
「でも、私に力なんて…」
そこで、どうしても行き詰ってしまう。
もし、予知夢が力だったとしてもそんなものどうして探しているのか?
「ぜんぜん分からない…」
ため息をついて、時計を見る。

いつの間にかお昼近くなっていた。
だいぶ考え込んでいたみたいだ。
そのとき、カツン窓から音がした。
「?」
窓から下を見てみるとそこには…

@一郎君
A修二君
B隆
169名無しって呼んでいいか?:2007/02/19(月) 13:05:44 ID:???
A修二君

修二君がいた。
窓から見ている私に気がつくとひらひらと手を振ってくる。

「どうしたの?学校は!?」
窓を開けて修二君に問いかける。
静かな住宅街に私の声は思いのほか大きく響いた。

「愛菜ちゃん、しーっ……」
修二君はあたりを気まずそうに見回しながら、唇に人差し指を当てて「静かに」とジェスチャーをする。
「あ……」
慌てて両手で口を塞ぐ。
幸い、ご近所さんからは何の反応も返っては来なかった。

「学校は、ね……サボってきた♪愛菜ちゃんがいないからさ」
修二君はいたずらっぽく笑いながら言う。
…・・・その言い分に、私の中からは苦笑いしか出てこなかった。
「な、何それ……」

1.「ダメだよ、ちゃんとまじめに授業受けなきゃ」
2.「私がいなかったから……って私に何か用があったの?」
3.「人目につくから、とりあえず上がって」
170名無しって呼んでいいか?:2007/02/19(月) 13:42:04 ID:???
3.「人目につくから、とりあえず上がって」

修二くんが私に用事があるのは明らかだ。
でも、こんな状況では落ち着いて話も出来ない。

「玄関に回って。カギ開けるから」
「うん、ごめんね〜」
大げさに誤る仕草しながら、修二くんが玄関の方へ行く。
急いで玄関の鍵を開ける。

「ありがとう、愛菜ちゃん」
「ううん、あがって?わたしずっと立ってるのつらいから」
「無理させちゃってごめんね」
修二くんをリビングに通す。
二人分のお茶を用意して戻ってくると、修二くんがソファに座ったまま外を見ていた。

「おまたせ。どうかした?」
「ありがとう。なんでもないよ」
お茶を修二くんの前に置く。と、修二くんの視線が私の手に釘付けになっている。

「あい、な、ちゃん、この爪のアザは…?」
「え?あ…」
言われて唐突に思い出す。

@いつの間にかあったと答える。
A夢での出来事を話す。
B今気づいたと言う。
171名無しって呼んでいいか?:2007/02/19(月) 15:28:20 ID:???
@いつの間にかあったと答える。

「いつの間にかあったの。
……たぶん、昨日までは無かったはずなんだけど」
私は少し手を引っ込め、アザを見つめながら答える。
「…ちょっとよく見せてくれる?」
「え?あ、,う、うん」
その言葉に恐る恐る手を差し出した。
修二君は私の手を取り、そこにあるアザを凝視する。

「これは…もしかして、力の?」
ふと真剣な表情のまま呟いた。
どうやら、修二君には何か心当たりがあるみたいだ。

(何か、重要なものなのかな?)
どうしよう。
答えてくれるかはわからないけど、聞いてみようか?
それとも、先に他の事を聞いてみようか?

「あの…」
思い悩んだ末、私は口を開いた。

@「修二君はこれが何なのかわかるの?」
A「ところで修二君の用事は何なの?」
B「さっき外を見ていたけど、気になるものでもあったの?」
172名無しって呼んでいいか?:2007/02/19(月) 16:16:42 ID:???
@「修二君はこれが何なのかわかるの?」

修二君はアザを見つめたまま、首をかしげる。
「う〜ん、はっきり分からない。俺と兄貴二人そろってれば…もっとちゃんと分かるんだけど」
修二君は私の手を離して言葉を続けた。
「俺と兄貴は、同じ力を持ってるって言うのは前はなしたよね?」
「うん……」
「双子だから相乗効果があるのか、もともと一つの力が二つに分かれたのか分からないけど、二人そろってると力が飛躍的にあがるんだ」
「そう、なんだ?」
力といわれてもピンと来ないが、修二君にとっては身近なものなのだろう。
「そうそう、それで見えすぎちゃってね〜、それはそれでアレだからあんまり近づかないようにしてるんだよ」
そういえば、二人そろっているところは余り見ない。
「と、まあ、俺たちの力の話は置いといて…愛菜ちゃん昨日はアザには気づかなかったんだよね?」
「うん…」
「それじゃあ、昨日の夜いつもと変わったことはなかった?」
いつもと変わったこと…御門君と夢のことがふっと浮かぶ

1、「昨日の夜、御門くんって男の子に会ったよ」
2、「不思議な夢を見たの」
3、「………特に、なにもなかったよ」
173名無しって呼んでいいか?:2007/02/19(月) 19:59:19 ID:???
3、「………特に、なにもなかったよ」

気がつけば、私はそう答えていた。

確かに昨日御門君に出会ったことや、夢のことはいつもとは違うことだったのかもしれない。
だけど、それをおいそれと話してしまっていいのだろうか?

私一人のことなら、あるいはこのことに関わっていると確信が持てる人ならまだよかったかもしれない。
でも、ここで話すべきかも知れないことには多かれ少なかれ御門君が関わっている。
その御門君に関して、私が知っていることはほとんどない。

仮に話したとして―――もしも、御門君がこのことに何の関係も無い人だったら?
もしも、御門君まで巻き込まれることになったら?
そうなったからでは手遅れだ。

(それに……)
目の前にいる修二君を見る。
彼は私が答えたあとから、未だに沈黙し続けていた。
(今はまだ、修二君も信用していいのかわからない)

だから、今はまだ話せない……それが私の考えだった。

場は静かになり―――二人の視線だけが交わされる。
私は修二君の、修二君は私の……”何か”を探るように。

そのときだった。

プルルルルルッ

唐突に電話が鳴る。
その音で、私は急激に現実に引き戻された気がした。

「……電話みたい。ちょっと待っててね」
修二君に一声かけて私は立ち上がる。

できるだけ急いで電話に駆け寄り、その受話器を取る。
「はい、大堂です」
電話の向こうから聞こえてきた声は……

@春樹
A近藤先生
B一郎君
174名無しって呼んでいいか?:2007/02/19(月) 21:57:43 ID:???
A近藤先生

「もしもし、春樹君の担任の近藤ですが……お母さんですか?」
「え?近藤先生?あ、私は春樹の姉の、愛菜です。母は仕事に出ていますが、春樹がなにか…?」
「…ん?愛菜さんは、今日は学校は?」
「あ、私は怪我をしてしまって、今日は大事をとって休みを…」
「そうでしたか、そうそう春樹くんなんですが、体育の時間にボールを頭部にぶつけてしまいまして…」
「え!?大丈夫なんですか!?」
「保健室に運ばれました。軽い脳震盪のようですが、一応大事を取って今日は帰そうと…」
「あ、はい!迎えに行きます!」
「いえ、あなたも怪我をしていると…私が送っていきますので」
「ありがとうございます。すみません…」
「いいえ、担任ですから。そうですね、今から出れば車で10分くらいでつくと思います」
「わかりました。よろしくお願いします」
電話を切ってため息をつく。

(春樹大丈夫かな…)
「愛菜ちゃんどうしたの?」
「あ、修二君。ごめん春樹がちょっと体育の時間にボールぶつかって軽い脳震盪だって…今からもどってくるって」
私はハタと修二君を見る。
このままだと、先生と春樹に鉢合わせしてしまう。
どうしよう…

1、聞きたいことが残っているので、靴を隠して自分の部屋に移動する
2、とりあえず玄関の靴だけ隠す
3、帰ってもらう。
175名無しって呼んでいいか?:2007/02/19(月) 23:07:56 ID:???
3、帰ってもらう。

「修二君。悪いんだけど、もう帰ってもらっていいかな」
学校を休んでいるのに、修二君を家に入れているのはまずい。
先生も来るのだし、春樹だって何て思うか分からない。

「どうして? 俺、今来たばっかりだよ」
「だって……学校を休んでいるのに、二人で会っていることが知られるのは良くないよ」
「何で? 俺と一緒にいるのが嫌なの?」
「嫌って訳じゃないけど。ただ、春樹の担任の先生も来るし、体裁が良くないって言うか……」
その先に続く言葉が続かなくてごにょごにょと、言葉を濁す。
「なるほど……、わかった! 愛菜ちゃんは、家の留守中に男を連れ込んでエロい事をしているって思われたくないんだ」
修二君はやけに納得げだ。

「なっ…」
確かに、そうだけど。
そうだけど、そんな風に露骨に言われると何ていっていいのか分からなくなる。
顔が熱い。
「じゃあ、俺は帰らない。だって、愛菜ちゃんとつきあってるって思われるほうが好都合だしさ」
好都合……って、そういう問題じゃないよ。

どうしよう……修二君が帰ってくれない
このままじゃ、先生と春樹が来てしまう……
@修二君を自分の部屋に隠す
A出て行け、と強引に追い出す
B仕方がないので、そのまま居てもらう
176名無しって呼んでいいか?:2007/02/19(月) 23:23:24 ID:???
B仕方がないので、そのまま居てもらう

「……私は理由があって休んでるけど、サボってるのは修二君なんだからね?」
ため息をついて、修二君をにらむ。

「怒られるのは修二君なんだから…」
「あれ?愛菜ちゃん心配してくれるの?」
にやにやと笑いながら、修二君が顔を覗き込んでくる。

(また、こういう態度ばっかり……)
こういう態度の修二君は苦手だ。

「はいはい、なんていっても都合のいいようにしか解釈しないでしょ?」
「もちろん」
間髪いれずこたえた修二君に、再度ため息をつく。
それから、まもなく玄関のあく音がした。

「春樹?」
玄関へ向かうと、春樹が一人で立っていた。

「先生は?」
「家の前まで送ってくれたけど、帰ったよ。まったく……大丈夫だって言ってるのに…」
「でも、頭でしょ?気をつけないと…。痛いとか、ボーっとするとはない?」
「ないよ……で、なんで修二先輩が家に?」
春樹の視線は、私の背後に注がれている。

@「そういえば、なんできたんだっけ?」
A「話をしにきてくれたのよね?」
B「……何かを確かめにきたんでしょう?」
177名無しって呼んでいいか?:2007/02/20(火) 23:11:33 ID:???
@「そういえば、なんできたんだっけ?」

急に爪のアザの話になったから、なんで修二くんが家に来たのか聞きそびれた。
何か用事があってきたのは間違いないと思うけれど…。
「あれ?言ってなかったっけ?」

修二君はわざとらしく首をかしげる仕草をする。
「聞いてないよ…。聞く前にアザの話になったし…」
「そういえばそうだっけね、まだ言ってなかったかも?」

そういいながら修二君は私の目の前まで歩いてきた。
思わず身構える。
「今日はね、愛菜ちゃん……」
「な、なに?」

修二君に両手を握られる。
あわてて手を引こうとするが、握られた手は思いのほか強く逃げられない。
「姉さんになにするんだ!」

春樹が引き離そうとするが、修二君は気に留めた様子もない。
「愛菜ちゃんにね、俺とお付き合いしてくださいって言いに来たの♪」
「……は?」
「………!?」

思考が停止する。
春樹も唖然と修二君を見ている。
思わず口から出たのは…

1、「ねぼけてるの?」
2、「……で、本当の用件はなに?」
3、「何をたくらんでるの?」
178名無しって呼んでいいか?:2007/02/20(火) 23:30:30 ID:???
2、「……で、本当の用件はなに?」

「つれないよなぁ、告白しているのに」
「じょ、冗談は置いといて……修二君は私のお見舞いに来てくれたのよ」
あわてて春樹に向き直り、私は言った。

「修二先輩は学校をわざわざ休んで、姉さんの見舞いに来ている……そういうことですか?」
春樹は憮然とした態度で修二君を見据えている。

「まぁ、それでもいいけどさ。で、弟君の頭は大丈夫なのか?」
「……頭が大丈夫って言い方が引っかかりますけど……具合はなんともありまんよ」

こんな展開になってしまって、私の頭がぼーっとしてしまいそうだ。
「春樹。打ったところが頭なんだし、病院に行った方がいいよ」
「吐き気もないし、大丈夫だよ」
「弟君、ちゃんと検査を受けてきたほうがいい。愛菜ちゃんは俺がちゃんと看ているから、さ」
「それが心配なんですよ」

春樹、かなり不審がっているよ……
@修二君と話があるといって、自分の部屋へ行く
A春樹を病院へ連れて行く
B三人で話をする
179名無しって呼んでいいか?:2007/02/21(水) 06:39:51 ID:???
A春樹を病院へ連れて行く

「駄目だったら!突然春樹が倒れたら、私どうすればいいのよ…」
春樹が心配なのと、この場から逃げてしまいたい一心で言う。
「私も一緒に行くから、ね?病院行こう。昨日見てもらったばかりだけど、私もまた足を見てもらえばいいしさ」
「……そこまで言うなら」
「え〜。愛菜ちゃんもいっちゃうの?仕方ないなぁ、俺も行くよ」
「ついてこなくて結構です!」
「だめだめ、愛菜ちゃん。君は狙われているんだよ?」
「……水野先生も、隆も学校よ」
まだ午後の授業が残っている。二人ともまだ学校にいるはずだ。
「君を狙ってるのは二人だけじゃないよ?」
「………?」
「ん〜……ま、言っちゃってもいいか。水野の後ろには、なにかの組織がある」
「…組織?」
ふと、公園で水野先生と修二君が言い争ったときのことをおもいだす。
修二君と別れた後、水野先生はどこかへ連絡を取っていたみたいだった。
「…まさか、そんなことあるわけない」
「そうです。姉さんをこれ以上不安にさせるようなこと言わないでください!」
春樹が本気で怒っている。
「嘘じゃない。そろそろ向こうも本気で動くはずだ。だから俺もついていくから」
急にマジメな顔になった修二くんに、私も春樹も言葉を失う。

1、春樹と二人で病院に行く
2、三人で病院に行く
3、病院へ行くのをやめる
180名無しって呼んでいいか?:2007/02/21(水) 11:38:35 ID:???
2、三人で病院に行く

「………仕方、ないわよね」
春樹は病院へ連れて行きたい。けれど「組織」は怖い。
修二君も、どんな組織なのかは分からないみたいだ。
その組織というのが、どういう目的で動いているのかさっぱり分からないところが不気味だ。
けれど修二君なら組織の人間を見分けることが出来るかもしれないのだ。

病院へ行くためにタクシーに3人で乗り込む。
むっつりと不機嫌そうに黙り込む春樹と、しきりに話しかけてくる修二君に挟まれて居心地が悪いことこの上ない。

「ねぇねぇ、愛菜ちゃん俺と付き合おうよ〜」
「……お断りします」
「なんでさ〜。俺ってお買い得よ?ほら、カッコいいし〜、スポーツ万能だし〜、勉強も結構できるし〜」
ずらずらと並べる修二君にため息をつく。
タクシーの運転手が興味深げに聞き耳を立てているのが分かる。

「それに、君を守れるよ?」
最後の言葉だけこっそりと耳元にささやかれる。

「……………」
「いい加減にしてください先輩、姉さん嫌がっているじゃないですか」
春樹が押し殺した声で修二君をにらむが、修二君はこれっぽっちも気にしていない。
そうこうしているうちに、病院へついた。

春樹が検査を受けている間に私の足の診察は終わり、待合室で修二君と待っている。
ふと、視線を感じて顔を上げるとそこには…

1.御門君
2.一郎君
3.知らない男性
181名無しって呼んでいいか?:2007/02/21(水) 19:46:49 ID:???
2.一郎君

(あ……一郎君だ)
私が気付くと同時に修二君も一郎君の存在に気がついたのか「げっ!」と言いながら、別のソファーに移動してしまった。

一郎君は私を見つけると、ゆっくりとした足取りで近づいてくる。

「大堂。ここに修二が来ていないか」
「え……、私は知らないよ」
隠れた修二君の事を思って、私はとっさに嘘をついた。
「そうか。確かに居るはずなんだが」
「一郎君。どうして、修二君がここに居ると思うの?」
「わかるからだ」

一郎君は当然の事のように言った。
そして、ぐるりと周囲を見回して、フッとため息を漏らす。
「修二、そこにいるのは分かっている。出てきたらどうだ」

観念したのか、修二君が移動していたソファーから渋々近づいてくる。
「ちぇ……。せっかく愛菜ちゃんと病院デートしてたのにさ」

「そんな事はどうでもいい。お前、大堂に余計な事を吹き込むな。知らなくていい事だってあるんだ」
「愛菜ちゃんは自分自身の事なのに、何も知らないなんておかしいよ。知る権利があるはずだ」

私の事のようだけど、勝手に話が進んでる……
@二人のやりとりを見守る
A割って入る
B爪のアザついて尋ねる
182名無しって呼んでいいか?:2007/02/21(水) 21:52:19 ID:???
@二人のやりとりを見守る

「それで、大堂に危険がおよんでもか?」
「もう、遅いと思うけど?遅かれ早かれ、水野は愛菜ちゃんにたどり着く」
「そんなことにはならない」
「兄貴が水野を監視しているからか?でも、愛菜ちゃんの家に痕跡があった」
「……なんだって?」
一郎くんの眉がしかめられる。

「まぁ、水野関係とは言い切れないけどね。なにせ、俺一人だったし」
そういって、ちらりと私を見る。

「というか、なんかついてるよね?」
その言葉に、一郎くんも私に視線を向ける。

「………ついているな」
「でも、二人そろってるのにちゃんと見えないなんて、変だなあ。さっきよりはマシだけど」
「だが、これが水野に関係するものだとは決まったわけではない」
「まぁ、ね。でも、違うとも言い切れない。なにぶん見えなさ過ぎる。何か細工があるのか…」
同じ顔にじっと見つめられて、思わず首をすくめる。

「俺は、愛菜ちゃんが望むならちゃんと話したほうがいいと思うよ」
「………」
一郎くんが考え込むように黙り込む。
口を挟むなら今しかない…

1.「ついてる、ってなにが?」
2.「私の家に痕跡って…なに?」
3.「私の力について教えてよ」
183名無しって呼んでいいか?:2007/02/21(水) 23:16:02 ID:???
1.「ついてる、ってなにが?」

「「……」」
私がそう問いかけると、こちらを向いたまま二人して黙り込んでしまった。
(え?何、何なの?)
思わず自分の体を見回したり、触って異常が無いかを確かめる。

「……ぷっ」
私の行動に、突然修二君がふきだした。

(こっちは真面目にやってるのに……)
「……落ち着け、大堂。そんなことをしても意味は無いから」
私が微かにむっとしたのが伝わったのか、呆れたような……というか困惑した感じで一郎君がフォローを入れてくれた。

「そそ。ついてるってのは『普通に見えるもの』じゃないから、安心……んー、安心?
……ま、いっか。安心していいよ」
少し遅れて修二君もそう言ってくれる。
一郎君とは違って、かなり疑問形の頼りないフォローだったけど。

@「一郎君、フォローしてくれてありがとう」
A「修二君ってホントよくわからない人だね……」
B「春樹、遅いな……」
184名無しって呼んでいいか?:2007/02/21(水) 23:40:52 ID:???
A「修二君ってホントよくわからない人だね……」

思わず、ため息が漏れる。
適当かと思えば、そうでもないし。本当に、掴み所がない。

「愛菜ちゃん、もしかして俺に惚れたの?」
「どうしてそうなるのよ!」

相変わらず、二人は私をじっと見続けている。
一体、私の何を見ているんだろう……。

「悪意は見えないが、気になるな」
「 けどさ……ここまで俺達に見えないようにできるなんて、相当すごいヤツだよな」

「待て……この感じ。どこかで……」
じっと考え込んでいた一郎君が、突然、私の手を取った。
「大堂、この爪のアザはいつからある? どういう状況でついたものだ?」

私は……
@素直に教える
A教えない
B御門君の名前を伏せて説明する
185名無しって呼んでいいか?:2007/02/22(木) 06:38:12 ID:???
B御門君の名前を伏せて説明する

私はしばらく考えて話すことに決めた。
このままじゃいつまでたっても前に進めない。
(御門くんのことは、知らない男の子ってことにしておけば問題ないよね…)


「関係あるかわからないけど…」
そう前置きして私は夢での出来事を話した。

「大堂、そいつは君を主と呼んだんだな?」
「う、うん……」
「なんだよー、俺には話してくれなかったのに兄貴なら話すの〜?」
「だ、だって、普通に夢だとおもうじゃない……」
修二君がぷーっとふくれる。

「いいんだいいんだ、俺なんて……」
わざとらしくいじける修二君を無視して、考え込む一郎君。

「おもいだした。時々学校で感じる残滓……あれと同じ感じだ」
一郎君は私をじっと見たままつぶやいた。

「ん?残滓?………あ〜、いわれてみればそうかも」
一郎君の言葉に修二君もじっと私を見つめて頷いた。

結局二人だけわかってる……
1.「残滓ってなに?」
2.「二人だけわかってずるい!」
3.「あれは普通の夢じゃないの?」
186名無しって呼んでいいか?:2007/02/22(木) 09:08:55 ID:???
3.「あれは普通の夢じゃないの?」

「……そうだな。少なくとも普通の夢ではないだろう」
一郎君がゆっくりと頷く。
なんとなく私もそんな予感がしていたから、その返事は予想通りのものだったんだけれど。

「でもさ〜、詳しいことはよくわからないよね〜」
修二君が頭の後ろで手を組んで、一言呟く。

今度は三人で黙ってしまった。

「……これはあくまで俺の憶測に過ぎない、という前提で聞いてくれ」
やがて、そう切り出したのは一郎君だった。
その一言で私と修二君は一郎君に注目する。

「現時点での、俺の考えている可能性は……大堂とそいつが、何かの契約をしているか。
あるいは、大堂の力がその夢に作用しているかだ」
「どうして、そう思うの?」
私が問いかけると、再び一郎君は押し黙る。
……考えを整理しているのかもしれない。

少し間をおいてから、一郎君は難しい顔のままで考えるようにしながら答える。
「契約の可能性は、大堂が”主”と呼ばれていた点。
そいつの”あの人との約束”という言葉にそれが含まれているのかもしれない。
そして、大堂の力の可能性というのは……大堂、感覚がいつもの夢に比べてリアルだと言っていたな?」
私は頷く。
それを確認すると、一郎君は話を続けた。
「それが深く関わっているような気がしてならない。
……まあ、詳細がわからないから断言はできないが」
一郎君はそこで言葉を切った。

その推測を聞いて、私が思ったのは……

1、何かの契約をしている?
2、私の予知夢の力が強くなった?
3、どちらでもない、別の可能性がある?
187名無しって呼んでいいか?:2007/02/22(木) 09:26:32 ID:???
2、私の予知夢の力が強くなった?

私と御門くんが……何かの契約をしている?
(うーん?)
考えてはみたけれどあの夢の出来事以外思い当たる節が無い。
少なくとも私は、だからそこに別の要素が入ってくるとちょっとわからないけれど。

だとすれば、私の力が強くなったって可能性のほうが強くなるわけだけど。
(あの夢、なんだか中途半端だったような気もするし……)
ふと、昨日の夢を思い返してみる。

『……あなたが逃げずに、立ち向かうというなら』
どうしてああなったのかがそもそもわからない。
気がついたら御門くんが目の前にいて、そう話し始めていた。
あそこが完全に夢の始まりだとすると……ちょっと唐突な気がしなくもない。

(それに……どうしてそこまで私のことを……)
私があれこれ考えていると、一郎くんが口を開く。

「なんにせよ、そいつのことを詳しく調べる必要があるな」
その一言で私は思考を現実に引き戻された。
そうだ……こうなる可能性だって当然あったんだ。

どうしよう……調べられれば御門くんを確実に巻き込んでしまう。
けど、その一方で御門くんのことをもっと知りたいという気持ちもあった。

「あ、あのっ!」
私はとっさに口を開いた。

@「今はまだ、調べなくてもいいんじゃないかな?」
A「じゃあ、お願いしてもいいかな?」
B「私が調べてみたら、ダメかな?」
188名無しって呼んでいいか?:2007/02/22(木) 09:51:47 ID:???
B「私が調べてみたら、ダメかな?」

私の言葉に一郎君も修二君も驚いた顔をする。

「だめだ、危険だ」
「だめだよ、愛菜ちゃんに何かあったらどうするの?」
二人がほぼ同時に首を振る。

「で、でも、その男の子の顔は私しか知らないし…それに、私が主なら私を傷つけるようなことはしないと思うの」
二人は視線を交わす。視線だけで会話をしているみたいだった。

「……じゃ、学校でだけ!学校にいるときだけさがす!それならいいでしょ?」
「………なんで学校にいると思うんだ?」
一郎君が当然といえば当然の疑問を投げかける。

「え?だって……一郎君さっき学校で「ざんし」?を見たって言ったじゃない」
以前に学校で会っているとはいえない。
一郎君のさっきの言葉を言い訳にする。

「それって、学校にその男の子がいるかもしれないてことでしょ?」
「それはそうだが…」
難しい顔をして一郎君が黙り込む。

「姉さん、どうしたの?……なんで一郎先輩もいるんですか?」
そのとき、春樹が戻ってきた。
さっきまでいなかった一郎君の出現に、眉根を寄せる。

春樹すごく不振そう…
1、「修二君を探しにきたんだって」
2、「……偶然よ」
3、「春樹、結果どうだった?」
189名無しって呼んでいいか?:2007/02/22(木) 22:37:56 ID:???
3、「春樹、結果どうだった?」

「検査の結果は問題なしだったけど……こっちの方は問題があるみたいだね」
そう言って、春樹は私と双子の間に割り込む。

(このままじゃ、話がややこしくなりそう)
「ぐ、偶然なの。待合室に一郎君がいるからびっくりしたのよ。ね、修二君」
「え? あ……そ、そうなんだ。いきなり兄貴がいるんだもんなぁ、ホントに驚いたよ」
修二君と顔を見合わせて、無理やり笑顔を作った。

「何を言っている。俺は大堂と修二に話があってここまで来たんだ」

一郎君の言葉に、私と修二君は固まってしまう。
(なんで私たちのフォローを無駄にするかな)

「話って……また姉さんを狙う組織って話ですか? それとも得体の知れない力の話ですか?」
「君はまだ俺たちの話を疑っているようだな」
「当たり前です! 信じられるわけがない」

私だって夢のことがなければ、一郎君や修二君の話をまったく信じることが出来なかった。
……だけど、今なら確実に何かが起きているって事は分かる。
春樹に分かってもらうべきなのか、それともこのまま巻き込まないほうがいいのか。

私は……
@自分で話をする
A一郎君と修二君に話をしてもらう
Bごまかす
190名無しって呼んでいいか?:2007/02/22(木) 23:12:00 ID:???
A一郎君と修二君に話をしてもらう

私は春樹にかけるべき言葉が見つからない。

「どうすれば信じるんだ?」
その間に一郎君が春樹に問いかけていた。

「どうすればって……そうだ、あなた達のいう力を見せてください。見せられるものなら、ね」
「わかった。見せればいいんだな。修二」
「はいはい」
「「え?」」
いやみたっぷりに言った春樹の言葉に、あっさりと一郎君が頷く。
春樹も私も驚く。

「幸い二人そろっている。俺達はずっと大堂についていてやることができないから、、弟である君がきちんと大堂を守ってくれるなら、力くらい見せてやる」
「ま、疲れるけどね〜」
「ちょ、ちょっと!春樹を巻き込まないで!」
私は慌てて一郎君の腕をつかむ。

「姉さん……、俺はいつでも姉さんを守りたいと思ってる。姉さんを守らせてよ?」

なんて答えよう…

1.「これは私の問題だから…」
2.「…でも、危険かもしれない」
3.「そこまで言うのなら…」
191名無しって呼んでいいか?:2007/02/23(金) 00:23:33 ID:???
1.「これは私の問題だから…」

私はやんわりと春樹の意思を拒む。
「姉さん……でも」
何かを続けようとする春樹を制して、私は首を横に振った。
(春樹は、巻き込まないって決めたんだから……だから、ごめんね)

そして、今度は一郎君に話しかける。
「……一郎君もよく考えて行動して。
一郎君や修二君は私さえ守れれば何でもいいの?」
自分で思ったより突き放すようなキツい言葉になってしまったかもしれない。
そう思ったけれど……同時に少しでも私の気持ちが伝わってくれればとも思う。
「春樹は私の大事な家族なの。
安易に巻き込んだりして、春樹に何かあったらどうするの?」

言いながら、私は実の母のことを思い出していた。
もしも春樹があんなふうに……突然、私の前からいなくなるような事になってしまったら?
(考えたくもない……そんなの、嫌だよ)

「もう、悲しい思いをするのは嫌なの……」
それ以上言葉を続けられなくて、私は話すのをやめた。

訴えかける私の言葉に、誰も何も言わなかった。
きっとそれぞれに思うところがあるのだろう。

今日何度目かの沈黙。
ただ、重い。

1、「春樹、帰ろう」春樹の腕を引っ張る。
2、「春樹、先に帰ってて」一郎君や修二君と話を続ける
3、「春樹も一郎君たちも、よく考えて」一人でその場を後にする。
192名無しって呼んでいいか?:2007/02/23(金) 02:10:41 ID:???
1、「春樹、帰ろう」春樹の腕を引っ張る。

けれど、春樹は動かなかった。
こぶしを固め、何かに耐えるように立ちつくしている。

「どうしたの、春樹?」
「姉さん……聞いてほしいんだ」
春樹は私の肩を掴んで、まっすぐな瞳を向けてきた。

「家族になる時、俺は……姉さんや父さんを酷く傷つけたんだ。だから……
もう二度と家族を悲しませないって誓ったあの約束は……今も、ずっと変わっていないから」

出会った頃の春樹を思い出す。
そうだ、家族になる時に春樹は約束してくれたんだ。

「姉さん、すっかり忘れていただろ?」
「うん。でも、思い出したよ」
「だから……家族だからこそ姉さんを守らせてよ、ね?」
春樹の真摯な態度に気持ちが揺らぐ。

「本当は、ずっと忘れていて欲しい汚点だったんだけどな……」
そう言って、春樹は苦笑した。

私は……
@それでも春樹を巻き込みたくない
A春樹に協力してもらう
B一郎君と修二君を見る
193名無しって呼んでいいか?:2007/02/23(金) 06:39:14 ID:???
B一郎君と修二君を見る

困ったような私の視線に修二君はにこっと微笑み、一郎君はいつもの冷静な視線を返す。

「愛菜ちゃん、よく考えて?俺達はどちらでもいい。というか、どちらかというと弟くんの協力はうれしいよ」
「君達はいま同じ状況にある。すべて中途半端な情報のみ与えられた状態。その状態にずっとおかれる気持ちは君にもわかっているはずだ。知らなくていいことというのはあるがな」
(春樹も同じ気持ち…)
一郎君の言葉が重くのしかかる。

「あー、俺は知っておいてもらったほうがいいと思うよ」
唐突に修二君がどっちでもいいという言葉を翻す。

「よく考えたら、知っといたほうがいい。組織が動いたら、愛菜ちゃんを利用するために家族に、弟君に危害が及ぶかもしれない」
その言葉に私は青ざめた。

「……その可能性もあるな。知っているのと知らないとでは、何かあったときの対応が変わる」
一郎君も言葉を添える。

「どっちにしろ、愛菜ちゃんの家族というだけで巻き込まれる可能性はあるんだよ」

そんな……
1.春樹に協力してもらう。
2.春樹を巻き込まない。
3.沈黙する
194名無しって呼んでいいか?:2007/02/23(金) 11:11:16 ID:???
1.春樹に協力してもらう。

「分かった……」
私はしぶしぶ頷いた。

「ありがとう、姉さん」
春樹はうれしそうに笑うけれど、私は重い気分のままだ。

「それなら、俺たちの力がどういうものか見せてやるよ」
そういって修二君と一郎君が春樹の後に立つ。
二人で春樹の肩に触れた。

「一度目を閉じろ」
一郎君の声に春樹が目を閉じる。

「よし、あけていいぞ」
修二君の声に春樹が目を開ける。

「わかるか?」
「なんだ、これ…」
「コレが俺たちが見ている世界だよ」
「大堂をみてみろ」
その言葉に春樹が私を見る。
春樹の顔が見る見る驚きに変わる。
私は一体どういう風に見えているのだろう?

「……姉さん?」
「そ、コレが力を持ってる人間だ」
「普通の人とは違うだろう?」
「さて、もういいかな。目を閉じて」
その言葉に春樹が目を閉じる。
その間に双子は春樹から手を放した。

「目を開けてもいいぞ」
一郎君の言葉に、春樹が目を開ける。

「コレで信じてもらえる?」
「………ああ」
春樹が頷く。

@「私はどういう風にみえてるの?」
A「私も見てみたい」
Bなにもいわない
195名無しって呼んでいいか?:2007/02/23(金) 12:04:03 ID:???
Bなにもいわない

「……」
私は何も言わずに、三人の様子をどこか遠くのもののように見ていた。
理解を深めていく春樹とは対照的に、私は置いてきぼりになったような―――そんな気になる。

もちろん、全然そうじゃないのはわかっていた。
(みんな、私のため……なんだろうけど)
でもどこかが納得しない。

あまりにも非現実的なことが、目の前で当たり前の現実のようにに扱われているせいなのだろうか。
(さっきまで、春樹だって同じだったはずなのに…………どうして?)
力を見たゆえに信じ受け入れた春樹と、曖昧な力と確信ゆえに未だ完全に受け入れられない私。
なぜか、私と春樹……そして、私と三人の間に決定的な溝があるような感じがしてならなかった。

「姉さん?どうしたの?」
春樹が心配そうに覗き込んでくる。

私は……
1.話を切り上げて帰る。
2.誤魔化して話を続ける。
3.言い訳を作ってその場から離れる。
196名無しって呼んでいいか?:2007/02/23(金) 12:25:38 ID:???
1.話を切り上げて帰る。

「なんでもない。春樹の診察終わったならかえろう?」
笑みを作って春樹を促す。
なんとなく話をしていたが、ここは病院だ。
まわりの人たちは変におもわなかっただろうか?
双子は目立つ。いい意味でも悪い意味でも。
いまさらながらに、気になり始める。
「俺たちもついていくよ。確かめたいことがあるから」
「確かめたいこと?」
「兄貴もいることだし、何かの痕跡が残ってたっていっただろ?ちゃんとたしかめておきたい」
修二君の言葉に、そういえば二人の会話でそんな話をしていたと思い出す。
「そうだな、悪意があるようなら、対策を練っておく必要がある」
一郎君も修二君の言葉に頷く。

1.断る
2.一緒に帰る
3.明日にしてもらう
197名無しって呼んでいいか?:2007/02/23(金) 19:53:46 ID:???
1.断る

「あの、今日は遠慮してくれないかな……」
私はおそるおそるそう言った。

今日だけでも新たな話をいろいろ聞いてしまって、頭の中がちゃんと整理できていない。
そのせいかなんだか混乱してしまって……正直な話、肉体的にも精神的にも疲れてしまった。
こんな状態で調べてもらって話をしても、きちんとした考えとか話し合いとかができるとは思えない。

(それに、その痕跡は御門くんのものである可能性が高いかもしれないし)
これ以上調べられて、万が一御門くんに辿りつかれたりしたら困る。

「私も学校を休んでいるし、春樹も早退しているから。
その、ね。なんていうか、体裁が悪いって言うか……」
途切れ途切れになりながら言葉を続ける。

「そうか………ごめん、姉さん。
そうだよね。元々は俺が今日一日安静にしていてって言って、だから休んだわけだし」
歯切れの悪い言葉と私の表情から春樹は察してくれたようだった。
「すみません、先輩方。そういうことですので、今日は………」
そこまで春樹が言うと一郎君が頷いた。
「わかった。少しの間なら、痕跡も残っているだろうし今日は遠慮するよ。
だが、後日に必ず頼む。…………行くぞ、修二」
「へいへい。帰りますかーっと。んじゃね、愛菜ちゃん♪」
修二君がひらひらと手をふってくる。
「う、うん。またね」
私もつられて手をふりかえす。

そして、二人はそのまま帰っていった。

「じゃあ、俺たちも帰ろうか?姉さん」
来たときとはうってかわってどこか穏やかな表情で春樹が言う。

私は、
@素直に家に帰る
A寄り道をして帰る
B一人にさせてほしいと言う
198名無しって呼んでいいか?:2007/02/23(金) 20:32:26 ID:???
@素直に家に帰る

春樹に促され、病院を出る。
病院の前のタクシーにのり、家に向かいながらぼんやりと流れる景色をみるともなしにながめていた。
道は少し混雑しているみたいで、景色はゆっくりと流れていく。

だんだんと意識が薄れていく。
車の振動が心地いい。そのまま眠りに落ちていくのをとめられなかった。


気がつくと、学校の前。
(いつの間に……?)
すぐ隣に気配を感じて顔を向けると、御門くんがいた。
御門君は私と目があうと、スッと学校を指差す。
その指につられるように顔を校舎へ向けると、玄関の前に人影があった。
(誰?)
よく見えない。
目を凝らしてみる。

それは…
1、水野先生
2、隆
3、知らない人
199名無しって呼んでいいか?:2007/02/23(金) 20:57:27 ID:???
3.知らない人

知らない人だった。
だいたい20代前半くらいの、男の人。

その人は私と目が合うと子供のようににかっと大きく笑った。
「よっ」
そして片手を軽く挙げながら私に近づいてくる。
私は頭の中を「?」マークでいっぱいにしながら、その人が接近してくるのをただ見ていた。

(?私の知り合いにこんな人……)
「私の知り合いにこんな人いたっけ」
目の前にいる人が私の思考を読み取ったかのように、同じ言葉を発する。
私は思わず目の前の人をじっと凝視した。
「………って思っただろ、今?」
いたずらが成功した子供のような笑顔でその人は言った。
(な、何で……)
「何でわかるのか、今度はそう思った」
続けざまに思考を言い当てられて思わず後ずさりしてしまう。
私の反応を見て、その人はうんうん頷いた後に満足そうに再び笑った。

そして、不意に私に近づいて囁く。
「ま、正解はだな。お前さんがとてもわかりやすいカオをしているからだよ。
…………大堂愛菜さん?」
「っ!」
囁かれた耳を押さえて私はその人から距離をとった。
徐々に頬が熱くなっていくのがわかる。

「……っ!……っ!」
何か言ってやりたいのに、口がパクパクと動くだけで言葉が出てこない。

「あーあー、悪かった悪かった。
……にしても初々しいったらないねー。
ま、怯えなくていいぜ?今日のところは挨拶だけだ」
言いながら、その人はひらひらと両手を振る。
……おそらく彼なりの「何もしない」という表現なのだろう。

「そんじゃ、ま、いっちょ自己紹介と行きますか!
俺の名前は高村周防。
これから嫌でも関わりあいになるだろうから、覚えておいてソンはないと思うぜ?」

1、「ここは私の夢なの?あなたは何者なの?」
2、「あなたは私の敵?それとも味方?」
3、「嫌でも関わりあいになるってどういうこと?」
200名無しって呼んでいいか?:2007/02/24(土) 00:28:21 ID:???
1、「ここは私の夢なの?あなたは何者なの?」

「そうそう、ここは夢の中。お前さんは今タクシーの中で居眠りしてる」
かわいいねぇと高村周防と名乗った男の人はクスっとわらう。

「俺の正体はまだナ・イ・ショ」
そういって人差し指を口元に持っていく仕草が妙に子供っぽい。

「ちょーっと夢にお邪魔させてもらったよ。お前さんの夢はとても居心地がいい。とても優しくて綺麗だ」
「た、高村、さんは…」
疑問をぶつけようとした私の言葉を人差し指を左右に振ってさえぎる。

「ノンノン。す・お・う」
「え?」
「俺のことは周防って呼んで。高村さんだなんて他人行儀な〜」
(他人だとおもうんだけど…)
「あ、いま他人だし、って思ったでしょ…てー、そんな変人見るみたいな顔すんなよ」
思わず眉をしかめた私に、周防さんは頬を膨らませる。

「周防……」
そのとき黙って立っていた御門君が周防さんに声をかける。

「なんだよ、お前愛菜ちゃんの味方なの?って、当たり前か」
この人は感情のこもらない御門くんの一言からも意思を汲み取れるらしい。

「冬馬を怒らせたくないし、さっさと帰るよ。まぁ、もうリミットだし」
そういう周防さんの姿が薄くなっていく。

「お目覚めの時間ですよ、お姫様」
周防さんの言葉と同時に、意識が現実へ向かって浮上するのがわかる。


「姉さん、起きて」
「…あ」
「ついたよ姉さん」
「春樹?」
「寝ぼけてるの?変な夢でも見た?」
タクシーを折りながら、春樹が聞いてくる。

1.「すごく変な人の夢だった」
2.「面白い人が出てきた夢だった」
3.「おぼえてない…」
201名無しって呼んでいいか?:2007/02/24(土) 01:43:47 ID:???
3.「おぼえてない…」

変な人と一緒にいたような気もするけど……。
どんな内容だったかも、何を話したかもまるで覚えていない。

「寝ぼけてないで、家に入るよ」
春樹に手を引かれ、家の中に入る。

(なんだか、まだぼーっとする)
「姉さん、ほらコーヒーでも飲みなよ」
リビングでぼんやり座っている私に、春樹はマグカップを手渡してくれた。

「ありがとう、春樹」
香ばしい液体を口に含むと、ようやく目が覚め始めた。
「こんな風にしていると、本当に普通なのにな……」

じっと私を見つめながら、春樹は呟く。
そうだった。春樹は一郎君と修二君の見ていたものと同じものを見たんだ。

私は……
@春樹の見たものを聞く
A一郎君と修二君の話を振る
B巻き込んでしまった事を謝る
202名無しって呼んでいいか?:2007/02/24(土) 07:11:05 ID:???
A一郎君と修二君の話を振る

「ねえ一郎君と修二くんは、どうして私を守ろうとするんだろう?」
(春樹をまき込んでまで…)
病院で話をしているときから疑問だった。

「二人は味方なのかな?」
これもまだ確定はしていない。
何か組織とは別の思惑があって味方のふりをしているだけではないか?

「わからない。ただ、二人とも今は姉さんを守りたいと思っているのは確かだね」
春樹は少し考えて、言った。
確かに、少なくとも今は味方と考えてもいいのだろう。

「そういえば、姉さん」
「…え?なに?」
「姉さんの力ってなんなの?何か力があるのはわかるけど、見ただけじゃ何の力かは俺にはわからなかったよ」
そういえば、双子も私の力がなんなのかはちゃんとわかっていないみたいだった。

私は…
1.夢のことを話す
2.ごまかす
3.わからない
203名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 00:30:06 ID:???
1.夢のことを話す

協力してくれると言ってくれている以上、春樹には隠しておきたくなかった。
たとえ、予知夢が私の勘違いだったとしても、だ。
巻き込んでしまった春樹に対して、今、唯一私が出来ることでもある。

「私の力は……予知夢かもしれない」

「確信は持てないけどね」と前置きをして、私はたまに予知夢をみることを説明する。
そして、予知夢は現実に起きて初めて気付くものだと補足した。

「……ていう、使えない力を持っているかもしれないんだよね」

ずっと考え込むように身動きひとつしなかった春樹だったけれど、
ようやく話が終わると、手元のぬるいコーヒーを一気に飲み干した。

「姉さんが説明してくれた予知夢……きっと何度かみていると思うんだけど、具体的に起こった事を教えてもらっていいかな。
できれば、俺の分かる範囲の出来事がいいんだけど」

私は…
@隆と水野先生の夢を話す
A手のアザを見せる
B憶えていないと言う
204名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 01:04:30 ID:???
@隆と水野先生の夢を話す

隆と水野先生のことを話そう。
春樹は『自分の分かる範囲』といっているから、アザや御門くんの夢を説明しても理解できないだろうし。
他の予知夢のことはよく覚えていないし。

「………あのね、昨日屋上前で会ったじゃない?放課後に」
「ああ、姉さんが一郎先輩と一緒だったときか?」
春樹が頷いた。
私はそれを見てから話を続ける。
「うん。実はその時のちょっと前にね……」

私は音楽室での出来事を話し始めた。

隆と水野先生が楽しそうに話していたこと。
水野先生が私に気がついて、隆に何かを囁きながら顔を近づけていったこと。
それに対して隆は特に抵抗しようともしなかったこと。

「それでね、そのときに気がついたの。
……私、一昨日にその光景を夢で見ていたんだって」
そこまで話し終えると、春樹は難しそうな顔で考え込んでいた。

@「やっぱり役に立ってないよね?」
A「春樹はどう思う?」
B「どうしてみんな、こんな力に注目してるのかな?」
205名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 07:57:33 ID:???
B「どうしてみんな、こんな力に注目してるのかな?」

もし、これが力だとすると本当に何故、狙われることになるのかわからない。
春樹はしばらく考え込んで口を開いた。

「そうだね、でももし、もしだよ?」
春樹が「もし」を強調して言う。

「姉さんの見ている予知夢、それが最初から姉さんの記憶とか、脳とかに刻み込まれたようなもので、もう一人記憶を読めるような力をもつ人が居たとしたら?」
「それはどういう……?」
「姉さんは力に自覚がなくても、もう一人の力の持ち主には大きな意味があるってこと。もし、の話だけどね」
春樹の言葉を考えて、私は笑った。

「春樹、でもそれじゃあ意味がないよ?私がみる夢は私に関する予知夢だけだもん」
「覚えてないのに、どうしてそう言い切れるの?」
「あ……」
呆れたようにため息をつく春樹。
そうだ、自分のことならその時が来れば思い出すけれど…自分にまったく関係ない夢なら、もし予知夢を見ていても気づかずに終わる可能性だってあるんだ…。

「でも、あくまでもこれは仮定」
春樹は肩をすくめて続ける。

「そして、もう一つの仮定。姉さんの力はまったく別のもので気づいていない可能性があるってこと。
 予知夢はその別の力の派生の場合もある」
「別の力……」
ふと、御門くんのことが脳裏に浮かぶ。

1.御門君について話す。
2.御門くんの名前は伏せて契約についてはなす。
3.それ以外を話す。
206名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 09:34:50 ID:???
3.それ以外を話す。

御門君にことについて話そうかとも思った。
だけど、私ですらよく分からないのに春樹にうまく話せるだろうか?

そう考えた末、私はそれ以外の話をすることにした。
でも誰のことを話そうかな……?

1.水野先生
2.隆
3.一郎君と修二君
4.近藤先生
207名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 11:08:07 ID:???
1.水野先生

「元凶は水野先生よね…水野先生はなにをさがしてるのかな?」
「水野先生のバックに組織があるなら、組織がほしがってるって言うのが正しいだろうけどね」
春樹が律儀に訂正する。

「でも、組織で狙うというのなら、未来をしる力っていうのは案外使えるものだよね」
そういわれればそうかもしれない。
ただし、春樹の言うように私の力だけでは使えない。
結局振り出しに戻るだけだ。

「でも、その組織には力を「見る力」を持つ人は居ないみたいだね。でも、先輩達に接触してるってことは別の力を持ってる人が居るのかも」
「別の力?」
「そう。別の力を持った人が、先輩達のことを水野先生に伝えたと考えないと…普通の人には、力を持った人がわからないんだろう?」
「そうかもしれないけど、私にも力があるみたいだけど、一郎君と修二君が力を持ってるっていうのはわからないよ…?」
「そうなの?少しもわからないの?」
「うん」
「そうなんだ……」
春樹はまた何かを考え出したみたいで、沈黙する。

ふと、時計を見るとそろそろ夕飯の準備をしてもいい時間だ。

1.買い物に行く
2.家にあるもので何か作る。
3.まだ春樹と話す。
208名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 12:44:13 ID:???
2.家にあるもので何か作る。

「そういえば、お腹すいたね。夕食の用意しないと」
冷蔵庫を見ると、買い置きがたくさん残っていた。

「ねえ、春樹。今日は久しぶりに私が夕食を作るよ」

「え……!?」
春樹は驚いたように、後ずさりする。
「どうしたの?」
「お、俺が作るから姉さんは座っていてよ。ほら、足だって怪我しているし」
春樹がすごく取り乱している。
「大丈夫。春樹は座っててよ。さぁ、張り切って作るぞ!」
「でも……、姉さんが作ると……」
春樹は何を遠慮しているのかな?

「いいって、いいって。春樹よりは下手だけど、私だって夕食くらい作れるんだから」
止めようとする春樹を強引に座らせ、私は夕食の支度を始めた。

今日の献立は…
@オムライス
Aカレー
B子豚の丸焼きチョモロ風
209名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 13:03:12 ID:???
Aカレー

少し前に春樹がオムライスを作ってくれたから、カレーなんかいいかも。

「春樹、カレーでいい?」
「あ、うん…、カレーがいい……カレーなら、味は一緒だし……」
「ん?なんかいった?」
「いや、なにも……」
ぶつぶつと何かをつぶやいている春樹に首を傾げつつ、ジャガイモの皮を…

「…っ」
「姉さん?……あー、またやってる」
指をなめている私に、春樹が呆れたようにため息をつく。

「ま、まだ切ってないよ!切りそうになっただけだし!」
「切ってからじゃおそいんだよ。いいから姉さんは、ご飯炊いて」
春樹が強引に台所に入ってくる。

「俺は、これ以上姉さんに怪我をしてほしくないの。わかる?」
そういって私から包丁を取り上げる。

1.おとなしくご飯の用意をする
2.春樹を追い出す
3.サラダを作る
210名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 13:49:24 ID:???
1.おとなしくご飯の用意をする

(なによ。せっかく張り切って作ろうと思ってたのに)

私はぶつぶつ文句を言いながら、お米を洗い始めた。

「……姉さん。なんでお米が泡立っているのさ」
「え? ……洗剤でお米を洗わないといけないでしょ?」
そんな私を見て、春樹はとびきり大きなため息を吐いた。

「もういいから……」
「で、でも」
「いいって。俺がやるからさ」

(結局、追い出されちゃった……)

食事が出来るまで、リビングに待機を命じられてしまった。
私はソファーに腰を降ろす。

すると、部屋の隅に黒い影のようなものを見つけた。
(何、これ?)
煙や霧みたいに実体がないけど……、目の錯覚かな。

私は
@近づく
A春樹を呼ぶ
B気にしない
211名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 14:21:11 ID:???
A春樹を呼ぶ

「は、春樹?」
「なに?姉さん」
私の呼びかけに、春樹の声が返ってくる。
規則正しい包丁の音。
私は目をこすり、もう一度見直す。

(やっぱり、なんか居る?)
「は、春樹!部屋に、なんかいる…?ある?」
居るというのも、あるというのも違う気がする。

「なに言ってるの?」
春樹がリビングに顔をのぞかせる。

「あ、あそこにもやもやしたのが…」
部屋の隅を指差す。さっきよりも大きくなってる気がする。

「……?何も、ないけど……何が見えるの?」
「春樹には見えないの?えっと、煙みたいな…霧みたいな…影……っ!」
言い終わるか直前に、突然影がこっちに向かってきた。

私は…
1「春樹伏せて!」その場に伏せる
2.「春樹逃げて!」リビングを出る。
3.「春樹動かないで!」春樹をかばって前に出る。
212名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 15:30:17 ID:???
1「春樹伏せて!」その場に伏せる

私は春樹の頭を無理やり床に押し付けた。
「痛っ…! な……何するんだよ!」

そうだった。春樹にはこの影が見えていないんだ。
「春樹! とりあえず、ここから出よう」
「どうしたんだよ、姉さん。もやもやしたものって?」

影は天井に張り付くように、今は動いていない。
逃げるチャンスだけど、春樹は何も見えていないんだ。

「さっきから、黒い影みたいなもやもやしたのが部屋に居るのよ。
早く、ここから逃げるのっ」
押さえつけていた春樹を解き、腕を引いた。
「何なんだよ……。一体、何を見ているんだよ」

春樹の手を引き、素足のまま庭に出る。
黒い影は私たちの後を追うようにして、不気味に這い回っている。

「ファントム……か」
突然、私の後ろで声がした。
振り向くとそこには……

1..隆
2.一郎君と修二君
3.御門君
213名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 15:53:47 ID:???
2.一郎君と修二君

「うーん、こっそり見張ってて正解?ってね♪」
双子が立っていた。

「こっそりって…」
「説明は後だ。大堂こっちへ」
一郎君の言葉に、春樹と庭の隅に移動する。

「なんか、向こうもだんだん手段選ばなくなってきたね〜」
軽口をたたきながら、修二君がもやもやとした影の前に立つ。

「でも、こんなの俺の手にかかれば………はい、おしまい」
「な、なに?」
修二君は私たちに背を向けていたため何をしたのかわからなかった。
私にわかったのは、影が急速に小さくなって、玉になったことだけ。
修二君はそれを拾い上げると、振り返ってにこっと笑った。

「ま、力の応用ってね」
軽くウィンクする。

1、「春樹、大丈夫?」
2、「二人とも帰らなかったの?」
3、「さっきのは何?」
214名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 17:28:41 ID:???
3、「さっきのは何?」

修二君の手の中にある、小さな玉を見つめる。

「俺たちはあの影をファントムと呼んでいる」
一郎君は私に向き直り、冷静に答えた。

「ファントム……」
聞いたこともないけれど、なんとなく嫌な響きがある。

「あんなザコ、俺たちの手にかかったら、簡単、簡単♪」
そう言いながら、小さな玉を私に手渡した。
小さな黒い玉が私の手の中でさらさらと砂になっていく。

「ちょっと待ってください! 一体、何が起こっているんですか。そのファントムって……」
春樹は何が起こっているのか、まったく理解できていないようだ。
「幻のようなものだ。だが、憑りついた人間の生気を奪い、力をつける」
「だけど、俺には何も見えなかった……」
悔しそうに、春樹は目を伏せた。

生気……って、生命力みたいなものなのかな?
聞きたい事は沢山あるけど……どうしようか

@一郎君と修二君に家に入ってもらう
A礼だけ言って、帰ってもらう
B春樹を見る
215名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 18:00:10 ID:???
@一郎君と修二君に家に入ってもらう

「こんなところで立ち話もなんだし、家に入ろう?」
私と春樹ははだしのままだ。
誰かに見られたら不審に思われてしまう。

「そうだな」
一郎君が周りを見回す。

「近くに異常はない。もう大丈夫だろう」
リビングに戻り、ソファに4人で座る。

「ファントムは知性を持ってるわけじゃない。簡単な命令を実行するだけだ」
一郎君はさっきの影をそう説明する。

「生気を吸われた人間は弱る。そしてファントムは力をつける。力をつけたファントムは、その人間を操れる」
「つまり、目標物に取り付かせて、ある程度弱らせて、目的の場所につれてくる。とかいう使い方ができるんだな」
「多少時間はかかるが、簡単に誘拐ができる」
「なにぶん、自分の足で歩いていっちゃうからね〜」
「それは、姉さんが誘拐されそうになったということですね?」
春樹が言う。

「う〜ん、そうなのかな?もしかしたら、弟君のほうかも?」
修二君が首をかしげる。
けれど、私はそれよりも気になることがあった。

「……今まであんなの見えなかったのに」
「そういえば、愛菜ちゃんファントムが見えてたみたいだね」
「今まで見えていなかったということは、大堂の力が強くなってきている、ということか?」
一郎君がじっと私を見る。

「いや、違うな……大堂の力に変化はない。ということは…、契約のほうか?」
そういって私の右手を見る。

御門君はやっぱりこのことに関係しているのかな…?
1、御門くんのことを話す。
2、今までのように知らない男の子として話す。
3、別の話を振る
216名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 20:53:23 ID:???
2、今までのように知らない男の子として話す。

私だって知っている事といえば、名前くらいだ。
もう少し、御門君に関する情報を知ってから話した方がいいだろう。

「そういえば……その男の子が夢で『あなたが立ち向かうというなら、僕が守る』って言ってたよ」
「敵を認識する力は同時に敵に立ち向かう力となる……だが、それだけでは不足だな」
「不足どころじゃないよ。今の愛菜ちゃんじゃ、ファントムを倒す力はないし」

一体、この二人には私の力はどういう風に見えているんだろう。
今の私では、力が無いっていう事は分かっているんだ。

「おそらく、契約による遠隔制御だろう」
「やっぱり、兄貴もそう思う?」
修二君は一郎君を見る。
「間違いないだろう。契約を媒体にして見る力を送り続けているということだな。しかし、そこまでの力をどうやって……」

「あの! 俺は……」
今まで、ずっと黙っていた春樹が突然口を開いた。
「俺は、敵を見ることさえできないんですか? このままじゃ、姉さんを守るどころか足を引っ張るだけだ」

一郎君と修二君はどこか突き放した目で春樹を見ている。

私は……
@春樹にも見えるようにならないのか尋ねる
A私自身がファントムを倒す方法を尋ねる
B私がどう見えているのか尋ねる
217名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 21:28:54 ID:???
@春樹にも見えるようにならないのか尋ねる

「それは無理だよ」
修二君があっさりと言う。

「大堂みたいにもともと力がある人間で素質があれば、自分の力を応用して見られるようになる」
「あとは、今愛菜ちゃんがしているみたいに、契約って手もあるけど…これはかなり力のある奴じゃないと無理」
「それほどの力がある人間なんて、そうそういない。俺達にも無理だ」
「まれに、後天的に力が現れるときもあるけど…そんなの本当に稀だからね」
「そう、ですか……」
春樹がうつむく。

「でも、ま、見えなくてもできることはあるよ」
「そうだな。力を持ってる人間は不安定になりやすい」
「俺達は双子だったから平気だったけど。愛菜ちゃんが消えないようにちゃんと見てなよ?」
「どういうことですか?」
「言葉どおり、だよ」
言葉どおり?私が消えるってこと?

「私が消えるの…?」
「あー、消えるというか…まぁ、大丈夫大丈夫。弟くんがいればそんなことにはならないから」
「そうだな、大事な役目だ」
二人は言葉を濁すが、なにか大事なことみたいだ。

1、消えることについて詳しく聞く。
2、ファントムを倒す方法を聞く。
3、力を応用する方法を聞く。
218名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 23:11:18 ID:???
1、消えることについて詳しく聞く。

「それは俺から説明しよう。大切な事だから良く聞いていてほしい」
一郎君は一つ咳をすると、話を続けた。

「この力……俺たち双子や大堂の力は太極に反したエネルギーだ」
「太極ですか?」
「そうだ。太極に反しているために、陰陽の理を失う。結果、物理的に消滅する」

(難しくて、分からない)

「陰陽の理……」
話を理解しているのか、春樹は考え込んでいる。
「俺たちのような能力者は、陰もしくは陽の力が不安定だ。むしろ、偏っているといいだろう」
「その偏りをエネルギーに変えているということですか?」
「そういうことだ」
「ファントムは虚と実の法則を捻じ曲げたものだ」

(どうしよう……、分からないって言える雰囲気じゃないよ)
「兄貴〜、 初心者なんだから、もっと分かりやすく教えてあげなよ」
私を見かねて、修二君が助けてくれる。

「十分、分かりやすく説明しているつもりだが」
「しょうがないなぁ。あのね、昼と夜、表と裏って具合に世の中はうまく調和がとれてるんだけど、俺たちは元々調和がとれてないんだ。
だから、無茶してるとこの世から消えて無くなっちゃうんだよ」

消える……私が?
@春樹がいるとなぜ消えないのかきく
Aなぜ一郎君と修二君は平気なのかきく
Bファントムを倒す方法をきく
219名無しって呼んでいいか?:2007/02/25(日) 23:50:45 ID:???
@春樹がいるとなぜ消えないのかきく

「それはね、男と女だからさ。一般的に男が陽、女が陰といわれている。男だけ女だけの世界なんてバランス悪すぎだろ?」
楽しくもなんともない、と軽口をたたくように修二君が言う。

「男女そろっていることで、ある程度バランスが取れるんだよ」
「そう、なんだ……」
実際のところ良くわからないけれど、なんとなくわかったような気もする。

「それに、奇数よりも、偶数のほうがバランスがいいってのもあるしね」
いろいろと要素がからんでくるんだよ、と修二君が付け足す。

「………なるほど。わかりました姉さんが消えないようにちゃんと見ていることにします」
春樹は理解できたようだ。私はほとんど理解できていないけれど…。

「ですが、姉さんを消えないように見ていることはできても、今日みたいにファントムが襲ってきたらどうすればいいんですか?」
「そ、そうよね…」
「それなんだけどさ、愛菜ちゃん。契約の相手、愛菜ちゃんを守るっていったんだろ?」
「う、うん」
「襲われたときにさ、そいつのこと呼べば、助けてもらえると思うんだよね」
「……え?」
「そうだな、多分そのための見る力だ。何か怪しいものが近づいたら、呼べということなんだろう」
「………」
そうなのだろうか?

「あ!」
唐突に春樹が立ち上がった。

「晩御飯の準備の途中だった。仕上げてくるよ」
「あ、じゃ、私が……」
「いや、いい!姉さんは先輩達の相手をしててよ。先輩達もよければ食べていきませんか?カレーですけど」
「いや、俺達は」
「うん、そろそろ帰るよ」

1、一緒にご飯を食べようと誘う。
2、二人を見送る。
3、もう少し話しを聞きたいという。
220名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 01:43:49 ID:???
2、二人を見送る。

「そっか……わかった。じゃあ、せめて外まで見送るね」
一緒に食事をできないのは残念だけれど、二人には二人の都合がある。
私はせめて外まで見送ることにした。

「…………じゃあ、気をつけてね」
「愛菜ちゃんこそ。もしも今度何かあったら一番に俺を呼んでよね?」
「もう、修二君ったら」
修二君の相変わらずの軽い調子に私は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
「……まあ、修二の言っていることはともかくとして」
一郎君は修二君に呆れつつも、付け加えるように私に言う。
「何かあったら俺たちを頼ってくれてかまわないから」
「一郎君……」
私が呼びかけると、一郎君は微かに笑ってくれた。
「じゃあ、また」
「愛菜ちゃん、またね〜」
そして、二人はそれぞれに別れの挨拶を口にして去っていく。
「今日はありがとう!またね!」
私は軽く手を振りながらその後姿を見送った。


「今日はなんだか疲れたね……」
食事の最中、ふと呟く。
その言葉に春樹は何ともいえない表情のままこちらに顔を向けた。
「今日はいろいろあったしね……病院にも付き合わせちゃったし。
あまり休んだ意味が無かったかもね。ごめん、姉さん」
言いながらちょっとうなだれる春樹。

「……ま、まあ、明日は休日だし今度こそゆっくり過ごしてよ」
「あれ?そうだっけ?」
近くのカレンダーを確認すると、確かに明日は土曜日。
学校は休みの日だった。

1、春樹はどうするのかな?
2、一郎君や修二君はどうするのかな?
3、御門君はどうするのかな?
221名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 02:14:53 ID:???
3、御門君はどうするのかな?

なんとなく御門くんのことが頭をよぎった。
(御門くんの休日って………一体どんな感じなんだろう?)
休日の御門くんを想像しようとする。
…………しかし数秒で撃沈。
(お、思いつかない。
普段ですら謎なのに、休日なんてさらに謎だよ)
結局、食事中は妙に御門くんの休日のことが頭から離れなかった。


「はぁーーーーーー」
ベッドに倒れこみ、大きく息をつく。
「今日もいろいろあったな……」
呟いて目を閉じる。
目に浮かぶのは、今日のさまざまな光景。

学校を休んだこと。
病院でのこと。
そして、ファントムのこと。

(また今日も、わけの分からないことだらけ……)
ため息が出る。

そのとき、不意にファントムの話をしていた時の修二くんの言葉がよみがえった。

『襲われたときにさ、そいつのこと呼べば、助けてもらえると思うんだよね』

つまり、修二くんの言葉をそのまま信じるなら……御門くんは私の呼び声が常に聞こえる状態にあることになる。
(もしもそうだとしたら、すごいよね……いつでもどこにいても聞こえるんだろうから)

そして湧いてくる疑問。
(じゃあもしも、今呼んだら………………く、来るのかな)
そんな好奇心が芽生え、つい試してみたくなる。

でも……今は緊急時ではないし来ない確率は高い。
それに、何より。
(契約してる、とは限らないんだから。
ここで来てくれなかったら、相当マヌケだよ…私)

でも、気になる。
どうしよう?試してみようか?

@試しに呼んでみる
Aためらう
Bバカなこと考えてないでさっさと寝る
222名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 06:40:37 ID:???
Aためらう

試したいけれど、もし来たらどうする?
こんな時間にいきなりチャイムなんてなったらみんな何事かと思う。
(聞きたいことは色々あるけど、今ここにこられたら困るよね…)

それに、もう寝ているかもしれない。
(寝ているところに、呼ばれても迷惑だろうし…)

それに、どこから来るかもわからない。
呼んで来てくれるとしても、ここに到着するまでに時間がかかるかもしれないのだ。
(あ、そうだ…)

守るといってくれたときは夢の中だった。
夢に出てきてほしいと頼んでみればいい。
「御門君。聞きたいことが色々あるの。夢に来てくれないかな?」
(これでよし!)

目を閉じると、程なくして意識が沈んでいくのがわかった。



気がつくと、学校。
目の前に御門君が立っている。
(あ、本当に夢であえた)

呼んだのは自分だけれど、やっぱり本当に居るとびっくりする。
「あ、あのね御門君、聞きたいことが色々あって」
「………」
御門君は相変わらず何も言わない。
静かに私を見ている。

1、ファントムのこと。
2、私が消えること。
3、契約のこと。
223名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 09:12:03 ID:???
3、契約のこと。

「えーと……あの、契約、について聞きたいんだけど」
そういっても御門君はじっと私を見つめたまま何も言わない。
「私の言ってる意味、わかる……よね?」
確認の意味で再び問いかける。

「はい」
御門君は少し間をおいてから、静かに頷いた。

(つ、続けていいのかな……?)
御門君の反応を見ながら、おそるおそる話を続ける。

「その、ここ最近……特に昨日か一昨日あたりから、私の力が強くなってきているみたいなの。
えーと、そもそも……力って、わかる?大丈夫?」
「はい」
再び御門君が頷く。
今のところ話は通じているみたいだ。
(いいえって言われなくてよかった……言われても私じゃちゃんと説明できないし)
私はほっとしながら、再び話し始める。

「知り合いが言うにはね?御門君がもしかしたら関わってるかも……って」
そこまで言ってから慌てて付け加える。
「も、もちろん、御門君のことは言ってないよ?
ただ、可能性としてそういう話が出たの」
私のフォローにも、御門君の表情は動かない。

「ど、どうなのかな?」
私は内心ヒヤヒヤしながら御門君の答えを待った。
これでもしも御門君が普通の人でした……なんてオチで、
今この瞬間が想像の産物に過ぎなかったら―――かなり笑えない。
(だ、大丈夫だよね?話、通じてたみたいだし……)

やがて、御門君がゆっくりと口を開く。
「……確かに、あなたと契約はしています。
とはいえ、仮がつく上にそれすら不完全なものですが」
その言葉を聞いて、ああやっぱり……と納得がいった。
(御門君は私の力に関係していたんだ)

「本来はこのように強制的な手段をとることはマナー違反にもルール違反にあたります。
……できるだけそのような方法は取るなとも言われていました」
御門君は淡々と説明を続ける。
「しかし今回は急を要する事態でしたので、このような措置をさせていただきましたが」
そこで御門君は言葉を切り、私を見つめる。

(質問、していいのかな?)

@「不完全な仮契約?」
A「誰に『そういう方法は取るな』と止められていたの?」
B「ちなみに仮契約?をしたのはいつ?」
224名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 09:56:00 ID:???
@「不完全な仮契約?」

一郎君と修二君に契約しているとは言われていたけれど、それが不完全なものだとは思わなかった。

「えーっと…、どういうこと?」
「……あなたの意思を無視した契約です。僕が一方的に約束したと言えば近いかもしれません」
確かに私には契約をしたという自覚がなかった。

「あなたが僕の『約束』を拒否していないので、仮契約としてなりたっています」
「それって、私が御門君を拒否すると、契約破棄になるってこと?」
「はい」
それって、逆に受け入れれば契約が成り立つって事なのかな?

1.受け入れると契約が成り立つのか聞く。
2.なんで私と契約するのか聞く。
3.ほかの事を聞く
225名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 11:12:21 ID:???
2.なんで私と契約するのか聞く。

「何で、私なの?」
そもそもの疑問を御門君にぶつける。

私の質問に御門君はすぐには答えなかった。
胸元に手を当て、じっと考えるようなそぶりを見せる。
「託されたからです」
やがて、御門君は静かに答えた。
「誰に?」
私の再度の問いに御門君は沈黙する。
胸元に当てた手は、今度は軽く握られて。
御門君は視線をそこまで下げてじっとそれを見つめてから、顔を上げた。
「僕とも、あなたとも縁の深い人です」
私から視線をそらさずに、御門君が答えた。
「え?それってどういう……」
そこまで言ったとき、不意に景色が変わっていくのに気がついた。

「あれ?」
見回せば、だんだん辺りが白み始めている。
「……夢の終わりが訪れたようです。あなたの意識が目覚め始めているのでしょう」
御門君も私と同様に辺りを見回しながら、淡々と答える。
「もう、朝なんだ………まだ、聞きたいことあったんだけど」
薄れていく御門君の姿を見つめながら呟く。
「聞いて、みますか」
「え?」
御門君からの意外な一言に、私は思わず聞き返してしまった。
もし、今のが聞き違いでなければ……御門君は私に話をしてくれると言う事になる。
「ただし、聞いてしまえば本当に引き返せません。
おそらく、まだ今なら打つ手はあるでしょう……いえ、必ず手を打ちます」
そこで一度言葉を止めてじっと私を見つめる。
どこか意思のこもった強いまなざしで、御門君はそう断言した。
「もし、話を聞く決心がついたのなら……病院の近くの公園へ来て下さい。
来れば分かるようにしておきますので、いつでもかまいません」
言い終えてから、御門君は私に向かって恭しく頭を下げる。
「では」
その一言を最後に、私の意識は浮上していった。

「………眩しい」
差し込む太陽の光。
……またカーテンを閉め忘れたらしい。
その眩しさに目を細めながら、私は夢のことを思い出していた。

「決心がついたら、公園……か」
幸いなのかは分からないけど、今日は土曜日。
御門君の話を聞くには絶好のチャンスと言えるかもしれない。
(でも、御門君はいつでもいいって言ってたよね。うーん……)
土曜日の次は日曜日。つまり同じチャンスは明日もある。

それに、御門君の言うとおり戻れないのだとしたら……今すぐ決断してしまうのは早すぎるかもしれない。
(とりあえず、今のところは大丈夫みたいだし……どうしようかな?)

今日は
1.御門君のところに行ってみる
2.とりあえず外に出て散歩でもしながら考えてみる
3.今日こそは家でゆっくりする
226名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 11:34:54 ID:???
2.とりあえず外に出て散歩でもしながら考えてみる

(天気もいいし、散歩にでも行こうかな)
ベッドから立上り、足の具合を確かめる。
最初の頃に比べればかなり良い。
多少痛みはするけれど、足を引きずるほどではなくなっている。
着替えてキッチンへ行くとすでに春樹も起きていた。

「姉さん、おはよう。休みなのに早いね」
「おはよ。お父さんとお母さんは?」
「父さんは仕事の付き合いでゴルフ一泊。母さんも、仕事が残ってるって休日出勤」
「そっか、二人とも忙しいんだね…」
二人とも仕事人間でめったに家にいない。
春樹が焼いてくれたトーストを食べて立ち上がる。

「あれ?姉さんでかけるの?」
「うん、天気もいいし散歩に行こうと思って」
(ゆっくり考えたいこともあるし…)
「じゃ、ちょっとまって俺もついていくよ」
「え?」
「姉さんわすれたの?姉さんは不安定なんだって。消えちゃうかもしれないんだよ?」
「……あ」
すっかり忘れていた。

1.春樹と一緒に行く
2.一人で行く
3.散歩をやめる
227名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 14:16:11 ID:???
2.一人で行く

「だ、大丈夫だよ!いつもそうなるわけじゃないだろうし」
慌てて春樹の申し出を断る。

「春樹には春樹の予定があるだろうし、つき合わせたら悪いもの」
ただでさえ春樹を巻き込んで申し訳ないと思っているのだ。
この上、私の都合で春樹の自由を奪ったりできない。

「別に、俺はそんなこと気にしないのに……」
なんだか少しさびしそうに春樹が言う。

(どうしたんだろう?)
私が不思議に思って見ていると、春樹は小さく頭を振った。
「……なんでもないよ。
まあ、姉さんの邪魔しても悪いしね。くれぐれも十分気をつけて行ってきてよ?
人通りの寂しいところとかは極力避けて、何かあったらすぐに連絡すること。
わかった?」
春樹の口調に思わず笑みがこぼれてしまう。
だって今の言い方……お義母さんにそっくりだったから。
「あはは。なんか春樹、お義母さんみたいだよ?」
私があんまりにも笑うからだろうか?
少し拗ねた表情で言葉を続けようとする春樹。
「……俺だって口うるさく言いたくて言ってるわけじゃないよ。ただ……」
「わかってる」
それを制して、私は言う。
「わかってるよ。私のこと、心配してくれてるんだよね?」
「ん」
今度は大仰に頷く春樹に、また笑ってしまった。

「じゃあ、行ってくるよ。春樹も気をつけてね?」
「ああ……行ってらっしゃい、姉さん」
春樹に見送られて、私は家を出た。

………………さて、どこに行こうかな?
歩きなれた道を目的も無く歩いていく。

「あ」
しばらく歩いていくと、道が三つに分かれる。

右に行けば、いろいろなお店が建ち並ぶ繁華街。
左に行けば、御門君が夢で言っていた公園や病院がある。
直進すれば、学校と……あと、ファミリーレストランとか喫茶店とかの飲食店がいくつかあったはず。

さあ、どの道を行こう?

1.右
2.左
3.直進
228名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 15:35:03 ID:???
3.直進

なんとなく学校へ向けて歩く。
いつも通っている道なのに、休日というだけでまったく違う風に見える。
学校までは行かずに、途中の喫茶店に入ってミルクティーを頼む。
ミルクティーが来るまでの間ぼんやりと、外を眺める。

(御門くんは、今ならまだ打つ手があるって言ってた…)
聞いてしまえば引き返せない。
(でも、知らないままでいいのかな?)
御門くんと私に縁の深い人…一体だれだろう?
(必ず手を…うつ……って、御門くんにとって危険だったりしないのかな?)
とりとめのない思いが行ったり来たりする。

(もし、聞いてしまったら、春樹を完全に巻き込んでしまう)
でも、何も知らないまますべてが終わっているというのも、落ち着かない。

「お待たせしました」
目の前に置かれたミルクティー。
考え事を一時中断して、カップを口に運ぶ。

(おいしいなぁ)
甘さが身にしみる。甘いものをとると落ち着く感じがする。
ホッとため息をついて、もう一度窓の外に視線を向けた。
行きかう人をぼんやりと眺めていると、知っている人の顔。
あれは…

1、水野先生
2、隆
3、周防さん
229名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 18:25:06 ID:???
2、隆

あれは……隆!

最後に見たのは、別れを告げたときだった。
あの時は、私も気が動転していて
230名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 18:50:43 ID:???
>>229はナシでお願いします。

2、隆

あれは……隆!

最後に見たのは、別れを告げたときだった。
あの時は、私も気が動転していてろくに顔を見ることすらできなかった。

公園通りに向かって、隆はゆっくり歩いている。
私はその姿をただ眺めることしか出来なかった。

(今、隆に話しかけても何を話していいかなんて分からないよ)
そんな気持ちのまま、隆の背中を窓越しに見送っていると、ふと、異常に気付く。

(あれ……隆の背中に黒い……影?)

確かに、隆の背中を覆うように黒い影が張り付いている。
隆の中にするりと入ったかと思えば、またずるりと出てくる。
まるで、隆の体を住処にしているような動きだ。

「まさか……ファントム……」

どんどん隆は遠くに行ってしまう。
このままじゃ、見失ってしまいそうだ。

私は……
@急いで追いかける
A一人では何もできないので諦める
B一郎君と修二君に連絡する
231名無しって呼んでいいか?:2007/02/26(月) 19:58:27 ID:???
B一郎君と修二君に連絡する

慌てて携帯電話を取り出し、リダイヤルボタンを押す。
すぐに明るい声がした。

「愛菜ちゃん、おはよ〜。なになに?デートのお誘い?」
「ち、ちがっ!隆、隆に」
「あいつがどうかしたの?」
「隆にファントムがついてるの!」
「……そりゃ、そうだよ。あいつは、ファントムを作る力を持ってるんだから」
「……え?」
思いがけない言葉に、思考がとまる。

(隆の力…?じゃあ、昨日のは、隆が…?)
「一つ、教えてあげる。ファントムに取り付かれてしまったら、ファントムは人の内にはいるんだ。外から見ただけじゃわからない。俺達でもね」
(じゃあ、隆の中に入っているわけじゃないあれは、隆が操ってるファントム…?)
「もちろん、ちょっとした手順を踏めば、取り付かれてるのかそうでないのかはわかるけどね」
電話の修二君の声がやけに遠く感じる。

「愛菜ちゃん、聞いてる?」
「あ、うん」
修二君の呼びかけに慌てて返事をする。

「あいつも愛菜ちゃんを狙ってるっていったろ?」
「うん……」
信じたくないことがどんどんと起こる。

「愛菜ちゃんひとりなの?早く家に帰ったほうがいい。見つかったら大変だよ」
「うん…ありがとう」
電話を切って隆が消えていったほうを見る。

1、隆をおいかける
2、しばらくこの場に残る
3、家に帰る
232名無しって呼んでいいか?:2007/02/27(火) 09:54:21 ID:???
3、家に帰る

ふと春樹のことが気になった。
(そうだ春樹には見えないんだから、もし取り付かれたら…)

その可能性に思い至ってあわてて家に向かう。
春樹を狙ってくる可能性もあるって一郎君たちが言っていたのを忘れていた。
(なるべく二人でいたほうがいいのかもしれない…)

私は春樹にファントムが取り付かないように。
春樹は私が消えてしまわないように。
「ただいま。………春樹?」

いつもならすぐに返事が返ってくるのに返事がない。
あわててリビングへ向かう。
「春樹……?」

リビングをのぞくと、春樹はソファで寝ていた。
(よかった…)

ホッと息をついて春樹の顔を覗き込む。
規則正しい呼吸。
(疲れてるのかな?でもここで寝てたら風邪ひくかも)
「春樹?」

ためしに呼んでみる。
「……ぅ?」

小さく返事をするもののおきる気配がない。
どうしよう?

1、無理やり起こす
2、上掛けを持ってくる
3、いたずらする
233名無しって呼んでいいか?:2007/02/27(火) 18:06:10 ID:???
2、上掛けを持ってくる

私は二階に毛布を取りに上がった。

ここの所身の周りで色々ありすぎて疲れていた。
でもそれは春樹だって同じこと。
世話焼きで口うるさくてしっかり者で。

でも、春樹は私の弟なのに。

私は次から次に起こる不可解な出来事に振り回されてばかりで
自分のことで精一杯だったけれど、春樹はいつだって傍で支えてくれた。

春樹には本当にいつも心配のかけどおしだ。

リビングに戻ると横になっている春樹の肩口まで毛布をかけた。
「……いつも心配かけてばっかりだね。頼りないお姉ちゃんで、ごめんね」
静かに寝息をたてる春樹にそっと声をかける。

(そういえば春樹の寝顔を見るのは久々かも)
思いついて知らず小さく笑みがこぼれた。

「……さ、ん…」
見守るように見つめていた春樹が不意に苦しげな声をあげた。

「春樹?」
「姉、さん……だめ…だ…」
呼びかける声にも目を覚ます様子は無く、苦悶の表情を浮かべてうなされている。

「春樹、どうしたの?」
頬を触れるように軽く叩くと凄い力で手を捕らえられた。
何度か声をかけてみるも手を掴んだまま離そうとしない。

(指先、白っぽくなってきちゃった…)
春樹は眉根を寄せてうなされたままだ。

どうしよう?
1、手が痛いのでむりやり手をはがす
2、心配なので引き続き声をかける
3、空いている方の手で携帯に電話をかける
234名無しって呼んでいいか?:2007/02/27(火) 18:34:26 ID:???
2、心配なので引き続き声をかける

「春樹?大丈夫だよ。私ここにいるから」
うなされる合間に何度も呼ばれる。

「大丈夫、ここにいるよ」
そのたびに何度も大丈夫だと言い聞かせる。
あやすように何度も何度も声をかけていると、表情が柔らかくなっていく。

「大丈夫」
だんだんと落ち着いてきた呼吸に安心する。
さっきよりは力が入っていないが手は離してもらえない。
手を離そうとすると、そのたびに力が強くなる。
仕方なく春樹の横に座る。

することもないので、これからのことを考える。

1.御門くんのこと
2.春樹のこと
3.隆のこと
235名無しって呼んでいいか?:2007/02/27(火) 21:23:30 ID:???
2.春樹のこと

春樹は力が無いことに、とてもショックを受けていたみたいだった。
だけど、守るっていうのは何も危険から身を守ることばかりじゃない。
春樹が居てくれていることが、私の支えになっているのは間違いない。
だから、やっぱり私は春樹に守られているんだ。
それに、春樹が居ると私は消えないって言っていたし。

(ありがとう、春樹)
そっと、春樹の前髪に触れた。

私はリビングにある、家族の集合写真に目をむける。
父と私、そして、義母と春樹が緊張した面持ちで家の前に立っている。
家族になった日の記念に撮影したものだ。

(よく見ると……春樹ってば全然笑ってないよ)

私を生んでくれた母は、私が小さい時に突然いなくなってしまった。
父と私は何年も帰りを待っていたけれど、結局、母が帰ってくることは無かった。

そして、父が再婚することになった。
それが義母と春樹の出会いだ。

はじめて春樹に会ったのは確か……
@3年前
A5年前
B7年前
236名無しって呼んでいいか?:2007/02/27(火) 22:06:08 ID:???
A5年前


私が小学6年生、春樹が小学5年生。
あの頃はまだ、私と春樹の身長は同じくらいだった。
私は中学に上がってすぐに身長が伸びなくなって春樹に追い越されたのだ。

(そういえば、春樹は最初再婚に反対してたんだっけ…)
当時のことを思い出す。

春樹に最初に会って言われたのは、『お前らなんか必要ない!』という言葉だった。
そのときはショックで、私は泣いてしまったのだ。
後から知ったことだけれど、義母は前の夫の暴力が原因で離婚していて、そんな義母を見て育った春樹は父親という存在を疎ましく思っていたらしい。
当時のことを春樹は汚点だというけど、義母を守るための言葉だったって父も私もわかっている。
それに、そんなすれ違いも1週間もすれば消えていた。
春樹の心にどんな変化があったのかわからない。
一週間が過ぎた頃、春樹は約束してくれた。『母さんだけでなく姉さんも、父さんも守れるくらいに強くなる。ずっと守る』恥ずかしそうに、私にそう言った。
すっかり忘れていたけれど、春樹はこうして約束を守ってくれている。

「あれから5年か…」
小さくつぶやく。
そして、連鎖のように本当の母のことが脳裏に浮かぶ。
あれから5年ということは、母が居なくなってから…

1、8年
2.、10年
3、12年
237名無しって呼んでいいか?:2007/02/27(火) 22:59:03 ID:???
2.、10年

もう、10年たつんだ。

実の母がいなくなった日のことは、おぼろげにだけど今でも覚えている。

寂しそうな笑顔。
「愛菜には幸せに生きてほしいから」
ゆっくりと私の頭をなでる手。
囁くような、悲しい別れの言葉。
「だから、ごめんね……愛菜」
私は曖昧な意識の中で、その全てを感じていた。

そして目が覚めたら、母はいなくなっていた。

探した。とにかく探した。
何度も、必死に。その名前を呼んで。
母が辿ったかも分からない道を走って。
涙で前が見えなくなっても、転んでも、とにかく走って。

「もう、やめよう……」
あの日の悲しい気持ちがよみがえった気がして。
……それを追い払うように私は頭を何度も振った。

そのとき、不意に聞こえる声。
「姉……さん?」
見下ろせば春樹が寝ぼけたような表情のままでこちらを見ていた。
「どうか、したの?」
寝起きの声のまま春樹が問いかけてくる。

@「何でもないよ」
A「昔のことを思い出してたの」
B「これからのことを考えたの」
238名無しって呼んでいいか?:2007/02/27(火) 23:40:37 ID:???
A「昔のことを思い出してたの」

「……むかし?」
「うん、春樹に初めて会ったときのこと、春樹にあうずっと前のこと……」
あの人は今どうしているだろうか?
ふと気になった。

「どうしてるのかな……」
無意識につぶやいていた。

「……?……ぁ」
私のつぶやきに不思議そうな顔をしながら起き上がろうとした春樹が、私の手をつかんでいることに気づいて慌てて手を放した。

「ご、ごめん姉さん。毛布まで……」
「こっちこそごめんね。疲れてるんでしょ?」
「いや、平気だよ」
そういって笑う春樹に、わたしも笑顔を返す。

「ねぇ……俺に合う前のことって、姉さんの本当の母さんのこと?」
少しの沈黙の後に春樹が口を開いた。

「うん……」
「思ったんだけどさ、姉さんの母さんって行方不明になったんだよね?」
「……うん」
「もしかして……姉さんの母さんも何か力を持っていて、それが理由で居なくなったとか考えられない?」
「……え?」
思ってもみなかったことだ。
記憶の中の母を思い出す。

母は……
1、どこにでも居るような普通の人だった
2、どこか夢見がちでぼんやりした人だった
3、とても活動的だったけれどよく転ぶひとだった
239名無しって呼んでいいか?:2007/02/28(水) 14:54:55 ID:???
1、どこにでも居るような普通の人だった

「普通の人、だったと……思うよ」
10年も前の記憶。
もう写真を見なければ顔すらはっきり思い出せない。
けれど母に何か特別な力があるようには感じなかった。
普段は優しいけれど、怒るときにはすごく怖い。
どこにでもいるような普通の母親だったと思う。

「そうなんだ?力っていうのは遺伝とは関係ないものなのかな?」
「さぁ?少なくとも、父さんは普通だよね?」
「……そうだね。仕事人間だけどね」
春樹はそのまま何か考えているようだった。

「…あ」
ふと、思い出す。

1、「一郎君たちに聞いてみればいいんじゃない?」
2、「さっき隆がファントムを…」
3、「そういえば、一年生に御門君っていた?」
240名無しって呼んでいいか?:2007/02/28(水) 20:01:04 ID:???
2、「さっき隆がファントムを…」

「どうしたの? 姉さん」
「あのね、さっき街で黒い影をまとった隆を見かけたんだ」
「隆さんが黒い影を?」
「うん。隆にはファントムをつくる力があるらしいの」

幼馴染の隆に、そんな恐ろしい力があったなんて事が未だに信じられない。
少し流されやすいところはあるけれど、ごく普通の高校生だと思っていた。
初めて手をつないだ時は、びっくりしたけど嬉しかったのに……。
だけど、それも私を狙う目的だったかもしれないと思うと胸が痛い。

「隆さんとこれからどうするつもり?」
「どうするって……」
「だって、姉さんと隆さんはまだ付き合ってるんだろう?」

そうだった。春樹には水野先生と隆が一緒いるところを見た話しかしていなかった。
「……私が一方的に言っただけだけど、別れたよ」
「そうか……」
「だけど、隆と一度ちゃんと話をしなくちゃいけないとは思ってるんだ」

気まずいかもしれないけど、どういうつもりで付き合ったのかきちんと隆の口から聞きたい。
もし私を狙っているなら、その目的も。

「俺は……危険だと思う。やめておいた方がいい」

@「危険かもしれないけど、やっぱり話しておきたいよ」
A「そうだね、春樹のいう通りにするよ」
B「やっぱり隆と水野先生は同じ組織なのかな?」
241名無しって呼んでいいか?:2007/02/28(水) 20:38:11 ID:???
B「やっぱり隆と水野先生は同じ組織なのかな?」

「違うんじゃないか?」
「え?どうして?」
「同じ組織の人間なら、一郎先輩が水野先生を隆さんへけしかける理由がないじゃないか」
「あ…そうか」
「別の組織か、もしくは隆さんはどこにも属していないか…」
隆が水野先生の組織とは関係ないと聞いてなんとなくほっとする。

「まあ、推測だよ。でも、姉さん本当に危険なんだから、隆さんには近づかないこと!」
「……どうしても?」
「当たり前だろ!?隆さんと話しがしたいなら、ファントムを退治できるようになってからにしてくれよ?取り付かれたら大変なんだからね」
「あ、そっか、そうだよね…」
見ることはできても、ファントムを退治できないんだから、万が一取り付かれるようなことがあったら大変だ。

(でも、隆はいままで私にファントムを取り付かせようとはしなかったのよね…?)
もしその気になれば、今までだって隆はいつでも私にファントムを取り付けることができたはずだ。
そういうと、春樹は首を振った。

「今までは姉さんと隆さんの関係は良好だったじゃいか。ファントムを取り付ける理由なんてなかったよ」
「……そうかな?」
「そうさ。もし水野先生が隆さんへちょっかいをかけなければ、何もしなくても姉さんは隆さんを信用してたろ?」
「そうだね、たぶん……」
「でも、これからは違う。姉さんは隆さんを不信に思ってる」
「うん……」
「自由にならないなら、自由にできるようにファントムを取り付けることだってするかもしれない」
「………」
春樹の言うことはもっともだ。

じゃあ、どうすればいいんだろう…
1.隆に近づかない
2.一郎君か修二君と一緒に行く
3.それでも一人で話しをしに行く
242名無しって呼んでいいか?:2007/02/28(水) 23:33:17 ID:???
3.それでも一人で話しをしに行く

春樹に言うことは、正しい。
でも、裏切られたけれど、私はまだ隆を嫌いになれないでいた。
悔しくて、悲しいけれど他にも隆とはたくさんの思い出があるからだ。
幼い頃の隆は元気な男の子で、暗くなるまでよく遊んだ。
そんな過去からは、何かを企てていたようには思えない。

「わかったよ、春樹」
「絶対に隆さんには近づかないこと」
「……大丈夫だってば」

(ごめんね春樹。どうしても納得できないんだ)

隆が別の組織、または単独で動いているのは間違いなさそうだ。
だけど、ファントムを取り付けなかったことについて理由がはっきりしない。
操れる力があって、当時の私はそれが見えないのだから、取り付かせたほうが早い。
一郎君が水野先生に近づいていたように、もし何らかの理由があって隆も水野先生に近づいていたとしたら……。
そこに私の力を狙っている理由も隠れている気がする。

隆と水野先生を音楽室で見たときは、とにかくショックでただ逃げ出したかった。
そのせいで、ちゃんと話すらもできなかった。
また逃げ出せば、真相はいつまでも分からないままだ。
ファントムが見える今なら、新たな真相が明らかになるかもしれない。
春樹の言うとおり危険を冒すことにもなるけど……。

私は自室に戻り、携帯を手とって
@隆にメールをする
A隆に電話をかける
Bやっぱり止める
243名無しって呼んでいいか?:2007/03/01(木) 06:33:09 ID:???
A隆に電話をかける

直接に会うのは危険だけれど電話なら…?
隆との付き合いは長い。声だけでも嘘をついているかどうかは大体判別できる。
短縮に入っている隆の番号を押す。

(さっきどこかへ向かっているようだったけれど…でるかな)
1コール 2コール 3コール ……

「愛菜!?」
3コール目で慌てたような隆の声。

「………」
「……愛菜から電話もらえるって思わなかった」
とっさに言葉の出なかった私にかまわず、隆が言葉をつむぐ。

「愛菜ごめん。俺、お前を傷つけてばっかりだな」
謝罪の言葉。今回隆は言い訳する気はないようだ。

「……隆、聞きたいことがあるの」
「………なんだ?」
私の真剣な声に、隆の声も真剣なものに変わる。

1、「隆は水野先生に、何がしたかったの?」
2、「隆はいつからファントムを作れるようになったの?」
3、「隆はどうして私を狙っているの?」
244名無しって呼んでいいか?:2007/03/01(木) 09:35:20 ID:???
2、「隆はいつからファントムを作れるようになったの?」

「ファントム…?」
何のことだか分からない、といった感じの隆の声。ウソはついていない。

(あ、そうか、ファントムって呼び方は一郎君たちの呼び方なんだ…)
「えっと、黒い霧みたいなもやもやした…隆の周りにあるのよ」
「愛菜にも見えるのか…?いつから……」
「私は最近よ。で、隆はいつからあれを作れるの?」
私が見えるのは御門君との契約のおかげだ。けれどそれは言わないでおく。

「……いつから、と聞かれるとはっきりとは分からないとしか答えられないな」
少し考えるような間の後隆が話し出す。

「中学二年くらいからか?俺はミストの…俺はアレをミストって呼んでるんだけど…、ミストの存在を知った。それからそれを作ったり操れることに気づいた」
隆の声にウソはない。

「見え始めてしばらくして、俺が作った以外のミストが愛菜を狙ってるってことに気づいたんだ」
「え?」
思いがけない隆の言葉。

「ミストの性質は分かってる。だから必死だったよ。なるべく近くにいて他のミストを愛菜に近づけないようにするのにさ…」
隆の声にウソは感じられない。
それじゃあ、一郎君たちがウソをついているのだろうか?
けれど一郎君たちにもウソをついている様子はなかった。

それじゃあ一体…?

1.隆が私を狙ってるって言うのは一郎君たちの勘違い?
2.やっぱり隆がウソをついてる?
3.一郎君たちが本当は敵?
245名無しって呼んでいいか?:2007/03/01(木) 19:27:45 ID:???
1.隆が私を狙ってるって言うのは一郎君たちの勘違い?

隆の影と別の第三者が操る影を間違えているとしたらあり得る話だ。

「ねえ、そのミストは誰が操っているのかは判るの?」
「そこまでは判らない。だけど、他の誰でもなく愛菜だけを狙ってくる」
「私だけを?」
「なのに愛菜は見えてないみたいだし、こっちは大変だったんだからな」

(隆がずっと守ってくれていたって事だよね)

「愛菜にもミストが見えるようになったって事はもう影を操ることも出来るんだよな」
「ううん。私は見えるだけで、操れないんだ」
「えっ! じゃあ今まで通り愛菜のお守りは継続しなくちゃいけないって事か。まぁ、見えるようになったのなら少しはマシか」
「影の事、一度でも相談してくれればよかったのに……」
「愛菜にミストの話しても、テレビの観過ぎって笑うだけだろ」
「確かに、信じなかったかも」

そして、電話の向こう側の隆が不意に黙り込む。
隆が次に話し出すまで、私はじっと待った。

「……ヘンな影が見える事、愛菜に黙っていたせいで…誤解させて、悲しませて……その……」
「うん」
「……悪かったっていうか…」
「ううん、私こそ今までごめんね」
「でさ、電話だけじゃなんだし今から会えないか? あのファミレスで待ってるからさ」

私は……
@ファミレスに向かう
A断る
B考える
246名無しって呼んでいいか?:2007/03/01(木) 19:49:34 ID:???
B考える

隆には会いたい。
でも、春樹から離れるわけにも行かない。
春樹だって狙われる可能性があるのには、かわりないんだから。

「………やっぱり、駄目か?」
考え込んでしまって、返事をしない私に隆の暗い声が聞こえてくる。

「あ、そうじゃなくて…春樹が……」
「春樹?」
隆にはどうしてそこで春樹の名前が出てくるのか不思議らしい。
私は隆に水野先生が私を狙っていること、水野先生のバックには何かの組織があること、そしてだんだん手段を選ばなくなってきていることをかいつまんで説明した。

「私と同じく春樹も危険なの……私には見えるけど春樹には見えないし」
「そうか……」
隆も納得したらしい。

「それじゃあ、俺がそっちに行くよ。それならいいか?」
それならいいかも…でも、ちょっと不安が残る。

1「いいよ。まってる」
2「一郎君と修二君も呼んでもいい?」
3「春樹に聞いてみる」
247名無しって呼んでいいか?:2007/03/01(木) 22:35:33 ID:???
1「いいよ。まってる」

(春樹には後で説明すればいいよね)
「そうか……じゃあ、すぐに愛菜ん家に行くから」
「うん、待ってるよ」

私は携帯を置くとため息をつく。
隆の一件は私の勘違いだったようだ。
裏切られたと泣いたりして、一人空回りしてしまっていたことが今更恥ずかしい。

(そうだ。春樹に隆のことを言わないといけない)
階段を降り、リビングに向かう。
「春樹、今から隆が来るから……って、あれ?」
リビングは静まりかえって、人の気配はしない。
「春樹の部屋かな?」
急いで二階に上がり、春樹の部屋をノックする。
「春樹、いる?」
返事はない、どうやら部屋にも居ないようだ。
「どうしたんだろ……買い物かな? まさか……」

ピンポーン

(どうしよう、もう隆が家に来ちゃったよ)

私は……
1.春樹の携帯に連絡を取る
2.とりあえず玄関に行く
3冷静になって考える
248名無しって呼んでいいか?:2007/03/01(木) 23:25:52 ID:???
2.とりあえず玄関に行く

玄関を開ける。
「……よぅ」

案の定そこには隆の姿。
「隆…ごめん、ちょっと中に入ってて、私電話を…」
「電話?」
「春樹が居ないのっ、携帯に電話してみる」

春樹が私に何も言わずに出かけるなんておかしい。
「落ち着け。春樹を探してるんだな?」

隆の言葉に頷く。
「まさか、ファントム…ミストに取り付かれてどっかいったんじゃ…」
「3日前に春樹に会ったときには大丈夫だった。ミストが取り付いた人間を動かせるようになるまで少し時間がいる。早くても1週間だ」
「隆は、取り付いてる人間と取り付いてない人間がわかるの?」
「わかる。ミスト同士は共鳴するようなものがあるからな」

修二君はとりつかれた人間は見ただけじゃわからないといった。
だが、ミストを作り出せる隆の方法だとわかるのだろう。
「じゃ、いったいどこに……」

そのとき庭のほうで音がした。
慌てて向かうと、春樹の姿。手には古びたアルバムを持っている。
庭に居たということは、物置から探し出してきたものだろう。
「春樹!よかった……」
「姉さん?どうしたのそんなに慌て……っ、姉さんこっちに!」

春樹は私の姿に首を傾げたが、後ろから隆が姿を見せると、私の腕をつかんで後ろにかばった。
「は、るき!隆は大丈夫!私たちの誤解だったのっ!」
「……どういうことさ?」
「それは俺から説明するよ。中に入ろう」

春樹は隆をじっとにらみ、私をかばったまま頷いた。
「わかりました。ですが、一郎先輩と修二先輩も呼びます」

春樹警戒しすぎだよ…
@「わかった、二人を呼ぶね」
A「呼ばなくても大丈夫だから」
B「その前に、そのアルバムはどうしたの?」
249名無しって呼んでいいか?:2007/03/02(金) 00:30:25 ID:???
B「その前に、そのアルバムはどうしたの?」

私は春樹が持っているアルバムを指差した。
「……さっき姉さんと昔話をしていたら懐かしくなったんだ」
春樹は相変わらず、隆を見据えたままだ。
「はぁ、春樹が無事で良かった」
春樹が居た事に、私はほっと胸をなでおろした。
「……共鳴はしていないようだし、大丈夫みたいだな」

そのとき、アルバムの中から一枚の写真が地面に落ちた。
「これ……」
「俺が中学二年の夏休みに交通事故で怪我した時の写真だな」
そう言いながら隆は、ひょいと写真をとった。
病室で隆と私が並んで写っている。
「俺、この怪我以降から少しずつミストが見えるようになったのかもしれない……」
隆は写真をじっと見つめて、考え込んでいる。

「ミスト?」
「黒い影……ファントムを隆はミストって言っているの。詳しい事は中に入って話そう」
「……わかったよ」

私たちは揃ってリビングにあるソファーに腰を下ろす。
「単刀直入に聞きますけど、隆さんは敵なんですか、味方なんですか?」

私は……
@二人の様子を黙ってみている
A味方だと答える
Bわからないと言う
250名無しって呼んでいいか?:2007/03/02(金) 06:51:17 ID:???
@二人の様子を黙ってみている

「味方に決まっている。俺はずっと愛菜を守ってきたんだ」
隆は憮然とした顔で言った。

「守る?」
訝しげに眉を寄せた春樹に、隆は私にしたのと同じ話しをする。
春樹はそれをじっと聞いていた。

「では姉さんが怪我をした日、保健室へ来るのが遅かったのは何故なんですか?」
「あの時は、宗像兄のほうを監視してたんだよ…」
「え?一郎君?」
「そう。お前が、水野先生とあいつの話をしただろう?それで気になって…。宗像兄に怪しい動きはなかったけどな」
「そうだったんだ…」
「特に怪しい動きもなかったし帰ろうとおもったら、お前が怪我をしたって聞いて慌てて保健室に行ったんだ」
そういえば、隆にそんな話しをした。まさかそれを調べているなんて思いもしなかったけれど…。

   ぴんぽ〜ん

「あれ?誰か来た…見てくるね」
私は立ち上がり玄関へ行く。
玄関ののぞき穴からみるとそこには…

1、一郎君と修二君
2、宅配のお兄さん
3、隣の家の人
251名無しって呼んでいいか?:2007/03/02(金) 19:00:36 ID:???
3、隣の家の人

「回覧板です」
私は隣の家の人から回覧板を受け取る。
「ありがとうございました」

(なんだ……ただの回覧板か)
玄関の扉を閉めると、私は二人の居るリビングに戻る。

「じゃあ、隆さんは中学二年の頃から影が見えたって事ですか?」
「そうなんだ。見えないヤツに言っても仕方がないし、ずっと黙っていた」
「……そうですか」
隆と春樹は先に話を始めていた。
隆が一通り説明しても、春樹はまだ疑っているみたいだ。

「じゃあ、水野先生と音楽室に居た事についてはどう説明してくれますか?」
「それは、いつ会っていた時の話なんだ?」
「姉さんがその……隆さんに別れるって言った時ですけど」
「春樹にまで知られちゃってんのかぁ〜。かっこ悪い……」

「ごめん、私が言ったの」
私は肩をすくめて言った。

「実のところ、その時の記憶が無いんだ。気がついたら、愛菜が泣きながら去るところだった。やっぱり……俺が泣かせたんだよな」
「記憶にないって!? 開き直るつもりかよ!」
春樹は隆の胸ぐらに掴みかかる。
「酷いよ。言い訳してくれる方がまだマシじゃない」

「今なら、二人とも信じてくれるから言うんだけど。実は俺、ミストを操るようになってからたまに記憶が無くなるんだ」

何よ……。せっかく隆を信じようって思っていたのに
@隆に帰ってもらう
A詳しく尋ねる
B様子をみる
252名無しって呼んでいいか?:2007/03/02(金) 19:31:27 ID:???
A詳しく尋ねる

「…どういうこと?」
私の胸の中にもやもやと不安が広がる。

「なんていえばいいかな…唐突に意識が鮮明になったとおもったら、急に意識だけ別のところへ飛ばされるような感じになる」
そのときの様子を思い出すように、視線をさまよわせながら隆が言う。

「その間、体のほうで起こってることは記憶にないんだ。意識と体が別になってるかんじがする」
うまく説明できないようで、もどかしげに隆がため息をつく。
けれど私と春樹には思い当たることがあった。

「春樹、もしかして……」
「物理的な消滅……」
「何だそれ?」
一郎君と修二君が教えてくれた、消えてしまう、という現状が起こるところだったのではないか…?
私は慌てて隆に、昨日一郎君たちから聞いた話しをする。うまく説明できなくて時々春樹が補足してくれる。

「だから、隆、あんまり無茶しないで!」
「………そうなのか」
隆は少なからずショックを受けたようだった。

これ以上隆に負担をかけるわけにはいかない…
1「私のことはもう守らなくてもいい」
2「私がそばに居ればいい」
3なにも言わない
253名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 01:34:20 ID:???
1「私のことはもう守らなくてもいい」

私は隆の手を取る。
「もう、十分だから」
「愛菜……」
「影を操る力は絶対に使わないって約束して」
私が掴んだ手を隆はそっと離す。
「なぜ手を離すの! 消えちゃうかもしれないんだよ」

「…………」
隆は何も言ってくれない。

「あのさ……姉さん、隆さん」
考え込んでいた春樹が突然話しかけてきた。

「隆さんが記憶を失っていた時……、隆さんは普通に会話していたんだよね?」
「うん。水野先生に促されるように言い逃れをしていたけど……」
「隆さん。意識が体に戻ったのが、姉さんが去る時ですよね?」
「ああ。宗像兄に連れられて愛菜が音楽室から出て行くところだった」
「意識がない隆さんが会話が出来るのはおかしいんだ」

春樹は一呼吸置くと、続けて話し出す。
「あくまで俺の憶測だけど……消滅の影響で不安定になった隆さんを何者かが乗っ取ったんじゃないのかな」

私は……
@自分なりに考える
A隆を見る
B春樹を見る
254名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 08:36:20 ID:???
@自分なりに考える

ちょっと待って。
キスの時の記憶がなかったって言ったわね。
それじゃあ一回目、私が初めて見たときはどうなるんだろう。
隆、一回目のこと知ってた。
後から記憶がフラッシュバックするのかしら。
今のことは忘れているみたいだし……。
一回目のことは水に流すとか言ってるから
安易に口に出せないのよね。

なんか色々ありすぎて頭いたい。

1・いっそ隆にそのことについて聞いてみる
2・春樹に相談してみる
3・御門君なら答えをくれそうな気がする。
255名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 09:30:52 ID:???
1・いっそ隆にそのことについて聞いてみる

「…ねぇ隆、一回目は?初めのときは記憶があったのよね?」
「ああ」
隆はバツが悪そうに頷く。

「力のこと隠さなくて良いから言えるけど、ミストを強化しようとしてたんだ」
「?」
疑問の表情を浮かべる私と春樹に、隆が説明をする。

「ミストは人に取り付いて人の生気をすって強くなるってのは知ってるよな?」
頷く私と春樹を確認して続ける。

「でも、それだと複雑な命令は出来ないんだ。作った主である俺から離れるから」
ちょっと間を空けてこちらを見る。

「ミストは作った本体、俺のことだけど、俺といるとかなり複雑な命令も受け付ける。俺の意思をそのまま実行するから」
ここまではいいか?と隆が確認する。私と春樹が頷く。

「でも、ミスト自体は本体である俺から生気を奪うことはない。強くするには他の奴の生気が必要なんだ」
「じゃぁ、あのとき水野先生の生気を…?」
「まあ、そうだな……別にキスする必要はなかったんだが、やけに先生が積極的で…」
言いにくそうに隆が目をそらす。
それは当然だろう。水野先生は一郎君に頼まれていたんだから…。

「あ、もちろん生気をもらうって言っても命に別条がない程度で…」
無言の私にあわてたように、隆が付け加える。

私は…

@「それでキスしちゃったんだ、サイテー」
A「仕方ないよね…水野先生にも目的があったんだし」
B無言で隆を見つめる。
256名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 10:04:19 ID:???
@「それでキスしちゃったんだ、サイテー」

ボソッと呟く。
事情があったとはいえ、今までの真剣な隆がなんだか一気に台無しになってしまった気がする。
……ついでに言うと私の感謝の気持ちとか無駄に悩んだ時間とかも。
(流されやすいにもほどがあるよ、隆……)
私は白けた気持ちのまま、隆を見る。

「まあ……確かにキスしなくてはならないと言うならともかく、
別にそうじゃないのにキスしてしまうって言うのは……ちょっと」
春樹も呆れたように隆を見ている。

「いや、その、それは」
言い訳するつもりだったのか、隆は口を開いたけど……うまく言葉にはならなかったみたい。
「…………ごめん…………」
やがて、私に向かって大きく頭を下げた。

1、「私に謝られても困るよ」
2、「謝ってすむ問題じゃないよ」
3、「隆は誰でもいいわけ?」
257名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 10:25:10 ID:???
1、「私に謝られても困るよ」

私の言葉に、隆が情けない顔をする。
私はため息をついてふと手に持ったままの回覧板に目をおとした。

(あれ?)
いつもの町内会誌の隙間から何かがのぞいている。

(封筒?)
それを引き抜く。
『大堂 愛菜 さま』
表には私の名前が印刷されている。

「…な、に?」
「どうしたの姉さん?」
「どうした?」
春樹と隆が私の持つ封筒に移る。
なんで回覧板に手紙なんて挟まっているのか?

ひっくり返してみると、差出人の名前。
それは…

@水野先生
A周防さん
B隆
258名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 11:58:33 ID:???
B隆

隆の名前だった。
宛名と同じく…手書きではない、印刷されたもの。

何の手紙なんだろう?
普通に考えるなら、最近の事……それについての謝罪の手紙?
でも、それにしてはなんというか……固い感じがするし、
なにより回覧板に挿む意味が分からない。

回覧板に入れてしまえば、近所の目に付くのは当然のこと。
どこでどうなってしまうかもわからない。それが分からない隆じゃないはず。
近所の人たちがそうするとは思えないけど……。

家にはポストだってある。
お互いのメールアドレスだって知っている。
……私に伝えるなら、他にもいろいろな方法や手段はあるはず。
(まあ、他の方法で伝わったかはちょっと分からないけどね)

何せ、大きく誤解していたわけだし。
……一部誤解でないところもあったけど。

それとも、特に重要なことではないのだろうか?
もしくは個人的なことではない……それこそご近所に関わるようなこととか?

あるいは、意識が無いときの隆が関係している?

「姉さん?誰からの手紙だったの?」
春樹の問い。
隆もじっと私の答えを待っているようだ。

私は……

@隆に覚えがあるか聞いてみる
A中を確認してみる
B手紙がいつからあったのか近所に確認する
259名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 12:38:08 ID:???
@隆に覚えがあるか聞いてみる

「この封筒、差出人が隆になっているよ?」

隆は私の持っている封筒を掴む。
「俺、こんなの書いた記憶が無いんだけどな……」

私は息を呑んで封筒から手紙を取り出す。

『はじめまして。僕は隆の中に潜む武といいます。
さきほど隆と愛菜さんが影についての話をしていたので、僕の存在も信じてもらえるかもしれないと思い筆を執りました』

冒頭から、妙に意味深だ。
私は手紙を声に出して読み進める。

『僕は隆の細胞を培養して作られたクローンでした。
組織は能力者の力を集めています。
ですから、施設では今でも僕のような多くの能力者の複製を作り続けているのです。
三年前、交通事故で隆が意識不明の重態になった際、損傷部分はコピーである僕の体が使われました。
それ以降、僕の意識は隆の中で目覚め、分割されていた能力は一つになりました。
影を操る力の覚醒は僕を取り込んだことによる副作用によるものです。

隆の意識がまれに剥離した場合、僕が出てきます。今のところ、僕の存在に組織は気付いていないようです。
ですが、僕は組織の人間に従うようにマインドコントロールを施されています。
僕の存在に組織が気付けば、いつどこで、あなたを傷付けてしまうかわからないのです』

『愛菜さん、あなたはすでに組織に狙われています。組織はその特殊な力の覚醒を待っています。
組織の狙いはあなたの』

あれ……中途半端のところで終わってる……。
隆の中に武君って別人格がいるっていうこと?私の特殊な力の覚醒?

私は
@隆に意見を聞く
A春樹に意見を聞く
B自分で考える
260名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 13:52:09 ID:???
@隆に意見を聞く

「ねえ、私と隆が影の話をしてからそんなに時間経ってないわよね?」
「そうだな、電話を切ってここにくるまで20分もたってなかった」
「その間に、この、武くん?は手紙を書いたの…?」
「そうなるんだろうな……でも………俺はその間の記憶ははっきりある」
いつの間に…?という疑問がわく。

「もしかして、隆さんとは別に、この武という人格もミストを作れるんじゃないですか?」
春樹が言う。

「その武が予め操れるようにしておいた人間を使ったとは考えられないですか?」
「じゃ、もしかして隣の人がミストに…?」
「俺ちょっといって調べてくる」
隆が立ち上がって、リビングを出て行く。

「…隆さんも後天的ではなく先天的に能力があって、それを組織に利用されていたということか…」
春樹がポツリとつぶやく。

「え?」
「この手紙が嘘じゃないなら、組織はなぜか覚醒前の隆さんの力を知っていたことになる」
私はその言葉を頭の中で反芻する。

「隆さんの力がこの事故で移植したことによる副作用なら、本来はもっと別の力を見込まれてクローンが作られたはず…」

1.「予知の力を持ってる人が組織にいる?」
2.「一郎君や修二君みたいに力のある人を見つけることが出来る人がいる?」
3.「私の力はまだ覚醒していない…?」
261名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 16:15:47 ID:???
2.「一郎君や修二君みたいに力のある人を見つけることが出来る人がいる?」

「そうなるだろうね。赤ん坊に力が備わっているのがわかるんだから……」
春樹は手紙を見つめながら呟いた。

「水野先生は一郎君や修二君の力を利用したいのよね? それって、組織の中に見る能力がある人がいないからじゃないの?」
「もしかしたら、能力者かどうかを判別できる方法を組織は手に入れているのかもしれない」
「どういうこと?」
「組織は高度のクローン技術があるみたいだし、能力者を判別できる技術があってもおかしくは無いよ」
そう言って、春樹は手を組んだ。

「じゃあ、水野先生が一郎君と修二君に近づく理由は何? それにあの双子は「見える力」の能力なんじゃないの?」

「一郎先輩と修二先輩が持っている「見える力」が高度なのかもしれない。たとえば、組織にはどういう能力を持っているかまでは判別できないとか……」
「そっか。修二君は隆がファントムを操る能力があるって知っていたものね」

「どちらにしろ、一郎先輩たちに聞いてみないことにはわからないよ」

私は
1.隆が帰ってくるのを待つ
2.一郎君か修二君に電話する
3.もう少し春樹と話を続ける
262名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 16:52:59 ID:???
3.もう少し春樹と話を続ける

あ、でも…
「でも、まって…一郎君と修二君にも私の力は分からないみたいだったよ?」

確かにあの二人は見える力を持っているといっていた。
でも、いつも私の中の力を探ろうとしているようだった。
なんとなく春樹の言葉に頷いてしまったが、隆の場合は…
「隆がファントムを操れるって分かってたのは、隆の周りにいつも影があるからじゃないかな?」

私は春樹に、ファントムに取り付かれたら見ただけでは分からないことを伝える。
取り付かれるわけでもなく、影をまとっているのはそれを作り出せる人だけ。
「なるほど…、それじゃあ別の目的で近づいてるってことになるのか…」

春樹はまた何かを考え出した。そして小さくつぶやく。
「……カギ」
「え?なに?」
「修二先輩は、自分たちが水野先生が探しているものへのカギだって言った」

私は修二君の言葉を思い出す
『ん〜、情報そのものじゃないんだけどね。たぶん情報へとつながる…カギ、かな?』
たしかそう言っていた。
「もしかしたら、本当にカギなのかもしれない。あの時は僕も姉さんも力のことは良くわかってなかった。だから先輩は真実を言わなかった。あのときの言葉「情報」を「力」に置き換えれば…」
「力へとつながるカギ?」
「そうだよ、組織が姉さんの力を狙ってるのは間違いない。でも、姉さん自身に力を持っている自覚がない」

私は春樹の言葉に頷く。
「可能性は二つ。まだ力に覚醒していない。もうひとつは、力を封印されているか」

春樹の言葉に聞きたいことが増えていく。

@「力を封印?」
A「二人は私を監視してるってこと?」
B「私の力が分からないのに、カギになってるの?」
263名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 19:47:55 ID:???
A「二人は私を監視してるってこと?」

いつ覚醒してもいいように……そして、覚醒した能力が何であるかを確かめるために?

そういえば、昨日ファントムが現れたときも、
『うーん、こっそり見張ってて正解?ってね♪』
修二君はそう言っていた。

それが心配からなのか、監視からなのか……私には判別がつかない。

「その可能性がないわけじゃないよ。
あの二人は、まだ姉さんに全部明かしてるわけじゃないし……
そこに何かがないとはいえないからね」
春樹が重々しく呟く。

そうだ。
あの二人にはそれぞれの目的があるはず。
そして、それを私たちはまだ知らない。

(でも、今の段階じゃ、どうにもならない……どうすることもできない)
今の私が問いかけたところで、二人が答えてくれる可能性は低い。
せめて、もう少し何か変化があれば……少なくとも変に疑ったりとか悩んだりとかもなくなるんだろうけど。

(それにしても……)
@隆、遅いな……大丈夫かな?
A春樹はよくこんなにいろいろと思いつくよね
B今一番謎なのってもしかして御門くん?
264名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 21:53:04 ID:???
B今一番謎なのってもしかして御門くん?

最近の出来事にかかわってる人の中で一番なぞの多い人。それは御門くんだ。
御門くんの行動を思い出す限りでは、敵とは思えない。
水野先生の組織にかかわっている可能性も0に近い。

(なぜか私を守るっていってくれる…)
自然と視線が痣へと向かう。
私が御門くんを拒否しない限り不完全ではあるけれど契約上の主の私。

(私の力はなに?)
御門くんに会いにいけば、すべてがわかる。
組織がなぜ私を狙うのかも、私の力も、そして御門くんが何者なのかも。

「……もどった」
いろいろ考えているうちに、隆が戻ってきた。
顔には疲労の色。

「どうしたの!?」
「隣の人、春樹が言ったとおりミストが取り付いてて…ちょっと処理してきた」
そういって、疲れ果てたというかんじで、ソファに座る。


1、「それじゃあ、この手紙は本当のことなんだ」
2、「隆、無理しないでっていったでしょ!?」
3.、「私に何が起こってるのか、聞いてくる」(御門くんに会いに行く)
265名無しって呼んでいいか?:2007/03/03(土) 23:29:02 ID:???
1、「それじゃあ、この手紙は本当のことなんだ」

「隆さんの中に武という別人格がいるのは間違いないってことだね」
春樹は隆を見て目を伏せた。

戻ってきてから、隆の顔色が悪いようにも見える。
疲労のせいか、ぐったりとうなだれていた。

「疲れたから……横になっていいか?」
「ちょっと待ってて。客間にお布団を敷いてくるから」
「いい……。このソファーで少しだけ寝させてくれ」
「うん」

隆は横になると、目を瞑った。
「隆さんのために、何か飲み物でも作ってくるよ」
春樹はそう言って、キッチンに向かう。

「なぁ、愛菜」
隆は目を閉じたまま話しかけてくる。
「何?」

「やっぱり……俺たちの関係は…もう終わってるんだよな?」

@「うん、ごめんね」
A「少し考えさせて」
B「終わってないよ」
266名無しって呼んでいいか?:2007/03/04(日) 08:04:43 ID:???
@「うん、ごめんね」

本当は終わっていないといいたかった。
今までのことは誤解だとわかったから。
でも、それじゃあ隆は私のために力を使い続ける。
そうして無理をしていたら消えてしまうかもしれない。
今もこんなに苦しそうで、不安定さを感じる。

「それじゃあ…」
苦しそうに息をつく。

「今、お前の一番近くに居るのは誰なんだ?」
「え?」
「この先お前を守るのは誰なんだ?」
(私を守るひと?)
ふっと顔が思い浮かぶ。

@春樹
A一郎くんと修二くん
B御門くん
267名無しって呼んでいいか?:2007/03/04(日) 10:54:32 ID:???
@春樹
A一郎くんと修二くん
B御門くん

私を支えてくれるみんなの顔が思い浮かぶ。
まだ、だれと一緒にいたいかなんて決められない。

「わからないよ……」
「そうか」
そう言って、隆は腕で顔を覆う。

「今まで、ありがとう」
「いいって……。俺が好きでやってたんだから……」
「隆にはいっぱい迷惑かけちゃったね」
「それはお互いだろ……。……気にすんな…」
「ねえ、隆」
「……ん…?」
「少しの間だったけど、楽しかったよ」
「…………」
「隆?」
規則正しい寝息が聞こえる。

(寝ちゃった……。すごく疲れてたんだね)

@隆の寝顔を見る
Aこれからの事を考える
Bもう一度手紙を見る

すべての選択肢を選ぶのが無しでしたら華麗にスルーで次の人ヨロ。
268名無しって呼んでいいか?:2007/03/04(日) 13:23:36 ID:???
ゲーム板だから、やっぱりどれか一つを選ばないと駄目なんじゃなかろうか?
ゲームだと全部選ぶってできないし。
一応、選択肢選ぶバージョンで投下。
次の人に>>267か、コレかどっちを選ぶかまかせるよ。

@春樹

今一番私のそばに居て守ってくれているのは、多分春樹だ。
隆や一郎君たちとは違って特別な力はない。
けれど私は守られている。精神的に。
普通じゃない出来事に何とか耐えられるのは、普通の春樹がそばに居て私を普通でいさせてくれるから。

「……春樹、かな?」
「そうか」
隆は目を閉じたまま微笑んだ。
そのまま、呼吸が深くなる。眠ったみたいだ。

それから少しして、春樹が飲み物を持って戻ってきた。

「あれ?隆さん寝ちゃった?」
3人分のココアをテーブルに置きながら春樹が隆を見る。

「そうみたい」
私は感謝をこめて春樹に笑いかける。

「……どうしたの?」
「ううん、なにも」
不思議そうな春樹に小さく首を振る。

「気をつけろ」
「?!」
眠っていると思った隆が口を開く。

「……隆さん?いや『武』さん?」
「そう。隆が眠ったから俺が出てきた」
うっすらと目を開いて武が起き上がる。

いくら隆の中にある意識だって、勝手に体をつかっていたら隆の体は休めないのではないか?
けれど、武なら組織のことを色々教えてくれるかもしれない…

1、「何に気をつけるの?」
2、「隆に無理をさせないで」
3、「あなたなら、組織の目的を知っている?」
269名無しって呼んでいいか?:2007/03/05(月) 09:31:02 ID:???
やっぱり選ぶのはひとつじゃないかな?
と、思う。

2、「隆に無理をさせないで」

聞きたいことは山ほどあった。
けれど武が出てきても隆の顔色は悪いまま。
ふっとこのまま隆が消えてしまいそうな不安が心をよぎる。

「少しなら大丈夫。愛菜にお礼とお詫びを言いたくて」
「え?お礼?お詫び?」
「そうです。事故で入院していたときのことです」
武は頷いてちょっと微笑む。

「あの時、無意識にあなたが力を使ってくれたから隆も僕も生きている」
「え?」
「あなたは隆が元気になるように、ずっと祈っていてくれた。
 そして、無意識に力を発動させて……組織に愛菜の存在が知られてしまった」
「…私が力を使った?」
確かに隆が事故にあったとき、私はずっと祈っていた。
隆が無事でありますように、元気になりますようにって。
でも、力を使った覚えは……ない。

「ずっと呼びかけていてくれた。夢うつつでずっとその声を聞いていた」
「夢?」
やっぱり私の力は、夢に関係するものなの?

@力が夢に関することなのか聞く。
A呼びかけがどうして助けたことになるのか聞く。
Bお礼は良いから隆を休ませてと頼む。
270名無しって呼んでいいか?:2007/03/05(月) 18:54:24 ID:???
了解。選択肢は一つだけにするよ

@力が夢に関することなのか聞く。

「やっぱり、私の力は予知夢なの?」
私は武に尋ねる。

「夢……ですか。それは、少し違うかもしれない」
「え?」

(私の力は予知夢なんじゃないの?)

「きっと、予知夢だと思い込んでしまったから……。もしも夢を見るなら、なるべくいい夢のほうが良い」
そう言って、武はやさしく微笑む。
「ねぇ、武くん。それはどういう事?」
「夢は時に深層の願望を表す……。きっと、そのせいかもしれない」

(願望って、私の?)
「あなたの祈りは尊きものです」
「隆! じゃなくて…武くん、もう少しだけ詳しく教えて!」
「あ……。もう、隆がもう限界の…ようです……」

武くんはそう言うと瞼をゆっくり閉じていく。
そして、再び呼吸が深くなった。
私は……

@春樹に話しかける
A自分の力について考える
B武について考える
271名無しって呼んでいいか?:2007/03/05(月) 19:15:13 ID:???
A自分の力について考える

夢は願望を表す…確かにそういうこともあるとおもう。
でも、私は隆と水野先生にキスをしてほしいなんて願望はなかった。

(むしろ逆だったはず…)
不安がそのまま夢の形になったというのならわかるけれど…。

(あ、でもそういえば…御門君に夢で会いたいって思ったら、あえたよね…)
あれは確かに願望だった。

(結局夢なんじゃ…?)
願望はすべて夢につながっている。
けれど、武くんは少し違うという。

(少し違うってことは、全然違うわけでもないのよね?)
色々考えるが、頭の中がごちゃごちゃになる。

@今はもう考えるのをやめる
A考え続ける
B春樹に話しを振る
272名無しって呼んでいいか?:2007/03/05(月) 22:37:53 ID:???
A考え続ける

(武くんが言っていたことをもう少し考えてみよう)

『予知夢だと思い込んでしまったから……。もしも夢を見るなら、なるべくいい夢のほうが良い』
そう武くんは言っていた。

予知夢だと思い込むって、やっぱり私の力は予知夢じゃないって事なのだろうか。
でも、夢をみるならいい夢のほうがいいって武くんは言った。
それって、やっぱり夢と関わりがあるって考えたほうがいいのかもしれない。

(思い込み……ってところが気になるのよね)

私が『予知夢かもしれない』って思い込むと夢が現実になるってこと?
もし私が思い込まなかったら、それは現実として起こらなかった……?

隆と水野先生のことは起きて欲しくないと思っていた事が、現実に起こってしまった。
御門君には会いたいと思ったら会えた。
これはすべて夢で見た事だ。

そして、最後に『あなたの祈りは尊い』っていっていた。
祈りって……強く思い、願うこと。
私は隆が助かって欲しいとz強く願い続けた……、そして、それは叶ったんだ。

(私の祈りと夢の関係がもう少し分かればいいんだけどな)

1.考えるのをやめる
2.もう少し考える
3.春樹に話を振る
273名無しって呼んでいいか?:2007/03/05(月) 23:02:56 ID:???
2.もう少し考える

(あぁ、でも、まって…)
私は予知夢をみても覚えていない。
こんなのが力なのかと、ずっと不思議におもってた。
覚えていなければ、予知夢として全然つかえないって…。
もし、予知夢だと思っていたのが、普通の夢で…
私の不安とかが現れたただの夢だとして…

(それが現実になったって…?)
予知夢じゃなくて、私がそれを強く思ったから?
いいこと、悪いこと関係なく強く思ったからそれが現実になった…?

(まさか、ね)
「……まさか、ね」
私の心の声に重なるように、春樹のつぶやき。
おどろいて、春樹を見る。

(もしかして、同じことを考えていた?)

@「春樹は武くんのいったことどう思う?」春樹の話を聞く。
A「私、考えてみたんだけど…」春樹に私の予想を話してみる。
B「隆風邪ひいちゃうかな?」考えるのをやめて隆に毛布をもってくる。
274名無しって呼んでいいか?:2007/03/06(火) 13:34:49 ID:???
A「私、考えてみたんだけど…」春樹に私の予想を話してみる。

おそるおそる私は考え付いたことを口にする。

「まさか、とは思うんだけど…私が強く思ったことが現実になる…とか?」
「…………」
春樹は困ったように私を見る。

「そんなことないよねっ!?もしそんな力なら…」
もしそんな力なら…組織に狙われてもぜんぜん不思議じゃない。
ふと、脳裏に浮かんだ言葉に思わず身震いする。

「……ねえさん落ち着いて。まだ何もかも推測の域をでないんだから」
言いながら少しさめてしまったココアを私に手渡してくれる。

「それに、もしそうだとしても、全部が全部かなってるわけじゃないだろ?」
そういわれて、よく考えてみる。
確かに、思っただけでそれが現実になるなら、私の本当のお母さんは今私のそばにいるだろう。
テストなんかも軒並み100点とかとれているはず…

1、力を使いこなせてないのかな?
2、でも、そんな怖い力なら要らないよ…。
3、もう、考えても仕方ない、御門君に会いに行こう
275名無しって呼んでいいか?:2007/03/06(火) 23:56:36 ID:???
1、力を使いこなせてないのかな?

「私の力がまだ不十分ってこと……?」
「わからない。だけどこれは憶測に過ぎないんだから、姉さんは気にしちゃだめだ」
「うん……」

私の思ったことが現実になるのなら、こんな恐ろしい事はない。
相手に腹を立てたり恨んだりすることだって当然ある。
もしも、私が強く憎んだり恨んだりすることで、その相手を不幸にさせてしまったら……。

「……姉さん、大丈夫?」
春樹が心配そうに覗き込む。
「へ、平気だよ。それより、隆に毛布持ってくるね」

私は毛布を持ってきて、寝ている隆にそっと掛けた。

「まさか……隆に影を操る力があるなんて思いもしなかったよ」
私は春樹に声を掛けた。
「それだけじやなく、別人格まであるんだから……もう、驚くしかないよな」
春樹はそう言って、苦笑する。

隆は穏やかな顔をして眠っている。
そんな寝顔をみていると、まるで何も知らなかった頃に戻ってしまったようだ。
だけど、私も春樹も隆も、普通の生活には戻れない。

(戻れるものなら……戻りたいよ)

@隆が起きるのを待つ
A御門君に会いに行く
B最初の頃に戻りたいと強く願ってみる
276名無しって呼んでいいか?:2007/03/07(水) 09:15:41 ID:???
@隆が起きるのを待つ

元の場所に座りなおし、隆の寝顔をぼんやりとながめる。
ふと、手紙の内容と春樹の言葉を思い出す。

「隆の本当の力ってなんなんだろうね?」
「…え?」
唐突につぶやい言葉に春樹が一瞬疑問の表情を浮かべ、それから首をかしげた。

「ああ…なんだろう?もしかしたら本人も気づいていないのかもしれない」
副作用で操れるようになった影。
武の言うとおりなら、本来の力は別にある。

「影が見えることに意識がいってしまって、本当の力にのほうには気づいてないんじゃないかな?」
春樹が隆を見ながら言う。

「本来の力が何なのかは分からないけど…力を使うのは危険なんだから知らないほうがいいことなんだよきっと」
「そうだね」
春樹の言うことはもっともだ。

 チャーラーラーチャラーラーラー

「あ…」
唐突に携帯電話が鳴る。
あわてて取り上げて、ディスプレイを見ると…

@一郎くんの名前
A修二くんの名前
B香織ちゃんの名前
277名無しって呼んでいいか?:2007/03/07(水) 23:24:57 ID:???
保守
278名無しって呼んでいいか?:2007/03/07(水) 23:41:07 ID:???
流れ切って失礼します。
最近の投下率は異常ww職人さんたち、いつも乙+GJ!!
279名無しって呼んでいいか?:2007/03/08(木) 01:32:56 ID:???
B香織ちゃんの名前

「もしもし、愛菜?」
通話ボタンを押すと聞きなれた香織ちゃんの声が耳に飛び込んできた。
知らぬ間に身構えていたのか、肩の力がぬけていくのを感じる。

「香織ちゃん! どうしたの、休みの日に電話なんて」
「どうしたの、はこっちのセリフ! 昨日学校休んだでしょ?
そんなに怪我の具合悪いの? 大丈夫?」
電話の向こうで眉間に皺を寄せる香織ちゃんの顔が目に浮かぶようだ。

「…それでわざわざ電話くれたの?」
「悪い?」
「ううん。怪我は大したことないんだけど、大事をとってお休みしたの。
メールしとけばよかったね、心配かけてごめん」

反省して素直に謝ると、香織ちゃんは諦めたように笑った。
「まったくもう……。あ、そういえば。昨日愛菜の弟さんも早退したんだって?
脳震盪起こしたって聞いたけど、大丈夫なの?」
「うん。念のため検査もしてもらったけどなんともないって」
「そっか、良かった。でも弟さんもやるねー」

それまで神妙に話していた香織ちゃんの茶化すような声が気になって私は顔を上げた。
当の春樹は所在無さげに窓の外を眺めている。

「? 何の話?」
「聞いてないの? 女の子かばって怪我したってちょっとした噂になってるよ?」

そんな話は初耳だ。私は…
1、香織ちゃんに詳しく話を聞いてみる
2、なぜか動揺して言葉を失う
3、あとでさりげなく春樹に確認する
280名無しって呼んでいいか?:2007/03/08(木) 06:46:24 ID:???
2、なぜか動揺して言葉を失う

(え?)
急に香織ちゃんの声が遠くなる。

(春樹が女の子をかばって…?)
ちらりと春樹を見る。
春樹は何か考えているのか、少しうつむいて難しい顔をしている。

(そうだよね、春樹優しいもん)
困った人がいれば誰だって手を差し伸べるのが、春樹だ。

(私もいつも助けられてばかりで…)
急に苦しくなった胸に無意識に手を当てる。

「……だからね、って愛菜?聞いてる?」
「え?あ、ごめん、なに?」
「もぅ、どうしたの?本当は具合悪いのに無理してない?」
「だ、大丈夫だって」
「大丈夫そうな声じゃないわよっ!話しはまた後にするわ。今日と明日しっかり休んで元気になりなさいっ」
「う、ん、ごめん。ありがとう」
「じゃ、月曜日に。あ、具合悪かったらちゃんとやすむのよっ?じゃね」
なんとなく切れた電話を見つめる。
呼吸をするのが苦しい。

「姉さんどうしたの?長谷川先輩だったんだろ?なんかあったの?」
「え!?」
じっと動かない私を不信に思ったのか、春樹が顔をのぞきこんできた。

@なんて言おうか考える。
A春樹に昨日の話を聞く。
Bなんでもないとごまかす。
281名無しって呼んでいいか?:2007/03/08(木) 11:58:54 ID:???
Bなんでもないとごまかす。

「あ、えーっと…」
ぼーっとしているところを、覗き込まれてあわてた。

(別に怪我のこと聞くのは悪いことじゃないよね…でも、いまさらって感じも…)
春樹は自分の失態を話したがらない。

「姉さん?」
「…なんでもないよ」
「そう?」
少し眉をしかめた春樹はテーブルに置きっぱなしのアルバムを手に取る。
パラパラとめくると懐かしい写真ばかりだ。

「あ、この写真」
「……!な、なんでこんなのまで残ってるんだよ…」
小学校の演劇のときの写真。学年ごとに違う演劇をした。

「……ちぇっ、あと2ヶ月早く生まれてれば、姉さんと同じ学年でこんなことしなくて良かったのに」
春樹のつぶやきにふと自分たちが実質3ヶ月しか年が離れていないことを思い出す。

「あーそっか、5月生まれだもんね…そういわれれば、私が3月だから私が1ヶ月…というか2週間くらい遅ければ同じ学年だったんだ」

それにしても、演劇のときの春樹…
@「かわいかったよね」
A「かっこよかったよね」
B「おかしかったよね」
282名無しって呼んでいいか?:2007/03/09(金) 02:06:46 ID:???
A「かっこよかったよね」

「…目が笑ってるよ、姉さん」
春樹が恨めしそうにこっちを睨む。

「そう?」
「そうだよ。まったく、なんでこんな写真がいっぱいあるかな…」
そう言いながら春樹はアルバムをめくった。

アップのものから全身を写した物まで、数ページにわたって舞台上の春樹を写した写真が並ぶ。
まるで舞台演劇のパンフレットだ。

「何も不思議な事はないでしょ、なんたって王子様役だしね」
「〜〜だーかーらー!」
春樹は顔を真っ赤にして勢いよくアルバムを閉じた。

「そんなに照れなくたって良いじゃない。似合ってたよ、白タイツ」
「姉さん!」

再び開こうとしたアルバムを春樹は素早く私の手からもぎ取った。
(そういえば当時も王子様って呼んで怒られたっけ)

不意に蘇る懐かしい光景。
春樹が王子を演じたのは…

@ラプンツェル
Aいばら姫
B白雪姫
283名無しって呼んでいいか?:2007/03/09(金) 07:23:37 ID:???
B白雪姫

学年ごとの演劇だったけれど、人数は結構いる。
演劇に出演する人と、舞台の外で舞台にあわせた歌や演奏する人に分かれていた。
王子様役の春樹は最後のほうにちょっとしか出番はなかったけれど…。

「うん、やっぱりかっこよかったよ」
春樹と家族になって半年くらいしかたっていない頃だったけれど、驚いた記憶がある。

「だーかーらー…」
「だって、本当にびっくりしたんだよ?春樹ってかっこよかったんだなーっておもったもん」
「………はいはい」
半分あきらめたようにため息をつく春樹。
そういえばあの後春樹はラブレターとか結構もらってた。

「そういえばあの後ラブレターとか結構もらってたっけ…」
思い出したことをそのまま口にして、ふとまた胸が苦しくなる。

「そんなの全部ことわったよ……。ねえさん、どうしたの?」
無意識に胸を押さえていた私に、春樹が心配そうに尋ねてきた。

1、「ちょっと苦しくなって…」
2、「…なんでもないよ」
3、「なんだろう?」
284名無しって呼んでいいか?:2007/03/09(金) 23:24:53 ID:???
1、「ちょっと苦しくなって…」

私は少し苦笑いしながら正直に言った。

すると、突然春樹の両手が私の肩に置かれる。
「……ど、う、し、てっ。そういうことを黙ってるんだよ、姉さんっ」
怒り半分呆れ半分といった感じで春樹が言った。
「えーと、さっき、急にだったし……その、ちょっとだけだったから。ね?」
「はぁーー……」
たどたどしく弁解する私に、春樹は大きくため息をついた。
そして、私から手を離す。

「もうここはいいから少し休んできなよ」
「え、だ、大丈夫だよ?」
そんな大げさな……と慌てる私の鼻先に、びしっと突きつけられる人差し指。
「ダメだよ!姉さんはそうやっていつも無茶するんだから」
「あの、でも、隆が……」
なおも残ろうとする私の後ろに回って、春樹が前へ前へと押してくる。
「俺が見てるから!姉さん、頼むから少しは自分の心配をしてくれよ!」
半ば追い出されるようして、私はリビングから出た。

「ちゃんと休んでること!いいね?」
春樹はそういい残して、リビングのドアを閉めた。
「あはは……はぁ」
残された私からは乾いた笑いと小さなため息。

(まあ、春樹も私を心配してくれてのことだもんね……)
ちょっと複雑な気持ちもあったけど、私は素直に部屋に戻ることにした。


部屋に入ってすぐ、ベッドに倒れこむ。

(なんだか、疲れたし……今だけ。ご飯まで。ちょっと……休憩……)
だんだんと意識が薄れていく。
(今だけ、何も考えずに。ゆっくり―――)

そして、私の意識は途切れた。

(……?)
ふと、誰かに見守られているような気がして、そっと目を開ける。
ぼんやりとした意識のままで目の前の人物を確認しようとするとそこには……

@御門君がいた
A周防さんがいた
Bお母さんがいた
285名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 01:02:33 ID:???
A周防さんがいた

「よっ」
目の前の人物は軽く手を上げて挨拶してくる。

それだけなら特に問題ない。
問題なのはその距離だ。

「わぁっ!?
ち、近っ!近い!近いですっ!」
私は慌てながらも後ろに下がって距離をとる。
「ははは、お前さんはホント面白いヤツなー」
そんな私の様子を見て、その人は子供のように笑うだけだ。

「ちょ、いきなり何なんですか―――周防さんっ!」

私の口からすんなりと出てきた彼の名前。
それを皮切りにこの間の夢でのことを次から次へと思い出していく。
……どうしてずっと忘れていたんだろう?

「おー、覚えてたか。それとも思い出したか?
ま、どっちにしろえらいえらいっ」
周防さんは嬉しそうに笑いながら私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「か、髪がぐちゃぐちゃになるからやめてくださいよぉっ」
髪をおさえて、私はほぼ無意味な抵抗を試みる。

「ほれほれー」
私の反応が面白かったのか(?)、周防さんはしばらくそのまま撫で続けていた。
…………が、やがて。
「なんか、あったか?」
不意にその手を止め、私の顔を覗き込んでくる。
「え?」
「言ったろ。お前さんは分かりやすい顔をしてるって。
疲れてるの、もーバレバレだぞ?」
周防さんが優しく笑いながら、私の頭をまた撫でてくる。
今度はゆっくりと……優しく。

「何か悩んでるんなら、お兄さんでよければ相談に乗ってやるぜ?
……ま、話すも話さないもお前さんしだいだけどな」
言いながら、「どうする?」とばかりに僅かに首を傾ける周防さん。

私は……

1.話す
2.話さない
3.曖昧に誤魔化して話す
286名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 08:14:16 ID:???
1.話す


「組織って、何かなっておもって…」
するりと口から出た言葉に自分でも驚く。

「組織?」
周防さんはひょいと眉を上げた。

「私をねらってるんでしょ?隆には自覚はないみたいだけれど、隆の中の武くんは組織の人みたいだし…」
組織に武くんの存在がしられていないから、今は組織の人とは違うのかもしれないけど、少なくとも組織の人だった。
力のある人のクローンを作っているというのは、武君が教えてくれた。

「まあ、ヤツは昔から手段を選ばないやつだったよなぁ…」
「え?」
苦々しげに苦笑する周防さんを思わず見つめてしまう。

「周防さん組織のこと知ってるんですか?」
「うん、知ってるよ。というか、組織を作ったヤツを知ってる」

@組織の目的を聞く。
A組織を作った人のことを聞く。
B周防さんが何故知っているのか聞く。
287名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 14:19:20 ID:???
A組織を作った人のことを聞く。

「どんな人なんですか?その人」
「んー………………」
問いかけると、周防さんは微かに唸りながら考え込む。

しばらくして出てきた答えはこうだった。
「一言で説明するのが難しいヤツだな。
簡潔にまとめるのがまず無理。…これは今、気がついたんだけどな」
うんうんと神妙に頷きながら、周防さんは言葉を続ける。
「手っ取り早く会えば分かるんだろうが…そりゃお前さんの望むところじゃないだろ?」
今度は私は頷く。
「じゃ、今は気にしないほうがいいと俺は思うぞ。
わからんことで無駄に悩んでもストレスたまるだけだから。なっ?」
「は、はぁ…まあ、そうですね」
周防さんは苦笑いしながら小さくため息をついた。

「にしても、お前がそこまで悩んでたとはな。
そーんな疲れた顔になるまで考えこんで…ホントに大丈夫か?
胃潰瘍になってないか?頭ハゲたりしてないか?」
そして、私の頭をポンポンと軽く叩きながら聞いてくる。
「大丈夫ですよっ。た、たぶん…(周防さん、その心配は微妙です)」
されるがままになりながらも、なんとなく微妙な心境になる私。

「それに、その…それもあるんですけど。
他にもいろいろとあってですね…はぁー」
「ふむ……なるほどな」
ごにょごにょと呟きながらため息をつく私を見て、周防さんはひとつ頷く。

「じゃあ、お兄さんから提案だ。
…どうだ、ここいらで一度ゆっくり休憩してみるってのは」
「休憩?」
休憩って、どういうことだろう?
普通に考えれば休むってこと…だよね?
「そうそう。明日一日だけは、考えるのも悩むのも全部にしてだな。
で、パーッと遊ぶんだよ!」
満面の笑みで周防さんが言う。

@「そりゃ、そうできたらいいんでしょうけど…」
A「みんなが大変なのに、そんな無責任なことできませんよ」
B「どういうことですか?急にそんなこと言い出すなんて」
288名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 15:05:42 ID:???
B「どういうことですか?急にそんなこと言い出すなんて」

「だから、お前さんは疲れてる。考えすぎてるんだ」
ぽんぽんと私の頭をたたきながら、周防さんが優しく言う。

「お前さんの性格じゃ無理かもしれんが、お前は悩みすぎちゃいけない」
言い聞かせるような言葉がすんなりと心に染み渡る。

「悪いことばかり考えていると、いいことはないぞ。気分転換して明るく前向きに先をみるんだ」
「でも……」
周防さんの言うこともわかる。悪いことばかり考えちゃいけない。
でも、ファントムが私の都合を考えてくれるとも思えない。

「安心しな。お兄さんにまかせなさい。明日は何も起こらない。お兄さんが一肌脱いであげよう」
そういって周防さんは私の左手を取る。

「一日だけ契約だ。明日だけ俺が君に害をなすものを近づかせない。……さあ、返事を」

契約…なんて答えよう…?

1.「お願いします」
2.「どうしてそこまでしてくれるんですか?」
3.「周防さんは味方なんですか?」
289名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 16:21:22 ID:???
3.「周防さんは味方なんですか?」

「味方……か」
周防さんはゆっくり呟く。
その質問をまるでかみ締めるかのように。

「その答えはイエスであり、ノーでもある」
やがて、静かにそう答えた。

「どの視点から物を見るのか、そしてお前がどのように動くのか。
……それによっても俺のスタンスは変わってくる」
周防さんの、諦めたような……寂しそうな笑い。
(どうして、そんな表情……)
なぜか強く胸を締め付けられる。

「正直に言っていい。……俺が信用できないか?」
私をまっすぐ見つめて、周防さんが問いかけてくる。

「……」
何もいえないでいると、周防さんはゆっくりと手を離した。

「ごめんな?」

「あ……」
離れていく感覚がなんだか悲しくて。
私は俯くようにして、周防さんの手をじっと見つめていた。

「なら、冬馬でも構わないぜ?」
不意にかけられたその言葉に顔を上げる。
……それとほぼ同時に、頭の上に置かれた大きな優しい手。
「大事なのは、お前の意思だ。
俺はお前に、今はゆっくり休んでほしいと思ってるんだよ。
それだけは……絶対に嘘じゃないって言える」
周防さんは、暖かい……優しい表情を浮かべていた。

「だから、俺のこと信用できないならできないで構わないさ」
そして……最後にはいつもの子供のような笑顔を浮かべたまま、そんな悲しいセリフを言った。

私は……

@「信じます、周防さんのこと」
A「……御門君なら絶対に安全なんですか?」
B「周防さんを信じたいから……まずは3人で行きましょう」
290名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 17:00:47 ID:???
@「信じます、周防さんのこと」

一呼吸おいて言った私に、周防さんは少し目を細めた。
「少なくとも今は…。私にもこれからのことはわからないし、どうなるかわからないけど」

ずるい言い方かもしれないと思ったけれど、今いえる精一杯のこと。
「今は、周防さんを信じます」

私の言葉に周防さんはうれしそうな、あきらめたような微妙な顔をして笑った。
「…かわらないな。相変わらず…。お前さんらしい答えだよ。でもまあ、いい答えだ」

周防さんはもう一度私の左手をとった。
「それじゃ、契約だ。明日一日お前さんを守ろう」
「…お願いします」

私の言葉に周防さんが私の左手に唇を寄せる。
周防さんが離れた後、左の手の甲に星型の小さな痣。
(今度は爪じゃないんだ…)

ぼんやりとどうでもいいことを思っていると、周防さんがどこか遠くを見るような目をしていった。
「そろそろ目覚める時間みたいだな。ちゃんと明日はゆっくり休むんだぞ」

周防さんの声がだんだん遠くなっていく……


コンコン

ノックの音に目が覚めた。
「姉さん、晩御飯の準備できたけど起きてる?」
「うん、今行く」

ぼんやりする頭を振って、部屋を出る。
リビングへ寄ると隆も起きていた。
「あ、隆。どう?疲れは取れた?」
「ああ、悪かったな。気ぃつかわせたみたいで」

そういいながら、毛布を持ち上げる。
「きにしなくていいよ。そうだ、一緒に晩御飯食べていかない?」
「よければどうぞ。実はそう思って多めにつくったので」

リビング顔をのぞかせた春樹も隆を誘う。
「あ〜、どうしようかな………」

悩むように言った隆の視線が、私の左手に吸い寄せられる。
「…愛菜、その痣……さっきまでなかったよな?」
「え?」

言われて左手を見る。そこには確かに少し前まではなかった星型の痣。
   フラッシュバック。
夢での出来事を思い出す。

1.なんでもない
2.夢でのことを言う。
3.ごまかす
291名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 18:14:44 ID:???
1.なんでもない

「なんでもないよ」
私はとっさに手を隠す。
周防さんを信じることにしたけれど、春樹や隆が信じてくれるとは限らない。

「ふぅん……」
隆は隠した左手から視線を外そうとはしない。
じっと、見つめ続けている。

(なんとか、話題を逸らさないと……)
「ね、ねぇ、隆。さっき、春樹が持ってきたアルバムを一緒に見ましょうよ。
小さい頃の隆もたくさん写ってるんだから」
「え? ……俺はいいよ」
「どうして? いいじゃない」
「それより、愛菜のアザ……」
「晩御飯ができるまで、姉さんと見ていたらどうですか?」
再び顔を覗かせた春樹が加勢する。
(ナイスフォロー、春樹)

「だめって言っても、勝手に見ればいいのよね。えーっと……」
私はアルバムをパラパラとめくる。
「あっ、これは私の六歳の誕生会の写真だよ。隆、ちっちゃくて可愛い」
吹き消したケーキの前で何人かの子供たちが笑っている写真を指差す。

「愛菜だって、小さいだろ……」
隆はようやく左手から視線を外して、写真に見入った。
「この時に隆からもらったプレゼントの小さなテディベア。私、未だに大切にしてるんだから」
「六歳の頃にもらったのを大事にするほど、愛菜って物持ちよかったか?」
『ホントか?』という疑いの眼差しを向けられて、思わずムッとする。
「嘘なんか言わないわよ。失礼ね」
「じゃあ、その証拠の品を見せてみろよ」

@テディベアを部屋から持ってくる
A私の部屋に行って証拠を見せる
B別の写真の話に移る
292名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 19:00:31 ID:???
@テディベアを部屋から持ってくる

「わかったわよ、まってて持ってくるから!」
私は立ち上がり部屋に戻る。
チェストの上においてあったテディベアを持って、リビングにもどる。

「ほらっ」
両手でテディベアの脇を持ち隆の前に突き出す。
写真のなかよりは、少し色あせているが間違いなく同じものだ。

「マジかよ…」
隆は驚いたようにテディベアと写真を見比べる。

「ほんっっっっとに、失礼なヤツねっ」
私はテディベアを引き寄せると、そっと頭をなでる。

「これだけは、特別なんだから…」
「………」
隆にもこの言葉でわかったようだ。
私のお母さんが居なくなる直前の誕生日。
もしかしたら、この時にはすでにお母さんは私たちから離れることを決めていたのかもしれない。
甘えん坊で、まだ時々お母さんの布団にもぐりこんでいた私に『これから、この子がいるから独りで寝られるわね』といって微笑んだ。
そして、私はそのとき頷いて…。

「ま、大事にされてるんだから、こいつも本望だろ」
しんみりした雰囲気を飛ばすように隆がアルバムをめくっていく。

「あ…」
隆が手を止めた所を見て思わず声が漏れる。
その写真は…

1.春樹と隆が喧嘩した後の写真
2.春樹と隆が初めて会ったときの写真
3.中学の入学式の時の写真
293名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 20:06:11 ID:???
2.春樹と隆が初めて会ったときの写真

「これ……。隆と春樹が初めて会ったときのだよ」

新しい弟ができる事を隆に紹介した日の写真だった。
「あの時、俺に対して春樹のヤツ……凄い敵意剥き出しだったんだよな」
「私に対しても一緒だったよ」
「ずっと睨みつけられて何だコイツ? って思ったな」

『お前らなんか必要ない!』って、春樹に言われたのはあの日の夜だった。
そして、私はショックで泣いてしまって……

「あの頃に比べると、春樹は優しくなったよな」
「うん。あの後に誤解が解けて『ずっと守る』って約束してくれたんだ」
「そっか……」
隆は諦めたように目を伏せ、再び顔を上げる。
その顔には、もう諦めの色は無かった。

「しゃーねけど。まぁ、春樹になら任せられよなぁ」
冗談を言うような軽い口調で隆は言った。
私は隆に掛ける言葉を失って、思わず俯いてしまう。

「しんみりすんなって。よっし! 気分転換に俺のとっておきの手品みせてやるよ」
隆はそう言うと、ひょいと私の手元にあるテディベアを奪い取る。
「ちょっと、何する気?」
「いいから、いいから……」

隆はテディベアを握り、もう片方の手を添えると深呼吸をする。
すると、隆の手の中でテディベアがピクリと動いた。
「もういいかな。そら、歩け」
机の上でテディベアがふらふらと歩き出す。

私は……

@「かわいい!」
A「やめて!」
B「ミストの力?」
294名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 20:43:14 ID:???
B「ミストの力?」

隆の周りのミストに特に何の変化も見えなくて、不思議に思ってたずねる。

「いや、違うよ」
隆はあっさりと否定する。

「言ってなかったっけ……?あー、言ってなかったかも」
隆は記憶を探るように首をかしげ、にへらっと笑う。

「俺のもう一つの力さ」
「もう一つの?」
武の言葉がよみがえる。

「なんていうかな〜、ほら昔から言うだろ?すべての物には神様がついてるってさ」
「…そう、なの?」
「八百万の神ですね。精霊とか、妖精とかそんな類の…」
「あ、春樹…」
春樹がお盆にスパゲッティを3つ載せて戻ってきた。

「お、うまそうだな。じゃ、遠慮なく」
「はい、どうぞ」
「ありがとう、で…その神様がどうしたの?」
「その物に宿ってる神様にさ、ちょっとお願いしする力さ」
「ミストと違うの…?」
「ちがうなぁ。ミストは生き物に対して使う。こっちはそうだな、物に対しての力か?ミストは生気をすって強くなる。けど、当然物に生気なんてないからな」
「まぁ…そうよね」
「もちろんミストを使って動かすこともできるけど、ミストを操るよりはもともと入ってる神様にお願いして動いてもらったほうが断然楽なんだ」
話しているうちにテディベアは私の目の前までやってきてポンと私の膝に飛び乗った。

「おまえそいつのこと本当に大事にしてたんだな。好かれてやがる」
「お願いということは、特に何か力を必要とするとか、ないんですか?」
「う〜ん?どうだろう…こっちの力は事故の前からあったしな。まぁ、使えない力だからほとんど使うこともなかったが…」
「え…?」
「こっちの力は、その物に宿ってる神様の気分、機嫌しだいだからな。自由に何でもできるわけじゃない」
「そうなんだ…」
隆のもう一つの力が意外な形で明らかになって驚くほかない。

「こういう風に、大事にしている物の中に居る神様はさ、その持ち主を好きだからこうやって少しお願いすれば動いてくれる。こいつみたいに」
テディベアは、私の膝の上に来ると、ちょこんとそこに座った。

1「この子、ずっと動けるの?」
2「いつその力が使えるってわかったの?」
3「ちなみに、今はなんてお願いしたの?」
295名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 22:48:36 ID:???
3「ちなみに、今はなんてお願いしたの?」

「い、今?」
私の質問に、隆が急に慌てだす。
……どうしたんだろう?
「なに、何なの?教えてよ」
問い詰めようと隆に近づく。
同じ分だけ後ろに下がられた。
「ねえ、隆ってば」

「そ、そ…………そんなこと言えるかバカっ」
追求から逃れるように、スパゲティを勢いよく食べ始める隆。

「何それ………しかもバカって」
私はちょっとムッとしながら、同じくスパゲティを食べ始めた。
「じゃあ、もういいもん。隆のけーち」
「ケチで結構だっ」
食事をしながらも子供のような言い争いは続く。
「…二人とも、もうちょっと行儀よく食べてよ」
言い争う私たちをよそに、春樹が大きなため息をついた。

そんな感じで私たちは終始和やか(?)な食事の時間をすごしたのだった。

夕食後。
隆を出入り口まで見送って、そのまま部屋まで帰ってきた。
ベッドに腰掛けて、窓の外を見てみる。
…今夜も月が綺麗だった。

「明日は、休日かぁ」
夕方の周防さんの言葉を思い出す。
彼の言葉をそのまま信じるなら、明日は特に何かを気にせずに出かけられると言うことだ。

「ふふふ」
なんだか嬉しくなる。
少し前までは当たり前だったことなのに、今は何故かとても懐かしくて尊いものに感じる。

(でも、何しようか?)
あれこれと考えては見るものの、改めてみると『これ!』といったものがない。
だからと言って部屋でのんびりしていると、また一人で考え込んでしまいそうだ。

(それをしないための休日だもんね。
なら…せっかくだから、誰か誘ってみようかな?)
不意にそんなことを思いつく。
(うん、いいかも。一人でいると、どこにいても考えちゃいそうだし。
……………でも、問題は誰を誘うかだよね)
一人悩む。

(一番妥当なのは香織かな?
あ、でも、今日の電話で無理しないように言われちゃったしなぁ……)
香織は事情を知らないから、逆に余計な心配をかけてしまうかもしれない。

(だとすると……うーん)
次に考え付いた可能性。

それは、
@隆か春樹かな?
A一郎君か修二君はどうだろう?
B御門君か周防さん?なーんて。
296名無しって呼んでいいか?:2007/03/10(土) 23:07:51 ID:???
A一郎君か修二君はどうだろう?

つんつんとテディベアをつつきながら考える。
テディベアはまだ動いていて、つつく私の指を捕まえようと手をパタパタと動かしている。
(かわいいなぁ)

思わず微笑んで、思考を元に戻す。
今日の昼の様子を見ると、春樹も隆も疲れているみたいだからつき合わせるのは悪い。
かといって、御門くんか周防さんはどうやって連絡を取ればいいのかわからない。
夢でならあえるかもしれないけれどそのためにわざわざ夢に呼ぶのも悪い気がする。

となると、ある程度事情を知っている、一郎君か修二君…。
誘って了承してもらえるかはわからないけれど。

一郎君となら落ち着いた感じでゆったり、のんびりすごせるだろう。
修二君なら一日明るく楽しく暗いことなんか吹き飛ばせるだろう。

携帯電話を手に悩む。

さて、どうしよう?

1一郎君を誘う
2修二君を誘う
3二人とも誘う
297名無しって呼んでいいか?:2007/03/11(日) 00:41:19 ID:???
1一郎君を誘う

修二君は二人揃うと見えすぎる、というようなことを言っていた。
なにかが見えるということは何かしらの力を使っている訳で、
それはつまり大なり小なり疲労が伴うのではないだろうか。

ふと夕べの隆の様子を思い出す。
(顔色すごく悪かったし、辛そうだったよね…)

一郎君も修二君も色々と気にかけてくれてありがたいとは思っている。
だからこそ私の息抜きに二人を引っ張り出して、故意ではないにしろ
負担を強いるというのはあまりに申し訳なさすぎる。

そうなるとどちらか一人を選ぶのが無難なのだろうが。
(修二君、予定あるんじゃないのかな。
それに二人でいるところを他の女の子に見られたら大変なことになるんじゃ…)

華のある修二君はただ立っているだけでも人目をひくひとだ。
思いを寄せるたくさんの女の子達のうちの誰かの目に止まったとしても不思議はない。

そこまで思いついて身震いが出た。

「やっぱりここは一郎君にお願いしてみようかな」
自らを奮い立たせるように声に出して、電話をかける。

プルルル、プルルル…

無機質なコール音が延々と続く。
(一郎君、いないのかな…)

1、もうしばらくそのまま待つ
2、しばらくしてからかけ直す
3、別の人にかける
298名無しって呼んでいいか?:2007/03/11(日) 04:57:53 ID:???
3、別の人にかける

しばらくそのまま待ってみたけれど、一郎君が電話に出ることは無かった。
(はぁ…)
なんだかがっかりした気分で電話を切る。

(でも、出ないんじゃ仕方ないよね。誘いようもないし)
だけど、このままだと一人で過ごしてしまうことになる。
それはあまりよろしくないかもしれない。
…何と言うか、いろいろな意味で。精神的に。

(一郎君には悪いけど、他の誰かを誘ったほうがいいかな。…ごめんね、一郎君)

とはいえ、むやみやたらと誘うのも問題だ。
そろそろ決めたほうがいいのかもしれない。

(次でダメならあきらめよう。そうしたら一人でお出かけすればいいんだし…)

さて、どうしよう?

1.ダメもとで修二君にかけてみる
2.春樹か隆にお願いしてみるって言うのは…
3.御門君とか事情を知ってる周防さんのほうがいいかな?
299名無しって呼んでいいか?:2007/03/11(日) 06:29:31 ID:???
3.御門君とか事情を知ってる周防さんのほうがいいかな?

なんだかんだで御門くんには結構助けられているし、
周防さんは今回の休日の提供者でもあるわけだし……。
この辺りでお礼とか……何かできればいいんだけど。

それに、この二人のどちらかなら話が通じやすい可能性が高い。
周防さんはお休みのことを知っているし、御門くんは周防さんの知り合いみたいだった。
……なら周防さんの名前を出して説明すれば納得してくれるかもしれない。

二人のことを考える。

かたや、休日の姿がまったくと言っていいほどつかない年下。
かたや、現実では一度も顔を合わせたことのない所在地不明の年上。

(改めて考えると、本当に謎だな……)
そんなことを考えているうちに、徐々に意識が深くに落ちていくのを感じる。

彼らに一番会える確率が高い方法……夢の中で会うためだ。

(お願いだから、夢の中に出てきて!)
意識が途切れる直前、私が心に思い浮かべたのは―――

@御門君
A周防さん
B二人とも
300名無しって呼んでいいか?:2007/03/11(日) 08:02:28 ID:???
B二人とも

よく知らない人と二人きりででかけるのはちょっと不安だ。
3人だと安心というわけでもないけれど…。

気がつくといつものとおり学校の前。
目の前に御門君が立っていた。

(あれ…周防さんは?)
おもったとたん目の前が真っ暗になる

「だーれだっ」
「……周防さん」
「あったりー」
「もう、なにしてるんですか」
振り返ると楽しそうに笑った周防さん。

「目隠し」
悪びれることなく答えた周防さんに思わず笑ってしまう。

「ところで、今回はどうしたの?」
笑う私の顔を覗き込むように身をかがめて、周防さんが言う。

「あ、そうだ!明日…もしかしたら、もう今日?暇ですか?」
「うん?……まぁ、特に予定はないよ」
「御門くんは?」
振り返るとかすかに御門君が頷く。

「それじゃあ、明日一緒にでかけませんか?」
「それって、デートのお誘い?」
「えっ、デート…?」
深く考えなかったけれど、これってやっぱりデートなのかな?

「あ、えーっと、ほら明日、一人で居ると色々かんがえちゃって、せっかくの休みなのに休めなさそうだし…」
「照れちゃってかわいーなー」
周防さんが私の頭をくしゃくしゃとなでる。

「まあ、そういうことならお付き合いしますよお姫様。冬馬もいいよな」
御門君の言葉に、少しの間をおいて御門くんが頷いた。

「よっし、決まり。で、どこ行くの?」

あ、そういえばどこ行くかとか、決めてなかった…。

1ショッピングモール
2遊園地
3二人に行きたいところを聞く
301名無しって呼んでいいか?:2007/03/11(日) 10:43:02 ID:???
1ショッピングモール

「ショッピングモール…とか?」
とっさに思いついて口に出す。

「うんうん、ショッピングモールね。たしかに色々あるし、一日中いても飽きないかな?」
周防さんはちょっと首をかしげてショッピングモールを思い出しているようだ。

「たしかあそこは色々施設も充実してるし…」
たしかにショッピングモール内には、映画館があり、隣接して小さな公園、そしてイベントホールではいつでもなにかしらやっている。

「デートには最適だな!」
「だから、デートじゃ…」
「照れない照れない。それじゃ、10時に駅前でまってるからさ」
くしゃくしゃと頭をなでられる。

「冬馬、お前も遅れるなよー」
同じように御門くんに手を伸ばし、くしゃくしゃと頭をなでる。

「………」
されるがままになって、御門君は頷いた。

「それじゃ、楽しみにしてるよ。そろそろ朝だ。それじゃ、お兄さん張り切って準備しちゃうよ」
周防さんの言葉と同時に、夢の輪郭が崩れていく。



ふわふわと顔に何かが当たる感触に目が覚めた。
うっすらと明るい室内。
目を開けると目の前にテディベアがいて、ふわふわとした手で私の顔をつついている。

(まだ動けるんだ…)
「おはよう」
布団から手を出してその頭をなでる。
時計を見るとまだ7時になったばかりだ。

「早く起きすぎちゃったかな?」
大きく伸びをして、部屋の扉を開けると、ふわりといいにおいがキッチンからする。

「あれ?春樹もうおきてるのかな?」
そういえば、春樹に今日出かけることを伝えないといけない。

1、今すぐに伝える
2、後にする
3、こっそりいく
302名無しって呼んでいいか?:2007/03/12(月) 09:44:08 ID:???
1、今すぐに伝える

キッチンをのぞくと春樹がホットケーキを作っている最中だった。

「おはよう春樹」
「あ、姉さんおはよう。早いね」
「うん、目が覚めちゃった」
「姉さんも食べる?丁度焼けたけど」
「たべる〜。ありがと」
春樹が焼いてくれたホットケーキを受け取りテーブルに座る。

「そうそう春樹、今日私でかけてくるね」
「どこに?」
「ショッピングモール」
「買い物?俺もついていこうか?」
「大丈夫よ。春樹も疲れてるみたいだし、ゆっくり休んで」
「俺のことは気にしなくて良いのに…。でも、気をつけて行って来てよ?何があるか分からないんだから」
「うん」

春樹には伝えたし、後は準備して出かけるだけかな。
まだ早いけど…
(あれ?)
携帯電話を見ると、メールが来ていた。
見ると一郎君からだ。時間は夜中、私が寝た後にきたみたいだ。

『電話に出られなくてすまない。なにかあったのか?』

一郎君らしい簡潔なメール。
私からの着信をみて、わざわざくれたみたいだ。
どうしよう…?

1メールで返信する
2電話をかける
3返事をしない
303名無しって呼んでいいか?:2007/03/12(月) 12:16:04 ID:???
勢いで書いた

本当にあったら怖い話第1話(なんて)

客女「今年も同じメンツか〜」
女友「あたりまえでしょwクラス替えないんだから」
客女「そりゃそうなんだけどさ〜、こう、新しい出会いとか…」
女友「うはwwwwアンタからそんなセリフが聞けるとはおもわんかったwwwwやっと二次元卒業?wwwww」
客女「いや〜、二次元ちっくに進んだらおもしry」
女友「ないないないwww」

??「ほらほら、始業ベルはなってるぞ席につけー」
女友「あ、先生きたよ」
客女「え?……くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
女友「なに、どうしたの?」
客女「て、て、てんちょーーー!?」
店長「なにをいっている。先生だ。早く席につけ」
客女「は?先生?(な、なに?どうなってんの!?)」
店長「先生がカッコいいからって、驚くのは当然だが」
客女「いや、そうじゃなく」
店長「照れなくても良いぞ。なんなら惚れてくれてかまわない」
客女「いや、だから…」
店長「さて、とりあえず、今日の予定を……」


304名無しって呼んでいいか?:2007/03/12(月) 12:17:28 ID:???
(昼休み)
客女「(なんかへんっ、絶対変!!!!)」
店員「なんだ?人の顔みてそんなに驚くなよ…」
客女「なんでっ、あんたがここにいるのよ店員っ!」
店員「なんでって、俺ここの生徒だし…、てか先輩に対してその態度はどうよ?」
客女「は!?先輩?(だれがっ!?)」
新人「あ、客女さーん」
客女「えええ!?新人君まで、なんでっ!?」
新人「客女さんがこの学校だって聞いたので、前の学校から転校してきました^^」
客女「はぁ!?(てか新人くんなら本当にやりそうだけど…)」
新人「これから同じ学校です、よろしくおねがいしますね^^」
店員「そうだ、お前昼飯まだだな?一緒に食べる奴いないんだろ?俺が一緒に食ってやるよ」
新人「先輩心配には及びません。僕が一緒に食べますから^^」
店員「……っ…orz」
眼鏡「ここにいたか…」
客女「あ、眼鏡!(よかった、眼鏡は眼鏡だ…)」
眼鏡「探したぞ、今日の昼休みは生徒会の集まりがあるから来るように言っておいただろう?」
客女「へ?生徒会?」
眼鏡「そうだ。副会長が来なくてどうする」
客女「………副会長?だれが……?」
眼鏡「そこまで忘れたのか?君は生徒会副会長だろう。ちなみに僕が会長だ」
客女「はぁ!????」
眼鏡「良いから早く来い」


305名無しって呼んでいいか?:2007/03/12(月) 12:18:25 ID:???
(生徒会室)
客女「(いや、うん、ここまできたら予想はしてたけど…)」
従兄「おそいぞー、早くしないと昼休み終わっちゃうジャマイカ」
客女「で……あんたは何なの?」
従兄「なんなのって、ひどいわっ、生徒会の顧問でしょー」
客女「顧問……ってことは、先生なわけっ!?てか、くっつくなっ」
従兄「何当たり前のこといってるのよーこの子はっ」
眼鏡「先生、教育委員会に訴えますよ。邪魔するなら出て行ってください」
従兄「 工エエェェ(´д`)ェェエエ工工せっかく客女と一緒にいたいから、裏から手を回して、副会長にしたのにぃぃぃ」
眼鏡「…………警察のほうがいいか」
従兄「ちょwなにその電話wwwww」
眼鏡「強制わいせつの現行犯です至急きてください」
従兄「mjk」
警察「逮捕します」
客女「はやっ」
従兄「誤解ですぅぅぅぅぅぅ」

眼鏡「………やっと二人きりになったな」
客女「へ?(な、なに?このふいんき(なぜか変換できry)」
眼鏡「君は知っているだろうか?」
客女「な、なにを…?」
眼鏡「僕がどんなに君のことを………」
新人「させませんっ!!!」
店員「……あぶなかった、おい無事か」
客女「無事って…せっかくの告白タイ……ム」
店員「…お前は、俺よりこの眼鏡のほうがいいのか?」
客女「え?(な、なに?そんな目でみないでぇぇぇぇ)」
店員「俺はっ、ずっと……お前だk……ぐふっ」
客女「ちょ……眼鏡、新人くん?」
新人「本当に油断も隙もあったもんじゃありませんね^^」
眼鏡「まったくだ」
306名無しって呼んでいいか?:2007/03/12(月) 12:18:58 ID:???
店長「おい、どうした?騒がしいが…」
客女「店長……」
店長「店長じゃない、先生だ。ところでそこに転がってる奴は大丈夫なのか?」
新人「大丈夫ですよ^^」
店員「大丈夫なわけあるかぁ!モロ入ったぞっ!」
眼鏡「そういう割には、すぐ復活したな。ゴキブリ並みか…」
店員「ご、ごき……」
客女「ちょ、だからなにがどうなって……」
店長「なにって…?何もおかしくないだろう?」
新人「そうですよ。何がおかしいんです?^^」
眼鏡「どこか変か?」

客女「どこって、なにもかも…」
店員「どこがおかしい?おかしくないだろう?」
新人「おかしくないですよ。僕たちは客女さんを愛しています」
眼鏡「そうだ。どこもおかしくない」
店長「普通だろう?」

客女「……いや、その、いろいろおかしすぎると…」
店員「……そうだな、おかしいかもしれない」
新人「そうですね、いまのままではおかしいです」
眼鏡「そろそろはっきりしてもらわないとな」
店長「それもそうだな……」

店員・新人・眼鏡・店長「「「「で、誰を選ぶんだ?」」」」



客女「はっ!(ゆ、夢か……)」
女友「どうしたの客女?」
客女「いや、一瞬寝てたみたいwwww」
女友「まーた、朝方までゲームしてたんでしょwwww」
客女「(雲行きあやしすぎw話をそらそう)それにしても、今年も同じメンツか〜」
女友「あたりまえでしょwクラス替えないんだから」
客女「そりゃそうなんだけどさ〜、こう、新しい出会いとか…(あれ?)」
女友「うはwwwwアンタからそんなセリフが聞けるとはおもわんかったwwwwやっと二次元卒業?wwwww」
客女「いや〜、二次元ちっくに進んだらおもしry(どっかで、この流れ…)」
女友「ないないないwww」

??「ほらほら、始業ベルはなってるぞ席につけー」
客女「………(これ、は………)」

…最初に戻る
307名無しって呼んでいいか?:2007/03/12(月) 12:22:28 ID:???
ぎゃー、スレまちがったorz

全部投下するまで気づかなかったなんて、激しくスルーしてください;;
308名無しって呼んでいいか?:2007/03/12(月) 13:56:09 ID:???
>>307  (。・ω・)ノ゙ (ノд‐。)

1メールで返信する

日曜日だし、まだ寝ているかもしれない。
メールで返信することにする。

”わざわざごめんなさい。
 用件は済んだので、大丈夫です”

何のために電話したのか書こうかなやんだけどやめて、簡単にすませる。

返信もすんで部屋にもどって戸を開けると、何かにぶつかる音。
(あれ?)

あけてみるとテディベアが転がっていくところだった。
「きゃー、ごめんごめん…」

私が出て行った後をついてこようとしたんだろう。
テディベアはとまると、また私のほうへヨタヨタと歩いてきた。
足元までやってきたテディベアを抱き上げる。
「ごめんね」

謝って頭をなでる。
(そうだ、この子に名前をつけようかな?)

@名前を考える
Aやっぱりやめる
B”くまちゃん”でいいか
309名無しって呼んでいいか?:2007/03/13(火) 06:41:47 ID:???
@名前を考える

(うん、やっぱり考えてあげよう!)
ずっとくまちゃんって呼んでた人形をじっとみる。

「誕生日にもららったんだから…って、男の子かな?女の子かな?」
神様にだって性別はあるとおもうし…。

(青いリボンをつけてるから、男の子…?)
首に巻かれたリボンをなでる。

(春に私と会ったんだからやっぱり春にちなんだ名前がいいかな?)
リボンをなでている私の手をふわふわした手で捕まえようとする仕草が愛らしい。

(そういえば結構風の強い日だったなぁ)
春だから、風が強い日が多いのは当たり前だけれど、あの日は特に強かった。
庭においていた鉢植えが、誕生日会の最中に倒れてしまったことを思い出す。

(でも、熊だし、男の子っぽい、強い名前がいいのかなあ?)
ぱぱぱっと、歴史上の人物の名前が頭をよぎる。

どうしよう?

1.チハル
2.フウタ
3.タカモリ
310名無しって呼んでいいか?:2007/03/13(火) 13:28:21 ID:???
1.チハル

「よし、今日からお前はチハル。チハルって名前ね?」
青いリボンをつけているからといって、男の子とは限らない。
どちらでも通用する名前にする。
そんな、私の言葉にチハルはくるくるとその場で回った。

(喜んでるのかな?)
いまいちよく分からないが、嫌がってはいないみたいだ。

(さてと、出かける準備しなくちゃ…)
時間はまだ8時を過ぎたばかり。
けれど、着ていく服もぜんぜん決めていない。

(何を着ていこうかな…?)
クローゼットとたんすを開け、悩む。

@普段どおりのジーンズ
Aかわいいワンピース
Bスポーティなホットパンツ
311名無しって呼んでいいか?:2007/03/13(火) 14:15:18 ID:???
@普段どおりのジーンズ

昨日の周防さんの言葉を意識する訳ではないけれど、特別めかしこむのもなんとなく気恥ずかしい気がする。
普段どおりのジーンズにレイヤード風のカットソーをあわせて床にひろげてみる。

(とりあえず、こんなかんじで良いかな。…それとももうちょっと気合入れるべき?)

広げた服を前に考えているとヨチヨチと歩き回るチハルが目に入った。
気休めとは思いつつ抱き上げて話しかける。

「ねえチハル。今日着ていく服、こういうのはどう?」
顔を覗き込むと、私を見上げてまるで「何のこと?」と問い掛けるように首をかしげた。

「これじゃ地味すぎるかな?」

重ねてきくと数秒間をおいた後、チハルはまるで子猫がするように頬擦りをした。

(…ってチハルにきいても仕方ないか)

苦笑いをしつつ、ご機嫌な様子であちこち動き回るチハルをベッドの上に座らせる。
「今日はちょっと出かけてくるから、いい子でお留守番しててね」
小さな子供に言い聞かせるようにチハルにそう言って広げた服を手にとった。

チャーラーラーチャラーラーラー

「電話?」
鳴り響く携帯電話を取り上げるとディスプレイには見知らぬ番号が映し出されている。
(知らない番号だ…普段だったら出ないんだけど)

一瞬昨日の周防さんと御門くんの事が頭の隅をかすめる。彼らは私の番号は知らないはずだけれど、もしかしたら何か急な連絡事項でもあって電話をしてきたのかもしれない。

電話に出るべきか否か躊躇していると、下げたままの腕に柔らかい感触がした。
見ればチハルがしがみついている。

「どうしたの?」

チハルは真っ黒いまん丸な目で私をみつめたまま動かない。

どうしたんだろう。

1、電話は後回し、チハルが気になる
2、チハルは後回し、電話に出る
3、どちらも気にせずに支度を続ける
312名無しって呼んでいいか?:2007/03/13(火) 14:55:52 ID:???
1、電話は後回し、チハルが気になる

「チハル?」
じっと私を見つめる目が何かを訴えているようだ。
腕にしがみつくその様子は、絶対に離れないぞ、という意思を感じる。

「もしかして、置いていかれたくないの?」
さっきも私を追いかけて、戸の前まで来ていたことを思い出す。
私の言葉に反応するように、チハルが私の腕をよじ登ってきた。
携帯電話の呼び出し音が止まり、伝言モードに切り替わった。

(知らない電話番号だけど、大事な用事なら伝言入れるわよね…間違い電話かもしれないし)
私はチハルを抱き上げて、目線の高さまで持ち上げる。

「一緒には行けないのよ?」
私の言葉に、イヤイヤというように、手足をじたばたさせるチハル。
そのかわいさに、ついほだされそうになる。

(どうしよう…)

@つれていく
A言い聞かせておいて行く
B隆に相談する
313名無しって呼んでいいか?:2007/03/14(水) 06:39:46 ID:???
@つれていく

つぶらな瞳に見つめられて…落ちた。

(かわいいよもぅぅぅぅ!)
「わかったわかった、つれていってあげるから。でも、絶対に動いちゃ駄目だからね?」
チハルはわかったのか動きを止めた。

「ふふ、まだうごいててもいいよ?外にでたらうごかないようにしてね?」
大き目のバックなら、チハルを入れてもって歩いても大丈夫だろう。
そういえば、あのバックはどこにしまったっけ?
室内を見回してとりあえず置いておいた携帯電話に視線がとまる。

(あ、そういえばさっきの電話…)
見ると、伝言は入っていない。
かけなおしたほうがいいだろうか?

さて、どうしよう…?

1.まずバックを探す
2.とりあえず折り返し電話をかけてみる
3.先に着替えをする
314名無しって呼んでいいか?:2007/03/14(水) 14:07:01 ID:???
1.まずバックを探す

着替えは一応用意してあるので着替えに時間はかからない。
電話はメッセージも入っていないので大事な用件ではないと判断する。

(クローゼットだったかな…)
大きめだから、形が崩れないようにクローゼットの奥にしまったような気がする。

「確か、この辺……あ、あった」
青い縞のトートバッグを見つけ引っ張り出す。
外側に大きなポケットがついているので、そこにチハルを入れるとかわいいかもしれない。

「あれ?」
バッグを取り出すときに、奥のほうから一緒に引きずられて出てきたらしい箱が床に転がっている。

「なんだっけ?これ…」
手のひらより少し大きめの平たい箱。
あけてみると、かわいらしいネックレス。

「かわいい……でも、こんなの持ってたっけ?」
記憶を探るが、引っかかるものがない。

(もしかして、お母さんの?)
子供の頃からずっと使っている部屋だ。
家具などは時々配置を変えたりしているが、家具そのものはずっとそのまま使っている。
私に覚えがないとすると、お母さんが置いていったものとしか思えない。

(あ、今日着て行こうと思ってた服に合うかも…)
普段どおりの服装だと少し地味だけれど、これをつけると少しは華やぐ。

@つけていく
Aつけていかない
Bもう少し考える
315名無しって呼んでいいか?:2007/03/14(水) 15:40:28 ID:???
@つけていく

(少しくらいならおしゃれしたっていいよね?)
結局、私はそのネックレスをつけていくことにした。

「さてと…そうと決まったら早く準備しないとね」
呟きながら時計を見る。
今から支度すればちょうどいいくらいに家を出ることができそうだ。
(遅刻だけはしないようにしないと…)
そんなことを考えながら、着替えに手を伸ばそうとすると。

チャーラーラーチャラーラーラー

「わっ」
まるではかったかのようなタイミングで流れ出すメロディ。
……携帯だ。

(えっと、このメロディは…)

1.電話の着信メロディ
2.メールの受信メロディ
3.アラームで設定していたメロディ
316名無しって呼んでいいか?:2007/03/14(水) 17:11:51 ID:???
1.電話の着信メロディ

「電話だ…」
さっきは知らない電話番号だったけど…今度は?

「あれ、一郎君?」
一応メールを返信しておいたけれど、気になって電話してくれたのかもしれない。

「はい、もしもし?」
「…大堂か?」
「うん、昨日はごめんね?わざわざメールまでもらっちゃって…」
「いや、かまわない。返信は読んだからな」
(返信を読んでも電話をくれたってことは、何か別の用事なのかな?)
「それとは別件なのだが、今日これから時間はあいているだろうか?」
私の思考をよんだかのように、一郎君が言葉を続ける。

「え?今日これから…?」
「ああ、何か予定がはいっているのか?」

なんて答えよう…?

@「うん、ちょっと出かけるの」
A「知り合いと買いものに…」
B「…一郎君の用事はなに?」
317名無しって呼んでいいか?:2007/03/15(木) 06:34:28 ID:???
@「うん、ちょっと出かけるの」

「…それは、キャンセルできないのか?」
どうしたんだろう…一郎君の用事はそんなに大事なものなのかな?
でも、周防さんたちとの約束が先だし、キャンセルしようにも、連絡先がわからない。

「えっと、ごめんね。約束で…でかけるから」
「そうか、約束なら仕方がないな」
「ほんとごめんね」
「いや、急だったからな。それじゃ」
「あ…」
「…ん?どうした?」

つい、呼び止めちゃった…

1「なんでもない」
2「夜なら時間あるけど?」
3「どんな用事だったの?」
318名無しって呼んでいいか?:2007/03/15(木) 17:02:43 ID:???
1「なんでもない」

「そうか、では、また明日学校で」
「うん、明日ね」
一郎君の用事はきっと、力に関することだろう。

(今日一日はゆっくり休むって決めたんだから…)
気になるけれども、今日だけはゆっくりしたい。
心の中で、何度も一郎君に謝って急いで着替えをする。
時計を見ると、家を出るのに丁度いい時間になっていた。

「チハル、おいで」
ネックレスをつけながらチハルを呼ぶ。
足元までやってきたチハルを抱き上げて、トートバックのポケットに顔が出るように入れてあげる。
モゾモゾとチハルが体勢を変える。
両腕をポケットの外に出して、落ち着いたのか私を見上げてくる。

「動いちゃだめだからね?」
一応念をおして、サイフと携帯電話、小物類がきちんと入ってるかチェックして、部屋を出た。

「春樹、それじゃいってくるね」
リビングに顔を出して、テレビを見ている春樹に声をかける。

「うん、気をつけて」
振り返った春樹に手を振って、玄関へ急ぐ。
スニーカーをはいて玄関をでた。

駅の前まで来ると、15分前。

(丁度いいかな?)
周防さんと御門くんはまだきていないみたいだ。

どうしよう?

1.このまま待つ
2.いったん駅に入る
3.少し探してみる
319名無しって呼んでいいか?:2007/03/16(金) 06:37:04 ID:???
1.このまま待つ

(もう少しで時間だし、変に動いてすれ違ったら大変よね?)
おとなしくよく待ち合わせに使われる、駅名の入った石の前で待つことにする。

(御門君は時間通りにきそうよね)
見るからに真面目そうな御門くんなら、時間ぴったりに到着しそうだ。

(周防さんはどうかしら…?)
10分前には到着して待っているような気もするし、遅刻してきそうな気もする。
ぼんやりと、考えながら待っている時間が、私は結構好きだ。
ぼんやりしすぎていて、待っている人が来ているのに気づかないこともしばしばあったりして…。

とんとん

(あっ、いけない、また…)
肩をたたかれて、慌てて振り返る。
そこに立っていたのは…

1御門くん
2周防さん
3修二くん
320名無しって呼んでいいか?:2007/03/16(金) 09:38:27 ID:???
2周防さん

「よっ、おはようさん」
片手を軽くあげながら、いつものように挨拶してくるその人物。

「…………周防さん?」
「おう、そうだぞ。周防おにーさんだ」
思わず聞き返してしまう私に、周防さんは満面の笑みで答える。
「こっちでは初めましてだもんな。
……でも、別段変わりないだろ?」
「は、はい」
その言葉に、私は一応頷いてみせる。
(でも、やっぱり夢と現実じゃなんだか違う感じがするよね)
夢は少しぼやけていて、感覚とか存在感とかも同様にぼやけている感じがするのだ。
だから、今こうして改めて目の当たりにすると……
(周防さんって、こんな感じの人だったんだ)
そんな風に思う。

「ところで、冬馬はまだか?」
「ええ。みたいですね」
少なくとも私とはまだ合流していない。
私の答えに、苦笑いを浮かべながら周防さんが呟く。
「ったく。しょうがねーな、あいつも」
そして、そのまま空へと視線を向ける。
つられて私も空を見上げた。

……今日もいい天気だ。

「…………あー。ところでさ、愛菜ちゃん?」
そのまま空を見上げていると、珍しく歯切れの悪い口調で周防さんが切り出してくる。
そちらを向くと、周防さんの少し困ったような表情。
「その……今日のことなんだが。ちょっとばかし、お願いがあるんだよ」
「お願い?」
ちょっと様子の変な周防さんに首を傾げつつも私は先を促す。

「ああ。……あのな、冬馬のことなんだけどさ」
周防さんはそう前置きをして話を続ける。

「今日……もしかしたら突飛な行動とか、常識的にちょっと変なこととかやっちまうかもしれないんだけど。
引かないで、見守ってほしいって言うか逃げないでほしいって言うか……あー、なんていったらいいんだろ」
周防さん自身もなんと言っていいか迷っているようだ。

……要は、「御門君が変な行動を取るかもしれないけど引いたりしないで」ってことでいいんだろうか。

どういうこと?
それに、どうして周防さんがそれをお願いするんだろう?

@「どうしてですか?」
A「例えば?」
B「周防さんは何か知ってるんですか?」
321名無しって呼んでいいか?:2007/03/16(金) 11:03:02 ID:???
A「例えば?」

と、聞いてからふと以前病院であったときのことを思い出す。

(あの時は急に服を脱ぎだして…)
「そういえば、以前…」
困ったようにうなる周防さんが口を開く前に、以前会ったときのことを話す。

「あいつ、また……」
がっくりと脱力した周防さんは、すぐに顔を上げてあきらめたような顔で言う。

「そうそう、そういうこと…」
「わかりました」
御門君って何をするか分からないところが確かにある。
ある意味、それは想定内といえば、想定内かもしれない。

「お、きたきた。冬馬!こっちだ」
時計を見ると時間ぴったりだ。

「おはよう、御門くん…」
「………」
御門くんは相変わらず無言で、こちらを見ている。
服装はといえば…

「なんで制服なんだ…?」
あきれたように言う周防さん。
私は制服以外を着ている御門くんを想像できなかったので、なんとなく納得してしまう。

(でも、日曜日にまで制服なんて…)

1.「なんで制服なの?」
2.「せっかくだから御門くんの服を選んであげるって言うのは?」
3.とくに何も言わない
322名無しって呼んでいいか?:2007/03/17(土) 00:53:36 ID:???
2.「せっかくだから御門くんの服を選んであげるって言うのは?」

「……だな。それはいい考えだ」
周防さんがうんうんと頷いて賛同してくれた。
「よっし、いっちょ冬馬改造計画と行きますか!
よろしくな、愛菜ちゃん」
その言葉に私は力強く頷き返した。
「はい、頑張りましょう!」
勢いのまま、私たちは固い握手を交わす。
(なんか、ちょっと楽しくなってきたかも……)

そんな私たちのやり取りを前に、当の御門くんはというと。
「…………」
相変わらずの無表情のままわずかに首を傾げただけだった。


「そうと決まれば早速……っと、その前に」
不意に周防さんが何かを思い出したように声を上げる。

「今日を楽しい一日にするために、俺からひとつ意見を出したいと思いまーす」
軽く挙手しつつ、「はーい注目ー」とおどけた口調で続ける。
私たちの視線が自分に向けられたのを確認したのか、周防さんは話を始めた。

「今日はさ、”アレ”に関する話題は一切禁止にしないか?」
”アレ”……周防さんはぼかして表現したが、おそらくは力のことだろう。

「ちなみに、言ったやつはペナルティってことで。
…そうだな…他の二人のお願いを一つずつ聞くってのはどうだ?」

周防さんからの意見。
それに対して、私は……

1、「私はいいと思います」
2、「御門くんはどう?」
3、「うーん……異議あり、かも」
323名無しって呼んでいいか?:2007/03/17(土) 07:46:45 ID:???
1、「私はいいと思います」

今日は周防さんが私がゆっくり休めるようにしてくれた日だ。
それに否を唱えるつもりはない。
御門くんをみると、相変わらずの無表情で立っている。

(御門君は自分から話すことはなさそうよね…)
「よっし、それじゃ二人とも気をつけるように」

ぽんぽんと私たち二人の頭を順番にたたいて、周防さんは上機嫌で言った。
「それじゃ、いくとしますか!」

そういって、私たちを促して歩き出した周防さんを追いかける。


ショッピングモールにつくと、日曜日ということもあってか、比較的人が多かった。

「さて、と…どこから回ろうか?」
「そうですねぇ?」
3階建てのモール内を思い出す。

1.小物、靴、雑貨のお店が多い1階
2.服の多い2階
3.本屋、CDショップ、レストランなどがある3階
324名無しって呼んでいいか?:2007/03/18(日) 12:19:49 ID:???
3.本屋、CDショップ、レストランなどがある3階

「そうですねえ、まず3階の本屋さんで、ファッション誌を見て研究とか?
 私、男性の流行なんて知りませんし…」
私の言葉に、周防さんも頷く。

「そうだな、どういう系統の服がいいか参考に見に行ってみるか」
「………」
私たちが相談している間も、御門君は無言で聞いているだけだ。

本屋で早速ファッション誌をチェックする。

「やっぱり一番多いのはジーンズだな」
「そうですね、次はこれかしら?イージーパンツ?」
「そうだな…、あとこれなんかもよくみないか?」
「そうですねえ…」

どんなのがいいかな?

@ジーンズ
Aイージーパンツ
Bチノパンツ
325名無しって呼んでいいか?:2007/03/19(月) 06:38:21 ID:???
@ジーンズ

「やっぱり定番が一番じゃないですか?」
「そうだなあ。色々合わせやすいしな」
「そうですよね」
パラパラと雑誌をめくって、ジーンズにしようということで落ち着く。

「後は店を見ながらでもいいな」
「そうですね。雑誌に載ってるのがあるとは限らないし…」
「それじゃ、見に行ってみるか」
「はいっ」
「………」
今度は2階のジーンズショップに移動する。

「うーん。どれがいいかな」
「う〜ん…」
ジーンズといっても種類は色々ある。
色はやはり、定番の青がいいかな?
でも、御門くんには黒のほうが似合う気がする。
せっかくだから、全然イメージの違う白なんかもいいかもしれない。

どうしよう…
1青
2黒
3白
326名無しって呼んでいいか?:2007/03/19(月) 14:31:07 ID:???
2黒

「黒のストレートが無難?」
後に立ったままの御門くんを振り返り、ジーンズをはいたところを想像する。

「そうだなあ。冬馬は黒のイメージだよな」
うんうんと、頷いて周防さんは手近なブラックジーンズを手に取った。

「サイズはこのくらいかぁ?おい、冬馬ちょっと試着してみろ」
「………」
受け取ったズボンを御門くんはしばらく無言で見ていたが、おもむろにベルトを外した。

「え!?」
「ちょっ、こら、まて!あっちだ、試着室!!」
あわてて周防さんが御門くんを制止して、試着室へ引きずっていく。
周防さんは御門くんを試着室に押し込み、ため息をついた。

「びっくりしました…」
「…はは、そうだなこうなることは、予想できたな」
「そ、そうですよね」
二人で乾いた笑いを交わしつつ、シャツのコーナーを見る。
ジーンズショップにおいてあるだけあり、どれもジーンズに合わせやすいものばかりだ。

「上はどんなのがいい?」
周防さんに尋ねられ、考える。

上も黒系にしてしまおうか?
それとも、白系?
答えは期待できないけれど、御門くんに好みの色を聞いてみるのも良いかもしれない。

@黒系
A白系
B御門くんに好みの色を聞いてみある。
327名無しって呼んでいいか?:2007/03/23(金) 10:47:01 ID:???
B御門くんに好みの色を聞いてみる。

(一応本人にも聞いておいたほうがいいかな?)
いろいろな色のシャツを見ながら、私はそんなことを思った。

「私、ちょっと御門君に聞いてきますね」
「おう」
周防さんに見送られながら、私は試着室の前へと歩いてくる。

「御門君?ちょっといいかな?」
ノックをしながら呼びかける。
「はい」
中からはすぐに御門君の返事が聞こえてきた。
そして、ほぼ同時に試着室のドアノブが内側から回される。

それを見て、ふと脳裏に浮かんだのはさっきの光景。
何故か嫌な予感が頭をよぎる。

「あ、いいの!いいから、開けないで!そのまま聞いてっ」
慌てて言うと、ピタリとドアノブの動きが止まった。
……どうやらすんでのところで止まってくれたらしい。

(ま、間に合った……)
内心ほっと胸をなでおろしつつ、本題に入る。
「あのね?御門君って、何色が好きなのかな?」
「…………色?」
聞き返された言葉に私は頷いた。
「うん」

反応はすぐには返ってこなかった。
ほんの少しだけ沈黙が訪れる。

(だ、大丈夫かな……?)
心配になりつつも、私は御門君の答えを根気強く待つ。

やがて、内側から聞こえてくる御門君の声。
けれどそれは質問の答えではなくて。
「………………あなたは?」
「え?私?」
「はい」
私が御門君に質問しているはずなのに、質問をそのまま返されてしまった。

御門君なりに考えて、迷っているのだろうか?
……それとも、そういうのもよく分からなかったりするのだろうか?

疑問に思いつつも私は考える。

(私の、好きな色……)
うーん、どれかと言えば……

1.暖色系の色が好き
2.寒色系の色が好き
3.モノトーン系の色が好き
328名無しって呼んでいいか?:2007/03/23(金) 17:21:23 ID:???
2.寒色系の色が好き

「赤とか黄色とかよりは、青とか緑のほうが好き、かな?」
ちょっと考えて答える。
そういえば、チハルの首に結んであるのも青いリボンだ。
私の好みを知っている隆が選んだのだから当たり前だけど…。

(そういえば、チハルのリボンもだいぶ色あせちゃったな…)
鞄のポケットに入っているチハルを見て、後でリボンを見に行ってみようかと思いつく。

「…………青と緑」
長い沈黙の後、御門君の思案するような声。

「御門君は?」
「………緑」
最初の問を返すと、御門君の答えが返ってきた。

「分かった緑ね?ちょっと待ってて」
御門君の答えを聞いて、周防さんのところへ戻る。

「御門くん緑色が好きみたいです」
「へぇ?そうなんだ……にしても、よく冬馬から答えを引き出せたなあ」
「そうですか?……あ、これとかどうでしょう」
「それもいいが、こっちはどうだ?」
「あー、そっちもいいですね…」

私が手に取ったのは、淡い緑色のシャツ
周防さんが手に取ったのは、深緑色のシャツ

さて、どうしよう…

@淡い緑色を持っていく
A深緑色を持っていく
B両方持っていく
329名無しって呼んでいいか?:2007/03/23(金) 20:35:43 ID:???
B両方持っていく

―――両方試着してもらって、それから考えてもいいよね?

「じゃあ、両方持っていきましょうか?」
「そうだな」
私の言葉に頷くと、周防さんは私の手から淡い緑色のシャツをそっと取った。
「んじゃ、俺が持ってくよ」
そして、私に背を向けて試着室のほうへと歩いていく。

何気なく、そのまま様子を見守ることにする。

さっきの私と同じように、試着室のドアをノックする周防さん。
やがて、中から御門君が出てきた。
「………」
周防さんはふたつのシャツを御門君に見せながら笑顔で何かを話している。
御門君は特に頷いたりすることもなく、ただ差し出されたシャツをじっと見つめていた。

そんな二人を見ながら私は、

@御門君のことが気になっていた。
A周防さんのことが気になっていた。
B二人のことが気になっていた。
330名無しって呼んでいいか?:2007/03/24(土) 08:59:00 ID:???
@御門君のことが気になっていた。

ほとんど無表情で、何を考えているのかさっぱりわからない。
無口だけれど、言葉は普通に話せる。
真面目そうだけど、夜中に家の前にいたりする。
なぜか微妙に常識がずれていて、行動が読みにくい。

(ほんと、不思議な人だよね御門くん…)
「愛菜ちゃん」
ぼーっとしていると、周防さんがにこにこと私を手招きしている。

「はいっ」
周防さんの隣に立つと、御門君が淡い緑のシャツを着て立っていた。

「愛菜ちゃんが選んだほうが良いっていうから、こっちにきめちゃったよ」
「え?あ、はい」
「…………」
「このまま着ていけるようにしてもらうよ。愛菜ちゃん、ごめん。これ返しておいて。冬馬ほら、レジいくぞ」
「いってらっしゃい」
私は、周防さんから深緑色のシャツを受け取ると元の場所へ戻した。
レジのほうを見るとまだ並んでいるところだった。

(レジにいっちゃうと他のお客さんの邪魔かしら…?)

1.二人に合流する
2.店の中を見て回る
3.店の外で待つ
331名無しって呼んでいいか?:2007/03/25(日) 22:55:04 ID:???
3.店の外で待つ

私は店の外に出て、二人が会計を済ませるのを待っていた。

(よかった。御門君の服、とっても似合っているな)

買ったジーンズの裾を切らずに済んだのは、御門君の足が長い証拠だ。
制服では気付かなかったけれど、長い手足と均整の取れた体つきは日本人離れしている。
レジで並ぶ周防さんと御門君は、いい意味でとても目立っていた。

(もしかして、二人ともかなりかっこいいんじゃないのかな……)
そう考えると、夢の中で『デート』と言った周防さんの言葉が頭をかすめた。
思わず気恥ずかしくなって、うつむいてしまう。
(これはデートじゃなくて、気晴らしだよ、気晴らし)

「愛菜ちゃんお待たせ……って、あれ? 顔が赤いみたいだけど大丈夫?」
周防さんはクスッと笑いながら、私に尋ねる。
「いえ、なんでもないです」
「そう? 意外と俺たちがイケてるかも…なんて思ってたんじゃないの?」
身をかがめ、周防さんは楽しそうに私を覗き込む。
「………!」
「初々しいねぇ。だけど、男に対してもう少し耐性をつけた方がいいかもしれないな」
「本当になんでもないです」
「そんな嘘つきにはお仕置きだぞ〜」
そう言って、周防さんは私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「か、髪がぐちゃぐちゃになるからやめてくださいっっ」
髪をおさえて、私はほぼ無意味な抵抗を試みる。
「ほれほれー」
周防さんは笑いながら、しばらくそのまま撫で続けていた。

少しの間、私をいじめて(?)いた周防さんがようやく手を止めた。
「おっと。冬馬が妬いてるし、このくらいにしておくかな……」
「…………」
御門君はあいかわらず無表情に私を見つめている。

私は
@御門君に話しかける
A周防さんに話しかける
B二人の様子をみる
332名無しって呼んでいいか?:2007/03/26(月) 07:00:41 ID:???
@御門君に話しかける

「嫉妬って…、なんで御門くんが嫉妬するのよ、ねぇ?」
「…………」
御門くんに同意を求めるが、案の定無言で見つめられるだけ。

「………」
「え?」
スッと御門くんが近づいてきたかと思うと、さっき周防さんがしたように私の頭をなで始める。
周防さんと違うのは、ぐしゃぐしゃになった髪を整えるような丁寧なものだということ。

「……っぷ、は、あはは、な、だから……ははっ、言ったろ?……っぷぷ」
びっくりする私と、頭をなでつつける御門くんを見ながら、周防さんが爆笑する。
予想外のことに、私は呆然とされるがままになっている私。

「み、御門くん、髪大丈夫だから……」
「………」
我に返った私の言葉に、御門くんは頭をなでるのをやめた。

(び、びっくりした…)
「さてと、次はどうする?」
ほてった顔に手を当てていると、周防さんがたずねてきた。

時間を見ると、もう少しでお昼。
チハルの新しいリボンもみたい。
周防さん達は何か他にほしいものはないのだろうか?

1.早めに昼食にする
2.チハルのリボンを見に行く
3.周防さんたちにどこか行きたいところはないか聞く。
333名無しって呼んでいいか?:2007/03/27(火) 15:16:23 ID:???
1.早めに昼食にする

「少し早いけど、先にご飯にしませんか?日曜日で混みそうだし」
「うん、それがいいかもしれない」
周防さんも時計を確認して頷いた。

「それじゃ、移動しようか?」
「はーい」
「…………」
「ところで愛菜ちゃんは朝なにたべてきたの?」
「えっと、ホットケーキです。周防さんと御門くんは?」
「俺?俺は普通にご飯に味噌汁だったなぁ〜」
「………」
「……御門くんは?」
「………」
無言のままじっと見つめてくる御門くん。

「冬馬は、どうせ食べてきてないだろ?」
「………」
周防さんの言葉に、かすかに頷く御門くん。

「そうなんだ?」
「冬馬はいつものことだよな。愛菜ちゃんは何が食べたい?」

私はこういうところに来ると大体ファーストフードで済ませちゃうけど…。
御門くん朝食べてないならちゃんと食べられるようなところが良いかも。
でも、和食は周防さんが朝食べてきたって言ったし…。

@ファーストフード
Aファミレス
B名物カレー専門店
334名無しって呼んでいいか?:2007/03/27(火) 23:39:42 ID:???
B名物カレー専門店

「フードコートに名物カレー専門店があるんです。そこにしませんか?」
「俺はいいけど。冬馬、お前は?」
周防さんは御門君に尋ねる。

「……………おととい」
「オトトイ?」
御門君の言葉の意味がわからず、私は思わず聞き返した。
「一昨日、あなたの夕食はカレーでした」

(……おとといは確かにカレーだったけど、なぜ御門君が知っているんだろう)

「どうして御門君が私のおとといの夕食を知っているの?」
「…………」
御門君はじっと私を見つめている。
答えが返ってくるのを私は辛抱強く待った。

「……つながってるから……わかります」

御門君には仮契約で守ってもらっているんだった。
だけど、食べたものまで御門君にわかってしまうなんて……。
もしかして私がトイレに入ったりしても御門君に筒抜けなのかな。

(そ、それは困るよ!)

「ストップ! それ以上話すとペナルティだけどいいのかな、お二人さん?」
周防さんが私たちの会話に割って入る。

私は……
@周防さんに言うことをきく
A御門君にさらに尋ねる
Bとにかくカレーが食べたい
335名無しって呼んでいいか?:2007/03/28(水) 06:57:01 ID:???
@周防さんに言うことをきく

(そ、そうよねっ、今日はこういう話はなしだもん、後で御門君に聞こう…)
「………」
「はい、いい子いい子」
口をつぐんだ私たちの頭を、周防さんが子供にするようになでる。

「で、愛菜ちゃんはおとといカレーだったみたいだけど、いいの?カレーで」
「家で食べるカレーと専門店のカレーは別物ですから」
「確かに、ちがうよなぁ〜、やっぱりスパイスとかかね?っと、冬馬カレーでいいか?」
「………」
無言で頷く御門君を確認して、周防さんは頷いた。

「それじゃカレーにすっか。混む前にレッツゴー」
「はいっ」
「………」
歩き出した周防さんについて歩きながらふと、疑問が浮かぶ。

「周防さん、ここに良くくるんですか?」
「ん?いや?できた頃に一回だけかな?どうして?」
「足取りに迷いがないので…よく来るのかなと……」
「あ〜、ほら入り口にモールの全体図と店の案内があったのみたから」
「確かに…ありましたね」
でも、立ち止まってまで見ていない。

(一瞬見ただけで全部覚えちゃった…とか?まさかね、大まかに覚えてるだけよね)
「さて到着〜、とりあえず入ろう」
「はーい」
店内に入るとお客さんはまだまばらで、好きな席に座ることができた。
メニューを開きながら、周防さんがたずねてくる。

「何食べる?」
「う〜ん……」
私が好きなのは、このへんだけど…今日はどうしようかな?

@ベジタブルカレー
Aチキンカレー
B激辛カレー
336名無しって呼んでいいか?:2007/03/28(水) 19:18:27 ID:???
@ベジタブルカレー

「愛菜ちゃん、決まった?」
周防さんはメニュー表を見ながら尋ねてきた。
「私はベジタブルカレーにします」
「了解。冬馬は?」
その時、ウェイトレスが注文をとりにやって来た。

「俺はビーフカレー、この子はベジタブルカレー。お前はどうするよ?」
周防さんに促され、御門君はメニュー表をゆっくり指差す。
「激辛カレーでよろしいでしょうか?」
ウェイトレスの質問に御門君は無言で頷いた。

オーダーの確認を済ませると、ウェイトレスは去っていった。

目の前には、周防さんと御門君が座っている。
(よく考えたら、この二人の事を何も知らないのよね……)

まずは…すぐに答えてくれそうな周防さんに何か質問をしてみようかな。

@年齢をきく
A職業をきく
B御門君との関係をきく
337名無しって呼んでいいか?:2007/03/28(水) 19:51:11 ID:???
@年齢をきく

「そういえば周防さんって、何歳なんですか?」
職業とか御門君との関係をきくと、ペナルティになる答えになりそうなので当たり障りのない所を聞いてみる。

「うん?何歳だと思う?」
周防さんは楽しそうに逆に聞き返してきた。

「えーっと、にじゅう……に、か、さんっ」
「おしいっ!」
「え…じゃあ、21!」
「ちがーう。はい、時間切れ正解は24でした」
「むーー」

「失礼します、ナンをお持ちしました」
「ありがとさん」
ウェイトレスがナンの入ったカゴをおいていく。
焼きたてのナンのいい香りがする。
ここのナンは絶品で、私はだいすきだ。

「ここのナンは食べ放題なんですよ」
「へぇ、そうなんだ?」
「すごくおいしいんです。ナンは家じゃつくれませんから、つい食べすぎちゃって」
「食いだめって?」
「ですです」
周防さんと談笑していたら、視線を感じた。
顔を向けると、じっと御門くんが相変わらずの無表情で私を見ていた。

(……も、もしかして…すねてる?)
さっきも全然そうは見えなかったけど、周防さん曰く嫉妬していたって言うし…。
御門くんにも、なんか質問してみようかな…。

1.クラスを聞く。
2.辛いものがすきなのか聞く
3.どこに住んでいるのか聞く
338名無しって呼んでいいか?:2007/03/28(水) 23:49:27 ID:???
3.どこに住んでいるのか聞く

「ええと、あの、御門君?
御門君に聞きたいことがあるんだけど……」
私が呼びかけると、御門君は私に視線を合わせる。
……なんだかちょっと恥ずかしくなりつつも、言葉を続けた。
「その……御門君ってどこに住んでるのかな?なんて……」
私の質問に御門君が黙り込む。

(そ、そんなに難しい質問したつもりじゃなかったんだけど……)
内心困惑しながらも、ひたすら御門君の答えを待つ。

やがて、彼から返ってきた答えといえば。
「……マンションです」
その一言だけだった。

再び、場が静かになる。
御門君の答えに、どう反応していいかわからなかった。
(ちゃ、ちゃんと答えてはくれたんだよね……うん。なんかズレてるけど)

「あ、えー、えーと、そうなんだ」
結局私はそう言った。乾いた笑いを顔に浮かべながら。
正直な話、どう切り替えしたらいいかちょっと分からなかったからだ。

「冬馬、お前なー……」
その様子を見ていた周防さんが大きくため息をつく。
「おバカ」
それから、小さく呟きながら軽く冬馬君の頭を叩いた。
衝撃のせいなのか冬馬君の頭がほんの少しだけ動く。

「あ、あの、周防さん?冬馬君にも悪気があったんじゃないでしょうし……
私は気にしてませんから、ね?」
私が苦笑いをしながら止めに入ると、二人の動きが止まった。

「「…………」」
冬馬君は相変わらず無表情のまま、周防さんは驚いたような表情で。
それぞれに私を見ている。

(え?何?何なのこの反応?)

@自分の発言を思い返してみる
A妙な反応の理由を二人に聞いてみる
Bとりあえず謝る
339名無しって呼んでいいか?:2007/03/29(木) 06:50:09 ID:???
Bとりあえず謝る

「えっと、言いにくいこと聞いてごめんね、御門くん」
よく考えれば、私を守ってくれているとはいえ、プライベートにほいほい踏み込むほど親しいわけではない。

「………」
「愛菜ちゃんが謝ることないって。ずれてるのはこいつなんだから」
冬馬君は相変わらず無表情で私をみていたけれど、周防さんが苦笑する。

「おまたせしました」
そのとき丁度カレーが運ばれてくる。
それぞれのカレーをおいてウェイトレスが離れていった。

「………御門くんのカレー」
思わず見つめてしまう。
私と周防さんのカレーに比べて明らかに色が違う。
見ているだけで辛そうな黒っぽい色。

「…………」
御門くんは特に気にした様子もなく、ナンを手にとるとカレーを食べはじめた。

「俺達も食べよう、いただきまーす」
「あ、はい。いただきます」
でも、御門くんのカレーが気になってしまってつい見てしまう。
激辛のはずなのに、御門くんは表情も変えずにもくもくと食べている。

「冬馬、ちょっと分けてくれ」
周防さんも気になっていたのか、御門君のカレーをちょっと掬うとぱくっと食べた。

「………〜〜〜〜〜!!!!!」
とたん、慌てて水を飲む。

「お、おまえ、良くこんなのそんな平然と……」
よっぽど辛かったのか、なみだ目で御門君を見ている。

(そんなに辛いんだ…)

1.御門くんに一口もらう
2.周防さんにどのくらい辛かったか聞いてみる
3.さっきの反応の理由を聞いてみる
340名無しって呼んでいいか?:2007/03/29(木) 23:30:27 ID:???
1.御門くんに一口もらう

「御門くん。私も一口もらっていい?」
「いいのかぁ? 見た目以上に強烈だぞ、コレ」
「大丈夫ですよ、辛いものは平気ですから。御門くん、いい?」
御門くんは無表情のまま、首を縦に振った。

激辛カレーはこの店の人気メニューだったけれど、食べきれる自信が無くて諦めていた。
香織ちゃんは辛いものが苦手だから、この店に来る機会もあまりなかったのだ。
(一度、食べてみたかったのよね……)

そんな事を考えていると、黒い液体がすぐ目の前まで近づいていた。
「……………」
御門くんは黙ったまま、スプーンを更に近づけてくる。
(食べろってことだろうけど……ち、近い)
スパイスの効いた香りに、少し目がしみる。

「あ、ありがとう……いただきます」

差し出されたスプーンをパクリと口の中に入れた。
その瞬間、口の中に痛みが広がる。
「……〜〜〜〜〜!!!!!」
体中がブワッと焼けるように熱くなる。

「ほらっ、愛菜ちゃん。水、水っ」
周防さんがすかさずコップを差し出してくれる。
私はあおるように、その水を一気に飲み干した。

「し、死ぬかと思った……」
「ほらなぁ。せっかくお兄さんが忠告したのに無視するからだぞ」
周防さんは呆れるようにしながらも、コップに水を注いでくれた。
「…………もう、へいき?」
御門くんは少しだけ、首を傾げるようにして私に尋ねてきた。

@「大丈夫。心配してくれてありがとう」
A「御門くんは辛くないの?」
B「周防さんの忠告を聞いておけばよかったです」
341名無しって呼んでいいか?:2007/03/30(金) 00:10:51 ID:???
A「御門くんは辛くないの?」

「よく、わかりません」
私の問いに、表情一つ変えないまま御門君が答える。
しかしその答えはどこか曖昧なものだった。

(よくわからないって……辛すぎてよくわからないってことなのかな……?)
私が考えている間にも、御門君は無表情に黙々と食べ続けている。
(そういえば、周防さん、急に静かに……)
ふと、周防さんのほうに視線だけを向ける。
「……」
周防さんは何ともいえない複雑そうな表情で御門くんを見ていた。

「……周防さん?」
その表情が気になって声をかける。
周防さんは私の声で我に返ったようだった。
「悪い悪い。ちとボーっとしてた。……さ、早く食べようぜ?」
そしていつもの子供っぽい笑顔を私に向けて、自分のカレーを食べ始める。
「わ、は、はい」
周防さんに促されるまま、私も自分のカレーを食べることにした。
……んだけど、味がよく分からない気がする。

なんでだろう?

@さっきの激辛カレーのせい?
A御門くんの反応のせい?
B周防さんの表情のせい?
342名無しって呼んでいいか?:2007/03/30(金) 06:45:00 ID:???
@さっきの激辛カレーのせい?

口の中がぴりぴりして、全身が熱い。
汗を拭こうとバッグの中からハンカチを探していると、視線を感じた。
顔を上げると、御門君がバッグを見ている。
その視線の先にはチハル。
チハルはおとなしく入ったままの状態。
でも、御門くんをじっと見ているみたいだった。

(な、なんだろう…、チハルが動けるってばれてる…?)
感情の読めない二つの視線がぶつかっている……気がする。

(あ…、でもなんか御門くんとチハルって似てるかも…?)
チハルは人形だから当たり前だけれど、感情が読めないところとか…
時々良くわからない行動をしているところとか…

「ん?冬馬どうした?」
急に食べるのをやめた御門くんに顔を向け、その視線を追って周防さんもチハルを見る。
周防さんの表情からは、ヌイグルミがどうかしたのか?というような疑問が伺える。

えっと……
1「この子がどうかした?」
2「小さいときに誕生日にもらった子なんです」
3「今日新しいリボンを買ってあげようと思って…」
343名無しって呼んでいいか?:2007/03/30(金) 09:29:03 ID:???
3「今日新しいリボンを買ってあげようと思って…」

「思わずつれてきちゃいました、あ、あはは……」
苦笑いしながら、チハルを机の上に置く。
「そーか。じゃあ、後で小物屋かどっかに行かないとな?」
チハルの頭をなでながら周防さんが二カッと笑う。

「……」
対して、御門くんは無言のまま、じっとチハルのことを見ていた。

(な、何か気になることでもあるのかな……?
もしかして、ただのぬいぐるみじゃないって察してるとか?)
その視線に、なんとなく私が落ち着かなくなってしまう。
「あ、あの……そろそろしまってもいいかな?」
私の言葉に、御門くんは小さく頷く。
…が、完全にしまわれるまで御門くんの視線はずっとチハルに注がれたままだった。

「と、ところで二人は、今日は他に行きたいところは?」
少しでも気をそらそうと、私はすぐに新しい話題をふる。
「んー…」
私の質問に、考える様子を見せる周防さん。
少し辺りを見回し―――やがて、その視線がある一点で止まる。
「あ、アレなんか楽しそうじゃないか?」
おもむろに窓の外を指差した。
その指先を追って私たちはそちらに視線を向ける。

そこには一枚のチラシ。
「縁日?」
どうやら今のイベントホールでのイベント内容の告知のチラシのようだ。

今は夕方から夜限定での縁日をやっているらしい。

「おう。何かさ、楽しそうじゃないか?」
嬉しそうに周防さんが言った。
「……縁日……?」
御門くんはチラシをじっと凝視しながら小さく呟く。

1、「御門くん、縁日に興味があるの?」
2、「周防さんはお祭りが好きなんですか?」
3、「縁日かぁ……行ってみませんか?」
344名無しって呼んでいいか?:2007/03/30(金) 11:34:37 ID:???
1、「御門くん、縁日に興味があるの?」

いつもあまり反応を見せない御門君が呟いたので、おや?とおもって聞いてみる。

「……神仏に縁のある日なんですか」
「…へ?」
「あ〜〜〜〜〜〜、冬馬」
御門くんの言葉の意味が分からず首を傾げる私と、脱力したようにパタパタと手をふる周防さん。

「お前が思ってる縁日と違うから」
「…………?」
「こういうところでいう縁日ってのは出店、屋台のことなんだよ、OK?」
「………」
分かったのか分からないのか、チラシから視線を外した御門君は食事に戻った。

「?」
「ああ、気にしなくて良いよ。コイツがまたズレたこと考えてただけだから」
苦笑しながら、周防さんも食事を再開する。
周防さんの様子から、たぶん私が聞いても良く分からないことなんだろうな…。

「でも、これ夕方からですから、まだ時間ありますね」
「うん、そうだな〜。それじゃ、先に愛菜ちゃんの買い物しちゃおうか」
「あ、はい」
「その子のリボンのほかに、買いたいものとかないの?」

えーっと…

1「リボン以外は特にないです…」
2「ちょっと服を見に行きたいです」
3「文具を見に行きたいです」
345名無しって呼んでいいか?:2007/03/31(土) 06:48:37 ID:???
1「リボン以外は特にないです…」

もともと何かが買いたくてショッピングモールに来たわけではない。
リボンのこともさっき思いついただけだし…。

「そっか。それじゃ、食べ終わったらとりあえず、雑貨屋にいこうか」
「はい」
「…………」
周防さんに頷く私と、無言の周防君。
なんか、こうしていると一気に兄弟が増えたみたいだ。
優しいお兄ちゃんの周防さん。
お兄ちゃんに甘える妹の私と、ちょっと反抗期な弟の御門くん。

「うん?どうしたの愛菜ちゃん?急ににやにやして」
「に、にやにやってなんですかっ、せめてニコニコと言ってくださいっ」
「はははっ、で、なんでニコニコしてるの?」

そ、それは…

1.兄弟が増えたみたいで楽しい。
2.周防さんって、お兄ちゃんみたい
3.ないしょ
346名無しって呼んでいいか?:2007/03/31(土) 18:56:01 ID:???
3.ないしょ

「ないしょです」
(兄弟が増えたみたいで楽しいなんて言ったら、また周防さんに子供扱いされちゃう)

「ふぅん。俺たちに隠し事するんだ?」
「そうですよ、私だって女の子ですもん。秘密にしたい事くらいありますっ」
私は胸を張って答える。

「へぇ〜。だけど、愛菜ちゃんの顔にバッチリ書いてあるんだよなぁ」
周防さんはイタズラをする子供のような笑みを浮かべて言った。
「……何が書いてあるんですか?」
「兄弟が増えたみたいで楽しいってさ。かわいいよなぁ、よしよし」
そう言いながら、周防さんは私の頭をポンッと手をのせた。

(うぅ〜〜〜、周防さんには敵わないよ)

「………………」
黙っていた御門くんの視線が私の頭に注がれた。
ジーっと無表情のまま、私の頭上だけを凝視する。
そして、御門の手がスッと私に伸びたかと思うと、ポンッと頭の上に置かれた。

私の頭に二人の手がのっている。

私は……
@周防さんを見る
A御門くんを見る
B二人の手を振り払う
347名無しって呼んでいいか?:2007/03/31(土) 20:00:14 ID:???
A御門くんを見る

御門君までこんな行動を取るとはおもわなかった。
びっくりして、御門君を見つめてしまう。
御門君は相変わらず無表情で何を考えているのかわからない。

「冬馬も、そう思うか。うんうん。やっぱりかわいいよなー」
頭に手を載せたまま、周防さんがうんうんと、頷いている。

「………」
「そっかそっか、冬馬も妹ができたみたいでうれしいかー」
御門くんは何も言っていないが、周防さんは一人でニコニコと笑っている。

(…って、あれ?)
周防さんの言葉に、引っ掛かりを覚えて、周防さんの言葉を反芻する。

そして、その引っ掛かりがなんなのか気づいて、思わず…

1.御門くんって1年生なんじゃ?
2.姉の間違いじゃないですか?
3.御門君を凝視する。
348名無しって呼んでいいか?:2007/03/31(土) 23:33:09 ID:???
2.姉の間違いじゃないですか?

私がそういうと周防さんは悪戯っぽく笑う。
「さて、それはどうだろうなー?」
そして、私の頭の上に乗せた手をぽんぽんと軽く動かした。
「もうっ。それって、さっきの仕返しですか?」
されるがままになりながらも問いかける。
……すると、周防さんは私から離れた。

「僕だって男の子だものっ。隠し事くらいしたいのっ」
そして胸を張ってそう返してくる。

セリフといい、微妙な裏声といい、コレはさっきの私のモノマネなんだろうか。

「あ、あはは……」
反応に困る私。
「……周防、気色悪い」
それとは対照的に、めずらしくきっぱりと発言する御門くん。

びっくりして、思わず御門君のほうを見る。
だけど相変わらず無表情のままだった。

「み、御門くん……」

@「私には敬語なのに周防さんには普通なんだね」
A「そこまで言ったら周防さんが可哀想だよ」
B「今の御門くん、なんかちょっと珍しい感じかも」
349名無しって呼んでいいか?:2007/04/01(日) 09:25:14 ID:???
@「私には敬語なのに周防さんには普通なんだね」

言いたいこととは微妙に違う言葉。

(でも、まさか直接珍しいっていうのも……失礼だよね)
まだ会って間もないし、言葉が少ないのは人見知りしてるからっていう可能性もある。
だんだん私にもなれて、口数が多くなってきたのかもしれない。

(無表情は元からみたいだけど…)
「……周防は」
しばらくの間のあと、御門くんがつぶやいた。

「……そうしろと言った」
「あ〜、そういや、そんな事もあったかな?」
「そういえば、私とはじめてあったときも、苗字で呼んだら、名前で呼んでっていってましたね」」
「堅苦しいのはいやなんだよ」
肩をすくめて、周防さんが苦笑する。

「確かに…、きっちっとした周防さんって想像できないかも」
「こらこら、それはどういう意味かな〜?愛菜ちゃん?」
「あははは……」
とりあえず、笑ってごまかす。

でも、それなら御門君に言えば…

1普通に話してくれるようになるのかな?
2笑ってっていったら、わらうのかな?
3隠し事はなしっていったら、さっきの答えが返ってくるかな?
350名無しって呼んでいいか?:2007/04/01(日) 20:13:49 ID:???
2笑ってっていったら、わらうのかな?

ふと、そんな疑問が浮かんだ。
一度だけ契約の時に微かに笑ったように見えた事があったけど、あれは夢の中だった。
周防さんの頼みを聞いてくれたのなら、私のお願いも聞いてくれるかも知れない。

「あのね、御門君。お願いがあるんだけど、いい?」
「……………」
御門君は私を見た後、コクリと頷いた。

(やった!)
「私に向かって笑いかけてみて。どうしても見てみたいんだ」
「…………」
御門君はしっかりと私に向き直ってくれる。
どうやら、やる気になってくれているみたいだ。

(どうしよう、なんだかドキドキしてきた)
『笑う』なんて些細なことなのに、御門君がすると思うとつい緊張していまう。

御門君はしばらく目を伏せ、ゆっくり目を開ける。
そして、私をしっかりと見つめ―――

(あれ……?今、口の端が少し動いた?)
片方の口の端がほんのわずか動いた。
だけど、それはとても笑っているというものではなかった。

(やっぱり、無理に笑ってもらうのはダメだったのかな……)

「おい、冬馬。それは悪事をたくらむ越後屋の顔だっての」
周防さんは困ったような笑みを浮かべ、御門君に突っ込みを入れる。

私は……
@「そんな事無いよ。ありがとう、御門君」
A「無理を言ってごめんね、御門君」
B「そんな言い方は駄目ですよ、周防さん」
351名無しって呼んでいいか?:2007/04/02(月) 06:50:49 ID:???
@「そんな事無いよ。ありがとう、御門君」

わたしは、笑い返す。
御門くんはちゃんと笑ってくれようとした。

(それに、お願いして笑ってもらうっていうのも、結構難しいわよね…)
自分に置き換えて考えてみる。
笑ってとお願いされて、じーっと見つめられているときに笑うのは結構大変だ。
私でもきっと、困ったような笑顔になる。

「愛菜ちゃんはいい子だな〜」
周防さんがしみじみとした口調で言う。

「いい子って…なんでそうなるんですか……」
言われなれない言葉に、照れてしまう。

「そうおもったから」
にこにこと周防さんが返してくる。

「………」
「さて、と、食べ終わったし出ようか」
なんと言っていいかわからなかった私が沈黙すると、周防さんはテーブルをみて言った。

「あ、はい」
私が頷いて、伝票を持とうとしたら、周防さんが横からそれをさらって行った。

「あ……」
「ここはおにーさんのおごり」
ぴらぴらと伝票を振って周防さんが言う。
でも今日ここに誘ったのは私なのに…

1私が払う
2せめて割勘にしてもらう
3支払ってもらう
352名無しって呼んでいいか?:2007/04/06(金) 17:52:00 ID:???
1私が払う

「あ、ダメです!今日は私が誘ったんですから…」
「そんなの気にしない気にしない。
 女の子にお財布出させるなんてこと、できませーん」
「でも……」
私が、言い募ると周防さんはうーんと、うなってそれからにっこりわらった。

「それじゃあさ、代わりにひとつほしいものがあるんだけど、
 それをプレゼントしてくれる?」
「なんですか?」
「たぶん、雑貨屋に売ってるんじゃないかな。
 大丈夫そんなに高いものじゃないし」
周防さんはここで引くきはないみたいだ。

どうしよう…
@了承する
A何がほしいのか聞く
B意地でもここを払う
353名無しって呼んでいいか?:2007/04/06(金) 22:08:29 ID:???
B意地でもここを払う

「私が誘ったのにわるいですよ」
私から誘っておいて奢ってもらうのは気が引ける。
(気晴らしに誘ってくれただけで十分なのに)

「あのね、愛菜ちゃん。おごられるのもいい女になる為の経験だよ。
だから、ここはおにーさんにおごりで」
「いい女……ですか?」
いきなりの言葉に思わず聞き返してしまう。
「そ。こういう時は黙っておごられるべきなのさ。
大体、男女が伝票を持ちながら会計どーするよ? なんて無粋だしね」

(言われてみれば、そうかも)
友達と遊ぶ時はほとんど割り勘だったから、考えたことも無かった。
「えっと、あの……ごちそうさまです」
慣れない状況に、つい照れてしまう。
「いえいえ、どういたしまして」
周防さんは子供のような笑みを返す。

(おごってもらったし、周防さんに何かプレゼントしなくちゃね)
先に店の外で待っていた私と御門君に、会計を済ませた周防さんが合流する。
向かう先は雑貨屋。
どれにしようかな。

@アジアン雑貨屋
Aファンシー雑貨屋
Bアンティーク雑貨屋
354名無しって呼んでいいか?:2007/04/06(金) 23:08:50 ID:???
Bアンティーク雑貨屋

「この先にアンティークっぽい雑貨のお店があるんです。
男の人でもそんなに入りづらくないと思うんですけど、そこはどうですか?」
「へえ、アンティーク?」
私の提案に周防さんは少し意外そうな顔をした。

周防さんにさっきご馳走になったお礼をしたいけれど、私が香織ちゃんとよく行くお店に連れて行くのはさすがにちょっと気がひける。

(あそこは女の子ばっかりだもんね…)

「はい。じっくり見たことはないんですけど、雰囲気の良さそうなお店で前から気になってたんです。
周防さんはそういうの、あんまり興味ないですか?」

普段男の人と買い物をする機会なんて春樹以外とは皆無に等しく、誘ってはみたもののちょっと心配になって尋ねてみた。

「いや、良いんじゃないかな」
「良かった」

周防さんの笑顔にほっとして、軽くなった足取りで目的地へと向かう。

(そういえば、御門君はどうなんだろう? アンティークとかって興味あるのかな?)

先を歩く私に黙ってついてくる御門君は終始笑顔の周防さんとは対照的にあいかわらずの無表情で、端正な顔立ちからは何の感情も読み取る事はできない。

どうしよう?

@御門君にアンティークに興味があるか聞いてみる
A周防さんに御門君がアンティークに興味があるかきいてみる
B気にせずにお店へ向かう
355名無しって呼んでいいか?:2007/04/08(日) 00:50:36 ID:???
@御門君にアンティークに興味があるか聞いてみる

(御門君は興味があるのかな)
ふと、疑問に思い御門君に呼びかける。
「御門君は……アンティークに興味あるの?」

「………………」
御門君は黙ったままで、私の質問に答えようとはしない。
「あっ、もしかして興味無かった?」
御門君は首を横に振って否定した。

(そっか。よかった)
「私はね……古いものが好きなんだ。このネックレスも母が昔使っていた物なんだけど、かわいいなって思ってつけてきたの」
私は首元のネックレスを手の平にとって御門君に見せる。
金色の小さな天使がペンダントトップになっていた。

「…………………」
御門君は無表情のままジッとそのネックレスを見つめる。
(あんまり似合ってないのかな)
「や、やっぱりデザインが古いよね。違うのにしてくればよかったかな。えへへ……」
とうとう沈黙に耐え切れなくなって、私は苦笑混じりに言った。
「……………似合ってます」
「え?」
突然に聞こえた御門君の言葉が信じられなくて、思わず聞き直す。

「そのネックレス、あなたにとても似合っています。ずっと大切にしてください」
「御門君……。ありがとう」
はっきり似合うと言ってくれた事が嬉しくて、自然と笑みがこぼれる。
そんな私たちのやり取りを周防さんは穏やかな表情で見つめていた。

会話をしている内に、アンティーク雑貨のお店に着いたみたいだ。

私は…
@リボンを探す
A周防さんに話しかける
B御門君に話しかける
356名無しって呼んでいいか?:2007/04/08(日) 11:20:59 ID:???
@リボンを探す

「あの、それじゃ早速なんですけど……リボン探してきてもいいですか?」
私が尋ねると、周防さんは満面の笑みで頷いた。
「おう、行っておいで。俺たちは俺たちで自由に見てるからさ。
何かあったら声かけてくれればいいから。
な、冬馬?」
その言葉に御門くんも頷く。

「ありがとうございます」
私は二人に「じゃあ、またあとで」と軽く声をかけてからその場を離れた。



「それにしても、いろいろあるんだなぁ……」
そんなことを呟きながら、リボンのコーナーを一通り歩いて回る。
私が予想していたよりもリボンの色や種類が結構あった。

(うーん、迷っちゃうなあ……)
このままだと、結構時間がかかってしまいそうだ。

@二人に相談してみる
Aひとまず自分で考えてみる
Bこっそりチハルに選んでもらう
357名無しって呼んでいいか?:2007/04/08(日) 12:08:22 ID:???
Bこっそりチハルに選んでもらう

見ていて気に入るものはいくつかあったけれど、コレっていうのが決まらない。
目に留まったものをとりあえず手に取ってみる。
どれもかわいくて、やっぱり一人では決められそうになかった。

(ハチルのリボンだし、好きなのを選んでもらおう)
「チハル、チハル……」
チハルに小声で呼びかける。
バッグの中で小さくなっていたチハルが私を見上げた。

手に持ったいくつかのリボンをチハルに見せる。
「この中だったらどれがいい?」

チハルはバッグの中で少し窮屈そうに動くと、フワフワの手で一本のリボンを指した。

それは…
@ベルベット生地の藍色のリボン
Aサテン生地の空色のリボン
Bカントリーチェックの緑色のリボン
358名無しって呼んでいいか?:2007/04/08(日) 14:21:14 ID:???
@ベルベット生地の藍色のリボン

「これ?」
私がそのリボンを軽く掲げると、チハルはこくこくと頷いた。
今のリボンの上から試しに当ててみる。
「…………うん!かわいいね、よく似合ってる」
満足感ともに、私は大きく頷いた。

「じゃあ、これにしようか?」
そう尋ねると、チハルは再びこくこくと頷いた。
他の二つのリボンを元に戻して、藍色のリボンだけを手に取る。
バックの中ではまだチハルが手をパタパタと動かしていた。

「こら、おとなしくしてるって言ったでしょ?」
私が軽く注意すると、チハルはピタリと動きを止めた。
「もう……」
軽くため息をつきながら、苦笑いを浮かべる。
(嬉しいって思ってくれてるのは分かるんだけどね……)

さてと。
思ったより早くチハルのリボンも決まったことだし、これからどうしようかな?

@御門君の様子を見に行く
A周防さんの様子を見に行く
Bまずはお会計を済ませる
359名無しって呼んでいいか?:2007/04/08(日) 14:52:20 ID:???
A周防さんの様子を見に行く

(何かほしいものがあるみたいだったし、
もしもあったらさっきのお礼ってことでプレゼントしよう……)
私はあたりを見回して、周防さんの姿を探す。

「あ」
周防さんはすぐ近くにいた。
私と同じリボンコーナー。だけど、反対側の少しはなれたところ。
私の視線にも気がつかずに、色とりどりのリボンを手にとってどこかぼんやりと見ている。

そんな周防さんを見て、ふと悪戯心が芽生えた。
(ふふ、そうだ。……ちょっとだけ、驚かせちゃえ!)
そうと決めたら後は早かった。
静かに……だけどばれないように慎重に行動を始める。

やがて、周防さんの背後に回ってからゆっくり前へと一歩一歩踏み出す。

あと、三歩。
(……静かに、慎重に……)

二歩。
(……まだ気がつかないのかな?)

一歩。
(よしっ、今だっ)

「す―――」
私は軽く上げた両手を、その大きな背中めがけておろそうとして―――
「……こよみ……」
不意に周防さんが漏らしたその呟きに、動きが止まってしまった。

「俺は……」
周防さんの手のひらにあったリボンは、強く握られている。
表情は後ろからじゃ見えない。
けれど、その声はとても寂しそうに……悲しそうに聞こえた。

(『こよみ』さんって、誰なんだろう……)
周防さんの後姿を見つめながら、私は考える。

@ご家族、とか?
A親しい知り合いなのかな?
Bもしかして……恋人だったりするのかな?
360名無しって呼んでいいか?:2007/04/08(日) 16:59:44 ID:???
Bもしかして……恋人だったりするのかな?

もし、恋人だったとしても何かの事情がありそうだ。

「……愛菜ちゃん?」
軽く手を上げた状態で固まっている私に周防さんが話しかけてきた。
その顔はいつも通り明るい。

「あっ、周防さん……。驚かそうと思ってたのにバレちゃいましたね」
私は出したままの両手をサッと引っ込める。
「まだまだ俺を驚かせるには修行が足りんなぁ」
おどける周防さんにさっきまでの様子は無い。

(『こよみ』さんの事は聞かない方がいいのかな)
プライベートに首を突っ込みすぎるのはよくない。
けれど、意外な周防さんの一面を見てすごく気になるのも確かだ。

私は…
@『こよみ』さんについて尋ねる
A黙っている
B周防さんの持っているリボンについて話す
361名無しって呼んでいいか?:2007/04/08(日) 18:37:56 ID:???
A黙っている

私が黙っていると、周防さんは私の持っているリボンを見た。

「リボン決まったの?」
「はい、これに決めました」
「綺麗な色だね。さっきの子も喜ぶよきっと」
にこにこと周防さんが、私の頭をなでる。

「周防さんは、ほしいもの見つかりましたか?」
子供扱いされて恥ずかしくなり、周防さんに訪ねる。

「うん、あっちに」
周防さんは持っていたリボンを元の場所にもどして、指を指した。
その方向を見ると、御門君が立っていた。

そこは…
1.アクセサリーコーナー
2.天然石コーナー
2.お香コーナー
362名無しって呼んでいいか?:2007/04/12(木) 11:32:52 ID:???
2.天然石コーナー

周防さんと一緒に御門くんの隣に立つ。
色とりどりの石が種類ごとに小さな籠に山積になっている。

「うわー、きれい…」
「ここは結構種類があるな」
こういうのは香織ちゃんが結構好きだったなと思いながら、水晶と書かれた石を手に取ってみる。
ひんやりとした石を手に取ると、なんとなく心が落ち着いていくような気がする。

「あ、石にも意味があるんですね。
 …えーっと、水晶は…調和・統合・強化、それから浄化作用?」
籠に商品名と、その下に小さく石の意味や効果などが書かれている。

「愛菜ちゃんは何月うまれ?」
「私は3月です」
「それじゃ誕生石はアクアマリンか」
周防さんが言いながら、澄んだブルーの石を手に取る。

「アクアマリンは幸福・健康・富」
言いながら、石を私に見せてくれた。
周防さんがほしいのはどんな効果の石なんだろう…?

@金運…?
Aオールマイティに幸運?
Bもしかして、恋愛運?
363名無しって呼んでいいか?:2007/04/18(水) 21:02:08 ID:???
Aオールマイティに幸運?

「やっぱり幸運の石とか、ほしいんですか?」
私の言葉に、周防さんはそうだな〜と、ちょっと笑う。

「そういうのも良いけど…愛菜ちゃん、どの石が俺に似合うとおもう?」
言われて、私は石を見る。

(周防さんのイメージだと…)
石をみて、ふとその石の名前にひきつけられる。

「周防さんはこれです」
「どれ?これ?日長石…サンストーン?」
「はい。周防さんのイメージです。それで、御門くんはこっち」
「月長石、ムーンストーンか」
「二人を見ていると、太陽と月って感じがします」
明るくて陽気な周防さんは太陽。無口で不思議な御門くんは月。

「愛菜ちゃんはそう思うんだ。じゃ、これにしよう」
「え?そんな決め方でいいんですか?ほしいものがあったんじゃ?」
「うん、愛菜ちゃんに決めてもらいたかったんだ」
本当に良いのかと、周防さんを見上げ、ニコニコと笑う周防さんと目が合った。
なんとなく恥ずかしくなって、視線をそらすと、じっと石を見つめる御門君の姿が視界に入る。

(ムーンストーン?)
御門君が見つめる先にはムーンストーン。

1.周防さんに本当にサンストーンでいいのか訪ねる
2.御門くんにムーンストーンが欲しいのか聞く
3.周防さんが決めたんだし…石をもってレジへ行く
364名無しって呼んでいいか?:2007/04/19(木) 22:29:22 ID:???
2.御門くんにムーンストーンが欲しいのか聞く

「御門君はムーンストーンが欲しいの?」
「………………」
けれど、すぐに答えは返ってこなかった。
私は御門君の見つめるムーンストーンを一つ手に取る。

「じゃあ、今日付き合ってくれたお礼をさせて?」

ジッと私を見つめ続けた後、御門君はコクリとうなずいた。

「周防さんにはサンストーン、御門君にはムーンストーンで決めました。
それじゃ、私は会計を済ませてきます」
そう二人に言って、私はレジへ向かった。

レジを済ませ、それぞれの石をプレゼント用に包装してもらう。
そして、私は待っている二人の所に戻った。

@すぐに二人へのプレゼントを渡す
Aこれからどうするか尋ねる
B屋台を見に行きたいという
365名無しって呼んでいいか?:2007/04/20(金) 10:53:24 ID:???
Aこれからどうするか尋ねる

周防さんも御門くんも鞄をもっていない。
御門くんは制服を入れた袋を持っているけど、今渡しても邪魔になるだけかな?
そう思って、とりあえず買ったものをかばんに入れる。

「これからどうしますか?」
時計を見ると、屋台のはじまる時間までまだ余裕がある。

「うーん、あ、そうだ、外いかない?」
「外ですか?」
「そうそう、隣の公園。天気もいいしきもちいぞ、きっと」
ショッピングモールに隣接して、大き目の公園があるのを思い出す。

@頷く
A別な所が良いという
B御門くんにも聞く
366名無しって呼んでいいか?:2007/04/29(日) 03:13:09 ID:???
すんまそん、ケチを付ける訳ではないけれど。

基本は書き手の自由だけど、読み手(次に書く人)が書きやすいというか
書きたくなるように話を持っていった方が良いと思うのです。
媚びる必要はないけど、多少意識しても良いのではないかと。

ここのところあまりレスが伸びてないようだったので、チラリとそんなことを思いつつ投下。
良スレと思うゆえのおせっかいです、失礼。
367名無しって呼んでいいか?:2007/04/29(日) 03:15:39 ID:???
@頷く

「良いですね、せっかくのお天気ですものね」

周防さんの提案に賛成して公園へ向かう事にする。

一瞬御門くんにも尋ねてみようかとも思ったけれど、今までの流れからしてたぶん反対はしなさそうだ。
むしろ何か考え込ませることが多いような気がして、それも申し訳ないのであえて事後承諾の形をとった。

「御門くんもそれでかまわない?」

案の定黙って頷く御門くんと機嫌の良さそうな周防さんと三人で連れ立って、ショッピングモールの出口へと歩いてゆく。

「やっぱり人が多いですね」
歩きながら何とはなしに周りに目を向けても、辺りは家族連れやカップルなどたくさんの買い物客で賑わっている。

「そりゃあ日曜日だしな。イベントがあるっていうのもあるかもしれないが、なにしろこの天気に家にいたら腐っちまうだろ」

そう言って周防さんは器用に片目をつぶってみせた。
今までのやりとりで少しは耐性がついたつもりでいたのに、不意に向けられた仕草に心臓が大きく跳ねた。

(周防さんてやっぱりいつもこんな調子なのかな…)

気付かれないよう熱をもった頬にさりげなく両手をあてながらそんな事を思う。

「ん、どうした冬馬?」

後ろから周防さんの声がした。よほど動揺していたのか立ち止まった御影くんに私は全く気がつかなかったみたいだ。
慌てて御門くんのもとに駆け寄ると、周防さんと御門くんは二人で同じ方向に目をやっていた。

「あれは…」

呟く周防さんの顔が険しくなる。御門くんも黙って頷いた。

不思議に思って二人が見ている方を見てみても、見えるのは窓ガラス越しの晴れ渡った青空と芝生の広がる公園だけ。
散歩をしている人たちやフリスビーで遊ぶ子供たちはいるものの、特に変わったものは見当たらない。

(いったいどうしたんだろう?)

@二人にどうしたのか聞いてみる
A何か見えないかともっと目をこらす
B二人に声をかけて気にせず公園へ向かう
368名無しって呼んでいいか?:2007/05/01(火) 18:40:43 ID:???
A何か見えないかともっと目をこらす。

私は二人の視線の先へさらに目をこらす。
だけど、やっぱりいつもの賑やかな公園にしか見えない。

「何か見えたんですか?」

「ちょっと、厄介事がね。あっ、いや――大丈夫だよ。
愛菜ちゃんは何も心配しなくていいから」

そう答えてくれるものの、周防さんの表情は更に険しくなっている。

「愛菜ちゃんは少しここで待っていてくれないか?もし俺がここに戻らなければ、冬馬の指示で動いて欲しい」
「は、はい……」
周防さんの緊張した様子に私はただ頷くしか出来ない。

「冬馬はここで待機。最優先事項は愛菜ちゃんの安全確保。有事の際には一般人に被害が出ない様、穏便に対応してくれ」

周防さんは事務的に言い終えると、すぐに人ごみを縫うようにして走り去ってしまう。
(あ、見失っちゃう……)
視線を彷徨わせてみたけれど、その姿はもう無かった。

「周防さん。待ってください!」

消えた後姿を追おうと大きく踏み出したところで、不意に手首を強く掴まれる。
御門君は私の手首を掴んだまま、小さく横に首を振った。

「離して。早く、追いかけなくちゃ」
「…………その命令は受け付けられません」
無表情のまま御門君は答えた。

@「周防さんは一人でどこに行ったの?」
A「御門君は心配じゃないの?」
B「あなたたちは何者?」
369名無しって呼んでいいか?:2007/05/03(木) 00:46:23 ID:???
@「周防さんは一人でどこに行ったの?」

「………言えません」
「厄介事ってまさか、私を狙っている組織が動いたの?」
「…………………」
私を掴む御門くんの手に力がこもった。

(やっぱり、そうなんだ)

「私のために周防さんが……」

(守ってくれると周防さんは言ってくれたけど、私のために傷つくなんて嫌だよ)

私はどうにかして御門くんの手を振り解こうと何度ももがいた。
そんな私の様子に、道行く人たちは一様に何事かと目を向けてくる。
だけど、御門君は相変わらず押し黙ったまま手を離そうとはしてくれなかった。

「お願い、行かせて!」
しびれを切らして私が叫ぶと、力強く掴まれていた手が突然緩んだ。
そして、無機質な瞳で見つめながら御門くんが口を開く。

「…………もし、あなたが現場に駆けつけたとして……

一体、何ができますか……」

私はその言葉に対して、
@言い返せず、黙り込む
A納得して諦める
B意見を言う
370名無しって呼んでいいか?:2007/05/03(木) 17:50:12 ID:???
@言い返せず、黙り込む

正論を突きつけられ、私は何も言えなくなった。
(今の私じゃ、確かに何も出来ない)

「認めたくはないけれど、きっと足手纏いになるだけ…」
御門君は私の言葉に納得したように黙って頷いた。

(周防さん、大丈夫かな)
人ごみを避けるように、私達は出口の脇まで移動する。
御門君は大人しくなった私を確認すると、集中するように目を閉じた。
(目を閉じて、何をしているんだろう)

しばらくの間、目を閉じていた御門君は突然顔を上げる。

「どうしたの?」
「………………こちらへ」
御門君は私の手を引いて外へ私を連れ出した。
「ど、どこへ行くの?」

御門君は何も言わず、私の手を引いたまま公園とは逆方向へどんどん歩いていく。
引っ張られるように、私はついて行くしかなかった。
(こっちは駐車場へ行くはずだけど……)

「御門君。どこまで行く気?」
「…………周防が……押されています」
立体駐車場にある中二階の踊り場まで来たところで、ようやく御門君が口を開いた。

「本当?」
「…………はい」
「御門君は私を置いて周防さんのところへ行って」
「………あなたを危険に晒す訳にはいかない」
「じゃあ、どうすればいいの?」

「……手荒な事は……避けたかったのですが………」

そう言うと、御門君は私の手をグイと引き寄せた。
成すすべも無く私は御門君の胸に体ごとぶつかっていく。
ぎゅっと肩を抱きすくめられて、初めて御門君の胸の中に納まっている自分に気付いた。

@「きゃ、な…に……」
A「離して」
B御門君を見上げる
371名無しって呼んでいいか?:2007/05/03(木) 23:33:18 ID:???
A「離して」

いきなりのことに慌てて、とっさに両手を突っ張って御門くんから離れる。
そんな私にかまうことなく、御門くんは再度つかんだ腕に力を込める。

「なにするのっ?」
とっさに腕を振り払って、御門君から距離を取る。

「周防さんが危ないんでしょう?助けに行って!私は大丈夫よ!」
(なんでこんなことするの?)
軽く混乱して、強く御門くんに言う。

「あなたを守るのが最優先事項です」
淡々と言う御門くんが、再度私に手を伸ばして腕をつかもうとする。

「おい!なにしてるんだ!?」
そのとき、ぐいっと体を後ろに引っ張られた。
急なことにバランスを崩した私を器用に支えて、前に出た人を呆然と見る。

「なんで…?」
私をかばう背中。
なんてタイミングよく現れるんだろう…?

そこにいたのは…

1.春樹
2.隆
3.修二
372名無しって呼んでいいか?:2007/05/04(金) 02:06:22 ID:???
1.春樹

「……春樹」

無意識のうちに呟いた私の声は、ひどくかすれて頼りないとても小さなものだったろう。
それなのに、春樹の耳には届いたのか。
少し間をおいて春樹は見据えた御門くんを視界から外さない程度に首をこちらにめぐらせた。

「姉さん。どこにも怪我は、ない?」

ひとつずつ慎重に言葉を選ぶように、春樹はゆっくりとそう言った。
口調はいつもと変わらないのに、自分をかばう背中にただならぬ気配を感じた気がして
私は春樹の腕をそっと引き寄せた。

「…姉さん?」
「落ち着いて、春樹。大丈夫、私はなんともないから」

春樹を安心させるように、そして御門くんに対して早まった真似をしないように
掴まった腕に力をこめる。
春樹はちょっと驚いた顔をしたが、それでも次に発した言葉の端からは
押し殺した怒りをのぞかせた。

「ついさっき本屋に買い物に行った帰りに偶然クラスメートに会った。
姉さんによく似た人が知らない男とショッピングモールの真ん中でもめている様子だったと聞かされたんだ」

そう言いながら春樹が再び御門くんに投げかける視線はまるで敵意の塊のようだ。
当の御門くんは眉ひとつ動かさずに視線を真正面から受け止めている。

「ひどく胸騒ぎがして探しに来たんだ。モールの出口で姉さんたちがこっちの方に歩いていったと野次馬の一人が教えてくれてね」

淡々と語る春樹の様子は一見いつもとさほど変わりないようで、身にまとう空気は驚くほど鋭い。
言いようのない不安を覚えて、私は思わず春樹の腕を一際強く自分の方に引き寄せていた。

「春樹?」

「……得体の知れない人間に姉さんをこんな所に連れ込まれて、頭に血が上らないほうがどうかしてる」

(…………え)

春樹の発言に、一瞬私の思考は停止した。

その理由は…

1.大人びていつも冷静な春樹が自分(愛菜)の事で激怒しているようだから
2.同じ学校・同じ学年なのに御門くんとまったく面識がないようだから
3.以前見た夢でも聞いたことがあるような気がしたから
373名無しって呼んでいいか?:2007/05/04(金) 09:39:52 ID:???
2.同じ学校・同じ学年なのに御門くんとまったく面識がないようだから

前に御門くんについて聞いたときも知らないみたいだったし別に、おかしいことではないはずなんだけど。
(いい意味でも、悪い意味でも目立つと思うんだけどな……御門くんって)
ほんの少しだけ。
ほんの少しだけ、何かがおかしいと思った。

(春樹のクラスメートも『知らない男の人』っていってたみたいだし)
さっきの春樹の話を思い出す。
(でも、保健の先生は知ってたよね……?)
考えれば考えるほど、知れば知るほど謎が増えていく。

(一体、御門くんって何者なの……?)
さらに考え込もうとした、その時。

「……さっきといい、今といい……お前、どういうつもりだ!?」
怒りをこめて発せられた春樹の声で、思考が現実に引き戻される。

「おいっ!何とか言ったらどうなんだよ……っ!」
春樹は目の前の御門君を鋭く睨みつけたまま微動だにしない。

「……」
対する御門くんは、その視線を気にも留めていないかのようにいつもの無表情を崩さない。
……そして春樹に答えを返す様子も無い。

まさに、一触即発の雰囲気だ。
(ど、どうしよう……)

@春樹に話しかける
A御門君に話しかける
Bそこで不意に周防さんのことを思い出した
374名無しって呼んでいいか?:2007/05/04(金) 12:13:44 ID:???
Bそこで不意に周防さんのことを思い出した

(そうだ!周防さんっ!)

今も私を守るために、一人で戦ってくれているその人。
そうだ。今は……こんなことをしている場合じゃない!
(早く二人を何とかしないと!)

そう思った矢先、それは起こった。

「……っ!?」
突然左手に痛みが走る。
何事かと思い、左手を顔の前に寄せてその原因を確かめた。

けれど、そこには何も無い左手の甲。

「なくなってる!?」
そう。
先ほどまで、左の手の甲に確かにあったはずの星型の小さなアザ。
それが跡形も無く消失していた。

「………うそ、どうして………っ?」
慌てて右手も見る。
けれど、そこには三日月のアザがまだ存在していた。

今も存在しているアザと、突然消失してしまったアザ。
ここにいる御門くんと、ここにはいない周防さん。
(嫌な予感がする……)
それはまるで、彼らの存在そのものを私に示しているかのような気がして。
(周防さん……っ)

「姉さん?どうしたの!?」
私が急に騒ぎ出したせいか、春樹が心配そうに振り返る。

私は、
1.周防さんを探しに走り出す
2.御門くんに報告する
3.春樹にこの場を離れるように言う
375名無しって呼んでいいか?:2007/05/04(金) 12:34:16 ID:???
2.御門くんに報告する

「今アザが……無くなった…」
御門君は黙って頷いた。

「そんな事より姉さんはその得体の知れないこいつは誰なんだ?」
私は手の甲を見つめる。
春樹は状況が全く飲み込めていないままだ。

「春樹、今はそんな事を言っている場合じゃないのよ!」

御門君は相変わらず黙りこんだままだ。
その態度に春樹の顔が険しくなる。

「おい、何か答えろよ」
春樹の言葉に、御門君はよくやく重い口を開いた。

「………もし、知りたければ弟さんも一緒に…病院の近くの公園へ来て下さい」

「公園? そこに何があるのか」
「すみません、急を要す事態が起きています。今は……眠っていて下さい」

そう言うと、御門君が消えた。
そして、突然私の目の前に現れる。
春樹の後ろに音も無く立つと、その頚椎を手刀で軽く一撃した。

春樹の体が糸が切れたようにガクンと前のめりに倒れていく。
それを御門君は腕で支えた。

「あなたに手を上げるのは不本意ですが……どうかお許しください」

その言葉が耳に入ると同時に、目の前が暗転する。
意識が沈み込む。
(どうして……)
言葉に出来たのかは分からない。
ただ私は…

@周防さんのことが心配だった
A何も出来ず悔しかった。
B疑問しか浮かばなかった。
376名無しって呼んでいいか?:2007/05/04(金) 18:56:32 ID:???
@周防さんのことが心配だった

計ったようなタイミングで私の左手を襲った痛み。

そして、まるで最初から存在しなかったかのように消えていた星型のアザ。

(……周防さん…どうか、どうか無事でいて!)

遠のいてゆく意識の中、私は強くそう祈った。




「……ん、………ちゃん、おーい」

遠くから誰かを呼ぶ声が聞こえる。

辺りは霧に包まれたように霞んでいて、周りを見渡してもぼんやりとした影を
うっすらと確認できる程度だ。

(私……どうしたんだっけ……?)

訳が解らないまま、声のする方に歩き出した。
不鮮明な視界の中を不思議と迷いなくすすんでゆく。

「愛菜ちゃーん」

聞こえてくる声の主がしきりに呼んでいるのが自分の名前なのだとそう思った時
何かに導かれるように、その人は私の前に姿を現した。

「周防さん……!」

周防さんの名前を口にしたことで瞬時にこれまでの出来事を思い出す。
私は思わず駆け寄った。

「周防さん、怪我…っ……怪我はない、ですか?!」

動揺するあまり怪しくなった私のろれつに周防さんは目を丸くした後、ふっと表情を崩した。

「悪い悪い、ずいぶん心配かけたみたいだな。心配してくれて、ありがとさん」

そう言うと周防さんはいつものように私の頭をくしゃくしゃと撫でた。

(周防さんてばまったくもう…拍子抜けしちゃったよ)

あんなに心配したのに、と文句のひとつも口から出そうになったけれど。

素直に嬉しそうな周防さんの様子に大人しく為すがままになる事にした。

「冬馬の方はうまくやったみたいだな。愛菜ちゃんは怪我はないね?」

ひとしきり私の頭を撫で終えた周防さんは、質問というよりは確認するように言った。

なんて答えよう?

@「はい。御門くんのおかげでなんともないです」
A「わたし”は“って、周防さんはどうかしたんですか?」
B「まあ、なんとか無事…みたいです」
377名無しって呼んでいいか?:2007/05/04(金) 21:31:20 ID:???
@「はい。御門くんのおかげでなんともないです」

「それはよかった。
うん。本当に……よかった」
本当に嬉しそうに笑いながら、私の頭をくしゃくしゃとなでる。

周防さんにされるがままになりながら、ふと御門くんのことを思い出す。
(そういえば、さっきは取り乱しちゃって……)

不意に、先ほどまでの出来事を思い出す。
人前で叫んだり、離してほしくてもがいてしまったりしたこと。
私を助けようとした……その手を拒んでしまったこと。

(よく考えれば、御門くんは私を守ろうとしてくれたんだろうし。
……そこに別の感情とか思惑とかがあったとは思えないよね)
恥ずかしさと自分に対する嫌悪感がない交ぜになったような気持ちになる。

(ただ、伝わりにくいと言うか……何かが足りないと言うか)
御門くんは『自分の意思』というものが足りない……欠けているとすら思える。
ほとんど自分の意見は口にせずに、人の言葉に頷くことが多いし。

そもそも、御門くんが私を守ってくれる理由は『私と御門くんが共によく知る人物』からの願いだった。
それに……カレー屋では、私が笑ってといったら笑った。
さっきも、周防さんに言われたから私を守ることを最優先にしたのかもしれない。

(……どうして、なんだろう?御門くんがあそこまで欠けているのは……)

「愛菜ちゃん?どうした?」
私が考え込んでいることに気がついたのか、周防さんが撫でている手を止めた。
そして優しく問いかけてくる。

聞きたいことはたくさんあるんだけど、まずは……

@「どうして、御門くんにはあそこまで欠けているんですか?」
A「ところで、周防さんの契約の証が消えちゃったんですけど……」
B「そういえば、私たちみんな約束を守れませんでしたね」
378名無しって呼んでいいか?:2007/05/04(金) 22:40:55 ID:???
@「どうして、御門くんにはあそこまで欠けているんですか?」

その問いに、ふと周防さんの顔が翳る。

「あいつはなぁ。いろいろあるんだ」
「いろいろ?」
「普通じゃない……っていえばいいのかな」
「どう普通じゃないんですか?」
「うーん。身体的にも精神的にも特異かもしれない」
周防さんにしては言葉の歯切れが悪い。
(もしかして、言いづらいのかな……)

「御門君は御門君でいい所がたくさんありますもんねっ」
私はあえて話を打ち切るように明るく振舞う。

(聞くなら、本人が居るときに直接聞いた方がいいかもしれない)

「そうだ。あいつはボーっとしていて何を考えているか分からないし、
無表情のくせに意外と毒舌家だがいいヤツだ」

「す、周防さん。それは褒めてませんよ」
私は苦笑しながら突っ込む。

あと聞きたい事は……
@「厄介事はもういいんですか?」
A「ところで、周防さんの契約の証が消えちゃったんですけど……」
B「そういえば、私たちみんな約束を守れませんでしたね」
379名無しって呼んでいいか?:2007/05/04(金) 23:31:25 ID:???
@「厄介事はもういいんですか?」

私は気を取り直して尋ねた。

「残念だが、被害がでてしまっただろう。俺が至らなかったからな」
周防さんは視線を落として答えた。
その声はひどく沈んでいる。

「被害って……どれくらいでしょう」
「正確には分からない。だが、混み合うショッピングモールで派手にやろうとしていたからな」
周防さんにしては珍しく怒りを露わにした。

「一体、何が起こったんですか?」
「上手く説明するのは難しいが……テロみたいなものだ」
「無差別だったって事ですか?」
「あの連中は普通の人達を下等な生き物くらいにしか思っていないよ」
周防さんは吐き捨てるように言い放った。

(テロって……ひどい暴力的手段で、対立するものに威嚇することよね)

@「やっぱり、例の組織の人達ですか?」
A「被害の規模が心配です……」
B「ところで、周防さんの契約の証が消えちゃったんですけど……」
380名無しって呼んでいいか?:2007/05/05(土) 07:26:14 ID:???
B「ところで、周防さんの契約の証が消えちゃったんですけど……」

私はそう言いながら、周防さんに左手の甲を見せる。

「ああ、これか……」
周防さんは私の手の甲を取ってまじまじと見る。
「多分……俺の力が契約を保てなくなるほどの状態に陥ったんだろ。
それで強制解除された、と」
「そう、なんですか?」
「そ。でも、俺の推測だから詳しいことは調べてみないと分からないけどな?」
周防さんはゆっくりと私から手を離した。

周防さんの言葉に、なんだか私は不安になる。
契約がどのくらい周防さんの負担になっていたのかは分からない。
でも、それが保てなくなるほどの戦いだったなんて。

(目の前の周防さんは、いつもどおりに見えるけど……)
果たして現実の周防さんは大丈夫なんだろうか。

「……まあ、結果的に……皮肉なことにそれが俺を救ってくれたんだろうけどな」
周防さんは自嘲の笑みを浮かべて呟く。
「……ごめんな。結局愛菜ちゃんを一日守り通すことができなかった」
それから、悲しそうに……悔やむようにそう言葉を続けた。

@「いいんです。周防さんは頑張ってくれたじゃないですか」
A「周防さんは本当に大丈夫なんですか?」
B「そういえば、私たちみんな約束を守れませんでしたね」
381名無しって呼んでいいか?:2007/05/05(土) 16:11:04 ID:???
A「周防さんは本当に大丈夫なんですか?」

なんだか周防さんの様子が気になった。
出会ってそう日も経っていないけれど、目の前にいる周防さんはいつもよりどことなく元気がなさそうに見える。

(俺を救ってくれた、って言ってたから無事は無事なんだろうけど……)

「あー……。お前さんも、なかなか鋭い所をついてくるな」

私の視線を避けるように、周防さんは視線を明後日の方向に彷徨わせた。

何か、まずいことでもあるのだろうか。

「周防さん?」
「うん。まあ、隠しててもしょうがないしな」

詰め寄った私に、周防さんは意を決したようにそう言ってこちらに向き直った。

「いずれわかってしまう事だから。正直今の俺はあんまり無事じゃ、ない」

「えっ?!」

よっぽど深刻な顔をしていたのか、周防さんは私の様子にちょっと困った顔をして笑った。

「いやいや、身体は無事だよ。お前さん達と同じようにピンピンしてる。ただな」

「ただ?」

「今の俺に愛菜ちゃんの身を護ってやるだけの力はないんだ。それこそ、今だってお前さんが呼んでくれなければ夢にだってお邪魔できないくらいに、な」

周防さんの言葉になんて答えよう?

@「体が無事なら良かったです。本当に、心配したんですよ?」
A「それって、もし何かあっても助けてもらえないって事ですか?」
B「私が、呼んだ?夢の中に、ですか?」
382名無しって呼んでいいか?:2007/05/05(土) 17:18:56 ID:???
B「私が、呼んだ?夢の中に、ですか?」

「そのリアクション……そうかぁ、自覚無しか」
周防さんはガックリと肩を落としている。

(私……何か気落ちさせる事を言ったのかな)
「す、周防さん?」

「あぁ〜〜愛菜ちゃんの呼びかけで踏みとどまれたのになぁ……。
これって、片思いみたいな心境だなぁ」
周防さんは頭を抱えて言う。

「片思いって……」
自分の顔がみるみる熱くなっていくのが分かる。
「お姫様の為にキセキの大復活を遂げたのに……いいさ、いいさっ」

(周防さんがいじけてる……)

「と、とりあえず周防さんの身体が無事で本当によかったです」

「正直、愛菜ちゃんの力無しでは俺はあの世行き――だった訳だしな。
お前さんのお陰だよ、ありがとな」
周防さんは子供のように真っ直ぐな瞳を私に向けた。

あと、聞きたいことは…

@「力が弱くなって大丈夫なんですか?」
A「もう夢でも会えないんですか?」
B「そういえば、私たちみんな約束を守れませんでしたね」
383名無しって呼んでいいか?:2007/05/05(土) 21:37:14 ID:???
A「もう夢でも会えないんですか?」

私はそのまっすぐなまなざしに耐えられなくて、うつむきながら呟くように問いかけた。

だって、周防さんが今の状態になったのは私を守ろうとしたせいで。
私のお陰だなんてそんなこと言ってもらえる資格すらなくて。

「……っ」
こみ上げてくる悲しさや悔しさを堪えるように、私は強く手を握った。

「ふー……」
やがて周防さんから聞こえてきた、わずかな苦笑交じりのため息。

「だーいじょうぶだよ、そんな暗い顔しなさんな。
……『今の俺は』って言っただろ?」
そして、元気付けるように私の頭をぽんぽんと叩くようにしながら撫でてくれた。

「え?」
私はゆっくりと周防さんを見上げる。
周防さんは、少し困ったような……けれど優しい笑みを浮かべていた。

「まだ、俺の力の源はきちんと残ってる。
いくらでも……どうとでもなるさ」
優しい笑みを浮かべたまま、周防さんは力強い言葉をくれた。

「ほ、本当……ですか?」
信じられない思いで聞き返す。
……私の視界はわずかにぼやけていた。

「おう、ホントホント。
源が完全に絶たれたり、消滅しない限りは自然に力は戻ってくる。
能力者が生きてさえいれば……な」

そこでわずかに表情を翳らせる周防さん。
でもその表情はすぐに、いつもの子供っぽい笑みに変わる。

「だからさ、そんな泣きそうな顔するなよ。なっ?」
「は、はい……っ」
私は泣きそうになるのをぐっと堪えて、周防さんに向かって微笑んだ。
「おう、それでいい」
周防さんも私に向かって笑いながら、頭をくしゃくしゃと撫でた。

「でも、そっかー。
愛菜ちゃんがそこまで心配してくれるなら……」
そう呟いてから、苦笑いのような……はたまた複雑そうななんともいえない表情を浮かべる。

「お兄さん、ちょっとがんばってみっかな?」
そして、何かを決意したかのように一つ頷く。

@「がんばる?って何をです?」
A「嬉しいですけど、無茶なことはしないでほしいです……」
B「何か方法とか考えがあるんですか?」
384名無しって呼んでいいか?:2007/05/05(土) 22:28:54 ID:???
@「がんばる?って何をです?」

「ここ、ここから抜け出す方法だな」

周防さんは霧に包まれた地面を指差す。

「ここって……夢の中じゃないんですか?」
私はぼんやりと薄暗い世界を見渡す。

「ここは生と死の狭間。世間一般でいう三途の川ってやつさ」
周防さんはまるで近所のコンビ二を教えてくれるような気軽さで答える。

「さ、三途の川って……。やっぱり私は死んじゃったんだ……」
絶望的な状況に膝がガクリと折れる。
(お父さん、お母さん、春樹……先立つ不孝を許してっ)

「まぁ、落ち着けって。実際は愛菜ちゃんが想像した生死の境だよ。
俺やお前さんのような能力者は、魂が身体から剥がれやすいんだ。
夢……ぶっちゃけると精神の中に閉じ込められた訳だな」

周防さんは「この辺でいいかな?」と言いながらしゃがみ込む。
そして、地面を慎重に叩きだした。

@「何を始めたんですか?」
A「このままだったら私たちどうなるんでしょう?」
B「私に何かできる事は無いですか?」
385名無しって呼んでいいか?:2007/05/06(日) 01:38:09 ID:???
A「このままだったら私たちどうなるんでしょう?」

「ん?」

意識していなかったけれど、私の言葉は周防さんの耳には心細そうに聞こえたのか。
周防さんは少し顔を上げてなんでもなさそうにさらりと言った。

「そりゃあ仲良くお陀仏だなあ。なんたって三途の川だ」
「……」

なんとなく想像はしていたものの、やはりはっきりそう言われると絶句してしまう。
黙り込んだ私に噴出すと、周防さんはまた地面に視線を戻して言った。

「ま、そう心配しなさんな。だいたいお前さんは本来ここにいるはずじゃない。
冬馬はそんなヘマはしなかっただろう?」

楽しげな周防さんに何か釈然としないものの、言っている事に異論はないので大人しく頷く。

「かいつまんで言えば、俺の心配をするあまりお前さんはこっち側に迷い込んじまったって訳だ」

「迷い込んだ……」

「そう。で、勝手の解らない場所で俺を探し当てた。どうも無意識の内にやってのけたみたい
だが、そう誰にでもできるものじゃないんだぜ」

「はあ。そう、なんですか……」

どうやら私の使ったらしい力について、周防さんは賛辞を送ってくれているみたいだけれど。

(自分でも全然実感ないのに褒めてもらってもピンとこないかも…)

「まるで他人事だな……まあ良いさ。とにかくお前さんは俺が無事に帰すから、心配しない!OK、愛菜ちゃん?」
「はい。よろしくお願いします」
「ん、良い返事。おにーさんに任せとけ」

そんなやりとりをする間、周防さんは地面の様子を確かめるように手をおいたままじっと虚空をみつめていた。

どうしよう?

@何をしているのか尋ねる
A何か手伝える事がないか尋ねる
B邪魔をしてはいけないので黙って見守る
386名無しって呼んでいいか?:2007/05/06(日) 08:39:00 ID:???
A何か手伝える事がないか尋ねる

「あの……私に何か手伝えることはないですか?」

周防さんは私を見つめると、待ってましたと言わんばかりにニコっと笑った。

「じゃあ……、応援してくれ。『周防さんガンバレー』ってな」
周防さんは微妙な裏声を出いながら、身をくねらせ言った。

(今のを私が……)

「……ホントにしなきゃだめですか?」

「うん、だめ。応援がないとお兄さんもーっと頑張れないし」

(そんなハッキリ言われたら、するしかないじゃない)
「す、周防さん…がんばれぇ〜」
私は赤面しながらどうにか声を出す。

「声が小さいぞ! もっと大きな声を出す」
体育祭の応援団のような張り切りようだ。
「はい……すみません」
「言いづらいなら『周防さん大好きぃ』でもいいからさ」
周防さんがやけに楽しそうなのがくやしい。

「周防さん……もしかして私で遊んでませんか?」

私は疑いの眼差しを周防さんに向ける。
すると、少しだけ真面目な顔つきになった。

「ここはお前さんの精神世界だ。愛菜ちゃんの言霊が反映されやすい。
愛菜ちゃんが声に出して願えば、それだけ俺の力になるんだよ」

@納得して応援に徹する
A「だったら、ここから出してって言えば早いんじゃ……」
B「その話だと『周防さん大好き』は関係ないんじゃ……」
387名無しって呼んでいいか?:2007/05/06(日) 09:37:32 ID:???
B「その話だと『周防さん大好き』は関係ないんじゃ……」

軽くにらむと、周防さんはニヤリち笑った。
どうみても、遊ばれてるとしか思えない。

「……まあ、いいです。言霊が反映しやすいように大きな声で言えば良いんですね」
「うん、お願い」
にっこりと笑って周防さんは作業に戻った。

(恥ずかしいけど…)
私は、一度大きく息をすって吐き出す。

「周防さんがんばって!」
力いっぱい応援すると、一瞬驚いた顔の周防さんが私を見た。

「…え?」
「その調子その調子、おにーさんすごく力がわいてくるよ」
にこにこといって、周防さんは再度集中しだす。
その言葉に、力を得て、何度も何度も周防さんを応援する。

「…くそっ」
どれくらいたったか、周防さんが小さく舌打ちした。
どうやら無意識みたいで、だんだん額に汗が浮いてきている。

(どうしよう、無理そうなのかな…応援もっとがんばらないと…)
このままだと、二人とも死んでしまう。
そう思って、ふと、周防さんの言葉を思い出す。

『ここはお前さんの精神世界だ。愛菜ちゃんの言霊が反映されやすい。
愛菜ちゃんが声に出して願えば、それだけ俺の力になるんだよ」』

(言霊って言葉のことよね…言葉が反映されやすいって事は…)

こういえば…?

1.周防さん大好き!
2.私たちをここから出しなさい!
3.私たちは生きるの!
388名無しって呼んでいいか?:2007/05/06(日) 11:41:40 ID:???
2.私たちをここから出しなさい!

私は大声で啖呵を切ってみせる。

「おっ! いいね愛菜ちゃん、やれやれ〜」

「私はまだ死にたくないのよ!」
「出してよ! まだやりたい事がたくさんあるんだから!」
声の限り思い切り叫ぶ。

(立場は逆転したけど、効果はこっちの方があるはず……よね)

「ふざけるなぁ!なんで私ばっかりこんな目に遭うのよ!」
「元の生活を返せーー!!」

「あ、……愛菜ちゃん?」
周防さんが引きぎみだけど構わず叫び続ける。

「夢とか力とか組織とか全部ムカつく!」
「私の都合も考えてよーー!!出せーー!!」

「愛菜ちゃん? 盛り上がってる所、申し訳ないんだけど……」
「な ん で す か !」
血走った目を向け、私は答える。

「あのね…崩壊しそうだから俺につかまって欲しいかな……なんて」

その言葉でようやく我に返った。

「は、はい……すみません」
私は周防さんの上着を握り締めた。

周防さんは静かに息を整えると、ゆっくり肩膝を立てた。
右手がボゥっと青白い光を放つ。
ふーっと息をゆっくり吐きながらその右手を高く上げ、一気に振り下ろした。

周防さんの掌手が地面を強く叩く。
地響きと共に、地面に大きな亀裂が走っていく。
すると、足元をすくわれる様にグラリと体勢が崩れた。

「す、周防さんっ!」
「絶対に俺を放すなよ」

真っ白な眩い光に包まれ、前後左右が分からなくなる。
急激に浮上するような、落下するような不思議な感覚が私を襲う。

「……………っ」
誰かが私を呼んでいる声が聞こえた。
その声は……

@春樹
A周防さん
B御門くん
389名無しって呼んでいいか?:2007/05/06(日) 12:49:25 ID:???
B御門くん

「愛菜!周防!」
いつもとは違う、鋭い叫びのような呼び声。

……一瞬耳を疑った。
その声の主のいつもの話し方とはあまりに違っていたから。

「ええと、御門君……?」
「そうそう!」
周防さんが嬉しそうに言う。

(でも、どこにいるんだろ?)
声は聞こえたけれど、姿はまったく見えない。
……一体御門君はどこにいるんだろう?

「冬馬!お前ってばナーイスタイミング!」
「…………お前は」
相変わらずの無表情のまま、ため息のようなものをつく御門君。

「……ひとまず、こっちへ」
御門君のその声と同時に、私たちの前方に光が見えてくる。
「おう、サンキュ!」

「……うっし、愛菜ちゃん、できるだけ飛ばすからしっかりつかまってろよ?」
周防さんは私の肩を抱き寄せ、それから真剣な表情をこちらに向ける。
「それから……あっちにたどり着くまでは、余計なことは考えるな。
途中の幻惑や、囁きに捕らわれてもいけない」

言われて、私は辺りを見回す。
御門君の示してくれた光の標と、私たち以外はただただ暗闇だけ。
……今のところは、特に幻が見えたり聞こえたりはしなかった。

「ここは精神世界。……ましてやここは君の影響が大きい領域だ。
君の答え次第で物事が大きく変わってしまう恐れもある。その後……どうなるかは、正直俺には保障できない」
重々しい周防さんの言葉。
私は……

@「わ、分かりました」
A「それを利用して、さっきみたいにいい方向に変えてはいけないんですか?」
B「変わるって、たとえばどんな風にです?」
390名無しって呼んでいいか?:2007/05/06(日) 12:52:37 ID:???
>>389の「相変わらずの無表情のまま」って一文は無かったことにしてください。
姿みえないって自分で書いてるっつーに、どうして表情が分かるんだよorz
391名無しって呼んでいいか?:2007/05/06(日) 21:46:54 ID:???
@「わ、分かりました」

私は周防さんから離れないようにしがみ付いた。

「一番帰りたい場所を思い描けばいい。
あとの事は俺と冬馬でなんとかするからな」
そう言ってくれる周防さんの腕に力がこもる。
(周防さんと冬馬くんを信じよう)

一点の光の標を目指して、闇を疾走する。
永遠の漆黒が纏わり付くように私たちを包む。
空虚なのにゾワリと頬を撫でる不快感が続く。
それは例え一瞬でも永遠に感じられるような時間だった。

「……ちゃん……愛菜ちゃん……」

か細い、女性の声が聞こえてきた。
(これがさっき周防さんが言っていた幻聴?)

「愛菜ちゃん……愛菜ちゃん……」

(この声……どこかで聞いた事がある)
考えてはいけない時だと分かっていても、声の主を思い出す事をやめられない。

とても大切な声。とても大切な思い出。
大切な忘れてはいけない人。
そして……本当に、帰りたい場所――
「お母さん!!」

「駄目だ!!愛菜ちゃん――」

@私は周防さんの言葉で我に返った。
A私は懐かしさで胸が一杯になった。
B私には別に一番帰りたい場所がすでにあった。
392名無しって呼んでいいか?:2007/05/06(日) 22:35:34 ID:???
@私は周防さんの言葉で我に返った。

「…あ」
「愛菜ちゃん、惑わされるな。戻れなくなる」
「…すみません」
周防さんの声に、我に返ったけれど、声はいつまでも追いかけてくる。

(私の帰りたい場所…どこだっけ)
その声に思考が乱れる。

「愛菜ちゃん!」
周防さんのあせる声に、必死に帰る場所を思い浮かべようとする。
けれど声が気になって集中できない。
そのとき、ふとやわらかいものが手に触れた。

「あ…」
「そいつは…」
周防さんにしがみついている私の手に、さらにしがみついている。

「…チハル?いつの間に」
感情のこもらない目がじっと私を見つめる。
何かを訴えるようにひたすら見つめられて、ふと思い出した。

(春樹…!)
そういえば、ここに来る前春樹も一緒に居たはずだ。
御門くんに気絶させられてたけど、大丈夫だろうか。

「そうだ愛菜ちゃん、その調子」
周防さんの声が聞こえたその途端、光の中に飛び込んだ。



「…ん、…姉さん!」
呼びかけにぱっと目を開ける。
そのまま、がばっと体を起こして慌てて周りを見渡す。
目の前には、ほっとした春樹の顔。
少し離れたところで私を見ていた御門くん。
そして、私の手にしがみついているチハル。
どうやら公園らしい。

1.ここはどこ?
2.周防さんは?
3.春樹、大丈夫なの?
393名無しって呼んでいいか?:2007/05/07(月) 20:07:29 ID:???
3.春樹、大丈夫なの?

目の前の春樹の顔にそっと手をのばして上気した頬に触れる。
自分のことで精一杯だったけれど、こうしている間も春樹は返事のない私に必死に呼びかけてくれていたのだろうか。

チハルに教えてもらうまで忘れていたなんて、私はなんてひどい姉だろう。

「なんともない?どこか具合の悪いところ、ない?」

やっとの事で搾り出した声は自分でも情けなくなるくらい弱弱しかった。

「……それは、こっちの台詞だよ。姉さんこそ大丈夫?」

そう言って春樹はポケットからハンカチを差し出した。一瞬訳がわからずに首を傾げると、春樹は持っていたハンカチで黙って私の額の汗を拭った。

「怖い夢でも見てた?ずっとうなされて、苦しそうだった」

「……」

春樹はこんな時でも、ただただ優しい。
視界がぼんやりと滲んで目の前の春樹の輪郭があやふやになるのが恐くてきつく瞼を閉じて春樹の腕にしがみつく。

「……姉さん?どうしたの?どこか痛む?」

春樹の気遣わしげな声は聞こえたが、こみあげる嗚咽に声を出す事ができず私は子供のように何度も首を振った。
春樹は戸惑いがちにゆっくり私の背中を撫でて、その春樹にしがみつく私の手の上をチハルの小さな手が慰めるように行ったり来たりしていた。

どのくらいそうしていたのか。
呼吸も整い始めた頃、ふと誰かが近寄る気配がした。

(御門くんかな?みっともない所見せちゃったな…)

いまさら恥ずかしくもあったけれど、思い切って涙を拭いて顔を上げる。

そこに立っていたのは……

@やっぱり御門くん
Aいつの間に現れたのか周防さん
B近所を巡回中らしいおまわりさん
394名無しって呼んでいいか?:2007/05/07(月) 23:36:53 ID:???
B近所を巡回中らしいおまわりさん

「どうしたんだ? 気分でも悪くなったのか?」
ベンチの上で横になっている私を見て心配に思ったのか、おまわりさんがこちらに向かって話しかけてきた。
「いえ……なんでもないです」
(こんな公園に警官?)

「そうか。ならいいが、目撃者が何人も病院に運ばれたからな。
君も現場を目撃して気分が悪いようだったら無理せず言うんだよ」

目撃者?現場?
なんの事だろう。
だけど、すごく嫌な予感がする。

「大丈夫です。ありがとうございます」
不審に思われないように、とりあえずこの場を取り繕う。

おまわりさんが納得したように私達から去っていった。

「ねえ、春樹……あのおまわりさん、何を言っていたのかな?」
春樹は苦しそうに私から目を逸らし「知らない……」と答えた。

(春樹……何か隠しごとをしている?)
少し離れたところに居る御門君は、ジッと黙ったまま私を見つめている。

私は……

@御門君に何が起こったのか尋ねる
Aこれ以上追及しない
B春樹に本当のことを言ってもらう
395名無しって呼んでいいか?:2007/05/08(火) 09:46:14 ID:???
Aこれ以上追及しない

御門君はともかく、春樹が口をつぐむって事は……きっとよくないことなんだ。
なら、聞かないほうがいいのかもしれない。
(それになんとなく検討はつくもの……)
辺りを見回す。
ここは、さっきまでいたショッピングモールの公園だ。

先ほどまでの出来事は、全部夢じゃない。
周防さんが戦いに赴いたことも、ここで騒いだことも、春樹が来たことも……全部。
(だからきっとこの騒ぎはそれ関連のことだ……それも、被害はかなり大きいのかもしれない)
思ったよりも冷静に受け止めている自分に驚く。
(なんでだろう?)
それは現場を見ていないからそうできるのか。
それとも知らない間に自分はそんなに冷たい……酷い人間になってしまったのだろうか。

「……姉さん。姉さんは、これから、どうするつもりだ?」
考え込んでいる私に、春樹が静かに問いかけてくる。
まるで何かを耐えているような、震えた声で。
「え?えっと……」
唐突な質問に私が答えられずにいると、春樹はそのまま言葉を続けた。

「あのさ、俺……ちょっと一人で考え事したいから……。
だから、先に帰るよ」
「え……」
私はその様子に違和感を覚えずにはいられなかった。
(いつもなら有無を言わせず『帰るぞ!』って言うところなのに?)

春樹の様子がおかしい。
それが、言葉で……態度で十分に伝わってくる。

「姉さんがどうするにしろ……あいつに傍にいてもらったほうがいい」
そして、最後に搾り出すように呟く。
視線は下を向いているが、誰のことをさしているかはわかる。

(御門君のこと?でも急にどうして……)
どうして春樹は急にそんなことを言い出すんだろう?
気絶する前までは、あんなに反抗するような態度を取っていたのに。

「じゃあ……」
春樹は私に背を向けてそのまま歩いていってしまう。
私は様子のおかしい春樹をただ呆然と見つめるだけで、何も考えることができなかった。

そして、途中で御門君とすれ違うときに一度だけ足を止めて。

「…………っ」
そのまま走り去ってしまった。

私は……

@春樹を追いかける
A御門君に何かあったのか聞く
B御門君に周防さんはどうしたのか聞く
396名無しって呼んでいいか?:2007/05/08(火) 14:40:41 ID:???
@春樹を追いかける

とっさに、私も春樹を追って走っていた。

「まって!春樹!」
私の目が覚めるまでの間に何かがあったのは確かだ。
御門くんに聞けば、きっと何があったのか答えてくれる。
でも、様子のおかしい春樹を一人にしてはいけない気がした。

「春樹!」
私の声が聞こえたのか、春樹がふりかえる。
私が追いつくと、怒っているような何かに耐えるような顔で私を見た。

「なんで追いかけてくるんだよ。姉さんは、あいつと居ないとダメだ」
「…いったい、どうしたのよ、御門くんに、何か、言われたの?」
息を切らせながら途切れ途切れに言う私に、ちらりと驚きの表情をにじませる。

「…御門?あいつが?姉さんが怪我したときに保健室に運んだ奴?」
そういえば、さっきも同じ学年のはずなのに面識がない様子だった。

「そうよ」
「……あいつは一年に居ない。姉さんも知らないとなると、二年でもない」
「え?」
さっきの春樹の様子でおかしいと思っていたけれど…。

1.それじゃ、三年生?
2.もしかして、学校の生徒じゃない?
3.転校生、とか?
397名無しって呼んでいいか?:2007/05/08(火) 23:00:25 ID:???
1.それじゃ、三年生?

私は疑問をそのまま口に出した。

「………知らないよ」
春樹は私をあしらうと、また歩き出す。

「ど、どうしたのよ。春樹ってば……」
「なんでもない……。放っておいてくれ」
「何を怒ってるの?」
「早く……あの御門って奴の所へ戻れよ」
どんどん先へ歩いて行く春樹を早足で追いかけた。

「ちょっと、待ちなさいってば!」
私は春樹の前に強引に飛び出る。

「…………」
春樹は私を見据えるように立ち止まると、乱暴に地面を蹴った。

「あんなの見て冷静でいられるわけないだろ! 
こんな……自分を無力だと感じたことは生まれて初めてだ!!
俺は何の力も無い。ただ指を咥えて見ていることしか出来ないんだよ!」

春樹の憤りは頂点に達している。
事件の事を言っているのか、気絶させられた事を言っているのかまでは判断できない。
ただ、春樹の気持ちは守ってもらってばかりの私にも痛いほど分かった。

私は…
@怒ったって何も変わらないと諭す。
A春樹を守ると決意する。
Bかける言葉も無く春樹を見送る。
398名無しって呼んでいいか?:2007/05/09(水) 01:15:15 ID:???
@怒ったって何も変わらないと諭す。

「春樹の気持ちは私にもよくわかるよ」

とりあえず、春樹が落ち着いて聞いてくれるように前置きをして続ける。

「どっちかって言ったら私の方が当事者なのに色々な人たちを巻き込んで、いつもみんなに助けてもらって…。何もできないのがほんとに、情けないし悔しいって思う」

「……」

「みんなに守ってもらってばっかりで、さっきだって結局春樹を巻き込んじゃった。…私だって春樹のこと、守りたいって思ってるのに」

それは決して嘘じゃない。
私に関わる人を全て守れるはずもないけれど、春樹は私の大事な家族なのだ。すぐ傍で苦しんでいるのに何もできないなんて、それほど歯がゆいことはない。
きっと、春樹も同じ気持ちだ。

「でも、怒ったって嘆いたって取り巻いてる状況は何も変わらないと思う。小さなことでも、少しずつでも何か私たちにできることをしなきゃ」

春樹は依然として口をつぐんだまま何の反応も示さない。つたない言葉ながら春樹の心に届くよう私は必死に語りかけた。

「私も春樹と一緒に一生懸命考えるよ。どうしたら良いか、何ができるのか。ね?」

「…何が、できるのか?」

呟くように私の言葉を反復すると、春樹はなぜか口元だけで小さく笑った。
理由はわからないものの不意に春樹の見せた笑みに安堵していると、それに気付いたのか春樹が私を見て苦々しげに言った。

「考えたさ。俺に、何ができるのか。それこそ姉さんの力の話を聞いてから、今までもずっと」

「春樹……」

「さっき、答えは出たんだ。姉さんはあいつの所に行ってくれ」

春樹の信じられない言葉に、私は自分の耳を疑った。とっさに言葉が出てこない。
やっとの事で出てきたのは奇妙に上ずった子供じみた問いかけだった。

「……どうして?私、何かした?それとも、御門くんに何か言われたの?」

呼びかけてみても、春樹は眉根を寄せて押し黙ったままだ。
言いようのない不安に襲われて、私は春樹の肩を乱暴に揺すった。

「ねえ、春樹ってば!」
「もうこれ以上の厄介事は、ご免なんだ!」

(え……)

急速に全身の血の気が引いていくのがわかった。
目の前の春樹の顔もあたかも自分がそう告げられたかのように蒼白だった。
春樹はあからさまに私から目をそらすと、私の腕を振り払って背を向けた。

振り返ることなく足早に遠ざかってゆく。

わたしは……

@なおも春樹に追いすがる
A呆然とその場に立ち尽くす
B人目もはばからずに泣き崩れる
399名無しって呼んでいいか?:2007/05/09(水) 02:55:14 ID:???
A呆然とその場に立ち尽くす

「は、るき……」

頭の中が真っ白で何も考えられない。
たださっきの春樹の言葉が何度も私の中で繰り返し繰り返し響くだけ。

『もうこれ以上の厄介事は、ご免なんだ!』

私に笑顔を向けていてくれたときも。
私を気遣ってくれたときも。
私を守ろうとしてくれていたときでさえ。

(春樹は、ずっとそんな風に思って……でも、我慢してきたの?)

負担になっているのかもしれない……どこかそんな予感はしていた。
けれど、それは春樹の優しさと春樹への甘えで確実な答えに変わることは無かったけれど。

だけど今、はっきりと分かった。

(私は春樹にとって迷惑な存在で……私は、春樹の負担になってたんだ)

垣間見えた、春樹の本当の気持ち。
それを知って私は……

@悲しくなった
A安堵した
B許せなかった
400名無しって呼んでいいか?:2007/05/09(水) 10:06:19 ID:???
A安堵した

確かにその否定的な言葉はとてもショックで悲しかった。
だけどそれ以上に、安堵してもいた。

それは多分、少しでも春樹の気持ちが見えたからなのかもしれない。

春樹はいつも優しかった。
でも、だから私には春樹の気持ちが分からなくて、それがずっと怖かった。

春樹はすぐに私を優先にするけれど、本当の春樹はどうなんだろうって。
(本当は、もっといっぱい考えてることとかやりたいことがあったんじゃないかな……私にばかり構ってるんじゃなくて)
そしてその気持ちは、いつどんな言葉で告げられるんだろうって。

(もしかしたら、告げられたのが今でよかったのかもしれない)
能力のことや事件のことという異常な状況である今。
やらなきゃいけない明確なことがある今。
それがクッションになって、思ったよりもきちんと春樹のことを受け入れられていた。

もしも平常時に言われていたら、もっと取り乱してどうしたらいいかわからなかっただろう。

(それに、これできっとこれ以上春樹を巻き込まないですむ)
春樹は「これ以上の厄介事はごめんなんだ」と言った。
この事に関わり続ければ、厄介事が増えるだけだって春樹なら分かるはずだ。
なら、今後は無闇に首を突っ込もうとはしないだろう。

(だから、今は心がすれ違っちゃったけど……大丈夫だって信じよう)
しばらくは互いにどうしたらいいかわからないかもしれない。
ギクシャクしてしまうかもしれない。

でも、生きてさえいればきっとどうすることだってできる。
話し合う事だって、本音をぶつけ合う事だって、お互いを本当に分かり合えるようにだって、なるはずだ。

(そのために、すべてを終わらせよう……できるだけ早く)
私は心にそう誓った。

「よし!」
まだ悲しいままの気持ちを断ち切るように、私は両手で自分の頬を勢いよく叩く。

そして私は歩き出した。

@御門君がいるショッピングセンター内の公園へ
A何かの事件が起こったらしい事件現場へ
B御門君と約束した病院の近くの公園へ
401名無しって呼んでいいか?:2007/05/09(水) 13:15:31 ID:???
@御門君がいるショッピングセンター内の公園へ

さっきは突然の事につい春樹を追ってきてしまったけれど、御門くんを一人で置いてきたままだ。

(そういえば私ったら、助けてもらったのにお礼も言ってないよ)

こちら側に戻ってきてからいきなり大泣きした挙句、御門くんをほったらかしにして春樹と口論を繰り広げて。
この上なく失礼だし、冷静に考えるとかなり恥ずかしい。どう話をしようかと悶々としながらもといた場所へと向かう。

(……いた、御門くん!)

御門くんはさっきまでと寸分たがわぬ位置に佇んでいた。いつもと同じ、感情の読み取れない瞳をこちらに向けてくる。

私は気持ちの整理をするように一つ大きく息を吸って、御門くんの所まで歩いてゆく。

途中芝生の中をよろめきながら小走りに駆け寄ってくるチハルを抱き上げて、御門くんの前に立った。

「……ええと」

さて、どうしよう?

@まずは助けてもらったお礼をする
A御門くんに公園で起こった事件の概要を聞く
B周防さんの居場所と容態を尋ねる
402名無しって呼んでいいか?:2007/05/09(水) 14:08:23 ID:???
@まずは助けてもらったお礼をする

「ありがとう、御門君。なんだか色々助けてくれて。」
「お礼はいらないです。これが僕の役目ですから。」
表情一つ変えず言葉は淡々と義務めいている。
御門君らしい返答。
「うん、でもお礼がいいたかったの。ありがとうね。」
私はもう一度お礼をいうけれど、御門君は何も答えなかった。
私を見ているというよりは私の先を見ている。

「御門君?」
先に何があるというのだろうか振り向くも人がいない。
事件現場の方に人が集まっているのだろう。
ミストがいるわけでもないのに、どうしたんだろう。
そう思っていたら御門君が口を開いた。

「どうして、弟さんを遠ざけたのですか?」
「えっ。」
先ほどのやり取りのことを言っているのだろうか。
遠ざかったのは春樹なんだけれど、御門君にはそうは見えなかったのだろうか。
「遠ざけたわけじゃないよ。これからは春樹の力を借りずに片付けるの。
 そして、全てが終わったら一緒にいるために戻ってきたの。」

春樹には危ない目にあって欲しくない。
御門君が言ってくれたんじゃないの、安全な所にいろって。
「……ということは、僕と一緒にいてくれるということですか?」
「えっ。」
「弟さんの傍にいたら弟さん危ない目にあいます。
 家、帰れますか?」
御門君の言葉にショックを受けた。
淡々とした言葉が胸に刺さっていく。
「でも……。」
「それに遠ざけたということはあなた、一人になるんですよ。
 双子の言葉忘れたわけじゃないでしょう。」

男と女がいて陰陽のバランスがとれる、じゃないと消えてしまう。

そうだ、だから春樹がいないとって一郎君と修二君が……。
「だから弟さんの傍にいないのだったら僕と一緒に来てもらいます。
 あなたを失うわけにはいかない。」
今度は私をまっすぐ見て御門君は私に手を伸ばしてきた。
この手を取れば家に帰ることはなかなかできないだろう。

@手を取る
A一度考えさせて欲しい
B今はそんなことより周防さんだ。
403名無しって呼んでいいか?:2007/05/09(水) 15:12:25 ID:???
@手を取る

「いいの、かな」
私はおずおずと御門君に尋ねる。

(私はこの選択をしていいのかな?)
(御門君に迷惑かけてもいいのかな?)
(私は私でいることを望んでもいいのかな?)

それらの思いをただ一言にこめて、私は答えをじっと待った。

やがて、御門くんが口を開く。
「……そのために、僕は存在しています」
それはとても悲しい言葉のようにも思えるけれど、同時に私を必要としてくれている気持ちも伝わってきた。

だから。
私は、ゆっくりと御門君のほうへと手を伸ばし―――その手を取った。

「ありがとう……これから、よろしくね」
「はい」
優しくもしっかりとした握手が交わされる。

「今度こそ終わらせましょう。……例えあなたの出す答えがどんなものであろうとも」
そして、御門くんがそう続ける。
(……?)
瞬間、どこかで何かが引っかかった。

『今度こそ終わらせましょう。……例えあなたの出す答えがどんなものであろうとも』
(今の言葉、何かが引っかかるような……何だろう?)
考えてみたけれど、あと少しのところで出てこない。

「どうかしましたか」
手を繋いだままの御門君に淡々と問われる。

どうしよう?
今の疑問を御門君にぶつけてみようか?

@「あのね、今の言葉に何か引っ掛かりがあるって言うか……」
A「ううん、なんでもないの。それよりこれからどうするの?」
B「そういえば、周防さんはあれからどうしたの?」
404名無しって呼んでいいか?:2007/05/09(水) 19:14:01 ID:???
@「あのね、今の言葉に何か引っ掛かりがあるって言うか……」

そう、何かがひっかかる。

(何だろう……。今度、こそ?)

話を振っておきながら一人物思いに沈む私に、御門くんは繋いでいた手をほどくとあいかわらず抑揚の乏しい声で言った。

「僕はあなたに何か変なことを言ったでしょうか」

「え、ううん。そんなことないよ。ただ、『今度こそ』って言ったみたいだから」

ちょっと気になってね、と付け足してどうにか笑顔を作る。

御門くんは黙って私の顔を見つめていたが、ややあって目を伏せると静かにこう言った。

「失言でした。それについては……僕からはまだ、お話できません。いずれ時がくればご自身でもおわかりになるかと思います」

珍しく御門くんが返してくれた答えは、聞く前より私の頭に疑問符を増やすものだった。
ただ、はっきり『話せない』というからにはこれ以上聞いても無駄なのだろう。

「わかったよ。それまで待ってる」

仕方なく、私はそこでその話を切り上げる事にした。
御門くんは小さく頷いて、恭しく私の右手をとった。
事態が良く飲み込めずにそのまま目で追っていると、御門くんは目を伏せたまま流れるような仕草で私の前にひざまずいた。

(み……御門くん?)

惚れ惚れとする優雅な振る舞いに溜息が出そうになったが、次の瞬間に我に帰る。
ここは、日曜日の公園なのだ。

どうしよう?

@人目が気になって恥ずかしいので立つように促す
A突飛な行動を咎める
B契約に関わることかもしれないので御門くんの好きなようにさせる
405名無しって呼んでいいか?:2007/05/09(水) 21:12:23 ID:???
B契約に関わることかもしれないので御門くんの好きなようにさせる

私は御門君だけをただじっと見つめる。
一度そう決めたからなのか、不思議と周りの存在や声といったものは全く気にならなかった。

(そういえば、前にも夢で見たっけ……)
あのときのことを思い出して、少し恥ずかしくなる。

「……いまいちど、誓う」
そんな間にも、御門君は私の右手に自分の額を当てて、言葉を紡ぎだした。

(わっ!?)
その突然の行動に驚きながらも、どぎまぎしてしまう。
現実だから当たり前と言えば当たり前なのかもしれないけど、伝わってくるものはあのときよりもずっとはっきりしていた。

「遠き古より、我が主と定めた人。
貴方が望むならば、僕は剣となり盾となり……翼にさえなってみせる」

私の心中なんてお構いなしに言葉は続いていく。
ふと、繋がっている手から何かが流れ込んでくる気がした。

(???)
これは、一体何なんだろう?
懐かしいような、優しいような、暖かいような、不思議な感覚のそれ。

そんな風に感じるのは、一体なんでなんだろう?

「そして貴方の尊き願いの為に、望む道を切り開くために、戦い続ける。
……この身が朽ち果てるまで」
そして、私をまっすぐ見つめてくる。

もしかして、私の言葉を待ってるのかな?
でも、なんていったらいいんだろう?

@「ありがとう。私、がんばるから」
A「……『この身が朽ち果てるまで』なんて言わないで?」
B「そういえば、夢でもこんなことがあったね」
406名無しって呼んでいいか?:2007/05/09(水) 22:59:39 ID:???
@「ありがとう。私、がんばるから」

私の言葉に御門君は力強く頷く。

「主たるあなたの望みのままに……」
そして、私の手の甲に唇を寄せた―――

手から流れ込んでくるもので体中が包み込まれる。
その感覚はどこまでも暖かくて、懐かしい。
今までにこんな経験をした事なんてない筈なのに、なぜか心が憶えている。
やっぱり、私はこの感覚を幾度となく繰り返しているみたいだ。

御門君が私の手を取り、ゆっくり立ち上がる。
すると、さっきまで止っているように感じていた時間がまた動き出した。

「……………………」
御門君が私をジッと見つめてきた。
その触れる指先には以前よりもはっきりとしたアザが浮かび上がっている。

(これって……仮契約じゃなくて本契約したって事よね)

私はもう戻れないところまで来てしまった。
こうなったら、もうやるしかない。
だけど、知らない事が多すぎてどうすればいいのか見当もつかない。

(そうだ。以前、夢の中で御門君は私と縁の深い人について話してくれるって言っていたよね。
そして、打つ手があるともいっていたけど……)

私は……
@縁の深い人について尋ねる
A組織について尋ねる
B御門君の素性を尋ねる
407名無しって呼んでいいか?:2007/05/10(木) 21:28:41 ID:???
@縁の深い人について尋ねる

「ねえ、御門君……聞いていいかな?」
私が問いかけると、御門君は「はい」と静かに頷いた。

「御門君は、私達と縁の深い人に私を守って…って頼まれたんだよね?」
それって、誰なの?」
「…………」
私の質問に、御門君はすぐには答えなかった。
何かを考えているようだ。
(さっきみたいに聞かないでとは言われなかったから、大丈夫だとは思うんだけど……)
どことなく不安になりながらも、御門君からの返答を待った。

ふいに、御門君はシャツのポケットから何かを取り出す。
(あ……)
私はそれに見覚えがあった。
それは……いつも御門君が持ち歩いているロケット。

御門君は少しの間、そのロケットをじっと見つめる。
そして、目を閉じて包み込むように握った。

それが何かの祈りのように見えて……私はただ、何も言わずにその様子を見守る。

やがて目を開くと、御門君はゆっくりとそのロケットを私に差し出してきた。
私はできるだけそっと、丁寧にそのロケットを受け取る。

「そこに答えがあります」
言われて、そのロケットをそっと開いた。
そこには二人の人物。

一人は、幼い御門君。
大体小学校低学年くらい、だろうか。
表情は今と変わらず無表情のままだったけれど。
そして、その隣に写っている人物。

「お、かあさん……!?」

そう、私のお母さんだった。
……私の前からいなくなったときとほぼ変わらないままの姿で御門君の隣で微笑んでいる。

(どういうことなの?)
御門君に質問すべく、私は顔を上げた。

@「どうして御門君とお母さんが?」
A「御門君はお母さんの行方を知ってるの?」
B「なんで今まで教えてくれなかったの?」
408名無しって呼んでいいか?:2007/05/10(木) 23:08:09 ID:???
@「どうして御門君とお母さんが?」

御門くんは私が手に持ったロケットから視線を外して、どこか遠くを見るような目をした。

「……僕はあなたのお母様に育てられました。実母ではありませんが、孤児同然の身になった僕を引き取って育ててくれたのです」

「お母さんが……」

呟く私に御門くんは静かに頷いた。
つまりは私と御門くんはいわゆる乳兄弟みたいなもの、ということになるのだろうか。

漠然とそんな事を考えていると、御門くんは感情の読めない口調で淡々と続けた。

「まずは僕の生い立ちからお話しなくてはなりません。僕の父親はとある研究所の研究員でした。
彼は素養もあり研究熱心で、施設でともに働く職員の中でも極めて優秀な人間だったようです」

まるで調書を読み上げる刑事のように御門くんは言った。到底父親の話をしているとは思えないような、そんな口ぶりだった。

「ただ、優秀な人間が必ずしも社会常識や人間としての倫理観を持ち合わせているとは限りません。
自身の才能を過信した彼は探究心を抑えられなかったのか、同僚達の目を盗み独断で施設の設備を用いて次第に非人道的な実験を行うようになりました」

「非、人道的……?」

口に出してみてもどの程度の規模のどういったものなのか、私には全く見当もつかない。

「はい。あなたにお聞かせするような内容ではありませんので詳細については割愛しますが、周防は
『胸くそが悪くなる』と言っていました。……私の父親は自らが持つ知識欲を満たさんが為に何の躊躇なくそういった類の行為に手を染め、
最終的に彼の行き着いたのは自分の身重の妻を利用した人体実験でした」

私は一瞬我が耳を疑った。
人体実験など、現実にありうるのだろうか。

「……待って。もしかして、その子供って……」

何故か喉が乾いて、私の声はひどくかすれていた。言いながら、思いついた答えが違うものであって欲しいと願っていた。
けれど。御門くんの口から出た言葉は間逆のものだった。

「あなたがお考えの通り、僕がその子供です。母の胎内で彼の実験の被験者になりました」

「……」

言葉が、出てこなかった。目の前の御門くんにかけるべき言葉が見当たらなかった。
御門くんは特に気にかける様子もなく、話をすすめてゆく。

「しかし、事は彼の思惑通りには運びませんでした。生まれてきた子供が成長するにしたがって、
彼は自らの実験の失敗という結果を思い知らされたのです。所詮彼は非凡な秀才で、思い描く天才にはなりえなかったという事なのでしょう」

御門くんから語られる内容に愕然とした。周防さんが言っていた特殊な事情というのはこの事だったのか。
あまりの内容に脳内がショートしそうだ。ここでちょっと質問をしてみる事にした。

何を尋ねよう?

@御門くんの父親の勤めていた研究機関について
A御門くんの父親が実験で得ようとしたものについて
B御門くんの何が『失敗』だったのかについて
409名無しって呼んでいいか?:2007/05/11(金) 09:10:33 ID:???
B御門くんの何が『失敗』だったのかについて

「失敗は二つ。まず一つは僕の能力が彼の思い通りのものでなかったことです」
私の質問に、何の感情のなく淡々と答える御門君。
「彼はさまざまな調整を行い、僕が彼の望む能力を持って生まれてくるようにした。
……そのはずでした。しかし、僕に発現した能力は全く違うものだった」
ふと自分の手のひらをじっと見つめ―――やがてそれを握り締める。
それから御門君は再び言葉を続けた。

「そしてもう一つ。それは……僕が持って生まれた能力を制御できなかったこと。
結果、僕の能力の暴走により彼の目論見は白日の下に晒されることになりました。
……ただし、あまりにも多くの犠牲を払って、ですが」
そこで話を区切り、御門君はわずかに目を伏せる。
もしかしたら、そのときのことを思い出しているのかもしれない。

「彼がどうなったかは僕には分かりません。
その後すぐに僕は『危険である』と判断され、別の場所……能力者を制御する部屋へと移されましたので」

「そして、その場所はただ暗闇だけがありました。
どのくらい、その状態が続いていたかは僕には分かりません。
何も無い、誰も来ない、死なないように管理だけはしていたようでしたが」

ただ暗闇だけが支配する世界で、一人ぼっちでただ人形のように存在し続けること。
その光景を想像してみる。
私はそれだけで怖くなった。
もしも、自分がそうなったらと思うと……ぞっとした。

「しかし、ある時に変化が現れました。
勢いよくドアが開かれ、光が差し込んだかと思うと……僕は見知らぬ誰かに抱きしめられていました。
それが、志穂……あなたのお母様」
お母さんのことを語るときだけ、わずかに御門君の声が揺れた気がした。
―――それは本当にわずかのことで、そこにどんな感情があったかは分からないけれど。

「御門冬馬、と言う名もあなたのお母様からいただいたものです。
実の母親とは顔を合わせたこともありませんし、僕の父親は僕を実験のコードナンバーで呼んでいましたから」
そこで、御門君は私を見て言葉を止めた。
「……どうかしましたか?」
そして問いかけてくる。

そのとき初めて私は自分の状態に気がついた。
気がつけば私は……

@悲しみのあまり泣いていた
A怒りのあまり手を強く握り締めていた
B恐怖のあまり震えていた
410名無しって呼んでいいか?:2007/05/11(金) 21:11:51 ID:???
@悲しみのあまり泣いていた

気付けばわたしの頬をいく筋もの涙が伝っていた。
いくら御門くんでもさすがに気になるのだろう。彼は黙って私の言葉を待っているようだった。

「……あれ、なんだろう?おかしいね、ごめんね」

取り繕うようにそう言って慌てて手の甲で涙を拭う。
当の本人である御門くんが何も言わないのに、私が泣いたりするのはおかしな話だ。
きっと同情されても嬉しくはないだろう。
御門くんが想像もつかない環境にたった一人閉じ込められている間、私は両親に慈しまれ何不自由なく育てられたのだから。

そう思うのに、涙はなかなか止まってくれなかった。
御門くんに何か言おうとしたその時。
目の前の御門くんが私の髪にそっと手を伸ばして、触れた。

「あなたはやはり、あなたのお母様によく似ておいでです。……あなたのお母様も度々、僕の為自分のことのように涙を流しておられた」

そう言いながら御門くんの手はいつだかそうしてくれた時のように、私の髪を解くように優しく撫でる。
ご自身で泣きながらも僕を慰めてくれていたようです、と御門くんは続けた。

「今思うと、歳の近いあなたの事も重ねて見ていらしたのでしょう。施設からひきとった後、女手一つで危険因子の僕を我が子同然に育ててくださいました。
今僕が持つ能力を制御する術も、あなたのお母様に教えていただいたものです」

私がどうにか泣き止んだのを見て、御門くんは私の髪を撫でるその手をひいた。

(そういえば、お母さんもよく私が泣いてると髪を撫でて慰めてくれたっけ……)

相変わらず無表情な御門くんを見ながらふと、そんなことを思った。

「何か、お聞きになりたい事はありますか」

御門くんが言う。

どうしよう?

@お母さんについて尋ねる
A周防さんとの関わりについて尋ねる
B特にない。御門くんに続きをはなしてもらう
411名無しって呼んでいいか?:2007/05/12(土) 22:40:41 ID:???
A周防さんとの関わりについて尋ねる

「そういえば、周防さんとはいつ知り合ったの?」
私が見聞きした限りでは、周防さんは結構御門君のことを知っているみたいだった。
御門君があまり態度に出さないから分からないけれど、お互いがお互いを分かっている感じがする。
だから、結構付き合いが長いんじゃないかなって思ったんだけど……。

「周防、とは……」
そこで、何故か少し間が空く。
(どうしたんだろう?何か考えてるのかな?)
私が内心で首をかしげていると、再び御門くんが口を開いた。

「彼が16の時に知り合いました」
「そうなんだ……」
確か、この間周防さんは24歳だと言っていたから……付き合いは8年くらいになるのかな?

「じゃあ、二人の付き合いは結構長いんだ?」
私は呟くように、何気なく言う。
「……」
だけど御門君は何故か黙り込んでしまった。

「そうといえばそうですし、違うといえば違います」
暫くした後に御門君から返ってきた答えはとても曖昧なものだった。

「最初に出会ったのは今か……少し前くらいでした。
最もその時は、存在を認識している程度のものでしたが」
それから御門君は「当時は共有していた時間もわずかでしたから」と続ける。

「彼と言葉を交わすようになったのは、再会してからです」
そこで御門君は区切りをつけるように、話を止める。

……今なら、質問できるかな?

@「昔の周防さんってどんな感じだったの?」
A「周防さんと再会したのはいつ?」
B「御門君……周防さんに気を使いながら、私に話をしてる?」
412名無しって呼んでいいか?:2007/05/13(日) 18:30:20 ID:???
@「昔の周防さんってどんな感じだったの?」

何気なく、そう尋ねてみた。
自分と同じ年のころの周防さんはどんな雰囲気だったのだろう。

「今と変わらず、抜きん出た能力者でした。優秀な能力者の家系の生まれで、
とりわけその血を濃く受け継いだのだと聞いた事があります。
幼い頃からの英才教育もあって、初めて会った時には既に僕が知る中でも
一二を争う力の持ち主でした」

「へえ、やっぱりすごい人だったんだ……」

思わずこぼした言葉に、御門くんは少し間をおいて答えた。

「すごい、かどうかは僕にはわかりかねますが。ただ、僕に出会った頃の周防は
あなたの知る周防とほぼ変わりありません」

(……?)

御門くんの言葉に、かすかに含みがあるような気がする。
私の顔にそう出ていたのか、御門くんは小さく頷いた。

「周防の方は僕に出会う前……正確には対面する以前に、
厳重な監視下におかれた僕の存在を既に知っていたようです。
僕をそこから出すようにと上層部にかけあったのも彼だったと、
後にあなたのお母様に聞かされました」

「……周防さんが?」

「はい。当時の周防には一切の権限はありませんでしたが、
恐喝まがいのなんらかの取引を持ちかけたようです」

『出さなければ施設の中枢を破壊するぞ、といった類の』そう言って御門くんは目を伏せた。

「ず…随分強引なかんじだね……。まあ、そのおかげで御門くんは外に出られた訳だけど…。
周防さんとは親戚か何か、なの?」

「いいえ。血縁は全くありません。何故僕をあの部屋から救い出したのか、
今までも彼の口から語られる事はありませんでしたので
これは僕の推測に過ぎないのですが。
僕が隔離された部屋の前の主は、力を暴走させた挙句病に冒され
再び日の光を浴びる事無く若くしてこの世を去ったと聞きました。
……周防はその人物と懇意にしていたそうです」

(そんな事があったんだ……)

御門くんに、聞いてみようかな?

@その周防さんと親しくしていた人について
A周防さんと再会した頃について
B御門くんが出会う前の周防さんについて
413名無しって呼んでいいか?:2007/05/13(日) 21:34:21 ID:???
@その周防さんと親しくしていた人について

「懇意にしてたってどんな人だったんだろう……」
私が漏らした独り言に対して、御門君は小さく頷いた。

「詳しい事は知りません。
ただ、周防と部屋の主だった人物はかなり親しい間柄だったと聞いています。
その主は髪の長い、美しい少女だったそうです」

(髪の長い少女……)

「その子の名前って……こよみさんっていうんじゃないのかな」

アンティーク雑貨に居る時、リボンを見つめながら周防さんは「こよみ」と呟いていた。
(寂しそうで悲しそうで、私は声をかけることすら出来なかったんだ)

「本来、厳重な監視下に置かれている者は人である事すら許されません。
さきほども話したように名前は捨てられ、すべてコードナンバーで呼ばれます。
身内他人問わず人との接点をすべて絶たれ、ただ監視される日々があるだけです」

御門君はまるで他人事のように淡々と話した。

「で、でも、前の部屋の主だった女の子と周防さんは親しくしていたって……」

「高村……。周防の家系の人々は特別ですから許されたのでしょう。
施設の創設者は周防の祖父で、その直系の者が施設を運営していたそうです。
僕の父も……高村の施設で、一研究員として働いていました」

「じゃあ、周防さんは直系なの?」

「違います。周防の叔父に当たる人物が僕が施設に入っていた当時の最高権力者だったようです。
優秀な能力者であり、研究者であり、権力者でもある……それが高村の名を持つ者なのです。
苗字を嫌い、周防と呼ばせる理由もそこにあるのかもしれません。
ただし、現在の施設の権力は大きく二つに分裂していますが……」

御門君は冷静な口調で答えた。

@施設について尋ねる
A周防さんについて尋ねる
B私を狙う組織について尋ねる
414名無しって呼んでいいか?:2007/05/14(月) 13:23:18 ID:???
A周防さんについて尋ねる

「周防のことは、僕よりも周防に直接聞いたほうがいいかと思います」
私をじっと見つめたまま、淡々とした口調で答える。

「僕から話をしても構いませんが、僕も全てを知っているわけではありません。
……何より、周防がそうされることを望まないでしょう」

そう言われて、私はこれ以上言葉を紡ぐことをためらった。
御門君も何も言わない。

しばらくの間、そんな微妙な沈黙が続いて―――けれど。

「ただ、ひとつ言わせてもらうならば……彼は成長しました。
それは……時が経過した分と、同じくらいといってもいいと思います」
御門くんの言葉で私は再び彼に視線を合わせる。

御門君にしては珍しい、すこしたどたどしく感じるような口調。

それは話すことにためらいを感じているからなのか。
それとも、私に誤解させないように彼なりに言葉を選んでいるのだろうか。
―――あるいは他に理由があるとか?

「ですから、今の周防は少なくとも、敵にはならないでしょう。
……ただし、味方になるかどうかは……あなたの心しだいですが」

その御門君の言葉に―――昨日の夢で、同じようなことを周防さんが言っていたことを思い出す。

『どの視点から物を見るのか、そしてお前がどのように動くのか。
……それによっても俺のスタンスは変わってくる』

そして確信する。
周防さんも御門君もこの一連の出来事の真実の……少なくとも、一端を知っている。

だけど、御門君は御門君の……周防さんは周防さんの。
それぞれの事情から、私にその大事な部分を明かさないままでいるみたいだ。

おそらく、それは私が関係しているからなんだろうけど。

―――だけど、待っているだけじゃ今までとほとんど変わらないんじゃないかな。
(それじゃ、きっと、本当にまた何も変わらないままで……)

そう思った私は口を開いて―――

@「御門君、私に真実を教えてよ」
A「周防さんに会いにいこうよ」
B何も言えなかった。
415名無しって呼んでいいか?:2007/05/14(月) 14:22:02 ID:???
@「御門君、私に真実を教えてよ」

私の言葉に御門くんはしばらく考えているようだった。
少しおいてゆっくりと口を開いた。

「真実は、時に形を変えます。人によって、見方によって。
僕がお伝えできるのは、今迄起こった出来事とその経緯のみです。
また、周防の存在を省いてはお話できません。
……先程も申し上げましたが、周防が今何を考え何を思って行動しているのか。
それについてはあなた自身で周防の口から聞いて頂きたいのです」

丁寧な前置きに、周防さんへの御門くんなりの配慮みたいなものが感じられた。
私が黙って頷くと、御門くんは組織について話し始めた。

「近頃とりわけ頻繁にあなたに接触を試みているのが高村の研究所内での
主流にあたります。それに対して主流の方針に異を唱え、
少数ながら独自の活動を展開しているのが周防の属する派閥です。
ひらたく言えば周防一派は『反主流』、ということになるでしょうか」

「主流と、反主流?」

「はい。設立当初より研究所で行われてきたのが、既存の能力者のデータに基づいた
能力開発とクローン技術を用いた能力者の複製とその管理です。
後にそれに付随して新たな能力者の発見・確保、動向を監視する部署も設置されました。
これらの活動は非合法かつ極秘裏に行われ、現在もその存在を知る者はごく僅かです」

にわかには信じがたい内容を次々に伝えられ、私は理解しようと一生懸命に
御門くんの言葉を反復した。

「ええと…つまり主流は裏家業っていうか、
隠れて色々とまずい事を研究所の中でしてるってこと?」

「世間一般からすれば、そうなります。……もっとも上層部の人間に言わせると
『人類の発展に寄与する、有益かつ有意義な行為』となるようですが。
その一方で周防の一派は組織内で大勢を占める主流のあり方に反発する者達で
構成されています。周防達の活動が表立って行われるようになったのもここ最近の事です」

「それは、どうして?」

「主流の活動が活発化した為です。周防達は主流の目的を阻止する為に動いていますから」

(御門くんの言ってること、わかるような…わからないような……)

確認してみようかな?

@「水野先生は、組織の主流の人ってこと?」
A「武くんが生まれたのも研究所の中なのかな?」
B「一郎くんや修二くんは組織とは関係ないの?」
416名無しって呼んでいいか?:2007/05/14(月) 23:52:01 ID:???
A「武くんが生まれたのも研究所の中なのかな?」

「武……?」
御門君は私の問いに考え込んだ。

(そっか。御門君は知らないのか……)

「あのね。武くんっていうのは幼馴染の隆の別人格らしいの」
私が説明しようとすると、御門君は納得したように顔を上げる。

「昨日、湯野宮隆とあなたが接触していたことでしょうか?」
「その時に隆の別人格の武くんが手紙をくれたんだ。
隆が大怪我をした時、隆のクローンである武くんの体の一部が使われたらしいの。
その時から、武くんが隆の中に別人格としているみたいなんだけど…」

御門君はしばらく黙り込んでいた。
そして、答えを探るようにゆっくり話し出した。
「そのクローンが研究所にいたのは、まず間違いないと思います。
主流派が被験者を病院に提供したのでしょう。
ただ……たとえ体の一部が移植されたからといって、もう一人の人格が形成されるとは考えにくいです」

「え? じゃあ、武くんの手紙はなんなの?」
「わかりません。僕の勉強不足でそういった事例を知らないだけかもしれません」

新しい事が分かったと思ったら、次の謎がでてくる。
真実に近づいたと思ったのに、謎はどんどん深まるばかりだ。

(うう〜、混乱してきた。研究所や組織の話はまた今度にしよう)

「ねえ、御門君。これからの事を質問していい?」
「はい」
御門君は無表情のまま頷いた。

@「契約したけど、具体的にはどうなるの?」
A「家には…もう住まない方がいいのかな?」
B「今までどおり学校に通っても大丈夫よね?」
417名無しって呼んでいいか?:2007/05/15(火) 02:20:01 ID:???
A「家には…もう住まない方がいいのかな?」

口にしながら春樹の事が頭をよぎった。そしてお父さん、お義母さんの顔が浮かぶ。
(御門くんと契約した事で、この事態に本格的に首を突っ込んじゃったんだもんね…)

「愛菜、あなたはそうしたいのですか?」

御門くんの言葉に思考が現実に引き戻される。
目の前の御門くんはいつもの表情で私をみつめていた。

「……ううん。ただ、私のせいで家族が事件に巻き込まれるのが心配なの」

そうですか、とだけ答えて御門くんは何か考えているようだ。

「御門くん?」

短い沈黙の後、私が遠慮がちに呼びかけると御門くんは再び口を開いた。

「あなたと正式な契約を結んだ今なら、手を打つ事自体は可能です。
ただ、あなたに少しばかり負担を強いることになる。正直、僕はあまり気が進みません」

「どういうこと?それって、私の家族を組織から守る手段があるってこと?」

「はい。想定される組織からのあらゆる攻撃に耐えうるものではありませんが、
ファントムにさえ取り付かれなければ後付でも対処はできますので」

ファントムに取り付かれる心配がなくなる、それは願ってもないことだ。

(春樹にとっても当面の問題が解消されるわけだし…)

「教えて、御門くん!」

身を乗り出した私に御門くんは何故かゆっくりと目を伏せた。

「……あなたがお望みなのでしたら、仕方ありません」

そう言って、ファントムが取り付かないようにする術(御門くんは『まじない』と言っていた)を
順を追って丁寧に教えてくれた。

「手順はこれで大丈夫、かな?」

「はい。終わりに、施したまじないに効力を持たせる為相手に触れればそれで完了です」

御門くんの思いがけない言葉に、教わったまじないを頭から再現していた私の手が止まった。

(相手に、触れる…?)

それって…

@「……もしかして、キスしなきゃいけないとか?」
A「触れなかったら効果は出ないの?」
B「契約するみたいなもの?」
418名無しって呼んでいいか?:2007/05/15(火) 09:41:35 ID:???
@「……もしかして、キスしなきゃいけないとか?」

私は少し恥ずかしくなりながら聞く。
「いえ、それは逆に危険でしょう」
そんな私とは逆に御門君は冷静に首を振った。

「どういうこと?」
私は不思議に思って御門君に問いかける。

「この『まじない』は……貴方の能力の一部を、相手に加護として渡すものです」
御門君は淡々とした口調で説明をしてくれる。
「能力者なら大丈夫かもしれませんが、貴方が『まじない』をかける相手は一般人です。
ましてや……貴方は気がついていないでしょうが、貴方の力は強大なものです」
(そうなんだ……)
私は相槌を打ちながら、ぼんやりとそんな風に考える。

「耐性のない一般人には、どんな反動があるか分からない。
ですから、無闇に粘膜接触をするような行為はしないほうがよろしいかと」

(……は?)
頷いていた頭が止まってしまう。
(今、なんて言ったの?粘膜接触?)
突然、御門君から妙な言葉が出てきて驚いてしまった。

さっと御門君のほうを振り向くが、御門君の表情は全く変わっていなかった。
冷静そのものだ。

(これは真面目に言ってるんだ……)

@「み、御門君、何を急に……」
顔が赤くなって俯いてしまう。
A「御門君には、私が『無闇に』そう言うことをしそうに見えるの……?」
少しムッとしながら聞き返す。
B「その、粘膜接触って、例えば?」
逆に聞き返してみる。
419名無しって呼んでいいか?:2007/05/15(火) 19:51:54 ID:???
B「その、粘膜接触って、例えば?」
逆に聞き返してみる。

「……? ですから、先ほどのあなたの質問が答えになります。
キスをすればその際に口腔内の粘膜同士が多少なりとも触れる可能性がありますので。
…それ以外の粘膜接触に関しても何かご質問がありますか」

まるでお医者さんのように感情を差し挟まない口調で御門くんは言った。
(ほっといたら恥ずかしげもなく昼間の公園にそぐわない話を始めちゃいそう…!)
私は慌てて首を振って疑問は解消されたとアピールをする。
納得してくれたのか、御門くんはそれ以上の説明はしなかった。

ほっと胸を撫で下ろした所で御門くんに聞いてみる。

「じゃあ、『触れる』って具体的にどうするの?」

「先ほどお伝えしたとおりに手順を踏んで頂いて、最後にあなたが対象者に触れれば
まじないは効力を発揮するはずです。……触れる場所はどこでも結構ですが、
肌に直に触れるようにまじないをかけてください。
半端なまじないは、術者・対象者をかえって危険な目にあわせかねませんから」

「わかった。気をつけるよ」

「最後に……」
私が頷くのを見届けて、御門くんはゆっくりと話し出した。

「ここが一番重要です。まじないを施す際は、対象者があなたに心を開いて
あなた自身を受け入れようとする姿勢がなければなりません。
心が通わない状態ではあなたが消耗するのみで、まじないが成功する事はまずありません」

(要注意、ってことね?)

確認してみようかな?

@「まじないが成功したかどうかはその場でわかるの?」
A「ケンカ中だとまじないは無理ってこと?」
B「消耗するって、具体的にどうなるの?」
420名無しって呼んでいいか?:2007/05/15(火) 23:26:17 ID:???
A「ケンカ中だとまじないは無理ってこと?」

『もうこれ以上の厄介事は、ご免なんだ!』と言った春樹の顔を思い浮かべる。
(ケンカって訳じゃないけど……すれ違ったままよね)

「疑念や不安、怒りなどの負の感情はまじないの妨げになります。
術者のあなた自身もできる限り穏やかな精神状態が好ましいでしょう。
対象者との同調性が最も重要だということです」

マニュアルでも読み上げるように御門君はよどみ無く説明した。

「それで……説明してもらった通りの手順でいいのね?」
「はい。術が完了していれば、術者のあなたにも対象者の体にも印が現れているはずです」

私は指先にある印を見つめる。
(きっとこんな感じで現れるんだよね)

「わかったよ。でも……術者の私にも印が現れるんだね」
「さきほどのあなたとの契約によって、僕の体にも印が現れています」

御門君の手を見ても、これといった印は見当たらない。

「どこに現れているの? 見たところでは判らないけど……」
「…………確認したいですか?」

御門君はジッと私を見つめたまま言った。

「うん、どんな印なのか見ておきたいかも」
「…………わかりました」

御門君は冷静にベルトを外し始める。
そして、ジーンズに手を掛けた。

(嫌な予感……)

「ストップ! ストップ! やっぱり見なくていいから」
「いいんですか?」
ジーンズのボタンを外しかけている手を止めて御門君は尋ねる。
「いいの!」
「…………わかりました」
御門君は何事も無かったように答えた。

あと、聞くことは……
@周防さんが大丈夫なのか尋ねる
Aもう少しまじないについて尋ねる
Bもう聞くことは無い
421名無しって呼んでいいか?:2007/05/16(水) 00:43:48 ID:???
@周防さんが大丈夫なのか尋ねる

「周防さんは、大丈夫なの?」

さっきの夢の中では大丈夫だと言っていたから大丈夫だとは思うんだけど。
やっぱりまだどこか心配と不安とが収まらなくて……気がつけば私は御門君に問いかけていた。

「本人に聞いたのではないのですか?」
御門君が淡々と聞き返してくる。
「うん、聞いたよ。聞いたけど……結局あの時から、ずっとこっちでは姿を見てないから」
なんとなく気恥ずかしくて、だんだんと言葉が尻すぼみになっていってしまう。

「大丈夫、だよね?」
再び問いかけながら、御門君をちらりと伺ってみる。

「……大丈夫です。彼は嘘をついていません」
少し間が空いたものの、御門君はそう断言してくれた。

「今すぐに、と言うのは無理でしょうが……
明日明後日くらいにはまた現れるのではないかと思います」
続いた言葉に、ようやく胸をなでおろす。
(よかった……周防さんにまた会えるんだ)

「では、帰りましょうか。送ります」
そして、御門君が私にそう声をかけて帰宅を促した。

そこで、私は……

@御門君にプレゼントを渡していないことに気がついた。
A春樹がどこへ行ったのかが気になった。
B一郎君の朝の電話を思い出した。
422名無しって呼んでいいか?:2007/05/16(水) 22:00:12 ID:???
A春樹がどこへ行ったのかが気になった。

(そういえば、春樹はどこに行ったんだろう?先に帰るって言ってたけど…)

「どうかしましたか」

数歩歩き出して立ち止まった私を不思議に思ったのか、見れば先を歩いていたはずの
御門くんが振り返ってこちらを見ている。

「え。…えーと、ね。春樹…弟のことを考えてたの。どうしてるかなあって」

「あなたの弟さんですか。あなたが周防とこちらに戻られるまでの間、彼はあなたの事を
心から心配している様子でした」

「そう……」

御門くんの言葉に、意識を取り戻して一番に目に飛び込んできた春樹の顔が目に浮かぶ。
今、春樹はどんな気持ちでいるのだろうか。
目に見えない胸の奥が、鈍く痛んだ。

「…僕に兄弟はありませんが、僕の目から見てもあなた達は血の繋がった姉弟以上に
お互いを想いあっているように見えます」

黙り込んだ私に、御門くんは控えめにそう声をかけた。

「…私と、春樹が?」

「はい。当初は春樹さんは頭に血が上っているようでしたが、僕と言葉をかわすうち
次第に落ち着かれてこの状況をどう対処すべきかに考えを巡らせていたようです。
…最終的に彼は自分にもできることをみつけたと、そう言っていましたが」

(でも。さっきの春樹は『面倒はご免だ』って、そう言ってたのに…)

どうしよう?

@春樹の真意を確かめたい。春樹を探しに行く。
Aこれ以上御門くんに心配をかけられない。おとなしく家に帰る。
Bもう少し御門くんと話がしたい。
423名無しって呼んでいいか?:2007/05/16(水) 23:25:17 ID:???
Aこれ以上御門くんに心配をかけられない。おとなしく家に帰る。

よく見ると、陽は落ちて薄暗くなり始めている。
公園内の街路灯にも明かりが点っていた。

「御門君……今日はありがとう。ハイ、プレゼント」
私はバッグの中からプレゼント用に包んでもらったムーンストーンを手渡した。

「………………」
御門君は手の中に納まっているプレゼントをジッと見つめている。

「せっかくのショッピングが途中になっちゃったけど、楽しかったよ」
「僕も……楽しかったです」
「また、こうやって遊べるといいね」
「…………はい」
私はいつの間にか寝てしまったチハルを鞄の中にそっと入れた。

「私は一人で帰れるから、送ってくれなくても大丈夫だよ。
周防さんに会ったら、プレゼントは今度渡しますって言っておいて。
俺だけ貰えなかったーって拗ねちゃうと可哀想だしね」
口調が暗くならないように、私は努めて明るく振舞う。

「送らなくてもいいのですか?」
「うん。なんだか、一人で帰りたい気分だし」
「わかりました……」
「それじゃ、御門君。バイバイ」

私は手を振り終わると駅に向かって、ゆっくり歩き出した。
だけど、足取りが重くてなかなか前に進まない。
これまでの事、これからの事いろいろ私の肩にのし掛かってくる。
(少しでも前に進まなきゃ……今日みたいに周防さんや御門君に迷惑をかけてしまう。
それに、関係無い人々にまで被害が及んでしまうんだ……)

「……愛菜!」
不意に投げかけられた声に、私は振り返る。
「御門君……?」
「…………これ、ありがとうございまいた」
御門君はプレゼントを大切そうに両手で包み込んでいた。
私はその言葉に大きく頷いて、もう一度手を振った。

……家まで帰ろう。
@まっすぐ駅に向かう
A騒ぎがあった方へ寄り道して帰る
B春樹の携帯に電話する
424名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 00:54:48 ID:???
@まっすぐ駅に向かう

人気のない所を避けるようにして、大通りをまっすぐ駅へと向かう。
平日ほどではないけれど、私と同じ様に駅へと歩く人たちも多かった。

(なんだか、疲れちゃったな……)

歩きながらぼんやりと目を向けたショーウィンドウに映りこむ自分の顔は
随分泣いたせいか、目の充血はそうでもないものの瞼がうっすら腫れあがって
お世辞にも可愛いとは言えない、そんな表情だった。

どこか冷静にそう思う自分がおかしくて、自然と小さく笑みがこぼれた。

「……大堂?」

不意に後ろから呼び止められた。反射的に振り返ると、そこには一郎くんの姿があった。

「一郎くん……」
「一人で一体どうしたんだ?弟くんは……」

よほど私の顔に出ていたのだろうか。言いかけて、一郎くんは途中で口をつぐんだ。
気付いてしまった一郎くんの気遣いがなぜだか悔しくて、私は無理矢理笑顔を作って言った。

「私たち、いつも一緒にいる訳じゃないよ?春樹だって春樹の都合もあるしね」
「……そうだな」

一郎くんはそれ以上、何も聞かなかった。
ただ一言『家まで送ろう』、そう言って私の前を歩き出す。

どうしよう?

@一人で帰りたいと断る
A黙って後をついてゆく
Bなぜそれ以上聞かないのか尋ねる
425名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 11:27:29 ID:???
豚ギレスマソ。
500KBまでだよな。
1スレ、そろそろ使い切りそう。

<現在の登場人物>
大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている)
大堂春樹:主人公の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。
     主人公よりしっかりものなので兄にみられがち。
湯野宮隆:主人公の幼馴染。ファントム(ミスト)を操る能力がある。
武   :隆の裏人格(クローン)
宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある
宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。
     他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。
近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師
水野先生:隆とキスしていた音楽教師。組織の一員?
長谷川香織:愛菜の親友
御門冬馬:感情表現に乏しい。言葉遣いは丁寧。愛奈の従者(?)
高村周防:高村研究所の反主流に属するもの。明るいお兄さん的存在
チハル :愛奈が隆からもらった熊のぬいぐるみ。隆の力で動くようになる

<一人称・呼び方>
愛菜:一人称→私。春樹と隆は呼び捨て、その他キャラは君付け(周防のみさん付け)
春樹:一人称→俺。愛菜に対しては姉さん、隆はさん付け、双子には先輩付け
隆 :一人称→俺。愛菜に対してはお前
一郎:一人称→俺。修二は呼び捨て、他は苗字
修二:一人称→俺。愛菜に対しては愛菜ちゃん、一郎に対しては兄貴
香織:一人称→私。愛菜や隆に対して呼び捨て
冬馬:一人称→僕。愛奈にはあなたか呼び捨て、周防は呼び捨て、春樹は弟さん
周防:一人称→俺。愛奈に対しては愛奈ちゃん、冬馬には呼び捨て

<未実現の夢>
@ >>127 私と修二がキスをしている夢
「……なんだ、ありがとう愛菜ちゃん」
やっと聞こえた声、胸が苦しくなるくらい綺麗に微笑む修二くん。

〈忘れてはいけないこと〉
・主人公と一郎は放送部、文化祭の準備をしている(もうすぐ文化祭がある)
・能力者は陽か陰の力が偏っていて異性が傍にいないと駄目(双子は例外)
・双子はファントム、隆はミストというものは同じ存在
・ファントムは生気で強くなる
・御門とは前世に関係あり?
・能力者のまじないを他の人に施すことで
 相手に加護を与える(相手に触れること条件)

<今までのあらすじ>
愛奈は隆と水野のキスを見て以来隆と疎遠になっていた。
ひょんなことから、隆と水野の関係に一郎が何か関わっているらしいことを知る。
水野が組織に関わっていること。狙っているカギには双子の力が必要なこと。
ファントム(ミスト)の力で人の生気を吸うものもいること。
研究所でのクローン研究などいろいろなことを知り愛奈は、それを解決することを決める。
御門冬馬と本契約を交わし、真実に迫ろうとしていた。
ただ、そのことで春樹との関係が疎遠になってしまっている。

>>424の続きをどうぞ
426名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 11:50:57 ID:???
>>425
今、容量どれくらい?
ちょっと自分のでは分からないんだが。

場合によっては一度話を止めて今度について話し合ったほうがいいかも。
427名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 12:01:04 ID:???
425じゃないけど
443kb
428名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 13:03:13 ID:???
今まで結構アバウトに進めてきたし、少し考えたほうがいいのかな?
まあ大まかなところは変わらないだろうけど。

とりあえず、今後進めていく上で今回みたいなことがあるだろうからスレタイは変更したほうがいいんじゃないかと思うんだが。
429名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 14:32:43 ID:???
今後の話をここで決めてしまったらネタバレだよ
書き手同士の腹の探り合いがおもしろいのにw

ただ、話が複雑になってきて新規の人が書きづらくなっているとは思う
430名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 14:42:46 ID:???
428の今後の話〜みたいな発言はルール的なところを言ったんじゃないか?

あと話が複雑になってきて新規が入りづらいだろうって点は429に同意。
今の書き手でも結構混乱すると言うか、本当のところが読めないw
431名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 14:46:44 ID:???
ちょっと(かなり?)面倒臭いけど、通し番号を入れて
1000だったら1000の数字を最終的にEDにする、とかは?
今までもたまに中断レスあったけど、やっぱりそれもカウントされてる訳だし。

新規の方々には……頑張って読んでくれ、としかw
逆にあまり読まずに参加できると、トンデモ設定追加されたりしたら
収集つかなくなるんじゃないかしら。
今でも充分苦しいしw
432名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 16:33:25 ID:???
通し番号入れるのはいいかもしれないね。
ちなみに今数えてみたら>>424までで、359レス目っぽい?
(途中のBADは抜いて)
数え間違えてるかもしれないけど…

まだ半分いってないのに1スレ終わるなら、
1000までにもう2スレくらい行くかもしれんね。
433名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 16:58:59 ID:???
通し番号入れるのは自分も賛成かな。

あと、ひとつ提案。
途中での個別EDをありにしないかなー?と。

これだけいろいろなキャラが出てるのにED一つしか見れないのはなんとなくもったいないと言うか……。
ただでさえこういうのは個別シナリオみたいなのが難しいし。
434ここに通し番号は?:2007/05/17(木) 17:12:05 ID:???
>>433
個別ED、私も別によいのではないかと思いまし。
ただ分岐はどのようになさる?
どこでEDキャラ確定したか、みたいな区別も必要になるだろうし・・・
435ここに通し番号OKじゃね?:2007/05/17(木) 17:24:44 ID:???
個別EDも良いかもしれんね。

するとしたら、選択肢を選んだ人が独断と偏見で 
「○○君フラグ確定分岐」と宣言するか、
選択肢を提供する側が、選択肢に「○○君フラグ分岐」と書くか…
どっちかだと思うんだけど、どっちが良いのかな?

その場合は通し番号つけないで、○○君分岐-1とか、数字書いていけば良いのか?
でも、そうなると、スレ見にくくなるか…

もっといい案ありますか?

436名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 17:32:05 ID:???
うーん、一人唸ってみたけど分岐はよい考えが浮かばず…
お役に立てず申し訳ない!

ていうか仮に個別を作るとして、ED対象キャラって誰と誰?

今のとこ、春樹・一郎・修二・御門・周防あたり?
……近藤先生もか?w
437名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 17:47:11 ID:???
これからの展開によっては、近藤先生もアリでしょうw
展開によっては、それこそ組織のNO1とのエンドだってアリなんじゃないかと。

ここら辺も、個別エンド作りたい人が、作れば良いんでない?
438名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 18:09:49 ID:???
……隆は?w>個別ED
そういえば組織NO1は性別明かされてないね。

ちなみに場合によってはチハルだって行けますぜ姐さんw
ヤツは男の子という表記か選択肢かがあった気が。

個別EDやらルートやらは、「これは分岐いってもいいんじゃないか?」と書き手が判断したら、
ルートにつながる選択肢を出せばいいんでない?

435で言うところの『選択肢を提供する側が、選択肢に「○○君フラグ分岐」』って言うのがそれに該当するのかな?

まあその辺の基準もまた考えないといけないけど。
……というより、そうなると各個の判断になるのかな。

時に個別EDを作るってことは、
基本的には1000へはみんな仲良し大団円EDとか全真実解明EDみたいなのを目指して進めていくことになるのか?
439名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 18:26:58 ID:???
長い共通√のあるゲームだと、各キャラクターのポイントで何ポイント以上だとルート分岐ってのが多い

だから、選択肢に
@○○ 隆フラグ
みたいにすればいいんじゃない?

個別ルート入れてしまうとフローチャートが複雑になるし、とりあえずは全真実解明EDを目指せばいいかな
個別edについてはすべての真相がわかったところでまた考えた方がいいかもしれないね

まんべんなくキャラクターを出して、それぞれの見せ場を作るのが必要になるけどさ
440名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 18:47:56 ID:???
>>438 隆、ごめん!忘れてたw

フ…フラグ…って、たいていひとつじゃないよね?
あまり複雑な構造にするのはどうなんだろうか。

順番どうするかっていう問題はあると思うけど、
もし個別ED作るならいっそ「今回は春樹」とか「今回は御門くん」とか
お題作っちゃって一人ずつこなしていくのはいかがかな。
並行して同時進行は難易度高そうな気も…
441名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 19:00:29 ID:???
じゃあ、ひとまずはこのまま一度通し番号1000まで続けてトゥルーEDを迎える。
それから逆行していくように「>>○○から今度は○○君EDを目指してルート展開」と言う風にやっていくと言うのはどうだろう?

ところで次スレまでに他に決めておいたほうがいい事ってある?
442名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 19:01:55 ID:???
1000スレを目指すじゃなくて1000レスを目指すってのはどうかな?
443名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 19:05:52 ID:???
>>442
正直すまんかった。スレタイ間違えてさ……。
1000レスです。
444名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 19:17:18 ID:???
じゃあ、>>432が数えてくれたっぽいし、

>>424=359レス目ってことで

次は名前欄に360って書けば良いのかな?

ちなみに、次のスレタイ どうするの?
445名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 19:28:00 ID:???
選択肢を選んで残り○○レス目でED

はどうだろう。
446名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 19:28:04 ID:???
住人が実はたくさんいるっぽくてちょっと嬉しいw

443=1? 再度お願いできまいか?>スレタイ
447名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 19:29:11 ID:???
>>1=>>445
です。
448446:2007/05/17(木) 19:42:06 ID:???
>>447
それは失礼つかまつった!
残り〜だと微妙にわかりづらくないです?
カウント1000とかの方がわかりやすいんじゃ?

注意事項はまとめというかテンプレに入るだろうし。
449名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 19:51:07 ID:???
単純に「選択肢を選んで1000レス目でED2」とかでいいんでない?
4501:2007/05/17(木) 22:17:46 ID:???
wiki作ってみた。過去作読めるように。
読みにくいかもしれないが許してくれ。
おまいらの見やすいよう編集してくれてかまわない。
ttp://www22.atwiki.jp/1000ed/
まだ50スレしか編集してない。
次のスレタイは>>449でいいと思う
451:2007/05/17(木) 22:18:55 ID:???
またスレとレス間違えたorz
正しくは50レス
452名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 22:54:00 ID:???
>>450 wiki乙であります

たまに読み返さないと、伏線回収できなくなるから助かるわ〜
453名無しって呼んでいいか?:2007/05/17(木) 23:10:04 ID:???
>>450
まことに乙でございます!
たまにあるまとめも1さん?
452さんじゃないが時折?となるのでホントありがたや。。
454:2007/05/17(木) 23:49:56 ID:???
登場人物見やすくしてくれた人、ありがとう。

>>453
私の時もあれば他の人がしてくれたときもあった。
最近はROMってばかりだったし。
始めたときはここまで壮大な話になるとは思わなかった。
455名無しって呼んでいいか?:2007/05/18(金) 00:26:11 ID:???
たしかに。>壮大な話

でもトゥルーEDって誰ともくっつかない終わり方?
微妙に書く気の失せる姐さん方もいらっしゃるのでは・・・

そして方向性をちょっと確認したかったりする場合、
通し番号ナシでこういう風に書き込みはアリ?
456:2007/05/18(金) 01:35:33 ID:???
>>455
通し番号ナシで話し合いはアリだと思う。
何か問題があるときは話し合わなくちゃいけないだろうから。
とりあえずは次スレとテンプレじゃないか。

wiki編集途中だけど寝る。スマソ。
続きは明日する、おやすみ。
457名無しって呼んでいいか?:2007/05/18(金) 08:41:19 ID:???
トゥルーED=ハーレムEDじゃないの?w
458名無しって呼んでいいか?:2007/05/18(金) 09:09:59 ID:???
テンプレ作ってみた

・リレー形式で話を作れ
・話の最後には選択肢をつけること
・選択肢は1つのみ選ぶこと(複数選択不可)
・次に進める人は選択肢を選んだ後それにあった話を作り、1000レス目でED
・途中にキャラ追加、話まとめなどO.K.
・話を続けるときは名前欄に通し番号を入れること

▼前スレ
選択肢を選んで1000スレ目でエンディング
ttp://game12.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1140272497/

▼まとめwiki 
ttp://www22.atwiki.jp/1000ed/

<<現在までの登場人物>>
大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている)
大堂春樹:愛菜の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。
愛菜よりしっかりものなので兄にみられがち。
湯野宮隆:愛菜の幼馴染。ファントム(ミスト)を操る能力がある(事故後能力発祥)。
     モノに宿る八百万の神に働きかける能力もある(先天的能力)。
武 :隆の裏人格(クローン)。ファントム(ミスト)を隆とは別に操ることができる。
     存在を組織に知られていないが、組織の命令には逆らえないらしい。
宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある
宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。
他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。
近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師。春樹の担任。
水野先生:隆とキスしていた音楽教師。組織の一員?
長谷川香織:愛菜の親友。
御門冬馬:感情表現に乏しい。言葉遣いは丁寧。愛奈の従者(?)。
高村周防:高村研究所の反主流に属するもの。明るいお兄さん的存在。
チハル :愛奈が隆からもらった熊のぬいぐるみ。隆の力で動くようになる。
大堂志穂:愛菜の実の母。冬馬の名付け親。
こよみ :冬馬と同じ研究所にいた髪の長い少女らしい。
組織のNO.1:高村研究所のトップ。現在は性別年齢すべて不詳。


その他関連事項は>>2-3あたり


最初にあった
「・誰とくっつけさせようか話を作る人の自由」って部分は
トゥルーED目指すらしいから省いてみた。
逆に、トゥルーED目指して話を進めるってかいたほうがいいのかな?

足したり削ったりしたほうがいい部分ある?
459名無しって呼んでいいか?:2007/05/18(金) 09:17:17 ID:???
>1
遅くまで乙華麗。

>457
ハーレム?w
大変だよ、近藤先生とかチハルまで網羅するのはw
460名無しって呼んでいいか?:2007/05/18(金) 11:52:57 ID:???
>1 wiki乙です

せっかく投票ページあるから、トゥルーEDの後の個別エンドルートは
人気キャラから順番に、とか良いかもしれんね。

今の話がいつ終わるかわからんがw

と、とりあえず書いてみたが、トゥルーED目指すってことでFAなの?

もしFAなら、>>458のテンプレにトゥルーED目指すって書いたほうが良いかも。
461名無しって呼んでいいか?:2007/05/18(金) 17:52:20 ID:???
>460
そだね、色々キャラをだしそれぞれに思わせぶりな行動をさせつつも
それはあくまで個別EDへの布石ということで。

勝手にくっつけてはなりませんよ!!

と注意書きはいるかもね。
462名無しって呼んでいいか?:2007/05/18(金) 19:06:03 ID:???
テンプレに、
ご新規さんはwikiで一度話を読んでください。
を追加してほしい。
4631:2007/05/18(金) 22:37:10 ID:???
本編編集終わった。
とりあえず、抜けてなかったら
本編のみ
356レス
BAD含み
367レス
ダブり含み
369レス
だな。
464名無しって呼んでいいか?:2007/05/19(土) 08:58:12 ID:???
>>1 wikiありがとうです!

あとは、次スレ立てれば、通常にもどるのかな
465名無しって呼んでいいか?:2007/05/19(土) 18:16:02 ID:???
せっかくだったら残り43KB使ってしまおう。
5レスくらいなら続けられるかも。
466名無しって呼んでいいか?:2007/05/19(土) 19:23:02 ID:???
>>1 wiki本当に乙でした

確認させて欲しい

主人公の味方ばかりだから敵キャラ何人か増やしても問題ないの?
以前、キャラは増やしすぎないって話あったからさ。

あと、どれくらいグロくていいのか判断が難しい。
事件のこととか具体的に書き始めるとかなり鬱入るかもしれないし。
グロすぎるとキャラ萌えに支障でる?

もう一つ
個人的な意見だけど、トゥルーEDって大団円って事だよね
シリアス路線だし遙か3みたいに最初は救いようの無い話にして、個別ルートで救うって話の方が書きやすそうな気がする
467名無しって呼んでいいか?:2007/05/19(土) 22:20:16 ID:???
トゥルーEDで死人出すのか?
個別EDじゃなきゃ救えないってのは、自分的には鬱すぎる・・・
468名無しって呼んでいいか?:2007/05/19(土) 22:44:35 ID:???
>>467
鬱EDじゃ書いてて面白くないだろうし、やっぱりトゥルーED(大団円)を最初に書いたほうがいいよな
469名無しって呼んでいいか?:2007/05/20(日) 00:28:47 ID:???
敵キャラはほどほどにすれば増やしてもいいんじゃないかな。
まあ、既存キャラでもやりようによっては敵に回るような展開にできそうなキャラも結構いるけどね。

グロさについてはあんまりやりすぎるのは……キャラ萌え云々よりも、重すぎて引く。
シリアスだから全くなしって訳には行かないだろうが、自分も鬱が入りすぎるのはちょっとなー。
そうすることに何か重大な意味があるっていうなら、多少はいいんじゃないかとも思うけど。

しかし、これだけ壮大でちょっと暗めな話になると明るくほのぼのな学園生活〜っていう成分もほしくなってくる。
このまま進めていくとまずそんな展開は低そうだし。
でも、やるとしればやっぱり個別と同じ扱いかな?おまけルートと言うかドロップアウトルートと言うか。
470名無しって呼んでいいか?:2007/05/20(日) 02:45:36 ID:???
>>466
シリアス=鬱ではないよね。暗い過去は乙女ゲーでは結構あるけど、
リアルタイムで死人は私は平気だけどちょっと難しい人多そうな…。
他の人が続けて書き辛いのはやっぱマズイと思う。
登場人物は必要があってキャラが立ってれば良いんじゃない?

>>468
大団円って良いけど誰ともくっつかないんだよね?
さんざん気をもたすような言動をあちこちにしてまわるのって微妙に
男性諸君が気の毒に思うよ…!
気をもたすような表現が一切なしじゃあ個別EDの前フリにならないだろうし。

>>469
閑話休題っていうか、途中で混ぜるのは可能なんじゃね?
周防さんの「今日一日大丈夫」じゃないけどさ。
文化祭とかもせっかくあるんだからお化け屋敷でキャーとかはベタだけど
やってみたいw
471466:2007/05/20(日) 10:39:09 ID:???
レスありがとう

>>467
>>468
キャラクターは全員生存だね。了解した。
>>469
今居るキャラを生かしつつ、敵キャラは必要なら増やすってことだね。
>>470
>リアルタイムで死人
例えばショッピングモールで何か起きてたみたいだけど、どの程度のさじ加減が妥当?
これまでの流れみたいに「何か酷いことがあった」程度に留めるべき?
翌日以降に被害状況や真相を知る流れにすると多少は書きやすくなるのかな。

ほのぼの成分ってあったけど、同意だ。
暗い話ばかりじゃ読んでても辛い。閑話休題は定期的に必要かも。
シリアスな展開の時でもキャラの掛け合いである程度なら明るく出来るし。
ただ、閑話休題になると……なぜか過疎りやすいw
472名無しって呼んでいいか?:2007/05/20(日) 12:26:47 ID:???
・リレー形式で話を作れ
・話の最後には選択肢をつけること
・選択肢は1つのみ選ぶこと(複数選択不可)
・次に進める人は選択肢を選んだ後それにあった話を作り、1000レス目でED
・途中にキャラ追加、話まとめなどO.K.
・話を続けるときは名前欄に通し番号を入れること
・今回はトゥルーEDを目指すこと。主要人物の死亡(モブはOK)、誰かとくっつけるのは無し


▼前スレ
選択肢を選んで1000スレ目でエンディング
ttp://game12.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1140272497/

▼まとめwiki 
ttp://www22.atwiki.jp/1000ed/

<<現在までの登場人物>>
大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている)
大堂春樹:愛菜の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。
愛菜よりしっかりものなので兄にみられがち。
湯野宮隆:愛菜の幼馴染。ファントム(ミスト)を操る能力がある(事故後能力発祥)。
      モノに宿る八百万の神に働きかける能力もある(先天的能力)。
武 :隆の裏人格(クローン)。ファントム(ミスト)を隆とは別に操ることができる。
      存在を組織に知られていないが、組織の命令には逆らえないらしい。
宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある
宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。
他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。
近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師。春樹の担任。
水野先生:隆とキスしていた音楽教師。組織の一員?
長谷川香織:愛菜の親友。
御門冬馬:感情表現に乏しい。言葉遣いは丁寧。愛奈の従者(?)。
高村周防:高村研究所の反主流に属するもの。明るいお兄さん的存在。
チハル :愛奈が隆からもらった熊のぬいぐるみ。隆の力で動くようになる。
大堂志穂:愛菜の実の母。冬馬の名付け親。
こよみ :冬馬と同じ研究所にいた髪の長い少女らしい。
組織のNO.1:高村研究所のトップ。現在は性別年齢すべて不詳。


その他関連事項は>>2-3あたり


意見を取りいえれると、テンプレはこんなもんかね?
473名無しって呼んでいいか?:2007/05/20(日) 18:09:09 ID:???
あー、スレ使い切りそうになった場合の注意(?)も
テンプレに追加してもらった方がいいんじゃね?
またタイミングよく誰かに声かけてもらうって訳にもいかないだろうし。
後からすまなんだ。。

>>471
ひどいことっつっても人が死ぬ、とは限らないしさ。
たとえばファントムに乗っ取られた人が複数出た、とかでも
能力者的には「被害が出た」ってなるだろうし。一般人にはわかんないけどw
あとは…若者たちが公園で白昼堂々お家のない人の集団リンチを始めた、とかでも
気分が悪くなる人もいるかも。
他に通り魔被害で死人でなくても充分ショッキングだろうしね。

逆に人が死ななくてもグロい話にすることもできるだろうから、
まあ書き方次第なんじゃーないかしら?
474名無しって呼んでいいか?:2007/05/20(日) 18:46:06 ID:???
次スレたてた

選択肢を選んで1000レス目でED 2
ttp://game12.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1179654105/


475名無しって呼んでいいか?:2007/05/20(日) 19:29:39 ID:???
>>474
乙でございます。
476名無しって呼んでいいか?:2007/05/20(日) 19:51:50 ID:???
>>474 お疲れ様です!

>>473 
それいいかもね、能力者にはわかるけど、一般人にはわからない>ひどいこと

477名無しって呼んでいいか?:2007/05/21(月) 18:17:00 ID:???
じゃあもう次スレに普通に再開OKでしょかね?
そして次スレの4レスめ、あれは一体何なのか・・・?
478名無しって呼んでいいか?:2007/05/21(月) 18:49:27 ID:???
>>477
あれは、あがってるスレに、無差別に誰かが貼り付けてるやつだから無視でw
479名無しって呼んでいいか?:2007/05/22(火) 10:04:43 ID:???
はーい。わかったー。

さー、個別EDを迎える為にもトゥルーED頑張らないと!
じゃないと野郎ども、待ちぼうけw
480名無しって呼んでいいか?:2007/05/22(火) 11:51:14 ID:???
個別EDは、人気投票の多かった順番になったの?

なら、投票してこないとなぁ
481名無しって呼んでいいか?:2007/05/22(火) 16:58:55 ID:???
投票、今誰も入ってないよね?
あれは名前とかコメントないと投票できないんだろうか。

誰が一番人気か、ちょっと興味あるなーw
482:2007/05/22(火) 19:06:03 ID:???
投票所、投票しやすいのにかえてくれてかまわないよ。
あれはページ作成についてた簡単なやつだから。
483:2007/05/22(火) 19:36:15 ID:???
すまん、投票使えないな。
一時閉鎖するよ。
誰か投票作れる人いないかな?
484:2007/05/22(火) 19:52:50 ID:???
借りてきた、投票CGI。
適度に投票よろしく。
じゃないと落ちる。
ttp://garden.yuyuweb.com/vote/vote2/comvote.cgi?id=1000meED
485名無しって呼んでいいか?:2007/05/22(火) 22:12:54 ID:???
乙ー!
さっそく投票したよ。一日一春樹w
486名無しって呼んでいいか?:2007/05/24(木) 11:05:06 ID:???
投票みると、冬馬が人気なのね
春樹が一番だとおもってたから、ちょっとびっくり。
まだ、1P差だけどw
487名無しって呼んでいいか?:2007/05/24(木) 22:12:43 ID:???
自分は御門が人気な気がしてた。
最近扱い優遇されてるし。
488名無しって呼んでいいか?:2007/05/25(金) 00:25:39 ID:???
御門くんね、彼は描写を見る限りイケメン(?)のようだけど。
人気はありそうだな、とは思うw
しかし実際外で服を脱ぎだしたりとか
「どこに住んでるの?」に「マンションです」とか答えられたらドン引きじゃね?w
御門くん人気にさりげなく抵抗を試みたりしている、そんな今日この頃。
489名無しって呼んでいいか?:2007/05/25(金) 07:27:44 ID:???
あーはいはいドン引きドン引き。
で、どこを縦読みするんだ?
490名無しって呼んでいいか?:2007/05/25(金) 11:35:45 ID:???
>>489
とりあえずモチツケ('・ω・`)旦
その御門への愛は本編にて表現するのがよろしかろう。

近藤先生はまだ票入ってないなw
491名無しって呼んでいいか?:2007/05/25(金) 13:14:13 ID:???
近藤先生はまだ、ちょっとしか出てきてないしね。
これからの展開に期待だなw
492名無しって呼んでいいか?:2007/05/25(金) 22:13:08 ID:???
容姿についての話がすこしあったけれど、一郎ってメガネキャラなのかがすごく気になる。
ぜひメガネキャラにして欲しい

修二は裸眼(メガネをかけて一郎になりすます話なんてあったら面白いかも)
春樹はコンタクト(家でたまにメガネ←ここ重要)
御門君は裸眼
隆は裸眼
周防さんはコンタクト
近藤先生はもちろんメガネ

……と勝手に想像してみたけど、書き手によってそれぞれ想像が違いそうだw

あと、主人公の通う学校の制服は男女ともブレザー?
前にそんな描写があった気がするけど…
493名無しって呼んでいいか?:2007/05/25(金) 23:12:05 ID:???
私は一郎も修二も裸眼だとおもってたよw
そっくりなのに見間違うことがないのは、
雰囲気がまったく違うからだって記述があった(とおもう)から
眼鏡とかのj小物はないもんだと…

近藤先生は、ぶつかったときに眼鏡落としたから、当然眼鏡キャラだよな

御門と、隆は私も裸眼だとおもう
周防さんも、裸眼かな私的には

春樹はどっちでもいいwww

制服はブレザー記述があったね、病院で御門が脱いだw
でも、女子の制服についてはまだ記述ないよね。

494名無しって呼んでいいか?:2007/05/26(土) 00:02:23 ID:???
>>493
本当だ。そっくりでも雰囲気が違うから見分けがつくって感じの記述があるね
双子は二人とも裸眼だ

メガネ萌えの身としてはぜひ近藤先生に頑張ってもらわなくてはw
近藤先生に清き一票を投じてこよう
495名無しって呼んでいいか?:2007/05/26(土) 00:35:47 ID:???
人気投票、近藤先生のコメントにワロタw

春樹、メガネだとしたら優等生キャラまっしぐらってかんじだなー。
492じゃないけど家だとメガネだったら萌ゆるw

御門くんはともかく隆が裸眼設定なのってなんとなく・・・ww
496名無しって呼んでいいか?:2007/05/29(火) 10:54:30 ID:???
一郎のコメに愕然とした…

一郎ってツンデレ属性かもしれないのか!
497名無しって呼んでいいか?:2007/05/31(木) 09:45:26 ID:???
まさになんでもアリですなw
一郎がツンデレになるのも近藤先生が現れるのも御門が脱ぐのも書き手次第w
498名無しって呼んでいいか?:2007/06/01(金) 09:06:26 ID:???
一郎ツンデレ説が流れてから、一郎の票がのびはじめてるwww
ツンデレスキー多いのか?w
499名無しって呼んでいいか?:2007/06/03(日) 02:14:10 ID:???
ツンデレか
一郎は孤高・堅物系のツンデレになれるな

修二は腹黒デレツン
隆はぶっきらぼう系ツンデレ
春樹は素直になれない系ツンデレ
御門は無感情解凍系ツンデレ
周防は思いつかないw
チハルはやんちゃ系ツンデレ

総ツンデレ化も夢じゃないな
500名無しって呼んでいいか?:2007/06/03(日) 04:04:51 ID:???
わあ、楽しそうwww
501名無しって呼んでいいか?:2007/06/04(月) 11:23:46 ID:???
これから、チハルをツンデレ化するのは難しくないか?w
もう、デレまくってるし。
502名無しって呼んでいいか?:2007/06/15(金) 01:14:03 ID:???
ここでようやく近藤先生が活躍するんですね!!!!
503名無しって呼んでいいか?:2007/06/17(日) 07:24:08 ID:???
ですね!!!
504名無しって呼んでいいか?:2007/07/03(火) 09:49:05 ID:???
ところでそろそろ半分だけど、組織のボスは出したほうが良いのかね?
トゥルーエンドなら、それなりに出番がないと謎が解けない気がする。
505名無しって呼んでいいか?:2007/07/09(月) 10:26:11 ID:???
まとめサイトみてたら、いつのまにか『話の流れまとめ』ができてた!
まとめ人さんありがとう!
経過日数ごとにレス数とかいれてくれてるから、ストーリー読むときに助かります。
506名無しって呼んでいいか?:2007/07/12(木) 11:24:27 ID:???
まとめ、私も見たー!
ほんとまとめ人さん、お疲れ様&ありがとうです。

しかし、まだ一週間くらいの出来事なんだね。
盛り沢山でもっと時間経ってる気でいたよ・・・
507名無しって呼んでいいか?:2007/07/20(金) 01:06:22 ID:???
勝手にだしていいんじゃん?>組織のボス
508:2007/07/20(金) 18:00:08 ID:???
全て書き手の自由だから、いつだしても構わない。
いつなにを起こそうが全て書き手の自由です。

自分1なんだが話のまとめ作ってくれた人、
遅くなりましたが本当に乙です。
自分じゃ考えなかったよ。見やすくてイイです。
509名無しって呼んでいいか?:2007/08/08(水) 08:31:29 ID:???
最近 人気投票所につながらないんだけど、私だけ?
他の人はつながってる?
5101:2007/08/08(水) 18:42:15 ID:???
いや、なんだか落ちたようだ……。
投票所の元にもつながらないorz
511名無しって呼んでいいか?:2007/08/09(木) 10:20:53 ID:???
あら…復活するのかな?
このままなくなったら、今までの投票どうなるんだろ?
512名無しって呼んでいいか?:2007/09/02(日) 00:27:29 ID:???
とりあえず、1位が御門くんで2位が周防さん、3位が春樹で4位が一郎くん…
ていうのは覚えてるけど。
でももうずいぶん経っちゃったねー。しかも新キャラ(美波さん)も出てきたし。

次の(これが終った後)EDどうしようか???
513名無しって呼んでいいか?:2007/09/02(日) 22:28:47 ID:???
せっかく皆で決めたことなのに覆すようで申し訳ないが、私は次スレから個別ルートがいい
誰ともくっつけられないとわかっていると、甘くできなし書きづらくて仕方がないことがわかったんだ
順番でいくと一位の御門になるのかな

あと今までの流れで大きな破綻やどうしても気になっている点ってある?(小さい矛盾はかなりありそうだけど無視汁)

なぜかわからないが、話を進行させればさせるほど苦しくなるジレンマww
514名無しって呼んでいいか?:2007/09/03(月) 08:55:58 ID:???
次スレって、このトゥルーエンド?が終わってからのことだよね?
一応御門が一番だったし、次は御門ルートでいいんじゃないか?
あのままやっても御門が一番だったと思うし。
さすがに新キャラの美波さんが、あれを覆すのは無理だとおもう。
御門ルートが始まってから次のルートは誰が良いか投票すればいいんじゃない?
515514:2007/09/03(月) 08:59:10 ID:???
矛盾のこと書き忘れた。

私は特に大きな矛盾は感じてない。
小さいのは、無視若しくは折を見て矛盾がなくなるように小ネタ入れてみたりもしてるけど
とりあえず愛菜の夢の回収が出来てるし大丈夫なんじゃないか?

他の人はどう思ってるのかな?
516513:2007/09/03(月) 14:34:18 ID:???
>>514
レス豚。次回は御門エンドでオーケーだね
今回のトゥルーエンドって伏線回収エンドだったっけ

伏線に必要そうな小物を憶えている限りあげてみたが…多いなw
チハルの古いリボン
サンストーンとムーンストーン
母の天使のペンダント
御門のロケット
こよみのリボン
写真(家族の写真、春樹王子の写真、隆の入院写真)
武の手紙
アップルパイ
チハル携帯ストラップ

探せばまだ出てきそうだ
517名無しって呼んでいいか?:2007/09/03(月) 15:21:42 ID:???
トゥルーエンドって、話の大まかな筋を決めるエンドだとおもってた。
細かい伏線、たとえば写真あたりは、春樹、隆エンドで回収しても問題ないと思う。
518名無しって呼んでいいか?:2007/09/10(月) 02:09:23 ID:???
そだね。武についての詳細は隆EDとかでも良いだろうし、
母のペンダントもただ単に遺品(とも限らないか)とかでも良いと思うし。
何から何まで意味付けしなくてもいんじゃね?

しかし。そろそろ親玉出さないと話がおっつかないよね?
男でも女でも年寄りでも若者でも可でしょ?裏切りくんとかもあり??
やはり美形かな・・・ww
519名無しって呼んでいいか?:2007/09/27(木) 11:10:23 ID:???
時々wiki編集してるんだけど、人気投票ってもうリンク切れてるからけしちゃってもいい?
520名無しって呼んでいいか?:2007/09/28(金) 14:28:46 ID:???
>>519
wiki編集いつも乙です
消してもいいんじゃないかな
521名無しって呼んでいいか?:2007/09/29(土) 02:03:04 ID:???
周防が……周防が二人おるw
いや片方は御門のことを言いたかったんだろうが。
522名無しって呼んでいいか?:2007/10/01(月) 08:39:46 ID:???
ああああorz
本当だ、スマソ。
wikiにのせるとき修正おねがいします
523名無しって呼んでいいか?:2007/10/01(月) 09:54:33 ID:???
>>522
とりあえず、周防と冬馬が違うとはっきり分かる所は直したよ。

あと、wikiのツールにも投票あるみたいだけど、そのツールつかって投票所作る?
コメントは入れられないみたいだけど。
524名無しって呼んでいいか?:2007/10/01(月) 22:40:36 ID:???
>>523
投票所つくるなら、前の投票結果はどうなるんだろうか?
ある方が人気わかって面白かったし、私は欲しい
525名無しって呼んでいいか?:2007/10/02(火) 09:56:24 ID:???
どうしようかね?
次回攻略対象は投票により御門に決定してるってことを書いて、
今回は純粋な人気投票にする?
526名無しって呼んでいいか?:2007/10/02(火) 16:09:38 ID:???
>>525
それでいいと思う
美波も入ったし前回とは結果が違うかもw

現行スレがあと50KBだし、スレが終わったタイミングで始めるとかは?
527名無しって呼んでいいか?:2007/10/03(水) 10:14:15 ID:???
それじゃあ、次スレに以降するときに第2回人気投票ってことで作ってみるね。
528名無しって呼んでいいか?:2007/10/03(水) 22:46:19 ID:???
>>527
いつもありがとう!
投票誰に入れようかなー
529名無しって呼んでいいか?:2007/10/14(日) 11:49:36 ID:???
ほしゅ
530名無しって呼んでいいか?:2007/11/18(日) 17:57:19 ID:???
とりあえず、向こうが450KB過ぎたから、次スレのテンプレまとめたほうがいいよね?

以下テンプレ案

・リレー形式で話を作れ
・話の最後には選択肢をつけること
・選択肢は1つのみ選ぶこと(複数選択不可)
・次に進める人は選択肢を選んだ後それにあった話を作り、1000レス目でED
・途中にキャラ追加、話まとめなどO.K.
・話を続けるときは名前欄に通し番号を入れること
・今回はトゥルーEDを目指すこと。主要人物の死亡(モブはOK)、誰かとくっつけるのは無し
・450KBを超えたら気づいた人が注意を促すこと
・新規で書き込みする方はwikiを一読すること

▼前スレ
選択肢を選んで1000レス目でED 2
ttp://game14.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1179654105/

▼過去スレ
選択肢を選んで1000スレ目でエンディング
ttp://game14.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1140272497/

▼まとめwiki 
ttp://www22.atwiki.jp/1000ed/
531名無しって呼んでいいか?:2007/11/18(日) 17:59:11 ID:???
テンプレ案続き

登場キャラクタ−
大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている)
        本人に自覚はないが、とても力が強いらしい。3月生まれ。

大堂春樹:愛菜の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。
愛菜よりしっかりものなので兄にみられがち。旧姓は高村春樹

湯野宮隆:愛菜の幼馴染。ファントム(ミスト)を操る能力がある(事故後能力発祥)。
       モノに宿る八百万の神に働きかける能力もある(先天的能力)。愛菜と同じクラス。

武 :隆の裏人格(クローン)。ファントム(ミスト)を隆とは別に操ることができる。
       存在を組織に知られていないが、組織の命令には逆らえないらしい。

宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある。

宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。
他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。711

近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師。春樹の担任。美波とは同級生。

水野先生:隆とキスしていた音楽教師。組織の一員、主流派。

長谷川香織:愛菜の親友。愛菜と同じクラス。

御門冬馬:感情表現に乏しい。言葉遣いは丁寧。愛菜を守る契約をする。
       3年2組に在籍。673

高村周防:高村研究所の反主流に属する。明るいお兄さん的存在の24歳。
       能力は高い。変わった能力らしい(修二談)。

チハル  :愛奈が隆からもらった熊のぬいぐるみ。隆の力で動くようになる。
       力が強くなり、いろいろなものに変身できる。人の強い負の感情に弱い?

大堂志穂:愛菜の実の母。冬馬の名付け親。現在行方不明。
       組織に所属していた。

湯野宮美由紀:隆の姉。大学の寮に入っている。

桐原   :春樹のクラスメイトで許婚?彼氏がいる。
       お菓子作りが得意でプロ級。

大宮美波:地下通路でであった反主流派の人。能力者で力は強いらしい(修二談)。
       周防と同じくらいの年齢、声を聞かなければ女性と間違えそうな容姿。
       能力の一つに高い治癒能力がある。

大宮 綾 :美波の妹。コードNo543。16歳で他界。
(こよみ)  弱い治癒能力を持っていた。

熊谷裕也:春樹の精神世界で会った無骨で気さくそうな男だが、組織の一員で主流派。
     愛菜を器と呼ぶ。535

眼鏡の男:春樹の精神世界で会うが、何もかもが謎。



あらずじとかもやっぱりあったほうがいいかな?
それともWiki参照ですませてしまう?
532名無しって呼んでいいか?:2007/11/18(日) 20:22:28 ID:???
>>530
乙です
あらすじはwiki参照でいいんじゃないかな?

テンプレだけど、修二の性格が当初とかなり違うんだね
今はどっちっていうとワンコキャラw
533名無しって呼んでいいか?:2007/11/18(日) 23:28:23 ID:???
愛菜と一郎以外の人との会話がほとんどないからねぇ。
今まで積極的に話をしてるのも、能力者ばっかりで一般人はほぼいないし。
修二ルートでそこら辺がうまく出せると良いね。
いつになるかわからないけどw

534名無しって呼んでいいか?:2007/11/19(月) 01:03:54 ID:???
現状での、伏線や謎ってどれくらいあるのか思いつく限りあげてみた(wikiと被ってるところあり)
足りない、もしくは間違っていたら補完ヨロ

愛菜
・先天的な能力が未だ不明(予知夢?強く思ったことが現実になる?)
・なぜ狙われているのか不明(狙われ始めたのは中二から?)
・一郎との何かを忘れている?
・御門と前世で何かあった?
・封印、器、サンストーンのなぞ
・過去、母親に指示したのは主人公自身?

春樹 
・夢見が悪いのはなぜか。またどんな夢か
・本当は力があるかも?
・実の父親との決着をどうつけるのか
・許婚との関係が未解決

隆 
・敵になる可能性がある
・武はすべて知ってそうだったけど、なぜ?
・周防は隆も武も知っている(手術したのは反主流ってこと?)
・死にかけていたのを助けられた目的は?

一郎 
・割れた鏡って何?(見える力と関係あるみたい)
・主人公の封印とどう関わっているのか
・目的は(修二と一緒で自由になりたいから?)
・主人公との何を憶えているのか(一郎のみが憶えている?)

修二 
・一郎の情報をどこまで知っているのか
・このまま反主流になれば一郎と決別?
・主人公との何かを憶えているのは一郎だけ?(修二は覚えてなさそう・・・)
・周防に何を耳打されたのか

御門 
・主人公の母親の行方を知ってるのか?
・前世?
・先天的な能力が未だ不明
・私生活そのものが謎

周防 
・研究所の目的を知っているのか?
・先天的能力は心を読む力?
・反主流の目的は(研究所を潰す事?)

チハル 
・鏡の謎をしっている?

美波 
・先天的な能力が未だ不明(治癒以外にもあるらしい)

主流派の人々
・すべて謎
535名無しって呼んでいいか?:2007/11/19(月) 10:35:42 ID:???
>>534
まとめ乙です。
分かりやすくていいね。
このまま614レス現在ってwikiに掲載しなおしてもよさそう。

536名無しって呼んでいいか?
616改を書いてくれた方ありがとう!
無理なく繋がってて驚いたよ