>>523 与力同心は、江戸期不浄役人とされとったし、戦前でも。
笠原和夫氏も「刑事という職業が下司だというのは、戦前では常識で
あった。最近はテレビドラマで刑事ものが大はやりで、そんな感覚は
大衆の中から消滅してしまったらしい。それとも現代そのものが
〈下司の時代〉になってしまっているせいか。
犯罪の摘発という使命は否応なしにチンコロ的な下司根性を内包する
ものなのである。武士道的な廉潔さでは、すり一匹捕えられまい。」
「やくざが表向きの実業として構えている高利貸し専門の商事会社の
応接間などには、、地元の警察署とか府・県警本部の元刑事たちが
ゴロゴロしているものである。現役時代よほど憧れていたのか、
法廷の裁判官が用いるのと同じ机や椅子を自室に据えて、ふんぞり
返っている元刑事もいるという。
これが裁判官や検事ともなると、定年退職と同時にそれまで
追及の鉾先を向けていた暴力団の顧問弁護士に堂々と就任し、あつめて
おいた証拠類を武器に一変して組織の防衛に回る。法律には触れないと
言っても、あまりの鉄面皮に、当のやくざの方が呆れたという話がある。
だからやくざたちも春秋の行楽シーズンともなれば、マイクロバスを
仕立てて警察署の独身寮に横づけし、警察官と極道が仲良くピクニック
とシャレこむ。帰りは独身寮でスキヤキむ・パーティに浮かれ、
酔っ払ったやくざたちを警察官がパトカーで家まで送ってやる。」
破滅の美学p263〜p266の引用で、昭和の話じゃが、警察の仕事もカタギの
範疇に入るまあで。
不浄役人の血筋じゃの昔は云われとったけぇ、わしもこん時は反応して
そういう表現を使うたが、わしゃ血統主義者じゃのうて、育ちによる環境で
人間の性質が決められるこたぁ云うまでもあるまあ。