「武家の古都・鎌倉」は世界遺産登録なるか?

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560名無しさん@お腹いっぱい。
>>555
だから、「大誤解」と書いたんだよ。
関係者が、よく分かっているはずなのに、気がつくと、ある誤解の渦に、ずるずる引きずり込まれる。

京都でも奈良でも、世界遺産に登録されている対象は、「文化財」であって、今の町並みだの何だのは、一切触れていない。
京都で指定を受けたのは、正確には、「古代都市である京都における、『複数の文化財群』」だ。奈良も同じ。
みんな、そんなことは分かっているはず。

ところが、この包括指定を基礎づける「古代都市」を、日本語訳で「古都」としたことが、これに裏口から混乱を仕掛ける。
ここで、日本語における古都の意味が、裏口から割り込んでしまうんだよ。
日本語では、「茫漠と広がる古代都市遺跡」それ自体は、多くの場合、「古都」とは呼ばないのだ。
古都とは、多くの場合、政庁としての古い歴史を持って、その伝統が、現在まで繋がる都市の属性を指す。
「現在の都市を見て、古代を連想させられるだけの都市であること」といっても良い。

だから、「町並みを保護できていたらなあ」あるいは「歴史地区ならいけたんじゃね?」という、
素朴な大誤解レスが、違和感なく書かれるようになる。
専門家は誤解しないだろ?と思いきや、気がつくと、この「古都の呪縛」に引きずり込まれている。
鎌倉の場合、「山は機能的城壁である」として、山の稜線ごと包括アピールするという戦術が、
「旧鎌倉なる古都をアピールする」という間違った話に、専門家ですら、自家中毒的に摩り替わっていった。
561名無しさん@お腹いっぱい。:2013/05/30(木) 20:31:59.13 ID:403hD2la
>>560
古都保存法が適用されてから東京の建築士に「京都は町家に住まないといけないから大変だね」って言われたことがあるらしい
なんかごっちゃになってるところはあるよね、街並みはまあ地震大国の日本では維持するのはなかなか難しいところだし
562名無しさん@お腹いっぱい。:2013/05/30(木) 20:39:01.06 ID:hPb0PlTS
続き。鎌倉は気の毒なのかもしれないな。
この問題の発火点(諸悪の根源)は、あの底意地悪い「ぶぶ漬けの都」の指定方針にある。
京都は、本来なら「歴史地区」で包括指定するような内容を、敢えて「古都の文化財群」として登録した。
言うまでもなく、デベを守るためだ。歴史地区なんて指定をされたら、京都の不動産開発業者は討死するw

だが、京都には、「真正の古代権力所在地の遺構」は、驚くほど残っていない。
平安京の中央政庁(大内裏)も、六波羅の最初の武家政庁も、室町の花の御所ですら、地上には何も残っていない。
京都の指定史跡をまとめているのは、現在存在する「歴史的な京都なる都市」そのものなのだ。
京都こそは、「古代都市」を裏付ける影の要素として、
ひっそりと、日本語の「古都」の語義に近い「歴史的な都市の連続体」という概念を、裏口から持ち込んで、
指定モニュメント群を、底意地悪くまとめている。

鎌倉は、京都のように意地悪くまとめることが出来ない。
京都と違って、完全なニュータウンであって、「歴史的な都市の連続体」が全く不存在だから。
鎌倉こそは、ガチで「かつての古代都市に存在した遺跡群」で押さないと、先へ進めない。
ところが、京都が先行事例として存在するから、これが、どうしてもうまくいかないんだよね。
思わず、京都と同じ裏口で史跡に関連性と箔をつける発想が、脳内に割り込んでしまう。