広東語とベトナム語の類似性について

このエントリーをはてなブックマークに追加
6自転車小僧
>5
ありがとうございます。充分2-3のリンクは読んでおります。
(3のスレはなかったですが。)古代越語〜と言う話は
Jerry Norman氏の研究で呉語(上海語)とビン語(福建・台湾語)
の分岐時期という論文等ありますが、広東語についてはもっと
新しいそうであるとの説書いてあります。百越の話もありますが、
百越=ベトナム、広東語ではありません。百越の研究論文もいくつか
読みましたが、百越は中国南西部のタイ系民族の総称であり、直接
ベトナムを示す語では、ありません。
自分自身学生時代に中国語の音韻研究をベトナム語を専攻している
先輩としていましたが、広東語自体は中国の他方言に比べると非常
に新しい(北京官話との音韻的類似性が高い)。ベトナム語はムオン
語の古層の上に漢越語と呼ばれるベトナム漢字音の古層、広東語と
近い時期に形成されたベトナム漢字音の層と3層に分かれていることが
見えてきました。恐らく>1の言っている類似性とはベトナム漢字音
と広東語の意味だと思いますが、これは日本の漢字音と広東語の類似
に近いもので本質的に同系言語とは言えないと思います。
また、オランダの学者の論文では広東語を形成した民族層はタイ系民
族が唐代に北方から嶺南へ派遣された兵士達と混ざったものであり、
民族的には6割近くがタイ系由来であるとの説があります。
また、漢字音の研究をする上で基礎となる介音(-i-,-u-など)が
広東語ではほとんどなく漢語系音韻よりタイ系言語の音韻に近い事
逆にベトナム漢字音(ベトナム語の音韻ではない)の音韻ははっきり
と介音の区別があり、漢語系の音韻と符号すると言う現象のあった事
を報告しておきます。中古音等の説明もしたいのですが、外字だらけ
になる上、非常に分かりにくくなるので止めておきます。