トラの語源は

このエントリーをはてなブックマークに追加
1素人
私は、日本列島に虎が生息していたことは無いと思いますが、
古くよりそれを示す言葉は有ります。
十二支の一つですので、その思想が伝播されたときに、
言葉も一緒に輸入されたのでしょうか。
しかし、現在の中国語、韓国・朝鮮語の単語と直接結び
つきそうに有りません。
もしかしたら輸入語では無く日本語としてもとから有った言葉?
皆さんは、トラの語源をご存知ですか?

日本>tora(とら)
英>tiger(たいがー)
中国>hoo,虎(ふー、ほぉ?)
ハンガリー>tigris(ちぐりす?)
フィンランド>tiikeri(ちけり?)
タイ>seu uh(しゅーうー?)
韓国・朝鮮>holani(ほらんい?)
2名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/04(土) 23:49
言語板ローカルルール(書きこむ前に読んでね)

1.

「これどういう意味?」「何語?」「この言葉遣い正しい?」などの質問はまず 辞書や 検索エンジンで調べてね。
それでもわからないときは新スレをたてずに 質問スレ で質問してね。
3:2001/08/04(土) 23:51
取りあえず2番。
4於兎:2001/08/04(土) 23:56
古代江南の言葉
5名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 00:05
象ゾウに当たる大和言葉に
「きさ」(山形県の象潟キサガタ)というのが
存在するのは何故ですか?
絶滅したナウマンゾウの記憶が残ったのでしょうか?
6名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 00:06
虎も旧石器時代の日本列島には居たんじゃあ・・・
7名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 00:10
竜に当たる大和言葉に
「たつ」(青森県竜飛岬他)というのが
存在するのは何故ですか?
絶滅したドラゴンの記憶が残ったのでしょうか?
8名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 00:25
猫←寝子?
9名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 00:29
鼠は「根住み」?
10名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 00:35
馬は?
11名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 01:13
万葉集の巻十六、3885の歌に
「韓国(からくに)の 虎といふ神を 生け捕りに 八つ
 捕り持ち来」
とありますので、古代から日本にはおらず韓国の動物だと
考えられていますね。
積極的な根拠はないんですが、古代朝鮮半島の言語が一つ
であったとは限らないわけですので、日本と交流の深かった
南部(加羅地域)や百済のことばで、虎を「とら」に近い
発音で呼んでいた可能性もあるのではないでしょうか。
「馬」は中国語「マ」の借用だというのが定説だと思ってい
ましたが、専門外なので如何なものか。
12素人:2001/08/05(日) 01:19
>4さん、>11さん。ありがとっす。
何れにしても十二支とセットですね。
13名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 01:19
horang-i > 虎狼イ、といわれるけど語源は別にあるのかも。

おと、は古代の楚の言葉ですな。オーストロアジア系の言葉で
近いのがあったとおもう。
タイ語系南方語起源とか言われてるけど、シャム語ではスア。
そのうち調べて見ます。
14名無し:2001/08/05(日) 10:30
古代英語 tigres
フランス語 tigre
ラテン語 tigris(iに長音符)
ギリシア語 tigris(iにアクセント)
アヴェスタ語 tigra
印欧祖語 *steig(stickと語源は同じ。突き刺す....突き刺す動物??)

現代英語 tiger
現代ドイツ語 der Tiger
ウクライナ語 tigr[tixr]

ハンガリー語tigris(ティグリシュ)や、フィンランド語・ウクライナ語も、ラテン語がそのまま取り込まれたものでしょう。(ウクライナは東方教会なので、ギリシア語かも)

漢語 hag > ho > hu
15名無し:2001/08/05(日) 10:36
広辞苑には「とら」はタイ語系か、と解説がありますよ。
あと、東国語では猫を指したようです。
16名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 10:41
んぢゃよ、
羊、鰐、山羊 は?
17名無し:2001/08/05(日) 10:49
*steigのさらに変化した*tigrで、「素早い」という意味を持ったみたいです。
Tigris川はペルシア語で「素早い川」
18名無し象は鼻が鰻や!!:2001/08/05(日) 11:00
広辞苑から...

鬚(ひ)・角(つ)・牛(うし)→ひつじ
「ひげつのうし」

昔は「わに」が鮫の意味でしたが、いつから「わに」が爬虫類の名前になったんでしょう。

「やぎ」は朝鮮なのですが、固有語でなく漢字音「羊(yang)」から。
19名無し象は鼻が鰻や!!:2001/08/05(日) 11:04
梅→うめ?
文→ふみ
馬→うま
簡→かみ
影→かげ?

朝鮮固有語
なべ
てら
くま
...
20名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 11:11
象とキサの話で思い出しましたが、カナダ・エスキモーは
マンモスのことを今も伝承しているという驚くべき話があ
ります。カナダ人で捕鯨の研究などで知られるC・W・ニコ
ル氏が考古学者の佐原真氏との対談で話しています
(小学館『大系日本の歴史1 日本人の誕生』の月報)。

ニコル 私の友人が西北極のトクト=ヤックトック(大きい
トナカイの場所の意)で調査中、マンモスの牙を発見した
んです。先ドルセイ文化の時代の化石化してないものを。
(中略)そのとき、調査を手伝っていた六〇歳位のイヌイッ
ト(カナダのエスキモー)にその牙を見せて「こんな大きい
セイウチ見たことないだろう」と言ったら、イヌイットは怒り
出した。「あんた、学者のくせに、なんにも知らない。これ
がセイウチだと思うのか! 海は遠いのに。これはカイフ
ォンクェーだ」と言って、友人のノートに動物の絵を描いた。
それがマンモスだった、というのです。
佐原 ちょっと信じられないような話ですねぇ。
ニコル これは聞いた話ですが、次はぼく自身の話です。
ぼくはバフィン島の南にいました。(中略)ぼくは時々イヌ
イットのテントへ遊びに行きましたが、ある日、綾取りをし
ながら子供たちに、海の神様の話をしているお婆さんに、
「カイフォンクェーを知っていますか?」と尋ねたら、「え!?」
と聞きなおす。何回か繰返すうちに、ぼくの発音のまずさ
に気付いてくれて、お婆さんがさっと綾取りで作ったのが、
マンモスだったんです。びっくりしました。
(中略)
ニコル マンモスの形だけではなく、昔の人がどうやって
マンモスを獲ったか、これも語り伝えられています。
佐原 マンモスの獲り方、どんなふうに伝えられていまし
たか。
ニコル 大勢で人の輪を作って、遠まきにしながらバタバ
タ騒ぐ。中のマンモスを行ったり来りさせて、心臓を弱ら
せる、疲れさせる。そして動きが鈍ったときにハンターが
近寄って、マンモスの後脚の腱を切る。後から心臓を刺
す、というやり方です。

とのこと。ここまで具体的に複数の人が伝えているのは
驚きです。ただ日本のキサが象の記憶かというと、それ
はどうかな? という感じがしますが。(現在考えられて
いるよりずっと後まで象が生き残っていたことが判明す
れば、また別ですが)
21名無し虎は柄がシマシマだ!:2001/08/05(日) 11:19
ne,ushi,tora,u,tatsu,mi,uma,hitsuji,saru,tori,inu,i
12支全ての語源を特定言語で説明できたらなー。
サルは去るから、イヌは居ぬだからとか納得できない。
22名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 11:57
クマは鳴き声だという説あり。
アスキーから出ている『マルチメディア哺乳類図鑑』のツキノワグマ
のところをみると、「クマックマッ」と鳴く、などと書いてある。
CD-ROMなので声を聞いてみると、こもった声だが確かにそう聞こえる。
ツキノワグマは鳴かないと思っていたが・・・。
23世界祖語?:2001/08/05(日) 12:06
「牛」という言葉がありますよね。日本語が除外されますが、

現代英語 cow
古代英語 cu[ku:]
ドイツ語・オランダ語 koe, Kuh[ku:]
ゲルマン祖語 koz

これらのゲルマン語は同語源で、印欧祖語まで溯れることがはっきりとしている。
古代アイルランド語 bo
英語(ノルマン語) beef
フランス語 boeuf
ラテン語 bovem, bos
ギリシア語 bous

トカラ語 ko, ki. keu
古代教会スラヴ語 govendo
アルメニア語 kov
アヴェスタ語 gaush
サンスクリット語 gaus
ラトヴィア語 guovs
印欧祖語 *gwous

これらの言葉は更に、下のような言葉と同語源じゃないかと言われている。
シュメール語 gu, gud
カフィール語 nqu(ヌー)
漢語 ngo, ngu > ngiog > niu(牛ギュウ)

だとすれば、「世界祖語」のようなものが想定できることになりますね。
世界のあちこちで、「モー」という鳴き声を真似しただけのようにもとれますが。
24名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 14:05
象は、
日本(平安期) >>きさ(kisa)
タイ(現代) >>chahng
ラオス >>sang
マレー >>gadjah
ベトナム >>con voi
25名無し象は鼻がウナギだ! :2001/08/05(日) 14:15
タイ語・ラオ語は
漢語 giang > yiang> ziagn > siang > ziang(象)
と同系統ですね。
26訂正:2001/08/05(日) 14:17
漢語 giang > yiang> ziagn > siang > xiang(象)
27名無し象は鼻がウナギだ! :2001/08/05(日) 14:22
ラテン語 elephantum
ギリシア語 el-ephas (elu+abu)
ハム語 elu
エジプト語 abu
28名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 14:41
>>23
 漢人は中原に西から侵入し、商朝の頃まで猟民(=遊牧民)だったっていうから、
フィンランド人の逆パターンだろ? 元々印欧系のツヤらが、呉だの越だの楚だの
と混血してアジア顔になったんだろ?
 文法は英語と同じだし、単語だって、おとうちゃんおかあちゃんは、パパ・ママ
だぜ。
29名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 16:10
>単語だって、おとうちゃんおかあちゃんは、パパ・ママ
悩んでいることなんですが....
ヨーロッパ諸国の「papa」は実は全てギリシア語「pappas」からきたもの。
「父^巴父^巴」は古代の音では「buag-buag」だし、そう簡単に同系とは言い切れないと思います。
中国語には他に、「女^乃女^乃(ナイナイ)」などがあるので、これはただ同じ音を繰り返す中国語の性質から来たのかもしれません。
30名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 16:14
辞書から....

シナ・チベット語族では父を「*pa」と言う。漢語の「父(b(p)iuag)」「父^巴(buag)」「伯(pag, pak)」など。
ウラル語・アルタイ語では「*ta, *tja, *te」系の言葉で表す。
古代日本語の「とと」「てて」「てぃてぃ(ちち)」もこの系統。
漢語の「爺(diar)」「父^多(da,tia)」は北魏の頃に遊牧民の言葉から入ったもの。
31あぼーん:あぼーん
あぼーん
32名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 17:04
パパママの類はいわゆる幼児語(赤ちゃんの発声を真似したオノマトペア)だから系統を決める根拠にならないのでは?
33名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 19:24
現代中国語のパパ、ママは西洋語の影響。
もともとの中国語の語彙では、それぞれfuqin,muqin
というんだよ。
漢字で書くと、もちろん「父親、母親」。
34名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 20:29
ラテン語のPATER/MATER
ゴート語のFADER/MADER
古い中国語FUQIN/MUQIN
 みごとにグリムの法則だ。語頭の子音もバッチシ対応。
35名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 20:41
単に嬰児の発する"m"音を、

ヨーロッパ等では「母親のことをいっているのだ(ママ、マンマ)」と考え、
日本では「ごはんがほしいといっているのだ(まんま)」と考えた、

ということでは。
36名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 20:56
>>35
もともとの言葉の語源と喃語は切り離して考えるべきだ、ということですね。

日本語の「tCtC」はアルタイ語と同じ特徴を良く示しています。トルコ語でも「ata」ですね。

さて、古い日本語では、
かか(kaka)
はは(papa)
というように二つの種類の言葉があり、父を表す時には「p-」を使うことが多いという世界的な傾向とは逆です。

ハンガリー語では
父apa, apja
母anya, anyja
というまた独特の形が使われます。詳しい方居られますか?
37名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 20:59
tVtVでした。C(Consonant)だと子音ですね。
38名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 21:06
タイラ(古代江南語)→トラ(日本語)?
39名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 21:49
ヒツジはヒゲツノウシ(by 18さん)。
日本書紀での羊の初出は推古7年(未年!)に駱駝、驢馬、白雉といっしょに
百済王から送られたと言う記述。
しかし、6世紀の日本では既に「干支法」の使用が始まっており、実物より用語
が先行している。トラ・オトも同じかな。
40名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 22:08
群馬県の多胡碑(711年)にも「羊」という人名?が出ていますね。
41名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/05(日) 22:27
 それよか、山羊が、ひげ・つの・うし なら解るけれど、
 羊はうしとあんまし似てないし、ヒゲも無いよ。つのも有ったり無かったり。
42名無し羊は鬚がウシだ!:2001/08/05(日) 23:31
>>41
もこもこがひげっぽかった。
巻角のインパクトが強かった。
鹿や馬よりは牛っぽかった。
…じゃだめ?
43名無し羊は鬚が山羊だ!:2001/08/06(月) 00:35
虎の古名には「をと」がありました。
44名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 00:35
>>40氏 多胡郡主の羊さんは帰化人か?
それとも当時のミーハーさん?(今ならパンダさん、コアラさんの類)
>>41氏 十干十二支の日本への伝来・普及は王段爾等の来日の頃とすると
日本語読みの成立には、三韓の「国名」(百済(ペクチュ<クダラ)、新羅(シラ<シラギ、
任那(ニンナ<ミナマ))の様に百済や加羅系の影響が大きいのでしょう。
無いものネダリですが百済語資料が残っていれば違う解釈も出来たはずですね。
45名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 00:57
春秋戦国時代の楚ではトラのことを「於兎(おと)」とかいってたらしいよ。
もしも「於〜」を接頭辞とみるなら「兎(と)」ってトラに近くない?

それと韓国語ではトラを「ホドリ」っていってなかった?
これもホをとったら「ドリ」だからトラに近いよな。
46名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 01:09
>>7
「たつ」は「現れる、出現する」の意味。
気象か、超常現象(?)みたいのを竜だと考えたのかな?

>>21
サルは古語ではマシラでは?
イヌは「いのごふ(睨みつける)」からで、なんか動物の邪視の呪術的な力からついた名前だという説があった。
47名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 01:11
ちなみに豹は「なかつかみ」というね。
48名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 01:14
牛はウシ(遅)く歩き、馬はムマ(上手)く走る。
49名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 01:15
40です。
この「羊」ですが、多胡碑には
「弁官符、上野国片岡郡・緑野郡・甘
 良郡并三郡内三百戸郡成、給
 羊成多胡郡、和銅四年三月九日甲寅
 宣(後略)」
とあって、上野国の片岡郡・緑野郡・甘良郡の中から300戸をさいて
新たに多胡郡を新設し、それを「羊に給う」というので、羊は人名
かと考えられています。でもこれ以外に史料がないので実証的には
これ以上はわからない、といったところではないかと思います。
地元には羊太夫伝説があります。下を参照。
http://www.chichibu.co.jp/~wado/wadokaichin/hitsuji.htm
50名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 02:36
age
51名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 09:55
ホドリは、ho(虎)+tol([石/乙]、男の子の名前に使われる)+i(接尾辞)
だと思うけど、ソウルオリンピックの子供のトラのマスコットにつけた
名前なので、本来の朝鮮語ではありません。
52名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 14:32
ヲトって聞いたときないけど、本当にあるの?
53名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 15:04
虎=「おと」の史料

古代中国の楚で虎を「於莵」と言っていたことについては、
平凡社、東洋文庫の『荊楚歳時記』(守屋美都雄訳注、
1978年)の注に詳しく書かれています。『荊楚歳時記』は
6世紀の荊州(いまの湖北省江陵付近)の年中行事を書
いた書ですが、正月の行事として、門の戸の左右に神を
絵に描いたものを貼るが、それを「神荼(しんと)」「鬱塁
(うつるい)」といい、門神というとあります。
『論衡』巻十六には、虎を絵に描いて門に貼るとも書かれ
ているので、神荼・鬱塁も虎と関係があると考えられます。
以下、東洋文庫本の注を引用します。( )に入れたのは
私の説明。
「上原(淳道)氏は神荼の解釈の場合、特に「荼」字がその
根幹であるとし、それを『左伝』(春秋左氏伝)宣公十年の
条に「楚人……虎を於莵と謂う」とあり、『漢書』巻百、班氏
叙伝に「楚人……虎を於択と謂う」とあるのに結びつけ、
この場合の莵・択が、顔師古注に「塗の音なり」と書かれて
いる点を重視された。そして、「荼」「塗」は更に「余」「除」
に転じうる、すなわち「神荼」は「神除」であろうとされた。
次に鬱塁の場合は「鬱」字がその根幹であるとし、これは
「弗」「払」「祓」に音が通ずると断定し、神荼・鬱塁は要す
るに「祓除」観念を人格化したものといわれるのである
(「神荼・鬱塁について」『東方宗教』創刊号。「ふたたび
神荼・鬱塁について」『甲骨学』六)。」

以上私には古代中国語での発音など専門的なことはわか
りませんが、楚で虎を「於莵」「於択」と言っていたこと、
正月に紙に描いて門に貼った「神荼・鬱塁」も虎と関係が
ありそうなことが述べられています。
54名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 15:06
酔っぱらいを「トラ」と言うのは何故?
55名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 16:41
於莵が日本で使われていたっていう証拠が見つからない。
広辞苑にもただ「虎の異称。わが国では猫」とだけ書いてある。
思うに、昔の日本人は漢文に通じていたので、漢文を通じて
日本語に入ったのが、さらに猫の意味にシフトしたんじゃないかな。
森鴎外は自分の息子に於莵という名前を付けている。
彼は自分や親戚の子に西洋風の名前をつけることに凝っていたらしい。

森  於菟(オットー)
森  不律(フリッツ)
森  茉莉(マリー)
小堀 杏奴(アンヌ)
森  類 (ルイ)
山田 爵 (ジャック)

彼ほどのインテリだから「虎のように強く」という意味もこめたのだと思う。
不律と杏奴はどうかと思うが。森於菟氏は後に台湾で医者として活躍したり
しているらしい。ここら辺から、於菟という言葉が日本に定着した可能性がある。
56名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 16:55
あと、於菟の於は華南の古い言葉「烏」(黒い)の意味だとして、
黒い虎の意味だという説もある。
確か湖南省の少数民族語である、トゥチャ語の単語が類似していたと思う。
57名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 17:12
於は於越という使われ方もしてるので、たぶん接辞。
58素人:2001/08/06(月) 19:16
>>47さん
豹>なかつかみ>中・つ・神?ですか。
59名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 19:26
>>58
『日本国語大辞典』には次のようにあります。
「なかつかみ【中津神】《名》豹(ひょう)の古名。陰陽道で、
 八将神のうちの豹尾神がその中央に位置するところからいう。
 *書紀−推古一九年五月(北野本訓)「大仁小仁は豹(ナカツ
 カミ)の尾(を)を用ゐる」 *十巻本和名抄−七「豹 説文
 云豹<補教反 日本紀私記云奈加豆加美>(以下用例略)」

陰陽道から来た言い方であれば、昔から豹そのものを指した語では
ないことになりますね。
60名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 19:37
『日本国語大辞典』には、於莵の用例も出ていました。(文字は「於菟」
と表記しています)

「おと【於菟】《名》「とら(虎)」または「ねこ(猫)」の異名。
 *あい(土偏に蓋)嚢鈔−五「猫を乙(ヲト)と云は何の故ぞ。虎を
 於菟(ヲト)と云也。然に猫の姿并に毛の色虎に似る故に、世俗猫を
 呼て於菟(ヲト)と云へば、猫則喜と云へり。若是を其の意を得ざる
 人、をとと云へば、乙の字と思へる歟。楚国の人は、虎を烏菟(ヲト)
 と云。於菟共書也。烏の字を本とす。於をも通じ用る也」 *「運歩色
 葉「於菟 ヲト 世俗呼猫曰於菟。於菟者虎名也」 *春秋左氏伝−
 宣公四年「楚人謂乳〓(穀の字の禾が「子」になっている字)、謂虎
 於菟」
61素人:2001/08/06(月) 20:05
>>59さん レスありがとうございます。
「豹尾神」は八将神の中で唯一動物関係の神名ですね。
しかし、十二獣に入れてもらえ無かったせいで、日本での
人気は虎より割りを喰ってますけど。
62名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 21:05
十二支の仲間で「巳」( mi ) 現代語でヘビ。
mi>hemi>henbi>hebiと変化したんでしょうか。
中国語だと「蛇」(ja)ですね。
記紀にはオロチ、ミヅチ、カガチ、ハミの名前でも登場します。
沖縄ではハブですが、音はヘビに似ているようで異がうような気もします。
63名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 21:19
ヘビはヒモと同じ語源。
細くて長いもの。
64名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 21:46
英語 > snake
越南 > con ran
ヘビ>>
タイ > ngoo
ラオ > ngu
タガログ > ahas
マレイ > ular
トルコ > yilan
65名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/06(月) 22:57
へび >>
タミール語かその近所で pab/pam というのが有った。
この板の別スレで見かけた。
66名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/07(火) 00:02
もし、虎を知らなくて、ライオンを先に知っていたら、
トラではなくて、「しましし」とよぶことになっていただろうに。
67名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/07(火) 00:11
イヌに関する村山七郎氏説(村山七郎・国分直一『原始日本語と民族
文化』(三一書房、1979年)

ツングース諸語(発音の表記が書きやすいものだけ、同書から勝手に
いくつか拾っています)
 エヴェンキ   ninakin
 ネギダル    ninaxin
 オロチェ    inaki
 ウデヘ     inai
 オロッコ    nina
 ナーナイ    inda
ということで、村山氏は(祖形を再建されてはいませんが)これらの
ツングース諸語と日本語のinuとの関係を示唆。
一方、カワウソのことを日本の古語ではヲソ(woso)と言いましたが、
これはオーストロネシア語でイヌを意味する*uat'sと結びつけています。
68名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/07(火) 00:13
>>67
訂正。オーストロネシア語のイヌは*uat'uでした。
69名無し象は鼻がウナギだ!:2001/08/19(日) 23:31
age
7047 :01/10/28 19:03
>>61,>>59
豹を「なかつかみ」というのは陰陽道から、というのが一般的だけど、
俗説かもしれない。狼(おおかみ)との比較級という説もあるよ。
71名無し象は鼻がウナギだ!:01/10/28 19:11
>>62
蛇は「はば」が古い形で、「み」「へみ」は新しい
72名無し象は鼻がウナギだ!:01/10/29 15:13
海驢(あしか)・
海豹(あざらし)は和語ですよね?
あしかの古語に「みち」(初出は古事記)もありますね。
73くだらない豆知識:01/11/05 00:26
暗号「トラトラトラ」

意味は「“と”つげきせよ、“ら”いげきき(突撃せよ雷撃機)」である。
(「我、奇襲に成功せり」は間違い)
74名無し象は鼻がウナギだ!:02/01/21 17:31
>ハンガリー語tigris(ティグリシュ)や、フィンランド語・ウクライナ語も、ラテン語がそのまま取り込まれたものでしょう。(ウクライナは東方教会なので、ギリシア語かも)

同じ語があっても、必ずしも同じ語族と限らぬ例だな。
日本人が漢語を日本語の1部として使うのと同じようなものか(藁
75チベットビルマ語では:02/01/23 00:48
チベット文語 stag チベット語ラサ方言 ta?53
チベット語カム方言 ta?53 チベット語アムド方言 htak
チベット語アムド方言(草原部) rtak モンバ語 ta?53
ツァンラ語 khaila チャン語南部方言 Xu
チャン語北部方言 pzI31da33 プミ語南部方言 Go35
プミ語北部方言 Go13 ギャロン語 khung
ルグン語 lzyi ムニャ語 ta53 ジャバ語 ta53
グイチュン語 ta55 トス語 la55 ナムギ語 la55 
スシン語 la55 ロロ語北部方言 tsho44dzI33la55mo21
ロロ語西部方言 lu55 ロロ語中部方言 la21pa21
ロロ語南部方言 lo21 ロロ語東南部方言 lo55
ロロ語東部方言 l'o21 リス語 la31ma44
ナシ語西部方言 la33 ナシ語東部方言 la33
ハニ語ビカ方言 law31maw33 ハニ語ハヤ方言 xa31la31
ハニ語ホベ方言 xaw31hlaw31 ラフ語 la53qha53pw33
ジノー語 law44mI44 ペー語中部方言 lo21
ペー語南部方言 lo21 ペー語北部方言 lo21
トゥチャ語 li21 ビルマ文語 kya33 
ビルマ語ラングーン方言 tsya55 アチャン語 law31
アツィ語 lo21mo55 マル語 law35 
フグン・ヌー語 a31khang31 ビジャン・ヌー語 la55
ラワン語 kang53 ジンポー語 shw31raw33,rawng31pa31
ディガル語 bo55da55 ミズ語 bo55da55 
ミドゥ語ya55mra55 ミリ語 syom yo 
スルン・ロッパ語 a33vuat53bua11
76ついで:02/01/23 00:56
湘語双峰話 lw31dan13 長沙話 lau41tswn13
老虎、の老はただたんに接頭辞としてとらえるべきではなく、
古い蔵語系の残滓であると見るべきでは。
77名無し象は鼻がウナギだ!:02/03/27 07:04
age                
78名無し象は鼻がウナギだ!:02/03/27 16:36
ニヴフ語でトラはat。この辺がオト系の北限かな?
79名無し象は鼻がウナギだ!
>>14>>17は面白いね。