>>856 説の底が浅杉だ。
愛知県東三河や静岡県遠州の方言では、勧誘の「まい」は全ての種類の動詞について未然形接続だ。
「行かまい」「食べまい」「着まい」「せまい(<する)」「こまい(来まい)」
しかもこの地方の伝統的方言では
1、話し手の意志→未然形の語尾の母音を1拍伸ばす(「む」の変化か)
2、聞き手への勧誘→未然形+「まい」
3、客観的状況の推測→終止形+「ら」
と文法的にも極めて明快・厳密で論理的な体系を持っている。
多分「まい」の勧誘用法の本場はこのあたりであり、
未然形接続の「まい」が2の用法で用いられるのが勧誘の「まい」の本来の使われ方だろう。
名古屋弁の「まい」の用法は
「行こまい」「食べよまい」「着よまい」「しよまい」「来よまい」
となる。
上で述べた遠州などでの用法と比較すれば、
これが西日本系の「う」との接触で生まれた二次的な変則的用法であることは明らかだね。
しかも名古屋弁には上で述べたような「う」との厳密な使い分けは無いし、「ら」のような助動詞も無い。
名古屋は三河以東の「まい」地帯と近畿以西の「う」地帯との境界にあたる接触方言地域ではないか?