>>783 > でも
>>774 によれば、
>「ナン」や「ナッ」は明らかに「前後する字の発音との関係」で
> 生じた(納戸、納豆)にもかかわらず「慣用音」なわけだよね?
最新の研究に拠れば、これらは唐宋音と見るべきものらしい。平安時代中期以降に入って来た字音。
> 音義説にも似ていて、やたらに意味(音)が増えまくるだけで収拾がつかない。
従来どおり、「雰 *フ」「囲 *イン」「山 *サ」「茶 *ザン」を認めなければ、そういうことにはならない。
>>784 > 現に「七本 シチホン」である(cf. 七宝焼)。
「七」の漢音「シツ」は広まらなかった。一般に、ハ行音で始まる字音助数詞の前の呉音「シチ」は忌避され、代わりに和語の「ナナ」が使われる (「七本 ナナホン」)。
「八本」は、「ハッポン」と「ハチホン」の両方が行われている。
> これだって「イッポン」が選ばれた必然性があるかというと、不明。
もちろんある。「一」の漢音「イツ」は、かなり広く使われている。
>「音位転換」「声調の強調による長音化」も、規則的に起こるものでない以上
> 偶然としかいえない。
その現象自体は偶然的だが、現象の結果生じた音には当然理由がある。
「出納」の「納 トウ」は、「出 スイ」の音から影響を受けずに存在するので、やはり字音 (慣用音) と認めないわけにはいかない。
> 調べたことは鵜呑みにしない。
重ねて言うが、意見が分かれたときのために辞書がある。
自分が使うある語形を相手がおかしいと言う。調べてみると辞書には載っていない。しかし世間ではしばしば使われているようだ。ただし、新しい概念を宿す新しい語で、どうしてもそれを使わなければならない、というわけではない。
こんなとき、
@ 世間で実際に使われている以上、辞書は信頼できず、おかしいと言う相手が狭量なのであって、この語形も正しいと認めよと説き伏せる。
A 辞書にない以上、おかしいと思う人もまだ世間には大勢いるものと考えて、その場では、辞書にあるような別の言い方に変える。
@の態度を傲慢、Aの態度を謙虚と言う。
「鵜呑みにしない」と「俺様が正しい」とを混同してはいけない。