言語の分類

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1初心者
「日本語は韓国語と同じくウラル・アルタイ語族に属している。」
というようなことを、ここの板でも良く見かけますが、
他にどんな語族があって、どんな言語がそれに属しているのか教えてください。
2まず:2000/08/18(金) 00:08
入門書を読みましょう。
だいたい、どこかに語族の表が載ってます。
3初心者:2000/08/18(金) 13:04
> 2さん、

良い入門書があったら紹介してください。
4大野晋曰く:2000/08/18(金) 13:54
日本語はオーストロネシア語族に属し、タミル語に由来する。
5名無しさん@1周年:2000/08/18(金) 14:16
高校の世界史の教科書に載ってたよね。
6親切な2:2000/08/19(土) 23:40
手元にある入門書「言語学の視界」フロムキン&ロドマン あぽろん社より
とりあえず語族のみ

・印欧語族

アメリカインディアン語族
・アルゴンキン語族
・アサパスカ語族
・イロコイ語族
・マヤ語族
・ケチュマラ語族
・スー語族
・ユトアステク語族

非印欧語族
・アジアアフリカ語族
・アルタイ語族
・オーストロアジア語族
・オーストロネシア語族
・コーカサス語族
・ドラビダ語族
・ニジェールコルドファン語族
・シナチベット語族
・タイ語族
・ウラル語族

もっと細かい語派、言語は自分で調べてくれ。
71:2000/08/20(日) 02:42
2さんありがとうございます。

辞書で下のような分類も見つけたのですが、
これはもっと大きな分類と思って良いでしょうか。

しかし、インドの言葉(確かたくさんあったような)とヨーロッパの
言語が同じ仲間だとは知らなかった。

こうちゃく‐ご【膠着語】(agglutinative language)
実質的意味を持つ語や語幹に機能語や接辞を付けて、
さまざまな文法範疇(名詞の格や動詞の法・時制など)を表す言語。
日本語はその一例。スワヒリ語・トルコ語・朝鮮語などがこれに属する。付着語。

くっせつ‐ご【屈折語】(inflectional language)
屈折を持つ言語。インド‐ヨーロッパ語族やアフロ‐アジア語族の
言語の多くは元来これに属するが、今日では屈折の程度は一様ではない。

こりつ‐ご【孤立語】(isolating language)
個々の形態素が語としての独立性を持ち、
格などの文法範疇が語形変化や接辞によらず文中の位置によって表される言語。
中国語・チベット語・タイ語など。
81:2000/08/20(日) 02:43
おっと、下げちゃった。
9親切な2:2000/08/20(日) 07:13
>しかし、インドの言葉(確かたくさんあったような)とヨーロッパの
>言語が同じ仲間だとは知らなかった。
インドの言葉、ヨーロッパの言葉=印欧語族ではありません。そうでないもの
も多いです。

>これはもっと大きな分類と思って良いでしょうか。
大きい小さいではなく、異なった分類の方法です。膠着語うんぬんは
それぞれの言語が持つ文法体系による分類です。膠着語であるから
同じ語族であるとは限りません。
イルカとサメは形が似ていても哺乳類、魚類という大きな違いがある
のと似ていると思います。
101:2000/08/20(日) 07:59
2さま、どうもありがとうございます。

言語学っておもしろそう。(ド素人ですが・・・)
11名無しさん@1周年:2000/08/20(日) 15:21
>7
今はこういう三分法はあまり使われません。なんでかっていうと、
一つの言語に、たとえば膠着語的な要素と屈折語的な要素が両方
含まれているような言語が少なくないからです。英語はその典型。
12ええと:2000/08/20(日) 17:48
そういう昔の言語類型論では、孤立語・膠着語・屈折後の他に、
抱合語という類型を立てて四区分するのが普通じゃないかな。
主語だけじゃなく目的語まで動詞の人称変化に関わってきて、
動詞が文みたいになってしまう言語が抱合語。
アイヌ語なんかがそうだということになってる。
フランス語も、音声言語として改めて文法を定式化して考えたら、
ちょっと抱合語っぽい性格があるね。
13イリッチ・スヴィトゥィッチ:2000/08/20(日) 18:32
>6
ノストラティックってのもあるよ。
141@` 7:2000/08/21(月) 04:41
>12
古い分類だったんですね・・・。

それに、ある言語を習得したからといって、同じ分類の言語の取得が楽になるとは
限らないですね。
(そもそも、こういう動機で言語分類に興味を持ったのですが。)

15名無しさん@1周年:2000/08/21(月) 18:55
この3分類は最初は、言語は孤立→膠着→屈折という順番で「進化」する、
という風な形でいわれていたらしいよ。
16名無しさん@1周年:2000/08/22(火) 18:11
>15
わたしは逆で、屈折>膠着>孤立の順に「退化」すると言われてたって
聞きました。確かSchleicherだったかな。
17名無しさん@1周年:2000/08/23(水) 02:43
ま、最高の孤立語である漢文に勝てる高級な言語は存在しないな
18名無しさん@1周年:2000/08/23(水) 09:46
15や16に共通しているのは、最も単純で原始的な言語は古代シナ語
(漢文)のような孤立語で、最も複雑で高級な言語は印欧語のような
屈折語だ、という観点。19世紀末には主流の考え方だった。
19名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/23(水) 11:05
進化論は結局
「ヨーロッパ最高!」になっちゃうからねえ。
20名無しさん@1周年 :2000/09/05(火) 01:49
そもそも、語族を分類する基準って何ですか。
音韻体系? 文法構造? ……他に?
他のスレッドで
「人類の言語全体の大分類という視点は、 グリンバーグによって初めて持ち込まれたの」
と書きこみされてました。
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=gengo&key=966195977
そのグリーンバーグって人なら、どんな分類法に則って分類作業を進めたのですか。
21>20 :2000/09/05(火) 02:17
他の言語からの借用と考えにくい変化しにくい要素を較べる。
つまり、語順とか格語尾とか代名詞とか……。

ただし具体的な話になると、何が中核的な要素というのは
言語類型によっても違ってくるんで、一口には言えない。
例えば、一般的に代名詞は変化しにくい要素だけど、
日本語の場合は何度も置き換わりが起きているし、
語順は安定した要素のはずだけど、
古代印欧語のSOV語順は近代欧州諸語ではSVOになってるし、
ドイツ語と英語みたいに近い言語でも違っていたりする。

つまり絶対変化しない要素というのは無いわけなんで、
音韻・文法・語順などから変化しにくい要素を相互比較して、
統計的に有意味な類似性があることを示すわけ。
22>20 :2000/09/05(火) 02:25
それに、変化するにしても一般的パターンがあるので、
文字資料の無い時期の言語の姿もある程度は推測できる。
文法的例外を無くして規則的にしようとする傾向と、
発音を楽にしようとする傾向と(この二つは実は矛盾していて、
発音を楽にするための音韻変化で新たな例外が出来たりもする)。
同一言語内部の方言や同系言語どうしを較べたり、
近隣言語への借用関係で古い発音を調べたりして、
可能な限り古い形を再構成し、古い形どうしを比較していくわけ。
23>21・22 :2000/09/05(火) 14:12
比較言語学の性質上当然なのかしれませんが、えらく通時態的方法論なんですね。
現代言語学の、共時態的方法論とはどうやって折合をつけてるのかなあ。
相補的、ってことなんですか。
24転載 :2000/10/13(金) 22:59
ウラルアルタイ語族は、それに属する言語間の関連性が乏しく(ただし、日本語と朝鮮語は除く)、
いわば、どの言語グループにも属さない言語を集めたにすぎない、という指摘もありますね。
といっても、フィンランドや日本、朝鮮に残っている言語は、ある言語グループが辺境に追いやられた
結果、独自な発展を遂げて異質なものになった、と、あくまで<想像>する人もいるようです。
  http://www2s.biglobe.ne.jp/~tetuya/REKISI/bbs/bbsr.cgi

……これホント?
25名無しさん@1周年 :2000/10/14(土) 13:58
いわゆるアルタイ「語族」に属する(と言われている)言語(主なもの)
・チュルク諸語…トルコ語、カザフ語など、トルコから中央アジアにかけて分布する。
・モンゴル諸語…モンゴル語、ブリヤート語など、主にモンゴル国近辺に分布する。
・ツングース諸語…シベリア東部、中国東北部、サハリンなどに分布する。ナーナイ語、エウェンキー語、満州語など。

ただ、専門の研究者は「語族」という言い方を避けて、アルタイ諸語と呼ぶ場合が多いですね。
というのも、上の3つの系統の言語は、音韻や文法上の共通点は多いものの共通の祖語を持っていたかは未だ明らかにされてない
(というか、昔の文字資料があまりにも少ない(<特にツングースとモンゴル)ため実証がほとんど不可能)ので。

ちなみに、日本語や朝鮮語をアルタイ諸語に属すと断言する研究者は少ないです。
26知りたがり :2000/10/14(土) 17:46
ふうむ、共通の祖語が確認できないと「語族」とは見做せないのですか?
親が無くても兄弟同士ってのは駄目? それこそホラ、ヴィトゲンシュタインの家族的類似性って奴で。

それと、フィンランド語やハンガリー語(マジャール語?)は、
上のチュルク、モンゴル、ツングースのどれに分類されるのですか。

R音が語頭に来ないってのはアルタイ諸語の特徴ではありませんでしたっけ。
日本語もその特徴を持つとされるけれど、それだけでは不十分ってことなのかなあ。
27名無しさん@1周年 :2000/10/15(日) 04:30
わりとよく聞く意見では、フィンランド語はハンガリー語と「フィン・ウゴール語族(or語派)」
でくくってますよね。ここはかなり確実性の高い分類が進んでたと思いましたが。
そいでインド・イラン語派とかつて接触があったとかなかったとか。
「100」「ミツバチ」「駆り立てる」なんかの語彙がどちらかからもう一方への
借用語だろうって。
専門知識の要らない入門書なら岩波新書にあったはず。風間喜代三かな?
28>25 :2000/10/15(日) 09:35
アルタイ諸語(語族)についてのご教示、有り難うございます。
でも、アルタイ語族はよくウラル語族と名を連ね、
ウラル・アルタイ語族って両者を一括りにしてますが、理由は何?
これも専門研究者には避けられてる括り方なのですか。
27さんによるとフィンランド語とハンガリー語はフィン・ウゴール語族とのことですが、
これらをウラル・アルタイ語族に入れるのは古い分類だと思っておけばいいのですか。
29名無しさん@そうだ勉強しよう
>28
ウラル語族とアルタイ諸語を一括りにしなくなったのは、「アルタイの
だけでも一つにまとめられるか分からんのに、ウラルと一緒にするなんて
勇み足だろ」ってことだと思います。
ウラルとアルタイの類似点は、いわゆる膠着語的な特徴の他には、私は
知りません(どなたか、ご存知の方、ご指摘お願いします)。

また、古いのはウラル・アルタイという括り方であって、フィン・ウゴールが
ウラルに入るのは確実と考えられていると思います。
これまた、私は良く知らないので、東大の松村先生のページでもご覧に
なってください。
plaza3.mbn.or.jp/~kmatsum/Uralic/tree.html