この中では、田中君が自分の妹が一番美人だ。

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1名無しさん@1周年
という例文を言語学の本の中にみつけました。(「岩波講座言語の科学」5巻3章90頁、郡司隆男)

私の感じだと、どう考えてもこれは非文なんですが、非文として挙げられてるわけではなくて

「「が」がついているものの、「田中君」は主語ではなく、いわゆる「総記」の「が」である。
これはいくつかのものの中から一つを特に取り出し、それだけが一定の性質を満たしていることをいうときに使われる「が」である。」

だそうです。

皆さんの直感ではこの文はアリでしょうか?
それと「「総記」の「が」」ってなんでしょう?
誰かもっとわかりやすい例文をあげてくれるとうれしいのですが。
2名無しさん@1周年:2000/08/16(水) 21:56
無色の緑色の観念はすさまじく眠る
3名無しさん@1周年:2000/08/18(金) 00:43
俺には意味不明>1の例文
4名無しさん@1周年:2000/08/18(金) 15:20
類似例;この中で、田中君が、声が一番大きい。

主語は「田中君が」でなく「声が」ってことなんですかね。
どっちを主語と見るべきか――なんだか「象は鼻が長い」問題みたい。

この場合、主語の位置に「妹が」「声が」など、
田中君に附帯するものしか置けないのではありませんか?
51:2000/08/18(金) 22:12
前の引用のあとで
「このように、主語でなくとも、「総記」の「が」が付いたものが「自分」の先行詞となることがある(Gunji 1987)」
と書いているので「自分=田中君」で、主語は「自分の妹(が)」ということみたいです。

4さんの例文もモヤモヤしたものがある様に思うのですが、
私の場合「この中では田中君が一番声が大きい」にすると許容度があがるように思いました(どうでしょう?)
だから「一番」の位置か?とおもって

「この中では、田中君が一番自分の妹が美人だ」

に直して反芻してみましたが、うーん?
まだ「自分」のあたりが引っかかるような気がします。
64:2000/08/18(金) 22:30
追加例;この中では、田中君が、一番自分の信念が明確だ。

どの例文も、なんか英文直訳くさい不自然さがあり、
これは生成文法派の悪癖に感じます。
アメリカ人ではあるまいし、一々「自分の=my」と付けるのは
そもそも日本語らしくない。
7ビリーバー:2000/08/18(金) 23:22
言語学の中では、生成文法がいちばん理論的難点が少ない。
言語学書では、チョムスキーの本が最も理論構築が精緻だ。
8名無しさん@1周年:2000/08/19(土) 14:16
これ面白い。
1:この中では、田中君が自分の妹が一番美人だ。(俺的には非文。)
4:この中で、田中君が、声が一番大きい。 (俺的には全然OK。)

a:この中で、田中君が、妹が一番美人だ。
b:この中では、田中君が自分の声が一番大きい。
aはわかりにくいけど、1よりマシ。
bは4よりわかりにくくなった。
とにかく、「声」と「妹」、形式的に置き換え可能ではないと思います。
やはり文法は意味と切り離せないのでは?
ついでに、7さんのご発言、なんか旧かな派の人を連想させます。ネタですか?
9名無しさん@1周年:2000/08/19(土) 14:32
7の2行も同じフォーマットの例文でしょ。
10名無しさん@1周年:2000/08/19(土) 15:06
4と7の例文が非文に感じられないのは、他の例文とどこが異なるからなのか?
主語に当る「信念」「理論的難点」「理論構築」がどれも抽象語だからか?
1110:2000/08/19(土) 15:12
失礼、「4と7の例文が」は「6と7」の誤記でした。
12名無しさん@そうだ選挙にいこう:2000/08/19(土) 15:25
「自分」が田中君なのか発言者なのかを混乱させるという要因もあるのでは。

読点を息継ぎと考えるなら「この中では、田中君が〜」もいいのだろうけど、
意味的には「この中では田中君が、〜」にしてほしい。
13名無しさん@1周年:2000/08/19(土) 18:32
とりあえず田中君の妹萌え〜
14名無しさん@1周年:2000/08/19(土) 22:12
総記の「が」については久野の本がよいと思います(つーか、久野がこの擁護
を最初に用いた(と思う))。
「XがYがZだ」という形式で「が」が連続したとき、最初の「が」で
マークされる要素Xに関して、「X、そしてそれのみが、<YがZだ>」
という命題を満足しうる(談話上)唯一の指示物である」と話者がみなしている
という含意を持ちます。英語の分裂文と並行的。

問題の例文は、「自分」が問題なのだと思う(僕は1さんの引用した例文は
例えば、「田中君が妹さんがすんげー美人だ」をパーフェクトだとして、それと並べて
この例文を挙げ非文マークをつけることでしょう)
15オッカムの剃刀:2000/08/20(日) 02:10
>「田中君が妹さんがすんげー美人だ」をパーフェクトだとして、

↑僕にはそれも非文に聞えますが? なんか苦しいな、無理してません?

そもそも非文か否かの判定って、「直感」でいいんですか。
結局、具体的な言述としての例文を見て判別せざるを得ないなら、
わざわざ深層構造における統辞規則なんぞ想定する必要もなく、
表層的に処理した方が錯綜しなくていいのでは?
1612:2000/08/20(日) 13:07
「妹が一番美人なのは、田中君だ」なら、話題の主役は田中君。
「一番美人なのは、田中君の妹だ」なら、話題の主役は妹。
1の例文で、話題の主役は田中君。
というところまでは整理したが、
ここから文章構造との関係性を導き出そうとすると思考停止。

それにしても、意味を理解してから1の文章を何度も読み返すと、
非文でないように思えてきた。う〜む。
178:2000/08/20(日) 22:08
15さんの疑問、私も聞きたいです。
人によって非文か否かの判断は違いますが、また、自分の中でも揺れが
ありますが、判断基準って何なのでしょう。
「ここからはご乗車できません」が非文だといわれても、全然理解できません。
18名無しさん@1周年:2000/08/21(月) 00:22
【この中では、田中君が「自分の妹が一番美人だ。」・・・と言いました。】
ならOK??
19名無しさん@1周年:2000/08/21(月) 05:49
>17
正しくは「ご乗車になれません」やろが。
>18
「と言いました」が付くなら「この中では」がよけいやがな。
無理して非文を増やさんといてんか。
20名無しさん@1周年:2000/08/21(月) 13:11
>19>18
そうともいえませんぜ
例えば複数グループあって、その中に田中君がいた場合
この文でOKの様な気がする
ちと、苦しいが。
21名無しさん@1周年:2000/08/21(月) 14:52
>ちと、苦しいが。
苦しい、苦しい。無理せんときって。
そないに状況を考慮するなら(状況意味論ってか?)、
文法的に非文かどうかとは問題が別になりますやんか。
2214>15:2000/08/21(月) 19:49
他の人が出していた次のは、どうですか?

「この中で、田中君が声が一番大きい」

類例として

「3人の中で、田中が一番背が高い」
「3人の中で、田中が数学が一番できる」
などなど

これらも非文と判断しますか?これを認めて、僕の

「田中君が妹さんがすんげー美人だ」

を非文と判断なされるとしたら、これはまた面白いことのように思います。
お教えください。

23例文集:2000/08/21(月) 21:54
1>(イ)この中では、田中君が自分の妹が一番美人だ。
5>(ロ)この中では、田中君が一番自分の妹が美人だ
8>(ハ)この中で、田中君が、妹が一番美人だ。
9>(ニ)田中君が妹さんがすんげー美人だ
18>(ホ)この中では、田中君が「自分の妹が一番美人だ。」・・・と言いました。
4>(ヘ)この中で、田中君が、声が一番大きい。
5>(ト)この中では、田中君が、一番声が大きい
8>(チ)この中では、田中君が自分の声が一番大きい。
6>(リ)この中では、田中君が、一番自分の信念が明確だ。
22>(ヌ)3人の中で、田中が一番背が高い
22>(ル)3人の中で、田中が数学が一番できる
7>(ヲ)言語学の中では、生成文法がいちばん理論的難点が少ない。
7>(ワ)言語学書では、チョムスキーの本が最も理論構築が精緻だ。

 非文と感じるものを上記(イ)〜(ワ)より選べ。

24オッカムの剃刀こと15:2000/08/21(月) 23:04
>22
仮に「直感」で非文か否かを判定しても許されるなら、
非文はイ、二、ホ、チ、かな。
ニは「田中君が妹さんが」って人物が重なるのに違和感あります。
類似のハは、読点がそれを救ってる気がします。
文節に区切る時みたいに「ね、さ、よ」を入れてみると、
「田中君がネ」はいいけど、「妹さんがネ」と切ると台無しで、
無理にも「妹さんが〜美人だ」を一続きに読まなきゃならないでしょ?
その辺が不自然に感じる原因に見えます。
2522:2000/08/22(火) 12:05
>24
ありがとうございます。非文か否かは「直感」以外に判定手段が
ないと思いますが。ともあれ、(ニ)は人物が重なるのが違和感と
のこと、なるほど。

すると、次の会話もダメなのでしょうね。多分。

先生:「みんなの中に、お父さんが自営業の人はいるかな?」
生徒:「田中君が、お父さんが自営業だよ」
26これまでに出された説:2000/08/22(火) 12:13
I)「一番」の位置があやしい。
II)語の意味の差があやしい。
III)「自分」があやしい。
IV)二重ガ格があやしい。
27>25:2000/08/22(火) 16:05
>非文か否かは「直感」以外に判定手段がない

!? それでいいのか、生成文法派。
個々に異なる直感をどうやって学問にするのだ?
2825>27:2000/08/23(水) 13:14
何も、生成文法に限らず、言語に関する経験的事実に基づいて仮説を立て、
検証していくタイプの言語理論であるなら、言語使用者の直感による容認
可能性の判断がデータの中核部になると思います。
信憑性があるデータをどのように取り出すかが問題ですね。迂闊な
データを出したりすると後で叩かれたりするし、分析も曇るので、
各研究者はできるだけ慎重に、判断を多数の人に訊いたりしてデータを
出しているのではないでしょうか。個々に異なる直感とはいえ慎重に採取
した場合には、ある程度、判断の収束が見られるし、判断が分かれた場合にも
それを忠実に報告し、分かれる理由を分析して見せる論文も多いと思います。

言語学におけるデータの採取は、研究の方法というか技術の点で遅れている
のは事実で、他の自然科学や心理学でのデータの取り方ほど厳密さがないのが
現状だと思います。自然科学だと重要なデータを一つ出しただけでも
ペーパーになることが多いと思いますが、それが(生成文法などの)言語学でも
できるとなると、大抵の論文は1本あたり20−30本に分けて書かなくては
ならなくなるでしょう。(それはそれで量産できるから、望ましい?(笑))
29>1:2000/08/23(水) 20:08
どんなに学者が非文じゃないといっても、
世間がおかしいと言えば、非文だよ。
3027>28 :2000/08/26(土) 14:52
生成文法ってそんなに帰納的でしたっけ?
もっと演繹的理論だと思ってましたが。
そして、結局、非文判定の手続きはどんなものなんですか?
31名無しさん@1周年 :2000/08/26(土) 16:47
Parmi ces gens, Tanaka est celui dont la soeur est la plus belle?
32nanasi :2000/08/26(土) 19:17
韓国では、「主格重出文」とか言って研究されてます。
ある学者によると、次のような文(日本語訳)もOKだそうで。
本当だろうか?

“あの人が弟が靴が底が穴が4つがあいている”
3328>27 :2000/08/26(土) 21:44
生成文法も経験科学を標榜してます。それゆえ、仮説形成は他の科学と同様の
道筋をたどると思います。つまり、ある分野に関して一通り把握し、問題点を
指摘し、ひらめき(?)によってあるアイデアを思いつき、それを検証可能な
仮説として明示化し、経験的事実によってサポートしていく。新仮説によって
新しい帰結があれば掘り進む。アブダクションです。

もちろん、論文等でのプレゼンテーションは、演繹的に行われるのが通例です。
これも他の科学と同じでは? 第一、それが論文の読み手には一番分かりやすい
ですから、分かってもらおうという気持ちがある以上、当然の提示様式だと思い
ます。

非文判定(というかデータの取り方)の手続きとして、決まった形はないと
思います。だから、「遅れている」のは事実です。各研究者が自分の直感
に頼って内省により得られた印象でえられた判断をたよりにするのが普通です。
本スレッドの1さん引用の郡司さんも、自分の判断で例の文を文法文と判断
したのだと思います。ただ、普通は、たとえ母語の例文であっても論文に
する場合、文法性の判断を複数の人に訊くものと思います。

Corner(?)とかいう人(うろ覚え)がExperimental Syntaxという本で、
判断を取り出す時の手続きを細々と論じてます。内容はというと、心理学
(特に認知系)の論文で普通に行われている実験手続きが分かっていれば、
そしてそれを言語学の文法判断にも求めると思えば、普通に思いつくような
ことしか書かれていないと僕は印象を持ちました。


3427=30 :2000/08/27(日) 04:04
ふうむ、生成文法独自の演繹的方法論は無いのですか。
既成の言語理論に対し一派を立てた位だからちょっと期待してたのですが……。
ご示教、有り難うございました。
35て優香、 :2000/08/27(日) 15:21
経験科学の方法をきちっと志向してるのが生成文法の良いとこなんじゃないの。
町田健氏もたしかそんなような事書いてたよ。
36名無しさん@1周年 :2000/08/27(日) 17:29
すみません、門外漢なのですが、質問させてください。
「非文」という言葉が出ていますが、非文とは
1)文法は正しいが意味が分からない文
例:無色の緑色の観念はすさまじく眠る
2)意味は大体分かるが文法が間違っている文
例:お前俺妻犯す。俺お前殺す。
3)文法も間違っているし意味も分からない文
の、どれでしょうか。
23の例文の中では、私には、
1>(イ)この中では、田中君が自分の妹が一番美人だ。
5>(ロ)この中では、田中君が一番自分の妹が美人だ
9>(ニ)田中君が妹さんがすんげー美人だ

以上の三つが文法・意味ともバツに思えます。
37それは :2000/08/27(日) 17:52
2です
3836(門外漢)>37 :2000/08/28(月) 11:51
37さん、
これは36へのレスと解釈してよろしいですね?有り難うございます。
要するに、意味が分かる分からないに関わらず、文法が間違っていれば
非文ということでしょうか。
それなら、「ここからはご乗車できません」が非文だとされる理由も
分かります。しかし、この文は文法的に間違っているのでしょうか。
単に敬語の用法の誤りのような気もします。
例えば、
「私はこの残り物を召し上がりますので、あなたはそのステーキを
頂いてください」という文は、文法が誤っているのですか。
専門用語では、「語用論からすると誤りだが統語論としては正しい」、
とか言えるのではないでしょうか。
39横レス :2000/08/29(火) 14:45
>38
>語用論からすると誤りだが統語論としては正しい

統語論からすると誤りだが語用論としては正しい、ではないのですか?
「私は」に「召し上がる」が結びつく連辞関係は敬語として正しくないが、
それでも、用法は誤っても発話者が敬語表現をしたかった意図だけは察せられる筈。
ならば、語用論的には意味は通じたことになります。
オースティン流の語用論では、正誤・真偽でなく適・不適が問題なのですし。
4028=33 :2000/08/31(木) 00:08
>37
違うと思います。36さんの分類で行けば、1)-3)すべてが「非文」だと
思います。
「非文」は、理由が何であれ、話者が「ぎこちない」、「自分は使わない」と判断する
文だと思います。なぜ、ぎこちなく感じるか? の説明は言語研究者の仕事で、その
研究者が考える理論により、統語論での規則の逸脱とか、意味論での原則の逸脱とか
語用論での原則違反とかの説明になるのだと思います。原則的に言って、先験的に
「非文」の原因が統語によるとか意味によるとか決まっているわけではないと思います。

別話題になりますが、38さんと39さんのお話は対立するものではないと感じます。
「私は残り物を召し上がります」
これは統語論的には問題がないでしょう。
意味論的には、「召し上がる」は語彙的に、その主語が「社会的に敬意を
払うに値する人物であるべし」という性質があると思いますので、意味論のシステムから、
「私」=「社会的に敬意を払われるべき対象」と解釈されます。

「私」という語彙にはそもそも「社会的に敬意を払われるべき対象」という意味が備わって
いないとするならば、39さんの仰る通り、これは統語論・意味論での逸脱例となります。

「私」という語彙には、そもそも「社会的に敬意を払われるべきか否か」という意味は
備わってなく、意味解釈も問題なく行われるが、日本語の言語社会で「私」に「社会的
に敬意を払うべき」意味を付与するのはおかしいので、問題の例が変に感ぜられるのだ
とするならば、これは語用論での逸脱例になると思います。
41勉強になります :2000/09/07(木) 14:54
どのレベルでの逸脱とみなすかによって異なる説明がありうるというのはわかったのですが、
ちょっと自分の「非文」「語用論」という用語の理解が不確かなので教えてくださるとうれしいです。

1. 「非文」ていうのは英語で言うと ungrammatical に相当するものですよね?
2. で、生成文法では言語能力と言語運用の区別があって、
 前者が grammatical かどうか、後者が acceptable かどうかに関わる、
 ということだと理解してましたが、あってますか。
3. 40さんの「語用論での逸脱」というのは↑の言語運用上の逸脱というのと大体同じ意味と思ってよいですか?
だとすると40さんの後者の説明は例文は非文ではないけど言語運用上 acceptable でないということになりますが、
そうすると、
「「非文」は、理由が何であれ、話者が「ぎこちない」、「自分は使わない」と判断する文」
というのが、引っかかってくるのですが。

ちょっと細かい上にややこしくてごめんなさい。
42名無しさん@1周年 :2000/09/08(金) 06:26
生成文法って、特に統語論の視点から考察する理論ではなかったっけ?
43名無しさん@1周年 :2000/09/09(土) 16:05
N.Chomsky(Suntactic Structures 1957, p.15)は,Colorless green ideas sleep furiously. という文は,grammaticalだけれどもnonsensicalだと言っている.[……]この制限は,文法的習慣によるのでなく意義素によるのである.
――服部四郎『言語学の方法』(岩波書店,1960)iv頁より
44>42 :2000/09/10(日) 01:07
ものすごいステレオタイプだね
45名無しさん@1周年 :2000/09/19(火) 14:37
あげ
46>44:2000/11/09(木) 04:08
でも、間違ってはないでしょ?
47レイコフってもう駄目?:2000/11/09(木) 05:22
生成文法の枠組では、
意味論だって(一時はやっただけで)挫折したのに、
ましてや語用論を絡めるのは無理あるっしょ。
48hpsg万歳:2000/11/16(木) 04:10
 清々文法って、なんでも勝手に持ち込んじゃうし、
あんだけ研究された再起代名詞なんて、いまじゃ、
統語と関係ないって言ってるんだろ、チョムは。

 だいたいもうすでに主要な連中は動詞の意味に注目して
そこから文を生み出すような方向に向かってるよね。
要するに意味>統語だ。

 問題は、この場合、統語の自律性って、何をさすのよ。
49名無しさん@1周年:2000/11/16(木) 11:52

いろんなヒトいるけど、ジャッケンドフの立場は面白いですよね。
彼のシステムの中では、あくまで統語論は自律的。
そして3Dモデルなのらー。
50名無しさん@1周年:2000/11/16(木) 12:23
>>48
> だいたいもうすでに主要な連中は動詞の意味に注目して
> そこから文を生み出すような方向に向かってるよね。

どのへんの連中が、そういう方向に向かってるんですか。
興味があるので、代表的な論文・本があったら教えてくださいませ。
51名無しさん@1周年:2000/11/17(金) 03:57
非文っていうのが直感的に決まるわけないでしょ。
例えば、本や論文の中で非文と認定されているのは、
その人が考えている文法の中で、それが文法的に誤
りであるということ。
その人が非文と言っても世間が容認すれば、それは
非文ではない、って考え方とはまた次元が違うわけ。
語用論的に考えれば非文なんて無いとも言えるんだ
から。いくらだって状況作れば説明できるでしょ。
非文なんて言ってアステリスクつけること自体ナン
センスとも言えるけどね。容認度が低いっていうこ
とくらいに留めるべき。
52名無しさん@1周年:2000/11/17(金) 13:32
>例えば、本や論文の中で非文と認定されているのは、
>その人が考えている文法の中で、それが文法的に誤
>りであるということ。

 そ、そんなバカな。本気で言ってるの?

>語用論的に考えれば非文なんて無いとも言えるんだ
>から。いくらだって状況作れば説明できるでしょ。

 そーか?どんな文脈を持ってしてもへんてこな文と言う
のはあるだろ。それが本来の意味での非文のはず。「非文」の
意味が拡大されて使われるようになってきているだけだと思うが。

 全体として言わんとしている主旨は分かるのだが。
53名無し象は鼻がウナギだ!:2001/01/31(水) 13:21
age
54んぽ:2001/02/01(木) 01:52
「この中で、田中君が、声が一番大きい。」
っていうのはね、
「この中で、田中君が、声が一番大きい(人だ)。 」
っていうのの「人だ」が省略されているわけなんだ。
だからね、
「この中では、田中君が自分の妹が一番美人だ。」
っていうのはね
「この中では、田中君が、自分の妹が一番美人であるところの人だ。 」
ってことになるんだよね。

55名無し象は鼻がウナギだ!:2001/02/01(木) 03:50
口語で文脈がはっきりしていれば理解しやすいけど、文章で文脈なしだとすぐには理解できなさそうな言葉だ・・・

「この中では、田中君が自分の妹が一番美人だ。」
=「この中で、自分の妹が一番美人なのは、田中君だ。」
あるいは、「自分の妹が一番美人なのはこの中では、田中君だ。」
と書き下せばわかりやすいと思う。
56名無し象は鼻がウナギだ!:2001/02/05(月) 03:26
>54の方は何を説明しているのかよく分かりません。
「この中では、田中君が、声が一番大きい。」はよく見かける例文で
Inalienableの例ですが、私の疑問はそもそも
「この中では、田中君が自分の妹が一番美人だ」がいい文かどうかです。
よくない気がしてきました。
「この中では、田中君が妹が一番美人だ」と比べてみてください。

57>54:2001/02/05(月) 04:04
前に総記の「が」のことを調べていたことがあります。
文末に省略された述語+関係名詞があって、その述語の主語
が総記の「が」の名詞だという考え、はじめて聞きました。
かなりいけるんじゃないかと思います。
おっしゃる位置でのellipsisを考えれば、
統語的に得られる総記の「が」が
必ず一番外の項であるのも、
文中に最大ひとつしか現れないのも、
nominativeでマークされるのも、
予測できますね!
んぽさん、もしよろしかったらどこでこのアイデアをみたか
教えて下さいませんか!(オリジナルだったらすみません、
だったらもっとスゴイ)
話題をはずして失礼しました!
58んぼ:2001/02/06(火) 01:54
単なる素人考えでした。
59名無しは無慈悲な夜の王:2001/02/07(水) 00:34
「この中では、田中君が・・・自分の妹が一番美人だ」

自分=発言者。名字は田中ではない
田中君=実は女。発言者の妹
60通りすがりの名無しさ:2001/02/07(水) 04:43
不自然なのは「田中君」と「自分の」と、同じ人間を指す単語が続いて出現するから。
でも「この中では、田中君の妹が一番美人だ」
と書くと”この中”にその美人の妹さんが含まれていることになってしまうので
不自然な感じはするが必要なのだ。
とかそんな感じで、授業中に、似た文章の説明を受けた記憶があります。

61名無しさん@1周年:2001/02/07(水) 10:20
>54、57
げせませんが・・・
「私が鈴木だ」を「私が鈴木である人間だ」の省略形と見るべきでしょうか。
何かを(たとえば「人間だ」を)補っても意味があまりかわらないからといって、
元の文は後の文の省略なのだというのは不当ですよね。
たとえば「これはペンだ」を「これはペンだと私は言う」の省略と見ることは
できないですよね?

「この中では、田中君が自分の妹が一番美人だ」は問題ない文では?
「田中君の妹が一番美人だ」の方が普通なのでそれにおされてしまう
ということはあるでしょうが、誤用とはいえないように思いますが。

 彼が田中君だ。       田中君は(田中君であるのは)彼だ。
 田中君が妹が一番美人だ。  妹が一番美人なのは田中君だ。

 田中君の妹が一番美人だ。  象の鼻が一番長い。
 田中君が妹が一番美人だ。  象が鼻が一番長い。

問題の文が変だということになれば、同型のこれらの文も妙だということになる・・・
62:2001/02/07(水) 16:15
「この中では、田中君が自分の妹が一番美人だ。」
問題なのは、「一番」の場所と、(たまたま)「自分」という一人称の発言を指し示す言葉が使われている点だと思います。
「この中では、田中君が一番、自分の妹が美人だ。」
と表記することによって「非文」性が緩和されるように思えるんだけど。つまり元の文の「自分の妹が一番美人」は田中君しか主張できないことですよね。それが「この中では田中君が」という第三者的発言のあとにまとまりをつくるので読み手は困惑する。相互に排除しあう観念のプライミングの問題のように見えますけど。
「言語学の中では、生成文法がいちばん理論的難点が少ない。」は
「言語学の中では、生成文法が理論的難点がいちばん少ない。」と書き換えてもよくわかるのは、「生成文法」と「理論的難点」という2つの観念からプライムされる(こんな表現いいのか?)ものがほぼ一致しているところからくるのでは?なんかガーデンパス・センテンスに近いんではないんですか?
63:2001/02/08(木) 03:22
私が鈴木だ、のあとに人間だ、が省略されているとは思わんが、
私は賢い、と言った場合、私は賢い人間だというのと同じだと思う。
それに、54さんは説明するために便宜上人間というのを
付け加えたのでは?
64名無しさん:2001/02/12(月) 00:46
 この「自分の」ってのを抜いて考えると少しは受け入れやすくなると思う。
 この中では田中君が妹が一番美人だ。
 でもまだ非文っぽいなあ。個人的には54さんの意見に賛成。一番意味を伝えやす
いのは
「この中で妹が一番美人なのは田中君だ。」かな?もはや原型を留めていないが。
65名無し象は鼻がウナギだ!:2001/02/14(水) 02:57
ごめん、おれ59に一票
66んべ:2001/02/16(金) 00:03
>言語学の本の中にみつけました。(「岩波講座言語の科学」5巻3章90頁、郡司隆男)
 ↑
 そもそもこれって間違いないんだろうなあ。
 誰か確認した?
67名無し象は鼻がウナギだ!:2001/02/16(金) 07:16
まず、「自分の」をこの場所に入れるとどんな文でも不自然になる。
そこには「自分の」以外が入らない以上、わざわざ言うこと自体が
おかしく感じる。

で、「自分の」を抜いて考えて。
語順の問題。
「田中君が妹が一番美人だ」と「田中君が一番妹が美人だ」を
比べると、後者の方が自然な気がする。
これは「田中君が一番{(省略された、「自分の」)妹が美人}だ」という
構造なのでは?
68:2001/03/09(金) 19:21
>67
ん?どういう構造で、そう考えるといいことあるのですか?
分からないのでもう少し説明していただけませんか

それと「一番」の位置を変えてそんなに文法性が変わるようにも
思えないのですがいかがなものでしょうか。
69名無し象は鼻がウナギだ!:2001/04/10(火) 02:22
自分あげ
70名無し象は鼻がウナギだ!:2001/04/15(日) 16:22
我が 妹が〜
田中君が妹が〜

俺OKかとおもえてきた。
71名無し象は鼻がウナギだ!:2001/04/17(火) 12:39
関連あげ
72名無し象は鼻がウナギだ!:2001/04/17(火) 13:24
この中では、
田中君が
自分の妹が一番美人だ。

で、問題ないっしょ?

この中では、
中島君が
奥さんの妹が一番美人だ。

気のいい独身男の友人たちが、
まだ独身の身内の女の人の中で一番の美人を紹介しようと話しあい、
けっきょく、中島君が義理の妹を、その独身男に紹介することになった。

表現が拙いだけ。非文ではない。

「田中君」後の「が」を、「我が子」の「が」と解釈すると、
いかに田中君のであるかを強調しているだけ。
さらに表現は拙いが、非文ではない。
73(´Д`;):2001/04/17(火) 14:15
>>67とほぼ同じなんだけど、「自分」が余剰的に聞こえてアウトに感じる人が
多いんだと思う。
「田中くんが妹が一番美人だ」でいいじゃん、って。これに比べて「田中くんが
自分の妹が一番嫌いだ」だと誰も文句はない(はず)。次郎の妹ではなくて、とか
よりによって家族なのに、とか「自分」の存在意義が明白。
一つの分析として
[ [ 田中くんの妹 ]-が 美人だ ]
から「田中くん」が抜け出して
[ 田中くんが [ [ t 妹 ]-が 美人だ ]]
となる、ってのがあるけど、これだと痕跡 t をわざわざ音形化しているってのが
ウザイんでしょうね。
それと「一番」の位置だけど、「一番妹が美人だ」と比べて「妹が一番美人だ」
だと、田中くんの女の家族の中で(母親でも姉でもなく)妹が一番美人だ、みたいな
解釈が優先されるかな、俺の場合。これも外出ならスマソ。
74(´Д`;):2001/04/17(火) 14:24
上は原文の「この中では」を無視して「田中くんが妹が一番美人だ」の
話しだから、ね。
75:2001/04/17(火) 16:00
この中で、妹が一番美人なのは、田中君だ。
7672:2001/04/17(火) 16:01
>>72のここの部分

>まだ独身の身内の女の人の中で一番の美人を紹介しようと話しあい、
>けっきょく、中島君が義理の妹を、その独身男に紹介することになった。

下のように訂正させてください。

>まだ独身の身内の女の人の中で一番の美人を紹介しようと話しあい、
>ならば嫁さんの妹ならどうか、とそれぞれの嫁さんの写真を
>みんなで見せ合った結果、
>けっきょく、中島君が義理の妹を、その独身男に紹介することになった。
7772:2001/04/17(火) 16:02
すげえ欝。です。>>76

正はコレです。
>まだ独身の身内の女の人の中で一番の美人を紹介しようと話しあい、
>ならば嫁さんの妹ならどうか、とそれぞれの嫁さんの妹の写真を
>みんなで見せ合った結果、
>けっきょく、中島君が義理の妹を、その独身男に紹介することになった。

逝っときます。
78名無し象は鼻がウナギだ!:2001/05/18(金) 00:16
age。
790930=7743:2001/05/18(金) 00:58
結局のところ、ここまで議論せなあかんとわからん(理解できん)ということは、非文ではないにしろ、事実上非文である。
80名無し象は鼻がウナギだ!:2001/05/18(金) 19:59
スレってタイトルだけではわからんな..
なかなかオモロイ
81名無し象は鼻がウナギだ!:2001/05/19(土) 04:16
どんな「かき混ぜ」があるにしろ、
表層構造として出てきた形が
ネイティブにとって非文と感じられるのであれば、
非文なんだ。
82名無し象は鼻がウナギだ!:2001/06/30(土) 00:55
age
83名無し象は鼻がウナギだ!

                 彡   |   ∩∩っ   ┌―--〆
           彡 彡  彡 彡  |   | |从=つ  |  ̄ ̄| |
     ____ = 二二ンフ     |⊂ | | | )      |    | |    ρ∩∩
   r〜"    l⌒l\__/ /     |  |  /      ̄ ̄ ̄    ⊂//つ や
  /ハ     |σ|     /     |  |  |  /⌒l   _       / ∀   っ
  /・>彡   しJ    / M      |   |  |  |  つ 〆 ・\    /  /    ぱ
 /             /<l lフ  /|  |  |  |  (ν) V \   /  /     り
∠‥          / ((∠米 | <|   |  |  \        |  /  /    コ
  ゝ         /     \\ \|  |∀_|   )  Φ θ  ) /  /      ン
  ⊃       /            | / |  |   |⊆⊇ Λ / /≡彡彡    ド
  /       /_________| | |  |   / ≪≡≡≡ /≡≡彡    ル
 (____/                |  |  |  |   | ≡   /  /       軍
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     __           ____ \_|  └/    U\/  /   / /    は
   /   |\         |      |  |∞=@   //   / /      凄
  /<・>  ミ \____ |  ̄ ̄ ̄ ̄|| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  ̄       い
∠       ミ      / |       || |\\\\\/___/\▽      や
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 3     σ ミミミ∠_  |    _ || |\\\\\\\\\\\\▽
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