なぜ日本語圏の近隣の言語って語族レベルで違うのか

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19名無し象は鼻がウナギだ!
ja.wikipediaのアクセントに関する記述の矛盾

>中国語(北京語)は声調を基本にしつつ強勢も用いている言語であり
これに対して
>中国語のような単音節語根をもつ声調言語
という記述もある。

北京語は良く知られた近代四声(陰平、陽平、上、去)の他に「軽声」という
強勢の無い短い形態素がある。強勢のある音節には近代四声が必ず現われる。
3文字の字組(「じそ」と嫁。敢えて熟語とは言わない)では2番目の字が軽声になりやすい。
たとえば「毛沢東」という固有名詞でさえ1970年代前半の
中央人民広播電台(所謂北京放送中国語)では「沢」を軽声化していた。
20名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 08:19:40 0
>>17
鹿児島方言が「位置アクセント」ではないと言われるのは、助詞など付属語が付くと高いところの位置が移動するからでしょ。

「飴」だったら高低だが、「飴が」だったら低高低、「飴から」だったら低低高低、「飴からも」だったら低低低高低になる。
「雨」だったら低高だが、「雨が」だったら低低高、「雨から」だったら低低低高、「雨からも」だったら低低低低高になる。

「位置アクセント」というのを、上昇または下降の固定された位置が弁別的なシステムと考えると、
鹿児島方言はもはや上昇の位置も下降の位置も固定されておらず弁別的とは言えない。
むしろ句全体の音調が「最後の拍が下がる」か「最後の拍が上がる」かが弁別されている。

位置アクセント方言の東京方言では、例えば「端」は下降がなく、「橋」はシの直後に必ず下降があり、
「箸」はハの直後に必ず下降がある。これは付属語が付いても動かない。

ただ、どの拍に固定されているかではなく、「-1」「-2」のように句末からの位置で固定されているものまで
「位置が固定されている」と認めるのであれば、位置アクセントに含まれるのかもしれない。
鹿児島が語声調だという人は、前後に付属語が付いても動かないものを「位置アクセント」と認めているのだと思う。
21名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 21:12:19 0
>>20
なるほどな。

でも、その早田理論なるものも、明らかに通時的分析に適さないし、
共時的に見ても方言地理学的に針小棒大になってしまうし、
何も得るところが無いように思う。ぶっちゃけ、「ツールとして酷く筋が悪い」よ。
なぜこんなものが、最近の多数説なんだろう??

通時的分析に適さない&共時的文法理論に適さないというのは、
そもそも日本語の助詞の従属度(独立度)は、
ぶれがかなり大きいもので、語尾なのか単語なのかさえ、
方言ごと、時代ごと、もちろん言語分析の方法論ごとに、大きく意見が割れている状態だ。
これは、膠着語全般に言える普遍的性質で、
助詞が語尾なのか独立単語なのかによって、アクセント分類が二分されるなどというのは、あまりにも筋が悪い。
これでは、院政京都語と、現代沖縄首里語の比較すら出来なくなってしまう。

さらに、針小棒大というのは、例えば早田理論による「京阪アクセントの語声調」というのは、
低起0型のことを指しているのだろうと思うが、これは、日本国語大辞典がいみじくも「○にゼロ」と書くように、
低起類のひとつの表れに過ぎないし、松山や高知方言では、全く同じ型なのに消えてしまう。
京都にあるが、高知になく、なぜか鹿児島にある「語声調」。こんなものを論ずる意味があるのか?
22名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 21:47:20 0
>>21
まあ通時的な分析には適さないだろうけど、そんなこと言ったら有アクセントと無アクセントの違いすら
日本語や朝鮮語の方言学的には針小棒大になってしまうとも言えるしなあ。

京阪式の語声調は何も低起0型のことだけを指しているのではなくて、
例えば京都なら「高く始まり下げ核まで高い(無核なら最後まで高い)」高起平進式と、
「低く始まり下げ核の直前で上昇する(無核なら次が低起式のときのみ最後が高くなる)」という低起上昇式と
2種類の語声調があるってことでしょ。

これが高知なら「高く始まり下げ核まで高い(無核なら最後まで高い)」高起平進式と、
「低く始まり第2拍から下げ核まで高い(無核なら最後まで高い)」低起上昇式とがあることになる。
低起式の内容がちょっと違うだけで、語声調が2種類あるというのは一緒。

伊吹島方言なら、「高く始まり下げ核まで高い(無核なら最後まで高い)」高起平進式と、
「高く始まり下げ核まで自然下降よりやや大きく下降する」高起下降式と、
「低く始まり下げ核の直前で上昇する」低起上昇式と3つの語声調があることになる。

いずれにしろ、共時的な分析向きだし、日本語の方言の内部でもかなり違うことになるし、
>>11みたいな話をするには向かないだろうけど。

結局、アクセント体系というのは変わりやすいもので、言語の分類には向かないんじゃないだろうか。
23名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 22:05:21 0
>>22
それも不思議な表現だよなあ>高起平進など
これは「初拍に位置アクセントがある」と解釈することも十分に可能で、
京阪式アクセントというのは、
(1, n) (1, 0) (0, n) (0, 0)
という2つの位置アクセント指標の組み合わせ4つで、必要十分に記すことが出来る。
通時的には、初拍高低と、下がり核の祖先は、おそらく全く別物なので、
(俺はこの点について私見があるが、ここでは措いておく)
一緒にするなというのも一理あるが、
だからと言って、初拍高低と、鹿児島アクセントの「文節単位の2型アクセント」を同視するというのは、
ちょっといただけないとしか言いようが無い。

まあなあ、鹿児島の2型(型的には外輪東京式)は、実は祖語の高起/低起の末裔と言えるから、
ぴったり一致するじゃないかと屁理屈を言われそうだが、まさに牽強付会としか言いようが無い。

早田さんは、なんでこんな変な二分法を導入したがっているんだろうね。
何かいいことでもあるんだろうか?
俺には、従来の、高起/低起、高低昇降、下がり核(滝):上がり核(滝昇り)の3つ(4つ)の概念で、
何の問題も無いと思うんだが。
24名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/11(水) 06:47:19 0
>>19
> たとえば「毛沢東」という固有名詞でさえ1970年代前半の
> 中央人民広播電台(所謂北京放送中国語)では「沢」を軽声化していた。

やあ、ひさしぶりに2ちゃんでしか見ない珍説をまた見たよ。懐かしいなあw
25名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/13(金) 22:21:20 0
「毛澤東」の発音の仕方
http://www.youtube.com/watch?v=O0ywkC3LyM8&feature=related
「澤ze」は本来第2声だが↑の中では短い第1声で発音している。
26名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/13(金) 22:35:04 0
http://www.youtube.com/watch?v=HzUfUr3lvhY&feature=related
この袁騰飛という講師は16秒〜19秒あたりで2回「毛沢東」と言ってるが
「毛沢東」の「沢」が弱くうっかり聴いていると
「毛・東」にしか聞こえない。
27名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/14(土) 04:09:40 0
結局政府があるからじゃないの?
役人は漢字書ければ言葉が違っても不自由は無いから広域政権ができる。
しかし都では文化はどんどん混ざる。言葉も混ざって同音異義語が増える。
聞き分けやすい方言を誇張したものが好んで使われる。紛らわしい他の言葉は消える。
そのうち国語が決まると教える言葉に固定が起こってそれ以上言葉が変わらずに残る。
それを聞き分けようとアクセントが発達したりする。
教えるのに困ると規則的な言い換えをするように国語が改められる。
28名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/14(土) 08:42:14 0
>>27
いかにも素人が考えそうな発想だけど、自然言語ってのはそんな人工的なものじゃないよ。
29名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/14(土) 09:05:16 0
>>28
じゃあ自然言語と人工言語を判別する方法を教えてほしい。
30名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/14(土) 14:16:30 0
>>1 東亜では少数民族が全部シナに同化されてしまったから、日本語と朝鮮語だけが生き残ったんだろう。

 しかしまだモンゴル語、ツングース諸語も多少残っている。
31名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/14(土) 17:45:20 0
>>1 日本国内でさえアイヌ語という所属不明の言語が残っているしな。
32名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/14(土) 20:52:45 0
つか大語族でまとめられる言語のほうが例外的
まとまりがわりといいのは
印欧語族とアフロアジア語族とオーストロネシア語族ぐらいだろ
地域としては大きいけど、言語数は「それ以外」の方がずっと多い
33名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/14(土) 21:57:59 P
>>27はいい線だと思う。
通達や契約や外交といった行政事務は、漢文の書面で十分やりとりができていた。
日本や朝鮮を含めて、6世紀くらいまでにはすでにその制度が発達していたので、
会話の共通化はそれほど切実な物でなかっただろう。

それは、中国を見れば分かる。北京語と上海語と広東語は語族は同じとはいえ、
まるで別言語だが、とりあえず文書による意思疎通には困らなかった。
34名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/14(土) 22:14:03 0
>>27
語彙体系への影響はともかくアクセントはもっと根幹的な要素
政府があろうが無かろうがアクセントや声調が
意味の区別に役立ってる言語は山ほどある
35名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/14(土) 22:58:11 0
というか、「同音異義語を区別するためにアクセントが発達」した例なんてないだろ
複数種類のアクセント型があったとして、どの語がどの型に所属するという必然性がないんだから
同音異義語がない語だってそれぞれアクセントを持ってるし、
同音異義語を区別するために発達したとは到底説明できない

アクセントや声調の発生というのは子音脱落などの発音変化の代償として発生するのが普通
ベトナム語の例が有名(末子音3種類、語頭子音の清濁2種類の区別が失われた代償に6種類の声調が発生)

語彙にしても、同音異義語が衝突して片方が消える例は確かにあるけど、それは首都以外でもいくらでも起こっている

「国語」が決まっても、書き言葉が変化しにくくなるだけで話し言葉は首都だろうと勝手に変化していくし、
むしろ語彙などは新語が発生して周囲に伝播するということで変化の最先端を担ったりする
36名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/16(月) 15:09:29 0
>>35
そうなんだよ。「後から発生した(二次的な)高低アクセント」というのは、
世界中のすべての言語において、「何らかの音韻の消失の代わりに生じたもの」であると断言できる。
日本語のアクセントの場合は、今の歴史的・地理的な言語のネタからは
その「原音韻」が特定できないので、一応「祖語来の一次的なもの」とされている。
中国語の場合は、もう少しアクセントの起源の見当が付きやすいとされていて、
古い末子音の消滅と関連付ける考え方もあるね。

同音異義語の判別に困った場合は、アクセントが付くと言うことは比較言語学上 絶 対 に あり得ず、
実際には、接辞などが付いたり、複合語化することによって区別がされる。
「ももた(大腿:腿太か?)」と「きもも(桃:木桃。常磐無アクセント圏の言い方)」などの例が有名。

この辺は常識に属することなんだが、
あの小泉御大が大間違いをして、しかも全く出鱈目の一般向けの本(「縄文語の発見」)を書いたものだから、
世間一般では、滅茶苦茶な「常識」がまかり通って大変なことになっている。
37名無し象は鼻がウナギだ!
>>36
×高低アクセント→○ピッチの音韻的対立
×何らかの音韻の消失→○何らかの分節音素/素性の消失