世界一優秀な文字ハングル2

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73名無し象は鼻がウナギだ!
>>72
朝鮮語で語頭の/r/が脱落するのは方言なんかじゃなく非常に根本的な特徴だよ。
朝鮮語の固有語では語頭に/r/がほとんど現れない。
これは日本語でも同じで、和語でラ行で始まる語はほとんどない。
さらに満州語、モンゴル語、ツングース語、トルコ語などもこの特徴を共有し、
これらの言語がアルタイ諸語と呼ばれる大きな理由の一つになっている。

日本語の場合、奈良時代から平安時代にかけて大量の漢語が流入した際、
語頭でもラ行を使って受け入れたので、語頭のラ行の忌避という法則が崩壊した。
このため、近代以降にも普通に語頭のラ行を使って外来語を受容した。

朝鮮語では、語頭の/r/の忌避がより徹底されており、
日本語と同様の時期に漢語を受容した際にも、語頭では/n/に交替させることが行われた。
さらに、中期朝鮮語(ハングル創製)以降になって、/ni/および/njV/(Vは母音)の場合に
/n/が脱落するという変化が起きた。これに/r/が交替した/n/も巻き込まれたため、
/ri/および/rjV/の場合には語頭で/r/が脱落するように見えるようになった。
近代以降、欧米からの外来語が入ってくる時代になってようやく語頭の/r/が使われるようになったが、
かなり新しい発音であるため、今でも老年層にはライターを/naitʰɔ/と発音する話者がいたりする。
74名無し象は鼻がウナギだ!:2009/03/11(水) 02:06:23 0
韓国では、近代の外来語には語頭の/r/を用いたが、古くからある漢語は/n/との交替現象
(/ri/、/rjV/の場合は/r/の脱落)をそのまま保持させた。
一方北朝鮮では、分離後になって、漢語のほうでも語頭で/r/を用いさせるようにし、
/n/との交替をさせないようにした。これは人為的に教育によって行われた。

なお、日本語でも西日本の方言では語頭の/r/を回避する傾向があるが、
その場合は/d/と交替する地域が多い。例えば蝋燭をドーソクと言ったりする。

日本語の/r/は語中では歯茎はじき音[ɾ]だが、語頭では歯茎側面はじき音[ɺ]に近い。
これは、語頭の/r/は中国語の/l/(歯茎側面接近音)を真似たものだからだろう。
側面音であることは真似ることができたが、語中の場合のはじき音という特徴を引きずったのだ。
これは聴覚的にはd(有声歯茎破裂音)に近いため交替しやすいのだろう。
英語話者でも日本語の語頭のラ行をdと聞き取る人がいる。
一方、朝鮮語は語頭でも語中でも歯茎はじき音のようだ。nは歯茎鼻音だから共に歯茎音だ。