1 :
名無し象は鼻がウナギだ!:
歴史言語学や比較言語学の方法を駆使することにより、
我々は資料がない過去の言語の姿をある程度推定したり、
ある言語とある言語が同系であることを証明したりできたりするが、
そのような手法の限界はどれほどなのだろうか。どこまで辿り着けるのだろうか。
その限界を延ばすことはできないのだろうか。
2 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/06(火) 00:46:39 0
例えば現代ロマンス諸語のみからラテン語にはどこまで迫れるのだろうか。
現代英語と現代ヒンディー語しかない場合に、それらを同系と証明し祖語を再建することはできるのだろうか。
仮に1万年前に分岐した言語があるとして、それらの言語の同系性を証明することはできるのだろうか。
などなど具体例を交えつつ色々語りましょう。
この分野って、方法論に進歩があるの?
研究手法って観点でいえば、ソシュール以前の時代から進化ないよねw
一時期、統計的手法とかも流行ったらしいけど。
4 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/06(火) 11:51:14 0
>>3 そんなにコロコロ研究手法が変わる分野って一体・・・
>>5は、100年前と同じことやってる研究が、「学問」の名に値すると思っている
のだろうか。オメデタイ人ですね。。。
7 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/08(木) 15:42:11 0
日本語と琉球語から3世紀あたりの日本祖語を再構したとかいう話は聞かないが、
例えば日本語族の場合はどこまで遡れる可能性があるのだろうか?
日本語は8世紀から、琉球語は15世紀から文献があるとして。
内的再構により過去の姿を探るのには限界があるのだろうか?
8 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/08(木) 16:39:01 0
生命科学のDNAに相当するものがないせいで
理論の裏づけを置けぬから原理的に不可能。
証拠無く勝手な思い付きを書いてある荒川総ベエのような
個人編集の語源辞典のようなものになる。
9 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/08(木) 17:14:55 0
あらかわ そおべえが作ったのは外来語辞典で、文献に基づく挙例主義なんだが。
語源の恣意的臆説で知られるのは、大言海とか岩波古語初版とか。
あと、どんな方法でも限界があるのは当り前。適用範囲を心得て使用すべし。
>>10 粘着乙
実証も反証もできない分野と自然科学を一緒にすんなよwww
だから文系君は(ry
>>10 学部生レベルの煽りに一々付き合う必要はない
寧ろ高校生だなw
自然科学の怪しさすら分かってない。
しかし最近の歴史言語学ってどうなんだか。
通言語的知識を無闇に援用してるが相当に怪しいよな。
よくしらないがヤコブソンとかマルチネあたりから?
ヤコブソンとかマルチネが歴史言語学って……おいおい。バンヴェニストが泣くよ。
「怪しさ」のレベルが全く違うだろうにwww
知能レベルを疑ってしまうw こういう奴に限って人を高校生呼ばわり
するくらいしか能がないんだろうなぁ
>>13
>「怪しい」「進化がない」を連呼しているだけで
>どうせろくに研究書を原書で読んでないんだろ?
>発言を読んでいると歴史言語学どころか言語学全般に無知だから、
>少なくとも高校生〜学部2年ってレベルだな。
いやあ、こういう論理的な文章、僕には書けませんわwww付き合いきれませんw
というわけで、
>>17の粘着君はもう来ないらしいから、
そろそろMeier-Brüggerの話でもしないか?
>>18 全然知らねえww
というか歴史言語学=印欧比較言語学ってのはもうやめてほしいぜw
故Terry Crowlyの本でちょっとはマシになったかと思ったが
印欧比較言語学がすでに印欧だけではなくなってきている件
ノストラティック超語族説
24 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/15(木) 21:58:31 0
>>23 orz
月刊言語2月号読んだ香具師居る?
25 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/21(水) 19:15:38 0
なぜ印欧祖語を再構したように日琉祖語を再構できないのか
サンプルが少ないからじゃね?
27 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/22(木) 01:56:22 0
>>25 琉球語は日本語に近すぎて、すべて日本古語に再構できるので意味が無いんだろう。
ドイツ語とオランダ語からゲルマン古語を、フランス語とイタリア語からラテン語を再構築できるのか。
28 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/22(木) 02:41:13 0
日琉祖語の再構だって、そりゃできるだろ。
「祖語」ってのはそういうもんだ。
同系統言語がほかに見つかればまた修正されるだけ。
29 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/01(日) 23:49:33 0
琉球語の中には文献上最も古い日本語より古い状態を留めていると思われる点もあるが
どんな点?
31 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/06(金) 03:49:29 0
宮古方言で連体形、終止形、連体形が同じ形で、本土方言の連用形に相当する形であることとか。
あとハ行がpなのも、文献上最古の時点で既にpかfかはっきり確定できないので、
文献以前の特徴の残存ということになる可能性もある。
32 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/24(金) 03:37:39 0
10000年前の言語の痕跡が現代語の中にどれだけ残っていると思う?
語彙の中には10000年前から引き継いでいる単語などもあるのだろうか?
全語彙が起源的に別系統の語彙で置き換えられない限り、
原理的には「痕跡」はなくならないだろう。
例えばdenutak「水」という単語が
denutak>denuta>neduta>nedut>nidut>midut>midu>mizu
と変化した場合でも「痕跡がある」としかいえない。
34 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/26(日) 17:13:59 O
印欧祖語から現代語に引き継がれている語は結構あるよな?
35 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/27(月) 00:53:09 O
仮に10000年前に別れた言語が祖語から引き継いでいた語彙を共有していても、
変わり果てていて無関係の語と見分けがつかないだろう。
36 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/27(月) 02:29:29 O
例えば現代英語と現代ヒンディー語だけから同根語を特定し同系統と証明することは可能?
>36
その手の疑問は言語学の草創期から
一種の話のタネとしてよく提示されてきた。
印欧語がその2つしか残ってなくて、文献資料もないとする。
あとの印欧語地域は全部アラビア語化されたとしよう。
アラビア語化が新しい現象だと分かっていれば
「ひょっとしてこの2言語って関係あるんじゃね?」と思うだろう。
文法も似てるし、借用語やひょっとしたら対応しそうな語彙もある。
系統関係の推測はされるんじゃないかね。
まあ思考実験としては面白いけど、実際には答えるのは無理だろう。
「系統関係がある」という正解がわかってるからね。
38 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/05/05(火) 00:54:19 O
英語とフランス語の場合は余裕で分かるのかな?
英語とロシア語だったら?
どこからが、系統関係があるかどうかで論争が起きるレベルなんだろう?
>38
まあまず自分でやってみなよ
40 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/05/05(火) 02:31:52 0
>>37 慎重に言えばそういうことになるんだろうけど、実際比較言語学で
ちゃんと祖語を作るという研究が成立してるのって、文献が揃って
る印欧語族ぐらいでしょ。実際、中国語とタイ諸語なんか見てても、
タイ諸語の側に古い文献がないし、借用関係が時代的にすごく複雑
で同源か借用かも区別できなかったりしてる。もうほとんど「無理」
と言ってしまっていいんじゃないの?
>>40 それは印欧語しか知らないからそう思うだけ。
学史自体がまだまだ浅くて十分再構されてるとは言えないが、
セム語族なんかは印欧語に勝るとも劣らない文献を持ってるし、
オーストロネシア語族なんかは分岐が割と新しいから無理じゃない。
但し、アフロ=アジアとかシナ=チベットみたいな
大語族レベルの話はまた全然ちがってくると思った方が良い。
42 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/05/06(水) 02:54:59 O
オーストロネシア語族は普通に祖語が再構されてるわけだが
まああれは各言語が明らかにかなり似てるからな。
日本語族の祖語再構より簡単かもしれない。
43 :
40:2009/05/06(水) 03:09:59 0
>>41 自分は、シナ・チベット語族しか知らない人です。もっとも比較言語学を
専門にやってるわけではないですが。
ここで話題になってたのは現代英語と現代ヒンディー語に文献がない場合でしょ。
文献の豊富なセム語族や、明らかに言語間の距離が近い南島語族の例を出しても
意味ないじゃん。南島語族はしらないけど、タイ諸語なんかも、ほぼ現代語だけ
で祖語の構築とかかなりされてるよね。でも、それを更に遡って、タイ諸語祖語
と例えば上古中国語なんかの関係は、タイ諸語側に文献がないから、なんとも
いえない情態。
>>43 単に
>ちゃんと祖語を作るという研究が成立してるのって、文献が揃ってる印欧語族ぐらいでしょ。
はオカシイだろって話だと思われ
しかし現代ヒンディ語と現代英語なんていう印欧語で一番ひねくれた言語を
持ってくれば絶対無理ってもんだが、ちょっと現実味がなさ過ぎて面白くもないな。
45 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/05/08(金) 12:42:52 0
日本語と朝鮮語も現代英語と現代ロシア語との比較みたいなものだろうな。
46 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/05/08(金) 12:45:08 O
もっと遠いだろ
英語とロシア語なら基礎語彙の中に明らかに似た語がチラホラ見つかるし
47 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/05/09(土) 14:54:24 O
2000年前の、ラテン語、ギリシャ語とサンスクリットの比較なら同系と容易に分かったのか?
それが現代イタリア語、ギリシャ語、ヒンディー語では厳しいとなれば、
この2000年で射程限界を迎えたということか?
>47
現代英語と現代ヒンディー語ね。
英語なんて単に枝分かれしただけじゃないしな。
49 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/05/14(木) 19:11:05 O
現代インド語派からサンスクリットはどのぐらい再構できるの?
50 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/06/06(土) 03:18:32 0
わたしもそれ知りたい!
51 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/12(日) 01:48:06 O
現代インド語派はいつの時代の言語に遡るのか?
サンスクリットより新しい?古い?
52 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/12(日) 03:12:43 0
>>47 比較言語学の創始者がサンスクリットとラテン、ギリシャ語の類似を発見したのが始まりらしいから容易に比較できたんだろう。
松本克己は「伝統的な歴史言語学の手法で比較可能なのはせいぜい5〜6000年」
と言ってるよね。
それに変わる手法として提唱している、「言語変化に対して強い抵抗を示す
類型論的特徴を積み重ねて、いくつもの特徴が共通に示す境界線を洗い出す」
という手法がどれだけ有効なのかは疑わしいけど。
54 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/12(日) 23:36:04 0
結局、10000年も経てばあまりに言語というものは変わってしまうというものだろう。
言語と言うものは所詮上の世代が発した言葉の断片を聞きつつ自分で体系を組み立てていく伝言ゲームであって、
そんな伝言ゲームを何百回も繰り返していたら元とまるで違ったものになってしまうのは当然。
55 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/15(水) 19:41:29 O
本当に類型論的特徴が5000年以上も大して変わらないもんなんだろうか。
56 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/16(木) 01:10:55 O
特徴そのものは変わるだろう。
境界線は残るかもしれない。
57 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/16(木) 01:18:38 0
特徴が変わっても境界線が残るなんてことがそんなにあるのか?
境界線が特徴そのものよりもずっと長く残るなんてことは有り得るのか?
日本語方言学の基礎じゃなかったっけ。
もちろん境界線が変化することもあるが。
なお、ヨーロッパでも同じ現象はある。
だからこそ例えばガスコーニュ語地域が
かつてバスク語地域だったという説がある。
59 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/16(木) 02:04:14 0
日本語方言の場合は、そもそも日本アルプスという自然境界があるじゃん。
そこを境界として交流がしづらくなってるんだから、仮に何度言語を均一にしたところで
何度でもそこを境界に方言差が拡大するだろう。
そういう自然境界がないところがずっと境界線として保たれることはあるのか?
60 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/16(木) 02:21:08 O
確かに自然地形のせいなのか、言語のせいか、
それとも文化のせいかはわからないよね。
アイヌ語も東西境界線は土器の形式境界線と重なるそうだが
果たして静内川がそんなに強烈な地形かどうか。
言語境界は自然地形による障壁を越えるが、
特徴の境界線が残ることはある、
という程度かなあ。
61 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/16(木) 03:19:57 0
日本語の場合は自然地形から言語の境界も文化の境界も生じてるだろう。
地形の障害で交流ができなければ言語も文化も次第に違っていく。
おそらく問題は「なぜ差異の大きさが違うのか」でしょうね。
ある川が境界線になり、別の川が境界線にならないのはなぜか。
川の大きさに左右されるとは限らない。
方言差は自然障壁によって隔離されたせいなのか、
基層言語が違っていたせいなのか。
松本説は後者の可能性に注目しているってことでは?
63 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/17(金) 12:02:28 0
64 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/17(金) 13:04:32 O
日本語と朝鮮語なんて英語とヒンディー語より似てないな
65 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/17(金) 17:40:51 O
「基層言語」の影響なんて、基層言語が上層言語に完全に置換されたら終わってしまうだろう。
「完全に置換されたら」ね。
実際には新方言だのなんだので境界線だけ残ったりする。
フランス語のガスコン語もずい分変化したが残ってる。
67 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/18(土) 18:00:20 0
>>62 その川で交流が途切れてるか否かによるんじゃないの?
例えば日本語で利根川や長良川を境に方言が大きく違うのは
江戸時代に橋や渡しがなく、そこを境に交流が減っていたためだろうし。
八丈島や奄美大島から方言が大きく変わるのも、そこと本土との間に海流があり
交流が難しかったことが原因だろう。
68 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2009/07/19(日) 04:15:37 O
「境界が残る」ってのは、そこに交流を妨げる言語外の要因があるからじゃないの?
地理的な障壁とか、国や行政範囲の境界とか。
69 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/02(月) 19:55:48 0
関西弁が関西だけでなくて四国にも残っているというのは自然境界から見ると不自然だな。
関西と中国地方なら分かるが、中国と四国が逆転している感じがする。
70 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/03(火) 02:08:08 0
アクセントに関して言えば,
メディアの発達した現代はともかく,昔であれば,
人自体の移住なしには他の地域にアクセントが持ち込まれることはない。
ただ,アクセントの変化をおこす傾向は,
人の往来で伝播することはあるから,
近畿から見れば,
淡路島を通って渡った先の盲腸にあたる四国では,
近畿と同じ方向に変化したが,
九州とも近畿とも行き来のあった中国は,
九州北東部と共に東京アクセント化できた。
ということは有るかもしれない。
他方,語彙に関しては,四国の方が近畿的か?と問われると,
必ずしもそうではないと思う。
71 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/03(火) 10:02:56 0
72 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/03(火) 12:14:37 0
関西弁は渡来人が多かったからアクセントが複雑になった、などという俗説は四国も関西アクセントという事実から見ると根拠がないということだな。
それなら九州、中国地方は渡来人が少なくて、四国は渡来人だらけだったのか?という話になる。
73 :
名無し象は鼻がウナギだ!:2010/08/12(木) 00:31:05 0
>>72 山口幸洋さんは誰からも指示されんで肩身が狭いですね
渡来人が多いとむしろ無アクセント化するんじゃない?
流入語は都では流行として真似されるけど、田舎では間違った言葉として直されちゃうんじゃないの?