上代特殊仮名遣い

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1名無し象は鼻がウナギだ!
上代特殊仮名遣いについてなんでも語りましょう。
2名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/10(水) 11:54:24 0
結局最近の学会では、上代特殊仮名遣いの扱いはどうなってるのさ。
母音はいくつあったことになってるわけ?
3名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/10(水) 22:28:33 0
これ興味あるんだけど、甲乙分け付きの単語集みたいなのないんだろうか
ググっても全然出てこないし、近所の図書館にもそれらしきものないし・・
でっかい図書館行かないとダメか?
4名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/10(水) 22:56:21 0
『万葉集』上代特殊仮名遣い甲乙付きファイル
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/manyo/man.htm
53:2008/12/10(水) 23:56:46 0
>>4
ありがとう
6名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/11(木) 00:48:18 0
>>2
 私はいわゆる「学会」の動向は何も知らないアカデミズムの門外漢ですが・・・

 上代日本語に音韻として母音が8つあったことは、諸説紛々にもかかわらず、動かしがたいのではないでしょうか。

 英語国民にとって「shi」と「si」は音韻として違うので、アメリカ人が「島」を「shima」でなく「sima」と書くことは、まずないでしょう。(東北弁を書き写す場合は別として。)
 しかし日本人がローマ字で日本語を書く場合には、この誤りが出現します。日本人にとって「shi」と「si」は単なる音声の違いであり、音韻としては区別されないからです。
 マッカーサーが連合国総司令官だったころ、共和党の大統領候補として推され、遥か東京から予備選に参加したことがありました。(惨敗しましたが。)
 このとき、ゴマスリ日本人が東京の大通りに横断幕を出し、「We pray for MacArthur's Election !」(我らマッカーサーの当選を祈る!)と書くつもりが、うっかり「We pray for MacArthur's Erection !」(我らマッカーサーの…を祈る!)と書いた、とのこと。

 仮に、上代日本語のイ列、エ列、オ列の甲乙が、音声の違いでなく、単なる音声の違いだとした場合、この種の「書き誤り」がもっと頻発するはずです。
 上代特殊仮名遣い(又はその一部)が単なる音声の違いだというには、書き誤りが少なすぎると思います。
7名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/11(木) 01:10:54 0
>>6
いい意見ですが、例がRとLという日本人には区別できないものはいかがなものでしょうか?
ティとチの違いくらいではないでしょうか?
8名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/11(木) 02:56:59 0
Why do those Japanese know I'm impotent?!
9名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/11(木) 11:49:43 o
確かに8種に書き分けられているが、
それが全て8つの異なる単母音とは限らない。

極端な話、4つの単母音(a,i,ö,u)とそれらの重なった4つの二重母音かもしれない。
10名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/11(木) 13:00:58 O
単母音と重母音とは別個の音素と考えられるから、8 種の母音音素があったことには変わりがない。
11名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/11(木) 13:06:14 0
森博達によれば、
ア=[ɑ]
イ甲=[i]
イ乙=[ɨ]
ウ=[u]
エ甲=[e]
エ乙=[əi]
オ甲=[o]
オ乙=[ə]

で、エ乙類が二重母音なので7母音体系ということだが。これはどうなんだろう。
12名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/11(木) 15:27:23 0
現代の中国人が呆(あき)れた時に発する
エーという音には漢語ピンインで
aiに相当する当て字を使う。
「哎」
ピンインはaiだが実際の音声は日本語の「エー」とほぼ同じ。
英国人の名Edowardには「愛特華」などの漢字を当てる。
13名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/11(木) 18:14:09 0
チェ・ホン・マンのチェはCHOIと綴られての「チェ」
14名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/11(木) 22:26:18 0
リングアナに思いっきり「ホンマン・チョイ!」って言われてるけどねw
15名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:38:38 0
とりあえず上代特殊仮名遣いで今分かる分

キ乙 木 城
ケ乙 毛 日 筍 異
コ甲 子 粉 籠
ソ甲 麻 十 息
テ乙 手
ト甲 戸 外 門 利 速
ト乙 鳥
ノ甲 野
ヒ甲 日 杼 氷
ヒ乙 火 干
ヘ甲 方
ヘ乙 舳
ミ甲 三 水 御
ミ乙 箕 実 身 曲 廻
メ甲 女
メ乙 目 芽
モ乙 藻 裳
ヨ甲 夜
ヨ乙 世 代 四
16名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:41:01 0
上代特殊仮名遣いとは一体なんなのか?
今の考えられうる説はなんですか?
17名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:42:03 0
アキ甲  秋
アト甲  跡
アミ甲  網
アメ乙  飴 雨 天
イキ甲  息
イケ乙  池
イソ甲  磯
イト甲  糸
イヒ甲  飯
イヘ甲  家
イメ乙  夢
イモ甲  妹
イロ乙  色
ウソ甲  嘘
ウヘ乙  上
ウミ甲  膿 海
ウメ乙  梅
オキ甲  沖
オト乙  音 弟
オノ乙  己
オビ甲  帯
カキ両  柿(カキ甲かカキ乙か不明)
カキ甲  垣
カゲ乙  影
カコ甲  水手
カド甲  門
カヒ甲  貝
カベ両  壁(カベ甲かカベ乙か不明)
カミ甲  紙 髪 上
カミ乙  神 雷
カメ乙  瓶 亀
カモ甲  鴨
18名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:42:40 0
キ甲ズ  傷
キ甲ヌ  絹
キ甲ミ甲 君 黍
キ甲モ甲 肝
キ乙リ  霧
クキ乙  茎
クギ両  釘(クギ甲かクギ乙か不明)
クソ甲  糞
クヒ甲  杭
クビ甲  首
クミ甲  組
クモ甲  雲
クロ甲  黒
ケ甲サ  今朝
ケ甲フ  今日
コケ乙  苔
コ乙コ乙 此処
コ乙シ  腰
コ乙ト乙 事 言 琴
コ甲ヒ甲 鯉
コ甲ヒ乙 恋
コ甲マ   駒
コ乙メ乙 米
コ乙モ乙 薦
コ乙レ   此
コ乙ロ乙 頃
コ乙ヱ   声
19名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:43:29 0
サキ甲  先 崎
サケ両  鮭(サケ甲かサケ乙か不明)
サケ乙  酒
サト甲  里
サビ甲  錆
サメ両  鮫(サメ甲かサメ乙か不明)
シギ甲  鴫
シコ乙  醜
シノ甲  篠
シビ甲  鮪
シメ乙  標 ?
シモ甲  下
シロ甲  白
スキ甲  鋤
スギ乙  杉
スソ甲  裾
スベ甲  術
スミ甲  炭 隅
セミ甲  蝉
ソ乙コ乙 底 其処
ソ甲デ  袖
ソ乙ノ乙 園
ソ甲マ  杣
ソ甲ラ  空
タキ甲  滝
タケ乙  竹 丈
タビ甲  旅 度 足袋
タヘ乙  妙
タメ乙  為
20名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:44:34 0
ツキ甲  坏
ツキ乙  月 槻
ツギ甲  次
ツト甲  苞
ツノ甲  角
ツミ甲  罪
ツメ乙  爪
ト乙キ甲 時
ト乙コ乙 床 常
ト乙シ  年
ト乙ノ乙 殿
ト甲マ  苫
ト乙モ乙 供
ト乙ヨ乙 豊
ト乙リ   鳥
ナギ甲  凪
ナギ乙  水葱
ナヘ乙  苗
ナベ乙  鍋
ナミ甲  波
ナメ甲  白痢
ニヒ甲  新
ヌキ甲  緯
ネギ乙  葱
ノ甲キ甲 軒
ハギ甲  脛
ハギ乙  萩
ハコ甲  箱
ハト甲  鳩
21名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:46:40 0
ハヘ乙  蝿
ヒ甲キ両 蟇(ヒ甲キ甲かヒ甲キ乙か不明)
ヒ甲ゲ乙 髭
ヒ甲コ甲 彦 孫
ヒ甲ザ  膝
ヒ甲ト乙 人 一
ヒ甲ナ  雛 鄙
ヒ甲ビ甲 皹
ヒ甲メ甲 姫 糒
ヒ甲モ   紐
ヒ甲レ   領巾
フミ甲   文
ヘ甲ミ甲 蛇
ホコ乙   鉾
マヒ甲   舞
マヘ甲  前
マメ乙  豆
マヨ甲  眉
ミ甲キ甲 神酒
ミ甲チ  道
ミ甲ヅ  水
ミ甲ナ  蜷
ミ乙ナ  皆
ミ甲ネ  峰
ミ甲ミ甲 耳
ミ甲ヤ  宮
ミ甲ヲ  澪
ムギ甲  麦
ムロ甲  室
メ甲ヒ甲 姪
モ乙ト乙 本 元 許 下
モ乙ノ乙 物
22名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:48:03 0
モ甲ミ両 籾(モ甲ミ甲かモ甲ミ乙か不明)
モ甲モ甲 股 百
モ乙ロ乙 諸
ヤギ乙  柳
ヤソ甲  八十
ヤド甲  宿
ヤミ乙  闇
ユキ甲  雪
ユミ甲  弓
ヨ乙コ乙 横
ヨ乙ソ乙 余所
ヨ乙ド乙 淀
ヨ甲ヒ甲 宵
ヨ甲メ甲 嫁
ヲギ乙  荻
ヲケ乙  桶
ヲノ乙  斧
ヲヒ甲  甥
23名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:49:38 0
アサヒ甲    朝日
アハビ甲    鮑
アヒ甲ダ    間
アヒ甲ヅ    会津
アフミ甲    近江
アブミ甲    鐙
アヤメ甲    菖蒲
イヅミ甲    泉
イヅモ甲    出雲
イト甲コ甲  従兄弟
イト甲マ    暇
イノ乙チ    命
ウシロ乙    後ろ
オキ甲ナ    翁
カガミ甲    鏡
カスミ甲    霞
カマド甲    竈
キ甲ギ甲シ  雉
キ甲ノ乙フ   昨日
キ甲モ乙ノ乙 着物
コ乙コ乙ノ乙 九
コ乙コ乙ロ乙 心
コ乙シキ甲  甑
コ乙ダチ    木立
コ乙ト乙シ  今年
コ乙ト乙バ  言葉
コ甲ド乙モ乙 子供
コ甲ト乙リ   小鳥
コ甲ムギ甲  小麦
コ甲ヤマ    小山
コ乙ヨ甲ヒ甲 今宵
コ乙ロ乙モ乙 衣
24名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:51:04 0
サカヒ甲    境
サツキ乙    五月
シゲ乙ミ甲  茂み
スミ甲レ    菫
タキ甲ギ乙  薪
タスキ甲    襷
タヅキ甲    方便
チト乙セ    千年
チド乙リ    千鳥
ツバキ甲    椿 唾
ツバメ乙    燕
ツルギ甲    剣
ト乙キ甲ハ  常盤
ト乙コ乙ロ乙 所
ナヅキ甲    脳
ナミ甲ダ    涙
ノ甲ビ甲ル   野蒜
ノ乙リト乙   祝詞
ハタケ乙    畑
ヒ甲カリ     光
ヒ甲タチ    常陸
ヒ甲デリ    日照り
ヒ甲ト乙ツ   一つ
ヒ甲ト乙リ   一人
ヒ乙バシ    火箸
フクロ甲    袋
ホノ乙ホ    炎
25名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:52:50 0
マナコ甲    眼
ミ甲カド甲   帝
ミ甲コ乙ト乙  帝
ミ甲ナト甲   港
ミ甲ナミ甲   南
ミ甲ヤコ甲   都
ヤマト乙    大和
ムツキ乙    睦月
モミ甲チ    紅葉
ヤシロ乙    社
ヤツコ甲    奴
ヤナギ乙    柳
ユフヘ甲    夕べ
ヨモギ乙    蓬
ヨ乙ロ乙ヅ   万
ヲト乙コ甲   男
ヲト乙メ甲   乙女
ヲヒ甲ト乙   夫
ヲミ甲ナ    女
ヲロ乙チ    大蛇
26名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:53:23 0
アカト乙キ    暁
イニシヘ甲    古
ウグヒ甲ス    鶯
オホキ甲ミ甲  大君
コ乙ト乙ワリ   理
サカヅキ甲    杯
シロ甲タヘ乙   白妙
スメ甲ロ乙キ甲 天皇
ト乙モシビ乙   灯火
ナデシコ甲    撫子
ヒ甲グラシ    蜩
ミ甲チノ乙ク   陸奥
ヤマシロ乙    山城
ヨ乙コ乙シマ   邪
ワタツミ甲    海神
ヲト乙ツヒ甲   一昨日
ホト乙ト乙ギ甲ス 不如帰
27名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:55:01 0
      未然 連用 終止 連体 已然 命令
四段    ア   イ甲 ウ   ウ   エ乙  エ甲
上一段  イ甲  イ甲 イ甲ル イ甲ル イ甲レ イ甲(ヨ乙)
上二段  イ乙  イ乙 ウ   ウル  ウレ  イ乙(ヨ乙)
下二段  エ乙  エ乙 ウ   ウル  ウレ  エ乙(ヨ乙)
カ変    コ乙  キ甲 ク   クル  クレ  コ乙
サ変   セ   シ   ス   スル  スレ  セ(ヨ乙)
ナ変   ナ   二  ヌ   ヌル  ヌレ  ネ
ラ変    ラ   リ   リ    ル   レ   レ

キ甲ル 着る
ミ甲ル 見る

キ甲ク 聞く
キ甲ル 切る
ケ乙ス 消す
コ甲ク 扱く
コ乙グ 漕ぐ
コ甲ス 越す
コ乙フ 乞ふ
ト乙ク 解く
ト甲フ 問ふ(ト乙フも)
ト乙ブ 飛ぶ
ト乙ル 取る(ト甲ルも)
ノ乙ム 飲む
ノ乙ル 乗る 告る
ヒ甲ク 引く
ミ甲ツ 満つ
モ乙ツ 持つ
ヨ甲ブ 呼ぶ
ヨ乙ム 読む
ヨ乙ル 寄る
28名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:56:11 0
コ乙ユ 越ゆ
ソ甲フ 添ふ
ト乙ク 解く
ト乙ム 止む 尋む
ミ甲ス 見す
ミ甲ユ 見ゆ
モ甲ユ 燃ゆ
ヨ乙ス 寄す
29名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:59:02 0
アソ甲ブ  遊ぶ
イト乙フ  厭ふ
イノ甲ル  祈る
オコ乙ス  起こす
オコ乙ル  起こる
オト乙ル  劣る
オモ乙フ  思ふ
カギ甲ル  限る
カヘ甲ス  返す
カヘ甲ル  帰る
カヨ甲フ   通う
キ甲コ乙ス 聞こす
キ甲ソ乙フ 着襲ふ
コ乙ノ乙ム 好む
コ乙モ乙ル 籠もる
コ乙ヤス   臥やす
コ乙ロ乙ス 殺す
サケ甲ブ  叫ぶ
シノ甲グ  凌ぐ
シノ甲フ  偲ふ
シメ甲ス  示す
ソ乙ソ乙く 注く
ソ乙ソ乙ル そそる
ソ乙ムク   背く
タド甲ル   辿る
ツド甲フ   集ふ
ト乙バス  飛ばす
ト乙ホル  通る
ト乙マル  止まる
ト乙ヨ乙ム 響む
30名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 00:59:35 0
ナゲ乙ク  嘆く
ナゴ甲ム  和む
ナビ甲ク  靡く
ノ乙コ乙ス 残す
ノ乙ゴ乙フ 拭ふ
ノ乙コ乙ル 残る
ノ乙ボル  昇る
ヒ甲ヒ甲ク 響く
ヒ甲ラク   開く
ヒ甲ロ乙フ 拾ふ
ホコ乙ル  誇る
メ乙グム  恵む
ヤド乙ル  宿る
ヨ乙ソ乙フ 装う
ヨ乙ド乙ム 淀む
ヲド乙ル   踊る
31名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 01:01:30 0
カゾ甲フ   数ふ
キ甲コ乙ユ  聞こゆ
ソ甲ナフ   備ふ
ト乙ド乙ム  留む
ナヨ甲ブ   柔ぶ
ヘ甲ダツ   隔てる
ミ甲ダル   乱る
モト乙ム   求む

アラソ甲フ   争ふ
ウツロ両フ   移ろふ(ウツロ甲フかウツロ乙フか不明)
タフト甲ム   尊む
ト乙ド乙マル  留まる
マツロ乙フ   服ふ
ミ甲チビ甲ク  導く 

タヒ甲ラグ 平らぐ
32名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 01:02:59 0
      未然  連用 終止 連体 已然 
ク活用  ケ甲   ク   シ   キ甲  ケ甲(レ)
シク活用 シケ甲 シク  シ   シキ甲 シケ甲(レ)

ヨ乙シ 良し

ケ甲シ 異し

キ甲ヨ甲シ 清し
クロ甲シ   黒し
ゴ乙ト乙シ 如し
シゲ乙シ  繁し
シロ甲シ  白し
ト乙ホシ  遠し
ヒ甲ロ乙シ 広し
フト甲シ   太し
メ乙グシ  愛し

コ甲ホシ  恋し
タノ甲シ  楽し
ト乙モ乙シ 乏し 羨し
ヒ甲サシ  久し
ヨ乙ロ乙シ 宜し

カシコ甲シ 畏し
タフト甲シ 尊し

ウラメ甲シ 恨めし
メ乙ヅラシ 珍し
33名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 01:04:19 0
コ乙ソ乙 係助詞
サヘ乙  副助詞
ソ乙   係助詞 終助詞
ト乙   格助詞
ド乙   接続助詞
ト乙モ  接続助詞
ド乙モ  接続助詞
ノ乙   格助詞
ノ乙ミ乙 副助詞
ヘ甲   格助詞
モ乙   終助詞
ヨ甲   終助詞
ヨ甲リ  終助詞

キ甲   助動詞
ケ甲リ  助動詞
ベ乙シ  助動詞

コ乙ト乙 事
コ乙ノ乙 此の
コ乙レ  此れ

シノ甲ノ甲
ニコ甲ヨカ
ネモコ乙ロ乙 懇ろ
フタタビ甲   再び

コ乙ト乙ゴ乙ト乙ク 悉く

オコ乙ソカ  厳か
コ甲マヤカ  細やか
34名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 01:15:45 0
母音調和なんでしょうか?
35名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 01:56:07 0
イ段とエ段の甲乙と、オ段の甲乙とではかなり性質が違うと思うんだよな。

イ段とエ段の甲乙の区別はカ・ガ行、ハ・バ行、マ行という限られた行にのみ見られる。
オ段の甲乙はほとんどの行に見られる。

オ段の甲乙は他の母音との関係があり、オ段の甲類と乙類が同じ形態素に共存せず、
またオ段乙類はア段やウ段と同じ形態素に共存しにくいという有坂の法則があるが、
イ段とエ段の甲乙は他の母音と特に関係を持たない。

文法的意味合いは、イ段とエ段では大きい。四段動詞の已然形と命令形はエ段の乙類と甲類の差だし、
連用形はイ段甲類なら四段、一段、カ変であり、イ段乙類なら二段であるという区別がはっきりしている。
オ段の甲乙は文法的意味合いを持つことは少ない。

露出形と被覆形の違いにも、イ段とエ段の甲乙は大きく関与するが、オ段の甲乙はあまり関与しない。
36名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 03:04:30 0
イ段の甲乙は韓国語のiとeu
エ段の甲乙は韓国語のeとea
オ段の甲乙は韓国語のoとeo
の違いと全く異なっているものなんでしょうか?
37名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 03:11:35 0
上代において、イ列・エ列の甲乙の区別は、カ・ガ・ハ・バ・マ行以外でも、実はまだあったのかもしれないよ。
ただ、それらを表し分ける音を持つ漢字がなかった。それで仕方なく一緒くたにしたと。
38名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 03:34:47 0
>>36
乙類の仮名は中舌的ということはコンセンサスが取れてるんじゃないか?
口の開き具合や唇の丸め具合の違いって説はあったっけ?

>>37
その可能性は捨てきれないな。
というよりも、已然形と命令形の区別なんて行にかかわりなくあるはずだし、
あったと考えるのが自然だろう。
39名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 07:17:40 0
>>37
>それらを表し分ける音を持つ漢字がなかった。

それは無いと思う。
廣韻(切韻=7世紀初頭とほぼ同じ)の音韻体系の復元音をみても
現代の中国人が発音できないほど複雑な音だった。
唐代以降、韻の併合→摂というふうに簡略化が行われた。

大正時代終盤の中国語発音字典には「涯iai」という韻が存在してるが
現代の普通話の体系ではaiに包摂されている。
40名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 08:54:58 0
万葉仮名の「支」=甲類のキ(平唇)は中国南方音(かつての中原標準音)で
あったが廣韻体系(北方音)では頭の子音が舌を巻き上げるツィの
系統に変わったためそれに続く母音の音色も円唇系に変わったと思われる。
最古の辞書といわれる説文解字(10世紀北宋本)の反切も廣韻体系と同じだが
廣韻体系に頼っていると万葉仮名を正しく読むことはできない。
41名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 13:05:38 O
>>39
現代より複雑でも、当時の韻の体系を具体的に検討しないとはっきりしたことは言えないのでは
42名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 19:48:14 0
>>41
王力や藤堂明保は具体的に検討して結論を出してるよ。
キミ、学研の藤堂編「漢和大辞典」は高くて買えなかったのかw
王力の説は《漢語史稿》などを読むといいけど
日本語訳はまだ出てない鴨南蛮w
でも全訳《漢辞海》の附録にその一端が乗ってるから目を通すとよい。

卑弥呼の「卑」は現代普通話ではpi/peiでpeiの場合eが主母音だが
広東語ではpeiiでeが渡り音でiが主母音になってる。
43名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/12(金) 20:50:19 0
>>39 カ・ガ・ハ・バ・マ以外の行のイ列・エ列にも、甲乙の区別があったと仮定する。
そのとき、キ・ギ・ヒ・ビ・ミ、ケ・ゲ・ヘ・ベ・メの甲乙を書き分けたのと同じ韻の字たちを使って、
イ・シ・ジ・チ・ヂ・ニ・リ・ヰ、エ・セ・ゼ・テ・デ・ネ・イェ・レ・ヱの甲乙を書き分けることは、可能だったと考えられるのか?
私は不可能だったと思う。該当すべき字が欠けていたか、声母の音色が違いすぎたのではないか。
44名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/13(土) 04:27:38 0
>>43
そういう疑問に答えるのは「韻鏡(12世紀)」の字音の分類表だ。
イ段の
甲類は四等韻(クチの開け方が狭い強いiで前舌的)で
乙類は三等韻(クチがiよりやや広い弱いɪで中舌的)に
属すらしい。(藤堂 大漢和1579頁)

台湾や厦門(アモイ)の漢字音には広いオと狭いオの区別がある。
45名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/13(土) 15:17:21 0
イ列・エ列のキ・ヒ・ミ・ケ・ヘ・メですぐに思い出したのが目メ⇔マ
雨アメ⇔アマ、火ヒ⇔ホと単独の場合と複合語で母音の変わる単語。
上の一覧表見た感じだとそういうのは見事に乙類。
こっちはけっこう単純明快な感じがする。

オ列は圧倒的に乙類が多くて甲類が少ない。
甲乙の区別がないオ、ホ、ヲは乙類で原則全部甲乙の区別はあったけど
単語数が極端に少なくて出現しなかったか単語そのものがなかった。
とか思うのだけど
46名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/13(土) 21:06:25 0
台湾や厦門(アモイ)の漢字音(特に白話音)は
廣韻系統とは少し異なる音韻体系だ。
47名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/14(日) 22:11:19 0
被覆形がア段、露出形がエ段(乙類)の例
アメ乙 雨 アマ  雨脚(あまあし) 雨音(あまおと) 雨蛙(あまがへる) 雨傘(あまがさ) 雨雲(あまぐも) 雨乞い(あまごい)
           雨粒(あまつぶ) 雨戸(あまど) 雨漏り(あまもり) 雨宿り(あまやどり)
アメ乙 天 アマ  天草(あまくさ) 天下り(あまくだり) 天の川(あまのがは)
イネ   稲 イナ  蝗(いなご(稲子) )稲妻(いなづま) 稲葉(いなば) 稲穂(いなほ)
ウヘ乙 上 ウハ  上書き(うはがき) 上の空(うはのそら) 上履き(うはばき)
カゲ乙 影 カガ  鏡(かがみ(影見))
カゼ   風 カザ  風穴(かざあな) 風上(かざかみ) 風車(かざぐるま) 風下(かざしも)
カネ   金 カナ  金網(かなあみ) 金型(かながた) 金縛り(かなしばり) 金槌(かなづち) 金物(かなもの)
ケ乙  日 カ   五日(いつか) 九日(ここのか) 十日(とをか) 七日(なぬか) 三日(みか) 六日(むゆか) 八日(やか) 四日(よか)
コ乙ヱ 声 コワ  声色(こわいろ) 声先(こわさき) 声高(こわだか) 声使ひ(こわづかひ) 声付(こわつき) 声作り(こわづくり) 声音(こわね)
サケ乙 酒 サカ  酒蔵(さかぐら) 酒樽(さかだる) 杯(さかづき(酒坏)) 魚(さかな(酒菜)) 酒盛り(さかもり) 酒屋(さかや)
タケ乙 竹 タカ  竹垣(たかがき) 篁(たかむら(竹叢))
ツメ乙 爪 ツマ  爪先(つまさき) 躓く(つまづく(爪付く)) 爪弾き(つまはじき) 爪弾き(つまびき) 摘む(つまむ(爪む))
テ    手 タ   手綱(たづな) 手枕(たまくら) 保つ(たもつ(手持つ)) 頼る(たよる(手寄る)) 手折る(たをる)
フネ   船 フナ  船足(ふなあし) 船底(ふなぞこ) 船旅(ふなたび) 船乗り(ふなのり) 船酔ひ(ふなゑひ)
ムネ  胸 ムナ  胸板(むないた) 胸糞(むなくそ) 胸倉(むなぐら) 胸毛(むなげ) 胸騒ぎ(むなさわぎ) 胸鰭(むなびれ)
メ乙  目 マ   瞬き(またたき(目叩き)) 睫(まつげ(目つ毛)) 眼(まなこ(目な子)) 眼差し(まなざし(目な指し))
           瞬き(まばたき(目叩き) )瞼(まぶた(目蓋)) 前(まへ(目方)) 守る(まもる(目守る))
48名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/14(日) 22:13:37 0
被覆形がオ段(乙類)、露出形がイ段(乙類)の例
キ乙  木 コ乙 木陰(こかげ) 木枯らし(こがらし) 木鍬(こくは) 梢(こずゑ(木末)) 木立(こだち) 木霊(こだま)
           木の葉(このは) 木の実(このみ) 木漏れ日(こもれび)
ヒ乙   火 ホ  火影(ほかげ) 火筒(ほづつ) 火照る(ほてる) 炎(ほのほ(火の穂))

被覆形がウ段、露出形がイ段(乙類)の例
カミ乙  神 カム 神さび(かむさび) 神代(かむよ)
クチ   口 クツ 轡(くつばみ(口食み)) 轡(くつわ(口輪))
サチ   幸 サツ 猟人(さつひと(幸人)) 猟矢(さつや(幸矢)) 猟弓(さつゆみ(幸弓)) 猟男(さつを(幸男))
ツキ乙 月 ツク 月夜(つくよ) 月読(つくよみ)
49名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/14(日) 22:29:15 0
四段活用(連用形がイ段甲類、已然形がエ段乙類、命令形がエ段甲類)のうち実際に語例が存在する段
カ行*、サ行、タ行、ハ行*、マ行*、ラ行、ガ行*、バ行*

上一段活用(語幹部分がイ段甲類)のうち実際に語例が存在する段
カ行*、ナ行、マ行*、ワ行

上二段活用(未然形と連用形と命令形がイ段乙類)のうち実際に語例が存在する段
カ行*、タ行、ハ行*、マ行*、ヤ行、ラ行、ガ行*、ダ行、バ行*

下二段活用(未然形と連用形と命令形がエ段乙類)のうち実際に語例が存在する段
ア行、カ行*、サ行、タ行、ナ行、ハ行*、マ行*、ヤ行、ラ行、ワ行、ガ行*、ザ行、ダ行、バ行*

*を付けたものは文献時代に甲類と乙類の区別がある行(カ行、ハ行、マ行、ガ行、バ行)
文献時代に甲類と乙類の区別が見られない行でも、動詞活用から見ると、
サ行、タ行、ナ行、ラ行、ワ行にはイ段甲類と推定できるものが、
タ行、ヤ行、ラ行、ダ行にはイ段乙類と推定できるものが、
サ行、タ行、ラ行にはエ段甲類と推定できるものが、
ア行、サ行、タ行、ナ行、ヤ行、ラ行、ワ行、ザ行、ダ行にはエ段乙類と推定できるものがあることが分かる。
つまり、全ての行において、イ段とエ段の甲類と乙類の区別があった可能性がある。
50名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/14(日) 22:56:51 0
有坂の法則
1. オ列甲類音とオ列乙類音とは、同一結合単位内に共存することはない。
2. ウ列音とオ列乙類音とは、同一結合単位内に共存することが少ない。特に2音節の結合単位については例外がない。
3. ア列音とオ列乙類音とは、同一結合単位内に共存することが少ない。

オ段のうち、オ、ホ、ヲ、ボには文献時代に甲乙の使い分けが見られないが、
有坂の法則から、甲類か乙類かを推定できる場合がある。
例えば名詞の場合、三拍以上の語は複合語の可能性が高いので除くとして、
ニ拍語でオ、ホ、ヲ、ボが甲類か乙類か推定できる語に以下のようなものがある。

アヲ(甲)  青
ウヲ(甲)  魚
オ(甲)ク  奥
オ(乙)ト乙 音 弟
オ(乙)ノ乙 己
オ(甲)ヤ  親
カホ(甲)  顔
サヲ(甲)  竿
ツボ(甲)  壷
ト甲ヲ(甲) 十
ホ(甲)カ  他
ホ(乙)コ乙 鉾
ホ(甲)ト甲 程
ヲ(甲)カ  丘
ヲ(乙)ノ乙 斧
51名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/15(月) 02:09:38 0
なんで万葉には濁音用の字があるがあったのに仮名には無いのか?
一方連濁はあるけど。
52名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/15(月) 02:28:06 0
中国側の音韻変化で清濁のかき分けが困難になったから。
53名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/15(月) 08:35:03 0
>>52 とはいえ連濁の起因が解釈できない。
むしろ、古代シナ語では清濁が大層重要な文法だった。
一方日本語には連濁がある。もうも信じられないが、もしかして古代日本語は清濁の対立がなかった?

漢音はたしかに破裂濁音がない、そのころから北方シナ語で濁音が消失したけど、
これはどこが仮名に濁音がないのを説明できるかな?
54名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/15(月) 09:33:06 0
>>51 平仮名にも全くないわけではなかった。
字母の違うもの (いわゆる変体仮名) で大まかに書き分けていた。
平仮名は音読用の文字だったので、清濁は文脈でわかり、厳密さは必要なかった。
55名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/15(月) 19:58:00 0
古事記よりもっと古い時代の文献が発見されたり
魏志倭人伝の頃の対日辞書的なものが発見される可能性ってないの?
56名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/15(月) 21:16:04 0
飛鳥時代あたりの文献なら出る可能性も0ではないかもしれないが、
そもそも漢字でわざわざ日本語を表記しようという試みがそんなに古くからあったかどうか分からないし、
かつて中国は周辺民族を下に見ていたわけで、蛮族の言葉の辞書をわざわざ作ったかどうかというと非常に怪しい。
新しい資料が出たところで固有名詞以上のものは難しいんじゃないだろうか。
57名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 00:42:53 0
古墳時代の剣とか銅鏡に日本語(固有名詞)を
万葉仮名で書いたと思われる銘文が見つかる。

今日見ることの出切る「魏志倭人伝」は宋の時代の
版本だ。宋代の印刷書体は「宋体」という。美しいことで有名。
魏の時代には恐らく隷書やもっと古い書体が使われていて
宋版魏志倭人伝では東夷の土人語なんて誰も知らなかったから
タネ本の読み違い、誤刻がイパーイの状態だ。
58名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 00:50:03 O
固有名詞でも物凄い数になれば古い日本語の姿が見えてくるかも知れないが、
そんなに数があるわけでもないし難しいな。
万葉仮名が発明されてからそれに基づいて書かれた書物自体数が少ないだろう。
59名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 04:10:24 0
>>53
 私は>>52さんではありませんが…

>>52 とはいえ連濁の起因が解釈できない。
>むしろ、古代シナ語では清濁が大層重要な文法だった。
>一方日本語には連濁がある。もうも信じられないが、もしかして古代日本語は清濁の対立がなかった?

 日本語の連濁は「子音弱化」の一種です。ケルト語や、すこし事情が違いますがヘブライ語にもあり、世界的によく見られる現象の一つです。
 清音で始まる単語を後ろに付けて合成語を作ったとき、「声帯を振動させて母音を発音し、そのあと声帯の振動を止めて清音の子音を発音し、さらに再度声帯を振動させて母音を発音する」のには、それ相応の労力を伴います。
 このため、清音の子音を、声帯の振動を伴う濁音の子音で代替して発音してしまう(その結果が単語の意味を損じない限り)という一種の「ものぐさ」が連濁です。その方が発音が楽だ、ということです。

 古代日本語に清濁の対立がなかったことは、太古の日本語のあり方の可能性として十分考えられると思います。
 しかし、「かせ(枷)⇔かぜ(風)」、「うち(内)⇔うぢ(氏)」などの単語ペアがあったことを考えると、記紀万葉の時代の日本語は既に清濁の対立を有する言語だったと思われます。

>漢音はたしかに破裂濁音がない、そのころから北方シナ語で濁音が消失したけど、
>これはどこが仮名に濁音がないのを説明できるかな?

 上で「太古の日本語に元来清濁の対立が無かった可能性が考えられる」と書いたことと関係するのですが、現実問題として日本語という言語は、文書で清濁を書き分けなくても何とかカンを働かせて意味が通じてしまう言語です。
 古代エジプト語やセム語は、「子音のみ表記して母音を表記しなくても何とかカンを働かせて意味が通じてしまう言語」であり、現にアラビア語やヘブライ語は今日でも、日常的文書では母音を表記しません。
 中国語に清濁の区別が残っていた頃の発音を引きずっている漢字の倭音(呉音、漢音)を使って清濁を無理矢理に表記するのも、確かに一つの手です。
 しかしそれよりも、最新流行の現代(当時の)中国語では濁音が消失していた事情も考え合わせ、思い切って清濁の判断は読み手のカンに任せ、敢えて積極的に表記しないモノグサ書記体系が定着した、と見るのが妥当でしょう。
60名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 06:23:10 0
中国語にも濁子音は残っている。
北京語のrはzhiの濁音だ。
不知道buzhidao→buridaoと連濁する。
61名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 13:27:10 0
>>60 北京語は清濁は対立しないから。だが日本語は違う。
>>59 正解です!濁音が楽。
中国人は最近濁音は発音しにくいらしい、代わりに有気・無気が対立してる。
だが、連濁に規律がないから、太古には有気の対立があったとは思えない。
62名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 16:05:08 0
>>60
zhではないだろw
shが無声そり舌摩擦音、rが有声そり舌摩擦音と分析すれば確かに有声と無声の対立になるが、
有声と無声の対立が他にないのに一つだけあるのはおかしいし、
実際の発音でrには摩擦が必須ではない。そり舌接近音とみなすのが妥当。

現代の中国人(少なくとも北京人)には無声と有声の聞き分けはできない。
軽声の破裂音や破擦音は有声化しやすいが環境異音であり中国人がそれを使って意味の弁別をするわけではない。

仮名が成立していった頃には既に中国語の中央語では無声と有声の対立はなくなっていた。
だから上代特殊仮名遣がはっきり書き分けられていた頃の万葉仮名ではあった有声と無声の対立が
仮名では書き分けられなくなった。
63名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 17:37:44 0
>>47-50
やっぱり全てのイ段、エ段、オ段音に甲乙の対立があったと考えたほうがいいってことか。
64名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 21:27:35 0
47〜48を見ると
あ+い=え列(乙)でほぼ確実みたいだね
「長息=なげ(乙)き」とかもあるし
e:かæあたりか

ただそうなると「被覆形がア段、露出形がエ段(乙類)の例」を見ても
「け」「へ」「め」「げ」「べ」だけ甲乙の区別があるのは不自然になる。

ちなみに私は、四段活用の「連体形」「已然形」は古くは「語幹+uru」「語幹+ure」
だった(と直感で勝手に思っている。)けどureがえ(乙)になるのは自然なんだろうか?
くれろ→けろ(甲乙関係なし)(東北弁)とかあるし、どうなんだろ

露出形がイ段(乙類)の例では被覆形が「う、お、お(乙)」
で幅が広い上にサンプル数が少なすぎて何とも言えない。
65名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 21:53:49 0
ちょっと違うかもしれないけど、被覆形(?)がア段、露出形がオ段甲類の例として、
「白」がある。被覆形がシラ、露出形がシロ甲。語例は挙げるまでもないほど明らか。

東北で「くれろ」が「けろ」になるのは関係ないよ。
その地域では、「れ」から子音がしばしば脱落する。「される」が「サエル」、「壊れる」が「コワエル」と発音されたりする。
そこで「クレロ」→「クエロ」→「ケロ」の変化が起きたということ。実際にそのような語形もある。
6664:2008/12/16(火) 22:03:30 0
ホは甲乙区別無いんだった。勘違いしてたorz
そうすると「お列(乙)」はうに近い発音だった可能性があるのか
仮にお列(乙)がwoだと「を」が「お」の乙類だった可能性もあるんだろうか
おうするとおにも甲乙の区別があって無いのは「ホ」と「ボ」だけになる。
ただ>>50の法則にあてはまらなくなるけど
67名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 22:34:41 0
>>65
もちろん東北弁の「くれろ→けろ」が関係ないのはもちろんわかってるよ

レから子音が脱落するのが、東北特有の現象ではなくて言語学的にわりと
ある現象なら古代にも同じ現象が起きててもおかしくはないと思って
ureよりはue(uye)の方がえ(乙)には近いと思ったし。
仮にえ(乙)が長母音だった場合ue→e:はありえそうかなと思って
沖縄でも「くれる」は「くぃゆん」だったり
上代の受身「らゆ」が「らる」のrが脱落したものの可能性もあるかなと

ただこの話は私の勝手な思いつきが出発点なので深い議論はあまり意味もなく・・

なぜ四段動詞の連体形がえ(乙)なのかは気になる問題ではあると思う。
6867:2008/12/16(火) 22:38:18 0
連体形がえ(乙)なのか→已然形がえ(乙)

自分間違えだらけ
69名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 22:55:41 0
え(乙)は、韓国語の「○H」ということですか?
70名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 22:58:36 0
さすがに、え(乙)がオゥだった可能性は無いと思うスミダ。

71名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 23:02:20 0
ロトの紋章がマの紋章と読まれると悲しいハムニダ。
72名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 23:16:05 0
麻生首相の
「低迷」の「迷」は「え(乙)」ですかね
73名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/16(火) 23:36:23 0
クロ甲(黒)⇔クラ(暗)とかもか
ただ、こういうのは赤い⇔明るいのように意味分別のために
意図的に変えた可能性もあるような気がする。
やりすぎるとトンデモになっちゃうし・・
まあ、白はシロでもシラでも意味は変わんないから

とするとオ列は甲の方がɔみたいな発音で乙の方が今の発音に近い
可能性があったということだろうか
(今持ってる本だと甲の方が今の発音に近かったと書いてある)
74名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/17(水) 00:57:41 0
>>64

 >>47-48を見ると
75名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/18(木) 22:30:42 0
>>62
北京土話を知らないみたいだな
濁子音があると
清濁の対立があるとは別次元。
一部の米国人がbutterをbudderと発音するのは紛れも無い事実。
日本の政治家が英語でスピーチしても
無声有気音、有声有気音ができないのであまり英語っぽく
聞こえないのも紛れも無い事実。
76名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/18(木) 22:36:22 0
スレ違いだからよそでやってくれんかね
7769:2008/12/18(木) 22:39:08 0
オウじゃなくて

エ(甲)は韓国語の에と同様
エ(乙)は韓国語の애と同様
なんでしょうか?
78名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/19(金) 09:51:29 0
>>77
推定音は>>11の通り。現代語と比較すればエ段乙類はちょっと違うと思う。
エ段乙類は中期朝鮮語の에と同じような発音だろう。
79名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/21(日) 11:37:59 0
現代語と古語の間で「オコソトノ・・・」と
「ウクスツヌ・・・」が入れ替わってる言葉がある。

現代語「どよめく」と「万葉語」の「とよむ」のように
清濁が入れ替わってる言葉もある。
80名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/22(月) 15:38:55 O
オ甲類がウと交代しやすいんだっけ。
81名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/22(月) 20:53:45 0
>>78
ありがとうございます
82名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/31(水) 13:38:08 0
1つ不思議なのは、奈良時代が8母音だったとして
たった100年で5母音になって音節数も清濁併せて20個も減った事になる。
言葉なんて世代間でも使うものだし、あまり急激に変わりすぎな感じがするのだけど
これだけ急激に変化する事はあり得るのだろうか?
83名無し象は鼻がウナギだ!:2008/12/31(水) 21:27:14 0
遷都の影響もあるような気がする。
例えば、大和地方は比較的保守的で8母音体系が遅くまで残ったけど、
北方、特に山城地方は5母音化への推移が早い時代に完了していたとか。
84名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/01(木) 00:17:01 o
万葉集なんかでも東歌なんか5母音とかだし、

母音が減った代わり、逆に合幼音が出現してるし。

それに8母音といっても、それがすべて単音だったのか不明だし。
極端な話、単母音4・複母音4だったかもしれないし。
(母音連続を嫌ったのではなく、連続を一個の二重母音とした。
後に二重母音が単音化→5母音化。)
85名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/01(木) 05:52:28 0
9 世紀にはまだコの甲乙の別が残っていた。空海や菅原道真は区別していただろう。
急激に崩壊したように見えても連続性はある。
歌では甲乙の音節が同じ形のリズムを作っている。重母音があったとしても、短母音と対立する別個の音素だったことは動かない。
86名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/01(木) 11:36:59 0
>>82
例えば名古屋近辺では連母音アイ、ウイ、オイが融合して
エァー、イゥー、エゥーとなり8母音体系になっているが、
その周囲では5母音体系の地域が広く広がっている。
東北地方ではエァーを含む6母音体系が広く広がっているが、
共通語化により急激に5母音になりつつある。

デンマーク語とスウェーデン語とノルウェー語は互いに意思疎通がかなり可能だが、
それぞれの母音体系はかなり異なる。

母音が変わっても、そこまで大きな障害にはならないということだろう。
上代特殊仮名遣いというのも、結局は母音の単純な統合に過ぎない。変化が単純だ。
英語の大母音推移のような変化のほうがよほど大変だろう。
87名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/01(木) 11:45:30 0
なるほど例えば現在の北米英語の
father, hot, boughtの母音は全く区別しなくていいことと似ているのかもしれない。
これはこの数十年間で急速になっていったものだし。
88名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/01(木) 16:14:21 0
>>86 漢字音も中世に大変化しているしな。

 キョウ、キャウ、ケフがキョーに合流してしまってよく言葉が通じたものだ。
89名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/01(木) 17:51:00 0
>>79-80
「暁」アカトキvsあかつき

>>86>>88
夫婦めおと<ミョート
現代では昔の振り仮名をそのままに「メオト」と発音する。
「女房」 舞の本の振り仮名は「ねうばう」
90名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/01(木) 19:11:51 0
立山
 現代:たてやま
 万葉集:たちやま多知夜麻tatiyama(4000,4001,4003,4004,4024)
万葉時代の「知」は/ti/ 中国アモイ方言もtiと発音する。
「テチヤマ」「タテヤマ」の違いって
「父」が万葉時代以前はtitiと発音されたが
奈良時代〜平安時代に中国漢字音で「知」が口蓋化して
今のような「チ」に変化したためにティをテの形で
残した「てておや=父親」の「てて」と同じようなものか。
91名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/01(木) 19:29:01 0
誤字訂正
×「テチヤマ」「タテヤマ」の違いって
○「タチヤマ」「タテヤマ」の違いって
92名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/01(木) 21:53:59 0
>>86 名古屋の 8 母音といっても、短母音と長母音がそれぞれのグループをなしている。
上代語に短母音と長母音の別はないから、比較にならない。
93名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/01(木) 23:16:40 0
>>90-91
単に自動詞と他動詞の名詞形(連用形)の違いだろ。音韻変化じゃない。
94名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/02(金) 14:15:30 0
>>83
遷都の影響もあるような気がする
例えば、大和地方は比較的保守的で8母音体系が遅くまで残ったけど、
北方、特に山城地方は5母音化への推移が早い時代に完了していたとか。
>>84
万葉集なんかでも東歌なんか5母音とかだし

ここらへんからすると当時すでに8母音体系がかなり限定された地域の
方言だった可能性があるような気がする。
上代語の痕跡は多かれ少なかれ、どこらかしらかの方言に残ってるものだけど
これだけきれいさっぱり消えちゃってることから考えても

琉球方言の分岐年代は1,700年前±300年あたりが有力らしいけど
そうすると1700年前あたりには九州南部は5母音になってた方が都合がよい
(奄美に8母音の痕跡が残っている説があるみたいだけどかなり微妙らしい。
しかもキだけだし)
95名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/02(金) 17:51:00 O
奄美方言なオ段甲乙の区別の痕跡があるというのは誤りだよ。
前後の音環境などによってオ段がウ段になるかオ段のままかが決まっており、
上代語の甲乙に上手く対応しない。
5母音体系からの変化で説明できる。

思ったんだが、有坂の法則があるということは、
「オ段音は前後にア段音かオ段音がある場合はオ段のままでそれ以外はウ段に変化」みたいな
音変化が起きれば、上代特殊仮名遣いにかなり近い「区別」を持った方言が出来上がるよな。
96名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/02(金) 18:44:31 0
首里方言にはイ段甲乙の区別の痕跡 (破擦化/非破擦化、r の脱落/残留) があると思う。
ただし、「子音直後の i」以外の条件によっても破擦化は起こり、また、ri の直前に i があると r が残留する。
該当例が少なく確実なことはいえない。
97名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/02(金) 18:56:20 0
てかさーどうして琉球方言に古い音素が垣間見えるものと思いこんでるのかね?
琉球方言は母音のuとoの混同,iとeの混同、アクセントの型も最大3種類なんだろ?
p,fがあるぐらいのもので全体で見れば音韻は大きく変化してて古風じゃないだろ?
そう考えれば上代特殊仮名遣いの要素が残っている可能性は低いと考えるべきだ。
まったくないとはいわないが、
98名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/02(金) 22:58:12 0
>>97
 一般的にはそうでしょう。琉球方言は音韻的には本土方言より過剰に進化を遂げた方言であり、むしろ琉球方言独特の語彙の語源を本土方言から推測できる場合の方が多い方言です。

 しかし、>>96さん指摘のとおり、上代日本語の「キ(甲)」「ギ(甲)」は琉球方言で「チ」「ジ」になり、「キ(乙)」「ギ(乙)」は「キ」「ギ」を保つ、という違いは、数こそ少ないものの、琉球に残った貴重で決定的な例証だと思います。
 上代日本語の「キ(甲)」「ギ(甲)」の母音(二重母音だった場合には前半の要素)は前舌的であり、「キ(乙)」「ギ(乙)」は中舌的ないし奥舌的であったことはほぼ間違いありません。

 ただ、上代特殊仮名遣い全般に言えることなのですが・・・
 そもそも古典には、キ、ギ、ケ、ゲ、コ、ゴ、ソ、ゾ、ト、ド、ノ、ヒ、ヘ、ミ、メ、ヨ、ロ+モの音節にのみ甲乙の書き分けがあり、イ、エ、オ、シ、ジ、セ、ゼ、チ、ヂ、テ、デ、ニ、ネ、ホ、ボ、イェ、リ、レ、ヰ、ヱ、ヲでは甲乙の書き分けがありません。
 また、「モ」の甲乙書き分けは、古事記にのみ現れ、日本書紀、万葉集では区別が消失しています。
 これらは、「記紀万葉の時代には既に甲乙の対立が急速な衰退過程にあった」、即ち、日本語は8母音体系から5母音体系に移行する真っ最中であったことを示唆している、と思います。
 もちろん、「日本語には始めからイ、エ、オ、シ、ジ・・・には甲乙の対立が存在しなかった」と仮定することも可能ですが、そう仮定してしまうと、その合理的説明が難しい。
 「上代以前の日本語は全面的8母音体系であり、一部の音節で甲乙の区別が消失しはじめ(この時点で上代語の記録がなされた)、ついに全ての音節で甲乙の区別が消失した。」と仮定したほうが、現存の諸データを無理なく説明できます。

 その意味でも、琉球方言に残された(進化速度の速い琉球方言に“すら”残された、と言うべきか)わずかな上代特殊仮名遣いの痕跡は、極めて貴重なデータだと思います。
99名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/02(金) 23:33:04 0
沖縄方言のキ甲乙の区別と思われるものを、「貴重で決定的な例証」と呼ぶのは時期尚早だろう。
「木」「起きる」以外の例を見たことがないんだが、
本当に検証するなら、上代語でキ甲乙を含む単語に相当するものを丹念に拾い出して、
それがどのような条件でどのように出現するか、
甲乙でのみ説明が可能なものか、前後の音韻などにより説明ができないかをちゃんと検証しないと駄目だ。
100名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/02(金) 23:42:03 0
琉球方言は音韻体系全体で見れば明らかに本土方言よりも大きな変化を遂げているが、
一方で本土方言で変化した部分が変化していない面もある。これは事実。
これは琉球方言に限った話でなく世界の言語に言えることで、
古く分岐した言語が大きな変化を遂げているように見えて、ある部分では古い特徴を残しているというのはよくある話。

例えば琉球語の場合、半広母音が狭母音化し、それに伴って子音も変化し、
咽頭化音や有気音と無気音の区別を発達させたり、閉音節が発達していたり、
本土方言では考えられないほどの変化を遂げているのも事実。

しかしながら、ハ行音がpのままだったり、イとヰ、エとヱ、オとヲの区別を(そのままの形ではないが)
はっきり残していたり、ツとヅがトゥ、ドゥと発音されたりと、古い面を持っている方言があるのもまた事実。
全体としては変わり果てていても、例えばウとオの区別がなく両方ともウと発音されていても、
一方でオがウ、ヲがブと発音されて区別されたりする例がある。
だから、全体としては上代語から極端にかけ離れていても、上代語にあった区別がかけ離れた形で
残っている可能性自体は否定できない。
101名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/03(土) 01:50:05 0
正直沖縄のキ甲乙の痕跡はないと思う
木キ乙(キー)
月ツキ乙(チチー)
になってって一貫性がないし
ウムカジ(面影)
チュラカーギ(清ら影)=美人
ものによっては元がゲのものまでギになったりジになったりしてる。

ちなみにうちの方言でもキ→チの変化はあるけど
沖縄方言よろしく木はキだし昨日がキンナになったりチノーに
なったり一貫性がない。キとチの間で揺れてる感じ
102名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/03(土) 02:32:46 0
>>95
思ったんだが、有坂の法則があるということは、
「オ段音は前後にア段音かオ段音がある場合はオ段のままでそれ以外はウ段に変化」みたいな
音変化が起きれば、上代特殊仮名遣いにかなり近い「区別」を持った方言が出来上がるよな。

この発言で思ったんだけど、オ列甲乙は上代奈良でも単にこの辺りの方言と言う可能性はないだろうか
文法的な部分にまで食い込んでるイ列、エ列と違ってオ列はほぼ音韻的な法則に従ってるだけみたいだし
103名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/03(土) 03:09:43 0
>>101
場所何処?

俺の土人島は「きゅらむん」「きぬー」だがエラブ、ヨロンあたり?
104名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/03(土) 03:30:42 0
>>101 「月」上代 tuki2: 首里 tsIchi については、ki2 の前に狭母音 u があったために破擦化したということで、一応説明できる。
「尽き」上代 tuki2: 首里 tsIchi,「起き」上代 Oki2: 首里 ?uki,
「過ぎ」上代 sugi2: 首里 sIdji.
105名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/03(土) 05:58:32 0
鬱金ウッコン(呉音読み) ウコン →ウッチン
「ウッチン」は中国語北方方言(金をʨiŋと発音)の
影響もあると考えられる。
日本語ハ行子音が万葉時代には重唇音(p)だったのが
中国漢字音の変化の影響を受けてヤマト言葉ですら
軽唇音(Φ)に変化したのと同様。
106名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/03(土) 13:02:19 0
はあ?日本語でのp→φの変化は中国語とは関係ないだろ。
まさか表記に用いられた漢字音の変化の議論とごっちゃにしてるのか?
当時は漢字音にfがなかったからp音の漢字を用いていてもφの可能性もあって云々とかの話を
勘違いしたのか?
107(^_^)/~:2009/01/03(土) 18:15:32 0
もうだめ。
古文だけの問題かと思っていたら、話がすごい所まで広がってる。
沖縄方言の話題にまで話が及んだらお手上げだ。ウチナーグチには付いていけん。
この問題は、間口がものすごく広くて、奥がものすごく深いことだけは分かった。
あとは博識な皆さんで大いに盛り上がってくれ。
俺はもう落伍する●| ̄|_
108名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/05(月) 13:44:03 0
>当時は漢字音にfがなかったから

なんでfの音の話が出て来るんだよ。
畿内でfの唇歯音を発音したことは
金輪際無いよw
Φは両唇音だよ。それとも百年以上前の
ヘボン式にかぶれてるだけなのかw
109名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/05(月) 22:01:33 0
>>95>>102
オ甲は、単なるウの異音の可能性が高いよね。
他のエ甲・乙などとは事情がやや違う気がする。
そして、オ乙は、おそらくオ甲とは、「後世にたまたま合流した」こと以外、
全く何の関係も無い母音だった可能性が高いと思う。
これは、有坂法則から裏付けられることで、
有坂法則が「母音調和」の痕跡であると考えるならば、
母音調和とは、実は「単なる口の動かし方の利便性」の問題なので、
オ乙が後舌とすると、なぜ「ア」と「オ乙」が大対立するのか、全く説明がつかない。
オ乙は、大野・森他の推定音通り、少なくとも中舌だったはず。
もっと踏み込めば、前舌だった可能性さえある。
エ甲乙がどちらも二次的な母音だったとすれば、
エ甲乙の成立により、本来は[e]に近い音価だったオ乙が後舌方向に押し出され、
最終的には、全く無縁のオ甲と合流するに至ったと考えることも出来る。
もはや、「オ乙」という言い方自体が著しくミスリードで、
さまざまな方法での音価が明らかになりつつある今では、
「エ丙」とでも言うべき音だと俺は思う。

五母音説の某一人説論者とその信者は、
上代特殊かなづかいは「5母音の環境異音だ」と力説するのだけれど、
異音あるいは「口の動かし方の便宜」という発想から導かれるのは、
あいうえおの5母音とは著しく異なる母音体系だ。
110名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/05(月) 22:49:45 0
そもそも>>27みたいに思いっきり動詞活用にイ段とエ段の甲乙が関わってる時点で、
少なくともイ段とエ段が全く現代通りで単なる環境異音を誤って書き分けただけなんてことは
論理的にどう考えても有り得ないと思うんだが。
オ段甲乙ならまだ分からなくも無い。ただ、例えば「呼ぶ」はヨ甲で、「読む」「寄る」はヨ乙みたいな
そういう区別がある理由は全然説明できないけど。

環境異音説を唱えるなら、その異音が現れる環境とやらを納得できるようにきちんと説明すべきで、
それをまともに説明できない時点でその説は存在すらできないと思うんだがどうなの?
111名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/06(火) 00:34:04 0
その君の考える上代の母音の音素と音価について納得のいくように紹介してくれ。
112名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/06(火) 03:26:39 0
>>111 >>110 ではないが、
/a/: [a]
/i1/: [i]
/i2/: [ ] (朝鮮語 eu の音)
/u/: [ω]〜[u]
/e1/: [e]
/e2/: [ε]
/o1/: [o]
/o2/: [ø]
113101:2009/01/06(火) 18:25:58 0
>>103
宮城県
114名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/07(水) 03:48:30 O
>>112
乙類は中舌だろう。そんな説を唱えている奴がいるか?
115名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/07(水) 20:27:19 0
i2 は中舌だよ。
そんな、中舌に 3 つも並ぶとは考えにくい。
有坂秀世・橋本進吉の o2 [ö] 説も、実際には [ø] (独語の ö の音) だろう。
116名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/07(水) 21:10:33 0
朝鮮語のeuって[ɯ]じゃないの?
それにエ乙が[ɛ]でオ乙が[ø]って体系としておかしいだろ。
エ乙が[ɛ]ならオ乙は[ɔ]だろうし。
117名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/07(水) 21:29:20 0
[ɯ] は今の日本語の /u/ だ。朝鮮語の /eu/ は [ɨ]。
どの言語の母音体系も整然としているわけではない。
/o2/ でなく /o1/ の音価を [ɔ] と推定する、柴田武・三石泰子の説もある。

118名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/07(水) 23:14:08 0
>>115
原則として同意するが、本来の位置はもっと前舌だったと俺は思っている。
電波説と言われるかもしれないが、o2の祖語における最古の音価は[e]だったと思う。
母音融合でe1が成立したところから後に押し出され、
(e2に関する森説を採れば、e2はあまり関係ない)
ついに後舌にまで至った。
ただ8世紀という一定の時期にどうだったかは別問題。
中舌付近というのが妥当なところで、森説の裏づけもあるが、
具体的にどのあたりなのかは微妙だ。

>>116
そりゃ体系としておかしいんじゃなくて、「あいうえおの束縛」に搦め取られているだけ。
別に、あいうえおの甲乙と言ったって、
今の日本語共通語のあいうえお各々のファミリーとは限らない。
特にo2は、今の日本語のオとは全く似ても似つかない音だった可能性も
考える必要がある。他も一緒だけどね。
>>117
柴田三石説だと、有坂法則の説明が出来ない。
[ɑ]&[o]&[u]/[ɔ]
なんて母音調和の発音の癖を持つ人種なんて、どんな口腔の構造をしているんだ?
もう異次元空間のバケモノとしか思えない。
少なくとも祖語の音価では絶対にあり得ない。
119名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/07(水) 23:53:34 0
/o1/ が [ɔ] で /o2/ が [o] というのは確かにおかしい。
しかし、/o1/: [ɔ] だけなら十分ありうると思う。
120名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/08(木) 02:00:19 0
o2が最古層が[e]で、融合でできたe1に押し出されてo2が[o]になったっつーのはまあいかがなものか。
ドイツ語を見ろ。aのウムラウトでaeができてeの音価が変わったか?
ギリシア語でαιが[e]と発音されるようになってεはどうなった?
ある音価の出現で他の母音の音価が移動するとは限らないぞ。
121名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/08(木) 02:25:37 0
>>112ってこういうことだろ?

前舌   中舌    後舌
 i      ɨ      u    狭

   e/ø             半狭
              o
     ɛ            半広

          a       広

こんな体系あり得るのか?
122名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/08(木) 02:28:49 0
>>120
ドイツ語でaのウムラウト音が発生したのっていつ頃だっけ?

あとギリシャ語の変化後のαιとεの音ってそもそも同じ音だから、
新しい音は発生していないのでは?
123名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/08(木) 10:09:06 0
>>121 [ε] はかなり広かったと思う。[ø] は前舌だが、唇が前へ出れば舌は若干後ろへ引く。

i ɨ u
e ø o
ε a

朝鮮語の短母音体系によく似ている。
124名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/08(木) 12:47:36 0
なんでもかんでも朝鮮と結びつけるバカ
うざい。
125名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/08(木) 12:54:00 0
>>121の体系はあまりにも不均衡、不安定で有り得そうに無い。
前舌では半狭母音と半広母音を区別する上に半狭母音で平唇と円唇を区別するのに
後舌では半狭母音と半広母音の区別も平唇と円唇の区別も無い。
平唇と円唇の区別が1つだけ孤立して存在するというのも考えにくい。
126名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/08(木) 21:00:11 O
対立関係としては、

i1 i2 u
e1 o2 o1
 e2 a

ということだから安定している。
ただ、漢字音から推定される o2 の音価に問題がある。
127名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/09(金) 01:02:22 0
それってオ乙はøじゃなくてəってことじゃん。

前舌   中舌    後舌
 i      ɨ      u    狭

                  半狭
    e     ə    o
                  半広

       a      ɑ   広
128名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/09(金) 09:03:52 0
・/o2/ は /a/・/o1/・/u/ と対立する (有坂法則)。[ə] はあいまいな音で、他と対立しにくい。
・/Co2/ という音節は、大ざっぱにいえば、漢音が「○ョ」となる漢字で写されることが多い。
・東国語で、中央語の /o2/ が /e(2)/ となることがある。
・/o2/ は 後に /o1/ と合流する。
以上から、/o2/ は [ə] よりも前寄りで、円唇性をもっていたと考えられる。
1291/2:2009/01/10(土) 01:56:27 0
>>128
 恥ずかしながら蟷螂の斧ではありますが、不肖、御説には異論無きを得ません。
 私はオ列乙類は非円唇母音[ə]であった(オ列甲類は[o])と考えております。
 その理由は・・・

・オ列乙類を表記するのに使用される漢字の中古音の核母音は、カールグレン、故藤堂氏らの推定では円唇母音[o]、平山久雄氏らの推定では非円唇母音[ə]、と推定が分かれている字(許、所、叙、杼、など)もある。
 が、諸学者共通して核母音を[ə]と推定している文字(己、期、凝、曾、能、など)が頻繁に使用されている事実を見落とせない。
 これは、「平山氏らの漢字中古音推定が正しかった(ゆえにオ列乙類は[ə])」と考えた方が合理的であり、「漢字中古音の推定で諸氏みな[o]を[ə]と誤っていた」と考えるのは無理がある。

・・・ということです。
1302/2:2009/01/10(土) 02:05:15 0
>>128
貴見各論への個別のオブジェクションないしエクスキューズとしては・・・

・[ə]を「曖昧な母音」と受け取るのは、ラテン語類似の5母音体系を当然の言語環境として育った近代日本人の聴覚印象にすぎない。
 中国語では[ə]は「唇の形を日本語の『エ』の形にしっかり構え、口蓋は日本語の『オ』に相当する形態に構えて、明瞭に発音される母音」であって、「合成母音」ないし「中間母音」ではあっても「曖昧母音」ではない。
 英、仏、独語の[ə]のような無アクセントの弱化母音としての役割ではなく、意味弁別、意思伝達に不可欠な中核的役割を担う。
 上代日本語でもそのように明瞭に発音され、明確な役割を担っていたと考えれば、有坂法則における対立の一方の主役となることも可能である。
・オ列乙類を表わす漢字で、現代日本語で「○ョ」という漢字音を持つ漢字が多いことは、当該漢字の中古音の母音が[io][iə][ɪo][ɪə]のいずれであったとしても起こりえる現象である。
 核母音が[ə](ゆえにオ列乙類は[ə])であったことを排除するものではない。
・東国方言でオ列乙類がエ列乙類で置き換わる現象は、むしろオ列乙類が非円唇的であったことを示唆する。
 エ列乙類の現代日本漢字音の母音は「イ」「アイ」「エイ」等であり、いずれも非円唇的である。諸家の推定中古漢字音でも[ʌi][ai]など、非円唇母音である。
・オ列乙類は後世、オ列甲類と合流したが、これは貴見のとおり「オ列乙類が奥舌化してオ列甲類になった」と考えても、私見により「オ列乙類[ə]が円唇化して[o]になった」と考えても、どちらでも説明可能である。
 オ列乙類の非円唇性を否定するものではない。

・・・といったところです。
131名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/10(土) 02:52:32 0
>>130
> 中国語では[ə]は「唇の形を日本語の『エ』の形にしっかり構え、口蓋は日本語の『オ』に相当する形態に構えて、明瞭に発音される母音」であって、「合成母音」ないし「中間母音」ではあっても「曖昧母音」ではない。
[ə] で代用される中国語の e は、正確には [ɤ] だろう。
言いたいことはよくわかるが、後舌組 /a/・/o1/・/u/ と対立するためには、やはりもっと前寄り、
[ø]〜[œ] の方が自然ではないか。
132名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/10(土) 09:26:31 o
上代以前の基礎母音はこんなん?

陽性母音 a,u
陰性母音 äü>ö
中性母音 i

※ 倭人はäとüを区別(発音)していたが、
書記である渡来人(百済人)が(混同しても支障無しと判断し)区別せずöと同一表記したか。
133名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/10(土) 11:23:00 0
悪い議論ではないと思うけど、
(松本説、というより藤井説の全くの電波性を浮き彫りにする効果はある)
8世紀のo2の厳密な音価を語っても、
ある種の「精度の限界」からブレまくるだけじゃないかなあ。

つまり、森説的手法を使っても、例えば今でいえばこんな議論と同じ「精度」。
əは、21世紀初頭の日本語において、外来語を見る限り
英語のそれは「ア」で、フランス語のそれは「ウ」で、ドイツ語のそれは「エ」で
音写されていることから、
日本語のウ段母音は、「中舌から前ではないが、円唇性は持たなかったらしい」
と推定するようなもの。間違ってはいないが、
これだけの情報から、母音三角形に音価をプロットすることはかなり難しい。
134名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/10(土) 13:39:37 0
>>133 基本的に同意。音韻的対立があったよというのが主眼で、精密な音価の推定は無理だろう。
国学者たちは、日本人の心の故郷を求めて、上代語の研究を始めた。
ところが、研究が進むにつれて、上代語と現代語とでは、発音自体大きく違っていた可能性が出て来た。
松本・森重・藤井説の根底には、何らかの感情的反発があるのではないかと思う。
135名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/11(日) 01:29:26 0
>>134
松本説は、実はかなり複雑な立論体系を持っていて、
あまり単純に決め付けるのはどうかと思うよ。
俺としては、具体的な結論群にはどれも全く賛同出来ないが、
既存の資料を前提とした、古い日本語音韻の内的再構築の
ひとつの論理的可能性としての価値はあると思う。
間違っていたとしても、論理そのものは全然トンデモではないので、
思わぬところでその論理・発想法が、
別の論点を解明する手がかりになる可能性もあるだろうと思う。
森重説は、むしろ上古文法論なんだよなあ。
-iという、在来の文法体系ではなかなか上手に扱えない要素に
なんとか切り込んだという価値は確実にある。

問題は藤井説。まあロマン溢れる素人歴史漫談とでもいうか何と言うか。
学問的には、小泉保が晩年なぜか血迷った電波としての迷作「縄文語の発見」と並ぶ、
イ・ヨンヒレベルの完全な電波説と俺は思っている。
漫談として変な「対素人説得力」があるから、電波として悪質なんだよ。
この手の電波の跋扈によって、日本語アクセント史は滅茶苦茶になったという例もある。
彼だけはまさに、「感情的反発」そのものなんだろうなあ。
136名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/12(月) 15:20:47 0
上代特殊仮名遣で使われた漢字の字音から8世紀の母音体系をおおまかに推定し、
あとは母音体系としての安定性から、どのような母音体系が過去にあったかを
推定していくというのは駄目なのかな?
例えばこの母音体系は不安定だから祖語の母音体系として設定するのは相応しくないとか。

自分としては大野の本来ア、イ甲、ウ、オ乙の4母音だったという説は非常に説得力があると思うんだが、
あれが定説にならずに一説レベルに留まってるのはなんで?本人があとでボケちゃったから?
それともなんか重大な問題でもあるの?

あと琉球語がほぼ全て5母音からの発展として説明でき、上代特殊仮名遣いの痕跡すら
怪しいものを除くとほぼ残ってないのって、4母音体系があったのなら少なくともそれは
琉球語との分岐以前に遡る音韻ってことかな?

例えば1世紀あたりに北九州あたりにあった日本祖語が4母音から連母音の融合により
8母音への変化をし、その後で沖縄や本州に広まったとか。
137名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/12(月) 16:18:16 0
>>136
いくつかあるみたいだね>大野説の蹉跌
ひとつは、大野本人が4母音の理由付けとして、
「開音節で4母音のポリネシア語」という、
ムーや民明書房記載の、4億万年前のアトランティス大陸の言語(笑)
を持ち出して、大真面目に説明してしまったこと。
二つ目は、母音融合では説明できない「+4母音」があるのではないかという
批判に完全には答えられなかったこと。
3つめは、分岐年代が上代より古いとされる琉球諸方言が、
8母音を前提としていないようにみえること。
4つめは、8母音説に渡来人言語説やら朝鮮系書記官説やらなにやら、
妄想歴史ロマンを貼り付ける説が、松本清張やら全然関係ない外野で跋扈して、
8母音説そのものが怪しいと思われるようになってしまったこと。
>>134氏の言うような感情的反発もあったんだろう。

歴史ロマン藤井説などは論ずる価値は無いので無視して、
言語学的にまともな議論をすれば、
おそらく上で述べた2と3が真の問題となるだろう。
俺は4母音説支持、かつi2, e1, e2, o1の4つはそれぞれやや異なる生成過程を
経ていると思っている。乱暴に融合で片付けるわけにはいかないと思う。
138名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/12(月) 16:26:40 0
それから、やはり「アイウエオの呪縛」は大きいと思うんだよ。
特にこれが問題となるのが、繰り返し繰り返し書いているが、
オ乙なんだ。
>>64>>66>>73の「素人感覚」を見ていると分かるんだが、
どうしても「オ乙はあくまで「オ」。だから後舌」という固定観念から
逃れられていない。
かな文字の影響も強いんだろうね。
ラテン文字のように、各言語で音価が半ば自在に読まれるということがなく、
東北弁などもずいぶん廃れてしまったから、
「オ」は甲でも乙でも「オ」なんだよ!!という藤井説的な発想が、
どこか素人的な発想として残ってしまっている。
実は、「(オ段各音に)甲乙の区別があったか」という問題の立て方自体が、
すでに縛られている。
大野説は、アイウエオ信者にも分かりやすく言えば、
「オ段のデフォは乙のö」であって、後舌の甲が例外だ、
「つまり甲乙の区別がないところでは、中舌母音になるはず」
と言っているのだが、これが本当に理解されていない。
139名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/12(月) 18:55:27 0
>3つめは、分岐年代が上代より古いとされる琉球諸方言が、
>8母音を前提としていないようにみえること

じゃあ沖縄でも本土とは別個に8母音が5母音になったってことでいいの?
140名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/12(月) 19:58:35 0
琉球語は半狭母音の狭母音を起こす前までは日本語と同じような変化をしてたんじゃないか?
むしろハ行音のp、ワ行音のwも保ってただろうし、日本語の中古以降の変化を経験せず、
上代日本語にかなり近い状態を保っていたのではないだろうか。
141名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/12(月) 20:05:58 0
>>139
沖縄って全方言のアクセントが外輪東京式で説明できたりするから、
必ずしも別個に発展したと考える必要はないかと。
142名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/12(月) 20:19:06 0
あれだけ現代では表面上日本語とかけ離れている琉球語の音韻だが、
半狭母音の狭母音化と、それに伴う子音の変化の影響を取り除けば、
出てくるのは5母音で子音も平安時代初期あたりのものとほぼ同じ日本語だ。
ただし唇音退化の傾向が少ないのか、ハ行音はpを保っていて、ヲなどのワ行音wも脱落していない。
琉球語の/u/の円唇性が強いことからして、これらの傾向は不思議ではない。

琉球語が途中までは日本語とほぼ同じ変化を歩んでいたことはもっとはっきりした事例で分かる。
中央語で11世紀になって起こった(当然琉球語はとっくの昔に分岐していた)ハ行音転呼を、
与那国方言まで含めた全ての琉球方言が、日本語と同じく経験していることだよ。
現在の日本語族圏の全ての方言が、語中のハ行音をワ行音化させている。

京都で11世紀に起こった現象を琉球語が同じく経験しているのだから、
奈良で8世紀に起こった5母音化を琉球語が同じく経験していても不思議ではない。
1431/2:2009/01/12(月) 23:16:42 0
>>136
>上代特殊仮名遣で使われた漢字の字音から8世紀の母音体系をおおまかに推定し、
>あとは母音体系としての安定性から、どのような母音体系が過去にあったかを
>推定していくというのは駄目なのかな?
>例えばこの母音体系は不安定だから祖語の母音体系として設定するのは相応しくないとか。

 一般論としては極めて適切な方法論だと思います。
 が、こと記紀万葉の時代の上代日本語に関しては、いかがなものでしょうか。「母音体系の安定性」をトンデモ説の排除に活用できないのはいささか残念なのですが。

 母音が不安定な言語の一例として、古代ギリシア語(我々がふつうに参考書で学べる紀元前4〜5世紀のアッティカ方言)を挙げると、その母音の音韻体系は・・・
・長母音:/a:/(α)、/ɛ:/(η)、/e:/(ει)、/i:/(ι)、/ɔ:/(ω)、/u:/(ου)、/y:/(υ)
   i:/y:      u:
    e:
     ɛ:   ɔ:
       a:
1442/2:2009/01/12(月) 23:18:39 0
>>136  (続き)
・短母音:/a/(α)、/e/(ε)、/i/(ι)、/o/(ο)、/y/(υ)
   i/y
    e     o

       a
という、あちこちで櫛の歯が抜けたような、余計物が付け加わっているような、何ともサマにならない母音体系を持っていた、と推定されています。(二重母音も加えても、本質は変わりませんし、むしろさらに紛糾します。)
 これは結局、古典古代のギリシア語が諸方言の統一(というか妥協)によって共通語がとにもかくにも生まれ、それが安定的な母音体系へと推移してゆく過程で文字による固定(記録)が行なわれた、という事情に由来します。
 つまり、我々は母音体系が崩壊(変遷)しつつある真っ最中のギリシア語を教科書で学ばされているわけです。

 上代日本語も事情これと同様ではないでしょうか?
 甲乙の書き分けはイ列、エ列、オ列の一部にしかありませんし、「モ」に至っては古事記では書き分けられているのに書紀万葉では早くも書き分けが消えています。
 記紀万葉の上代日本語は母音体系変遷の真っ只中の過程を記録している容疑が濃厚です。

 記録以前の太古の日本祖語を推定する、というなら話は別ですが、「安定的な母音体系を推定する」方法論は、記録に残された8世紀の上代日本語の推定に使うのは、足元を掬われる可能性があってやや危険かと思います。
 こと母音体系の安定性に関する限り、「ある程度の何でもアリ」(??)も、目をつぶらざるを得ないのではないでしょうか。
145名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/13(火) 00:25:44 0
8世紀の母音体系は変化の過渡期だろうし、急速に上代特殊仮名遣いが崩壊したことから見ても
かなり不安定な母音体系だった可能性も否定できないから、安定な母音体系だったという過程を
置くことは危険だと思う。
ただ、それ以前の祖語の母音体系には、ある程度安定なものを仮定してもいいんじゃないか。
過去に遡るとある程度安定した母音体系の時代があったはずだろう。

ギリシャ語の例で言うと、その恐ろしく不安定な母音体系は恐らく何らかの変化を経て成立したもので、
それ以前にはもう少しまともな母音体系の時代があっただろうという推定ができる。

上代特殊仮名遣いから再構される母音体系が不安定なものなら、
それ以前に別の母音体系があっただろうと考える根拠になる。
146143=144:2009/01/13(火) 20:37:07 0
>>145
>ただ、それ以前の祖語の母音体系には、ある程度安定なものを仮定してもいいんじゃないか。
>過去に遡るとある程度安定した母音体系の時代があったはずだろう。

 そのご趣旨でしたら、私も賛成です。
147名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/13(火) 23:26:58 0
>>145
>過去に遡るとある程度安定した母音体系の時代があったはずだろう

奈良時代の母音の体系を不安定な、過渡的なものとみなして、それより一段階前の母音の体系を考えるとき、
はじめに問題になるのが「中舌母音が存在したか否か」だと思う。
一般に母音の体系に変異が生じる場合、それには何パターンかあって

・隣接する母音の融合
・母音どうしの混同
・弱化(曖昧母音化や調音の緩み)
・ウムラウト

などがある。このどれかを仮定して中舌母音を導くのは少し難がある。

母音AとBが融合する場合、舌の位置が同じ場合は舌の位置はそのまま(前舌+前舌→前舌、後舌+後舌→後舌)になる。
このときaは前舌母音と融合する場合は前舌、後舌母音と融合する場合は後舌として(a+i>e:、a+u>o:)あつかわれる。
前舌母音と後舌母音が融合する場合は、言語によって前舌か後舌のどちらか(u+e>u:, o+i>e:)になる。
また言語によっては後舌母音は円唇でもあるので前舌になるけども円唇を残して円唇前舌母音にもなる場合もある(o+e>ø)。
前舌母音と後舌母音しかない体系から融合で中舌母音ができるかどうかは微妙なところ。

母音どうしの混同の場合、長母音と短母音(a[a:]とa[a])や
母音三角形の上での隣の母音(iとe,日本語の東北方言のように)ではありうるが、
たとえばeとoの混同で一個の中舌母音ができるかはよくわからない。

弱化の場合、ゲルマン語の例があるから(曖昧母音としての)中舌母音が生じうるのは確実だろう。
だが強弱アクセントの助けでアクセントのない音節の母音が弱まりやすいという可能性を考慮に入れれば、
高低アクセントであったと思われる日本語で曖昧母音が生ずるかというと微妙なところ。

上代音に中舌母音を仮定するなら、奈良時代以前の母音の体系にも中舌母音を設けざるを得ないと思う。
148名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/13(火) 23:42:30 0
>>147
抽象論としては賛成するけど、具体的にいえば、
それもまた、やや「母音三角の角と中点」にとらわれた、
別の言い方をすればあいうえおに囚われた議論のような気がする。
まず、aは「舌の前後で中立」とは限らない。
俺は、4母音説が四角形を為し、
ɑ i u ø が原形と考えているが、
最後に関しては、Œ でもɛでもいいと思っている。
Œが一番美しいが、その後の変化の説明が難しい。
149名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/13(火) 23:50:15 0
ここにあるけど、
http://www.shitennoji.ac.jp/ibu/images/toshokan/kiyo45-19.pdf

母音四角形の図上に均等に母音を配置するのが安定だというのは正しくないかもしれない。

/a, ɑ, i, u,/
/ä, ə, i, u/
/a, ɑ, ə, i, u/

みたいな、一見均等で安定していそうに見える母音体系が実際にはほとんど存在しない。

母音四角形の図上だけで考えるのではなく、その母音体系を実際にどれだけの言語が持っているかを
ちゃんと考えるべきだと思う。
150名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/19(月) 21:29:10 O
あげ
151名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/20(火) 00:23:08 0
さげ
152名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/20(火) 15:05:09 0
古い時代を基準にして逆に考えると、
なぜイ甲とイ乙、エ甲とエ乙、オ甲とオ乙は融合したのか?
本土方言では全て、琉球方言でも少なくとも大半が同じ形の融合をしたように見える。

物類称呼には「遠江にて九ツを、けゝねつと云」とあるようだが、これはどういう意味を持つのだろうか。
153名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/20(火) 16:31:20 0
最古では:
ι υ
ε ο
η ω
α
154名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/20(火) 21:45:15 0
物類称呼って確か江戸時代の方言辞典だろ?
上代と江戸時代は離れてるから直接は関係ないよな。
で、「きつね」と「けつね」は、結論から言えば
「明治時代以前、古語の知識があまり無かった大衆レベルでは
個々の語において母音が混同されることがままあった。」でおk。
「き」と「け」はそれを含む単語が全体で混同されてるわけじゃない。
髪の毛を「かみのき」とは発音しない。
それと違って「い」と「え」が混同は起きているが
完全には混同しないまま中途半端な状態で200,300年がたったのが南東北方言・東関東方言。
155名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/20(火) 22:41:59 O
>147
例えばa, i, u, e, oという母音体系から
a>a
i, u>中舌母音
e>i
o>u
ai>e
au>o
というように前後舌のみの母音体系から中舌母音が生じるのは
可能だと思うが。
i, uが中舌化するのは各地の方言で見られるし。
156名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/21(水) 01:26:26 0
>>154
日本語史や現代日本語方言を広く見渡して、
イ段音とエ段音、ウ段音とオ段音が個別に混同されている例は比較的多いが、
エ段音とオ段音を混同するものはほとんどない。

万葉集では、駿河、遠江、信濃の歌にオ乙とエ乙の混同が見られる。
於米(面/4342)、於米保等(思へど/4343)、古米知(子持ち/4343)、和呂(我/4343)、
多多美気米(畳薦/4338)、知知波波江(父母よ/4340)、和伎米故(吾妹子/4345)、
佐久安礼弖(幸くあれと/4346)、気等婆是(言葉ぞ/4346)など。
また古今集の甲斐歌(実際には遠江の歌)には「けけれなく」(心無く)とある。

静岡県の大井川や安部川の上流、川根本町、山梨県早川町奈良田では、
上代東国方言の否定のナフの後身の可能性があるノーが見られる。

静岡県や山梨県などで、オ段(乙類)がエ段(乙類)と混同された現象が
痕跡的に江戸時代まで一部の語彙で残っていた可能性もあるんじゃないだろうか。
平安時代以降、周囲の方言が近畿方言の影響を受けて上代東国方言の特徴を失っていく中
比較的遅くまで東国方言の特徴を残していた可能性も否定できない。
157名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/22(木) 00:41:11 0
琉球語の単母音と連母音の変化

     ア イ  ウ エ  オ アイ  アウ  アエ  アオ
奄美  a  i  u  ï  u  ëː/eː  oː    ëː/eː  oː
沖縄  a  i  u  i  u  eː   oː    eː    oː
宮古  a  ɿ  u  i  u  aɿ/ai  oː   ai/eː  oː/au
八重山 a  ɿ  u  i  u  ai    au   ai/eː  oː/au
与那国 a  i  u  i  u  ai    u    ai    au  
158名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/23(金) 15:17:21 0
結局琉球語に上代特殊仮名遣いの痕跡は残っているのか?どうなんだ?
159素人:2009/01/26(月) 18:36:29 0
少なくとも奈良時代のオ乙はあくまでも「オ」じゃないの?
その後すぐにオ甲とオ乙が合流したこと。
そして例外がほとんどないこと。
より古い時代の痕跡が有坂の法則に残っていて
時代をさらに遡れば違う音価だった可能性は十分にあると思うけど
160名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/26(月) 18:57:51 0
琉球語は、くくる(心)とぅくる(所)くる(頃)くとぅ(事)等
母音がu+u、u+u+uになる単語が多くあってそれらの単語の多くは
本土方言のo+o、o+o+oと対応している。琉球の文献で布のことを
ののと誤表記してしまうしてしまうのもこの法則を無意識に感じとって
しまってるからだろうと思う。
そしてそれらの単語のほとんどはオ乙+オ乙、オ乙+オ乙+オ乙に遡る。
どの時代の音価を推定するかで意味合いが変わってくる。
161160:2009/01/26(月) 19:02:02 0
誤表記↓
してしまうしてしまう→してしまう
162名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/27(火) 20:16:41 0
横槍すみません。

質問なんですが、上代特殊仮名遣いは、
平安時代には消滅していたということですが、
その消滅の事情は、何なんでしょうか。

八母音説への反論(松本克己)から見ると、
元々音環境で発音がそうなっていただけの話で、
話者が意識していたものではないために消滅したと見ることもできそうですが、
他に何か説はありますか?
というか、あるはずなのですが、調べ方が悪いのか、
なかなか納得のできる答えに行き当たりません。

上代特殊仮名遣いの消滅の事情について、
何か少しでも説明できるところがありましたら、お願いしたく思います。

宜しくお願いします。
163名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/27(火) 21:57:45 0
実際の上代特殊仮名遣いの使われ方を見ると、
音環境による条件異音と見なすにはあまりにも無理があると思う。

上代特殊仮名遣いが急速に消滅した理由として多くの人が考えているのは、
「機能負担量が小さかった」という説明だと思う。
甲乙の違いによって同音異義語を区別したりする例が少なく、
合流してもあまり支障が出なかった。
164名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/27(火) 22:28:07 0
>>163
>甲乙の違いによって同音異義語を区別したりする例

これがすでに松本説・藤井説にひっぱられた説明だと思うなあ。
「甲」と「乙」が同じ「音ファミリー」の異音だったわけではない。
全く別の音だったのが、段々混同されて合流した。
「寿司」と「獅子」と「煤」が、東北で合流してしまった例を考えれば分かりやすい。
「し」と「す」は、「す甲」「す乙」であって「甲乙の違いによって『同音異義語』を区別していた」
という説明はおかしいだろう。元々全く異なる音だった。

理由付けとしては、「8母音体系が不安定だった」というのが凡その一致点だと思う。
ただ、8母音は奈良時代には確立していたが、その後崩壊したという考え方と、
すでに奈良時代には崩壊過程にはいっていて、
それが弁別の有無がないものがある点に現れているという考え方がある。
発展途上という考え方はないとおもう。
165名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/27(火) 22:42:37 0
>>164
「甲乙の違いによって」というのは、イ甲とイ乙の違いによってなどというのを
3回繰り返すのが面倒だったので便宜上そういっただけ。

例えばシとスが合流しただって、シとスの違いによって同音異義語を区別する例が
そんなに多くなかったから許容されたと言える。

例えば首里方言の話者が、日本語の知識を持たなかったら、
イ、エ、ウ、オにあたるものをイ甲、イ乙、ウ甲、ウ乙というように便宜上呼んで、
昔は甲乙の区別があったが合流したと言うことだって考えられるだろう。それと同じ。

8母音体系が不安定だったのと、機能負担量が小さかった。
上代特殊仮名遣いが比較的速やかに崩壊したことの理由付けとしてはこれで充分だろう。
166名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/28(水) 00:37:25 0
>>163-164
162です。
お早い返答、ありがとうございます。

なるほど。8母音体系が不安定だったことと、機能負担量が小さかった、という理由ですか。
確かに、不安定なものはいつか崩壊しますし、
機能負担が小さければ小さいほど、消滅しても他に影響が及ぶ量が少ないですもんね。
これらの要素があれば、消滅は少しも不思議ではなかったわけですね。

本当に有難うございました!
167名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/28(水) 08:21:06 0
奈良時代においても、紙背文書や木簡など非公式のテクストでは、甲乙は既に乱れていた。
近い音だったことは間違いない。
モの甲乙は、太安万侶は区別できたが、舎人親王らは区別できなかった。
168名無し象は鼻がウナギだ!:2009/01/29(木) 03:19:42 0
オ段甲類とオ段乙類は有坂の法則があったので、同じ環境に両方とも出現できる場合は限られていた。
二拍語ならイ段音、エ段音と結合する場合ぐらい。
オ段甲類とオ段乙類のみで対立する語はほとんどなかった。
169名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/01(日) 21:31:20 0
ト甲 外・門・利・速 : ト乙 鳥・と(格助詞)
ノ甲 野 : ノ乙 の(格助詞)
ヒ甲 日・杼・氷 : ヒ乙 火・干
ヘ甲 方・へ(格助詞) : ヘ乙 舳
ミ甲 三・水・御 : ミ乙 箕・実・身・曲・廻
メ甲 女 : メ乙 目・芽
ヨ甲 夜・よ(終助詞) : ヨ乙 世・代

カミ甲 紙・髪・上 :カミ乙 神・雷
ハギ甲 脛 : ハギ乙 萩

オキ甲 置き : オキ乙 起き
ツキ甲 付き : ツキ乙 尽き

甲乙の違いで対立していた(上代特殊仮名遣いが乱れたことで同音になった)のはこのあたりか。
170名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/02(月) 03:49:25 0
>甲乙の違いによって同音異義語を区別したりする例が少なく、
昔、大野晋が渡部昇一に批判された奴とか? 
神・上、日・火、は同源だが同音異義の区別のため甲乙を導入したってんだっけか。
171名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/02(月) 04:14:10 0
上(かみ)というのは上(うえ)、でうえにあるものだから神は「かみ」で同源だというけども、
神はアニミズムからすれば精霊の意味であって、
上代よりもっと前の人間の意識では精霊がうえにあるとは限らないんじゃないのと妄言を吐いてみる。

172名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/02(月) 06:38:17 0
アイヌ語で神をカムイと呼ぶとか。
日本語は二重母音が単母音化する傾向があるから
古代の神はカムイだったかも試練。
卑弥呼の「卑」は広東語でペイーだから
ヒミコではなくペイーミコ鴨な。
古代日本語の母音に関しては二重母音が豊富な
広東語が参考になる。
173名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/02(月) 09:38:22 O
>>172
"神"は大和言葉でも kamu + i > kamï だ。
(カムヨ、カムナ、カムシロ…)
それがアイヌ語に入ったんでないかと言われてる。

これとかhttp://academy6.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1178724993/40

174名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/02(月) 21:12:27 0
奈良時代には、一拍語の多くが多拍語に移行しつつあった。
現代から見て、上代特殊仮名遣いの区別が同音異語語の区別に役立っている例は
多くの場合一拍語だが、一拍語の多拍語化が進んだ結果、
上代特殊仮名遣いの機能負担量が減り、上代特殊仮名遣いの崩壊を許したのだろう。
175名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/03(火) 21:18:13 O
日本語は単音節言語だった時期があるのでは?
176名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/03(火) 22:17:45 0
>>175
 日本語の基礎的な語彙層に、単音節言語的な語彙の一群(クラスター)があるのは確かでしょう。

 身体の一部を表わす「め(目)」「て(手)」「は(歯)」「け(毛)」。それに「みみ(耳)」「ほほ(頬)」「もも(腿)」なども、かつては単音節だったかと疑わしい形です。
 植物(農作物?)の部分名称である「は(葉)」「ね(根)」「め(芽)」「ほ(穂)」「み乙(実)」。「き(木)」「な(菜)」「た(田)」も植物・農作関係の語彙です。
 他にも「ひ甲(日、霊)」「ひ乙(火)」「け(食)」「こ(子)」「ま(間)」「み甲(水)」「よ(夜)」、動詞でも「す(為)」「く(来)」など、比較言語学の常識的な判断では外来の語彙とは考えにくい基本的な語彙にも単音節語があります。

 しかしながら、「あめつちの歌」(天地星空山川峰谷雲霧室苔人犬上末・・・)に典型的に現れているように、日本語の基礎語彙の多数派は、やはり2音節の単語であるように思われます。
 日本人は原初から単音節・多音節の別など気にしない民族だったのか?
 かつては中国語のように単音節言語だったが、原型をとどめぬほどに多音節言語の語彙が流入したのか?
 かつては多音節言語だったが、極めて基礎的な語彙に食い込むほど単音節言語の語彙が流入したのか?

 にわかには判断できかねますが、この「混ざりっぷり」から見て、日本語が何らかの形で単音節言語と多音節言語の混合言語であるとしても、その混交の時期は極めて古いでしょう。
 魏志倭人伝に出てくる倭人語(3世紀)は既に多音節語的特長を持っていますから、そういう言語交流が起こったとしても、その時期はざっと考えて、少なくとも今から3000年以上は遡った時期ではないでしょうか。
177名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/03(火) 22:20:21 0
日本語の語彙の基本的な音節数は2音節で、それに次いで1音節だろう。
3音節以上は後に複合語としてできたものが多いだろうが。
178名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/04(水) 06:12:31 0
>>176
>かつては中国語のように単音節言語だったが

古漢語(中国語)は始めから単音節語ではなかった。
先秦時代にはすでに大量の複音節語が存在した。
比較言語学という言葉を出すにしては其の事を知らないのは
どういうことか。念の為。

直匍匐而歸耳。(莊子)、匍匐前進の「匍匐」は先秦時代からあったwww
美人の例えの「立てば勺藥」、座れば牡丹・・・
「勺藥」は先秦時代の言葉。
詩經唐風「蟋蟀,刺晉僖公也。」
「闘蟋蟀」は北京の風物詩。
唐棣、流離、蝃蝀、蝤蠐、蒹葭、萑葦、町畽
崔蒐、芣苢、樸樕、騶虞、芄蘭、扶蘇、茹藘、
沮洳、蜉蝣、倉庚、菡萏、
邂逅、顛倒=転倒、婆娑、逍遙、參差、玄黄
他にも多数2字熟語がキリスト紀元前からあった。
179名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/04(水) 08:44:14 O
動詞にも単音節語根のものが結構ある。

有る/得る(あ)
いる・おる(を)
借りる/貸す(か)
超える/超す(こ)
足りる/足す(た)
成る/成す(な)
鳴る・鳴く(な)
乗る/乗せる(の)
干る/干す(ほ)
燃える/燃す(も)
寄る/寄せる(よ)

/は自他、・はその時の組み合わせ。

その他一段動詞に多数。
180名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/04(水) 19:59:37 O
間違えた。自他のセットじゃないのが混ざってるわ。
181名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/05(木) 18:13:07 0
古い形が一拍語だったのに多拍語が使われるようになった例

足:ア→アシ
榎:エ→エノキ (榎の木)
疫:エ→エヤミ (疫病み)
城:キ乙→シロ
蚕:コ→カヒコ→カイコ (飼ひ蚕)
粉:コ甲→コナ
籠:コ甲→カゴ
瀬:セ→アサセ (浅瀬)
背:ソ→セ→セナカ (背中)
麻:ソ甲→アサ
田:タ→タンボ
乳:チ→チチ
道:チ→ミチ
門:ト甲→カド
砥:ト→トイシ (砥石)
名:ナ→ナマエ (名前、近世)
根:ネ→ネッコ
182名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/05(木) 18:14:10 0
葉:ハ→ハッパ
羽:ハ→ハネ (羽根)
檜:ヒ→ヒノキ (檜の木)
氷:ヒ甲→コオリ (凍るの連用形
水:ミ甲→ミヅ→ミズ
身:ミ乙→カラダ
女:メ甲→ヲミナ→オンナ
雌:メ甲→メス
兄:イェ→アニ
枝:イェ→エダ
江:イェ→イリエ (入り江)
夜:ヨ甲→ヨル
猪:ヰ→→イノシシ (猪の猪)
井:ヰ→イド (井戸)
尾:ヲ→シッポ (尻尾)
男:ヲ→ヲトコ→オトコ (若子)
183名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/05(木) 19:11:26 O
ヲミナ(おんな)なんてヲ+ミ+ナだもんな。
最後のナはオトナのナと同根かな。
成る、成すと関係あるかも。
184名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/05(木) 19:19:24 0
音韻が単純化したから多拍語化が進んだのか、
多拍語化が進んだから音韻が単純化したのかどっちだろう。鶏と卵みたいなものだろうか。

上代特殊仮名遣いが崩壊すると区別できる音節の数が大幅に減るから、
一拍語が減少するのは不思議ではない。
185名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/05(木) 19:36:13 O
他言語の例を見ると前者の場合が多いけどな。
186名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/05(木) 21:05:46 O
日本語の変化の方向が一定とすると
過去にはかなり単音節的な言語だったという
ことにならないだろうか。
187名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/05(木) 21:08:36 0
3音節以上の語はほとんど複合語起源かもしれないが、
2音節語には基本的で分解できないものが大量にあるし、
みんな1音節語に遡れるとは思えない。
1音節、2音節語のみの言語ではあったかもしれないが。
188名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/05(木) 21:33:35 0
単音節ではなくて短音節か
189名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/06(金) 07:27:54 O
単音節言語だったと言ってるわけじゃなく
現在の日本語と比較して単音節言語的だったんじゃないかと言ってるんだが。
「せみ」「ふみ」等を見ると閉音節語にiを付けて開音節化しているが
これが大和言葉にも起きているとすると単音節語はさらに増える。
で動詞の活用形の中で連用形が最初に成立したとすると
四段動詞は閉音節語から上記の過程で生まれたんじゃないかとふんでるんだが。
190名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/06(金) 22:40:33 0
甲乙が開音節・閉音節の区別だったりして
191名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/06(金) 22:54:05 0
>>169>>181>>182を見ていて思ったんだが、
イ乙、エ甲乙、オ甲は、だいたい二重母音由来と考えていい。
しかも、今でも(伝統的な)関西弁がそうであるように、
単音節語はすべからく、
上代以来、母音がほぼ2倍長で発音されていたと推定される。

これらを考え合わせると、>>175の考えは、むしろ逆なんじゃないかと思う。
単音節語は、実はCVVの、「実質2音節」がデフォだったんじゃないか?
さらに遡れば、CV?V(?は声門閉鎖音記号の代わり)だったと考えてもいい。
?が消滅して、母音が連続するようになって、
母音融合から8母音が生まれた。(一応大野4母音仮説を前提とする)。
?ではなくて、「古いH」という考え方もあるだろう。
192名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 04:35:30 0
>>169 >>181-182 を見ていて思ったんだが、
イ乙、エ甲乙、オ甲は、だいたい二重母音由来と考えていい。
しかも、今でも(伝統的な)関西弁がそうであるように、
単音節語はすべからく、
上代以来、母音がほぼ2倍長で発音されていたと推定される。

これらを考え合わせると、>>175の考えは、むしろ逆なんじゃないかと思う。
単音節語は、実はCVVの、「実質2音節」がデフォだったんじゃないか?
さらに遡れば、CV?V(?は声門閉鎖音記号の代わり)だったと考えてもいい。
?が消滅して、母音が連続するようになって、
母音融合から8母音が生まれた。(一応大野4母音仮説を前提とする)。
?ではなくて、「古いH」という考え方もあるだろう。
193名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 11:13:58 0
「すべからく」の使い方が気になるがまあいいか…

2音節語が基本だったというのは同意できるが、
「1音節語がない」(1音節語が全て2音節語として発音されるとかじゃなくもっと根本的に)
ような言語って存在するんだろうか?
194名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 17:16:37 0
複合語起源で、複数の形態素に分けられると考えられる例

鐙(あぶみ) < 足踏み(あ|ぶみ)
礎(いしずえ) < 石据ゑ(いし|ずゑ)
泉(いずみ) < 出づ水(いづ|み)
営む(いとなむ) < 暇無む(いと|なむ)
蝗(いなご) < 稲子(いな|ご)*
古(いにしえ) < 往にし方(いにし|へ)
猪(いのしし) < 猪の獣(ゐ|の|しし)
諱(いみな) < 忌み名(いみ|な)
彩り(いろどり) < 色取り(いろ|どり)
巌(いわお) < 岩穂(いは|ほ)
承る(うけたまわる) < 受け賜る(うけ|たまわる)
団扇(うちわ) < 打ち羽(うち|は)
描く(えがく) < 絵掻く(ゑ|がく)
靨(えくぼ) < 笑窪(え|くぼ)
榎(えのき) < 榎の木(え|の|き)
概ね(おおむね) < 大旨(おほ|むね)
丘(おか) < 峰処(を|か)
諡(おくりな) < 贈り名(おくり|な)
陥る(おちいる) < 落ち入る(おちいる)
陥れる(おとしいれる) < 落とし入れる(おとしいれる)
乙女(おとめ) < 若女(をとめ)
男(おとこ) < 若子(をと|こ)
男(おのこ) < 男の子(を|の|こ)
面(おもて) < 面方(おも|て)
赴く(おもむく) < 面向く(おも|むく)
195名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 17:17:32 0
蚕(かいこ) < 飼ひ蚕(かひ|こ)
顧みる(かえりみる) < 返り見る(かへり|みる)
鏡(かがみ) < 影見(かが|み)*
芳しい(かぐわしい) < 香細し(か|ぐはし)
象る(かたどる) < 形取る(かた|どる)
傾く(かたむく) < 片向く(かた|むく)
雷(かみなり) < 神鳴り(かみ|なり)
蚊帳(かや) < 蚊屋(か|や)
兆し(きざし) < 気指し(き|ざし)
築く(きずく) < 城築く(き|づく)
絆(きずな) < 木綱(き|づな)
茸(きのこ) < 木の子(き|の|こ)
漱ぐ(くちすすぐ) < 口濯ぐ(くち|すすぐ)
轡(くつばみ) < 口食み(くつ|ばみ)*
轡(くつわ) < 口輪(くつ|わ)*
距(けづめ) < 蹴爪(け|づめ)
獣(けもの) < 毛物(け|もの)
志(こころざし) < 心指し(こころ|ざし)
志す(こころざす) < 心指す(こころ|ざす)
試みる(こころみる) < 心見る(こころ|みる)
快い(こころよい) < 心良し(こころ|よし)
梢(こずえ) < 木末(こ|ずゑ)
理(ことわり) < 事割り(こと|わり)
断る(ことわる) < 言割る(こと|わる)
196名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 17:18:07 0
杯(さかずき) < 酒坏(さか|づき)*
魚(さかな) < 酒菜(さか|な)*
魁(さきがけ) < 先駆け(さき|がけ)
挟む(さしはさむ) < 差し挟む(さし|はさむ)
幸せ(しあわせ) < 仕合はせ(し|あはせ)
鹹い(しおからい) < 塩辛し(しほ|からし)
躾(しつけ) < 仕付け(し|つけ)
簾(すだれ) < 簀垂れ(す|だれ)
背く(そむく) < 背向く(そ|むく)
薪(たきぎ) < 焚き木(たき|ぎ)
筍(たけのこ) < 竹の子(たけ|の|こ)
襷(たすき) < 手繦(た|すき)
奉る(たてまつる) < 立て奉る(たて|まつる)
七夕(たなばた) < 棚機(たな|ばた)
卵(たまご) < 玉子(たま|ご)
保つ(たもつ) < 手持つ(た|もつ)*
袂(たもと) < 手本(た|もと)*
頼る(たよる) < 手寄る(た|よる)*
司る(つかさどる) < 官取る(つかさ|どる)
培う(つちかう) < 土養ふ(つち|かふ)
唾(つばき) < 唾吐き(つ|ばき)
躓く(つまずく) < 爪付く(つま|づく)*
鎖す(とざす) < 戸鎖す(と|ざす)
擲つ(なげうつ) < 投げ打つ(なげ|うつ)
膠(にかわ) < 煮皮(に|かは)
鶏(にわとり) < 庭鳥(には|とり)
197名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 17:18:39 0
捗る(はかどる) < 計取る(はか|どる)
儚い(はかない) < 計無し(はか|なし)
謀(はかりごと) < 謀り事(はかり|ごと)
羽(はね) < 羽根(は|ね)
腸(はらわた) < 腹腸(はら|わた)
磔(はりつけ) < 張り付け(はり|つけ)
率いる(ひきいる) < 引き居る(ひき|ゐる)
庇(ひさし) < 日差し(ひ|さし)
酷い(ひどい) < 非道し(ひ|ど|し)
偏(ひとえ) < 一重(ひと|へ)
檜(ひのき) < 檜の木(ひ|の|き)
飢い(ひもじい) < ひ文字(ひ|もじ)
繙く(ひもとく) < 紐解く(ひも|とく)
再び(ふたたび) < 二度(ふた|たび)
酸漿(ほおずき) < 頬付き(ほほ|づき)
炎(ほのお) < 火の穂(ほ|の|ほ)*
前(まえ) < 目方(ま|へ)*
誠(まこと) < 真事(ま|こと)
瞬き(またたき) < 目叩き(ま|たたき)*
瞬く(またたく) < 目叩く(ま|たたく)*
睫(まつげ) < 目つ毛(ま|つ|げ)*
政(まつりごと) < 祭り事(まつり|ごと)
窓(まど) < 目戸(ま|ど)*
眼(まなこ) < 目な子(ま|な|こ)*
瞬き(まばたき) < 目叩き(ま|ばたき)*
瞼(まぶた) < 目蓋(ま|ぶた)*
見える(まみえる) < 目見ゆ(ま|みゆ)*
守る(まもる) < 目守る(ま|もる)*
198名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 17:19:21 0
帝(みかど) < 御門(み|かど)
湖(みずうみ) < 水海(みづ|うみ)
導く(みちびく) < 道引く(みち|びく)
孤(みなしご) < 身無し子(み|なし|ご)
源(みなもと) < 水な本(み|な|もと)
醜い(みにくい) < 見憎し(み|にくし)
蝕む(むしばむ) < 虫食む(むし|ばむ)
娘(むすめ) < 産す女(むす|め)
眼鏡(めがね) < 目金(め|がね)
用いる(もちいる) < 持ち率る(もち|ゐる)
弄ぶ(もてあそぶ) < 持て遊ぶ(もて|あそぶ)
櫓(やぐら) < 矢倉(や|ぐら)
縁(よすが) < 寄す処(よす|が)
蘇る(よみがえる) < 黄泉帰る(よみ|がへる)
199名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 17:20:21 0
暁(あかつき) < 明時(あか|とき)
妹(いもうと) < 妹人(いも|ひと)
補う(おぎなう) < 置き縫ふ(おき|ぬふ)
夫(おっと) < 男人(を|ひと)
弟(おとうと) < 弟人(おと|ひと)
大臣(おとど) < 大殿(おほ|との)
囮(おとり) < 招き鳥(をき|とり)
慮る(おもんぱかる) < 思ひ量る(おもひ|はかる)
神楽(かぐら) < 神座(かむ|くら)*
鍛冶(かじ) < 金打ち(かね|うち)
芳しい(かんばしい) < 香細し(か|ぐはし)
唇(くちびる) < 口縁(くち|べり)
硯(すずり) < 墨研り(すみ|ずり)
築地(ついじ) < 築き泥(つき|ひぢ)
一日(ついたち) < 月立ち(つき|たち)
汝(なんじ) < 汝貴(な|むち)
喉(のど) < 飲み門(のみ|と)
入る(はいる) < 這ひ入る(はひ|いる)
裸(はだか) < 肌赤(はだ|あか)
裸足(はだし) < 肌足(はだ|あし)
秀でる(ひいでる) < 穂出づ(ほ|いづ)
筆(ふで) < 文手(ふみ|て)
柳(やなぎ) < 矢篦木(や|の|き)
200名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 17:21:18 0
助動詞が付いた形や動詞連用形からの派生名詞など

改める(あらためる) < 新たむ(あらたむ)
慈しむ(いつくしむ) < 傅くしむ(いつくしむ)
戒める(いましめる) < 忌ましむ(いましむ)
生まれる(うまれる) < 産まる(うまる)
思惑(おもわく) < 思はく(おもはく)
氷(こおり) < 凍り(こほり)
相撲(すもう) < 争ふ(すまふ)
山車(だし) < 出し(だし)
塵(ちり) < 散り(ちり)
辱める(はずかしめる) < 恥づかしむ(はづかしむ)
林(はやし) < 生やし(はやし)
飯(めし) < 召し(めし)
201名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 20:50:14 O
>単音節語はすべからく、
>上代以来、母音がほぼ2倍長で発音されていたと推定される。

日本語が完全な単音節言語であった可能性は低いだろうが
その前提はおかしくないか?
上代の日本語はモーラ言語じゃないわけだし。
一拍語の長音化はむしろ後世の多拍化の一貫と考えた方が自然だ。
202名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 21:05:16 O
「産む」も「苔むす」「息子等の「むす」から考えて元は「む」だろうな。
203名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/07(土) 21:10:15 O
い+の+ち
み+な+と
お+き+な
お+み+な
を+み+な
み+や+こ
204名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/08(日) 20:02:20 o
をとこ むすこ ひこ
をとめ むすめ ひめ

をと、むす、ひ、
205名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/09(月) 00:20:51 0
>>94-101
琉球方言で甲乙の区別が残存している例が唯一あるとすれば、
「燃える」と「萌える」では。
(沖縄中南部でそれぞれme:yun, mi:yun)
206名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/09(月) 00:31:29 0
>>156
>エ段音とオ段音を混同するものはほとんどない。
沖縄方言でti:ci(<一つ)、hutisa(<太さ)、jiru(<いづれ)などがある。
207名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/09(月) 20:22:18 0
>>206
最後の例にはオ段もエ段もないような気がするが。
208名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/09(月) 21:38:07 0
>>205
アクセントの影響ではなくて?
209名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/09(月) 21:53:22 0
「モ」の甲乙って古事記にしかなかったはずだが
「萌ゆ」って古事記にあった?
210名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/12(木) 23:59:09 0
最近は上代特殊仮名遣いに関して何か新説が出たりした?
停滞してる状態?
211名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/13(金) 00:56:15 0
>>209 万葉集からしかない。モの甲乙不明。
212名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/22(日) 17:59:37 0
『万葉集』 巻五、巻一四、巻一五、巻一七、巻一八、巻一九、巻二〇の万葉仮名に出現する音節数

     ア段      イ段         ウ段      エ段          オ段    
           甲類  不明 乙類        甲類 不明 乙類  甲類 不明 乙類
ア行  1058      *809        *384       **10          *457    
カ行  1649  1159     **84  1036  *288     *200  *397     *695
サ行   *763        1908       *567      *299       *124     *293
タ行.   1129       *432       1047      *656       *114     1344
ナ行   1398       1854       *316      *337       **92     2093
ハ行   1288   *715     *109   *551  *230     *186      *441    
マ行  1248  *900     **88   *625  **74     *300      1792    
ヤ行   *620                  *422      *128        *178     *257
ラ行.   *974      *902        *776      *590        **40     *256
ワ行  *438      **48                  **74            *919    
ガ行  *765   *217     **60  *155  ***5     *104   **24     **98
ザ行   **82      **72        *197      **29       ***4      ***7
ダ行  *152      **78        *247      *176       **57      *237
バ行   *556   *169     **29  **92  **89     **63       **22    

音節数の合計41947
213名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/22(日) 18:10:31 0
各行の割合
ア行  2718 (*6.48%)
カ行  5508 (13.13%)
サ行   3954 (*9.43%)
タ行.  4722 (11.26%)
ナ行   6090 (14.52%)
ハ行   3520 (*8.39%)
マ行  5027 (11.98%)
ヤ行   1605 (*3.83%)
ラ行.  3538 (*8.43%)
ワ行  1479 (*3.53%)
ガ行  1428 (*3.40%)
ザ行  *391 (*0.93%)
ダ行  *947 (*2.26%)
バ行  1020 (*2.43%)

破裂音 17145 (40.87%)
破擦音 *4345 (10.36%)
鼻音   11117 (26.50%)
流音   *3538 (*8.43%)
母音   *2718 (*6.48%)
半母音 *3084 (*7.35%)

清音と濁音の割合
清音と濁音の対立がある音節の合計21490
清音カ・サ・タ・ハ行  17704 (82.38%)
濁音ガ・ザ・ダ・バ行 *3786 (17.62%)
214名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/22(日) 18:12:50 0
甲類乙類を無視した各段の音節の割合
ア段   12120 (28.89%)
イ段  *9633 (22.96%)
ウ段   *6415 (15.29%)
エ段  *3838 (*9.15%)
オ段   *9941 (23.70%)

甲類乙類を考慮した各段の音節の割合
ア段       12120 (28.89%)
イ段不明  *6103 (14.55%)
イ段甲類  *3160 (*7.53%)
イ段乙類  **370 (*0.88%)
ウ段       *6415 (15.29%)
エ段不明  *2299 (*5.48%)
エ段甲類  **686 (*1.64%)
エ段乙類  **853 (*2.03%)
オ段不明  *3631 (*8.66%)
オ段甲類  *1030 (*2.46%)
オ段乙類  *5280 (12.59%)
215名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/22(日) 18:14:13 0
イ段の甲類と乙類の対立がある音節の合計3530
イ段甲類  3160 (89.52%)
イ段乙類  *370 (10.48%)

キ合計 1243  キ甲類 1159 (93.24%)  キ乙類  **84 (*6.76%)
ヒ合計  *824  ヒ甲類 *715 (86.77%)   ヒ乙類  *109 (13.23%)
ミ合計  *988  ミ甲類. *900 (91.09%)   ミ乙類  **88 (*8.91%)
ギ合計 *277  ギ甲類 *217 (78.34%)   ギ乙類 **60 (21.66%)
ビ合計 *198  ビ甲類 *169 (85.35%)   ビ乙類  **29 (14.65%)


エ段の甲類と乙類の対立がある音節の合計1539
エ段甲類  *686 (44.57%)
エ段乙類  *853 (55.43%)

ケ合計 *488  ケ甲類 *288 (59.02%)  ケ乙類 *200 (40.98%)
ヘ合計 *416  ヘ甲類 *230 (55.29%)  ヘ乙類 *186 (44.71%)
メ合計 *374   メ甲類 **74 (19.79%)  メ乙類  *300 (80.21%)
ゲ合計 *109  ゲ甲類 ***5 (*4.59%)  ゲ乙類 *104 (95.41%)
ベ合計 *152  ベ甲類 **89 (58.55%)  ベ乙類 **63 (41.45%)
216名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/22(日) 18:15:13 0
オ段の甲類と乙類の対立がある音節の合計6310
オ段甲類  1030 (16.32%)
オ段乙類  5280 (83.68%)

コ合計 1092  コ甲類 *397 (36.36%)  コ乙類 *695 (63.64%)
ソ合計 *417  ソ甲類 *124 (29.74%)  ソ乙類 *293 (70.26%)
ト合計  1458  ト甲類 *114 (*7.82%)   ト乙類 1344 (92.18%)
ノ合計  2185  ノ甲類 **92 (*4.21%)  ノ乙類. 2093 (95.79%)
ヨ合計  *435   ヨ甲類 *178 (40.92%)  ヨ乙類 *257 (59.08%)
ロ合計 *296  ロ甲類 **40 (13.51%)  ロ乙類 *256 (86.49%)
ゴ合計 *122  ゴ甲類 **24 (19.67%)  ゴ乙類 **98 (80.33%)
ゾ合計 **11  ゾ甲類 ***4 (36.36%)  ゾ乙類 ***7 (63.64%)
ド合計. *294   ド甲類 **57 (19.39%)  ド乙類 *237 (80.61%)
217名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/27(金) 21:46:15 0
甲乙の区別が無い音節=イシジチヂニリヰ、衣セゼテデネエレヱ、オホボ(モ)ヲ

八母音説や七母音説の立場では、これらの音節の母音は、
甲類母音と乙類母音のどちらに近かったと考えられているのでしょうか?
218名無し象は鼻がウナギだ!:2009/02/27(金) 22:39:42 0
>>217
 森博達氏の推定では・・・
イ…[i](甲類型)、シ…[tʃi](甲類型)、ジ…[dʒi](甲類型)、チ…[ti](甲類型)、ヂ…[di](甲類型)
ニ…[ni](甲類型)、リ…[li](甲類型)、ヰ…[wi](甲類型)、イェ…[ye](甲類型)、セ…[tʃe](甲類型)
ゼ…[dʒe](甲類型)、テ…[te](甲類型)、デ…[de](甲類型)、ネ…[ne](甲類型)、エ…[əĕ](乙類型)
レ…[le](甲類型)、ヱ…[we](甲類型)、オ…[ə](乙類型)、ホ…[po](甲類型)、ボ…[bo](甲類型)
モ…[mo](甲類型)、ヲ…[wo](甲類型)、

 森説は中古中国語推定音価(+サンスクリットとの対照資料)に基いた、良くも悪くも実証主義的な方法による推定なので、思いがけない落とし穴もあるでしょう。
 例えば、上代日本語にドイツ語の ö のような前舌円唇母音があったとしても、推定の素材が中古中国語の核母音では、どこをどう押しても復元されてきません。
 しかし「一類(甲乙の区別がない)母音の音価は甲乙どちらに近かったか?」という疑問への回答、というレベルなら、氏一流の実証主義が幸いし、まず推定に大過はないものと見ていいと思います。
219名無し象は鼻がウナギだ!:2009/03/01(日) 13:00:35 0
>>218
ほとんどが甲類に近いと推定されているんですね。
ありがとうございました。
220名無し象は鼻がウナギだ!:2009/03/04(水) 22:58:39 0
>>205
琉球方言のその手の違いは5母音→3母音の流れの中で
同音衝突回避のために生まれた副産物の可能性も高いと思う。

神=カミ、甕=カーミ、亀=カーミー・・等
221名無し象は鼻がウナギだ!:2009/03/05(木) 02:44:04 O
オ段のデフォは乙類で、最初からあったのも乙類とする説との整合性は?
222名無し象は鼻がウナギだ!:2009/03/05(木) 20:25:33 0
ホ、ボ、モ、ヲは全て子音が唇音だから
母音が子音に引っ張られて唇の丸めを伴い
どうたらこうたら
223名無し象は鼻がウナギだ!:2009/03/15(日) 20:46:48 0
漢字が一音節ということがよくわからない。意味ある表意が一音節で表せるなんて不思議だ。
重母音も介在母音として数えるからではないか。英語でははまず意味がでることはない。
昆布は正しくはコブですか、コンブですかということがある。このことと同じことが日本語の一音節
と言われているのにもあるのではないか。一音節言語と仮定したらコンブのンは
切り捨てても意味がかわらないからという説明と同じだ。メはメエ、手はテエだったのが表記として
重母音をさけたのではないか。ハヒフは実際はファ、フィ、フウだから重母音表記としてさけただけではないか。
フア、フイ、フウと記してファ、フィ フゥと読んでいたものをハ、ヒ、フとしたらすっきりするという単純なことだった
のではないか。名はナアだがナと表記してナアと読んでいた。音節だけで捕らえると漢字は主母音の脇を固めている音
を切り捨てている。
コピーして考えた。
足:ア→アシ
榎:エ→エノキ (榎の木)
疫:エ→エヤミ (疫病み)
城:キ乙→シロ
蚕:コ→カヒコ→カイコ (飼ひ蚕)
粉:コ甲→コナ
籠:コ甲→カゴ
瀬:セ→アサセ (浅瀬)
背:ソ→セ→セナカ (背中)
麻:ソ甲→アサ
田:タ→タンボ
乳:チ→チチ
道:チ→ミチ
門:ト甲→カド
砥:ト→トイシ (砥石)
名:ナ→ナマエ (名前、近世)
根:ネ
224名無し象は鼻がウナギだ!:2009/03/15(日) 22:35:10 0
日本語でおk
225名無し象は鼻がウナギだ!:2009/03/27(金) 17:24:28 0
日 ヒ甲 降〜高低(二類)
氷 ヒ甲 低〜低低(三類)
杼 ヒ甲 昇〜低高(四類)
火 ヒ乙 低〜低低(三類)

上代特殊仮名遣いの区別とアクセントによって4種類の単語が相互に区別されていた。
このように音節やアクセントの種類が多ければ、数多くの単音節語を持つことが可能になる。
しかしその後、上代特殊仮名遣いの崩壊とアクセントの単純化により、
持つことができる単音節語の数が減少し、単音節語の多音節化が促されたのだろう。

例えば「氷」と「火」はアクセントも同じで、上代特殊仮名遣いの違いにより区別されていた最小対立の例だ。
ところが上代特殊仮名遣いの崩壊により、これらは発音上区別ができなくなった。
しかも意味分野も似ているため、文脈でも区別できない同音衝突を起こすようになった。
そこで、「氷」を表す元々の名詞形ヒを捨て、「凍る」(こほる)を名詞化して「こほり」と表すようになった。
例えば古今和歌集・恋(905年成立)には「春立てば消ゆる氷の残りなく君が心は我に解けなむ」という歌がある。
この歌は読み人知らずではあるが、遅くとも10世紀初頭までには「氷」(こほり)が成立していたことが分かる。
つまり上代特殊仮名遣いの崩壊から100年以内だ。

シとスの区別がなく、無アクセントである福島や茨城の方言では、
「梨」をキナス、「茄子」をハタナスと言ったり、「花」をハナというのに対し「鼻」をハナドと言ったりする。
それと同じように、発音やアクセントが単純化すれば語を長くする必要が出てくるのだ。
226名無し象は鼻がウナギだ!:2009/03/28(土) 00:08:20 0
誰か「檜」の意味のヒの甲乙が分かる人がいたら教えてくれ。
アクセントは四類のようだが。
227名無し象は鼻がウナギだ!:2009/03/28(土) 14:57:06 0
>>226

檜は万葉集175で「日」の字があてられているほか、枕詞の「あしひきの」がし
ばしば「足檜(木)乃」のように書かれている。「あしひきの」は「安之比奇能」
とも書かれる。したがって甲類(「杼」とおなじ)。

228名無し象は鼻がウナギだ!:2009/03/28(土) 20:18:11 0
>>227
おおサンクス。ていうことは「杼」と「檜」はアクセントまで同じ同音異義語だったってことか。
だから「檜の木」として多音節語化したんだろうか。
229名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/02(木) 14:22:06 0
上代特殊仮名遣いの甲乙に対応する区別かと疑われる例が沖縄方言に見られる件について。
キは沖縄方言では一般にチになるが、キ乙類に対応するものの一部がキのままで現れる。
例えば「木」「起きる」などである。これらはキー、ッウキーンなどになる。
一方、キ乙類を含む「岸」「霧」「茎」「月」「杉」はチシ、チリ、グチ、ツィチ、スィジとなる。
またキ甲類を含む「傷」がキジとなる。

ここで、以下のような説が出されている。
「上代語でキ乙類のもののうち、クと交替するものは首里方言ではチになり、コと交替するものはキになる」と。
確かに、「木」(き)は「木立」(こだち)、「木の葉」(このは)、「梢」(木末、こずゑ)、「木漏れ日」(こもれび)のようにコと交替するし、
「起きる」も「起こす」のようにコと交替する。
一方、「月」は「月読み」(つくよみ)のようにクと交替する。
ただ、他の例がよく分からない。
230名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/03(金) 00:49:33 O
test
231名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/03(金) 02:39:02 0
>>229
茎は「茎立(くくたち)」があるので問題ないでしょう。

杉がスグやスゴになる例はないようです。「ス(意味不詳)+木」の複合語だとす
れば sugo2 ですが、複合語でないとすれば有坂法則により sugo2 はあり得ま
せん。「直(すぐ)」と結びつける説もあるようですが……

霧は動詞の連用形由来で、松本克己氏は「気」が動詞化したものだと考えてい
ます。岸については何も思いつきません。形態素の最終音節以外にキ乙が出て
くる語って岸と霧しかないので、何とでも説明がつくような……
232名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/03(金) 03:10:59 o
>>229
その話題、ちょっと前にもどこかにレスられてたね。
233名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 15:53:27 0
琉球方言の起きるは下一段オケルで九州方言と共通、同様に落ちるもオテル

木はケで毛と同形(アクセントは考慮せず)、これはたしか万葉集東歌にもある
234名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 17:26:24 0
「木」に関しては完全に琉球語の祖形がケだと分かる。
イ段とエ段の母音が同じ首里方言で比較するから意味不明になる。
イ段とエ段が違う母音で現れる奄美方言や宮古方言、八重山方言で比較すればいい。
「木」は奄美方言で/ï/、宮古方言と八重山方言で/i/を持っている。
これはエ段に対応する。
235名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 19:44:14 0
     one    two    three  woman  human
上代語 /pitötu/ /putatu/ /mitu/  /me/   /pitö/
東京  /hitocu/ /hutacu/ /miQcu/ /oɴna/  /hito/
名瀬  /tʻïːcï/ /tʻaːcï/  /miːcï/  /wunaɡu/ /cʻu/
本部  /tiːci/  /taːci/  /miːci/  /jinaːɡu/ /cjuː/
平良  /pɿtiːcɿ/ /futaːcɿ/ /mɿːcɿ/ /midum/ /pɿtu/
池間  /sɿːcɿ/  /futaːcɿ/ /miːcɿ/ /miduɴ/  /sɿtu/
長浜  /pɿtiːcɿ/ /futaːcɿ/ /mɿːcɿ/ /midum/ /pɿtu/
多良間 /pɿtiːcɿ/ /futaːcɿ/ /mɿːcɿ/ /midum/ /pɿtu/
鳩間  /piːci/  /hutaːci/ /miːci/  /midumu/ /pusu/
与那国 /tʻuci/              /minuŋa/ /tʻu/
236名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 19:45:04 0
     bird  dog    tree leaf  flower   grass
上代語 /töri/ /inu/    /kï/ /pa/  /pana/  /kuca/
東京  /tori/ /ʔiɴ/    /ki/ /ha/  /hana/  /kusa/
名瀬  /turi/ /ʔinɡwaː/ /kï/ /haː/  /hana/  /kusa/
本部  /tui/ /iɴ/    /kiː/ /hwaː/ /hwanaː/ /kusaː/
平良  /tuɿ/ /iɴ/    /kiː/ /paː/  /pana/  /fusa/
池間  /tui/  /iɴ/    /kiː/ /haː/  /hana/  /fusa/
長浜  /tur/ /iɴ/    /kiː/ /paː/  /pana/  /fusa/
多良間 /tur/ /ina/   /kiː/ /paː/  /pana/  /fusa/
鳩間  /turu/ /iɴ/    /kiː/ /paː/  /pana/  /Qsa/
与那国 /tui/        /ki/ /ha/        /ca/
237名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 19:45:45 0
     blood   bone  ear   eye  nose   mouth
上代語 /ti/    /pone/ /mimi/ /më/ /pana/  /kuti/
東京  /ci/   /hone/ /mimi/ /mï/ /hana/  /kuci/
名瀬  /cʻï/   /hunï/ /miɴ/   /miː/ /hwana/ /kuci/
本部  /ciː/   /huni/ /mimiː/ /miː/ /pana/  /kuci/
平良  /cɿsɿ/  /puni/ /mim/ /miː/ /hana/  /fucɿ/
池間  /akacɿ/ /huni/ /miɴ/  /miː/ /pana/  /fucɿ/
長浜  /akacɿ/ /puni/ /mim/ /miː/ /pana/  /fucɿ/
多良間 /akacɿ/ /puni/ /mim/ /miː/ /pana/  /fucɿ/
鳩間  /siː/   /puni/ /miɴ/  /miː/ /pana/  /huci/
与那国 /ci/   /huni/      /mi/        /tʻi/
238名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 19:46:46 0
     tooth  tongue nail   hand  star   water
上代語 /pa/  /cita/ /tumë/ /të/ /poci/ /midu/
東京  /ha/  /sita/ /cume/ /te/ /hosi/ /mizu/
名瀬  /ha/  /sïba/ /cïmï/  /tï/ /husï/ /mïzï/
本部  /hwaː/ /sicjaː/ /cimi/  /tiː/  /husiː/ /mizi/
平良  /paː/  /sɿda/ /cɿmi/ /tiː/  /pusɿ/ /mizɿ/
池間  /haː/  /tʻa/  /cɿmi/ /tiː/  /husɿ/ /mizɿ/
長浜  /paː/  /sɿta/ /cɿmi/ /tiː/  /pusɿ/ /mizɿ/
多良間 /paː/  /sɿta/ /cimi/  /tiː/  /pusɿ/ /mizɿ/
鳩間  /paː/  /sita/ /simi/  /tiː/  /pusi/ /mizi/
与那国 /ha/  /tʻa/  /ɴmi/   /ti/      /miɴ/
239名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 19:48:52 0
     rain   river     sea     stone sand
上代語 /amë/ /kapa/    /umi/   /ici/  /cuna/
東京  /ame/ /kawa/   /umi/   /isi/  /suna/
名瀬  /ʔamï/ /koː/     /ʔumi/  /ʔisï/ /sïna/
本部  /ʔamiː/ /haːra/   /ʔumi/  /ʔisi/  /sina/
平良  /ami/  /naɡariɡaː/ /im/    /isɿ/  /mnaɡu/
池間  /ami/  /naɡariɡaː/ /im/    /isɿ/  /mnaɡu/
長浜  /ami/  /naɡariɡaː/ /im/    /isɿ/  /mnaɡu/
多良間 /ami/  /naɡariɡaː/ /im/    /isɿ/  /mnaɡu/
鳩間  /ami/  /kaːra/   /sunaka/ /isi/   /inoɴ/
与那国 /ami/                    /cina/
240名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 19:50:13 0
     fog     wind   fire   mountain night    year
上代語 /kïri/    /kazë/ /pï/   /jama/  /jo/     /töci/
東京  /kiri/    /kaze/ /hi/    /jama/  /joru/    /tosi/
名瀬  /kʻiri/   /kazë/ /mʻacï/ /jama/  /juru/    /tusï/
本部  /kiri/    /hazi/ /piː/   /jamaː/  /juruː/    /tusiː/
平良  /kɿː/    /kazi/ /umacɿ/ /jama/  /juɿ/     /tusɿ/
池間  /cɿː/    /kadi/ /umacɿ/ /jama/  /jui/     /tusɿ/
長浜  /cɿː/    /kazi/ /umacɿ/ /jama/  /junai/   /tusɿ/
多良間 /kɿː/    /kadi/ /umacɿ/ /jama/  /junaɡatu/ /tusɿ/
鳩間 /kiru//siru/ /kazi/ /piː/   /jama/  /juːru/    /tusi/
与那国 /ciri/    /kadi/ /ci/   /dama/  /du//duru/
241名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 19:51:23 0
     drink    bite    see   hear      sleep
上代語 /nömu/  /kamu/  /miru/ /kiku/     /nëmuru/
東京  /nomu/  /kamu/  /miru/ /kiku/     /nemuru/
名瀬  /numjuɴ/ /kamjuɴ/ /njuɴ/ /kikjuɴ/    /nïburjuɴ/
本部  /numuɴ/ /hamuɴ/ /miːɴ/ /kikuɴ/    /niɴbuɴ/
平良  /num/   /kam/  /miːɿ/ /cɿkɿ//kɿkɿ/ /niv/
池間  /num/   /kam/  /miː/  /cɿfu/     /njuː/
長浜  /num/   /kam/  /miːr/ /cɿcɿ/     /niQv/
多良間 /num/   /kam/  /miːr/ /kɿkɿ/     /ninir/
鳩間  /numuɴ/ /kamuɴ/ /miruɴ//sɿkuɴ/    /nibuɴ/
与那国       /kamuɴ/ /ɴnuɴ/ /kʻuɴ/
242名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 19:53:51 0
     die    cut   swim   fly     walk
上代語 /cinu/  /kiru/  /öjöɡu/ /töbu/  /ariku/
東京  /sinu/  /kiru/  /ojoɡu/ /tobu/  /aruku/
名瀬  /sïnjuɴ/ /kirjuɴ/ /ʔuɡjuɴ/ /tubjuɴ/ /ʔaQkjuɴ/
本部  /sinuɴ/ /kiːɴ/  /ʔuiɡuɴ/ /tubuɴ/ /ʔaQkuɴ/
平良  /sɿɴ/  /kɿsɿ/  /ujuɡɿ/  /tubɿ/ /aɿkɿ/
池間  /sɿɴ/  /sɿːcɿː/ /uːzɿ/   /tubi/  /aicɿ/
長浜  /sɿɴ/  /cɿː/  /uːzɿ/   /tubɿ/ /arfu/
多良間 /sɿɴ/  /kɿː/  /uiɡɿ/   /tubɿ/ /arkɿ/
鳩間  /sinuɴ/ /kisuɴ/ /uːɴ/   /tubuɴ/ /arakuɴ/
与那国 /ɴniruɴ/ /cuɴ/        /tubuɴ/
243名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 19:55:51 0
     push    throw      sew   say
上代語 /osu/   /naɡu/     /nupu/ /ipu/
東京  /osu/   /naɡeru/    /nuː/  /juː/
名瀬  /ʔusjuɴ/ /naɡjuɴ/     /nojuɴ/ /ʔjuɴ/
本部  /ʔusuɴ/  /naɡiːɴ/    /noːjuɴ/ /ʔjuɴ/
平良  /usɿ/   /tiv//naɡiɿ/  /nuː/   /aɿ/
池間  /usɿ/   /jai//tivvi/  /nuː/   /ai/
長浜  /usɿ/   /tiv//namar/ /nuː/   /aɿ/
多良間 /usɿ/   /jar/      /nuː/   /ɿː/
鳩間  /usukuɴ/ /naɴɡuɴ/    /nuː/   /azuɴ/
与那国 /utʻuɴ/  /naŋiruɴ/         /ɴduɴ/
244名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 19:58:46 0
     heavy    narrow   thin          red      white
上代語 /omoci/   /sebaci/  /ucuci/        /akaci/   /ciroci/
東京  /omoi/   /semai/   /usui/         /akai/    /siroi/
名瀬  /ʔubusjaɴ/ /ʔibasjaɴ/ /hisïsjaɴ/      /haːsjaɴ/  /sïrusjaɴ/
本部  /ʔubusjeɴ/ /ʔibasjeɴ/ /piQsjeɴ/      /ʔakasjeɴ/ /sirusjeɴ/
平良  /ivkaɿ/   /sibakaɿ/  /usɿkaɿ//pɿsɿkaɿ/ /akakaɿ/  /Qsukaɿ/
池間  /mbukai/  /imikai/   /Qsukai//pɿsɿkai/ /akakai/  /Qsukai/
長浜  /juvkar/   /sibakar/  /pɿsɿkar/      /akakam/  /Qsukam/
多良間 /ivsjaːr/   /sibasjaːr/ /piQsaːr//uQsaːr/ /akasjaːr/  /Qsusjaːr/
鳩間  /ɡuQfaɴ/  /sibaːɴ/  /pisaɴ/        /aɡaːɴ/   /Qsoːɴ/
与那国        /sibaɴ/                      /cudaːri/
245名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 22:11:27 0
>>229
その例よりも、上二段動詞の沖縄方言での活用形が語によってバラバラな点を突き詰めたほうがいいかと思う。
シジティ(過ぎて)のように、語幹が口蓋化するのに接続形が口蓋化しなかったりとか、
ひょっとしたらイ段乙類の名残なのかもしれない。
246名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 22:22:33 0
1. 沖縄では下一段化
起き 'ukiyun, 'ukiti
出来 dikiyun, dikiti
落ち 'utiyun, 'utiti
綴ぢ tudiyun, tuditi
下り 'uriyun, 'uriti

2. 1か3か不明
抉じ kujiyun, kujiti
 (「くじる(ラ行四段)」に由来するなら*kujicciとなりそうだが、
 そうならないので「こず(ザ行下二段)」に由来するらしい)
生ひ 'wiiyun, 'wiiti
強ひ syiiyun, syiiti
浴み 'amiyun, 'amiti
老い 'wiiyun, 'wiiti

3. 語幹が口蓋化するので下二段ではないが、接続形は口蓋化せず-ti
過ぎ sijiyun, sijiti
怖ぢ 'ujiyun, 'ujiti

247名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/05(日) 22:26:54 0
4. 他の活用に変わった
四段化
朽ち kucun, kucci
 cf.打ち 'ucun, ucci
忍び syinubun, syinudi

上二段→上一段→沖縄ではさらにラ行四段化
干 hwiyun, hwicci
嚔 hwiyun, hwicci
 cf.放り hwiyun, hwicci (ラ行四段)

上二段→上一段、沖縄でも上一段
坐 yiyun, yici
 cf. 見 nuun, nnci

5. よくわからん
尽き、凪ぎ、捩ぢ、恋ひ、黴び、媚び、錆び、詫び、恨み、悔い、報い、懲り、、
(これらの語のうちいくつかは、沖縄方言では動詞としては用いられず名詞としてのみ用いられるらしい)
248名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/07(火) 16:10:06 O
やっぱり首里方言や那覇方言だけで琉球方言を語るのは無理だよ。
東京方言だけで本土方言を語るようなもんだよ。
249名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/07(火) 16:33:27 0
特に九州方言との比較は欠かせませんね
250名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/07(火) 19:07:59 0
九州方言に上代特殊仮名遣いの痕跡が残っているとは思えないが
首里方言の考察をするなら少なくともイ段とエ段の母音の区別がある奄美方言と比較するべき
宮古方言や八重山方言も重要
251名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/07(火) 22:36:58 0
252名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/07(火) 23:42:11 0
そりゃある程度共通してる面もあるだろうが上代特殊仮名遣いとか
上代語以前の日琉祖語の解明に九州方言がさほど役立つとは思えん

その29ページの例だと九州で「起きる」の連用形がオケとなるように書いているが、
これは九州の一部で上二段活用が下二段活用に転じていることを示しただけであって、
これ自体は古いものではなく、普通に上二段活用と下二段活用を持っている地域もあるわけだし
上代語について語る際にはさほど意味のある情報とは思えない。

動詞の場合、甲乙の違いと活用形の違いの両方が関わっているから、
どちらでも説明しうる。本土方言で「活用の種類による変化の違い」として説明されているものも
「甲乙の違い」で説明することだってある程度は可能だ。
253名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/08(水) 22:45:53 0
>これは九州の一部で上二段活用が下二段活用に転じていることを示しただけであって、
>これ自体は古いものではなく、

その九州方言での改新が琉球方言にまで及んでいるとすれば、
それらの動詞は「日琉祖語」なるものを考える手がかりにはならないね。

個人的には、本当に古いものではないのか?って問題もある気がするが。
もしかしたら上代以前の近畿方言と九州方言の分岐にまで遡る問題かもしれない。
254名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/09(木) 01:26:46 0
本土方言では、動詞活用が五段動詞と一段動詞を軸に統合されているのに対して、
九州方言では、五段活用と下二段動詞を軸に統合される傾向がある。
これ自体は何ら不思議なことではなく、文語で所属動詞が多いのがこの2つだし、
自動詞と他動詞が五段と下二段のペアになっているものも多い。

九州全体で下二段活用はよく保存されているが、
上二段活用は豊日方言では下二段に転じる傾向があり、
肥筑方言と薩隈方言では上一段に転じる傾向がある。
また、一段活用が五段化する傾向が未然形に強く、次いで命令形にもある。

いずれにしろ、「上二段の所属語数が下二段より遥かに少ない」という状況は
全ての日本語方言が持っていたはずだから、九州方言と琉球方言で互いに無関係に
上二段が下二段に変化してもおかしくない。
255名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/10(金) 00:05:06 O
「起ける」の段階で半狭母音の狭母音化を受け「ウキン」になったのではないのか
256名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/18(土) 18:38:18 0
濁破裂音は、二つに分けていうほうがよいかも!
1)単独発音:破裂直前は鼻音、そして破裂
2)連続発音:破裂しなく、摩擦音になる
ただし、連続発音でも直前の音が「ン」なら語頭の類に属す
なぜそうなるのかというと:
ガダバ行を発音する際、
破裂するなら、その直前に30msぐらい口腔から音が出えないため、
鼻腔を使って発音せねばならぬ。
なのに「連続発音」の場合:
1一時的に鼻音に切り替えることが面倒い。
2清破裂音から音便してきた濁音、(歴史的は連濁、現在なら不正発音となる)
 もともと清音(鼻を使わない)だったから、音便していても当然鼻音は入れえない
 ならば摩擦音になるほかはない。
まとめれば、そもそも、濁破裂音と濁摩擦音とにわけるべきだった。
それと、濁摩擦音は、清音の変体で、清音と同じ表記を採るべき。
257名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/19(日) 12:01:09 0
凄く読みづらいし何を言っているのか分からない
258名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/24(金) 02:41:07 0
宮古方言や八重山方言を見ると、「落ちる」は明らかに「オテ」という形に対応する語幹を持っている。
エ段に対応する母音/i/が現れる。
やはり上二段が下二段化してから半狭母音の狭母音化が起きたと考えるのが妥当。
259名無し象は鼻がウナギだ!:2009/04/27(月) 02:32:57 O
「岸」は琉球諸方言ではどうなるんだろう。
「霧」は普通のキと現れ方が違うように見えるが。
260名無し象は鼻がウナギだ!:2009/10/04(日) 12:44:30 0
>>220
そういう類の長音化(沖縄方言に著しい)は、アクセントと関係が深いことが指摘されている。
261名無し象は鼻がウナギだ!:2009/12/08(火) 03:55:11 O
特殊スレあげ
262名無し象は鼻がウナギだ!:2010/01/05(火) 01:29:52 0
上がってないよ
263名無し象は鼻がウナギだ!:2010/01/07(木) 11:15:07 0
特殊だからじゃないかな
264名無し象は鼻がウナギだ!:2010/03/31(水) 06:50:49 0
上代音韻のミステリー 宮古島方言は上代音韻の原形である 砂川恵伸 ...
ttp://www.shinsensha.com/detail_html/01zinbun/1005-2.html
これってどんな感じなの?
265名無し象は鼻がウナギだ!:2010/03/31(水) 06:51:26 0
ググっても批判さえ見当たらない所を見ると、
そんな感じ?
専門家の肩から見て同なんでしょう?
266名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/01(木) 02:03:55 0
1965年琉球府立宮古高等学校卒業.
1972年広島大学医学部卒業.
1973年厚生連尾道総合病院勤務を経て、
1981年より沖縄県立宮古病院勤務(外科).
2001年2月同院を副院長で退職.
2001年2月より社会福祉法人・介護老人保健施設栄寿園勤務.
日本人の起源、日本古代史の探求をライフワークとする.

言語学者が探求心からライフワークで調べて書いた医学書みたいな感じじゃない?
267名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/01(木) 06:18:02 0
方言分野はこういう、他分野の専門家だとか高校教師だとか役場の職員だとかが
なんとなく興味を持ってて書いてみたみたいなアマチュア本が物凄く多いんだよなあ。
普通の方言学者が書いた本がそういうアマチュア本に埋もれていて可哀想。
アマチュア本にもまともなのが皆無だとは言わないけど、大抵は専門家から見るとトンデモだったり間違いが多々あったりする。
単に地元の方言の語彙を集めたぐらいだったら無害だけど、少しでも方言自体について書くとすぐ俗説が混じったりする。
268名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/04(日) 23:45:01 0
トンデモというか、帰納によって得られた仮説を無批判に演繹的に使うからおかしくなる
269名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/09(金) 00:23:52 0
まあでも,このくらいだったらまだ無害なほう。
本当に有害なのは,言語学の知識が無く方言学に入って,
どう考えてもトンデモ説を唱えてるのに,
大学の教授とかになってしまっている人たち。

言語学者が言葉を観察するときには,
化学者が化学反応を観察するように,
生物学者が生物を観察するように,行うべきだが,
こういう人たちは郷土愛をもとにそれを行う。
それでいて専門家を名乗ってるんだからたちが悪い。

日本中に○○方言は京都の古語がルーツだとか,
○○方言が東京方言になったのだとか,
そう主張している「専門家」がいるだろ。
270名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/09(金) 04:13:38 O
このサイトによると、ヤユヨだったらしい

古代8音
http://aiofvip.m.web.fc2.com/TO/aca/anc8vowel.html
271名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/09(金) 09:39:44 0
>>270
どこからツッコんでいいのかわからんなw
272名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/09(金) 10:55:26 0
いや、思考実験としてはなかなかおもしろいとおもうよ。

オ段以外は自信なさそうだけど、オ段乙がなぜ yo ではありえないのかを
考えてみるのは有意義だと思う。

273272:2010/04/09(金) 10:57:44 0
……と思ったけど、これじゃヨの甲乙の区別がつかないじゃないか。
274名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/09(金) 14:58:23 0
奈良時代にはすでに漢語が入ってきていた。
たとえば魚をギョと読んでいたはずだ。その時オ乙がyoならギョは
g+オ乙とみなされて、後の母音の推移にまきこまれ現代ではゴと発音していないとおかしいのではないか。
275名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/09(金) 23:32:36 0
>>216>>218の整合的説明が、何とも難しいな。
>>216を元にした大野晋などの古典的説である「基本4母音説」は、何とも魅力的だと思うんだが、
この説の根幹は、「オ段母音のデフォは乙類」ということなので、
>>218のような結果が出てしまうと、これと整合的に説明する必要が出てくる。

「すでに乙類デフォの基本4母音体系は、8世紀には崩壊過程にあり、
後舌のオ甲の母音つまり[o]に、順次統合される過程のさなかであった」

とするのがとりかえず簡明な解釈だが、
「太古来5母音説」(←俺は完全な電波説だと考えているが)の総攻撃を受けそうだな。
276名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 01:10:46 0
オ乙の方が数としては多いのにどうしてオ乙がオ甲のほうと同じ音価になったんですか。
オ甲のほうが数的に優勢なオ乙に取りこまれるのでは
277名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 02:32:20 0
>>276
俺は、融合母音として母音「エ」が出来たので(しかも2つも!)、
近接する「オ」の舌の位置が、どんどん後ろへ押し出されてしまった結果ではないかと考えている。
最初「オ甲」は、「ウ」の異音または「ウ+オ乙」の融合母音だった。
ところが、「オ乙」がどんどん後ずさりした結果、「オ甲」がこれを受け止めて続々と飲み込んでしまった。
278名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 05:06:15 0
甲乙の区分がいまいちわからないど素人なんだけど
イ甲エ甲オ甲が仲間で、乙類は乙類で仲間みたい区分なの?
それとも単に甲乙への割り振り方は適当なの?


>>264みたいな奈良時代以前に分岐したはずの沖縄方言との比較音韻とかから推測って出来ないの?
琉球祖語の再建ってされてるの?
279名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 05:08:01 0
>>97
要するに日本語の方が琉球語の古い特徴を残してるって感じなんか。
280名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 05:49:52 0
>>278
命名は適当。とくに甲同士・乙同士に関係があるわけではない。イとエは二段
活用に出てくるほうを乙、四段活用に出てくるのを甲(エは甲も乙も出てくる
が)にしたのだけれど、オは活用と関係ないし。

まあイ乙はアと、エ乙はウ・オに交替することが多いという点では共通する。
281名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 05:52:44 0
ありゃ最後の行はイ乙とエ乙が逆だ。ごめん。
282名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 09:20:29 0
>>279
どっちもどっち。
ハ行なんかだと琉球のほうが古いし,
母音なら日本のほうが古いし。
283名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 09:39:51 0
>>282
全体としては本土方言のほうが保守的だろうな。
本土方言は子音が多少弱化した程度で母音体系は平安時代以降あまり変化していない
琉球方言は半狭母音の狭母音化に連動して子音も大変化したりしてメチャクチャになってる
沖縄方言はまだ割と変化が少ないが宮古方言や与那国方言の変化は凄い
閉音節とか咽頭化音とか、全く新しい音がかなり発達していたりする

ただ分岐が奈良時代以前だから、本土では奈良時代に滅びたような音も残っている場合もある。
その中に上代特殊仮名遣いの痕跡が含まれる可能性は大いにある。本土方言には恐らく無い。
オ段の甲乙に関しては、琉球方言は基本的にオ段とウ段自体が合流してしまっているから難しいだろうが、
イ段とエ段は母音で区別を残している方言が多いし、子音で区別している場合もあるから、
その中に上代特殊仮名遣いに関する情報が残っている可能性は高い。
284名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 12:25:24 0
>>275

オ段甲類と乙類の違いを円唇性の有無に求める人は多いので、その
場合もともと子音が円唇的なホ・ボ・モ・ヲが甲類になるのは自然。

オ甲類の母音を wo, 乙類を o とする学者もあり、その場合はオが乙類、
ヲが甲類になるのは当たり前と言える。

285名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 12:39:18 0
>>284
その現象自体は否定しないけれど、それを「祖語来5母音説」の論拠のように語るのは、
明らかな電波説だと思うがなあ。
8世紀に於いて、より[o]に親和的な子音行から甲類に吸収されていったのは事実だろう。
だが、祖語来の母音音価として、5母音だとすると、母音調和の説明が出来ない。
森推定音で後舌[ɒ]となっているアと、口の動かし方の上で対立するためには、
どうしても、オ乙は、中舌より前でなければならない。
俺は、オ乙の本来の音価は、[ɶ](あるいは[œ])だと考えている。つまり完全に前舌。
おそらく千年程度の時を経て、オ乙の調音点は、「母音三角形を大横断旅行」した。
その最終段階が8世紀だったのだろうと思う。
286名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 15:28:21 0
>>280-281
長年の疑問が解けました。
ありがとうございます。
287名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 15:36:59 0
>>286
横レスだが、もうひとつ付け加えると、少なくとも圧倒的通説の音価によれば、
現代日本語のAEIOUの5母音(にきわめて近い音)に甲、異なる音に乙という命名がされているとも言える。
たまたま古代ローマのラテン語も、現代日本語と極めて近い5母音体系だったので、
ラテン文字を使って書いても、
「符号が要らないのが甲」、「(ウムラウトなどの)符号が要るのが乙」ということになる。
イ甲 i
イ乙 ï
エ甲 e
エ乙 ë
オ甲 o
オ乙 ö

おそらく偶然の結果だろうが、これが一番「覚えやすい」。
だが、音韻上、何か、共通の性質をもとに仲間分けをしているわけではない。
相撲の東西と同じで、チーム戦をしているわけじゃないということ。
288名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/10(土) 23:13:24 0
>>287
「上代特殊仮名遣い」を発見して「甲」と「乙」を付けた段階で、
それぞれの「甲」のほうが現在のイ、エ、オの音価に近そうだという目星は付いていたということ?
それともたまたま結果的にそうなっただけ?
289名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/11(日) 03:32:19 0
>>285
森説をお出しになったので悪乗りさせて頂きます。
森氏のように中古中国語の音韻を叩き台にして推定する場合、オ列乙類は、前舌円唇母音([œ]など)と考えても中舌ないし奥舌非円唇母音([ə]など)と考えても、ほぼフィフティー・フィフティーで成り立ってしまいます。

というのも、中古中国語(現代中国語も同じ)には前舌円唇母音自体が存在しなかったのですから、日本語に[œ]などの母音があったとしても中国人は[ə]などで代用音写せざるをえません。
(現にドイツの文豪 Goethe(ゲーテ)のoeような前舌円唇母音は、現代中国人は中舌/奥舌非円唇母音で音写しています。)

そこで、これは森氏自身は考察していないこと(のよう)ですが、「サ行」の子音の推定音価から問題にアプローチしてみます。
森氏の推定によれば、サ行の子音は、前舌母音(イ列一類、エ列甲類)の前では[tʃ]、中舌母音(ア列)の前では[ts]、奥舌母音(ウ列、オ列甲類)の前では[s]です。
そして、オ列乙類の前では[ts]と推定されています。

もしもオ列乙類が前舌円唇母音だった場合、サ行の子音は前舌性に引かれて[tʃ]となることが期待されないでしょうか?
にもかかわらず、上代日本語のサ行オ列乙類の子音が[ts]と推定されるということは、オ列乙類は中舌的な[ə]であった、という推定に有利であるように思われます。

オ列乙類がオェだったかエォだったかは、ほとんど同格で成り立つ極めて微妙な推定になるのですが、私は以上の理由もあり、ギリギリで非円唇的な[ə]ないしその類似音であったと考えています。
290名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/11(日) 08:31:11 0
>>289
8世紀時点の共時分析なら、それで問題ないんじゃないかと思う。
俺が気にしているのは、むしろ8世紀から遡って考える通時分析なんだ。
「基本4母音」の、祖語来の音素体系的構造であって、
大野は、Y字型を推定していたが、俺は四角形なのではないかと考えている。
「ア/オ乙」が、それぞれ「後舌/中舌または前舌」で対立すると考える。
現実の音声では前舌というのは言い過ぎかもしれないが、意図としてはこんなところ。

これが認められれば、太古来5母音説的発想に対しては致命的一撃になる。
Y字なら、まだ存立の余地があり得るが、四角形だと言われると、五母音説には存在の余地が全く無い。
>284などの、woとoなんてのも、絶対にあり得ないことになる。
俺が太古来5母音説を、本来なら「ムー」にでも寄稿されるべきオカルト電波説だと言いきるのは、
この考え方が前提にあるから。
291名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/11(日) 14:25:42 0
現存する言語で、円唇前母音と平唇後母音が対立している例はあるのか?
292名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/12(月) 18:13:21 0
>俺が太古来5母音説を、本来なら「ムー」にでも寄稿されるべきオカルト電波説だと言いきるのは、
>この考え方が前提にあるから。
その理論の正しさは誰が保障してくれるんだ?
というか別に正しいか間違ってるかはともかく、学者なら誰もが認めるとかじゃなく
貴方の個人的仮説を根拠にムー並みとかないよ。
293名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/12(月) 21:57:37 0
>>291
[ɯ]と[y]の対立があるトルコ語はそれに含めていいと思います。
294名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/13(火) 00:11:55 0
a,i,u,e,o,ö,ü,ıと母音がきっちりそろってるトルコ語の例をもって
a,i,u,ö[œ]を信用しろっていうのは無理があるだろ。
öが中途半端に浮いている。
295名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/13(火) 01:27:14 0
a i u yの四母音体系は有りそうなきがするけど
a i u "oe" はどうもなぁ
296Youwee:2010/04/21(水) 18:50:30 0
上代多母音説(6母音・7母音・8母音)は虚妄で、日本語は遙か昔から5母音です。
現代日本人、特に関西方言話者は、奈良時代と全く同じ法則に基づき、2種類のO母音を「条件異音(conditional allophone)」として発音仕分けていることは、音声学的に実証できます。
http://www.ops.dti.ne.jp/~kanpon/Yuppies/Haku-Jodai/6shou/6shou
(イ・エ段音の乙類は服部四郎や松本克己等が言うように、合成母音・二重母音・渡り音などです)
では、何故、「記紀万葉」に於いて、日本人自身が聞き分けられない「条件異音」が書き分けられていたのでしょうか?
それは、600年代後半〜700年代前半に、「史」として「記紀万葉」の編纂に当たっていたのは、663年の「白村江の戦い」の後、日本に大量亡命してきた朝鮮語を話す百済人一世・二世達だったからです。
ちなみに朝鮮語には母音が8つあり、就中、日本人には聞き分け不能の/┻/・/┫/という2種類の/O/母音があります。
また、何故700年代後半から、上代特殊仮名遣いは急速に崩壊してゆくのでしょうか?
それは、白村江から90年程経過し、朝鮮語をネイティブとして話せる白村江帰化人2世(早期の3世)達が死に絶え、日本語しか話せない3世・4世世代に移行してゆくからです。
297名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/21(水) 21:36:08 0
日本語の古代音韻の話をするのに、韓国朝鮮の連中って、何で韓国語の現
代語音との比較を持ち出すんだ? 韓国朝鮮語の音は、1400年間、変化し
てないわけ??
298名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/22(木) 00:49:11 0
>>296 >>それは、600年代後半〜700年代前半に、「史」として「記紀万葉」の編纂に当たっていたのは、663年の「白村江の戦い」の後、日本に大量亡命してきた朝鮮語を話す百済人一世・二世達だったからです。

・・・日本書記の編纂には白村江での唐人捕虜2名が当たっていた記録はあるが、朝鮮人の記録は無い。
299名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/22(木) 01:25:07 0
現代朝鮮語のeoは新羅語のeで日本語のエ段で転写された。
テラ(寺)がチョル、セマ(島)がソムになった。
2種類の/O/なんて日本語が八母音云々と言われていた頃はなかった。
コム(熊)は遡ってもコムとして転写されている。
現代朝鮮語の自称8つの母音のうち2つはeiとaiで元二重母音。
ハングル創製時の中世朝鮮語ではa,e,o,u,eu,i,@の七つが基本母音。
こんなの朝鮮語を語る上で超基本知識。
300Youwee:2010/04/22(木) 02:47:55 0
>韓国朝鮮語の音は、1400年間、変化してないわけ??
日本語も朝鮮語も1300年間殆ど変化していません。
http://www.ops.dti.ne.jp/~kanpon/Yuppies/Haku-Jodai/HP
↑の右にある朝鮮語と中国各地方言による万葉集の発音をお聞きください。
(サーバーの容量の関係でこれ以上動画がアップできません。今容量を拡げる手続きをしており、広がったらもっとアップします)

>・・・日本書記の編纂には白村江での唐人捕虜2名が当たっていた記録はあるが、朝鮮人の記録は無い。
812年に成立した「新撰姓氏録」等の研究から、奈良時代以往の「史」姓を持つ氏族は、ほぼ100%帰化人氏族、というのは古代史学界では動かしがたい定説です。
森博達説でば、日本書紀α群を書いたのは薩弘格・続守言等の中国人ですが、その森氏はβ群を書いたのは「山田史三方」だとしています。「史」姓なら帰化人に決まっており、中国人でないなら朝鮮人に決まっています。
このことは↑の本の第二章に詳しく書いてあります。

>ハングル創製時の中世朝鮮語ではa,e,o,u,eu,i,@の七つが基本母音。
こんなの朝鮮語を語る上で超基本知識。

こんなことも知らないで本を書くとでも思ってるのですか?
このことについては、↑の本の第七章に詳しく書いてあります。
301名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/22(木) 03:27:14 0
なるほど
302名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/22(木) 20:16:01 0
朝鮮語かどうかはともかく外国人が条件異音を書き分けちゃったって説は面白い。
303名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/22(木) 21:50:00 0
>>302
確かに、イヨンヒの「日本語の真相」と同じで、ロマンあふれるSF小説としては面白いよなあw

せっかくまちこがれた「本人様」または「自称代理人様」が降臨あらせられているので、
ゆっくり楽しむこととしよう。
一流の物理学者でさえ、「相対性理論なんてない」という説を論破するのに、
意外に手こずっているわけで、
こういう説を相手にするのは、結構難しい。いい頭の体操になるw
イヨンヒをじっくり弄んだ金田一博士の気分をすこしだけ味わえるかもしれない。

さてと。まずは正攻法でいくか。
有坂第三法則のその説明は、一体何だい??>>300


304名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/22(木) 22:07:18 0
>日本語も朝鮮語も1300年間殆ど変化していません。

何を言っているんだ。朝鮮語はめちゃくちゃ変化している!
まず特筆すべきことは古代語で2音節だった音から末母音が抜けて1音節になっている現象が一つ。
母音の音価もハングル以後はもちろん以前はそれ以上に変わっている。
子音もβがwや0子音に変化してハングルの軽唇音ビウプが使われなくなっている。
1を意味するhanaなんて新羅語の復元音はhɔtɔnだぞ。音韻が全然別物になってる。

一方で日本語は七母音がなかったとすればハ行とワ行の子音が語中で無くなったのと四つ仮名と「ん」の出現以外は音韻上の変化は見られない。
305名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/22(木) 22:07:46 0
有坂法則があるオ段はともかく、そういうのが全くなく、文法要素にも明確に関係しているイ段とエ段は、
条件異音として処理するのはどうやっても無理だろうと思うんだが。最小対立もいっぱいあるし。

オ段も夜(ヨ甲)と世・代・四(ヨ乙)みたいな最小対立があるし、
ア段もウ段もオ段も同一語根に共存しない場合(有坂法則が使えない場合)に
甲と乙のどちらになっているかは全く予測不可能で、やはり条件異音として説明するのは無理だろう。

条件異音というのは、母語話者に気づかれることなく、音韻的環境によってのみ決まるものだろう?
ということは、それによって語を区別する最小対立があったり、それによって文法的機能を区別することがあってはならないわけだ。
そういう例があったら、その時点で条件異音という関係は崩れ、異なる音素になっていることになる。

上のサイトはFirefoxだと「攻撃サイトとして登録されています!」と表示されたので読んでないけどさ
こんな表示初めて見たよw
306名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/22(木) 23:17:39 0
でも8母音の前はa,i,u,øの4母音というのもそれと同レベルに無理があると思うんだが。
307名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/22(木) 23:48:02 0
>>306
俺はむしろ、奈良時代の体系から内的再構すると4母音体系に行き着かざるを得ないと思う。
大野晋がボケる前に行った、奈良時代の母音体系の考察には説得力がある。

ア、イ甲、ウ、オ乙の出現頻度がイ乙、エ甲、エ乙、オ甲よりずっと高いこと、
前者4つは形態素に連続して現れる頻度がかなり高いが後者4つはほとんどないこと、
被覆形のイ乙、エ乙がそれぞれ露出形のウ、アと対応する例がかなり多いことなどは否定しようがない事実。

イ乙、エ甲、エ乙、オ甲が母音融合で成立したと考えるとすっきり説明できる例はかなりある。
もちろん全ての例が説明できるわけではないが、文献記録が上代特殊仮名遣い崩壊直前の
1〜2世紀ほどしかないことを考えると無理もない。

現代語ですら、エ段で始まる語は他の段に比べてかなり少なく、偏りがはっきり見られる。
奈良時代になると偏りはさらに顕著になる。最初からアイウエオが対等な5母音体系だったというのはかなり信じがたい。
308Youwee:2010/04/23(金) 17:40:10 0
>305
人の意見はよく読んでから反論してくださいね。(^^)
私が条件異音だと言っているのは、オ段甲乙だけであって、
>(イ・エ段音の乙類は服部四郎や松本克己等が言うように、合成母音・二重母音・渡り音などです) 296
と言っているでしょう。

>オ段も夜(ヨ甲)と世・代・四(ヨ乙)みたいな最小対立があるし、
>ア段もウ段もオ段も同一語根に共存しない場合(有坂法則が使えない場合)に
>甲と乙のどちらになっているかは全く予測不可能で、やはり条件異音として説明するのは無理だろう。

現代関西人もちゃんと「夜」と「世」を甲類・乙類で発音し分けています。(^^)
http://www.ops.dti.ne.jp/~kanpon/Yuppies/Haku-Jodai/6shou/6shou-2
http://music.geocities.jp/konatarosu/OnseiSumple/301Yo

但し、関西人はアクセント(音程)の違いとしてそれを聞き分け、発音し分けているのであって、
アクセントの副産物としての母音の違いには全く気づいていませんから、この母音の違いは「条件異音(conditional allophone)」です

関西人がアクセントの違いには気づいていても、母音の違いに全く気づいていない何よりの証拠が、「夜」と「世」、「駒」と「狛」、「白」と「代」などの31組の最小対立を突きつけて
松本5母音説の攻撃の急先鋒に立っている釘貫亨氏。
この釘貫氏は実は和歌山県出身で、京都教育大学卒の関西方言話者。(私も一度話をしたことがあるのでそれは確かです)
オ段甲乙の研究に没頭している人が、自分や身の回りの関西人が「夜」と「世」を別の母音で発音し分けていることに気づいていないのですから、間違いなしにこれは発話者自らに全く自覚のない「条件異音)」(^^)

というわけで、こんなオメデタイ方の数え上げている最小対立なんぞいくら振り回しても、私の説への反論にはなりませんので、悪しからず。
309名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/23(金) 18:20:31 0
>>308
アクセントによってオの母音が(しかも現代語でも!)違うとか、物凄い珍説だな
一体どう違うのか、ちょっと発音記号で書いてほしいもんだ
310名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/23(金) 18:38:02 0
あと、上代特殊仮名遣とアクセント(院政時代の京都アクセント)を比べてみたが、
やっぱり全然対応関係がない。

>>308の主張だと、アクセントの違いにより副次的な要素としてオの音色の違いが生じたということになるが、
上代特殊仮名遣が同じなのにアクセントが違う例、逆にアクセントが違うのに上代特殊仮名遣が同じ例がいくらでもある。
>>308の説なら上代特殊仮名遣とアクセントには対応関係が見られるはずだが、実際には互いに無関係。
311Youwee:2010/04/23(金) 22:12:07 0
>309
>アクセントによってオの母音が(しかも現代語でも!)違うとか、物凄い珍説だな
>一体どう違うのか、ちょっと発音記号で書いてほしいもんだ

そんなに発音記号が好きなら、これ見て自分で書け!

http://music.geocities.jp/konatarosu/OnseiSumple/302Yochi
312Youwee:2010/04/23(金) 22:49:26 0
>309
追伸
上に挙げた映像サンプルだけでは、発音記号に直す時間が足りないかもしれませんので、
ゆっくり発音記号に直せる映像をUPします。(^^)
なんと親切な投稿者なんでしょ、私は。ホホホ・・・・

http://music.geocities.jp/konatarosu/OnseiSumple/akikawa
313名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/23(金) 23:10:57 0
どうでもいいけど、 sample の綴りが違うな。
314名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/23(金) 23:54:08 0
なにをしたいのかよくわからんが、拡張子がないから落とせないぞ
315名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/24(土) 00:08:42 0
アクセントによってオの母音が現代語で違うという電波
316名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/24(土) 01:40:57 0
さっきからYouweeとやらの挙げるサイトが「攻撃サイトとして登録されています」と出まくる件
317名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/24(土) 02:02:47 0
件名はいいから本文を書いてくれ
318名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/24(土) 06:18:33 O
アクセントによって母音の音色が多少違うことはあるかもしれないが、上代語のオの甲乙がそれで説明できないことは全く >>310 が言っているとおり。
「よういわんわ」と「ようちえん」は「ヨー」の例であって、「ヨ」の例ではない。
歌曲の発音は通常の言語とは違うから根拠にならない。
319名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/24(土) 12:02:13 0
イ段、エ段については合成母音・二重母音・渡り音で5母音だと言っているということは、
イ乙、エ乙もアイウエオの組み合わせで説明できるということになるが
一体どういう組み合わせを想定してるんだろうか
アイ?イエ?オイ?イウ?エイ?
320名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/24(土) 21:45:11 O
重母音は単母音とは違う音素だから、イ乙・エ乙が重母音だったとしても、5 母音ということにはならない。
あるいは、上代語では「身」「木」「目」はそれぞれ「ムイ」「コイ」「マイ」という 2 音節語だったと考えるかだろう。しかしそれは母音連続を嫌うという上代語の特徴と矛盾する。
321Youwee:2010/04/25(日) 03:51:43 0
>310・318
じゃあこれはどうなるんですか?

関西方言「夜」(甲)と「世」(乙)・・・上代多母音説論者の最大論拠 
http://music.geocities.jp/konatarosu/OnseiSumple/301Yo
平安時代の京都方言では、夜がL、世がHであることは証明されている
(日本語アクセント史総合資料:東京堂出版)

関西方言「白」(甲)と「城(代)」(乙)
http://music.geocities.jp/konatarosu/OnseiSumple/304siro
「白」(名詞)のアクセントは解らないが、「代」はHHであったことが証明されている

322Youwee:2010/04/25(日) 03:53:07 0
その他、釘貫亨が、甲乙が意味弁別に機能していると主張している31組の単語対のうち、

 よ(夜)L /よ(代・四・世)H  (以下7組も同様)
あらたよ(新夜)/あらたよ(新代) ももよ(百夜)/ももよ(百代)
  いくよ(幾夜)/いくよ(幾代)  ちよ(千夜)/ちよ(千代)
  とこよ(常夜)/とこよ(常代)  ひとよ(一夜)/ひとよ(一代)
   ふたよ(二夜)/ふたよ(二代) 
 ほと(程)HL/ほと(陰)HH   こなた(墾田)LLL /こなた(此方)HHX
 しろ(白)HL/しろ(代)HH   みそ(三十)HL/みそ(御衣)HH
が平安時代のアクセントが判明しており、甲=L 乙=H 一致しています。

また、
単音節名詞の強調(強調による自由異音)で説明できるもの
そ(麻H・十L)/そ(衣H・其H) こ(籠L・子H・粉L)/こ(此H・木L)
の(野)/の(箭) よそ(四十)HL/よそ(外)HL こも(海蓴)HH/こも(菰)HH  
と(外、門、処)/と(跡・十)・・「跡」(ト)は歌で字余りを防ぐ「アト」の省略。「アト」はLHであり、省略の際も「ト」のHアクセントは保存される。
323Youwee:2010/04/25(日) 03:54:17 0
釘貫が挙げている31組のうち、今のところ説明がつかないのは次の11組だけ
名詞
たごし(手逓伝)LLL/たごし(手輿)LLH  こま(駒)HH/こま(狛)
LH  ことど(未詳)/ことど(事跡) となみ(門浪)/となみ(鳥網)
動詞
こふ(恋)LF/こふ(乞)LF  こむ(侵)LF/こむ(籠)LF 
こゆ(超)HL/こゆ(臥)LF  そる(隆)LH/そる(剃)LF 
とく(着)/とく(解)LF   とふ(問)HL/とふ(誂)
とむ(富)/とむ(止)

名詞の中にはアクセントと甲乙が矛盾するものがありますが、
最近の「平板化」「語尾挙げ」「半疑問型」などを見ればわかるように
アクセントは比較的容易に変化するし、同じ方言でも一つの単語アクセントが隣村同士で異なるということはよくあります。

また、動詞は、たとえば標準語では「食べる」はLHLですが、「食べた」になるとHLLになるように
終止形と活用形ではアクセントが異なることがよくあります。

これは、名詞でも複合語になるとアクセントが変わるのと同じ。
「白」(甲)と「白妙」(乙)・・・松本克己が指摘している甲乙の混乱
http://ime.nu/music.geocities.jp/konatarosu/OnseiSumple/305sirotae

「記紀万葉」で動詞が終止形で用いられていることは殆どないのであり、
終止形に於ける甲乙とアクセントが矛盾しているからといって、それだけでアクセント説を否定する根拠にはなりません。

いずれにせよ、多母音説論者の最大の拠り所である「夜」と「世」は、
現代関西人も明確に甲乙で発音し分けていると言う事実があるのであって、
もはや多母音説の根拠としては通用しません!!
324Youwee:2010/04/25(日) 03:55:53 0
>あと、上代特殊仮名遣とアクセント(院政時代の京都アクセント)を比べてみたが、
やっぱり全然対応関係がない。

実例も示さず、ご託並べたって誰も信用しませんよ(^^)
文句があるのなら、全ての用例を調べ上げて、一致率・不一致率を出して統計的有意性の検定でもしてください。
言っておきますが、私はアクセントだけでオ段甲乙を説明しているのではありません。
有坂第二・第三法則も例外まで含めてちゃんと説明しています。
と言うことは、有坂が提示している何百という用例を全て説明したということです。
一つや二つのアクセントと甲乙の矛盾を発見したからと言って、膨大な数の一致がある以上、
そんなものは「奈良時代と院政期でアクセントが変化したんだろう」
「奈良や大阪と京都ではアクセントが違ったんだろう」で済んでしまいますからね(^^)

>320
>重母音は単母音とは違う音素だから、イ乙・エ乙が重母音だったとしても、5 母音ということにはならない。
>あるいは、上代語では「身」「木」「目」はそれぞれ「ムイ」「コイ」「マイ」という 2 音節語だったと考えるかだろう。しかしそれは母音連続を嫌うという上代語の特徴と矛盾する。

あなたは「キック」と「クィック」、「いんどう」と「ウィンドウ」、「エバ」と「ウェバ」と「イェバ」
といったものを聞き分けられず、発音し分けられないんですか?
現代人がこういった二重母音を発音しているからと言って現代語に7つも8つも母音があることにはならないように
奈良時代にそういう発音をする単語があったとしたって、それで7つも8つも母音があったことにはなりません。(^^)
325名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 08:41:28 0
意味の弁別に役立っているかどうかは、実は重要ではない。
役立っていたかどうかわからないものも含めて、上代語ではオ列の甲乙が厳格に書き分けられている。
それらのすべてについて、「甲=L、乙=H」でなければ説明にならない。

>>322
> 単音節名詞の強調(強調による自由異音)で説明できるもの
甲乙は形態素ごとに決まっており、自由変異はない。説明にならない。

>>323
> 名詞の中にはアクセントと甲乙が矛盾するものがありますが、
> 最近の「平板化」「語尾挙げ」「半疑問型」などを見ればわかるように
> アクセントは比較的容易に変化するし、同じ方言でも一つの単語アクセントが隣村同士で異なるということはよくあります。
甲乙の書き分けはきわめて揺れが小さい。
アクセントには揺れがあっただろうと推定されるなら、それによって揺れのない現象を説明することはできない。

>>324
> 言っておきますが、私はアクセントだけでオ段甲乙を説明しているのではありません。
> 有坂第二・第三法則も例外まで含めてちゃんと説明しています。
説明原理が多いというのは、仮説として劣っている。「5 母音ありき」から出発するからそうなるのだ。
母音が違ったと説明すれば 1 発で解決する。
326名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 08:47:41 0
>>324
> あなたは「キック」と「クィック」、「いんどう」と「ウィンドウ」、「エバ」と「ウェバ」と「イェバ」
> といったものを聞き分けられず、発音し分けられないんですか?
> 現代人がこういった二重母音を発音しているからと言って
[c (〜k)] と [kw]、ゼロと [w]、ゼロと [w] と [j] という子音の違いがあるだけ。
「二重母音」などどこにもない。
327名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 10:22:22 0
日本語に/kw/などという子音連続があるというのかい?

モーラで分ければ「ク・イ・ッ・ク」、二重母音というよりも母音連続だな。
ウィンドウも、4モーラで発音するより「ウ・イ・ン・ド・ウ」と5モーラで発音する人のほうが多いだろう。
音声上は二重母音かもしれんが、日本語の音韻上はウとイが単に続いたものにすぎん。
328名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 10:56:39 0
>>327 その考え方だと >>320 と同じことになる。
「キ」と「クイ」、「イ」と「ウイ」、「エ」と「ウエ」と「イエ」の対立。
そんなものが上代語にあったとは考えにくい。
329名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 11:05:11 0
Youweeがイ段・エ段乙類を「合成母音・二重母音・渡り音」と考えているのは分かったが、
具体的にどういう音だったと想定しているのか?それを説明してくれ。
330名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 11:15:29 0
オ段を含む語の上代特殊仮名遣とアクセントを書き出してみたが、
分からない語が大量にあるので補足よろしく。とりあえず名詞だけ

子 コ1 高高
粉 コ1 低低
籠 コ1 低低
蚕 コ?  ?
麻 ソ1 高高
十 ソ1 低低
息 ソ1 ?
背 ソ2 ?
戸 ト1  ?
外 ト1  ?
門 ト1  ?
利 ト1  ?
速 ト1  ?
鳥 ト2  ?
砥 ト?  低低
野 ノ1 低低
帆 ホ  高高
穂 ホ  低低
藻 モ2 高低
裳 モ2 低高
夜 ヨ1 低低
世 ヨ2 高高
代 ヨ2 ?
四 ヨ2 ?
緒 ヲ  高高
尾 ヲ  低低
男 ヲ  ?
331名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 11:16:17 0
跡  アト1  低高
青  アヲ   低降
磯  イソ1  ?
糸  イト1   低高
五百 イホ   ?
妹  イモ1   ?
芋  イモ?  低低
色  イロ2  低低
魚  イヲ   高高
嘘  ウソ1  ?
沖  オキ1  ?
奥  オク   ?
音  オト2   高低
弟  オト2  ?
鬼  オニ  低低
己  オノ2  ?
帯  オビ1  低高
面  オモ?   ?
親  オヤ  低低
332名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 11:17:24 0
水手 カコ1  低降
籠  カゴ?  高高
門  カド1  高低
角  カド?  低高
顔  カホ   高高
鴨  カモ1   低低
肝  キ1モ1 低低
糞  クソ1  低低
雲  クモ1  低低
黒  クロ1  低降
苔  コ?ケ2  低低
此処 コ2コ2  ?
腰  コ2シ   高高
籠手 コ?テ  高高
事  コ2ト2  低低
言  コ2ト2  低低
琴  コ2ト2  低降
鯉  コ1ヒ1  低低
恋  コ1ヒ2  低低
駒  コ1マ  高高
米  コ2メ2  低低
薦  コ2モ2  高高
此  コ2レ  高高
頃  コ2ロ2  高低
声  コ2ヱ  低降
333名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 11:18:33 0
里  サト1   高高
竿  サヲ    低低
醜  シコ2   ?
篠  シノ1   ?
下  シモ1   高低
霜  シモ?  低低
白  シロ1   低降
城  シロ?  高高
裾  スソ1   高高
背子 セコ1   ?
底  ソ2コ2 高高
其処 ソ2コ2 ?
袖  ソ1デ  高高
外  ソ?ト?  低高
園  ソ2ノ2 ?
側  ソ?バ  低高
杣  ソ1マ  ?
空  ソ1ラ  低高
其  ソ?レ  高高
334名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 11:19:28 0
鮹  タコ?   ?
苞  ツト1   ?
角  ツノ1  低低
壷  ツボ  高高(高降?)
咎  ト?ガ  低高
時  ト2キ1 低低
床  ト2コ2  高高
常  ト2コ2  ?
年  ト2シ  低低
栃  ト?チ  ?
殿  ト2ノ2  ?
苫  ト1マ  ?
供  ト2モ2  ?
友  ト2モ?  高高
豊  ト2ヨ2  ?
虎  ト?ラ  高高
鳥  ト2リ  高高
十  ト1ヲ  高低
鳰  ニホ   高低
布  ヌノ?  高高
軒  ノ1キ1 高高
熨斗 ノ?シ  低低
後  ノ?チ  低低
喉  ノ?ド?  ?
蚤  ノ1ミ?  低低
鑿  ノ?ミ?  低高
海苔 ノ?リ  低低
335名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 11:48:42 0
箱  ハコ1 高高
鳩  ハト1  低低
鱧  ハモ?  低降
彦  ヒ1コ1 ?
孫  ヒ1コ1 ?
人  ヒ1ト2  高低
一  ヒ1ト2  低高
紐  ヒ1モ? 高高
他  ホカ   低高
鉾  ホコ2  ?
星  ホシ  高高
程  ホト1  ?
骨  ホネ  低低
堀  ホリ  低低
孫  マゴ?  低低
的  マト?  高高
窓  マド?  低降
眉  マヨ1   ?
溝  ミ?ゾ?  高降
蓑  ミ?ノ?  低高
澪  ミ1ヲ  ?
婿  ムコ?   低降
室  ムロ1  低低
336名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 11:49:22 0
本  モ2ト2  ?
元  モ2ト2  ?
許  モ2ト2  ?
下  モ2ト2  低高
物  モ2ノ2  低低
籾  モ1ミ?  高高
股  モ1モ1 低降
百  モ1モ1 ?
桃  モ?モ? 高高
森  モ?リ  高高
諸  モ2ロ2 ?
八十 ヤソ1   ?
宿  ヤド1   低高
横  ヨ2コ2  高高
他所 ヨ2ソ2  高低
淀  ヨ2ド2  ?
宵  ヨ1ヒ1  高高
嫁  ヨ1メ1  高高
夜  ヨ1ル  低降
井戸 ヰド1  低降
丘  ヲカ   高高
荻  ヲギ2  ?
桶  ヲケ2  低降
斧  ヲノ2  低低
甥  ヲヒ1  高高

ひとまず二拍名詞まで、長すぎて困った
337名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 12:32:48 0
「アクセントによる母音の環境異音」ということを根拠にするのなら、
アクセントとの関係は「統計的有意」どころではなく、100%ではないとおかしいのでは?
31組のうち11組も説明が付かなかったり、甲類=低、乙類=高に対する例外がボロボロ出てくる時点でおかしいだろう。
もちろん最小対立がある例だけではなく、その他の語も説明できないとおかしい。

簡単に「アクセントは時代や地域で異なるのだから、合わない例はアクセントが変化したんだろう」と片付けてしまうのもおかしい。
確かにアクセントの文献記録が多く出てくるのは院政時代で、上代特殊仮名遣があった時代とは3〜4世紀ほどの隔たりがあるが、
金田一の法則(同一語源の語や、同一語の各活用形などにおいては、高起式・低起式の区別は不変)の存在からして、
院政時代のアクセントは相当な期間に渡って安定していたと推定される。
少なくとも、高起式と低起式の区別を直接反映する第一音節の高低の区別は奈良時代でも変わらなかったはずだ。

アクセントには確かに個別的な変化をしている例もあるが、全体としては少数で、
院政時代に同じ「類」に属していた語は、同一方言の中では同じ型に所属するという傾向が非常に強い。
変化する場合は同じ類の語が一斉に変化するのが普通で、集落ごとに型がばらつくという例はごく少ない。
いちいち「個別的な変化」という実際には例の少ない現象で説明するのは、自分の説の破綻を実証しているようなものだ。
338名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 15:56:25 0
ひさしぶりに着てみたら、
なんかスレ伸びてるな。
ロムてるけど、おもしろかった。
初レスします。
339名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/25(日) 17:19:46 0
kwの音はふつうにあったんじゃないの?
国会とかkwokkaiと発音してたんでしょ?

>アクセントには揺れがあっただろうと推定されるなら、それによって揺れのない現象を説明することはできない。
当時にゆれが会ったのではなく、現代と完全一致しないことを指して揺れといってるのでせう
340名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/26(月) 00:47:16 0
kwokkai ではなく kokkwai だ
合拗音で定着したのは クヮ・グヮ のみ
341名無し象は鼻がウナギだ!:2010/04/26(月) 05:07:38 0
>>339
> 当時にゆれが会ったのではなく
当時において揺れがなかったのなら、ほぼ 100% 「甲=L、乙=H」となるはずだ。
342名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/04(火) 13:10:44 0
Youweeはもう消えたのか。議論しがいがないな。
甲類=低、乙類=高に対する反例の山を提示されて諦めたのか。
343名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/04(火) 15:02:00 O
与えられている事実は、上代語資料では 87-88 個の音節が区別されているということ。
それが何によるのかは直接にはわからない。母音の違いなのか、子音の違いなのか、アクセントの違いから来る異音なのか、あるいはアクセントの違いそのものなのか。
ただ、中国語の音韻史と照合して、母音の違いによると見るのが最も妥当と考えられている。8 母音説は科学的な仮説であって、5 母音説のような先入観をもたない。
「平安時代になって 8 母音が突然崩壊した」というのは誤り。モの甲乙は古事記と日本書紀との間に失われている。トの甲乙は万葉集で揺れが見られる。コ・ゴの甲乙は平安初期まで残っている。
344名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/04(火) 15:14:47 0
>>343

待て待て。今まともな言語学者で八母音説を唱えてる人いる?

八母音説には「少なくともイ・エ段について、ある特定の行でしか区別がない」
ということをうまく説明できないので、何の留保もなしに八母音を唱えている
人はほとんどいないと思うが。

345名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/04(火) 15:24:43 0
>>344
議論が下火になっているだけで、通説は8(または7)母音説だと思うけど。
藤井某(ともう一人)以外で、声高に5母音を主張している説があったら教えてほしい。

その問題は、「崩壊過程にある」ということで、説明がついてしまう。
あの大野でさえ、
「8母音は不安定で、早晩崩壊する過程にあった。行き先は、比較言語学的にみて安定的な5母音だった」」
との言説を展開している。
共時的分析には限界があるのは、誰しも認めるところで、
例えば、16世紀の宣教師文献だけを読んで、
日本語の長母音[ɔ:]についていくら考えても、見えることは限られている。
10世紀以来の仮名文字文献があるからこそ、この謎は中学生にさえ、簡単に解けるわけで。

上のほうで議論になっているが、無文字言語を探るような比較方言(言語)学的方法では、
上代仮名遣いの分析には、歯が立たないところがある。
古典ラテン語と現代ロマンス諸語だけをツールに、印欧語を探るような話になってしまうから。
346名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/04(火) 15:39:47 0
                 イ段・エ段の甲乙          オ段の甲乙
露出形・被覆形との関係  深く関係                無関係
文法との関係         動詞や形容詞活用に深く関係   ほぼ無関係(カ変の未然形ぐらい)
前後の母音との関係    無関係                 前後の母音による制限(有坂の法則)
行による出現条件      一部の行でしか区別しない     大部分の行で区別がある
後代の音価          前舌母音               後舌母音

このような性質の違いがあるから、イ段・エ段とオ段では違う議論をしなければならない場面も多いだろう。
これらの性質の違いを全てうまく説明できるならスッキリするし定説になれるんだろうが。
347名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/04(火) 15:57:21 0
>>346
むしろ、8母音説は、それらの「違う議論」をして、論拠づけられている議論だよ。
それらを「ごちゃ混ぜ」にしているのは、まさに太古来5母音説。

上から論点ABCDEと名付けて、簡単に説明する。一つを除いて、既に古典通説が言っていることばかり。

Aについては、連母音が/i/を含むかどうかの問題となる。イ乙エ乙は、/i/を第二母音とする連母音変化なので、
被覆形とビンゴになってしまうし、また/i/が四段連用形など、文法語尾とも深く関連する以上、
Bについても、大きく関係することとなる。
Cについては、有坂法則が、ア/オ乙の対立であって、
合成母音たるイ乙エ甲乙は、エ乙の一部を除いて無関係であることに関連付けられる。
(ここは森説との関係で議論があり得ると思う)
Dについては、オについては、乙類がデフォだったことと関係がある。
また、連母音融合はオプションであり、常に生じるとは限らない。
(これも大野が既に指摘していることで、「荒磯」は「ありそ」であり、「あれ乙そ」ではない。)
Eについては、説明のしようがないだろう。

一つ、俺が付け足す(オリジナルではないよ)とすれば、
オ甲の「一部」は、「ウの異音」だった可能性があるとにらんでいる。連母音ではない。

藤井某のような強烈な妄想を働かせない限り、旧通説はやっぱり鉄壁なんだよ。
議論が下火になっているのは、ほぼ出尽くしたと思われているからだろうと思う。
348名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/04(火) 16:05:21 0
でもその8母音の前の段階はa,i,u,「œ」なんだろ?
349名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/04(火) 20:05:58 0
>>344
> 八母音説には「少なくともイ・エ段について、ある特定の行でしか区別がない」
> ということをうまく説明できないので
それについては 2 とおりの解釈がある。
(1) 音素結合上の制約から、/k/ /g/ /F/ /b/ /m/ の後でのみ /i1/ と /i2/、/e1/ と /e2/ の対立があった。
(2) すべての行のイ・エ段に甲乙の対立があったが、特定の行以外では音写に適当な漢字がなかったために、区別をあきらめた。
350名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/04(火) 21:39:15 0
日本人が中国語の音価にそこまで詳しかったとは思えない。
中国語に正確に対応するように音写をすべきだと考えていなかった可能性もある。
不正確であっても中国語では同音の漢字AとBを無理やり日本語イ甲とイ乙に割り当ててもおかしくないのではないか。
351名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/04(火) 21:44:11 0
>>350
日本書紀のα群のように中国語話者が書いたことがほぼ確実に立証されているものもあるから
それだけでは説明できないな。
352名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/04(火) 22:24:17 0
>>47-50のように、文献上は甲乙の区別がない行においても、
イ段とエ段においては被覆形と露出形の対応や動詞活用、
オ段においては有坂の法則を利用して、甲乙の区別を推定できる例がある。

これらの行において、奈良時代に甲乙の区別があったが適切な音の漢字がなく区別を諦めたのか、
奈良時代以前には区別があったが奈良時代までに区別が消滅したのか、
そもそも最初から同一の音だったのか、どれが正解なんだろうか。
353名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/05(水) 01:02:46 0
大野説的な考え方をすると、甲乙の区別という問題ではなくて、

イ甲(本来母音) / イ乙、エ甲、エ乙(二重母音)

という二分法の問題になるような気がする。統計的にはこれでよい。理由と中身は問題だが。
さらに、イ乙エ乙 / エ甲
という区別があり得ることになる。
前者は、被覆・露出と深くかかわり、かつ動詞の種別と深くかかわる。大野説では、第二母音に/i/が来る。
後者は 被覆とは関係が無く、活用形でも四段命令形(語尾というより助詞?)に1つでてくるだけ。

つまり、並べ直すとこうなる。

イ甲/イ乙・エ乙/エ甲

イ甲は鉄壁の本来母音で揺るぎようが無い。
二次的母音のうち、
文法体系上は、「イ乙とエ乙の弁別(←ここ重要)」さえしっかりしていればよい。
エ甲は文法上もどうでもいい融合音なので、本当にどうでもいい。

おそらくこの成れの果てが、「特定の行でしか『甲乙の区別が無い』」ように見える理由だろうと思う。
354名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/06(木) 10:25:46 0
>>350
> 不正確であっても中国語では同音の漢字AとBを無理やり日本語イ甲とイ乙に割り当ててもおかしくないのではないか。
同音の漢字群が 2 類に分かれる事実はない。ということは、やはりキ(゙)・ヒ(゙)・ミ・ケ(゙)・ヘ(゙)・メの後にしか、イ・エ段の甲乙の対立はなかったのかもしれない。
いずれにしても、表記法を考え出したのは中国漢字音に精通した人たちで、他の人たちはそれに従うだけだったと思われるが、マスターするのは難しかっただろう。
記紀万葉はプロの仕事なので、特定の音を除いて甲乙の乱れが非常に少ない。他方、木簡や紙背文書には甲乙の誤りが多い。
355名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/17(月) 03:24:45 0
モの甲乙が古事記でしかないというのは有名ですが、それ以外の音がいつ混同されたか、
ということ(>>343のような)って他の音についても大体分かっているんですか?
356奈菜氏:2010/05/19(水) 00:03:29 0
 私は藤井説は一理あると考えています。
 藤井本をごらんになっていない方のために藤井説をわかりやすく要約すると次のようになります。
 
 @「倭王朝」は4世紀に任那(加羅)から渡ってきた渡來王朝であり、日本列島に土着後も本貫の任那を通じて朝鮮半島に介入し続けました。
 Aしかし任那は百羅に奪われ、同盟国百済も亡び、白村江の敗戦によって朝鮮半島への影響力を失ってしまいます。
 B天武天皇はルーツである半島との訣別を決意し、律令制によって国を「近代化」するとともに、国号を「日本」と改め、『記紀』を書かせて「日本の祖は日本列島を作ったイザナギ・イザナミの神であり、日本は神代の昔から日本列島孤高の国」という神話を作り上げます。
 Cさらに天武天皇は、前身の倭王朝との連続性を絶って、王朝のルーツが半島にあるこという事実を隠蔽しようとします。
 Dその後、日本では『記紀』の描いた「日本は神代の昔から日本列島孤高の国」というフィクションが定着し、中国・朝鮮でも目まぐるしく王朝が交代し、いつしか「日本」の前身の「倭王朝」が半島渡來の王朝であったという事実は内外で忘れさられます。
357奈菜氏:2010/05/19(水) 00:08:23 0
 さて白村江の戦いで負けた倭とともに大量の百済亡命人が渡ってくるわけですが・・・。
 @663年の白村江敗戦によって亡3000人以上の百済王族・貴族・官僚達が倭(日本)に亡命してきます。
 A『古事記』(712)、『日本書紀』(720)、『風土記』(713以降)、『万葉集』(7世紀末〜8世紀前半)を
 はじめ、戸籍・計調の断片や碑文・木簡など、ほとんどが白村江敗戦以降に作成されたもの。これ以前にさかのぼれる
 のは「稲荷山古墳鉄剣銘」などわずかな金石文です。
 Bしかし亡命してきた大量の優秀な百済人文書実務者によって、戸籍作成や史書の編纂などの書記活動が行われました。
 この仮説を言語学的に裏付ける証拠が『記紀万葉』から発見された「上代特殊仮名遣い」です。
358名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/19(水) 00:33:16 0
>>356-357
ほとんどが単に歴史ロマンを語っているだけで、言語学的な根拠が全然ない。
上代特殊仮名遣いのどこが百済人が関わっている根拠になるのか?
藤井説を俺はよく知らないのだが納得できる根拠があるのか?

明らかに中国語母語話者が書いたことが分かっている日本書紀α群でも
日本書紀β群や古事記、万葉集と同様の区別が存在している。

それに、「日本語話者は区別しない条件異音を他言語話者が聞き分けた」という説は、
甲乙により単語の意味や文法的機能を果たす例を一体どうやって説明するのか?納得できる説を聞いたことがない。
この世に「単語の意味や文法的機能を弁別しながら、母語話者に気付かれない条件異音」などというものが存在するのか。
それ自体が自己矛盾ではないか。
359奈菜氏:2010/05/19(水) 01:09:18 0
 >>358
 藤井説をよくご存じないのに、いきなり「歴史ロマン」と決め付けるのはどうかと。
 まあ、明日からおいおい説明していきますから、お付き合いください。
 今日のところは遅いですからおやすみなさい。
360名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/19(水) 01:15:14 0
いや藤井説をよく知らないから>>356-357だけを読んで判断しただけのこと。
歴史ロマンじゃないのならそんな要約の仕方は藤井さんに可哀相だ。要約になってない。
これからという肝心なところで終わってるから後でちゃんと説明してくれ。
361名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/19(水) 02:00:04 0
>>355 モの甲乙は古事記のほかに、万葉集巻 5 にも見られる。
万葉集の後期の歌では、ソ・ト・ノ・ヨ・ロに甲乙の乱れが生じている。
コ・ゴの甲乙は新撰字鏡 (900 年頃) にもまだ残っている。

音価の推定には様々なものがありえるが、音韻的対立でなく異音とする説明は、どう言い繕っても成功しないだろう。
362名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/19(水) 03:50:20 0
>>361
なるほど、ありがとうございます。
イ段やエ段でもやはりその程度のばらつきはあるのですか?
363名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/19(水) 10:05:08 0
イ・エ段の甲乙の崩壊にはばらつきは見られない。
木簡等では乱れているが、音の区別がなかったのではなく、文字の使い分けができなかったのだろう。
364名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/19(水) 21:47:54 0
>>361
万葉集5巻にモの甲乙の区別があるって本当?
モの甲乙といえば古事記にしかないという記述を今まで散々見てきたんだが。
いつ誰が発見したものでどのぐらいの乱れがあるの?
365名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/20(木) 00:26:56 0
>>364 校注本の解説などに書いてあるから参照されたい。
発見したのは有坂秀世と池上禎造。114 首中の数首に乱れがあり、万葉集全体としては、モの甲乙はないということになる。
366名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/20(木) 03:46:24 0
普通に考えると、音が違って文字もしってるなら、使い分けも当然できると思うんだけど
なんで音の区別ができてるっていう解釈になるの?
367名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/20(木) 07:01:13 0
音の区別がなくなれば、あらゆる資料に乱れが現れるはずだ。
階層によって発音が違ったという解釈も可能ではあるが、それよりも、文字をよく知らない人がいたと考える方が妥当だろう。
真仮名として使える漢字は多様で、現代のひらがなやカタカナとは事情が異なる。
山上憶良は甲類メに対して乙類字の「米」を使うことがあるが、これは渡唐を経験した憶良が当時最新の発音に影響されてしまったからではないかといわれている。
368奈菜氏:2010/05/20(木) 08:39:40 0
 藤井説を「ちゃんと」紹介できるか自信がありませんが・・・
 まずは要約というかさわりの部分から・・・。

 「白村江敗戦」の後に日本の文書作成量が大きく増える。
「白村江敗戦」が663年ですから7世紀の中盤。
これ以前に(朝鮮や中国から持ち込まれたものではない)文字・文献資料で
現存するのは、5世紀〜6世紀の間は「稲荷山古墳鉄剣銘」「江田船山古墳
鉄剣銘」「稲荷台一号鉄剣銘」「隅田八幡鏡銘」などの金石文だけ。
 まとまった文章が現れるのは6世紀末から7世紀はじめの推古天皇代に作
られた(記録された)「推古(期)遺文」という文字資料です。

 これらは漢文体の文章のなかに人名・地名などの固有名詞がところどころ
に書かれているだけで、日本語の文章と呼べるものは皆無です。ところが、
「白村江敗戦」の後から急速に文書の作成量が増えます。

 670年全国戸籍である『庚午年籍』が作られる。
 681年に天武天皇が律令編修と史書編修の詔を下す
 689年に「飛鳥浄御原令」完成。
 690年に『庚寅年籍』が完成。
 701年に『大宝律令』が完成公布。
 712年に『古事記』完成。
 713年に『風土記』完成。
 720年に『日本書紀』完成。

 といった具合です。
369名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/20(木) 15:38:30 0
文書作成量が大きく増えたんじゃなくて、
現存する文書の量が増えたのでは。
現存する日本最古の歴史書は古事記だが、
古事記の先行資料として、
帝記・旧辞があったのは確実だし、
蘇我政権時代に国記等の歴史書編纂されたとの記述もある。
蘇我宗家の滅亡と同時に喪失してるけど。
というよりも、白村江の敗戦以降に文書作成が増えたんではなく、
壬申の乱以前の文書は戦乱で喪失してるというべきなんでは。
天武朝の時代の文書もまとまって現存してないでしょ。
白村江以降であるけれども。
370名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/20(木) 23:47:12 0
>>368
何時々々頃から「文書が増えた」、「文書の作成量が増えた」、「文書の書き手が増えた」、「そのころに文書が作成されたという記録が増えた」、「そのころからの文書が多く残っている」、

以上は全てまったく別々の事態である。決して混同してはいけない。
Aを指摘してBCDを立証した気になったり、Bを指摘してACDを立証した気になったり云々・・・したら、それは大間違いだ。
371名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/20(木) 23:53:18 0
>>368
それと上代特殊仮名遣いがどうつながるのか、
まったくわからない。
一日一レスで要約されていっても、
まとまるまで何日かかるんだろう。
372名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/20(木) 23:54:54 0
同じ人が時間を変えて自演レスかっこ悪い。
373名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/21(金) 06:30:01 0
金石文や推古遺文に見られる固有名詞表記は、上代特殊仮名遣と何ら矛盾しない。
「ワカタキ(甲)ル」「オホヒ(甲)クァ」などは、「ワカタケ(甲)ル」「オホヒ(甲)コ(甲)」の古い形を示していると思われる。
ちなみに「カズ」+「アフ」→「カゾ(甲)フ」
374名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/21(金) 08:30:31 0
>>372
こういう自演認定に何の意味があるのかさっぱり分からない。なぜ自演だと思ったんだろう。
仮に同じ人でも、指摘してる内容が違うから追記の形で問題ないと思うけど。
自分で自分の意見を肯定してることにもならないし。

それにしても、毎日1レスの割合でこんな「要約」を続けていくつもりか?
>>368も上代特殊仮名遣いには全然触れてないし、勿体ぶってないで早く「本題」に入ってくれよw

仮に上代特殊仮名遣がある文書が百済人なり何なりの手によるものだと立証できたとして、
それと「上代特殊仮名遣は日本語話者が区別しない条件異音を表記したものだ」という主張の立証とは全然違うことだけどね。

当時の文献の成立過程について延々と講釈されても、それは割とどうでもよくて、
実際に見られる区別をどうやって「条件異音」として説明するつもりかに興味がある。
上代特殊仮名遣が異なる単語や形態素の弁別、活用形の区別などに関わっている事実は動きそうにないように思えるからだ。
ここが崩れない限り(条件異音として説明できない限り)、日本語話者に区別できなかったという主張は動かない。
そうなると5母音説は成立しない。
375名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/21(金) 22:41:51 0
藤井説の人、今日は来ないのかな。
だれか、代わりに図書館にでも行って、
藤井さんの本を読んで来て、
変わりに「要約」してくれんか。
どういう全容の説か、後学のために知りたい。
376奈菜氏:2010/05/22(土) 00:26:26 0
 こんばんは。来ました。

 本当は図書館に、ではなくて直接本をお買い求めになっていただくと
よろしいのですが。
 
 文書量の問題ですが、670年に全国規模の戸籍『庚午戸籍』の編纂
が始まっています。また、681年に天武天皇が律令編修と史書編修の
詔を下しています。690年には『庚寅戸籍』が作られ、701年に『
大宝律令』が完成公布、702年にも「戸籍」、そして古事記・日本書
紀などの完成などと大規模な編纂事業が続きます。現在伝わっているの
はその一部ですが、これ以外にもあったはずです。

 白村江以前と以後で文書の量が格段に差があるというのは否定でき
ません。
377奈菜氏:2010/05/22(土) 00:27:49 0
 こんばんは。来ました。

 本当は図書館に、ではなくて直接本をお買い求めになっていただくと
よろしいのですが。
 
 文書量の問題ですが、670年に全国規模の戸籍『庚午戸籍』の編纂
が始まっています。また、681年に天武天皇が律令編修と史書編修の
詔を下しています。690年には『庚寅戸籍』が作られ、701年に『
大宝律令』が完成公布、702年にも「戸籍」、そして古事記・日本書
紀などの完成などと大規模な編纂事業が続きます。現在伝わっているの
はその一部ですが、これ以外にもあったはずです。

 白村江以前と以後で文書の量が格段に差があるというのは否定でき
ません。
378奈菜氏:2010/05/22(土) 00:32:36 0
 また、白江村以降、地方でも文書の編纂が始まっていることも注目
されます。
 さらに飛鳥宮跡、藤原宮跡、長屋王邸跡、平城京跡などから出土し
ている木簡もほとんど7世紀後半以降のものです。
 このように7世紀後半以後に文字資料が急速に増えるのは、白村江
の敗戦により書記能力をもった百済の人々が大挙して日本に渡ってき
たためです。その結果、書記技能、つまり文書作成の職能をもって日
本の朝廷に仕えていた「史(ふひと)」はほとんど百済からの帰化人
(渡来人ではない)であった(これは『新撰姓氏録』などの記述でも
わかる)と思われます。
 日本書紀の百済三書(『百済記』、『百済新撰』、『百済本紀』)
にあらわれる音仮名の多くが日本側の史書にあらわれる音仮名と一致
していることも、百済人が日本の書記活動を担当していたことの傍証
といえます。
379奈菜氏:2010/05/22(土) 00:34:41 0
 以上が前提で、あとは箇条書きにして藤井説を紹介していきます。

@670年の『庚午戸籍』は全国規模の戸籍であり(全部で2000
巻ほどあったと思われる)、その作成はまさに国家的プロジェクトで
あった。このような大規模な事業が2年足らずで完成したのも百済か
ら亡命してきた百済人が書記活動に参加していたからこそ可能だった
と思われる。

Aしかし、その当時は百済人たちも日本語が不自由で、書記活動には
堪能でも日本語には不自由しており、日本での活動にも制約があった
はず。しかし、亡命百済人の子孫(二世以下)は百済語・日本語のど
ちらにも通じたバイリンガルであったため、日本における文書事務を
つかさどるには何らの不自由もなかったと思われる。これらの二世た
ちは7、8世紀の境目あたりから文書活動の中核を占めるようになる
。 (つづく)
380名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 01:44:27 0
>>378
> このように7世紀後半以後に文字資料が急速に増えるのは、白村江
>の敗戦により書記能力をもった百済の人々が大挙して日本に渡ってき
>たためです。

つ 「先後即因果の誤謬」

ハゲが落語協会会長になったら協会が分裂した。ハゲがソ連大統領になったらソ連が滅びた。ハゲが厚生労働大臣になったら年金記録の惨状が露見した。ハゲが宮崎県知事になったら宮崎の畜産が壊滅した。
・・・しかしハゲが指導者になったことがそれらの原因なのではない。
381名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 02:15:42 0
>>380
もうそこらへんは突っ込まないで話を先に進めさせてもらおうよ。

>>381
文書作成は百済人が担当していたというのは分ったから、
上代特殊仮名遣いの説明に入ってください、そろそろ。
382名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 07:13:23 0
>>376-379
いい加減に関係ないことを延々と述べるのはやめてくれ。上代特殊仮名遣と関係ないだろう。

仮に「文章作成を百済人が担っていた」というのが数々の証拠により完璧に立証されたところで、
それと「上代特殊仮名遣は日本語話者が認識していなかった条件異音を百済人が書き分けたものだ」
ということを立証することとは全然違う話だ。

上代特殊仮名遣がある文献が百済人による表記のものだということが事実だとしても、
その区別が「日本語話者も弁別している音素を百済人も書き分けた」ということであれば5母音説は成り立たない。

「上代特殊仮名遣の区別を日本語話者は音素として弁別していなかった」
「上代特殊仮名遣の区別は条件異音として説明でき、母語話者は音素として弁別していなかった」
ということを立証する「言語学的な根拠」を求めているんだ。無関係なことばかり述べるのはいい加減やめてくれ。
この「言語学的根拠」がない限り、「百済人による表記」が完全に立証されようとも藤井説は何の意味もない。

まあ、日本書紀には明らかに「中国語話者による部分」と「日本語話者による部分」があるわけで、
その両者に、使っている漢字は違いながらも同様の区別があるという事実を説明するという課題もあるわけだがな。
383名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 09:33:33 0
日本語話者による部分があったことは立証されていない。
384名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 09:54:58 0
日本語の特徴を生かして崩した漢文で書かれた古事記でさえ、日本語話者である稗田阿礼は執筆にはあたっていない。
ましてやその後作られた日本書紀があえて純漢文体で執筆されたという事実をみれば、日本語話者の存在を否定せざるを得まい。
日本語話者が漢字を自由に使えるようになったのは平安時代以後であり、日本語の母音が5種類に確定した時期と一致している。
385奈菜氏:2010/05/22(土) 10:26:35 0
 頑張りますので、もうすこしお付き合いください。
386名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 11:14:03 0
条件が不明なのだから条件異音ではないだろう。だれが書いたものであっても。
ヘボン式ローマ字では外国人が観察した異音が示されるが、条件ははっきりしている。
387名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 12:08:15 0
森博達説でα群とβ群を区別する根拠の一つに、「β群には日本語話者が犯しがちな文法ミスが多く見られるが、
α群にはほとんど見られない」という点がある。例えば「非」「不」の誤り、「有」と「在」の誤りなど。
百済人の書いた漢文とはっきり分かっている文がどれだけあるのか知らないが、
百済人の漢文にそういう特徴がないのなら百済人が書いたものというのは厳しいだろう。

また、音韻に関しても、β群では例えばカ行を表記する漢字にk音、kh音、h音のものが混在して使用されているが、
α群ではk音のものに統一されている。ここから、β群を表記した者は、無気音と有気音の弁別ができず、
さらにk音とh音の区別もできなかったことが分かる。これは百済語の特徴に当てはまるか?

仮にβ群が日本人によるものではなく全て百済人によるものだったとしても、中国人によるα群に
β群と同様の上代特殊仮名遣の区別が見られる時点で、それを説明する必要が生じるから、
「β群は百済人によるもの」ということだけ必死に立証しようとされても困るんだけどな。そこは決定的ポイントじゃない。

>>386のいうように、非母語話者が観察した条件異音というのはその「条件」をはっきり記述できる。
ヘボン式でタ行のうち一部の子音にchとtsが使われているが、「chはiの前、tsはuの前」という明白すぎる条件がある。
chiとti、tsuとtuの違いで意味が区別される単語もなければ、その違いで文法的意味が変わることもない。
母語話者が意識しない条件異音とはそういうものだ。

ちなみにこれは明治初期の話な。
現代では外来語の流入で条件異音である条件が崩れ、音素/c/を設けなければならなくなった。
上代特殊仮名遣(の一部、特にオ段甲乙)も、奈良時代をさらに数世紀遡ると条件異音に由来する可能性もあるが、
それでも当時は条件異音ではなくなり、母語話者にとっても別の音素になっていた。
388名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 16:14:37 0
>>387
百済語は現在よくわかってないので、β群が百済人によるものかどうかは確定のしようがないと思う。
ただ、誰が書いたにせよ、日本人が関わってないことだけは確定できるんでないか?
だからこそ純漢文(たとえ間違いがあったにせよ)だし、日本人が区別しない音を区別していたわけだ。

それはそうと、上代特殊仮名遣いを日本語の音韻に由来すると考える場合に決定的なネックになる「コ」音について、肯定派がどう考えるのか興味あるな。
平安時代初期にまでその区別が残ったとされる「コ」甲乙の区別がなんでひらがなにないの?
389名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 16:51:36 0
>>387
むきにならなくてもいいんじゃない?

>中国人によるα群に β群と同様の上代特殊仮名遣の区別が見られる

これだけで、藤井説は完全終了だよ。

つまるところ、藤井説なるものが必死で論じているのは、
実は「古代百済語」なるものなんだ。
大凡まともな言語学者が手を出さない(検証する元ネタが皆無)代物であることは措いておくにしてもw
「陝西省の唐代中国語と、母音体系と聞き分けの癖がそっくりで」
でも、「子音体系は、中国語とは似ても似つかない、有声/無声だけの二元体系を持つ」
そんな言語が、存在するわけが無いだろうに。

イギリス人とフランス人とドイツ人は、日本語の条件異音を書き分けるとき、
当然必ず異なるメルクマールで書き分ける。言語が違えば一致しない。当たり前だ。

>>388
仮名文字の成立直前に編纂された「天地の歌」では、eとyeが区別されている。
ところが、仮名文字にはこの区別が無い。
しかし、仮名文字の綴字法には、語中のハ行とワ行の区別がある。
これは、源氏物語(990年代)では完璧なのに、更級日記(1050年頃)ではgdgdになりはじめている。
よって、仮名文字は、平安京(京都)方言話者において、
10世紀中葉の半世紀ほどの時期に、一気に形成されたことが分かる。

コの甲乙が消えたなんて、eとyeの区別が消えたはるか昔の話だ。

390名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 17:20:48 0
>>388
「上代特殊仮名遣は日本人が区別しない音だった」ということ自体が非常に疑わしいと指摘されているのに、
それを根拠にして「日本人が関わっていないことが確定できる」とかアホか。

当時は東アジアの共通文章語として純漢文が用いられていたのだから、
日本人が正史を編纂しようとして純漢文で書こうとするのも何ら不自然でないと思うが。
しかも日本書紀β群には日本語話者らしいミスが混入していて、
いかにも「日本語話者が頑張って純漢文を書こうとした」という感じだ。

「古代百済語」の実態が全然分からないのをいいことに、自分の都合の良いように勝手な妄想で
架空の言語を作っているようにしか思えない。
391名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 17:26:40 0
>>389
かな文字が10世紀中葉に形成されたのだとすると、古今和歌集の仮名序はどう説明するんだよ?
紀貫之は、タイムマシン使って50年以上未来に行って文字を学習したか?
392名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 17:29:25 0
>>390
日本人が正史を編纂しようとして、日本語の特徴を生かした崩した漢文を使ったのが古事記ではないのか?
その方針をあえて変更して純漢文にした理由を考えれば、人材不足以外にありえないだろ。
393名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 17:40:33 0
>>391
すまんね。ちょっと後倒ししすぎましたかね。
10世紀中葉の前後半世紀だと、四半世紀ほど遅すぎますな。
「10世紀前半の半世紀+α」といったほうがよかったかもしれない。
すでに、仮名文字と発音との乖離は、
更級日記執筆者においてみられるので、
母語習得時を考えれば、10世紀末には始まっていた可能性がある。
(ハ行有声化が、千葉で先に始まっていたという説も、更級日記限定ではあり得るが)

>>390
だからムキになるなって。レベルが違いすぎるよ。適当に遊ぼうよ。
β群のミスのありようすら、藤井氏本人でさえ理解していないように見える。

何より、α群とβ群の、上代仮名遣いの書き分けが「完全に一致する」
という事実が、藤井説を葬り去る決定的な証拠だよ。

「 母 音 だ け 、音調の無駄な書き分けがぴったり一致するんだ」
そんな馬鹿な話があるかよw
394名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 17:43:00 0
もう書き手のとこは突っ込まないで、
本論に入るのを待とう。
ていうか、奈菜氏さん以外の人もできたら、
特殊仮名遣いの本論に入ってもらいたい。
藤井説論者は一人じゃないみたいだから。
資料の書き手に関しての議論はもういいから。
395名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 17:46:51 0
>>393
古今和歌集って905年成立だよね?
396名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 23:07:33 0
>>388
> 平安時代初期にまでその区別が残ったとされる「コ」甲乙の区別がなんでひらがなにないの?
真仮名の文を写すときは字母まで写すが、平仮名 (草仮名) や片仮名の文を写すときは字母は無視される。
平安初期の字母がわかる平仮名のテクストは存在しない。
9 世紀に書写されたことが明らかな訓点資料の片仮名 (の前身) には、コ(゙)の甲乙がある。
だから、仮に竹取物語や伊勢物語の原本が出て来たら、その平仮名には「古」と「己」の区別があるはずだ。
397名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/22(土) 23:26:27 0
平仮名や片仮名の文を写すときは、字母はおろか仮名遣さえ、多くの場合無視される。
古典作品で原本が残っているものは 1 つもない。すべて後代の写本だ。
いわゆる歴史的仮名遣が守られているテクストは、正に 1 行たりとも現存しない。
古文の教科書や古語辞典が歴史的仮名遣で書かれているのは明治以降のフィクションだということを知らない人が多い。
398名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/23(日) 00:16:19 0
>>395 古今和歌集の最古の完本は、藤原定実が元永年間 (1118-20) に書写したもの。
もっと古い断片もあるが、平安後期よりさかのぼれない。

新撰字鏡 (900 年頃) にはコ(゙)の甲乙があるが、和名類聚抄 (930 年代、源順 <911-83> 撰) にはない。
紀貫之 (866/72-945頃) にあったかどうかは微妙だ。まあ知る由もないが。
399名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/23(日) 06:40:57 0
「あめつち」が成立したころには、平仮名にも「衣」と「江」の区別があったはずだが、そのような字母を伝えるテクストは存在しない。
10 世紀中ごろまでエとイェの区別があったといわれるのは、真仮名や片仮名の資料によるものだ。
400名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/23(日) 08:13:20 0
7 世紀ならともかく、8 世紀も半ばになれば書き手は皆日本人だろう。
渡来系でも II 世、III 世で、母語は日本語だったはずだ。
大伴家持は百済語話者ではあるまいw
401名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/23(日) 13:47:01 0
>>397
平安時代中期以降のテキストに関してはそうだろうけど、平安時代前期以前のものはどうなんだ?
契沖が歴史的仮名遣いを作った際は、大体1000年より前の文献では仮名遣いの乱れがないことを発見して
1000年以前の文献を調べ、歴史的仮名遣いをまとめたと思っていたが。
確かに原本はなく写本かもしれないが、「歴史的仮名遣い」が守られたテキストはあるんじゃないのか?
402名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/23(日) 18:12:20 0
>>401 全然違う。契沖は万葉集の真仮名を研究して、平仮名や片仮名で古文を綴るときも、定家仮名遣ではなく万葉仮名の用法に従うべきだと主張した。
これが契沖仮名遣で、歴史的仮名遣の基になっている。
万葉仮名を平仮名に翻字すれば「歴史的仮名遣いを守っている」かのように見えるが、万葉仮名にはエとイェの別と甲類乙類の別という、平仮名では書き表せない用法があった。
当初は発音の違いによるとはわからなかったので、「上代特殊『仮名遣』」と名づけられた。

1000 年より前の文献といえば一体何があるのか。上代の文献でなければ、ほとんどが片仮名の原型で書かれた訓点資料だろう。
訓点の日本語は断片的だから、テクストとはいえない。
403名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/23(日) 19:50:27 0
当時 20 代だった源順が編集した和名抄には、「エ」と「ヱ」の混同が見られるらしい。
歴史的仮名遣を完全に守っている文献を探し出すのは至難の業だろう。
404名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/23(日) 20:51:19 0
>>403
そりゃそーだ。
契沖以前には歴史的仮名遣いと呼べるものなぞ影も形も無かったんだから。
405著者です:2010/05/24(月) 11:28:50 0
>387
森博達説でα群とβ群を区別する根拠の一つに、「β群には日本語話者が犯しがちな文法ミスが多く見られるが、
α群にはほとんど見られない」という点がある。例えば「非」「不」の誤り、「有」と「在」の誤りなど。
百済人の書いた漢文とはっきり分かっている文がどれだけあるのか知らないが、
百済人の漢文にそういう特徴がないのなら百済人が書いたものというのは厳しいだろう。

>また、音韻に関しても、β群では例えばカ行を表記する漢字にk音、kh音、h音のものが混在して使用されているが、
α群ではk音のものに統一されている。ここから、β群を表記した者は、無気音と有気音の弁別ができず、
さらにk音とh音の区別もできなかったことが分かる。これは百済語の特徴に当てはまるか?

日本書紀β群の「倭習」の問題は拙著252〜256ページで詳しく論じています。
特にk音、kh音、h音の問題こそがβ群を百済人(朝鮮語話者)が書いたことの何よりの証拠。
このことについては「許」「虚」「胡」等の漢字の朝鮮語と中国18カ所の方言での発音を
添付のビデオをに収録してあります。
何より、森博達氏がβ群を書いたのが朝鮮人である可能性を考慮に入れ、そのために
わざわざ韓国に一年間留学したそうです。(森氏からもらったメールにそう書いてありました)

批判するならその箇所を読み、録音を聴いてからにしてくださいね。
406著者です:2010/05/24(月) 11:40:44 0
>389
何より、α群とβ群の、上代仮名遣いの書き分けが「完全に一致する」
という事実が、藤井説を葬り去る決定的な証拠だよ。

>中国人によるα群に β群と同様の上代特殊仮名遣の区別が見られる

>これだけで、藤井説は完全終了だよ。

なにをおっしゃることやら・・・(^o^)
α群・β群説を広めた森博達氏自身が、両群の上代特殊仮名遣いに違いがあることを指摘しており(387参照)
α群の分析を元にして独自の「上代七母音説」を唱えているのを知らないんですか?
(森氏は、オ乙類はエ乙類結びつけ、オ段乙類の存在を否定している)

七母音説は間違いですが、α群を分析すれば七母音に見えるのは中国語には母音が七つあるからです。
α群は七母音を聞き分ける中国人が書いたから七母音の様に見える。
β群その他は、8つの母音を聞き分ける朝鮮人が書いたから、八母音に見える。
それだけのこと。
407著者です:2010/05/24(月) 11:43:22 0
>400
7 世紀ならともかく、8 世紀も半ばになれば書き手は皆日本人だろう。
渡来系でも II 世、III 世で、母語は日本語だったはずだ。
大伴家持は百済語話者ではあるまいw

大伴家持の問題は、拙著の96〜97ページにちゃんと書いてあります。
ちゃんと読んでから批判してくださいね
408著者です:2010/05/24(月) 12:02:14 0
>奈菜氏さん

どなたか存じませんが、拙論を擁護するための孤軍奮闘ありがとうございます。

ただ、拙論は「秘密の説」でもなんでもなく、2001年の国語学会春期大会、2002年の日本音声学会全国大会、
今年3月には、日本中国語学会関東支部拡大例会で発表している説です。
なにより、拙著はアマゾン等で簡単に手に入る1890円の本であり、買って読めばわかることを
読みもせず、くだらない批判をする輩をまともに相手にするのは時間の無駄です。

拙論に対しては既に音声学者、中国語学者、朝鮮語学者、古代史学者の中に有力な支持者がおり、
遂に国語学者の中にも公然と拙論を支持する有力者(漢字・木簡研究の犬飼隆氏)が現れてきましたので、
ほっといてもあと2〜3年で拙論は定説になるでしょう。
こんな板で無駄な時間と労力を使わず、静観していてくださって結構です。(^^)

409名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/24(月) 12:03:57 0
著者降臨ktkr!!
410名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/24(月) 12:22:23 0
>こんな板で無駄な時間と労力を使わず、静観していてくださって結構です。(^^)

アホは黙っていろってことだね
411名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/24(月) 17:46:48 0
著者(まぁ、なりすましの危険性はあるが)が買ってから、
自説を全部目を通してから批判せよというのは気持ちはわかるけど、
奈菜氏さんが藤井説をここで紹介されるレスを投稿し、
そのレスを読んだ上での反論レスに、
買わずに云々の反論は・・・って言われてもなぁ。

あと、言葉遣いが悪すぎるなぁ、本当に著者?
なりすまし?
「ご購入して一読して頂ければ」程度の丁寧さはあってしかるべきだと思うが。
掲示板で誰かがある説を要約すると宣言して紹介しはじめ、
その要約に対する反論レスがつき、議論になっている現状に対し、
「買って読めばわかることを読みもせず、
くだらない批判をする輩をまともに相手にするのは時間の無駄です。」
って反応はあんまりじゃないのか。
まぁ、買わざる者、藤井説を論ずる資格なしと著者本人(なりすましかもしれんが)がおっしゃるなら、
もう藤井説に関するレスには一切反応しないでおきましょう。
藤井説をやりたい人は、購入するか、図書館で借りてくるかしてやればいい。
これ以上、藤井説をやりたい人は、藤井氏の本を読んだ人限定の、
スレでも立てて貰うしかないね。
なにしろ、著者が読まざるもの語るべからずと言ってるんだから。
412名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/24(月) 19:38:03 0
>>408
> ほっといてもあと2〜3年で拙論は定説になるでしょう。
絶対ないw 異音とする説明で納得する言語学者はいない。
本物かどうかわからないが、自著の販促なら無用。
真理を衝いた説明は簡潔に書けるものだ。論述に量を要するのは具体的な例証のみ。
413名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/24(月) 19:45:29 0
イヌカイリュウせんせー…
414名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/24(月) 21:11:20 0
>>405
>このことについては「許」「虚」「胡」等の漢字の朝鮮語と中国18カ所の方言での発音を
>添付のビデオをに収録してあります。

8世紀の日本語の音韻を検討するのに21世紀の支那朝鮮語を録音してどうなるというんだ?
8世紀の古英語の音韻を検討するのに21世紀のイタリア語や現代ギリシア語を録音するバカがいるか??
こっちはこっちで音韻が大いに変化しが、あっちもあっちで音韻が激変しているんだよ。

そういうアナクロニズムを恥も知らずに平気でやっているから本が売れないの。よく覚えておけ!!
415名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/24(月) 22:25:26 0
普通はまさかと思うが、降臨しているのは、
おそらく藤井氏本人だろう。
このおっさん、普通にネットで自説を開陳して素人相手に喜んでいるおもしろい人だよ。

学会というのは、実に開かれたところで、発表したとて権威にはならんことくらい、
高等教育を受けた者なら知っているだろうがねえ。
自然科学と違って追試はできないので、その後のまともな学者の引用の多さと深さこそが
その説のまともさを確かめる唯一の客観的手段だ。

森氏は徹底した実証研究者だから、厳密な資料を探しに韓国でも中国でもどこでも向かう。
別に現代朝鮮語を聞きに行ったわけじゃない。そんなことをしても無意味。
朝鮮語は、諺文制定以前の資料が僅少で、
漢字音のかすかな関連性を頼りに推定するしかないが、
高麗時代に大規模な母音遷移らしきことが起こっているらしく、
高麗以前の推定音には、定説がない(新羅にさえたどり着けない)

まあ、唐代の中国語の母音が7つとは、初めて聞いた話だな。
母音が7つだの8つだのという発想法自体、なんというか、ハングル脳に侵されているというか、
北京語の「母音が6つ」などという話にひきずられているというか、
歴史的な漢語を扱う資格は無い発想だわな。
416名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/24(月) 22:46:15 0
>>411
>あと、言葉遣いが悪すぎるなぁ、本当に著者?
激しく同意。
上代特殊仮名遣いを語る前に、
現代常識言葉遣いを学べと言いたい。
417名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/24(月) 23:20:48 0
>>406
> (森氏は、オ乙類はエ乙類結びつけ、オ段乙類の存在を否定している)
正しくは、「エ乙」は重母音「オ乙+イ甲 (o2i1)」で、母音は 7 個と考えている。
しかし >>320 でも述べたとおり、重母音と単母音とは違う音素だから、森氏の音価推定が正しかったとしても、単母音 7 個と重母音 1 個の 8 母音ということになる。
418名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/24(月) 23:41:23 0
>>416
>上代特殊仮名遣いを語る前に、
>現代常識言葉遣いを学べと言いたい。
誰が上手いこと言えと、
ちうか、おまえそれが言いたかっただけちゃうんかと。
確かに、この人の言葉遣いの悪さは反感持たれても仕方ないレベルだよね。
精神的に幼稚なんだろうね、この人。
淡々と丁寧語で議論を紹介して、本の購入をお願いすればいいのに、
文章の端々で、他人を見下す言い回しをあえてするのは。
程度の低い自己顕示欲が漂う文章は読んでいて恥ずかしくなるくらい。
419名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/24(月) 23:53:43 0
>>418
性格はどうでもいいよ。ただ、
学会に闖入して、森氏と社交辞令を交わしたくらいで、
森氏の行動を、自分に都合よく解釈できたりする幸せな性格の持ち主なんだろう。
結構、在野の(広義の)古代史関連の研究家にはこの類が多い。
「オラが村が邪馬台国!」というのと、さほど変わらんが、
こういう説を自信満々に自費出版したりする人って、
方言学などを見ていると、山ほどいるんだよね。

まあ、専門家もほめられたものではない。
ウラル語の大家の書いた「縄文語の発見」なんて、息をのむような信じられない著作だ。
420名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 00:07:27 0
>>419
性格というか、文章作法って大事だと思うけどなぁ。
文学としての万葉集研究ではすばらしい業績を残した中西進先生が、
時折、国語学上の電波を飛ばされても、電波扱いされないのは、
謙譲の美徳溢れる文章作法のなせる業でしょう。
中西先生に対する批判などは、
それとなく矛盾点を示唆するに留めるレベルの反論しか来ないでしょう。
まぁ、お人柄がよろしいからでしょう。
それに反して、大野晋先生の晩年のタミル語説のように、
海外の学者の権威を笠に着たり(笠にされた方は迷惑なようだが)、
自説に対して批判的な人に無意味に攻撃的な文章作法だと、
単純な批判ではなく、フルボッコになってしまうような。
この世界では、そういった文章作法がとても大事だと思いますよ。
421奈菜氏:2010/05/25(火) 00:11:27 0
いろいろご議論があろうかと存じますが、今日をもって前置きを終
わり、本論に入らせていただきます。

 Bこれらの渡来人二世たちは百済語・日本語の両方に通じていたが、
あくまでもそれは話し言葉であり、書き言葉や漢字の発音(漢字音)は
依然として百済式であったと思われる。これは書記言語(書き言葉)を
一世から習った結果である。特に漢字の音だけを借りて表記する音仮名
の表記のもとになったのは「百済漢字音」であった。日本式漢字音はあ
ったと思われるが、日本における書記活動の中心になっていたのは百済
人なのだから、より精緻に表音できる(音を表すことのできる)百済漢
字音がスタンダードになっていたと思われる。(また日本の貴族は書記
活動を「史」を中心とする文書作成担当者に任せて、自ら書記活動を行
おうとはしなかった。ゆえに百済人が百済漢字音をもって表記したとし
ても矛盾がない)
422奈菜氏:2010/05/25(火) 00:13:23 0
 C『万葉集』の巻17、18に収録されている大伴家持の歌の多くが音仮名
で書かれており、その用字法が一定なのは、おそらく同一の百済系書記者が記
したためである。また巻15に収録されている防人歌・東歌などがほとんど一
字一音の音仮名で書かれているのは、現地で百済系の書記者が採用され、歌を
収集した結果である。また15巻の前半には遣百済使の一行の歌が収録されて
いますが、こうした使節に通訳が同行するのは当然で、よってここに収録され
た歌も百済系書記者によって記録されたと思われる。よって『万葉集』のなか
で音仮名が集中的にあらわれる巻5、14、15、17、18などは特に百済
系書記者によって記録された可能性が高い巻なのである。
423名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 00:15:55 0
>ウラル語の大家の書いた「縄文語の発見」なんて
それ同姓同名の違う人だと思ってた!
424奈菜氏:2010/05/25(火) 00:26:39 0
 >411 
 別スレ立てよ!というご意見がありますが・・・。
 別スレを立てるべきでしょうか?! 別スレ立てて過疎ってしまっては、
ここに集われた方々のご高見を伺うことができなくなってしまって、ちょっ
と残念なのですが。著者さま(本物ですか?)、反論にこそ学ぶべきものが
多いと思うのですが。
 
425名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 00:30:01 0
>>420
それって逆に言うと文章作法をきちっとしてると電波学説が世にはばかっちゃうということでは…

大野氏のタミル語説のはなしで出てくる外国の人って権威付けに名前だけ出されてる感じの人なの?
てっきり大野氏と説を共にしてるんだと思ってた?
426名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 00:30:41 0
奈菜氏殿は投稿なされる時、
本日はいくつレスする予定であるとか(1/3など)、
続稿ありとか、
本日は以上でレス終わりなどの情報を付記してもらいたい。

>>424
このスレでよろしいのではないかな。
上代特殊仮名遣関連で複数のスレに分岐する必要はないと思われます。
427名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 00:39:54 0
>>425
文章作法というのは、自説の取り扱いまで含めてですよ。

ここの所はこう解釈してこのように思われるのですが、
ご教示願いたいetc

反論「××という例との総合的な位置づけにおいて、議論の余地があると思われる」このぐらいのレベルが上品だよね。矛盾点の示唆とか。

A氏より興味深い御示唆を頂いた、有難い。
で、さらっと自説撤回して二度と言わない。

こういう文書作法だと、電波説も世にはびこらないでしょう。
428奈菜氏:2010/05/25(火) 00:47:59 0
 >>426
 ご教示ありがとうございます。次回からそういたします。
 今日は遅いので失礼させていただきます。
429名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 07:55:55 0
つまり、8音を使う百済人が書いたのは自然と8音になった、でOK?
430名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 09:27:30 0
1 音 1 字といっても字母の種類はけっこう多い。
いわゆる甲類字、乙類字にもそれぞれ複数ある。どれを使ってもよい。
しかし甲類字と乙類字とを交錯させることはない。
そんな複雑な表記法が受け継がれていたと考えるより、音の違いに従って書き分けたと考える方がはるかに合理的。
431名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 09:55:35 0
百済系と新羅系とで用字が違ったので八母音説が出来たと
岩波現代語訳古事記の前説に書いてあった。
しかし万葉集は朝鮮語で読めるというのと同じで
マユツバの域を出ない。
432名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 10:17:38 0
百済語や新羅語ってどれだけ分かってるんですか? 全然死霊がないんですよね
433名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 10:35:52 0
>>432 全然わかっていない。それに、百済系渡来人が日本に伝えたとすれば、当時の中国語音だろう。
多少訛っていたかもしれないが、今の朝鮮漢字音のような百済漢字音があって、それで日本語を写したとは考えにくい。
日本の朝廷は、百済の知識人を通して中国の先進文明が欲しかったのであり、百済語には用がなかったはずだ。
434名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 10:42:53 0
ちょっと訂正すると、いま問題になっている漢字音は全然わかっていないが、百済や新羅の固有語はいくらか知られている。朝鮮語の祖先。
435名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 10:44:33 0
条件異音の条件を明確に立証する。
論点は最終的にそこに絞られるんじゃないのかな。
白村江以降に百済人が大量に流入し、
それら人々が書記官として大量登用されたとか、
そういった状況証拠は特殊仮名遣いの説明とは関係ないし、
そこらへんを論証したいのであれば、
言語学板じゃなくて日本史板でやればいい。
この板の住人はそういった状況証拠には興味ないでしょう。
少なくとも、私は興味ない。
白村江以降の日本の朝廷の書記官が全て百済人であったとの仮定をとりあえず、
受け入れてもなんら問題ない。
百済人一世と二世と三世の日本語能力の仮定も全面的に受け入れる。
条件異音の条件を明確にしてもらえればそれでいい。
そこで、本を買えばわかるから買えと言われるなら、
ここで条件異音説を紹介するな、購読者の集いで語れとしか言いようがない。
436名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 11:23:01 0
>>435
> 条件異音の条件を明確に立証する。
> 論点は最終的にそこに絞られるんじゃないのかな。
結局それができないから、つべこべつべこべ言って煙に巻き、信じさせようとするのだろう。
非母語話者の不正確な聞き取りに基づく表記なら、そもそも書き分けが起こるわけがない。
条件異音という着想はともかく、外国人のせいにしてごまかそうとするのは、筋の悪い議論だ。

キ(゙)・ケ(゙)の甲乙については、子音が口蓋化しているのが甲類で口蓋化していないのが乙類、母音は同じと考えられるかもしれない。
しかしヒ・ヘについては、当時の子音は唇音だったはずだから、うまくいかない。ビ・ベ・メも同様。
437名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 13:03:35 0
いやイ段・エ段は関係無い。「条件異音」だと主張しとるのはオ段についてだけだべ。
438名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 16:16:48 0
重母音だったと言うならそれでも構わない。本当にそうだったかもしれないし。
イ・エ段の甲乙に音韻的対立があったことは否定されない。
甲類は単母音で乙類は重母音という、違う母音だったことになるだけ。
439名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 17:53:41 0
藤井説を取りあえず読んでみたんだが次の点が納得いかない。

まず第一にオ列の甲乙の対立がアクセントの高低の対立だというのなら
>>330->>336に挙げられてる大量の例外をどう処理するのか?

第二に/o/と/wo/が合流した時はそれぞれどのような音価になっていたのか?
合流するときまでこの二つの対立はアクセントの高低によって弁別されていたのか?
それとも唇の丸めが重要な要素となっていたのか?
定家以降「お」と「を」の対立はアクセントの高低差を反映していると見なされるようになるけど、
もともとアクセントの高低によって弁別されてたんなら、仮名遣いが混乱する意味が分からない。
440名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 19:49:46 0
>>439
> 第二に/o/と/wo/が合流した時はそれぞれどのような音価になっていたのか?
それはとりあえず関係ないと思う。/o/ /Fo/ /wo/ には甲乙の対立がなかったわけだから。
/o/ /Fo/ /wo/ にもそれぞれ高いものと低いものがあったが、異音として聞きなさなかったというのだろう。
/mo/ にも高いものと低いものがあって、奈良時代の初期までは異音としたが、その後聞こえなくなった。
/ko/ /go/ の高低は 9 世紀末まで異音として聞こえた。
空海 (774-835) 筆の可能性が高い仮名資料にもコの甲乙の区別がある。空海も百済系の書記を雇っていたんだろうかw
441名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 20:22:54 0
>>440

>その後聞こえなくなった。

誰に??

>/ko/ /go/ の高低は 9 世紀末まで異音として聞こえた。

誰に??

藤井説つまり「百済人が勝手に聞き分けた説」を取るなら、
百済人とその子孫ということになるが、
世代を重ねるごとに、「百済語の音素が一つずつ順番に、だんだん聴き取れなくなるもの」なのかね??

大変馬鹿げていると思うが。
普通は、世代を重ねて母語が切り替わると、一気に音素体系が移住先言語に切り替わる。
語彙は交わるが、音素は一気に切り替わる。一つずつ、10世代近く、200年もかけて切り替わるなんてことは無い。
一番年季を重ねている現在の大阪の在日3世の音素体系は、移住から半世紀で、完全に大阪弁のそれだ。
442名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/25(火) 21:20:42 0
>>440
>/o/ /Fo/ /wo/ には甲乙の対立がなかったわけだから。
いや、この人は/o/=「乙オ」/wo/=「甲オ」だと言ってるんだが
443名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/26(水) 00:05:09 0
>>442
> この人は/o/=「乙オ」/wo/=「甲オ」だと言ってるんだが
なるほど、助詞の「を」は古くは常に高いアクセントを持ってたからね。
しかし、甲乙は日本人が区別しない異音を外国人が聞き取ったという話なのに、「オ甲 (を)」と「オ乙 (お)」とは 11 世紀まで区別されていた。
しかも、「を」「お」にはそれぞれ高いものと低いものがあった。

>>440 の「空海筆」は自筆みたいに見えるので訂正。空海撰『一字頂輪王儀軌音義』一巻、承元 2 (1208) 年写本、高山寺蔵。
エ (「衣」) とイェ (「江」)、コ甲 (「古」) とコ乙 (「許」) の区別が見られる。
444名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/26(水) 00:22:38 0
「ヲ」と「オ」はアクセント対立

統合

音節末に、規則的に音声の違いを生じさせることになる音素(なんでもいいし、いまじゃ知りようもないが声門閉鎖とか)がもともとあった

それが転じて「ヲ」・「オ」にそれぞれ高いものと低いものがうまれた

んで、その新しいアクセント対立を生じさせるもととなった音素(なんでも略)を百済人は聞き取れなかったwww
もしくは、古いアクセント対立(「ヲ」対「オ」)は聞き取れたが、新しいアクセント対立は聞き取れなかったwww
445名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/26(水) 01:07:12 0
オ段の甲乙の別が /Fo/ /bo/ /wo/ (/mo/) のような唇音の後から失われていったところを見ると、/o1/ と /o2/ の音価の違いは、口の開きの大小だったような気がする。
/o1/ は広く、/o2/ は狭かったのではないか。
446名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/26(水) 01:40:48 0
447名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/26(水) 19:21:42 0
上代語より前の日本語には重母音があったかもしれない。
金石文や推古期遺文は、コ甲に対して「跪」「土偏に危」を使っている。これらの字の音は「キウァ」だったと推定される。
[kua] に当てたもので、[ua] > [o1](広い o) と変化した可能性がある。
だから、上代においてもイ・エ段の乙類が重母音のままだったというのは、ありえなくはないと思う。
しかし、それは 8 母音を否定することにはならない。
448名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/26(水) 22:01:27 0
>>445
>/o1/ は広く、/o2/ は狭かったのではないか。

さやぐ⇔そ(乙)よ(乙)ぐ、たわむ⇔と(乙)を(乙)む、
のようにア列とオ列乙類の母音が入れ替わった異型が存在する単語がいくつかあります。
仮にオ列の甲乙が母音の広狭の対立であった場合、乙類がア列と入れ替わっていたことを考えると、むしろ逆と考えた方が自然だと思います。
449名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/26(水) 22:49:37 0
>>448
俺も>>447の仮説の立て方は逆だと思うが、
>>448の母音交替から、「音価が近い」というのはおかしいと思う。むしろ逆。
アとオ乙の交代は、
今の日本語にも生き残っている、息の長い法則だが(オノマトペに顕著)
例:からから/ころころ、かたかた/ことこと、がったん/ごっとん
これは、有坂法則の一バージョンとみてよい。
有坂法則(母音調和則)と考えるなら、
これは口の動きの惰性の法則なので、
母音の音価は、むしろ「離れていなければならない」

俺は、オ乙をどうしても後舌だと思えないのは、
オが後舌だと、ホモ・サピエンスの口蓋の形の上で、どうしても母音調和が成立しないから。
少なくとも祖語ではそうだったはず。

450名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/27(木) 16:55:07 0
当方初心者なのですが、入門書を紹介して戴けませんか?
451名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/27(木) 17:37:21 0
母音調和は関係ないと思う。陽母音 3 に対して陰母音 1 というのはバランスが悪い。
名詞や動詞の母音と、接辞・助詞・助動詞の母音とが調和しない。朝鮮語と違って調和した痕跡もない。ユーラシアの膠着語とは大きく異なる。
/o1/ と /o2/ とは近い音だったろうから、同一形態素内に現れると確かに言いにくいだろう (有坂第 1 則)
しかし、有坂第 2・第 3 則は単なる偶然、意味はないとも解釈できる。
452名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/27(木) 19:29:01 0
>>450
上代特殊仮名遣いなら、とりあえず、
橋本進吉
古代国語の音韻に就いて
で、いいんでないかい、文庫本で400円ぐらいで買えると思う。
453名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/27(木) 20:25:27 0
>>450
452 がお勧め。発見者自身による講演だから。

452 の言うとおり高い本ではない。
間違ってもアマゾン出品の 12600円などという詐欺に
引っかかってはいけない。

青空文庫にもあるよ。
これダウンロードしておくと引用するのに便利。
454名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/27(木) 21:36:12 0
>>449
八音節時代の日本人がホモ族のサピエンスだったって証拠はあるの?
455448:2010/05/27(木) 21:48:27 0
>>445
ちょっと勘違いがありました。一部訂正します。「ヲ」に甲乙の区別はなかったですね。
× たわむ⇔と(乙)を(乙)む
○ たわむ⇔と(乙)をむ
付け加えて、万葉集の「東歌」では上代標準語のオ列乙類が東国方言のエ列乙類に交替する場合があることを申し添えます。

>>449
>オが後舌だと、ホモ・サピエンスの口蓋の形の上で、どうしても母音調和が成立しないから。
>少なくとも祖語ではそうだったはず。
インド・ヨーロッパ語族のように、いくら歴史を遡ってもそもそも母音調和、少なくともトルコ語やフィンランド語のような形での母音調和らしきものが見当たらない言語もあります。
ああいった普通の意味での「母音調和」という現象はヒトという生き物の言語の生得的な特性ではなく、文化的、後天的な形象です。

現存のフィンランド語のような“完成された(?)”形態の母音調和でなく、そもそもの母音調和現象の歴史的始まりの時点での労力節約の心理・生理であるとか、
オノマトペの成り立ち如何、といったような言語成立の原初的な場面における“母音調和”を考えるならば、ご指摘のような点も問題にせざるを得ないでしょう。

しかしそこまで遡って考えるなら、普通の意味での「母音調和」だとか現実に8世紀の文献に実証的に見られる書き分けとしての「上代特殊仮名遣い」の音韻論とは一旦分けて、別途日本語の原始成立論として論じた方がすっきりすると思います。
かたや、日本語のジェネシスにおける音韻を追求してついでにその崩れかけとしての8世紀日本語音韻を論じ、こなた、8世紀の発声現場での日本語の現実の音色を論究していたのでは、生産的な議論の土俵になりそうもありません。
456名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/27(木) 22:24:42 0
日本語の言語成立の原初って何?

別に比較言語学的に系統が証明できないだけで、大地溝帯にいた頃から言葉を喋ってて
そこから連続的に変化しつづけて日琉祖語や八世紀の日本語に連なるんじゃないの?
457名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/27(木) 23:33:14 0
>>456
日本語の祖先がアフリカまで遡れることを証明できない以上、そんなことを言っても無意味。
日本祖語が原初の日本語の復元ということになる。
458名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/28(金) 00:59:23 0
非黒人が大地溝帯を出て黒人たちと袂を分かったのが12万年前。
黄色人がシベリアに渡って白人たちと袂を分かったのが6万年前。
1000年あれば15%言葉は変わるから、6万年あれば99.99%変わってしまう。
459奈菜氏:2010/05/28(金) 01:13:56 0
 藤井説の前置きの要約です。

 白村江の敗戦の結果、日本に渡来した百済人の二世たちは百済語・日本語
の両方に通じていたが、あくまでもそれは話し言葉であり、書き言葉や漢字
の発音(漢字音)は依然として百済式であったと思われる。これは書記言語
(書き言葉)を一世から習った結果である。特に漢字の音だけを借りて表記
する音仮名の表記のもとになったのは「百済漢字音」であった。日本式漢字
音はあったと思われるが、日本における書記活動の中心になっていたのは百
済人なのだから、より精緻に表音できる(音を表すことのできる)百済漢字
音がスタンダードになっていたと思われる。(また日本の貴族は書記活動を
「史」を中心とする文書作成担当者に任せて、自ら書記活動を行おうとはし
なかった。ゆえに百済人が百済漢字音をもって表記したとしても矛盾がない

 
 『万葉集』の巻17、18に収録されている大伴家持の歌の多くが音仮名
で書かれており、その用字法が一定なのは、おそらく同一の百済系書記者が
記したためである。また巻15に収録されている防人歌・東歌などがほとん
ど一字一音の音仮名で書かれているのは、現地で百済系の書記者が採用され
歌を収集した結果である。また15巻の前半には遣百済使の一行の歌が収録
されているが、こうした使節に通訳が同行するのは当然で、よってここに収
録された歌も百済系書記者によって記録されたと思われる。よって『万葉集
』のなかで音仮名が集中的にあらわれる巻5、14、15、17、18など
は特に百済系書記者によって記録された可能性が高い巻である。
460奈菜氏:2010/05/28(金) 01:20:15 0
 藤井説の骨格部分です。

 藤井説は松本説と同じく奈良時代の日本語には/a/、/i/、/u/、/e/、
/o/の五つの母音しかなかったと見ています。つまり五母音説であり、
オ段の甲乙は条件異音であったとみなしています。

 @まず『古事記』『日本書紀』が書かれた奈良時代においては百済
から亡命してきた百済人が書記活動を担当していた。
 Aこの百済人は百済語話者だったので、当時の日本人が聞き分けら
れなかった音声も聞き分けることができた。
 B韓国語(朝鮮語)には「어」「오」という、日本語話者では「オ」
としてしか聞き取れない二種類の母音がある。
 Cこの「어」「오」の二種類のいわゆる「オ」を百済人が書き分け
ていたため、甲乙の区別が生じてしまった。しかし、当時の日本人は
それを区別していなかった(つまり日本人はオ段の甲乙の区別ができ
ていなかった)。

 現代日本人(特に関西地方の人)も無意識のうちにこのオ段甲乙を
発音し分けている、というのが藤井説の核心です。
461奈菜氏:2010/05/28(金) 01:21:07 0
 今日はここまでです。
462名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/28(金) 03:32:29 0
>>457
そんなわけはない。


>>458
で、それと>>455のような「崩れていない日本語の原初的成立」があったって主張との関係は?
どの時代においても「それ以前の言語」の崩れた姿なのだから
463名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/28(金) 06:21:39 0
>>454
> 八音節時代の日本人がホモ族のサピエンスだったって証拠はあるの?

「サピエンス」だった証拠は上代仮名を書き分け、読み分けていたこと。
現代人でもサピエンスでない人はこの書き分け、読み分けが理解できない
ので、自分のできる範囲で自家用の説を立てるのだそうだ。
「ホモ族」については定説がないw
464名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/28(金) 08:08:59 0
>>462は自分以外全員敵なんだろうな。
>>458>>455が同じ立場に見えるらしい。
465名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/28(金) 10:08:09 0
>>452-453 ありがとうございます_ _
466名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/29(土) 04:39:53 0
>>現代日本人(特に関西地方の人)も無意識のうちにこのオ段甲乙を
>>発音し分けている

たとえば?
467名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/29(土) 04:55:14 0
 B韓国語(朝鮮語)には「어」「오」という、日本語話者では「オ」
としてしか聞き取れない二種類の母音がある。

奈良時代の朝鮮語(の祖先)に広いオと狭いオがあったということは確実なのか?
現代のこの二つは、広いオのほうが広いエの転じたものであると聞くぞ。
468466:2010/05/29(土) 05:24:16 0
自己解決
へえ、すごいなあ。
夜は低音で世は高音だったからなのかあ
469466:2010/05/29(土) 05:30:29 0
>>467
ソースは?
470名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/29(土) 07:26:42 0
どうでもいいことだけど
母音調和で前舌母音と後舌母音が固まって現れるって現象だけど、
ハードプレイのアダルトビデオ見てると、
確かにそうだな。
激しくよがってる女優は母音調和してる。
お気に入りコレクションの編集をしてて気付いた。
471奈菜氏:2010/05/29(土) 08:24:10 0
 >>467
 B韓国語(朝鮮語)には「어」「오」という、日本語話者では「オ」
 としてしか聞き取れない二種類の母音がある。
 
 現代のこの二つは、広いオのほうが広いエの転じたものであると聞くぞ。

申し訳ありません、そうおっしゃっている研究者はどなたでしょうか? 


472奈菜氏:2010/05/29(土) 08:26:53 0
 藤井説の紹介のつづきです。
 
 藤井説の核心は上代オ段甲乙書き分けというという現象は現代でも
起こっているオ段音の条件異音が原因だった・・・ということです。
 有坂の三法則もこれで説明できます。三法則を箇条書きすると次の
とおりです。
 
 第1法則:同一語幹内でオ甲類とオ乙類は共存しない。(同一語幹
内部でオ段音が連続する場合には原則として乙類である。)
 第2法則:同一語幹内でウ段音と共存するオ段音には甲類が現れや
すい。特にウ段音−オ段音と続く語は必ず甲類。
第3法則:同一語幹内でア段音に接続する語には甲類が現れやすい。
 (例外が多い)
473奈菜氏:2010/05/29(土) 08:32:18 0
 藤井説における第2、第3法則の解釈は次のとおりです。

 つまり同一語幹内部でア・ウ段と共存するオ段音には甲類、イ・エ
段と共存するオ段音には乙類が現れやすいということは藤井説では、
次のように説明されています。

@アオアオ、イオイオ、ウオウオ、エオエオと言ってみる。
Aウオウオと言うときにウを関西(方言)風に円唇(丸めて)言って
みる。
B「アオアオ」と「関西方言風円唇でウを発音したウオウオ」の場合
の「オ」は唇がすぼまった[o]となる。
C「イオイオ」と「標準語風平でウを発音したウオウオ」の場合の「
オ」は[ɔ]となる。

 以上の過程における、Bの「オ」が上代の甲類「o」、Cの「オ」が上
代の乙類「ö」とみなせば、これは有坂の第二、第三法則にそっくり当
てはまるというわけです。
 つまり現代人も知らず知らずのうちに上代の「オ」の甲乙を発音しわ
けていたというわけなのです。
474奈菜氏:2010/05/29(土) 08:34:33 0
 これは先行・後続する円唇の[u]につられて「o」母音が同化して円唇
化するという「同化現象」です。先行・後続する平唇の[ɔ]につられて
「o」母音が同化して非円唇化するのも「同化現象」です。(先行する音
につられるは「順行同化現象」、後行する音につられるのは「逆行同
化現象」)

 有坂法則で「同一語幹内でウ段音と共存するオ段音には甲類が現れ
やすい。特にウ段音−オ段音と続く語は必ず甲類」となっているのは
、先行・後行する円唇の[u]による「o」順行・逆行同化現象、と見な
すわけであります。
 円唇>円唇、平唇>平唇の組み合わせは、母音の移行が最もスムー
ズに行われ、「経済的」なのだそうです。

 今日は以上です!
475名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/29(土) 21:19:50 0
>>473>>474
あのさー、それって「コレコレの条件異音がコレコレの条件の元で現れやすい」ことと「コレコレの別音韻がコレコレの条件の元で現れやすい」ことを両方一編に主張してるんだけど。
ドイツ語のGottの複数形はGötterになる。oが後ろのeに引きずられて(逆行同化)öになったわけ。
で、ドイツ語のöはoの条件異音だ、とでも言うつもり?明らかに別音韻だとドイツ人も自覚してるだろ?
片手で相手にナイフを突きつけながらもう片方の手で自分の首に自分でナイフを突き付けてることに気づかないの??
476奈菜氏:2010/05/29(土) 21:49:22 0
>475
 @上代特殊仮名遣いにおける/ö/の表記は、ドイツ語の場合のウムラウトと
はその意味が違います。甲乙の表示として用いられているだけです。
 Aドイツ人語話者はドイツ語における/ö/と/o/を聞き分けていますから、これは別音韻です。
 Bでも上代日本語話者は甲類/o/と乙類/ö/を聞き分けられなかった、でも
百済系渡来人は聞き分けていたというのが藤井説の核心です。
 C百済系渡来人はこの二つの音を別音韻として聞き分けていたからです。
 Dでは、なぜ、上代日本語話者は別音韻として聞き分けられなかったのかとい
うと、これらは条件異音に過ぎなかったからです。言い換えると別音韻として
捉えていなかったからです。
 E「ア・ウ段と共存するオ段音には甲類、イ・エ段と共存するオ段音には乙類
が現れやすい」という有坂の第二・第三法則は、単にア段・ウ段のあとに来るオ段音は
円唇となりやすく、イ段・エ段音の後に来るオ段音は平唇になりやすい、そして
それは別音韻として認識されていたわけではなく、条件異音として発音されて
いたものだから、別音韻として認識されていなかった、と藤井説では説明されます。
 Fしかしこれらを別音韻として認識する百済系渡来人はこれを聞き分けて区別
して表記し、これがのちに甲乙の書き分けと認識されるようになった、という
ことです。
477奈菜氏:2010/05/29(土) 21:55:10 0
 例えば、現代日本語においてですが、関西方言話者が「サオ(竿)」
「アオ(青)」「シオ(塩)」「セオ(妹尾)」と発音する場合、「
サオ」「アオ」の場合は「オ」が円唇となり、「シオ」「セオ」の場合
には「オ」が平唇になる現象が観察されます。しかし、関西方言話者は
この二つの「オ」を異なる音として聞き分けているわけではありません。
有坂の第二・第三法則も同じ現象を説明したものだと考えられる、とい
うんのが藤井説の主張です。
478奈菜氏:2010/05/29(土) 21:55:55 0
>>467
 B韓国語(朝鮮語)には「어」「오」という、日本語話者では「オ」
 としてしか聞き取れない二種類の母音がある。
 
 現代のこの二つは、広いオのほうが広いエの転じたものであると聞くぞ。

申し訳ありません、そうおっしゃっている研究者はどなたでしょうか? 

今日はこれまでです!
479466:2010/05/29(土) 22:05:27 0
>>475は無知からくる勘違いによる恥をさらした感じだなあ
ドイツ語のそれは別音素じゃんw
甲乙は日本人にとって今もそして当時も同音素で異音、
朝鮮民族は別の音素ってこと。
Do you understand?w
「オ」については条件異音で全部説明できるというのはすごい発見だ。
おそらく数年後、常識になる。かつての甲乙エのごとく。
「イ」についてはどうなの?
480名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/30(日) 01:35:56 0
481名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/30(日) 10:19:30 0
ありがとうございます。今日の講義も期待しております。
482名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/30(日) 22:08:12 0
>>476
> @上代特殊仮名遣いにおける/o/の表記は、ドイツ語の場合のウムラウトとはその意味が違います。甲乙の表示として用いられているだけです。

そんたこたー分かりきってんだよ、ボケ!

> Bでも上代日本語話者は甲類/o/と乙類/o/を聞き分けられなかった、でも百済系渡来人は聞き分けていたというのが藤井説の核心です。

上代日本語話者が聞き分けられなかった、ということの証拠があったら出してくれ。「聞き分けていた」と解釈した方がずっと説明がスッキリするんだが??

> Dでは、なぜ、上代日本語話者は別音韻として聞き分けられなかったのかというと、これらは条件異音に過ぎなかったからです。言い換えると別音韻として捉えていなかったからです。

上代日本語話者が聞き分けられない条件異音にすぎなかった、ということの証拠があったら出してくれ。「聞き分けられる別音韻だった」と解釈した方がずっと説明がスッキリするんだが??

> Fしかしこれらを別音韻として認識する百済系渡来人はこれを聞き分けて区別して表記し、これがのちに甲乙の書き分けと認識されるようになった、ということです。

聞き分けて書き分けたのが百済人だった、ということの証拠があったら出してくれ。日本人が聞き分けて日本人が書き分けたと仮定した方がずっと説明がスッキリするんだが??

>>479
>甲乙は日本人にとって今もそして当時も同音素で異音、

上代日本人にとって同音素で異音だった、ということの証拠があったら出してくれ。上代日本人にとって別音韻だったと仮定した方がずっと説明がスッキリするんだが??


あのね、始めから「上代日本語は音韻として5母音だった」「条件異音を書き分けたのは外国人だ」という無根拠な大前提を置くからそうやってムリな仮説にムリな仮説を重ねることになるんだよ。
「上代日本人は8母音を聞き分け、書き分けた」と仮定した方が余計な仮説を山ほど築かなくてもスッキリ簡単に説明できるの。
簡潔に説明できる仮説が正しい仮説。これ現代科学の常識!!
483名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/30(日) 23:46:59 0
「物理法則などなく全てはスパゲティモンスター神様が背後から動かしている」
「世界の全ては俺の夢」
「世界の全部はユダヤの陰謀」


これらの仮説は単純にして包括的
現代科学より簡潔
484名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/30(日) 23:48:37 0
簡潔かどうかは重要じゃない
真実かどうかが大事。

現実の奈良時代に条件異音だったがその痕跡が残っていない可能性も考えられる以上
その可能性も排除するべきではない
仮説の一つとして認めるべき
485奈菜氏:2010/05/31(月) 00:30:13 0
 いろいろご意見があろうかと存じますが、とりあえず、最後まで藤井説を紹
介させていただき、その上で問題点を洗い出したいと考えております。

 藤井説では「有坂第三法則、『ア段音に接続(連続)するオ段音は甲類』」
は「/a/と/o/は響きが似ているから、これが連続する場合、発音者は無意識的
に/o/を意識してしまって、明瞭に発音し/a/との差別化をはかる」ということ
で説明できる、としています。この場合の/o/は差別化を図るためにきっちり
丸められた、円唇の/o/です。このきっちりと円唇となった/o/は日本語の理想
の「オ」の音なのですが、唇をきっちり丸めて発音するのはしんどいので、場
合によっては(つまりある条件のもとでは)平らな唇、つまり平唇の/ö/を使っ
ているということです。
486奈菜氏:2010/05/31(月) 00:41:30 0
 ここで「/a/と/o/は響きが似ているから」というのは母音図におけ
る近接を述べているようです。「アオアオ」というときには「オ」の
唇はきちんと丸まりますが、「イオイオ」「ウオウオ」という時には
丸まりません。藤井説は「イ」「ウ」は「オ」と響きが似ていないか
ら(母音図で近接していないから)特に唇を丸めて発音しなくてもか
まわないが、「アオアオ」の場合ではそうではないので、きちんと「
オ」を丸めて発音しなければならない、そうじゃないと「アウアウ」
に聞こえてしまう恐れがある、としています。これが、「ア段音に接
続(連続)するオ段音は甲類」という法則の正体だ、というわけです
487名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/31(月) 01:01:58 0
突っ込みたいとこは沢山あるんだが、とりあえず、
話を先に進めよう。
イ段エ段の甲乙はどう説明するんだ、それで。
オ段は文法上の取り扱いの差異はないが、
文法上の取り扱いに違いが出てくるイエ段の説明をお願いする。
全容を述べてもらってから、オ段についての突っ込みもまとめていれる。
話をすすめてくれ。
488名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/31(月) 04:24:20 0
うむ。まともに反論できないからってソース連呼するのはどうしたものか…
そもそも日本人が過去1000年以上5母音だったのに、上代まで遡ったとたんに突然8つに増えることのほうにこそソースが必要なわけで、
そのソースがいわゆる上代特殊仮名遣いであるからこそ、そのソースに対する検証の一環として、こういう反対説が出てくるわけで、
こうして上代特殊仮名遣いというソースのもつ意味が相対化した以上は、さらなるソースが必要なのはむしろ8母音説の側ではないのか?
489名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/31(月) 06:44:02 0
その理屈だと、それこそ出アフリカまで五母音のはずって話になるぞ
そこまで遡らなくても、沖縄方言は3母音まで減少してるし
490名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/31(月) 11:49:26 0
同一民族同一国家だと変わらないんだよ。
つまり変わったのは何か動きがあった後
491名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/31(月) 20:21:43 0
やっとアク禁とばっちりが解けた。

正直、藤井説なるものは、ただの母音調和のメカニズムを延々なぞっているだけで、

「わたくし藤井が、上代日本語の真理を世界で初めて大発見した大天才であります!」

と力説しているだけなんだよなあ。
母音調和というのは、要するに口と舌の動かし方が同化して母音が揃ったという話であって、
それをもったいぶって、奇妙な造語を駆使して説明しているのは、なんともおかしすぎる。
「1年が365日であることを俺が世界で初めて発見した!俺って世界最強の天才!」
とネタではなく大真面目に信じ込んで吹聴しているような、
もはや喜劇的な滑稽さがある。

だがしかしだ、
これを一歩だけ越えたところに、藤井説の致命的弱点がある。
もし環境異音だとしたら、有坂法則はもっと広範囲に適用されなければならない。
ところが、有坂法則は、同一単語どころか、単一の造語成分内でしか成立しない。
藤井氏お得意の、「関西人に発音させて、韓国人に聞き取らせた」ところで、
「子ども」の母音が、甲乙乙となることは決してないだろう。

これは、有坂法則がもはや奈良時代の環境異音などではなく、もっと化石的な要素であったことを示す。
それは逆に、母音の甲乙が、音素として弁別されていたことを雄弁に物語る。
492名無し象は鼻がウナギだ!:2010/05/31(月) 22:29:26 0
>>488
>うむ。まともに反論できないからってソース連呼するのはどうしたものか…
「ソース」という言葉をあえて悪意に取ることはしないでおくが、仮説を立てたら証明する責任は立てた側にある。

>そもそも日本人が過去1000年以上5母音だったのに、上代まで遡ったとたんに突然8つに増えることのほうにこそソースが必要なわけで、
母音が急に増減する現象は>>489あたりで指摘されているように、言語の歴史で別に珍しいことではない。
それに突然8つが5つになったわけでなく、オ段の区別は最後まで一部残った。漸減したにすぎない。

>そのソースがいわゆる上代特殊仮名遣いであるからこそ、そのソースに対する検証の一環として、こういう反対説が出てくるわけで、
「8母音でなく5母音だったと仮定したら、どういう条件でそれが可能になるか?」という思考実験で8母音説を検証に掛けるのは別に悪いことではない。
その検証にあたって考え出された結果であるストーリー・筋書きが余りにも荒唐無稽で、ムチャ振りの仮説を山ほど積み重ねているから全然ダメだと言っているんだよ!!

>こうして上代特殊仮名遣いというソースのもつ意味が相対化した以上は、さらなるソースが必要なのはむしろ8母音説の側ではないのか?
悪いが藤井説で上代特殊仮名遣いというソースが相対化したとは認められないな。本人以外誰も認めていない。


藤井説は循環論法に陥っているんだよ。
「上代日本語は5母音だった」「条件異音を書き分けたのは外国人だ」ということを大前提にして議論して、その前提自体を論証しようとしている。
その議論の内容が8母音説よりもはるかに合理的で簡潔に上代特殊仮名遣いを説明できるなら誰でも耳を傾ける。
それが丸っきり出来ていない。とんでもない非合理な仮説を無理やり重ねまくってようやく前提を自己正当化している。だから相手にされないの。

「上代日本語は8母音だった」と仮定する説は藤井説より遥かに合理的に上代特殊仮名遣いを説明しているよ。
493奈菜氏:2010/05/31(月) 23:52:16 0
 とにかく、まずは藤井説の紹介を続けます。

 最後に残った「有坂第一法則」の正体についてです。

 「同一語幹内でオ甲類とオ乙類は共存しない。(同一語幹内部でオ段音が連
続する場合には原則として乙類である。) 」という法則です。

 これについて藤井説では「これは条件がないので唇を丸めたり平らにしな
いだけの話」と説明しています。たとえば「トコトコ」と発音する場合、こ
れは/u/に/o/が同化したり、または/a/との差を明確にするとかいう条件のな
い場合です。ですから特に理由がないので「ト」も「コ」も同じ種類の母音
で発音するのが楽だし、無理して違った発音を出す必要も条件もない、とい
うだけのことだと述べています。

 「同一語幹内部でオ段音が連続する場合には原則として乙類である。」 と
いう附則も同様で、唇を丸めるエネルギーが必要な甲類より、平たいままの
乙類のほうが発音しやすい、ということだと説明されています。
494奈菜氏:2010/05/31(月) 23:53:03 0
 今日はここまでです。
495名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 03:08:28 0
>>492
無理な仮説に仮説を重ねたっていうけど、どこが?
「甲は円唇、乙は平唇、環境異音の同音素」というひとつの仮説を説明してるだけじゃん。

現在は8母音ではなく7母音のほうが有力なんじゃない?
496名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 03:21:51 0
>>有坂法則は、同一単語どころか、単一の造語成分内でしか成立しない。
>>藤井氏お得意の、「関西人に発音させて、韓国人に聞き取らせた」ところで、
>>「子ども」の母音が、甲乙乙となることは決してないだろう。
有坂法則というのを私にも分かるように例を出して説明してくださいませんか。
その上で藤井説の矛盾点、説明不可能な点を指摘してもらえないでしょうか。
497名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 09:30:38 0
>>473
> イ・エ段と共存するオ段音には乙類が現れやすい
それは事実だが、甲類の例も無視できない。

イソ甲 (磯)、イソ甲- (急)、イト甲コ甲 (親)、イト甲マ (暇)、イモ甲 (妹)、
キ甲モ甲 (肝)、キ甲ヨ甲- (清)、コ甲ヒ? (鯉)、
シノ甲 (篠)、シモ甲 (下)、シロ甲- (白)、ソ甲デ (袖)、ソ甲ニ (鳥名)、ソ甲ヒ甲 (淡赤色)、
ト甲ジ (主婦)、-ド甲チ (共)、ト甲ネ (官人)、-ト甲ベ甲 (接尾辞)、-ト甲メ甲 (接尾辞)、
ニコ甲- (柔)、ネコ甲 (猫)、
ヒ甲コ甲 (彦)、ヒ甲ソ甲 (小木材)、
ミ甲ト甲 (陰部)、
-ヨ甲リ (助詞)

1 形態素でない可能性のあるものも含まれている。しかし、オ段甲類と乙類とが条件異音だとはとてもいえない。
498名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 15:53:29 0
道の条件があった可能性>未知の条件など何もなかった可能性
当時はあったが今は失われた条件があったためにその条件が特定できないだけ
499497:2010/06/01(火) 19:59:34 0
平安時代のアクセントがわかっているもの (H=高 L=低 D=下降):
イソグ (急 LLD)、イトマ (暇 LLL)、キモ (肝 LL)、キヨシ (清 LLD)、コヒ (鯉 LD)、シノ (篠 LL)、シモ (下 HL)、シロシ (白 LLD)、ソデ (袖 HH)、トジ (主婦 HH)、ニコゲ (和毛 HHL)、ヒソ (細木 LL)

ソデは「ソ (衣)+テ (手)」に、トジは「ト (戸)+ヌシ (主)」にさかのぼるともいわれるが、「衣」の意味のソは上代には乙類であり、疑問が残る。
このグループのオ段甲類には L が目立つが、ニコゲのコは H。
オ段乙類も当然 H の場合と L の場合がある。

>>498 未知の条件を想定してまで条件異音だったと考えなければならない理由がない。
8 母音だった可能性を否定する根拠もない。
500名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 22:26:20 0
すげええ
>>497氏の書き込みで逆に藤井説が活きてきだした
藤井説では、オは低音で円唇化(甲類)するので、
まさに、あげられた語は、アクセント上、「オ」が円唇化(甲類化)したという証拠w
平安時代にアクセントがわかっているもののほとんどが「L」だ。
ソデ、トジをおいとけば、ニコゲのコのみが「H」。
平安時代になる過程でニコゲのみアクセントが変化したんだろうね。
ニコゲ以外は全部「L」というのがすごい。
501名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 22:26:57 0
>>495
>無理な仮説に仮説を重ねたっていうけど、どこが?
>「甲は円唇、乙は平唇、環境異音の同音素」というひとつの仮説を説明してるだけじゃん。

その仮説を説明するために積み重ねられた仮説。
・上代特殊仮名遣いは日本人でなく百済人が書いたものである。
・条件異音は自己識別できないから日本人が日本語を書けば上代特殊仮名遣いは発生しないはずだが、
 そういう上代日本語文献は奇跡的なことにはただの一つも存在しない。
・古事記には稗田阿礼が口述、太安万侶が筆記と明記してあるが、あれは真っ赤なウソで実は百済人が書いたものである。
 もしくは、太安万侶は百済人である。
・万葉集全二十巻に日本人が書いた巻は一巻も存在しない。
・万葉歌人の柿本人麻呂は独自の文字使をしていて彼の歌はしばしば難読ではあるが、人麻呂特有の情緒の醸成に役立っている。
 しかしあの人麻呂調の文字使いもやはり百済人の発明によるものである。
 もしくは、柿本人麻呂は百済人である。
・百済人は日本語では条件異音である母音の甲類乙類を音韻として聞き分けていた。
 8世紀百済語についてはほとんど何も分かっていない。が、とにかく聞き分けていたんだぞー!!!

・・・無理筋の突っ込みどころはいくらでもあるが、もっと入用か??
502名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 22:36:36 0
条件に条件を重ねるだの、仮定に仮定を重ねるだのというけど、
そうじゃないって。
「甲と乙は条件異音」ってだけじゃん。
逆に、条件異音を否定して8母音説に執着することこそ、
有坂法則だの、なんだのっていう理由がはっきりしないルールがどんどんでてきちゃうんでしょ?
「甲と乙は条件異音」というのを受け入れるだけで、
有坂法則の謎はとけるし、しっくりくるでしょ?
503501じゃないお:2010/06/01(火) 22:49:25 0
>>502
条件異音ってだけじゃんっていうけどさ、
その前提として、
@日本人は書き分けできない。
A日本人は一切文献を残さなかった。
っていうことになるよね。
さらに言えば、
上代特殊仮名遣い崩壊過程と、
世代交代もちょっと苦しいんじゃないかい?
ちょっとづつ、聞き取り不可能になる世代交代とかあるのかい?
あと、有坂法則の謎ってなに?謎なんかあったの?
504名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 23:09:12 0
文字は百済人を介して伝わったのだから筆記者、秘書官は当然初め百済の渡来一族が
専門職の長なり、指導者になっているはず。それらが指導者だから、
日本語ネイティブも百済流筆記法を学ぶはず。これ当然のこと。
漢詩には字を平仄ふたつに分けて配置させるのが唐流で、これが正式なもの。
もちろん日本語ネイティブにはどれが平仄だかはわからない。
あるいは、カメラはcamera、カップはcup、カップ(刑事)はcop、アメリカではa,u,oの発音は違うが
どれも日本語では「ア」。でも表記するときは、どうですかな?w
余談だが、仏教寺院の建築法を伝えたのも百済人で四天王寺を立てたのは百済の金剛一族が代表になって建立、
その後法隆寺も彼らが、いわば百済流仏教建築法で建立した。そりゃあ、大工には生粋の日本人はいたででしょうけどねw
これらは、上代仮名遣いのバックグラウンドに過ぎない。
「条件異音」だけで、みるべきで、バックグラウンドをつつくのって
重箱の隅ですよ
505名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 23:19:03 0
>>503
あなたは、camera, cup, copの母音を書き分けできないんですか?www
これはいわば甲乙丙類の「あ」ですねw
有坂法則の謎っていうのは言いすぎたけど、「どうして法則があるのか?」
ってこと、藤井説、つまり甲乙は条件異音だったという仮説をするだけで
その「どうして法則があるのか?」が説明できる。
上代仮名遣いの崩壊過程も藤井氏は、この仮説だけで、
ホ・モの書き分けが当初から明確でなく、コの書き分けが最後まで残ったというのが
説明できるという。詳しくは、知らんが、奈菜氏が書くと思う。
506名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 23:34:39 0
>>500
生きてこねえよw

つうか、おまえら「母音調和」の基本を知らなさ杉w
まあ、母音調和の基本は、国語学においては、
「起源論争」によって、戦前来、いわば「政治的」にごまかされた嫌いがあるが、
それにしても、
>>497で「藤井説が生きた」と言うのは、
藤井本人とまったく同列レベルで、「通説を知らない不勉強を暴露している」としか言えんw

>>500
の言っていることは、「イが女性母音である可能性」を示唆しているだけで、
むしろ母音調和説の補強となる。
母音調和とは、「システマティックな母音の同化現象」なんだ。
どこまでも、藤井説は、100年遅れで母音調和のチーチーパッパをなぞって、
「俺って独創的な天才!」と得意になっているだけなんだ。

俺の言ったとおりだ。藤井は、
「俺が世界で初めて、円周は直径の3倍強であることを発見した!
どの円を測定してもこの数字になる!俺って世界最強の大天才!」
と言っているようにしか聞こえない。
そんなことは、古代エジプト人でも知っていたっつーのw




507名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 23:42:13 0
それからアクセント論に関しては、
ここの板住人は知らん奴が大杉なんで基礎を書くが、
用言アクセントは、語幹は基本2型(2種類しかない。正確には3種類だが、2種の亜流)だからな。
そして語幹LL…Lがデフォなので、Lであることは当たり前すぎて比較にならん。
(これは、今の東京アクセントの起伏型(終止形で最後の拍が下がる)に相当する)
508名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 23:43:42 0
>>506
えええええええええ!!!!!
母音調和?????
いまだにそんなこといってるやついるんだ!!!!w
それこそ母音調和がなんたるか知らないやつじゃん
509奈菜氏:2010/06/01(火) 23:49:59 0
 議論が活発になって幸甚です。
 私も藤井説を完全無謬のものだと考えているわけではありません。
 既存の説と比較して妥当な点と問題点を洗い出し、評価していただきたい
と思っています。

 さて次は「有坂第三法則」に例外が多い理由です。「第3法則:同一語幹
内でア段音に接続する語にはオ甲類が現れやすい。(例外が多い)」という
法則です。この例外が多いということはどのくらいかというと、7割弱なの
だそうです。(つまりア段音と共存する場合にオ甲類が現れるのが7割弱、
2割強が例外)

 藤井説によると次のように説明されます。

 @「ア段音と共存する場合にオ甲類が現れる」という法則は「カオ」のよ
うにア段音が先行する場合に当てはまるだけで、オ段音が先行する「オカ」
のような場合にはあまりあてはまらない。その理由は、通常「オ」を発音す
る時には平らな「オ」、つまり/ö/(乙類)であるので、語頭などでは無
理に丸くして/o/(甲類)とは発音しない。

 A有坂先生の挙げている例で第三法則に当てはまる33語のうち、28語
は「カド(門)」「サト(里)」「ナゴ(和)」などア段先行音。オ段先行
音の場合は「ソバ(側)」「ソラ(空)」「トガ(咎)」など5語しかない。
逆に例外として乙類があらわれる11語のうち「トガ(咎)」「トハ(永久
)」「トマ(止ま)」などは5語がオ段先行音。つまりオ段音が先行する場
合には甲乙は半々。(続きます)
510奈菜氏:2010/06/01(火) 23:50:41 0
 Bだから第三法則は「同一語幹内でア段音に後続するオ段音は原則として
甲類」と言い換えたほうがいい。また、この場合にオ甲類が現れるのはアク
セント(後述)・子音の影響による「オ」母音の円唇化である。

 C一方、「同一語幹内でウ段音と共存するオ段音には甲類が現れやすい。
特にウ段音−オ段音と続く語は必ず甲類」という第二法則が強固なのは、関
西方言の円唇の[u]は後続するオ段音を円唇化させ、のみならず先行するオ
段音をも円唇化させる強力な拘束力を持っているからである。(続きます。)
511名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/01(火) 23:55:45 0
>>506
反論してみて。
有坂・池上の法則は、同一結合単位内(=語根内)における乙類オ列音の法則であって、
母音調和の法則ではない。乙類オ列音はオの円唇性とエの前舌性を合わせ持つ母音であり、
舌の位置ではイ列エ列の範疇である。イ列とエ列にはそれぞれ甲乙の別があるのだから、
仮にこの法則が、乙類オ列音はそのどれと組み合わせができ、どれと排他的関係にあるかを
言っているならば、あるいは母音調和の痕跡を示していると言えなくはない。
母音調和は、まことに頑固な決まりであって、例外を認めない。たとえ外国語の固有名詞で
あろうとも、単語の中の母音を同じ音色に染め変えてしまう。「語尾」と呼ばれる接尾辞や
後置詞の部分も、外来語につける場合も当然のこととして母音調和の法則に従う。
この法則の(3)のように、多いとか少ないということは問題にならない。総べてそうなるか、
全くならないかのいずれかである。
有坂池上の法則(2)の後半は、例えば「黒」クロにおいては、ロは甲類であて、乙類では
ありえないことを言う。がもしも、助詞「の」をつけたらどうなるだろうか?
結合単位とは、語幹、語根と言い換えても大差なく、有坂・池上の法則では語尾以降への適用を排除している。
しかし母音調和は語尾などにも及ぶ性質のものである。いな、語尾に及んでこそ、母音調和と言えるのである。
「の」は「乃」や「能」で書かれていて、乙類オ列音である。「巣」スや「津」ツなどウ列音1音節からなる単語に
助詞「の」がつくときは、この法則は適用されない。接尾辞や助詞に母音調和が及ばないことからも、
母音調和の存在を容認することはできない。
512511 つづき:2010/06/01(火) 23:57:24 0
法則(3)は例外を認めている。上代においてすでに「麿」という例外がある。
「麿」は「麻呂」とも書ぐが、呂は乙類のロを表わす。もし仮に、例外を許さないことを
特徴とする母音調和が上代に行われていたとすれば、「麿」は上代語として存在し得ない単語と
言わなければならない。
乙類オ列音を含む四段活用の動詞を考えてみよう。「漕ぐ」と「染む」のコ、ソはともに
乙類である。「染む」は「染まる」の古い形である。いずれも終止形と連体形はウ列音で、
同一語中に乙類オ列音とウ列音が共存して、法則(2)と合致しない。有坂・池上の法則は、
結合単位として活用語尾を排除しているが、母音調和の真骨頂は、語尾が単語の母音と
同じ発音傾向になることに現われる。有坂・池上の法則を、母音調和の法則と
読み替えること自体が誤りである。
513奈菜氏:2010/06/02(水) 00:04:03 0
 >501
 確かにおっしゃられる疑問は当然わいてくると思います。

 >503
 条件異音ってだけじゃんっていうけどさ、 その前提として、
 @日本人は書き分けできない。
 A日本人は一切文献を残さなかった。
 っていうことになるよね。 さらに言えば、 上代特殊仮名遣い崩壊
過程と、世代交代もちょっと苦しいんじゃないかい? ちょっとづつ、
聞き取り不可能になる世代交代とかあるのかい?

 >85 9世紀にはまだコの甲乙の別が残っていた。
 空海や菅原道真は区別していただろう。急激に崩壊したように見え
ても連続性はある。歌では甲乙の音節が同じ形のリズムを作っている。

 ・・・これについては藤井説について一理あると考えている私も解
けない謎、というか頭を抱えています。

 すみません、「続く」と書きましたが、今日はこれまでです。
514名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 00:20:20 0
>>506
当時の日本語の助詞に甲乙二種類あるんだったら母音調和だったろうけどねw
そういう痕跡はあるの?w
まさか、助詞は一種類だけど母音調和だって無茶言うんじゃないでしょうねw
それこそ母音調和の基本を知らないw
515名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 00:51:16 0
稗田阿礼は男か女かもはっきりしていないのに、
太安万侶は絶対日本人なり!と言うことこそクレージー
百済渡来系かもしれないし、団体かもしれない。
筆記法が百済から来たのだから、古事記の筆記責任者も百済渡来家系少なくとも
百済流筆記法を学んだ優秀な人だったに違いない。
やはり例を出せば建築技術を百済渡来系の金剛家が請け負って四天王寺を立て法隆寺を立てた。
それ以来代々金剛家は四天王寺修復専用宮大工としていまだに存在しているわけで、
筆記は百済系の人あるいはその筆記法で書かれたというのは十分すぎるほどありえる話。
これは、仮説に仮説を重ねるとかの話じゃない。
どういう説をとっても、ここに関しては誰もはっきりわからないわけで、
だれもわからないことを出してきて、鬼の首をとったかのごとく言っても意味がない。
516名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 01:05:55 0
そもそも太安万侶が日本人なら、わざわざ稗田阿礼に暗誦させた上でその音を書き取るなどという手間のかかることをやる必要性はないな。
517名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 01:21:45 0
コ甲乙で平安時代初期まで残ったというのは、
甲か乙かが kwoってことはないですか?
518名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 01:24:20 0
古事記の序文はかなり胡散臭いので、
稗田阿礼暗誦、太安万侶書記は論じる値しないと思うけどな。
古事記はその分析から、
内容が帝記・旧辞に分けられるし、
多数の異資料を編纂したものであることは解明されている。
序文偽書説も、説得力ある。
519名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 03:19:24 0
>515
百済の文献も、言語も残ってないのに、何を根拠に言ってるのやら。
日本語に朝鮮語の語彙が無いというのが、全ての答え。
520名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 04:37:44 0
>日本語に朝鮮語の語彙が無いというのが、全ての答え。
当時の朝鮮語の資料が皆無に等しいのに無いとか

高句麗地名から推測すると日本語の数詞は半島起源
521515:2010/06/02(水) 08:07:31 0
>>519
??
何についてだ?
どの説をとっても何の根拠もないってことをまさに言いたいのだが?
八母音説でも藤井説でも、バックグラウンドに関しては何の根拠もない。
ただ筆記法(漢字やその音や書き方など)は百済から来たというのは伝統的有力説
それも根拠ないということもできるが、やはり、八母音説でも藤井説でもどの説でもそうであり、
バックグラウンドを並べ立て藤井説を否定するのはかたはらいたいってこと。
522名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 09:09:19 0
>>500 シノ甲グ (凌) の平安アクセントは LLD だが、シノ甲フ (偲) は HHL。
イト乙フ (厭)、イド乙ム (挑)、ニゴ乙ル (濁) はどれも LLD。
同一形態素中でイ・エ段と共存するオ段乙類が平安 L となる例は珍しくない。
もういいかげんに条件異音説はあきらめてくれないか。
523名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 09:13:33 0
>>511-512 全く正当だと思う。私の意見は >>451

>>513
>  ・・・これについては藤井説について一理あると考えている私も解
> けない謎、というか頭を抱えています。
空海は区別していた。>>443
「空海は百済人だった」と考えればいいのかもしれないが、それだと某国の人たちみたいになってしまう。
藤井説は捨て去らないとメンタルヘルスに悪いよ。
524名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 09:29:00 0
「馬声」「蜂音」「石花」「蜘蛛」
これで、
「い」「ぶ」「せ」「くも」と読む。
万葉集巻十二にある。
百済人というのは、日本語の擬音語を用いて音表記するほど、
日本語の擬音語にまで習熟してたんだろうか。
それとも、たまたま馬の鳴き声の百済語と日本語の擬音語が一致してたのだろうか。
H音がある言語では、馬の鳴き声は「ひ」になってるかもしれないのに。
さらに、たまたま蜂の羽音の百済語と日本語の擬音語が一致してたのだろうか。
525名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 10:57:47 0
>>524
在日百済人だぞ。日本人とは身振り、手振りのほか、擬音語も駆使して意思疎通しただろうから、
むしろ擬音語の習熟のほうが、日本語自体の習熟よりも早かったはず。
526名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 14:15:43 0
>>511
> 乙類オ列音はオの円唇性とエの前舌性を合わせ持つ母音であり、
> 舌の位置ではイ列エ列の範疇である。
音価の推定はいろいろありうるとは思うが、これはどうだろうか。
オ列の甲乙の別が失われた時、出現頻度からして、乙類の方に合流したと見るのが自然だろう。
ところが、その後のオ列母音は独語 ö、仏語 eu のような音ではなかったはずだし、現在ももちろん違う。
527名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 16:03:19 0
>>503 段々外人書記の割合が減ってきた で説明できてしまう
528名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 17:45:27 0
太安万侶は秦氏なんじゃないの? 太氏だし
529名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 20:40:10 0
>>511
>母音調和は、まことに頑固な決まりであって、例外を認めない。
>助詞「の」をつけたらどうなるだろうか?

これは、母音調和が政治的に解釈された名残なんだ。
アルタイ諸語やウラル語族をみれば、おおよそその通りであって、
あたかも「母音調和は文法法則」と言い慣わされているが、
実際には、単なる母音の同化現象に過ぎない。
(この意味で、藤井説はただの旧通説の、質の悪い剽窃に過ぎない。
トルコ語やモンゴル語においては、藤井説の発想はそのまま「母音調和の説明」になる。)

次に、同化がどこまで伸びるかというのが、ある意味文法に反射された問題で、
トルコ語などでは接辞(助詞)まで、多くのアルタイ語では助詞の一部と古来の単語全部、
朝鮮語あたりになると、外来語には不適用、
上代日本語に至ると、ついに造語成分内にまで縮約されてしまう。

ところが、上代日本語の「母音同化」が、造語成分内でしか機能していないということは、
母音調和が生きた同化現象ではなく、化石化しているということを示す。
ところがこのことは、逆にこの「化石化した同化現象」が、
音素の違いだったということを示すんだよ。
これは、一般には「日本語母音調和説の誤り」だと言われるが、
実は、藤井説の完全破綻の決定的証明となる。
なぜ、これが母音調和説(旧説)の終了というより、藤井説の完全破綻を示すのかと言えば、
上の理由で分かると思う。
530名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/02(水) 20:51:00 0
同じことを、別の言い方で言ってみる。

「黒の」

おそらく、>>511のこのたった1例で、
藤井説の論理は破綻してしまう。
どんなに取り繕っても、母音が環境異音で甲乙が交代するのなら、
この場合の「の」は甲類となるはずなのだ。
ここから先の藤井説のすべては、糊塗するための屁理屈にすぎない。


リジッドに考えるなら、有坂法則は母音調和ではないと言ってもいいよ。
(こういう語の定義論争はどうでもいい)

でも、「有坂法則が母音調和ではない」その理由こそが、
他でもない、藤井説の(定義論争ではなく)中身を、完全に叩きのめしてしまう。
531名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 00:33:04 0
>>521
それこそ、母音調和と言いたいために仮説に仮説を重ねてる。
いったい「古今東西」の母音調和する(した)とされている言語で、それにもかかわらず一切助詞(あるいはそれに相当する接尾辞等)が
母音調和せず、すべての助詞が、すっかり、完全に完璧に一種類しか存在しないものって
あるの?

当時の段階ですでに母音調和が化石化していただって??
名詞や動詞、形容詞などには母音調和がむちゃくちゃ残っていたのに、助詞あるいはその他付属語すべて一切合財完全完璧パーフェクトに
母音調和の名残が消え去っていた状態って、それこそかなり無茶な仮説な仮説だ。
母音調和カルトかなにかか?
蛇足だがたとえば母音調和がなくなった朝鮮語でさえ、いまだに過去を表す「た」が母音調和で二種類あったりする。
532名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 01:00:50 0
>>530
全く日本語を知らない異国人に
「とにかく今からしゃべる日本語をそのまま書き写してくれ!」っていう時代ではもうないよw
百済系渡来人の家系が筆記専門職に従事していたということ。
百済系渡来人の家系が代々四天王寺を修復しているようにね。
もちろん生粋の日本人や2世、3世もいたよ、四天王寺修復宮大工に日本人がいるようにね。
だから表記法がある程度確立されて「くろ」という語の表記が既に決められていて、
助詞の「の」という語の表記が既に決められていたわけ。
ちなみにあなたは米語の「cup」と「cop」の聞き分けできる?
では、書き分けてる?そうだよね、99%書き分けてるよねw
533531:2010/06/03(木) 01:02:21 0
訂正
>>521じゃなく>>529
534名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 01:51:28 0
>>523
衣(e)、江(ye)の甲乙の違いと同様(つまり純粋なる母音の区別でない)
空海の記した古と許の甲乙の違いは、上代のほかの甲乙の違いとは異なり
koとkwoの違いでは?
kaとkwaの違いは江戸時代後期まで残っていたことだし。
kwa,kwi,kweは日本語にかつて存在し、kwaは江戸時代後期から明治初期まであったとし、
さらにwoも存在していたにもかかわらず、kwoは一度も存在していなかったというのはむしろ不自然。
平安初期までkwoは存在していて、その後廃れ、kwa,kwi,kweおよびwoだけになったとすれば自然に納得できる。
535名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 09:33:24 0
>>532
> だから表記法がある程度確立されて「くろ」という語の表記が既に決められていて、
> 助詞の「の」という語の表記が既に決められていたわけ。
>>430

>>534
> kwa,kwi,kweは日本語にかつて存在し、kwaは江戸時代後期から明治初期まであったとし、
> さらにwoも存在していたにもかかわらず、kwoは一度も存在していなかったというのはむしろ不自然。
上代語には子音連続は原則的に存在しなかった。kw-,gw-,Cj- といった拗音は漢字音とともに入って来た。
kwe,gwe は早くに消え kwa,gwa だけが残った。kwi や kwo は漢字音になかったので、当然日本語にも存在したことはない。wo は子音連続とは無関係。
9 世紀のコ(゛)の甲乙は上代の区別を受け継いでいる。唇から最も遠い所で調音される子音の後で、口の開きの大小 (現在のオ <乙類> と少し広いオ <甲類>) の別が保たれていたと考えられる。
536名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 09:46:53 0
>>530 藤井説を擁護するわけでは全くないが、古代語では助詞の独立性が高かったと見られるから、同一形態素の中 (kuro1) でだけ働いて、助詞 (-no2) にまで及ばないフォノタクティクスがあったとしても、おかしくはないと思う。
ただしそれは母音調和とはいえない。>>451
537名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 11:09:01 0
歴史的字音仮名遣は、合拗音クワ・グワは示すのに、「クヱ」「グヱ」は示さない。
撥音 -n と -m も区別しない。両方とも‐ン。
古音に基づくはずなのに不徹底だ。
538名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 15:32:16 0
>>535
確かに、オヲホ・モ・ソトノヨロ・コと並べるとオ・ヲを除いて調音位置が順に後ろになっていくな。
539名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 18:15:05 0
>>535>>430
ゆとり世代のギャルかよww
助詞「は」は「わ」と書き、助詞「を」をワ行だからって「うぉ」と発音し、
通りを「とうり」と書くだろ?wで、理由が「合理的じゃん」wですか?w
仮名遣いは、昔から今に至るまで発音どおりに書くと思ってるわけでしゅか?w
定家や契沖をはじめ仮名遣いは幾度となく時代時代で改変されていく。
その改変の仕方は「言文一致」ということにはならない。
そんなことも知らずしてここに書き込むとは片腹痛い。
明日から合理的に英単語のつづりでも書いたらどうですかなwwww
540名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 19:12:10 0

あのさあ、頭だいじょうぶか?
これは何説とかじゃなくて、多数説だか有力説だか。
平安初期にはコだけ甲乙の2つの音素の区別があったって?

では問う。
今の世界中のありとあらゆる言語すべてを探しに探し回って、Kだけ専用につく母音がある言語ってあるのか?
今じゃなくても過去をつけくわてもいいし、Kじゃなくてもいい。
一体、子音ひとつに対してだけの専用の母音がある言語なんて存在するのか?
頭おかしいことがまかりとおっていないか?
541名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 20:01:30 0
>>531
何度も繰り返すが、それが母音調和が特殊な政治的学説のツールだった名残なんだよ。
母音調和を軸に、ユーラシア北部の言語を統一説明したいという、
純粋にイデオロギー的な政治的契機があった。
そのためには、母音調和は、偉大なる文法法則である必要があった。

本来の母音調和は、トルコ語やフィンランド語であったとしても、
それは音韻上の同化現象の域を出るものではない。
及ぶ範囲がシステマティックなので、文法現象のように見えるだけ。

これは、日本語で例えると、方言ごとのアクセント法則と酷似している。
アクセントのいわば、「一山(ひとやま)の法則」つまり「谷が生じたら切れ目である」
という法則が働く射程は、
東京方言では「句または節」、名古屋方言では「分節」、京都方言では「単語」、院政京都アクセントでは「造語成分」だ。
数百年と数百kmを隔てるだけで、射程はここまで変化する。

俺は、上に述べたような政治的イデオロギーにとらわれず、母音調和はただの同化現象と考える。
そして非常に古くから精密に研究されている、その遺産はそのまま受け継ぐ。
藤井のように、「俺が世界ではじめて発見した」などという破廉恥なことは言わない。
542名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 20:10:07 0
次に、「化石化」の説明をする。
8世紀において、有坂法則の音韻的基盤は化石化していたという事実は、ほぼ自明と言ってよい。
同時代において、より古くから受け継がれた固有語のみに成立する。
音韻法則の基盤が失われても、母音は、大遷移現象でも起きない限り、通常はそのままだ。
したがって、古い時代の母音は原則的にそのまま保存される。
ところが、助詞に及ばないばかりか、外来語(漢語)にも及ばず、造語成分さえ跨がない。
これを「化石化」と言わずして何という?
仮に助詞の独立性が高いことを承認しても、
「子ども(甲乙乙)」なんて接辞の接続にさえ、有坂法則は及ばない。

すでに8世紀段階で、有坂法則を支える同化現象は、実は死んでいる。
にも関わらず、厳密に書き分けられる。ということは、音素が違っていたということだ。
543名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 20:20:10 0
次に、順次甲乙が消えていったことを、
藤井説論者は鬼の首を取ったように言挙げしているが、ハッキリ言って自爆だ。オウンゴールだな。

これは、むしろ音素の違いが順次消滅していたことを雄弁に示している。
一部の子音との組み合わせだけ、区別が存在したり消えたりすることはごくありふれたことで、
有名な例としては、東北地方のいわゆるズーズー弁がある。
「シ」と「ス」が同母音になることで有名だが、
他の行の多く、例えばカ行の「キ」と「ク」は、実は母音が弁別されている。
寿司と煤は同音になるが、菊と茎は同音にはならない。

百済人とやらが、「環境異音」を、数百年かけて一つずつ「聴き取れなくなっていく」なんていう事態のほうが
よほど不自然で神秘的な想定だ。

最後に、>>532に至っては、断末魔で壊れているとしか思えん。
まともにレスをすることすら馬鹿馬鹿しい。
じゃあ、7世紀以前、最初に「の」を乙類と決めた百済人とやらは、「黒の」をどう聴き取っていたんだよ???
544名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 23:36:19 O
>>539
> 定家や契沖をはじめ仮名遣いは幾度となく時代時代で改変されていく。
定家の時代に初めて「仮名遣い」が問題になった。
それ以前は無頓着で、元の本のとおりに写した所と、当時の発音どおりに書いた所とが混在していた。
発音どおりの所がたくさんあるから、書写年代の明らかな資料に基づいて、どのような音韻変化がいつごろ起こったかが推定できるのだ。
仮名遣いがきっちり守られていれば、実際の音はわからない。

>>540 正しくは k と g の後だから子音 2 つだな。
私は世界の言語を幅広く知っているわけじゃない。しかし、そういう例はあると思う。
たしか、仏語の短母音 o と長母音 o: の対立は、子音 n と v の後でだけ現れるはず。
(母音 o: は n と v にだけ付く)

> 頭おかしいことがまかりとおっていないか?
仮にほかになかったとしても、日本語だけがそうだったで終わり。
自然言語には思いもよらぬことがあるものだ。
545名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/03(木) 23:53:49 O
>>543
> 寿司と煤は同音になるが、菊と茎は同音にはならない。
この場合、東北方言では母音 i¨が子音 s と z にだけ付くといえる。
ただし、s と z には母音 i と u が付かない。
546名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 00:16:40 0
ええええええええ
菊、茎、九九、機器はズーズー弁でいっしょだお
547名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 00:18:59 0
>>542
親ども
はどうですか?爆笑
548名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 00:25:20 O
>>546 嘘つくな。それじゃ「クークー弁」だw
549名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 00:50:07 0
>>544
つまり無声または有声軟口蓋破裂音(k、gってこと)だけにたいして専用の母音。
古今東西ありとあらゆる世界の言語を探しに探しに回って見つけることができるのか?
まさか日本語だけだもんねええ、ですませるの?それこそ仮定とおりこして想像じゃん。わかってんのこのカルト野郎w
知らないけどあるんじゃないかなあって?笑わせるなw
ああ。フランス語で確か〜〜ってフランス語に長短の母音の音素の弁別があるかよ。
あるなら例示してみな。ALSで苦しんでおられる篠沢教授の著作でも不要だから長音符号を省いてあるのもあったくらい。
最小対語さあ、あげてみやがれ!まあ、又聞きに又聞きを重ねた想像カルト野郎には無理でしょ?w
そんな不確かな例を出して煙に巻こうとするなんてまさにカルトだなか先入観からの固執だな。
>>仮にほかになかったとしても、日本語だけがそうだったで終わり。
>>自然言語には思いもよらぬことがあるものだ。
そんで、日本人はすばらしいんだ!日本語はすばらしいんだ!とでも言うのか?w
なんかようわからんけど、日本語だけの特徴!だって日本語ってすばらしいんだもの!
ですか?もうトンデモ超えてるぞ。反論するならもうちょっとましな反論をしてくれよ〜
張り合いないわああw
「それは唯一そうなのだ!」って理由なく言っちゃうのって無茶かつなんでも言えるってわかるよね?w
トンデモ藤井説でも「そうだからそうなのだ!」っていえるんだよ。もっと、確固たるもんで反論してくれなくちゃあああああw
「唯一当時の日本語だけ言える特徴なのだ!!!!」ってのは無しw
「なぜなら自然語っていうのはえてしてそうなのだから!!」っての無しw
550名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 00:51:30 0
>>548
じゃあ、煤と寿司のみ同じなら、スースー弁だw嘘つくな
551名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 01:06:53 0
あのさあ、百歩譲って当時の日本語にだけ「軟口蓋破裂音だけoが二種類あった」
と「仮定」していいとしてだね、
もっともっとずっと幅を広くしてどんな子音でもいいとし、もっとずっと幅を広くしてどんな母音でもいいとする。
その母音だけ、その子音に後続するってのがあるの??
シュメール語でも古代ヘブル語でもインディオの言語でもなんでもいい。
現在のどの言語でもいい。そういう言語ってあるの?あるなら言ってみろ!
おそらく万を超える言語のうちそういう言語をあげてみよ。
理由一切なく「日本語だけです」で通すほど非科学的でカルト的考え方はないぞ。
よくそのことを考えるべきだw
552名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 01:17:08 0
藤井説は説明できない点があるが、
それ以前の説の論者はそれを通り越して、カルト。
藤井説はありえないといいながら自説を述べるときはもっと不可思議なことを述べていることに気づいていないほどカルト。
「日本語だけそういう特徴があるのだ」って調べもせずさらっといえちゃうことこそカルト。
カルトだと思っていなことこそカルト。
553名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 01:31:23 0
>>543
ズーズー弁の煤、寿司の母音とカ行のキ、クは違う。
つまり、ズーズー弁はカ行は甲乙の2種類あり、サ行は「丙」の一種類があるということかな
(イ段、ウ段についてね)あわせて3種類wwww
554名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 01:37:50 O
>>540
> Kじゃなくてもいい。一体、子音ひとつに対してだけの
>>549
> つまり無声または有声軟口蓋破裂音(k、gってこと)だけにたいして専用の母音。
なんでこんないいかげんなこと言うんだ?

> フランス語に長短の母音の音素の弁別があるかよ。
no^tre,vo^tre の o^は長母音とされている。

> そんで、日本人はすばらしいんだ!日本語はすばらしいんだ!とでも言うのか?w
> なんかようわからんけど、日本語だけの特徴!だって日本語ってすばらしいんだもの!
> ですか?
意味不明。

> 「それは唯一そうなのだ!」って理由なく言っちゃうのって無茶かつなんでも言えるってわかるよね?w
全然わからない。「(今のところ) 唯一のもの」は世界にいくつもある。

> トンデモ藤井説でも「そうだからそうなのだ!」っていえるんだよ。
駄目。事実の裏づけがない。条件異音という条件を明らかにできなかった。

>>550 >>545

>>551
> その母音だけ、その子音に後続するってのがあるの??
仏語の o:、東北方言の i¨。

> 理由一切なく「日本語だけです」で通すほど非科学的でカルト的考え方はないぞ。
「理由」は要らない。仮に事実がそうなら仕方がない。事実を否定するほど非科学的な考え方はない。

>>552 最後はレッテル貼り。

>>553 東北方言は 6 母音。
555名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 02:46:42 0
あー。類は友を呼ぶとはこのことだな。
藤井説論者(本人含む?)の無知ぶりと頭の悪さには、こちらの頭が痛くなってくる。

だが、いろんな自爆が見られることだけは、それなりに面白い。

まず、イ段とウ段を弁別するはずの東京以西の話者が、
東北方言の「弁別」がgdgdであるということ。
東北方言の母音の、音素上の正解は、一般には、
a ï ü e o æの6つで、
(子音ゼロのとき、ï とeの弁別が無いことのほかに)
サ行、ザ行、タ行、ダ行だけ、
シとス、ジとズ、チとツ、ジとヅが、両方ü、dzü, tsü, (2番目と同じ)となる。
このことは、裏返して言えば、(普通はこんな整理はしないが、論理的には正しい)
「東北語には、ア段、イ段、オ段、エァ段がある。ところが、カ行、ナ行、ハ行、マ行、ラ行(と濁音行)だけには、
イ段に甲乙丙類があり、ア行には、イ段に甲類と乙類だけがある」
と言いかえることが出来る。

この事実は実に面白い。
要するに、「百済人とやらは、百済語に弁別があったから、日本語を細かく聞き分けた」
という仮説を自分で掘り崩しているからだ。
母語に弁別があるからといって、別の音素体系の言語をその通り聞き分けられるとは限らない。
>>546なんて、腹を抱えて笑ってしまった。


556名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 03:08:20 0
東北弁では藤井説論者には難しすぎて理解できないだろうから、もっと初歩的な例をあげよう。

伝統的名古屋弁には、アエイオウのほかに、エァー、オェー、ウィーという合計8つの母音があった。
ところが、昭和後期のうちに、オェー、ウィーは、エー、イーに変化してアエイオウの長音に吸収され、
エァーは、ヤーとなって原則として拗音化した。従って、5母音に収れんされたはずだった。
ところが、タ行とダ行だけは、エァーがそのまま残った。
大根は、デァーコンのままで、ジャーコンとなることも、ディャーコンとなることも、決してなかった。
古い母音が、特定行だけ取り残されることは、今の日本語の方言でも普通にある。
557名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/04(金) 12:23:42 O
>>555-556 東北方言のクの母音とシ=スの母音とは同じ音素なのか? もしそうなら該当例ではない。名古屋方言の例は興味深い。
558名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 00:10:42 0
>>554
だから、フランス語のoの長短は別音素じゃないって。
o^の^は長音符号じゃないし、最小対語ももちろん存在しない。
米語の[i:](heatの母音)と[i](Canadianのi)は別の音素じゃないと同じ。

で、なんで唯一のものであり理由はなくていいと執着しているのが正しくて、
唯一のものではないし、5音であると理由をつけているほうがトンデモ説って言い切れるんだ?
そこが、君は、先入観だけに支配されているってことだ。
話にならんな。理由がないほうが正しいといい、理由があるほうがトンデモだという。
クレイジーにもほどがある。結局すべてにおいて、気に入らないものはトンデモだと言って終わりなんでしょ?。
で自分の意見については理由はないよって言うわけでしょ?、議論も何もできんな。
証拠を見せろ→ないけどいいでしょ。
他例はあるか→ないけどいいでしょ。
理由はあるか→ないけどいいでしょ。
559名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 00:28:15 0
>>555
>>要するに、「百済人とやらは、百済語に弁別があったから、日本語を細かく聞き分けた」
>>という仮説を自分で掘り崩しているからだ。
東北弁の説明ご苦労さん
で、それと上代特殊仮名遣いの話とどう関連してんの?
当時の日本人と百済筆記者との関係?
当時の日本人は東北人で、百済筆記者が関東以西の人ってこと?
その逆ってこと?何がいいたいの?
自分一人だけわかって悦に浸ってるとこ悪いけど、自分以外の人に
分かるように説明してよ。それが、当時の日本人と筆記者とどう関連しているのかを
560名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 00:42:19 0
東北弁がどのような該当例で、どのように藤井説の自爆を説明しているのかがよくわからない。
名古屋弁のエァがもし本当に現在ダ行だけに存在しているというのなら、
コだけ甲乙の別が残ったという不可解な現象の他例を聞くことができてとても有意義だ。
ただ本当にダ行だけデァの発音が残っているのかってことだけど
561名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 00:47:39 0
>>554
>>「(今のところ) 唯一のもの」は世界にいくつもある。
たとえば?本当なら「いくつも」じゃなくていいから、いくつか言ってみてよ。
まさか、ふかし?
562名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 01:00:56 O
>>558
> だから、フランス語のoの長短は別音素じゃないって。
そういう解釈もできる。しかし、その場合は [o] と [⊃] とが別音素でないことになる。
notre dame の o と、la no^tre の o^とは明らかに別音素。いずれにせよ o^は n と v の後にだけ現れる母音だ。

> 米語の[i:](heatの母音)と[i](Canadianのi)は別の音素じゃないと同じ。
それだと heat と hit が同音異義語になってしまうが?

> 話にならんな。理由がないほうが正しいといい、理由があるほうがトンデモだという。
それこそ話にならない。科学に理由は要らない。必要なのは事実のみ。
5 母音説にはたくさんの「理由」があるようだが、確かな事実は 1 つもない。

> 証拠を見せろ→ないけどいいでしょ。
実際にコの甲乙が書き分けられている。

> 他例はあるか→ないけどいいでしょ。
孤例でも事実は動かない。

> 理由はあるか→ないけどいいでしょ。
地球が太陽の周りを回るのに理由はない。
563名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 01:19:34 O
>>561 日本は世界唯一の被爆国。他例はないが紛れもない事実だ。
564名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 01:20:28 0
>>559

>>406に直接ご降臨御あそばしにあらせられた世界で最も偉大なる御ご発見あらせられた藤井大先生によれば、

「隋唐の中国語は7母音だから(鼻から牛乳を吹き出しそうな言説だが、ここではとりあえず措いておく)」
α群の上代仮名遣いは7母音に書き分けされているのであって、
「百済語は『8』母音だから」、β群や他の上代文献全ては、ぴったり対応する「『8』母音に書き分け」
ということなんだろ?

ところが、>>546は、東京以西の話者で、iとuを弁別できているのに、
ちょっと音を違えたï とüは、全く聞き分けが出来ない。リスニング力0点だ。
百済人とやらに限って、全く別の音素体系を持つ日本語の、それも気まぐれに出てくる環境異音を、
一つの狂いもなく完璧に聞き分けるものかね???
そりゃ、百済人とやらは、藤井先生なみの完璧なお耳をした、
人類ではない別の超能力を持つ生物か何かだろうと俺は思うが。
565名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 03:54:41 0
>>564
フィールド言語学者なら凡俗でも時間さえあればそれくらいできるぞ。
だったら当時の超エリートが生涯を書けた事業ならそれくらい出来て当然
566名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 06:31:52 0
>>562
>地球が太陽の周りを回るのに理由はない。
それを説明することから物理学は始まったようなものなのに。
567名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 06:51:01 0
最近ずっと規制されてたからしばらく書き込みできなかった。
突っ込みたい書き込みが山ほどされているのに突っ込めないのは実にもどかしかった。
これから遅レスになるが色々突っ込んでいきたい。

ところで、藤井説論者っぽい人がここ2ヶ月で少なくとも4人(Youwee、奈菜氏、自称藤井氏、あと名無しの人)
現れてるみたいだけど、前の3人は明らかに2ch慣れしてない感じだし、
全員がたまたま言語学板を覗いてここを発見したようには見えないんだが、
もしかしてどこか外部の掲示板かどこかでこのスレが紹介されてたりするの?
もしそういうところがあるんだったら教えて欲しい。
568名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 08:21:45 O
>>566 「理由」はだれにも説明できない。現象の「理由」にかかわらないことで、近代科学は神学や哲学から決別した。
569名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 08:58:03 0
>>567
皆同一人物なんぢゃね。ただまあそんな事どうでも良い(同一人物であらうとなからうと)。
上特に関する新説(藤井説)が出た。
そして其の説く所が確かなるや否やを検証したい。みんなそんな思ひなのでは。
570名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 10:20:18 O
>>569
> 上特
鰻かw
571名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 10:59:49 0
>>405
>このことについては「許」「虚」「胡」等の漢字の朝鮮語と中国18カ所の方言での発音を
>添付のビデオをに収録してあります。
>何より、森博達氏がβ群を書いたのが朝鮮人である可能性を考慮に入れ、そのために
>わざわざ韓国に一年間留学したそうです。(森氏からもらったメールにそう書いてありました)

この部分、にわかには到底信じがたい内容なんだが。
>>414も言っているが、古代百済語の漢字音を調べるのに、現代中国語や現代朝鮮語の発音を調べて、
一体どんな意味があるというんだ?まさか古代百済語の漢字音は現代朝鮮語と全く同じとでも?

上代特殊仮名遣の時代と現代とは1200年以上離れていて、その間に朝鮮語でもかなりの発音変化が起きている。
ハングルが開発されて以降の500年間でも母音体系に大きな変化が起きている(母音推移と連母音融合、アレアの消滅など)。

そしてそもそも、古代朝鮮半島にあった3つの言語である新羅語、百済語、高句麗語のうち、
現代朝鮮語の直系の祖先であるのは新羅語というのが通説だろう?
百済語も新羅語にある程度似ていたようだが、母音体系が違っていた可能性はかなり高い。
古代百済語の漢字音を現代朝鮮語の漢字音を元に調べるのは、
古代沖縄語の発音体系を現代東京方言の発音を元に調べるような馬鹿らしさを感じる。

そもそも百済語がどうこういうのなら、上代特殊仮名遣に関係なく他の資料から百済語がどんなものだったか解明し、
それとは独立に上代特殊仮名遣を調べ、百済語漢字音によるとすれば説明できる根拠を見つけるべき。
上代特殊仮名遣は百済語漢字音によるものだと最初から仮定し、それを根拠に「百済語の特徴」を導き出すのは順序がおかしい。

kとkhとhを混同し、母音が8つあるから、百済語がそういう特徴を持っていたことが立証されるのだと言われても説得力がない。
上代特殊仮名遣と関係ない別の資料で独立に百済語のそういう特徴が示されるのなら意味がある。
今このスレで言われているのは論理が逆だ。

森氏だって、単に新羅語や百済語について詳しく調べるために韓国に言ったのであって、現代朝鮮語の音を調べに行ったわけじゃないだろう。
572名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 11:05:54 0
藤井説ではオ段は母語話者に聞き取れない条件異音だったというが、ならばその条件はどのようなものだったというのか。
アクセントによるもので、オ段甲類は低、オ段乙類は高だったというのか。
それとも前後の母音などの音韻条件によるものだったというのか。今のところどういうものを主張したいのかよく分からない。
どちらにしろ現時点でも大量の例外が指摘されている。例えば>>330-336を見てもアクセント説は成立しそうにない。
>>15>>17-33を見ても、全てを説明できる音韻条件も見つからないし最小対立もある。
そもそも条件異音として説明できるような明らかな「条件」があるのなら、現代まで8母音説が生き残っているわけがないのだが。

もし母語話者に聞き取れない条件異音だったというのなら、繰り返し指摘されているが、
全ての語例を統一した条件の元に一つの例外もなく説明できなければならない。
どちらの例が統計的に有意に多いという程度ではお話にならない。例外が一つでもあれば破綻する。

例えば「ン」の異音は音韻条件のみによって完全に決まる。母語話者には聞き分けられない。
異音が最小対立して同音異義語を区別することもなければ、異音が異なる文法的機能を担うこともない。
英語話者がラテン文字表記すれば異音mが書き分けられたりするが、それも日本語話者がラテン文字表記すれば揺れる。

「チ」「ツ」は、条件異音が崩壊して別音素化した例だ。近代以前は単に/t/が/i//u/の前で異なる条件異音になると説明できたが、
現代では音素/c/を設けて/ci/、/cu/とし、/ti/、/tu/は「ティ」「トゥ」に当てなければならなくなった。
この場合、「チ」「ツ」と弁別される「ティ」「トゥ」を1語でも獲得した時点で、その人にとっては音素/c/が発生したことになる。

上代特殊仮名遣はこのような自然言語の条件異音の現れ方に合わない。
アクセントとは独立だし、音韻条件とも大体(有坂法則以外)独立している。
最小対立もあるし、イとエの甲乙は文法機能も担う。こんな条件異音はない。

有坂法則の存在を見ると、オ段甲類はかつてウ段の条件異音だった痕跡だとみなせなくもない。しかし上代の時点では明らかに別音素化している。
573名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 11:10:07 0
>>467 >>471
ハングル創成時(15世紀中期)の中期朝鮮語における母音は以下のようだった。
なおこれは訓民正音に中国音韻学の成果を用いて詳細に発音が記述されているもので、
ある研究者の説だとかいうレベルではない。ほとんど動かしようがないだろう。

単母音は以下の7つ。
ㅏ [a] (現代まで特に変化なし)
ㅓ [ə] (現代語では[ɔ]になっており、ソウル方言では円唇性が弱くなり[ʌ]に近く発音される)
ㅗ [o] (現代まで特に変化なし)
ㅜ [u] (現代まで特に変化なし)
ㆍ [ʌ] (アレア。第2音節以下では16世紀末にㅡに合流、第1音節では18世紀中期にㅏかㅜに合流)
ㅡ [ɯ] (現代まで特に変化なし)
ㅣ [i] (現代まで特に変化なし)

二重母音は以下のようなものがあった。
ㅑ [ja] (現代まで特に変化なし)
ㅕ [jə] (現代語では[jɔ]、ソウル方言では[jʌ]に近い)
ㅛ [jo] (現代まで特に変化なし)
ㅠ [ju] (現代まで特に変化なし)
ㅐ [ai] (現代語では[ɛ]で、ソウル方言では老年層以外は[e]に変化しㅔと合流している)
ㅔ [əi] (現代語では[e]で、ソウル方言では老年層以外ㅐと合流)
ㅚ [oi] (現代語では規範的には[ø]だが、ソウル方言では[we]、平壌方言では[wɛ]になっている)
ㅟ [ui] (現代語では規範的には[y]だが、ソウル方言と平壌方言ともに[wi]になっている)
ㆎ [ʌi] (アレアに準じてㅐなどへ変化)
ㅢ [ɯi] (現代語では規範的には変化なしだが、ソウル方言では語頭でㅡ、語頭以外でㅣと発音される。

さらに三重母音としてㅒ[jai]、ㅖ[jəi]、ㆉ[joi]、ㆌ[jui]もあった。

中期朝鮮語では明確で整然とした母音調和があり、陽母音としてㅏ [a]、ㅗ [o]、ㆍ [ʌ]、
陰母音としてㅓ [ə]、ㅜ [u]、ㅡ [ɯ]、中性母音としてㅣ [i]があった。
574名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 11:12:04 0
>>488-490
母音の数が増えたり減ったりするのは非常によくあること。
特に日本語の5母音体系のように安定していれば変化しにくいが、それ以外はかなり変化しやすい。

そもそも日本語本土方言ですら、/ai/が変化した/ɛ(ː)/や/æː/を持っていて6母音になっている方言がかなり多い。
名古屋市方言は/ai/、/oi/、/ui/が/æː/、/øː/、/yː/になっていて8母音になっている。
これは朝鮮語の例と似ていて興味深いが、朝鮮語と名古屋弁に関係があるわけではなく、聴音上自然な変化。
また、これらの共通語にない母音はここ50年ほどの共通語化で尽く消え5母音化している。

朝鮮語の場合も、条文によって規定された標準音では10種類の単母音があるが、
実際にはㅚとㅟはソウルでも平壌でも二重母音化し単母音は8つになっている。これは最近起きた変化だ。
さらに現代ではㅐとㅔの混同が進行中で、ソウルでは老年層以外は区別できなくなっている。綴りを間違うことも多いようだ。
日本の東北地方で、老年層が持っていた/ɛ/と/e/の区別が中年層以下で失われているのもこれに似ている。
ソウルではさらに長母音と短母音の区別も老年層以外では消えている。
550年間でかなりの母音変化が起こり、その中でも20世紀以降だけでもかなりの母音変化が起きたことになる。

フランス語では母音体系が急速に単純化していて、伝統的には鼻母音も合わせて17個(13個+鼻母音4個)もの母音があるが、
現実には辞書でも15個(11個+鼻母音4個)ぐらいになっていて、さらにパリでは12個(9個+鼻母音3個)になりつつある。
575名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 11:59:56 0
>>497 >>500
音韻条件で説明したいのか、アクセントで説明したいのかどっちだ。
条件異音説の「条件」とやらがさっぱり見えてこない。
1. イ・エ段と共存するオ段は乙類 という条件と
2. 甲類は低、乙類は高 という条件を両方採用するのか?
そうすると、論理的には
3. イ・エ段と共存するオ段は高 という条件も導けるのか?
ただし、1.と2.に両方反する語がある場合、3.には当てはまってしまうという意味不明なことになるが。
576名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 12:15:49 0
>>535
細かいことだが、kwe、gweだけでなくkwi、gwiも漢字音にあった。
貴、鬼、軌などは「くゐ」、偽などは「ぐゐ」だった。
字音仮名遣には「くゐやう」「くゐよく」などの音すらあり、「kwiang」「kwiok」などを表そうとしたと見られる。
ただしこれは現代でいう「ヴュ」のようなもので、実際の発音としては定着しきらない外来語的な音だっただろう。

kwi、gwi、gwi、gweは鎌倉時代初期(13世紀初頭)に消滅した。これはwi、weの消滅と平行している。
kwo、gwoは字音としても存在した形跡が認められない。woが消滅したのは11世紀だが、それ以前にも無い。
577名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 12:31:30 0
>>540
ある音韻体系の崩壊期には一時的・過渡的にそのような音韻体系が存在することもありうるだろう。
>>556で挙げられた、/tæː/と/dæː/だけが孤立した現代名古屋弁もその例の1つだ。
コとゴの甲乙だけが残っていた段階というのはごく短期間だから、「体系が安定していない」という理由で棄却することはできない。

俺が知っている中では、詳細な地点は忘れたが、奄美か沖縄のどこかの集落の方言の例がある。
その集落の方言は、基本的に/a, i, u, e, o/の5母音なのだが、/ɪ/という母音音素がある。
この母音は、/nɪ/という拍ただ1つにしか現れない。他の子音に付くことはない。
しかし、この拍は/ni/と対立し、異なる単語を弁別する機能も持つ。
また、この2つの拍の区別は、本土方言におけるニとネの区別に対応する。

ズーズー弁が例に上がっているが、東北方言の場合、母音音素/i/と/u/は一般に[ï]、[ɯ̈]という音声で現れる。
これはどの子音に付いた場合も同じ。また、母音音素/e/は共通語より口の開き方が狭い。
そして、子音が付かず母音単独の場合、イとエが混同する。
この場合狭い[e]になるが、これは他の段のエ段と同じなので、/e/に合流し/i/の拍が欠けているとみなせる。
また、北奥羽方言では、シとスがともに[sï]になるが、この母音は他の行のイ段と同じなので、
/si/に合流し/su/が欠けているとみなせる。同様に/cu/、/zu/も欠けている。
南奥羽方言では逆にシとスがともに[sɯ̈]になり、/si/、/ci/、/zi/が欠け/su/、/cu/、/zu/に合流している。
南奥羽方言ではさらに/sju/、/cju/、/zju/も欠けている。
シ、スの母音はいずれも他の行のイ段またはウ段に現れるものなので、該当例ではない。

長野県栄村方言では、ウ段とオ段の拍の大半がオ段側に合流していて、ウ段の拍は半分以下の行にしか残っていない。
この場合、/u/は特定の、半分以下の子音にしか後続しないと言える。
こういう拍の配置の制限がある方言は、日本語の方言の中だけで探しても結構見つかる。
特に琉球方言では、拍が全部揃っておらずいびつな方言が結構ある。
さすがに上に挙げた/nɪ/だけが孤立している例は珍しいが。
578名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 14:00:36 0
>>531
>いったい「古今東西」の母音調和する(した)とされている言語で、それにもかかわらず一切助詞(あるいはそれに相当する接尾辞等)が
>母音調和せず、すべての助詞が、すっかり、完全に完璧に一種類しか存在しないものって
>あるの?

上代日本語でも、直前の母音によって形態を変える助詞が1つあった。
格助詞の「の」だ。これは、一部の母音に付く場合に「な」という形になったと見られる。
ただしこの現象も当時既に化石化していた可能性が高い。必ず「な」になったというわけでもないからだ。
当時から一語化していたような複合語に例が多い。

「海原」は「海な原」(ウナバラ)、「神無月」は「神な月」(カミ2ナヅキ2)、「掌」は「手な心」(タナゴ2コ2ロ2)
「目交い」は「目な交ひ」(マナカヒ1)、「眼」は「目な子」(マナコ1)、「水底」は「水な底」(ミ1ナソ2コ2)、
「水無月」は「水な月」(ミ1ナヅキ2)、「港」は「水な門」(ミ1ナト1)、「源」は「水な元」(ミ1ナモ2ト2)、
「水面」は「水な面」(ミ1ナオモ)が語源と見られる。

一方で、「猪」は「猪の獣」(ヰノ2シシ)、「榎」は「榎の木」(エノ2キ2)、「男」(おのこ)は「ヲノ2コ2」、
「茸」は「木の子」(キ2ノ2コ1)、「筍」は「竹の子」(タケ2ノ2コ1)、「掌」は「手の平」(テノ2ヒラ)、
「檜」は「檜の木」(ヒ1ノ2キ2)、「炎」は「火の穂」(ホノ2ホ)が語源と見られる。

ある時代以降、「の」が直前の母音に影響される規則が化石化した場合、新しい複合語では「な」にならず、
古い複合語にだけ「な」が残ることが予想される。その場合の振る舞いに似ているようにも見える。

日本語の助詞は、中央語では鎌倉時代頃まで、ほとんどが独立したアクセントを持っていた。
例えば格助詞「は」「が」「に」「を」などは高だったし、「も」は降、「ば」は低だった。
「書きて」「起きて」などの「て」すら独立した高というアクセントを持っていた。
当時でも単語内では高低高のようなアクセントは許されなかったが、「石が」などでは「高低高」が許された。
しかし「の」だけは直前の単語のアクセントに影響され、独立したアクセントを持たなかった。付属性が強かったためだ。
現代諸方言でも「の」はアクセント上特殊な振る舞いをする。
579名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 14:36:32 0
>>571
たぶん、学会会場の男子トイレかどこかで、こんな会話をしたんだろうと思う。

藤井:「森先生ですか?」
森:「藤井さんですか。興味深いお話ありがとうございます(社交辞令)」
藤井:(森先生に、俺の説が正しいって言われた!!ヒャッホウ!!)
藤井:「森先生、こんど韓国へ行かれるんですって?(俺の説の裏付けに行ってくれるんだ!!)」
森:「ええ、韓国の漢字音研究もしないといけませんからね。現地へ行くことも重要です。」
藤井:「β群は百済人つまり韓国人が書いたんですものね!(やっぱり!俺の説と森説はついにぴったり!)」
森:「日本の万葉仮名の音価を探る上では、ハングル制定前後を通した韓国語の分析も不可欠ですから」
藤井:「ハングルの音韻の研究もなさるんですね!さすが森先生!頑迷な国語学者とは違いますよ!」
森:「実証研究のためにこそ、視野を広く取ることが必要です(何か興奮しているようだが、一般論でもいっとくか)」

藤井:(ついにキター。森先生が俺の説に賛同した!!俺の時代クル――!!)


>>571氏なら、森氏が何を調べに韓国へ行ったのかは分かると思う。
上代仮名遣いの実証研究において、朝鮮漢字音の研究が不可欠であることも明らかだし、
また、朝鮮語自身の音素体系変化も押さえないといけない。
俺は、個人的には「高麗朝の時期(11世紀ごろ?)に、どうやら母音遷移が起きたらしい」という説を支持するが、
これも異論が多い。しかしここが決まらないと、朝鮮語資料そのものを、補助的にせよネタとして使えない。
580名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 15:32:46 0
>藤井:(森先生に、俺の説が正しいって言われた!!ヒャッホウ!!)

糞わろた
581名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 15:45:10 0
>>568
万有引力とニュートンの三法則からなぜ「太陽を地球が回る」かが説明できるぞw
万有引力は一般相対論で説明できる。
一般相対性理論がなぜ成り立つかはまだ説明できないし、説明できたとしてもその説明になぜ、とは問える。
だから「究極的理由」は説明できないな。
だが、「究極的理由」を説明できないことと「理由」を説明できないことは違うな。

>現象の「理由」にかかわらないことで、近代科学は神学や哲学から決別した。
いい加減なこと言うなw
仮説を含めて近代科学の営みは理由に関わっている。
神学的な「理由」とは違うと言うなら、言語学の「理由」だって同じように神学的なものではない。
582名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 15:55:58 0
1. イ・エ段と共存しているオ段は乙類
2. オ段甲類はアクセントが低、乙類は高
3. イ・エ段と共存しているオ段はアクセントが高

順に当てはまるかどうかを判定する。該当オ段拍がF(降)やR(昇)の場合は高と低の組み合わせとして△とする。
1.と2.に両方違反する場合、3.は当てはまってしまうが、それを○にするのも変なので+で示した。
「○ ○ ○」なら綺麗に該当。上代特殊仮名遣不明の場合の「? ? ○」、アクセント不明の場合の「○ ? ?」も該当の可能性がある。
「○ × ×」、「× ○ ×」、「× × +」などは違例。「? ? ×」や「× ? ?」も違例とみなせる。

磯   イソ1   HH?  × × +
糸   イト1    LH   × × +
五百  イホ     ?    ? ? ?
芋   イモ?   LL    ? ? ×
妹   イモ1   ?     × ? ?
色   イロ2   LL   ○ × ×
魚   イヲ     HH   ? ? ○
沖   オキ1   ?    ? ? ?
鬼   オニ    LL   ? ? ×
帯   オビ1    LH   ? ? ×
肝   キ1モ1  LL    × ○ ×
苔   コ?ケ2  LL   ? ? ×
腰   コ2シ   HH   ○ ○ ○
鯉   コ1ヒ1   LL   × ○ ×
恋   コ1ヒ2   LL   × ○ ×
米   コ2メ2   LL   ○ × ×
声   コ2ヱ   LF   ○ × ×
醜   シコ2   ?    ○ ? ?
篠   シノ1   ?    × ? ?
塩   シホ    LL   ? ? ×
潮   シホ    LL   ? ? ×
下   シモ1   HL  × ○ ×
霜   シモ?   LL   ? ? ×
583名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 15:58:28 0
城   シロ?   HH   ? ? ○
白   シロ1   LF   × △ △
袖   ソ1デ   HH   × × +
時   ト2キ1   LL   ○ × ×
年   ト2シ    LL   ○ × ×
栃   ト?チ    ?    ? ? ?
鳥   ト2リ    HH   ○ ○ ○
鳰   ニホ    HL   ? ? ×
猫   ネコ1   LF?  × △ △
軒   ノ1キ1   HH   × × ○
熨斗  ノ?シ    LL   ? ? ×
後   ノ?チ    LL   ? ? ×
蚤   ノ1ミ?   LL   × ○ ×
鑿   ノ?ミ?   LH   ? ? ×
海苔  ノ?リ    LL    ? ? ×
彦   ヒ1コ1   ?     × ? ?
孫   ヒ1コ1   ?     × ? ?
人   ヒ1ト2    HL   ○ × ×
一   ヒ1ト2    LH   ○ ○ ○
紐   ヒ1モ?   HH   ? ? ○
臍   ヘ?ソ?   HH   ? ? ○
星   ホシ    HH   ? ? ○
骨   ホネ    LL   ? ? ×
堀   ホリ    LL    ? ? ×
味噌  ミ?ソ?   LH   ? ? ○
溝   ミ?ゾ?   HF    ? ? △
蓑   ミ?ノ?    LH    ? ? ○
澪   ミ1ヲ     ?    ? ? ?
籾   モ1ミ?   HH   × × +
森   モ?リ   HH   ? ? ○
宵   ヨ1ヒ1   HH   × × +
嫁   ヨ1メ1   HH   × × +
584名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 16:00:51 0
井戸  ヰド1   LF   × △ △
荻   ヲギ2    ?    ? ? ?
桶   ヲケ2    LF   ? ? ×
甥   ヲヒ1   HH   ? ? ○

顎   アギ?ト?  HHH  ? ? ○
莓   イチゴ?   LHL  ? ? ×
従兄弟イト1コ1  LLH  × △ △
暇   イト1マ   LLL  × ○ ×
命   イノ2チ   LLH  ○ × ×
祈   イノ1リ    LLL   × ○ ×
庵   イホリ     LLL  ? ? ×
潮   ウシホ   LLL  ? ? ×
後   ウシロ2   LHL  ○ × ×
恐   オソ?レ   LLL  ? ? ×
己   オノ2レ   HHH  ○ ○ ○
表   オモ?テ   LLL  ? ? ×
思   オモ2ヒ1   LLL  ○ × ×
蚕   カヒ?コ?  LHL  ? ? ×
鴎   カモ?メ?  LHL  ? ? ○
昨日  キ1ノ2フ  LLL  ○ × ×
着物  キ1モ2ノ2 HHH  ○ ○ ○
甑   コ2シキ1  ?    ○ ? ?
木立  コ2ダチ  ?      ○ ? ?
今年  コ2ト2シ  HHH  ○ ○ ○
子供  コ1ド2モ2 HHH  △ △ △
小鳥  コ1ト2リ  HHH  △ △ △
拳   コ?ブシ  LLL  ? ? ×
氷   コ?ホリ  HHH  ? ? ○
小麦  コ1ムギ1 HLL  × × +
今宵  コ2ヨ1ヒ1 HHH  △ △ △
暦   コ?ヨ?ミ?  LLL  ? ? ×
585名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 16:01:34 0
悟   サト?リ   HHH  ? ? ○
紫苑  シヲニ   RHH   ? ? ○
頼   タノ?ミ?   LLL  ? ? ×
頼   タヨ?リ    LHL   ? ? ○
千年  チト2セ   ?     ○ ? ?
千鳥  チド2リ   LHL  ○ ○ ○
勤   ツト?メ2  LLL  ? ? ×
蜥蜴  ト?カゲ?  HHL   ? ? ○
常磐  ト2キ1ハ  HHH   ○ ○ ○
隣   ト?ナリ   HHH   ? ? ○
扉   ト?ビ?ラ   HHL   ? ? ○
泊   ト?マリ   HHH   ? ? ○
虜   ト?リコ?   LLL  ? ? ×
匂   ニホヒ1   LLL  ? ? ×
寝言  ネゴ2ト2  HHH   ○ ○ ○
望   ノ?ゾ?ミ1 HHH   ? ? ○
野蒜  ノ1ビ1ル ?    × ? ?
昇   ノ?ボリ  HHH  ? ? ○
祝詞  ノ2リト2  ?    ○ ? ?
一   ヒ1ト2ツ  LHL  ○ ○ ○
単   ヒ1ト2ヘ? LLF   ○ × ×
一人  ヒ1ト2リ  LHL  ○ ○ ○
檜   ヒ1ノ2キ2 ?     ○ ? ?
日和  ヒ1ヨ?リ   HHH   ? ? ○
広   ヒ1ロ2サ LHH  ○ ○ ○
披露目ヒ?ロ?メ? LLF  ? ? ×
布海苔フノ?リ   HHH  ? ? ○
埃   ホコ?リ  HHH  ? ? ○
仏   ホト?ケ?  LLL  ? ? ×
辺   ホト?リ   LHL  ? ? △
帝   ミ1カド1  HHH   × × +
神輿  ミ?コ?シ  ?    ? ? ?
586名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 16:02:47 0
命   ミ1コ2ト2  ?    ○ ? ?
操   ミ?サヲ   LHH  ? ? ○
霙   ミ?ゾ?レ  HHH  ? ? ○
緑   ミ?ド?リ   HHL  ? ? ○
港   ミ1ナト1  HHH  × × +
都   ミ1ヤコ1  HHH  × × +
筵   ムシロ?  LLL  ? ? ×
紅葉  モ?ミ1チ  LLL  ? ? ×
社   ヤシロ2  ?    ○ ? ?
寡婦  ヤモ?メ?  HHH  ? ? ○
涎   ヨ?ダレ  HHH  ? ? ○
蓬   ヨ?モ?ギ2 LHH  ? ? △
鎧   ヨ?ロ?ヒ? HHH  ? ? ○
笑窪  ヱクボ   HHL  ? ? ○
乙女  ヲト2メ1  ?    ○ ? ?
踊   ヲド2リ   HHH  ○ ○ ○
夫   ヲヒ1ト2  HHH  ○ ○ ○
女   ヲミ1ナ   HHL  ? ? ○
大蛇  ヲロ2チ  ?     ○ ? ?

暁   アカト2キ1  HHHH  ○ ○ ○
汗溝  アセミ?ゾ?  LLLF   △ △ △
潤   ウルホヒ?  LLLL   ? ? ×
大   オホキ?サ  LLHH  ? ? ×
大君  オホキ1ミ1  ?     ? ? ?
理   コ2ト2ワリ   ?     ○ ? ?
米裂  コ2メ2ザキ  LLHH   ○ × ×
墨壷  スミ?ツボ   LLLF  △ △ △
天皇  スメ1ロ2キ1  ?     ○ ? ?
灯火  ト2モ?シビ2  LLLL  ○ ? ?
撫子  ナデシコ1   LHLL  × ○ ×
何事  ナニゴ2ト2  LHHH  ○ ○ ○
587名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 16:04:07 0
盗人  ヌスビ1ト2   LLHL  ○ × ×
陸奥  ミ1チノ2ク   ?     ○ ? ?
山背  ヤマシロ2   ?     ○ ? ?
邪   ヨ2コ2シマ  ?     ○ ? ?
一昨日ヲト2ツヒ1   ?     ○ ? ?
不如帰ホト2ト2ギ1ス ?     ○ ? ?

憩  イコ?フ  LL-  ? ? ×
急  イソ1グ  LL-  × ○ ×
厭  イト2フ   LL-  ○ × ×
挑  イド?ム  LL-  ? ? ×
祈  イノ1ル  LL-  × ○ ×
競  キ?ソ?フ  LL-  ? ? ×
凌  シノ1グ  LL-  × ○ ×
偲  シノ1フ  ?    × ? ?
凋  シボム  HH-  ? ? ○
絞  シボル  LL-   ? ? ×
嫉  ソ?ネム  LL-   ? ? ×
濁  ニゴ2ル  LL-   ○ × ×
匂  ニホフ   LL-   ? ? ×
拾  ヒ1ロ2フ  HH-  ○ ○ ○
惜  ヲシム   LL-   ? ? ×

聞  キ1コ2ユ HH-  ○ ○ ○
清  キ1ヨ1ム LL-  × ○ ×
忍  シノ2ブ  HH-  ○ ○ ○
萎  シヲル   HH-  ? ? ○
拡  ヒ1ロ2グ HH-  ○ ○ ○
弘  ヒ?ロ?ム LL-  ? ? ×
教  ヲシフ   HH-  ? ? ○
588名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 16:05:40 0
営  イト?ナム  LLL- ? ? ×
広  ヒ1ロ2マル LLL- ○ × ×
拵  コ?シラフ  HHH- ? ? ○
惜  ヲシマル  LLL-  ? ? ×

清  キ1ヨ1シ   LL-  × ○ ×
白  シロ1シ    LL-  × ○ ×
広  ヒ1ロ2シ   LL-  ○ × ×
細  ホソ?シ    LL-  ? ? ×
等  ヒ?ト?シ    LL-  ? ? ×
畏  カシコ?シ   ?    ? ? ?
潔  イサギヨ?シ HHHH- ? ? ○

  ノ2ミ2  HL  ○ ○ ○
  ヨ1リ   FL?  △ △ △

此 コ2レ   HH ○ ○ ○
其 ソ?レ   HH ? ? ?
若 モ?シ   RL ? ? △

大 オホキ?  LLF ? ? ×
及 オヨ?ビ?  HHL ? ? ○
然 シカモ?  LLF  ? ? △
共 ト2モ2ニ  HHH ○ ○ ○
直 ナホシ   LHL ? ? ○
密 ヒ?ソ?カ  LHL ? ? ○
単 ヒ1ト2ヘ? LLF  ○ × ×
若 モ?シハ  HLL ? ? ○
589名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 16:06:32 0
愈 イヨ?イヨ?  HHLL ? ? △
大 オホキ?ニ  LLHL ? ? ×
   コ2チゴ2チ  ?    ○ ? ?
   ニコ1ヨカ   ?    × ? ?
懇 ネモコ2ロ2  LHLL ○ × ×
密 ヒ?ソ?カニ  LHLL ? ? ○
単 ヒ1ト2ヘ?ニ  LLHL ○ × ×
寄 ヨ?リヨ?リ   HHLL ? ? △

終わりです
長くなってすまん
590名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 18:47:52 O
>>581 それは「原理 (principle)」であって「理由 (reason)」ではない。「なぜ」で一緒くたにするな。
原理は事実を説明するもので、まず事実を知らなければ原理は導けない。力学がわからなくても地球が太陽を回っている事実はわかる。天体観測すれば。
591名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/05(土) 22:03:54 0
「1つ(2つ)の子音だけ弁別する母音の存在を信じるなんて、カルトを信じる基地外だ」
と、大見えを切った
>>540>>549が、
ごく普通の言語学徒により淡々と書かれる現実の前に
見事フルボッコにされていて、禿ワロス。


まあ、言語学板と言っても、一応専門板だからなあ。
藤井君とゆかいな仲間たちの、歯が立つ世界じゃないよ。
2chの専門板というのは、なめてかかってはいけない恐ろしいところだ。
普通の、日本史関連の在野のマニアが集まる掲示板程度なら、
藤井説にしても、十分崇拝されるだろうけれどね。
(つうか、俺はその場面を偶然見たことがある)
592奈菜氏:2010/06/06(日) 02:02:13 0
 さて次は「有坂第三法則」に例外が多い理由です。
「第3法則:同一語幹内でア段音に接続する語には甲類が現れやすい。(例
外が多い)」というヤツですね。例外が多いということはどのくらいかとい
うと、7割弱なのだそうです。(つまりア段音と共存する場合にオ甲類が現
れるのが7割弱)

 藤井説による説明はこうです。

 @「ア段音と共存する場合にオ甲類が現れる」という法則は「カオ」のよ
うにア段音が先行する場合に当てはまるだけで、オ段音が先行する「オカ」
のような場合にはあまりあてはまらない。その理由は、通常「オ」を発音す
る時には平らな「オ」、つまり「ö」であるので、語頭などでは無理に丸くし
て/o/とは発音しない。

 A有坂先生の挙げている例でも第三法則に当てはまる33語のうち、28
語は「カド(門)」「サト(里)」「ナゴ(和)」などア段先行音。オ段先
行音の場合は「ソバ(側)」「ソラ(空)」「トガ(咎)」など5語しかな
い。逆に例外として乙類があらわれる11語のうち「トガ(咎)」「トハ(
永久)」「トマ(止ま)」などは5語がオ段先行音。つまりオ段音が先行す
る場合には甲乙は半々。

 Bだから第三法則は「同一語幹内でア段音に後続するオ段音は原則として
甲類」と言い換えたほうがいい。またこの場合にオ甲類が現れるのはアクセ
ント(後述)、子音の影響による「オ」母音の円唇化。

 C一方、「同一語幹内でウ段音と共存するオ段音には甲類が現れやすい。
特にウ段音−オ段音と続く語は必ず甲類」という第二法則が強固なのは、関
西方言の円唇の[u]は後続するオ段音を円唇化させ、のみならず先行するオ段
音をも円唇化させる強力な拘束力を持っているからである。
593奈菜氏:2010/06/06(日) 02:09:52 0
 有坂の法則は「同一の語幹内部でア・オ段音に接続(特に後続)するオ段
音は甲類」と言っています。藤井説では、上での説明により原理が明らかに
なったとしています。ところで、有坂の法則が成り立つなら「イ段・エ段音
に接続するオ段音は乙類」になるのかというとそうではありません。イ段・
エ段音にはオ段の甲乙どちらでも接続するのであり、「シロ」「ネコ」など
、イ段・エ段音の後ろに必ずオ段音が来る単語があります。これについて藤
井説では「あくまで日本語の『オ』の音の理想音は円唇の[o]であり、イ・エ
段に接続するオ段音にオ段甲類が来てもいいのである」と述べています。
 前でやった「イオイオ」「エオエオ」ではオが平唇になっていることから
考えると矛盾しているように思われますが、これは「頭子音のない母音」の
場合に「意識して円唇化させない限り」、「『オ』は唇の緩んだ[ö]になる」
、ということで、「イ段・エ段音の後には絶対オ段乙が来る」ということで
はないのです。 (なお「シロ」「ネコ」などイ段・エ段音の後ろに必ずオ段
音が来る場合は有坂の法則とは別の原理による現象だと述べられています。
594奈菜氏:2010/06/06(日) 02:16:18 0
>>569

 皆同一人物なんぢゃね。ただまあそんな事どうでも良い(同一人物であらう
 となからうと)。 上特に関する新説(藤井説)が出た。
 そして其の説く所が確かなるや否やを検証したい。みんなそんな思ひなので
 は。

 わたくしは藤井氏ではありません。
 そして意図するところは569様のおっしゃるとおりです。
595名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/06(日) 02:56:56 0
>>592
残念だが、何度読んでも、既存の学説の、100年前でも初歩だったレベルのチーチーパッパを
オリジナルな珍用語を駆使して言いかえて、(故意があるのか無知なのか知らんが)剽窃し、
あたかも「俺が大発見した!」と言い募っている、悪い冗談のようなお笑いにしか見えん。

まあ、一応既存のどの初歩学説をなぞっているのか、簡単に説明するとするか。

@〜B&>>593
従来母音調和現象として説明された同化現象は、そもそも順行同化であって逆行ではない。
したがって、藤井大先生がご指摘あそばすまでもなく、当たり前のことだ。
尤も、こんなことさえ分からない>>547のような、
藤井説の理解さえ1億年かかるんじゃないかという奴も、
このスレに参戦している、なんとも凄まじいカオス状態だが。

ついてに言えば、オについては乙類がデフォであることは、
もう半世紀近く前に大野晋が証明している。いまさら藤井さんの出番じゃないよ。

C これも、すでに既出の通り、オ甲がウの異音起源の可能性があることは、
かなり古くから主張されている。子(コ甲)の祖形を*kunaとした村山七郎などが、典型だな。

一事が万事この調子だ>藤井説
通常は「オ乙」だと言っておきながら、「発音の理想論(なんだこりゃ(笑)はオ甲」と言ってみたり、
有坂法則を持て余して、
(有坂法則は非常に射程の狭い法則なので、滅茶苦茶な拡張をしないと「環境異音」にならないから)
糊塗する段になると、もう滅茶苦茶だ。
596名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/06(日) 07:36:16 0
>>590
阿呆か。たとえば地球の公転周期はなぜ一年なのか?についての説明は「原理」を使った説明だが
その説明全体は「原理」というより「reason」だ
597名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/06(日) 08:05:22 O
>>576
> kwi、gwi、gwi 〔kwe の誤?〕、gweは鎌倉時代初期(13世紀初頭)に消滅した。これはwi、weの消滅と平行している。
なるほどクヰ、グヰという音があったようだ。クヱ、グヱ、‐ムとともに、歴史的仮名遣として掲げている辞書もある。
しかし普通の辞書は載せていない。字音仮名遣というのはどうなってるんだろうか。
ところで、上代人はキ乙に「貴」をあてている。キ乙が kwi2 のような音でなかったとすれば、w の要素は無視して使ったことになる。
wi と同時期に消滅したと考えられれば綺麗だが、kwi はそんなに遅くまで残っていなかったかもしれない。

>>595
> 子(コ甲)の祖形を*kunaとした村山七郎などが、典型だな。
村山は *kuna〜*kuηa > *kua > ko1 という変化を推定している。
金石文や推古期遺文がコ甲に「跪」「土偏に危」をあてているのは、*kua の段階を写したものだろう。
598名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/06(日) 08:49:36 O
>>596 全く意味不明。
説明するのは人間だから、人間の側には「理由」があるはずだが、現象の側には「理由」はない。そう考えるのが近代科学。
なぜ 1 年なのかが説明できなくても (原理がわからなくても)、星差を観測すれば、1 年で地球が同じ位置に戻るという事実はわかる。
「なぜかが答えられないなら事実を述べるな」という君の主張は訳のわからない倒錯。
599名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/06(日) 09:30:18 0
>説明するのは人間だから、人間の側には「理由」があるはずだが、現象の側には「理由」はない。そう考えるのが近代科学。
人間が説明するのは現象が起きる理由。OK?
近代の科学者もreasonや理由という言葉を使いますが?

>なぜ 1 年なのかが説明できなくても (原理がわからなくても)、星差を観測すれば、1 年で地球が同じ位置に戻るという事実はわかる。
そして重力理論と太陽と地球の位置関係から、なぜ一年になるかと言う理由が説明できる。

600名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/06(日) 09:51:09 0
もうその話はやめろよw 脱線してるぞ
601名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/06(日) 11:34:59 O
>>599
> 人間が説明するのは現象が起きる理由。OK?
> 近代の科学者もreasonや理由という言葉を使いますが?
厳格には誤用。科学がわかってなさそうな人が使っているのではないから見逃しているが、正しくは原理と言うべきだ。

> そして重力理論と太陽と地球の位置関係から、なぜ一年になるかと言う理由が説明できる。
その原理が説明できないかぎり「1 年になる」と言うなというのが君の倒錯した議論。
602名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/06(日) 16:18:20 0
>>599 >>601
いい加減ウザい。よその板でやれ。邪魔。
603名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/06(日) 16:19:57 0
>>601
>厳格には誤用。科学がわかってなさそうな人が使っているのではないから見逃しているが、正しくは原理と言うべきだ。
何を根拠に誤用と言ってるのか意味不明ww
科学者の間でそういう取り決めがあるのなら「誤用」だが、そんな取り決めはない。
お前の頭なの中の話。
なお個々の現象の説明は「その現象の理由」を説明しているのだが、「原理」はその説名に出てくる「普遍的法則」「一般的規則」などに対して使われるのであって、
科学者の使う「理由」の全てを「原理」に置き換えることは出来ない


>その原理が説明できないかぎり「1 年になる」と言うなというのが君の倒錯した議論。
言ってない。
おまえが「理由なんてない」「近代科学は理由を考えない」と主張してるから突っ込んでるだけ。
604名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/06(日) 17:20:08 0
>>558がいってるのは

既知の原理から説明される理論と未知の新原理を必要とする理論
二つの理論があった場合、前者を選ぶのが常道だといってるんだろ。

原理とか理由と稼動でもいい。
605名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/06(日) 22:29:59 O
>>603
> 何を根拠に誤用と言ってるのか意味不明ww
辞書。

> 科学者の間でそういう取り決めがあるのなら「誤用」だが、そんな取り決めはない。
本当は、科学者なら変な言葉遣いをしていいというわけではない。しかし通用してしまっている。

> 科学者の使う「理由」の全てを「原理」に置き換えることは出来ない
できる。「私がこの研究テーマを選んだ理由は…」のようなのは別だが。

> 言ってない。
言っている。
>>549
> 「それは唯一そうなのだ!」って理由なく言っちゃうのって無茶かつなんでも言えるってわかるよね?w
> 理由一切なく「日本語だけです」で通すほど非科学的でカルト的考え方はないぞ。
なぜかが説明できず、他例がまだ見つからない事実を述べてはならないと言っている。
私が科学は現象の理由を問わないと言う前から。

> おまえが「理由なんてない」「近代科学は理由を考えない」と主張してるから突っ込んでるだけ。
「理由」を勝手に「原理」と読み違えてるだけ。

>>604 8 母音説より 5 母音説の方がはるかに多くの新原理を要する。
606名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 01:49:01 0
>>605
>辞書。
どの辞書になんて書いてあるんだよw
現実の用法を無視して辞書を根拠にしても意味ないが。

>本当は、科学者なら変な言葉遣いをしていいというわけではない。しかし通用してしまっている。
だから科学者の言葉遣いがおかしいと決めることの出来る権威はどこにあるんだよと。
お前の持ってる国語辞典作ってる人たちか?

>できる。「私がこの研究テーマを選んだ理由は…」のようなのは別だが。
できない。
たとえば「ベーリングアザラシがトウキョウアザラシより皮下脂肪が厚い原理はより寒冷地に生息しているからである」「KT境界線にイリジウムが多く検出される原理は6500万年前の隕石衝突である」
「この森で狂犬病が流行った原理は近隣住人による大量の捨て犬であったことが疫学的調査で判明した」(内容は適当)とはいえない。

>言っている。
いつ>>549が俺になったんだよw

>「理由」を勝手に「原理」と読み違えてるだけ。
お前が「原理」の意味を拡大しているだけ
607名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 02:07:33 0
スレ違いはおかえりください。
608名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 08:09:55 0
以前も同じような光景をこの板で見かけたことがあるなあ…
言語学的な話だったんだけど途中で言語とは関係ない例え話をしたら、
その例え話について相手が突っかかってきて、そのまま延々と言語と関係ないことについて2人が論争してた。
完全に板違いで他の人もやめろと言っているにも関わらず、その2人は全く他の人の意見を聞かずレスもせず
延々と2人の世界で板違いの論争をしてスレを占拠して迷惑がられてた。
まさかあのときの2人かなあ。もう科学の話は別の板でやってほしいんだが。
609名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 19:11:23 O
>>606
> どの辞書になんて書いてあるんだよw
ちょっと大きな辞書ならどれでも。自分でひいてみればわかる。

> だから科学者の言葉遣いがおかしいと決めることの出来る権威はどこにあるんだよと。
辞書。

> たとえば「ベーリングアザラシがトウキョウアザラシより皮下脂肪が厚い原理はより寒冷地に生息しているからである」「KT境界線にイリジウムが多く検出される原理は6500万年前の隕石衝突である」
> 「この森で狂犬病が流行った原理は近隣住人による大量の捨て犬であったことが疫学的調査で判明した」(内容は適当)とはいえない。
そういった (地球が太陽を回るような無限に繰り返される現象でない) 場合は「原因 (cause)」が正しい。「理由」は日常語としてはともかく、科学の言葉ではない (reason は使えない)。第 3 例は日常語としても「理由」はおかしい。
610名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 21:05:41 0
互いに一行ずつレスを引用して他人を無視しつつ2人だけで言い争いを続けるこの特徴的な感じ、
マジで前に見たのと同じ2人みたいだなあ。
せっかく上代特殊仮名遣について盛り上がってたのに、この2人のせいでこのスレはしばらくダメか。
この2人が議論に飽きてくれるのを待つしかないみたいだ。
前も他人がどれだけ苦情を言おうと完全に無視して1ヶ月以上言い争ってたし。
611名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 23:04:53 0
>>609
>ちょっと大きな辞書ならどれでも。自分でひいてみればわかる。
大辞林 第二版 (三省堂)
【理由】
(1)なぜそうなったかという筋道。また、なぜそうするかという根拠。わけ。事情。
「反対する―はなにか」「一身上の―」
(2)言いわけ。口実。
「―をつけて休む」「病気を―に面会を断る」
(3)〔哲・論〕 真理や存在が成立する基礎となるもの。論理的には結論に対する前提、実在的には結果に対する原因をいい、前者を認識理由、後者を実在理由という。根拠。
Webster's Online Dictionary
2. An explanation of the cause of some phenomenon; "the reason a steady state was never reached was that the back pressure built up too slowly"

>> だから科学者の言葉遣いがおかしいと決めることの出来る権威はどこにあるんだよと。
>辞書。
なんで辞書が科学での用語法を規定できるんだよw辞書は実際の用法・本来の用法・専門家集団での定義など、辞書の外部の何かをよく反映している辞書がよい辞書であって厳密な意味では辞書自身は権威ではない。
「理由」と言う言葉を科学では使えない、というためには科学者の間に、歴史や制度に裏打ちされた根拠がなければならない。
科学哲学などの外部の科学論が特殊な定義で「説明」や「理由」などにぶんるいすることはあるが、それはその科学論の文脈でのみ正当化される。


>そういった (地球が太陽を回るような無限に繰り返される現象でない) 場合は「原因 (cause)」が正しい。
原因と理由は対立的にも使われるが、後者が前者を包含する用法も間違いではない。
また無限に続くものであっても原因が使える場合もある。
612名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 23:26:54 0
ああ、終わったな。もうこのスレは駄目だ。完全に終わった。
俺がせっかく書いた長文もこの2人のせいでろくに反論もされず終わるんだろうな。残念だ。
>>562の最後のたった1行のせいで、せっかく有意義だったスレがこんなことになるなんて。
藤井さんとやらもその説に賛成する人たちも、見れば分かるけどこのスレはもうダメみたいだ。
この2人を追い出す方法もないし、この2人が飽きるまでどこか他でやるしかない。
また携帯全鯖規制でもされれば、片方は書き込めなくなるから終わるのかもしれないが。
613名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/07(月) 23:40:46 0
無視して続ければ良いんじゃないか?
614名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 00:19:40 O
藤井派がなんかいなくなっちゃったな
615611:2010/06/08(火) 00:57:58 0
ああもう、わかったよ。
科学論文の書き方指南とかそういう奴から「理由」って言葉を使ってはいけませんとか
そういうことが書いてある奴を一冊でも持ってくれば退散するよ。
ただしある程度以上の出版社からのほんで。星雲社とかは駄目。

あったとしてもその本がおかしいんだが、それでもおとなしく引き下がるとも。
616奈菜氏:2010/06/08(火) 01:16:04 0
とりあえずは紹介を最後まで書かせていただきます。

藤井説では次のように「オ段甲乙音単音節語に甲類が多い理由」を説明して
います。

単音節としての「コ(子)」「ソ(粉)」「戸(ト)」「野(ノ)」「麻(
ソ)」などはほとんど甲類です。これは母音をを明瞭に発音しようとすると
円唇化するということと関連があります。たとえば「馬(ウマ)」という言
葉は「ンマ」に近い発音でも通じますが、「鵜(ウ)」というときにはそれ
では通じません。「ウ」を強調して言うことになり、それが円唇化につなが
るというわけです。
617奈菜氏:2010/06/08(火) 01:19:48 0
 次に「上代において短母音名詞の「夜」(ヨ・甲類)と「世」(よ・乙類
)が明確に書き分けられていること」の説明です。これは有坂法則でも「単
音節名詞の強調による円唇化」でも説明がつかないことです。
 
 藤井説ではこれを「音程による口の開きの違い」で説明しています。つま
り「オ」を発音するときに音程が高いと唇が開き、低音では唇がすぼまりま
す。で、「夜」と「世」はアクセントに違いがあります。「夜」はL、つま
り低いアクセント、「世」はH、つまり高いアクセント。低い「夜」は低い
がゆえに唇がすぼまります。「世」は高いがゆえに唇が開きます。ゆえに「
夜」は甲類になり、「世」は乙類になるということです。
 このように「世」と「夜」の書き分けがアクセントの違いで説明できます
から、これは上代多母音説の根拠とはならない、というのが藤井説の主張で
す。
618名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 03:54:51 0
>日本の万葉仮名の音価を探る上では、ハングル制定前後を通した韓国語の分析

全然必要じゃないから。必要なのはむしろビン南(アモイ)語とか客家語。
619名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 05:52:50 P
北京語の音節末のng音が母鼻音として残ってる中国語の方言ってないの?
620名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 08:31:24 O
>>611
> 「反対する―はなにか」「一身上の― 〔で退職する等〕」
> 「―をつけて休む」「病気を―に面会を断る」
「反対する」 (「退職する」) 「休む」「断る」すべて人間。

Webster's Online Dictionary
1. A rational motive for a belief or action; "the reason that war was declared".

「理由 (reason)」とは「理性」をもつ存在すなわち人間のものというのが本義。
日常語で意味が拡張していることは認めるが、現象の「理由」は科学的でないと習わなかったのか。

>>612
> >>562の最後のたった1行のせいで、せっかく有意義だったスレがこんなことになるなんて。
地球が太陽を回る「理由」なんてないよねと納得すれば済む話。
621名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 09:05:34 0
>>620
もうお前が正しいかどうかに関わらず板違いすぎて迷惑になってるから、
変な意地を張らずにこの話は終わりにしろよ。ガキじゃあるまいし。
622名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 09:21:05 0
>>617

>>330-336にあるように、オ段甲類=低、オ段乙類=高とする推論には大量の例外がある。
例えば「子」と「粉」は両方とも甲類だが、アクセントはHとLで対立している。「麻」と「十」もそうだ。
また、当時の一拍語には、拍内で上昇するものや下降するもの(二拍のように発音されると、高低、低高などとなるもの)があったが、
それは一体甲類と乙類のどちらになると説明するつもりなのか?
「藻」と「裳」などは同じ乙類が下降と上昇で対立している。

また、二拍語以上を見てみると、アクセントによる説明は全く成り立たないと言ってもいい。
>>330-336や、>>582-589の2.を見ても分かるが、極めて多くの例外があり、合うものと合わないものと半々ぐらいだ。
これは、上代特殊仮名遣の区別が、アクセントの区別と独立していることをはっきり示している。
それと、当時のアクセントは、拍内で上昇や下降する拍を大量に含んでいただろうと言われている。
これは院政期のアクセントにも現れているが、院政期には既に拍内上昇拍が消えかけていた。逆に奈良時代にはもっと安定していたはず。
少なくとも下降拍を想定しないと二拍名詞五類が三類や四類と対立する理由が説明できない。
このような上昇拍や下降拍に対してどのような説明を与えるつもりなのだろうか?
まさか自説のためだけに上昇拍や下降拍の存在を否定するようなつもりじゃないだろうな?

そもそもアクセントによる区別ではないかなどということは誰でも最初に思いつくもので、
それが今定説になっていないということは今まで検討した人がいて上手く行かなかったのだろうということにぐらい気づいて欲しいもんだ。
それで説明ができるんだったらこんなに延々と議論になどなっていない。今更アクセントを持ち出すのはあまりにバカらしい。
まさか今まで上代特殊仮名遣について議論してきた数々の専門家が誰もアクセントとの関連の可能性に思い至らず、
自分(藤井)が初めてアクセントと関係する可能性に思い至った天才だとでも言うのだろうか?
もしそうなら、それはトンデモさんにありがちな思い上がりというものだ。

何度もいうが、「夜」と「世」だけ説明できても何の意味もない。同音異義語がない全ての語を統一的に説明できて初めて意味がある。
623名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 11:45:22 0
>>621 いや、かなり重要だと思う。
藤井説ではいろいろな「理由」が述べられている。しかし事実の裏づけはほとんどない。
8 母音説は表記の区別をそのまま音韻の違いの反映と解釈するから、特に「理由」を要しない。
「理由」がある方が高等、証拠の貧しさは「理由」でカバーできると、藤井説支持者は考えているらしい。
624名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 11:48:19 0
8 母音説は表記の区別をそのまま音韻の違いの反映と解釈するものの、
その音韻の違いが日本語に由来するという推論については根拠も理由もない。ただの決め付け。
625名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 12:16:39 0
 一般に、近世の自然科学は、「なぜ」という問いをやめて、ただ「いかに」と問うのみであ
り、この問い方の転換が自然科学を成功させたのだ、といわれます〔略〕
 近世以前の自然研究においては、常にいかなる事実が存するかということを問題とするので
はなく、むしろ「なぜ」そういう事実が存するのかということを問題としました。たとえば自然現
象のうちに法則的な秩序が見いだされると、さらに一歩進んで、なぜこういう法則的秩序があ
るのかと問い、それを神の力と結びつけようとしました。
 ところが、近世の自然科学はもはやけっしてこういう問いを発しません。それはただ「いかに」
事実があるかということを探求するのであり、そこで立ち止まるのです。自然現象のうちに法
則が見いだされれば、それでもうよいのです。それ以上、その法則がなぜ存するのかというこ
とを問いません。このように問題を単に事実のあり方に制限したところに、近世の自然研究が
実証的な自然科学となりえたゆえんが存するのです。
 このことは、われわれが自然科学において見いだされた一、二の法則を考えてみれば、十分
に納得されるでしょう。たとえば、ケプラーの法則は、太陽を中心として回る遊星の運動につ
いての法則です。それはただ遊星がいかなるしかたで運動するか、という事実の記述に外なり
ません。そしてわれわれは、もはやこの法則自身が「なぜ」存するのかということを問題としない
のです。あるいは落体の法則にしても、それは真空中の落体がいかなるしかたで落下するかと
いう事実の記述です。「なぜ」こういう落下運動をするかということはもはや問われないのです。
(岩崎武雄『哲学のすすめ』講談社現代新書)

「原理」や「法則」、あるいは「原因」は、現象・結果という「事実」のかたちでしか現れないから、結局「事実」の一部といえる。
上の「なぜ」を、「事実」の外にある「理由」と読み替えれば、科学が「理由」を問わないということがよくわかるだろう。
626名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 12:26:42 0
>>624
> その音韻の違いが日本語に由来するという推論については根拠も理由もない。
記されている言語が日本語である以上、日本語に由来するという推論は当然のこと。
日本語に由来しないと推論する側に重い立証責任が発生する。
627名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 13:03:48 0
>>620
>「反対する」 (「退職する」) 「休む」「断る」すべて人間。
定義本文で「なぜそうなったかという筋道。」と「なぜそうするかという根拠。」をわざわざ分けて書いてあるのが見えないの?

>Webster's Online Dictionary
>1. A rational motive for a belief or action; "the reason that war was declared".
ちゃんと辞書にさえ記載されてる2番以降の用法を誤用というかw

>「理由 (reason)」とは「理性」をもつ存在すなわち人間のものというのが本義。
>日常語で意味が拡張していることは認めるが、現象の「理由」は科学的でないと習わなかったのか。
科学では、古典的な意味だけでつかわれる、なんてルールは存在しない。

>>625
だから哲学系の本で著者が定義している言葉遣いを、科学業界で規定されている言葉遣いと一緒にするなよw
さらに「理由」と言う言葉遣いさえしてないしw(実際の科学史を無視した内容ってのは置くとしても)
>>590では「なぜ」という言葉遣いが原理を含むことを認めてるくせになw
というか「ティンバーゲンの4つのなぜ」とか普通に「なぜ」って言葉を使って問題設定されてるんだがな。
628名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 13:36:05 0
>>619
ビン南(アモイ)語が正にそれ。
百家姓の「張」をTiu~とかTio~と発音する。
程 Thia~
潘 Phua~ phはpの有気音
関 Kuai~
章 Cio~、Ciu~
629名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 13:53:42 0
>>624
例えば現代語では同じイ段音のものでも、四段動詞と上一段動詞の連用形はイ段甲類、上二段動詞の連用形はイ段乙類だ。
四段動詞の已然形はエ段乙類だが命令形はエ段甲類。下二段動詞の連用形はエ段乙類。カ変の未然形はオ段乙類だ。

また、露出形と被覆形の対応を示す語で、露出形がエ段、被覆形がア段になる語の場合、
露出形がエ段甲乙の区別がある行なら、そのエ段は必ず乙類だ。(例:毛、目、雨、天、影、酒、爪)
同様に、露出形がイ段で被覆形がウ段なら、露出形のイ段は乙類。(例:身、神、茎、月)
また、露出形がイ段で被覆形がオ段でも、露出形のイ段は乙類。さらに被覆形のオ段も区別がある場合は乙類。(例:木、火)

このような現象が見られるという事実が、上代特殊仮名遣が日本語そのものに由来するということを強く示唆している。
もっと言えば、これらの活用形や交代形の成立時の情報を上代特殊仮名遣は持っていると考えられる。

日本語には上代特殊仮名遣の区別がなく、全く現代と同じような5母音だったと考えた場合、これらの事実を説明するのは極めて困難だ。
条件異音がこのような形で現れるとは到底考えられないし、それぞれが異なる字音を持つ漢字で表記されている理由も分からない。

これらの現象の存在が、上代特殊仮名遣に対応する発音の区別が日本語にあったとする決め手になる。
630名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 19:42:06 0
>>627
> 定義本文で「なぜそうなったかという筋道。」と「なぜそうするかという根拠。」をわざわざ分けて書いてあるのが見えないの?
ところが前者の例文は示されない。「?火山が爆発した理由」とか日常語としても変。
変でないと言うなら私とは違う言語の話者だろう。

> ちゃんと辞書にさえ記載されてる2番以降の用法を誤用というかw
2.の例文、科学用語が見えるが論文等ではないな。

> 科学では、古典的な意味だけでつかわれる、なんてルールは存在しない。
もののわかった人は安易に reason などと言わない。

> だから哲学系の本で著者が定義している言葉遣いを、科学業界で規定されている言葉遣いと一緒にするなよw
ごく常識的な用法。

> >>590では「なぜ」という言葉遣いが原理を含むことを認めてるくせになw
「なぜこの速度で、互いにくっつきもせず、回っているのか」と好意的に解釈してやっただけ。
631名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 20:01:40 0
で、結局藤井説は、間違いなの?
短く簡潔にそこを述べよ
632名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 20:37:52 0
>>623
なら藤井説に関係することだけ述べろ。
藤井説にもはや関係ない、自然科学とか哲学とかにまで戻った話を延々と続けるのは荒らしだ。

>>631
間違い。前後の母音による同化にしろ、アクセントにしろ、条件異音としての説明が成り立たない。
上代特殊仮名遣は前後の音韻条件によってもアクセントによっても説明できず、独立した音素があったとみなせる。
それが8母音だったことを直接意味するわけではないが、日本語話者はア、イ甲、イ乙、ウ、エ甲、エ乙、オ甲、オ乙を互いに弁別していた。
633名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 21:29:10 0
>>630
>ところが前者の例文は示されない。
おいおい、辞書の例文に単にあがっていないことだけを根拠に、その辞書で「わざわざわけてかいてある」説明を否定するのかよ。
おまえの「辞書が根拠」ってのは、根拠から結論の導き出し方の自由度が恐ろしく高いな。
藤井説並みのこじ付けだろうw

>「?火山が爆発した理由」とか日常語としても変。
「火山が噴火した理由」で検索してみたよ
>火山性微動はいくつかの理由でおこると考えられています.
東大の火山研究者さんの文章から引用です。
ttp://wwwsoc.nii.ac.jp/kazan/J/QA/topic/topic91.html
一般向けだから「理由」という言葉を使っているのであって、科学の現場では使われないと主張するなら、
そういう取り決めの根拠を挙げろよ?
「理由」という言葉が科学用語として厳密に特殊なものとして定義されているというのがお前の妄想ってのがこっちの主張なんだからな。

>2.の例文、科学用語が見えるが論文等ではないな。
辞書の例文だからなw

>もののわかった人は安易に reason などと言わない。
お前の脳内ではな。

>ごく常識的な用法。
ごく常識的な用法の範囲であることは認める。
が、これ以外の用法が非常識とはならない。

>「なぜこの速度で、互いにくっつきもせず、回っているのか」と好意的に解釈してやっただけ。
言い換えの中で「なぜ」とか使ってんじゃないよw
「どのようなプロセスで」とかなんとか言い換えればいいものを。
それに「適切な用語法」を問題にしているときに、そこを「好意的に解釈」しちゃ駄目だろ。

634名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/08(火) 21:42:49 0
携帯とPCが言い争いしていたと思ったらいつの間にかPCとPCで言い争っていたでござるの巻
635名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/09(水) 09:57:56 0
   未然I  未然II  連用I  連用II  終止  連体  已然  命令
来 コ2    コ2    キ1    キ1     ク    クル   クレ   コ2
   H     H     F       F     F    HH    HL   F
為 セ    セ    シ      シ    ス    スル   スレ  セ
   H     L     R       R     R     LH    LF   R
寝 ネ    ネ     ネ      ネ    ヌ    ヌル   ヌレ   ネヨ2
   H     H      F      F     F     HH     HL   HL
経 ヘ2     ヘ2   ヘ2     ヘ2   フ    フル   フレ   ヘ2ヨ2
   H     L     R     R    R    LH    LF   RL
着 キ1     キ1   キ1     キ1    キ1ル キ1ル   キ1レ  キ1ヨ2
   H     H     F      F      HL    HH    HL   HL
見 ミ1    ミ1     ミ1    ミ1    ミ1ル  ミ1ル  ミ1レ   ミ1ヨ2
   H     L     R      R     LF   LH    LF   RL
突 ツカ    ツカ    ツキ1   ツキ1   ツク  ツク    ツケ2  ツケ1
   HH    HH    HL      HL    HL    HH    HL   HL
付 ツカ    ツカ    ツキ1   ツキ1   ツク  ツク    ツケ2  ツケ1
   LH    LL     LF      LH    LF    LH    LF     LF
尽 ツキ2  ツキ2  ツキ2   ツキ2   ツク  ツクル  ツクレ ツキ2ヨ2
   HH    HH    HL      HL    HL    HHH   HHL   HLL
過 スギ2  スギ2   スギ2   スギ2   スグ   スグル スグレ スギ2ヨ2
   LH    LL    LF     LH     LF   LLH   LHL   LFL
欠 カケ2  カケ2  カケ2   カケ2   カク  カクル  カクレ  カケ2ヨ2
   HH    HH    HL      HL    HL    HHH   HHL   HLL
掛 カケ2  カケ2  カケ2   カケ2   カク  カクル  カクレ  カケ2ヨ2
   LH    LL    LF     LH     LF   LLH   LHL   LFL
636名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/09(水) 09:59:41 0
木 L  キ2  コ2   木陰・木枯らし・木鍬・梢・木立・木霊・木の葉・木の実・木漏日
毛 H  ケ2  カ   白髪
手 L  テ   タ   手綱・手枕・保つ・袂・頼る・手折る
火 L  ヒ2   ホ    火影・火筒・火照る・炎
目 L  メ2   マ   瞬き・睫毛・窓・眼・眼差し・瞬き・瞼・前・見ゆ・守る
雨 LF アメ2  アマ  雨脚・雨音・雨蛙・雨傘・雨雲・雨乞・雨粒・雨戸・雨漏り・雨宿り
天 LF アメ2  アマ  天草・天下り・天の川
稲 LH イネ  イナ  稲刈・蝗・稲妻・稲葉・稲穂
上 HH? ウヘ2 ウハ 上顎・上請け・上絵・上書き・上着・上唇・釉・上靴・上澄み・上面・上乗・上の空・上履・上向
影 LF  カゲ2 カガ  鏡
風 HH  カゼ  カザ  風穴・風音・風上・風口・風車・風下・風見鶏・風向き
金 HH  カネ  カナ  金網・金型・金具・金沢・金縛り・金盥・金槌・金物
神 LL  カミ2  カム 神上がる・神風・神懸・神言・神さび・神寿く・神代
口 HH  クチ  クツ  口籠・轡
声 LF  コ2ヱ コ2ワ 声色・声先・声高・声使・声付・声作り・声音
酒 HH  サケ2 サカ  酒蔵・酒樽・杯・魚・酒場・酒盛・酒屋
竹 HH  タケ2 タカ  竹垣・竹玉・篁
月 LL  ツキ2 ツク  月夜・月読
爪 HH  ツメ2 ツマ  爪音・爪先・爪立・躓く・爪弾・摘む
船 LH  フネ  フナ  船足・舟板・船底・船旅・船釣・船出・船乗・船場・船縁・船盛・船宿・船酔
胸 HL  ムネ ムナ  胸板・胸糞・胸苦し・胸倉・胸毛・胸先・胸騒・胸鰭・胸骨・胸元・胸焼
637名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/09(水) 13:49:06 0
>>633
> おいおい、辞書の例文に単にあがっていないことだけを根拠に、その辞書で「わざわざわけてかいてある」説明を否定するのかよ。
大辞林クラスの辞書になると、かなり周到に例文を選んでいる。分けて説明してあるのにそれぞれの用例がないのは不審。
前者の例文も作ってはみたが、変なので却下したのだろう。
"Un dictionnaire sans citation est un squelette." 「用例無き辞書は骸骨である」 (ヴォルテール)

> >火山性微動はいくつかの理由でおこると考えられています.
日常語で変と感じるなら一般向けでも書かないはずだ。
習慣的な「(?)そうなる理由」が 1 回きりの「?そうなった理由」よりましなことはわかる。しかしまずい用法だ。
調べてみると書き手はもうベテランで、注意はされにくいだろう。
「火山性微動が起こる原因としては、いくつかのことが考えられています」が正しい。

> 「理由」という言葉が科学用語として厳密に特殊なものとして定義されているというのがお前の妄想ってのがこっちの主張なんだからな。
使わないのが常識だというのがこっちの主張。

> 辞書の例文だからなw
よい例文ではない。科学論文の英文要旨などでも reason でいいのかと、外国人使用者が誤解しかねない。

> お前の脳内ではな。
悪貨が良貨を駆逐するというやつだな。

> が、これ以外の用法が非常識とはならない。
「言葉遣いは粗いね。内容はしかるべきものだが」と見られている。

> それに「適切な用語法」を問題にしているときに、そこを「好意的に解釈」しちゃ駄目だろ。
では厳密にやろう。>>581 「万有引力とニュートンの三法則からなぜ「太陽を地球が回る」かが説明できるぞw」は誤り。
「なぜ回るか」はだれにも説明できない。
回っていることを前提にして、なぜこの速さか、なぜ落ちたりしないかと問うのは、いかなる仕方で回っているかという問いに含まれる。
科学者が「なぜ」と言うことがあるとすれば、すべてその種の「なぜ」であり、現象そのものの「理由」を問うているのではない。
地球が太陽の周りを回るのに理由はない。
638名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/09(水) 13:50:54 0
すみません初心者なのですが、このスレの甲乙はわかるのですが、
1や2の意味はなんなのですか?
639名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/09(水) 17:36:32 0
>>638
甲乙と同じ (1=甲、2=乙)。どっちを使っても通じるよ。
640名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/09(水) 18:31:41 0
ありがとうございます_ _
641名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/09(水) 19:54:42 0
>>637
>大辞林クラスの辞書になると、かなり周到に例文を選んでいる。
>分けて説明してあるのにそれぞれの用例がないのは不審。
>前者の例文も作ってはみたが、変なので却下したのだろう。
じゃあ前者の説明自体を却下するだろ。前者の説明をちゃんとのっけたままだけど、例文がないから駄目なんて理屈が通るならどんな理屈だって通るわ。
藤井説だって通っちゃうだろw

>調べてみると書き手はもうベテランで、注意はされにくいだろう。
>「火山性微動が起こる原因としては、いくつかのことが考えられています」が正しい。
その根拠は?
ベテランなら科学的に間違ったことを言っても批判されないなんてことはないし、学生が「理由」という言葉を使うと指導されるってことの根拠もあげていない。

>使わないのが常識だというのがこっちの主張。
だからその根拠は?

>よい例文ではない。科学論文の英文要旨などでも reason でいいのかと、外国人使用者が誤解しかねない。
大辞林クラスの辞書になると、かなり周到に例文を選んでいるが、ウェブスターは選ばないどころか、わざわざ分けて項目を作るんですね。

>「言葉遣いは粗いね。内容はしかるべきものだが」と見られている。
誰が見てるの?

>回っていることを前提にして、なぜこの速さか、なぜ落ちたりしないかと問うのは、いかなる仕方で回っているかという問いに含まれる。
「なぜ」の返答としてプロセスが認められることを自分で認めてどうするんだよ。

>科学者が「なぜ」と言うことがあるとすれば、すべてその種の「なぜ」であり、
>現象そのものの「理由」を問うているのではない。
>地球が太陽の周りを回るのに理由はない。
だから、お前が言うように科学において「理由」という言葉が観察できる”「事実」の外にある「理由」”(>>625)と定義されてる根拠を挙げろっての。
おまえは『自分がそう思う』以外の根拠を何一つ挙げてない。

642名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/09(水) 21:31:39 0
板違いの論争をしてる奴らが長文だし邪魔すぎるから全部透明あぼ〜んしてやった。これですっきり。

で、藤井説論者はどこいった?
オ段の甲乙をアクセントやら前後の母音との同化やらで説明しようとしても大量の例外が見出される事実が示されているが
一体どういう説明をするつもりだ?例外ってレベルじゃなく、オ段甲乙はアクセントと何の関係もないとすら言えそうだぞ。

徹底的にアクセントで説明するのかと思ったら、イ段と同居する場合は云々とか言い出してみたり、
自説の中ですら辻褄が合っていない。一体どんな「条件」を主張するつもりなのか?

それに、オ段甲乙の話ばかり出ているが、イ段やエ段の甲乙についてはどう説明するつもりなのか?
5母音説を主張するのなら当然これらも説明しなければなるまい。
イ段やエ段の甲乙はオ段よりも遥かに明確に文法的機能を担っているが、
「文法的機能を担う条件異音」なる奇妙な概念を主張するつもりか?
アクセントでは説明できないことは既に示されている。

露出形と被覆形が、エ乙-ア、イ乙-ウ、イ乙-オ乙のように対応する説明だってできていない。
条件異音とか苦しい説明をせず、日本語話者も8母音音素を弁別していたとすれば、全て綺麗に説明がつく。
この場合、どれかが二重母音だとかで、必ずしも実際に8母音である必要はないが、
オ甲とオ乙やイ甲やイ乙などが日本語話者によって弁別されていなかったという説は成立しないのは確かだ。
643名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/10(木) 00:15:15 O
>>641
> じゃあ前者の説明自体を却下するだろ。
先行辞書が不正確な書き方をしているのを踏襲した。しかし、編者の語感は確かなので、例は作れなかった、または見つけられなかった。

> ベテランなら科学的に間違ったことを言っても批判されないなんてことはないし
あるあるw まして言葉遣いにすぎないともいえる。

> だからその根拠は?
常識。

> 大辞林クラスの辞書になると、かなり周到に例文を選んでいるが、ウェブスターは選ばないどころか、わざわざ分けて項目を作るんですね。
日常的には誤用でないという判断だろう。しかし 2.の例文は不可解。わざわざこれを採用した reason がわからない。ネイティヴにきくしかないな。

> 誰が見てるの?
常識人。

> 「なぜ」の返答としてプロセスが認められることを自分で認めてどうするんだよ。
科学者だって「なぜ?」とは呟くだろう。しかし「理由」を問うてはいない。
人間理性になぞらえられるような力を、現象の背後に見ようとはしてないんだよ。

> おまえは『自分がそう思う』以外の根拠を何一つ挙げてない。
だから辞書。
納得できないのは君が私とは違う言語の話者だからだろう。
何でもかんでも「理由」と言って、日本語はルーズだから許されるとしても、うっかり reason と訳したりすれば笑われる。
妄想だ、根拠がない、笑う方がおかしい、と頑張ってればいいよw
644名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/10(木) 05:08:53 0
規制解除てすと
645名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/10(木) 05:10:03 0
おお、規制解除されてた、
規制されてた間、書き込みたかった事がある。
もう理由論争は他スレ立てて、そこに行ってやれ。
646奈菜氏:2010/06/10(木) 06:15:52 0
 とにかく可及的速やかに藤井説の輪郭を紹介してしまいます。
 諸兄からいただいたコメントはとても参考になっています。

 次に藤井説における頭子音との関係です。
 これは幾つかに分けて要約します。

 上代仮名遣いのオ段甲乙音と頭子音の関係は次のとおりです。

 @オ段音のうち、「オ」「ヲ」「ホ」には甲乙の書き分けがない。
 A「モ」の書き分けは『古事記』『万葉集巻五』の一部の資料にしか見られない。
 B8世紀後半(奈良時代)から上代特殊仮名遣いそのものが崩壊するが「コ」の書き分けだけは平安時代の初期まで残っていた。
 C馬淵和夫氏によれば「ホ」「モ」「ト」「ロ」「ノ」「ヨ」「ソ」「コ」の順序で甲乙の書き分けが消滅した。
 D「ヲ」と「オ」の書き分けは平安時代以降次第に混乱してゆく。

 ところで、これまでの要約でわかるように、唇の丸まった(すぼまった)
甲類の「o」が発音されるのは次のような場合です。

 @(円唇の)ウ段音に直接接続する場合。
 Aア段音に後続する場合。
 Bオ段音が強調・明瞭化して発音される場合。(強調による自由異音)
 Cオ段音が低音で発音される場合。(アクセント)

 では、子音との組み合わせで唇の丸まった(すぼまった)甲類の「o」が発
音されるのは、どのような場合なのかと言うと・・・。
647奈菜氏:2010/06/10(木) 06:18:38 0

 藤井説では母音のみの「オオオ・・・」から始まって「コココ・・
・」「ヨヨヨ・・・」「ロロロ・・・」「ノノノ・・・」「ソソソ・
・・」「トトト・・・」「モモモ・・・」「ポポポ・・・」「ショシ
ョショ・・・」を高音と低音で発音するという実験を行っています。
なぜ「ホホホ・・・」じゃなくて「ポポポ・・・」、「ソソソ・・・
」じゃなくて「ショショショ」なのかというと上代日本語のハ行音は
[p]であり、同じくサ行音も[s]ではなく[ʃ]で「シャ、シ、シュ、シ
ェ、ショ」のような音だったからです。

 その結果わかったことは次のとおりです。

 @高音では「オ」「コ」のような奥に引っ込んで声門(のどの奥)で調音する音節は唇が大きく開く。(非円唇、つまり「ö」)
 A高音では「ヨ」「ロ」「ノ」「ソ」「ト」の順で唇が突き出る。
 B高音では唇を閉じて調音する「モ」「ポ」ではほとんど唇が開かない。(円唇、つまり「o」)
 C低音では「低音を発音するときには唇がすぼまりがちになる」という法則にしたがって@〜Bまでのような差がなくなってしまう。
648奈菜氏:2010/06/10(木) 06:23:46 0
この結果わかったことは、甲乙の差、つまり円唇・非円唇の差(唇
が開くか丸まるか)の差は、声門音(「オ」「コ」)→奥舌音(「ヨ
」「ロ」)→前舌音(「ノ」「ソ」「ト」)→両唇音(「モ」「ポ」
)の順で小さくなってゆくということです。両唇音の「モ」「ホ(ポ
)」は唇を閉じて発音されるため、唇の緩んだ「ö」が出にくいので
す。藤井説では、これが上代において「モ」「ホ」の甲乙の書き分け
が明確ではない理由だとされています。

 また「コ」の甲乙の書き分けが遅くまで残ったのは他の子音よりも
甲乙の差が大きく日本人でも訓練すればある程度聞き取れたからだと
述べておられます。ゆえに、甲乙の、つまり円唇・非円唇の差がはっ
きりしていない「ホ(ポ)」「モ」の書き分けが最も曖昧であり、は
っきりしていなかった順に「ト」「ロ」「ノ」「ヨ」「ソ」「コ」・
・・の順番で甲乙が消滅していった・・・これは馬渕和夫先生の研究
結果と(実験結果が)一致する、というわけです。
649名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/10(木) 08:20:07 0
>>646
1. と 2. は有坂の法則を言い換えただけだな。
わざわざ「直接接続」だの「後続」だの限定を加えてる理由がよく分からんけど、
>>509-510みたいに例外が存在することに注意したつもりなのか?
3. は意味不明。強調のためにオ段の甲乙が揺れていて自由変異だとみなせる例があるのか?
4. は例外が極めて大量にあって、アクセントとは無関係であることが散々立証されてると思うが。

結局、もし完全に条件異音だったら、上代特殊仮名遣無しの語形とアクセントが与えられたら、
その条件だけで、上代特殊仮名遣通りに甲乙を割り振れるわけだろ?
実際それやってみてよ。できないだろうから。

>>647-648にしても、子音の調音位置の差と、オ段甲乙の区別が消える順番が関係しているというのは
ずっと昔から上代特殊仮名遣を語るときの基本みたいなもので、藤井説で新たに唱えたものなんかでは全然ない。
しかもそれが、日本語話者が聞き取れなかったことの立証には全然ならない。
650名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/10(木) 09:02:25 0
藤井説派への課題

子(HH) 粉(LL) 戸(HH) 野(LL) 藻(HL) 裳(LH) 夜(LL) 世(HH)

跡(LH) 糸(LH) 色(LL) 音(HL) 門(HL) 鴨(LL) 肝(LL) 糞(LL) 雲(LL) 黒(LF) 腰(HH)
事(LL) 言(LL) 琴(LF) 鯉(LL) 恋(LL) 駒(HH) 米(LL) 此(HH) 頃(HL) 声(LF) 里(HH)
下(HL) 白(LF) 裾(HH) 底(HH) 袖(HH) 空(LH) 角(LL) 時(LL) 床(HH) 年(LL) 友(HH)
鳥(HH) 十(HL) 軒(HH) 蚤(LL) 箱(HH) 鳩(LL) 人(HL) 一(LH) 室(LL) 下(LH) 物(LL)
腿(LF) 宿(LH) 横(HH) 他所(HL) 宵(HH) 嫁(HH) 斧(LL)

従兄弟(LLH) 暇(LLL) 命(LLH) 後ろ(LHL) 己(HHH) 竈(HHH) 昨日(LLL) 心(LLH) 衣(HHH)
所(HHL) 一つ(LHL) 一人(LHL) 袋(LLL) 都(HHH) 男(LLL)

遊ぶ(HH-) 急ぐ(LL-) 厭ふ(LL-) 祈る(LL-) 起こす(LL-) 起こる(LL-) 思ふ(LL-) 通ふ(HH-)
好む(LL-) 籠る(LL-) 殺す(HH-) 凌ぐ(LL-) 注く(HH-) 集ふ(LL-) 飛ばす(HH-) 通る(LL-)
止まる(HH-) 濁る(LL-) 残す(LL-) 残る(LL-) 昇る(HH-) 拾ふ(HH-) 誇る(HH-) 宿る(LL-)
装ふ(LL-) 踊る(HH-)

恐る(LL-) 数ふ(LL-) 聞こゆ(HH-) 清む(LL-) 忍ぶ(HH-) 備ふ(LL-) 留む(HH-) 求む(LL-)

清し(LL-) 白し(LL-) 遠し(HH-) 広し(LL-) 太し(LL-)

楽し(LL-) 乏し(LL-) 宜し(HH-)

ここに、上代特殊仮名遣での甲乙とアクセントが分かっている語を掲げた。
もし本当にオ段甲乙が音韻条件とアクセントによる条件異音なら、一切の資料を見なくても、
この条件だけから文献記録通りの甲乙の区別が導けるはずだ。是非やってみてくれ。

ところでイ段とエ段の甲乙の話が何時まで経っても出てこないがどうなってるんだ。
「要約」に20日以上掛けてまだ終わらないってどういうことだよw 要約なのかそれ
651487:2010/06/10(木) 10:10:44 0
俺なんか、>>487から我慢汁垂れ流しながら突っ込み我慢してるんだけどな。
652著者です:2010/06/10(木) 10:50:57 0
奈菜氏様
ご苦労様です。
たった1890円の拙著を買い、付録のCDの実験を自分の目で見、耳で聞き、自ら実験してみれば簡単に分かるのに、
それっぱかしの投資も惜しんでくだくだいうしみったれ連中はほっときましょう。

さて来週になりますが、

九州の歴史と文化を楽しむ会 第27回例会
日時:6月19日(土)15時〜17時
講演:藤井游惟
題目:白村江敗戦と上代特殊仮名遣い
会場:三田春日神社社務所 慶応大学東門並び JR田町下車
会費:500円

という講演会に呼ばれました。
この会は、アマチュア古代史ファンが20〜30人集まるちっぽけな会にすぎませんが、
魅力的なのは講演時間がたっぷり2時間あり、延長も可能なので、ビデオを駆使して
音声学の基礎知識・朝鮮語・中国語の問題まで詳細に話せ、質問に答える時間もあると思います。

お暇なら是非お越しください。


653名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/10(木) 10:57:08 0
こんな失礼な奴が本当に著者なの?上から目線すぎるw
654名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/10(木) 11:06:29 0
拙著ってこの場合、謙遜じゃなくて、
本当に拙い著作だからなぁ。
1890円でも、
死に金確定だしな。
会費500円ってのも死に金だな。
まぁ、関西で(できれば京都)やってくれて、
延長可能で質問にたっぷりと答えてくれるというんだから、
トンデモ退治に行くかもしれん。
言語学上の質問しても、
ひたすら、百済人がうんたらかんたらって答え続けるとかされそうな気もするが。
そうなりゃ、もう喧嘩腰になりそうだなw
655名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/10(木) 11:26:22 0
アマチュア古代史ファンをマーケティングの対象にしてるのね。
なるほどね、それならボロを出さずに布教できるだろうね。
656名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/10(木) 17:54:18 0
調音といやあ、オ、ヲは比較的奥で調音するはずなのに甲乙の区別が無かったor
あっても初期に消滅してるのな。
657名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/10(木) 21:13:27 O
>>650
有坂法則とかかわりがなく、アクセント低から甲類と推定されるもの:
コ(粉)、ノ(野)、ヨ(夜)、イ*ロ、キモ、コヒ(鯉)、コヒ(恋)、*コメ、*コヱ、
シロ、*トキ、*トシ、ヒ*ト(人)、イ*ノチ、イソグ、イ*トフ、イ*ノル、シノグ、
ニ*ゴル、キヨム、キヨシ、シロシ、ヒ*ロシ、イ「ト」コ、イトマ、ヲト「コ」

有坂法則とかかわりがなく、アクセント高から乙類と推定されるもの:
*コ(子)、*ト(戸)、ヨ(世)、コシ、*ソデ、トリ、ヒト(一)、
ヨヒ、ヒトツ、ヒトリ、ヒロフ、キコユ、シノブ、イト「*コ」、カマ*ド、ミヤ*コ

* は推定と実際との違背例。シモ甲(下)はアクセント不明。
658名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/10(木) 21:24:23 0
>>657
17/42(40.4%)も違例があるとかもう完全に駄目だろ常識的に考えて…
母語話者には認識できない条件異音だけど例外が40%ありますとか何のジョークだ
甲乙の出現率が完全に50%ずつだとしてもこのぐらいの偏りは統計的に普通に起こりそうだし
一体藤井説論者はこの事実をどう説明するつもりなのか
659名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/11(金) 13:38:00 O
>>656 ヲ (wo) は前だ。オ (o) に甲乙がなかったのはやや不思議だが。
660名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 08:24:43 0
まあ、とりあえずオ段についての主張は分かったから、イ段とエ段についての主張を聞こうじゃないか。
ここまで書き込まれた分だとオ段についての主張は(正当性はともかく)よく分かったが、
イ段とエ段はどう説明するつもりなのかさっぱり分からない。
661奈菜氏:2010/06/12(土) 09:12:05 0
アク禁になりました・・・。
662名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 09:28:44 0
書けてるじゃないか
663名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 09:40:55 0
オ段でくだらない突込みを入れた早漏のせいで、本丸に入る前に相手が嫌気したか。
664名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 10:40:12 0
代行で書き込んだんじゃないの
665名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 11:44:27 0

日本の古代文字は、
象形文字系と、甲骨文字系があることが分かった。

・ 古代文字便覧
http://homepage3.nifty.com/utukusinomori/newpage1.html
666名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 14:07:44 O
>>660 おそらく、イ・エ段の乙類は重母音だから、短母音は 5 個という説明をするのだと思う。

森博達氏がエ段乙の母音音価を「オ段乙 + イ段甲」と推定したのにはそれなりの根拠がある。しかし「エ段乙に固有の母音はなく 7 母音」と述べたのはまずかった。エ段乙が 2 音節に相当してしまう。母音が連続することになるし、韻文の音数律にも合わない。
667名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 14:14:19 0
>>666
連母音ではなく二重母音だったら1音節とカウントされるんじゃないの?
あと古い時代は韻文でも拍じゃなく音節単位だよね。
現代的な拍が成立したのは平安時代以降だったと思うが。

奈良時代の韻文を見ると、母音単独拍は直前の音節と合わさって1音節にカウントされている例がかなりあるし、
オ乙+イ甲が1音節とカウントされても不思議ではない。
668名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 17:11:32 0
>>667
> 連母音ではなく二重母音だったら1音節とカウントされるんじゃないの?
つまり、二重母音は短母音と対等の 1 音素ということになる。

> オ乙+イ甲が1音節とカウントされても不思議ではない。
当然 2 音節にカウントされてもよい。

 大原の こ ノ乙イ ち柴の (此市柴乃) 何時しかと 我が思ふ妹に 今夜逢へるかも (万葉 513)
 天霧らし 雪も降らぬか いちしろく こ ノ乙イ つ柴に (此五柴尓) 降らまくを見む (万葉 1643)
 ぬばたまの そ ノ乙イ めにだに (彼夢) 見え継げや 袖乾る日なく 我は恋ふるを (万葉 2849)

しかし、エ段乙が 2 音節にカウントされた (字足らずのようになった) 例はない。
669名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 18:48:09 0
>>666
藤井説にとっての問題は、むしろそっちじゃないだろう。

「エ甲が本来的単母音であること」

これを証明しないといけない。
多重母音説は、二次母音説と本質的には同じものであって、
これをつきつめれば、
鉄壁の5母音とはどんどん離れて、大野の4母音説になるはず。
8母音&7母音(森)&4母音(大野)は、相互に矛盾しない。
5母音説だけが、これらと完全に相いれない。

藤井本人&ゆかいな仲間たちは、
なぜか「森説がエ乙が多重母音とすること」によろこんでいるが、
これは確実にブローバックしてくる。
森は、エ乙を、エ甲とは無縁の母音だと言っているのだから。
670名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 18:55:41 0
4ってコトは何が仲間はずれになるの? エ段なのかな
671名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 20:26:39 0
>>670
大野説における4母音はア、イ、ウ、オ(乙)だ。
エは何らかの過程(母音融合など)で、他の母音よりはかなり新しく(歴史時代からそう遠くない時代に?)できたと考えられる。

和語を見ると、エ段の出現率は他の母音より明らかに低い。例えば万葉集における統計は>>212-216
しかも出現する場所には偏りが大きく、名詞では語末に多いが、語頭には非常に少ない。
またエ段を繰り返して語が形成されることはほぼ無い。
動詞や形容詞でも、活用形には現れるが、語幹部分には少ない。
他の母音より後に、母音融合でエ段が成立したと考えるとこの事実を説明しやすい。

例えば「酒」は「サケ2」だが、「サカ+イ」で成立したと考えると被覆形の「サカ」を説明しやすい。
動詞でも、「閉まる」と「閉める」、「起きる」と「起こす」のような自動詞と他動詞の対立は、
語幹に活用語尾が接合した際に母音融合が起きたと考えると説明しやすい。
672名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/12(土) 21:14:14 0
>>669 イ段の甲類と乙類、エ段の甲類と乙類とが、それぞれ音韻的に対立するととらえているのなら、重母音だろうと何だろうと、8 母音を否定したことにはならないよ。
6 個の短母音 a,i1,u,e1,o1,o2 (オ段の甲乙を違う母音とすれば) と 2 個の重母音 (i2,e2) の 8 母音。
673奈菜氏:2010/06/13(日) 00:26:01 0
 藤井説では「コ」よりも調音点が奥にあり、甲乙の差が最も大きいはずの
母音音節「オ」と「ヲ」になぜ甲乙の書き分けがなかったのか、という問題
について触れています。これは書き分けがなかったのではなく、母音音節の
「o」の甲類が「ヲ」で、乙類が「オ」をあらわしていると解釈すれば何の問
題もない(そうです)。
 実は現代日本語では「オ」も「ヲ」も同じ音価を持っているものとされて
いますが、実は助詞の「ヲ」を発音しているときには円唇化していることが
多いのだそうで、藤井説ではこれも実験しています。
(ここでは実験の詳細は省略)円唇化させてはっきり発音させないと
「リンゴを食べたい」が「リンゴー食べたい」のようになってしまう、とい
うわけです。

 藤井説の結論は「ヲ」は「オ」と対を成す「o」の異音である、ということ
です。
674奈菜氏:2010/06/13(日) 00:28:03 0
 今日で全部「要約」を終えてしまいます。

 前のコメ欄では「ヲ」が「オ」と対を成す「o」(甲類のオ)である
という説明を紹介しました。  
 では実際の上代日本語の用例はというと・・・。

 「ウヲ(魚)」「サヲ(竿)」「アヲ(青)」「カヲリ(香り)」
「マヲス(申す)」「マスラヲ(益荒男)」などの語彙は有坂の第
二・第三法則に従っています。すなわち「ウ段音(円唇)・ア段音
に後続するオ段音は甲類」という法則にちゃんと従っています。

 「男」「雄」「尾」「緒」「麻」など現代表記では「オ」と書かれ
る短母音名詞は、上代ではすべて「ヲ」で書かれていますが、これも
「単音節の強調明瞭化」という「自由異音」で説明できます。

 この「ヲ」「オ」の書き分けも平安初期から混乱しはじめ、平安末
期から鎌倉時代に入ると完全に混乱したとされています。しかし今日
まで「ヲ」と「オ」が消滅せずに残っているのは、目的助詞の「ヲ」
を書いておけば、そのことを表示できて便利だったからだと思われま
す。

 また『美濃国戸籍』(702年)に「ヲトメ」を「意(オ)止売」
とした例や播磨風土記に「カオリタノタニ」を「賀意(オ)理多之谷」
とした例があるのは、これらの地方で「o」がHアクセント(円唇化し
ない)で乙類であったのだろうと藤井説では説明しています。

 また『日本書紀』に登場する履中天皇の孫兄弟の兄が「オケ(弘計)
」(仁賢天皇)、弟が「ヲケ(億計)」(顕宗天皇)、平安時代にも年
取った女が「ヲンナ」若い女が「オンナ」であるのも、甲乙の名残であ
ろうと説明しています。
675奈菜氏:2010/06/13(日) 00:31:23 0
さて、ここで、藤井説の概要をおさらいしておきます。
@日本語の「オ」母音は理想的には円唇の「o」([o])であり、と「ö」
([ɔ])、もしくはそれに近い唇の開いた発音)は「省エネ」
「手抜き」の発音であるが、実際には発音の楽な「ö」のほうが常用さ
れ、むしろ理想的な「o」が発音されることのほうが少ない。
(上代特殊仮名遣いで乙類の用例のほうが多い理由)
A同一語幹内部で円唇のウ段音に直接後続するオ段音は、順行、逆行
同化して円唇化する。(有坂第2法則の正体)
B同一語幹内でア段音に後続するオ段音は、母音のコントラストをつ
けるために円唇化しやすい。(有坂第3法則の正体)
C語頭にオ段音が来る場合には@よりも「ö」が来ることが多く、オ段
音が先行する「オ段音−ア段音」の「オ(O)」は必ずしも「ö」にな
らない。(有坂第3法則の例外の正体)
D同一語幹内でオ段音が連続する場合には、ABの条件がないため、円
唇・非円唇の「オ(O)」は同居しない。(有坂第1法則の正体)
E同一語幹内でオ段音が連続する場合には@により。通常、省エネの「
ö」が用いられる。(同一語幹内でオ段音が連続する場合には原則乙類で
ある理由)
(つづく)
676奈菜氏:2010/06/13(日) 00:32:53 0
Fオ段音を明瞭に発音する必要がある場合には理想的な円唇の「o」が
発音される。(オ段単音節名詞に甲類が多い理由)
G「オ(O)」母音は高音で発音されるときには唇が開き、低音で発
音される時には唇がすぼまる。即ち低アクセントで発音されるときに
は唇が開き乙類に、低音で発音されるときには唇がすぼまり甲類にな
りやすい。(「世」と「夜」「代」が甲乙で書き分けられている理由)
HAの有坂第2法則と、Bの有坂第3法則は、Fの「高音の『オ(O
)』は唇が開く」という法則と衝突する場合、Aはあまり影響を受け
ない。しかしBは影響を受けやすい。(有坂の第3法則に例外が多い
理由)
I乙類オ段音が発生しやすい条件にあるとき、その唇の開き加減は子
音によって規程される。オ・コ・ヨ・ロ・ノ・ソ・ト・モ・ポの順で
唇が狭まって行き(声門音・奥舌音・前舌音・両唇音)、両唇音の「
モ」「ポ」には事実上「ö」がほとんど発生しない。
JGの理由から、現代に残る「オ」と「ヲ」の書き分けは母音音節「
O」の甲乙だと思われる。(「オ」と「ヲ」に甲乙の書き分けがない
理由)

 さらに要約すれば円唇の[o](「o」、甲類)が発音されるのは次の
場合。

 @ア段音に後続する場合
 A円唇のウ段音に後続する場合
 Bオ段音を明瞭に強調して発音する場合
 C低音で発音する場合
 D「モ」「ポ」など両唇子音に続く場合
 
 このほかの場合には手抜きの「ö」、つまり乙類のほうが常用されてい
る。
677奈菜氏:2010/06/13(日) 00:36:30 0
 続いて藤井説では、釘貫亨先生が提示している、オ音の甲乙が対立
している(弁別されている)ように見える例について言及しています。
 藤井説では、これは条件異音であり、対立ではない、つまり日本人
が状況により無意識に発音しわけていた音であり、条件異音である、
そしてそれは藤井説で説明できる、ということが書かれているのです。

 藤井説は最後に「イ段」「エ段」の甲乙の問題について述べられて
います。この本で主に述べられているのは上代特殊仮名遣いの「オ段
」の甲乙書き分けであって、イ・エ段のほうは度外視されています。
イ段・エ段のほうの甲乙はどうなったのか?ということですが・・・。
簡単に箇条書きにしておきます。

 @イ段・エ段の甲乙は条件異音ではなく、変音現象である。
 A日本人も聞き分け、発音できる差であった。
 B合成母音、あるいは二重母音であったと思われる。
(「ウィ」、「イェ」のような)
 Cこの差を朝鮮人帰化人は聞き取って、表記していたのかもしれない。
 Dしかし、この甲・乙類を日本人は意図的に発音し分けていたと思われる。
「ヱ」「ヰ」には朝鮮漢字音で「위」「의」といった漢字が用いられ、「イ」「エ」とは明らかに異なるからである。
 
 ・・・というところでしょうか。
 藤井説には松本克己先生と既存の国語学者に対する批判が続いている
のですが、これは割愛します。
678奈菜氏:2010/06/13(日) 00:47:36 0
 以上で藤井説の要約紹介を終わります。
 長い間お付き合いくださいましてありがとうございました。
 藤井説に対する国語学を専攻されている諸兄のご意見を伺いたいと
存じます。わたくし自身、藤井説を聖典のように信じているわけでは
ありませんが、薄学浅学の身、なんとも判断がつきかねる部分がある
のです。少なくとも一部の列にだけ甲乙の区別があるのか、少なくと
もオ段に関してはつじつまをつけているように見えるのですが。

 ただ、ここで提起されている問題について藤井氏も真摯に反論をす
る必要があるのではないかと存じます。
679名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/13(日) 12:42:24 0
>>671 ありがとう。エ2をアイとするトコは俺の説と一緒だな。
680名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/13(日) 14:47:03 0
要約長過ぎとか文句言ったこともあったがとりあえず要約乙
しかしまあ、藤井説は5母音説と言っても、イ乙とエ乙は5母音の組み合わせの連母音か二重母音と主張してるわけだ。
5母音体系ではあっても、「5母音説」というのとは受ける印象が違うな。7母音説と言ってもいいぐらいだ。
上代では今のように連母音が自由に許される体系では無かったのだから、連母音や二重母音が特に許される組み合わせがあったのなら
それも別個の母音にカウントしていいだろうし。
681名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/16(水) 20:14:40 O
甲乙の書き分けが本来トライ系の用字で、日本人じたい音韻の別をもたなかった。漢字で書かれたものを手がかりにする以上、形態論でしか学問として成り立たない気がする。
682名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/16(水) 22:39:03 0
>>681
日本語でおk
683名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/17(木) 18:53:20 0
素人です。
橋本進吉「古代国語の音韻について」は読みました。
この次はどれを読めばいいでしょうか?
684名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/19(土) 17:01:00 0
>>173
kamじゃなくて?
685名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/19(土) 19:19:28 0
>>680
確かに、読む気にもならない藤井説を要約してくれて乙といったところだろうね。
そうすると、朝鮮だの百済だのという、邪馬台国まがいの古代ロマンネタを外せば、
おそらく、藤井説の主張は次の2点に要約される。

1、エ(甲?)は本来的単母音である。

2、オ甲は、オ乙の環境異音である。(藤井説的には甲乙逆でもいいのかもしれない)


言語学的検討に値するのは、この2つの命題だけだろう。
俺は2つとも反対だが、
積極的論拠はあるのだろうかね。
特に1の論拠が気になる。2の論拠は散々聞いた。俺は「どう考えても無理筋」と判断しているが。


686名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/20(日) 10:35:27 0
素人です、
古代国語の音韻の次に読むべき本を教示して頂きたいのですが、、、、
687名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/20(日) 11:38:55 0
>>686
次は手に入ったものを片端から読めばいいんじゃないかな。
さしあたり入手しやすいものをあげると、

馬淵和夫「上代のことば」(日本文法新書、至文堂、1000〜3000円)
馬淵和夫「国語音韻論」(笠間書院、1000円程度)
服部四郎「日本語の系統」(岩波文庫なら数百円)
大野晋「日本語の起源」(岩波新書、400円程度)

どれも上代仮名遣い以外の話を含むけど、役に立つと思う。
どうも昔の人は系統論が好きだから……
688名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/20(日) 15:02:33 0
昔の人ってなんだよwちょっと前だろw
689名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/20(日) 16:30:49 0
>>687
ありがとう、文庫・新書の数百円から読んでいこうと思います。
馬淵さんは高いな。図書館で検索して取り寄せかな。
690名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/20(日) 21:49:16 0
>>686
亀井孝他「日本語の歴史」(平凡社ライブラリー)
断片的に上代仮名遣いの話題がある。とくに4巻第1章で、上で話題になっているような
混同が徐々にされていく様子が描かれている。イエ段で一部の音しか甲乙がなかった理由も
考察されている。

大野晋「日本語はいかにして成立したか」(中公文庫)
8母音時代が遷移時代の産物だという説。
691名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/20(日) 22:05:11 0
亀井孝=トンデモ

ひどい目に会ったことある。
692名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/22(火) 01:10:58 0
橋本進吉を読んだのなら順番からいって有坂でないの?ネットで読めるし。
あとは大野晋・松本克己・森博達、あと柴田武あたりで主だった説はわかると思う。
693名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/22(火) 06:52:09 0
>>688
馬淵和夫以外全部死んでるだろ。
大野はちょっと前に死んだ人
服部はだいぶ前に死んだ人
って、馬淵和夫ってまだ生きてる?
死んでてもおかしくないな。
694名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/22(火) 17:55:29 0
有坂秀世がネットで出てるとは知らなかった。ありがとう。
この辺がよくまとまってるね。
ttp://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/arisaka/
695名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/23(水) 23:04:17 0
あと藤井ユウイも忘れてはならないと思う。
696名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/26(土) 13:19:53 0
みんな、なんかがっくりしちゃったみたいだなw

馬淵和夫先生(プラス数人)の百済語、高句麗語、新羅語についての論文発見
https://tulips.tsukuba.ac.jp/dspace/browse?type=author&value=%E9%A6%AC%E6%B7%B5,%20%E5%92%8C%E5%A4%AB&value_lang=ja

百済語といっても某百済人とは関係ないから安心なされ
697名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/27(日) 11:42:34 0
百済系渡来人で書記が出来る階層なら、扶余系じゃないの?
現代朝鮮語とは縁もゆかりもないんじゃないか?
698名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/27(日) 17:33:57 0
しかし、結局日本語が不安定な8母音になってしまったのって
何が原因なんだ?

室町時代に長母音だけ不安定な6母音になってしまったのは
漢字音の流入やらハ行転呼音やらで母音連続が増えてしまったのを
なんとかしようとしたからだと予想できるんだけど・・・
699名無し象は鼻がウナギだ!:2010/06/27(日) 19:00:21 0
TO雷神だよ
700名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/07(水) 16:49:22 0
>>666
森氏は「エ段乙の母音音価を「オ段乙 + イ段甲」と推定した」理由ってどこかで説明してましたっけ?
『古代の音韻と日本書紀の成立』には目を通しましたけど、その理由については触れられてなかった気がするのですが。
読み落としてるだけだったらすいません
701名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/07(水) 18:19:43 O
>>700 今本が手元にないが、たしか、日本書紀のなかでも特に当時の中国漢字音に忠実な仮名を使っている巻があって、そこでのエ段乙の音仮名から推定した、ということだったはず。
どんなに忠実でも近似値だし、仮にそのとおりの音だったとしても、他の短母音と対等の音素であることは動かない。
702名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/07(水) 23:46:20 0
>>701
どうもありがとうございます。
ただ、やはりその箇所は実際に読んでみたいですね…

かなり昔に服部四郎が森さんの母音大系を批判してた気がするので、それ以前の論文で触れてるんでしょうかね…
703名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/08(木) 10:41:02 0
>>698 おそらく、本源的重母音が融合して短母音化したからだろう。
文献時代より前の日本語には、多彩な重母音があったものと推定される。ai,au,ia,ua,ui,o1i,o2i 等。
アラビア語のような多彩な子音があったわけでもないのに、短母音 4 個だけで言語が成り立ったとは思えない。
大野も死んだんだしもう考え方を変えるべきだ。
704名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/08(木) 23:42:21 0
>>699-702
森氏は『古代の音韻と日本書紀の成立』及び『日本書紀の謎を解く』では、
「エ列乙類はオ列乙類+イ列甲類だ、だから上代日本語の母音は音韻として7母音だ。」
と受け取れるような言い方を慎重に避けています。

私も森氏が積極的に7母音説を主張した論文を読んだ訳ではないのですが、
森氏は実質的に8母音説に転向したか、最低限、7母音説は撤回・保留したと見ていいと思います。

森氏は中古中国語に造詣が深いので、中国語音韻論で言う
「声母+介音+核母音+韻尾」といった“音の足し算”式の考えに慣れていたはずです。

しかし英語やドイツ語の音韻の考え方で分かるとおり、
音韻としての二重母音は(成立の事情はともかく共時的には)「短母音+短母音」に還元できません。
「音声的には[短母音1]+[短母音2]でも音韻として/短母音1/+/短母音2/とは断定できない」
ことに気付き、7母音説を事実上封印したのではないかと思われます。
705名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/08(木) 23:56:55 0
>>703
なぜしれっと「o1」を紛れ込ますんだ??隠れ藤井説支持者??

4母音だったとしても、日本語の音素数が足りないということはない。
というのは、古い日本語には、多彩な高低アクセントがあったからだ。
後の東京方言のような滝の位置アクセントではない。
高・低・昇・降の4つが、体言の場合には、「谷を作らない限り」全ての並べ方が許容された。
問題は、「アクセント以前の歴史」になる。
大抵、高低アクセントは、何らかの音素の痕跡であることが多いからだけど、
これは皆目分からない。仮説はいくつか出されているが、
(大半は、閉音節の仮説となる。ありふれた仮説だね。)
説得力のある説は今のところない。

あと、有アクセント時代から、末子音ngなどがあったという仮説もあるね。
末子音のアンシュヌマンまたは、区切り目としての声門閉鎖が無くなって、
上古のある時期に、母音がやたらぶつかるようになったという仮説も考えられるが、
論拠はなかなか見つからない。
706名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 01:30:21 0
村山説とかオーストロネシア語族と日本語を結びつける説で、
高起式と低起式の語声調の起源を語頭子音の無声と有声の対立に求める説を見たことがあるな。
例えば鼻(pana, HH)と花(pana, LL)はそれぞれpanaとbanaに遡るとする。
有声音は生理的に低く発音されることから、それが語声調に移行したというような説。

上代日本語に語頭の有声破裂音が存在しないことを同時に説明できるのは魅力だが、
語頭に鼻音や半母音など、無声と有声の対立があったとは考えにくい子音がある語でも
普通に高起式と低起式の対立はあるから、この説は成り立ちにくいだろうな。

いずれにしろ、奈良時代以前のことを調べようとすれば、奈良時代の日本語を共時的に徹底的に分析して
それ以前の時代の何らかの痕跡を見つけるしかないだろうな。
707名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 06:49:16 O
>>704
> 音韻としての二重母音は(成立の事情はともかく共時的には)「短母音+短母音」に還元できません。
> 「音声的には[短母音1]+[短母音2]でも音韻として/短母音1/+/短母音2/とは断定できない」
全くそのとおり。著書ではなかったんだな。論文では確かに 7 母音説を見たことがあるんだが。

>>705
> なぜしれっと「o1」を紛れ込ますんだ??隠れ藤井説支持者??
nago1- (和)、*nago1i > nagi2 (和ぎ)
勉強不足。

> 高・低・昇・降の4つが、体言の場合には、「谷を作らない限り」全ての並べ方が許容された。
たとえば平安末期の 2 音節名詞の場合、HF,RL,RH,FL に所属する語はきわめて少なく、*LR,*RF は型自体存在しなかった (小松英雄) (F: 下降、R: 上昇)
あてにはならん。

>>706
> いずれにしろ、奈良時代以前のことを調べようとすれば、奈良時代の日本語を共時的に徹底的に分析して
> それ以前の時代の何らかの痕跡を見つけるしかないだろうな。
いわゆる母音交替は最も有力な証拠だろう。
「i2,e1,e2,o1 のなかには、形態素の結合によって生じたことが明らかなものがある」という事実を、
「すべての i2,e1,e2,o1 が、形態素の結合によって生じたものだ」と解釈してしまったのが、大野の論理的誤謬。

とにかく大野を切らねばダメだ。
708名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 08:35:28 0
>>707
*nagu、*nagui→*nagï
でおk。
つうかo1を無理に本来的母音に仕立て上げるより、このほうがよほど自然。
o1が、uと非常に深い関係にあることは、(大野も含めて)非常に広く認められている。
俺などはo1そのものが、「uの、低舌化による(明確な条件の無い)異音」と考えているので、
(現代英語(実際にはイングランド南部方言の二次的変化)のuと同じ)
脳内でo1≒uと自動変換されてしまうので、
その例は疑問にすら思わなかった。
ただ、この異音の主張は、ある意味、言語学に対する挑戦状でもあるからなあ。

大野も、別に論理的誤謬に陥っているわけではないんだよ。
o1をuの「必ずしも合成母音ではない」異音とするのも、
さりげなく示唆(同意)しているところがあったはず。
ただ、他の乙類母音とちょっと出自の毛色が違っていて、
そこが、藤井あたりの歴史ロマンをかりたててしまったのではないかと思う。
709名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 11:15:22 0
4母音で音素数が足りなかったとは思えないんだよなぁ。
文献以前の日本語時代の日本人の語彙がそれほど多様であったとは思えないから。
現代人が識別しない植物の成長度合いとか、虫の様態の違いや、
祝祭の言葉や、様々な現代(文献時代)以後は使われない言葉があったとは思うが、
そういった言葉があったとしても、
古代の語彙はさほどの数ではなかったはず。
四母音では足りないということもないのでは。
710名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 14:25:26 O
>>708 素直に o1i を認めておけば挙動が 1 つ少なくて済む。

> o1が、uと非常に深い関係にあることは、(大野も含めて)非常に広く認められている。
聞いたことない。大野は、kazu + aFu → kazo1Fu のような例から、すべての o1 が派生的と決めつけただけ。

> 俺などはo1そのものが、「uの、低舌化による(明確な条件の無い)異音」と考えているので、
では自由変異か。o1 と u で揺れている例はそんなに多くないが。

> ただ、この異音の主張は、ある意味、言語学に対する挑戦状でもあるからなあ。
つまりトンデモということだ。

> 大野も、別に論理的誤謬に陥っているわけではないんだよ。
かばいだてすると「同罪」になるぞ。

>>709 それは古代人を見くびっている。
あるいは、語が平均して長ければいいわけだが (早口でしゃべる)、古代日本語には 1 音節語もけっこう多い。
原始日本語には本源的重母音があったのが、融合して短母音化したために、不安定な 8 母音体系が生まれ、やがて 5 母音体系へと移行した、ということだろう。
それにつれて複合語が増え、語は長くなり、また漢語が入って来て語彙は豊かになった。
711名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 15:38:23 0
>>710
だから、四母音体系から重母音→八母音→五母音でいいと言ってるんだよ。
原始日本語は四母音で運用できるレベルの語彙だったと。
712名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 16:31:12 O
4 母音からどうやっていろいろな重母音が生じるのか。すべて形態素結合による派生と見なすなら大野と同じ論理的誤謬。
713名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 16:35:51 0
よくわからんのだが、4でエがなかったとすると、
イケ! とかヤレ! の命令語はどうなんの?
714名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 19:31:57 0
>>710
別にこの点では大野と同罪だろうが共同正犯だろうが何だろうが、どう認定してくれても構わんよ。
晩節を汚したタミル語ネタや日本人のカレー好き起源の話とは、全く違う話であって、
8母音以前の母音理論としては、藤井5は論外にしても、
松本5、服部6、森(重)5、など他の理論と比較しても、
今のところ「大野4」が一番説得力があると、俺は考えている。
(ちなみに、森(博)7とは矛盾しない。森7は、古典的通説である橋本8と音素論上は同じ。)

「『け』つねうどん(大阪方言)」や「cut/putの母音は何故違うのか」の説明は、
伝統的言語学だけでは、未だ答えられていない。
トンデモだと言い放つのは簡単だが、
そうすると「けつねうどん」さえ説明不能になってしまう。
俺が思うに、o1の起源はここに鍵がある。
実際、祖語の発音の構成を試みると、ほとんどuになってしまう。

>それは古代人を見くびっている。
俺は本当はこちらのほうが気になるんだけどな。
日本祖語の基礎語彙の貧弱さは、はっきりいって異常。
形容詞や身体名称など、もはや一言語の体をなしていないレベルだ。
この温帯の湿潤地帯の西南日本にあった言語で、
色彩を示すのに、あか、あお、しろ、の3つしかないなんて、明らかに異常だろう。
これは、古い中国語の異常な「文法の貧弱さ」と並んで、 特筆すべきもの。
おそらく、日本語と中国語には、何らかの「出生の秘密」がある。印欧語のような「普通の言語」ではない。
715名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 22:17:39 0
形容詞は少ないが身体や色の名は異常と言うほど少ないわけでもない。
716名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 23:05:11 0
なんかトンデモ発想な人だなあ
印欧語がなんで「普通の言語」なのかもよくわからんし
(言語学が長らく対象にしてきたから普通とされているっていう皮肉で言ってるならわかるけど、
文脈的にそういう意味で言ってないよね?)

それに、
色彩名称に本来的、根源的な語彙が少ない言語だって多いだろ?たぶん温帯でも。

本論から外れてすまないけどさ。
717名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 23:33:09 0
色については異常とも思わないが、
確かに語彙の貧弱さは気になる
書かれたものが残ってないだけということか
718名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/09(金) 23:50:20 0
確かに日本語の形容詞が異常に少ないというのはよく言われているが、身体語彙は少ないか?
身体語彙には一拍語がやたら多くて、他の分野の語彙とは出自が違うのではないかと言われることがあるがそのことか?
あと色彩語彙はアカ、アヲ、シロ1、クロ1の4つじゃないのか?それぞれ彩度と輝度の高低を表したという。

日本語が語彙、中国語が文法に特色があるというのなら、印欧語は音韻に特色があるんじゃないか?
印欧祖語は母音が1つしかなく、その代わり子音がやたらに多いコーカサス語のような言語だったというじゃないか。
印欧祖語は印欧祖語で「出生の秘密」がありそうだとも言える。
719名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 07:45:49 O
>>714
> 今のところ「大野4」が一番説得力があると、俺は考えている。
短母音だけなら 4 個だった可能性はあるが、それを言うことに意味はないと私は考える。

> 「『け』つねうどん(大阪方言)」や「cut/putの母音は何故違うのか」の説明は、
> 伝統的言語学だけでは、未だ答えられていない。
日本語大阪方言では i と e とは異なる音素だから、「きつねうどん」と「けつねうどん」とは別の語。シニフィエは同じでも。
また、中英語の [u] は近代英語では一般に [Λ]、ただし 1 音節語に含まれていて [p] の後、および [f] [b] と持続音 (鼻音除く) との間では [u]。
720名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 08:37:25 P
>>718
そういや、サンスクリット語で現れる文字は大半がaもしくはaaらしいね。
インド系文字もそれに合わせてa音(言語によって異なるが、大体a〜o音の間)を持つ文字が基本となっているし。
721名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 09:35:32 0
「4母音では母音が足りないんじゃないか」と言ってるけど、
現代でも5母音で、そのうちエは明らかに使用頻度が低いわけで、
エが存在しなかったとしても現代と大差ないと思うけどな。
アクセントの型が豊富だったから充分に補える感じ。
722名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 11:51:02 O
>>721 相対的に使用頻度が低いだけで、きわめて稀というわけではない。
まだ死んだ大野の妄想につきあう気か。
723名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 12:05:53 0
>>718
色彩を表す形容詞として、
彩度の高低と輝度の高低を表すものしかないというのは、明らかに異常だと思わないか?
そんな「測定機器の目盛り」だけのような言語があるかよw
日本語の形容詞では、結局「光の波長」の差異を表わす形容詞が一つも無い。

身体名称にしても、あちこちの体毛を表す単語が全部「け(*kai)」の合成語というのも、
世界的に見ればかなり特異。しかも「毛(*ka)」は「木(*kö)」とどうやら同源で、
体毛を根源的にあらわす単語ではない可能性すらある。(原義は「草木」?)

「出生の秘密」というのは、わざと書いたんだが、実はトンデモのようにみえて、
敢えて控え目に書いたんだけどね。
端的に言えば、「ピジン化した片言がクレオールとして再構成された言語ではないか」
ということなんだが、既存レベルのクレオール理論に、日本祖語はまだ乗らない。
それで「秘密だ」という書き方にしただけの話。
中国語については、さらに状況が特殊で、
「漢字の排列という『ピクトグラムの判じ絵』が起源だ」
という、言語学板の住民が聞いたら、ひどいトンデモだとして一蹴しそうな説が、
漢語と漢字の研究者の間ではむしろ古典的学説として、有力に唱えられている。
724名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 14:08:10 0
>>722
そこまで大野を何から何まで目の敵にする必要性が分からん。
学説としての批判はもちろん重要だが、そんなに害悪が高い珍説だとも思えない。
8母音以前学説の提唱としては、森(重)説のほうがよほど珍説だろう。

あまりに害悪が強すぎて正常な論争が回復できず、
そもそもこの世から葬らないと、まともな学問の発展が望めないレベルの
目の敵にすべきトンデモ学説が、仮に存在するとすれば、
この分野では、小泉某「縄文語の発見」だろう。
これを契機に、上古日本語音韻論と、アクセント史は事実上学問として壊滅した。
どっかの県立高校教師あたりが唱えているのなら、よくある話で何の問題もないんだが、
なまじ隣接分野の権威だったものだから、最悪の結果を招いた。

大野の4母音説が、このような学問そのものをダメにするような悪性を持ったものだとは思えない。
725名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 15:12:32 0
あれじゃね?中学高校で日本語練習帳方式の、
新聞の社説要約を毎日やらされてたとか。
それなら大野を憎む気持ちもわかる。
726名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 17:44:47 0
上代語5母音説を歴史ロマンとかいって小馬鹿にしてるわりには
「体の毛を表す単純語がもともとケしかなかったのは異常」とやや主観的なことを言っているのがおかしい。
727名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 20:19:38 O
>>724 見るからにトンデモはすぐわかるから害が少ない。
大野は該博な知識をもちながら、「或る…」を「すべての…」と取り違えるという初歩的な誤謬を犯し、ありえない先史日本語の姿を多くの人に植えつけた。その罪は重い。
稲荷山鉄剣に見える Fi1ko1 (彦) の ko1 が [kua] のような音だったらしいことは、上の方で挙げたとおり。
728名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 20:38:15 0
>>727
>該博な知識をもちながら、
>ありえない先史日本語の姿を多くの人に植えつけた。その罪は重い。

それを言うなら、明らかに小泉。どうみても小泉の話としか思えない。
4母音説が誤謬だとしても、そこまで断罪する程、大野説の像は外れていないだろう。

上の引用は、あきらかに小泉の批判としてこそ、ぴったりくる。

・縄文語なるものが存在する。方言を分析するとその姿は見えてくる。
・縄文語には高低アクセントが無かった。
・東北・山陰のズーズー弁は、縄文語起源である。
・「8母音体系」は、「高低アクセント」とともに、「渡来人がもちこんだ」
(まだ他にもある)

この板の住人から見れば、川口浩探検隊レベルの楽しみ方の出来るファンタジーだが、
言語学界の権威が大真面目に、しかもなんと一般向けの書物で記した。
素人は、まさに「ありえない先史日本語の姿」を植え付けられてしまった。
グーグルで調べれば分かるが、小泉説を大真面目に信じている一般人は、山ほどいるんだよ。
大野4母音どころの騒ぎじゃない。
729名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 20:46:55 0
大野の四母音はそんなトンデモだと俺は思わないけどなぁ。
どこらへんが気にいらないのよ?大野の。
730名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 20:53:12 O
>>724 「森 (重)」ってのはだれなんだ。森重敏のことならトキ・ニンザブロウ (時任三郎) と同じだ。
731名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 21:08:57 O
大野説はプロが信じている。小泉より罪は重い。
現に、あんな簡単な誤謬が見えないほど洗脳されている者がいる。
短母音 4 個だけ、母音連続・閉音節なし、子音は豊富とはいえない、高低アクセントはあるが 1 音節語も少なくない──史前日本語の実像からはおそらくかけ離れているだろう。疑いを抱かないとすれば洗脳されているからだ。
732名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 23:33:47 0
>>731
別にそこまで大野を擁護するつもりもないが、そのまとめ方も大野に酷だ。
大野は、どうも祖語の音節構造として、CVC説を取りたがっていたように見える。
このCVCへのこだわりが、あの晩年のタミル語電波に惹かれていった一つの理由のようでもある。
最終的には、「タミル語と切り離されたCVC仮説」は、結局諦めたのではないかな。
タミル語以降の大野説は、読むに値しないので意味が無いんだが。

CVC、子音清濁なし(日本語東京方言の2/3程度の数)、5母音、重母音は一部(母音後続のjのみ)、
簡単な高低アクセントがあるだけといえば、
北海道のアイヌ語がまさにそれであって、
この程度でも問題なく一言語の音韻体系は成立する。

罪科というのなら、やっぱり小泉のほうがよほどひどいよ。
今では、国立大学の方言学の教授レベルでも、「代償によるアクセント発生」などのまともな説明を一切せずに、
「日本祖語は無アクセントだった。茨城弁は縄文語直系だ。小泉説が言っている。」なんて本気で言うんだから。
733名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 23:36:28 0
>>723
>色彩を表す形容詞として、
>彩度の高低と輝度の高低を表すものしかないというのは、明らかに異常だと思わないか?
>そんな「測定機器の目盛り」だけのような言語があるかよw
>日本語の形容詞では、結局「光の波長」の差異を表わす形容詞が一つも無い。
現代の日本語はご存知の通りそのような姿ではないです。
また上代日本語からさらに数千年ないし1万年遡った日本語は、
現代語のように豊富な色彩語を備えていた可能性もゼロではありません。
アフリカのある部族社会では、デザイナー用の数百枚の色見本カードを
全て正確に見分け、言い分けて調査者を驚かせた、という話も伝わっています。
「狩猟・採集」が主な生計の手段である社会ではそういう見分けが必要だったからか?
しかし北海道のアイヌ人の生活は近世に入るまで狩猟採集が主な生計の手段でしたが、
アイヌ語の色彩語体系は上代日本語の形容詞にそっくりです。
(基本的には形容詞は「赤」だけ、他は「青(=緑=黄)」「白」「黒」を自動詞で表現するのみ、とのこと。)
ではアイヌ語はピジン由来のクレオール言語か?
あの頭痛がする文法を交易者であるピジン話者に話させるのは無理難題でしょう。

>端的に言えば、「ピジン化した片言がクレオールとして再構成された言語ではないか」
>ということなんだが、既存レベルのクレオール理論に、日本祖語はまだ乗らない。
太古の印欧語(現在の最古の推定形からさらに数千年ないし1万年遡った)が、
「ピジン化した片言がクレオールとして再構成された言語」というか「ある種の語彙からはそのように見えるもの」
でなかった、という保証はどこにもありません。
なにしろ日本語の色彩語は赤青白黒システムから現代に至ってここまで豊富化したのですから。
印欧語も単に時間が経って色彩語、身体語、形容詞が豊富化しただけかもしれない。

結局、ある言語の色彩語や身体語や形容詞を取り出してその単純性・複雑性から
その言語自体がピジン・クレオール由来だ、又はそうでない、と判断するのは無理だと思います。
734名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 03:42:48 O
>>732 CVC- は認めるのか (当然だが)。しかし -C という語はないわけだろう。
大野は二段活用の語幹まで CVC- としている。あれも滅茶苦茶。
nage2ki1 (嘆き)、sake1ri (咲けり)、kazo1Fu (数ふ) の e2、e1、o1 は、それぞれ
naga + iki1、saki1 + ari、kazu + aFu から生じた、だから「すべての」 e2、e1、o1 が派生的だというのが大野の議論。
おかしいと思わない方がどうかしている。頻度が低いといってもまれなわけではない。
アイヌ語は形態素も語も平均して長い。接辞も豊富でそれらが付くとさらに長くなる。
駅弁大学の事情は知らん。大体、小泉はフィン語の専門家であって、日本語についてのそんな説に惑わされるのは権威主義ですらない。
735名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 04:35:22 0
>>734
大野説は、母音語幹→二段動詞じゃなかったか?
上一段、上二段、下二段が、連用語尾/i/を足して、それぞれViからの合成母音として説明できるから、
3+1で基本4母音というのが、重要な間接証拠となっていたはず。
これに、子音語幹→四段動詞を足して、音韻構造を説明したのだとした。
(この立論は村山にボロカスに叩かれるわけだが、ここではとりあえず措いておく。
そんなに筋の悪い議論ではないと思う。ただ、必要十分かどうかが問題で、
おまえさんは、それを一番の問題にしているわけなので、
俺の評価とはそもそも噛み合っていないけど。)

フィン語でも何でも、学会のエロい人になってしまったから、
十分権威主義の害悪といっていいと思う>小泉
俺としては、小泉のせいで、アクセント史の金田一通説(院政アクセント一元説)が、
あたかも「過去の遺物」のように語られるようになったことが、なにより悲しい。
これで、日本語のアクセント学という学問分野は完全に滅亡した。
この分野の通時分析は、金田一通説以外の議論の基礎を持たないのに。
もはや、「1+1は3かもしれん。2だなんて過去の遺物」という数学をやっているようなものになった。
736名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 05:40:52 0
ちょいと、おいらの知識じゃ口を挟めなくなってきたんでロムろうと思うが、
それでも一つだけ疑問点を。
>>732
短母音 4 個だけ、母音連続・閉音節なし、子音は豊富とはいえない、高低アクセントはあるが 1 音節語も少なくない──史前日本語の実像からはおそらくかけ離れているだろう。

史前日本語の語彙の絶対数がさほどでもないなら、
やっぱり、十分に運用できるんじゃないのか?
737名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 07:41:08 0
第一音節:子音9(∅,k,t,p,n,m,w,j,s)×母音4(a,i,u,o2)=36
第二音節:子音13(k,g,t,d,p,b,n,m,w,j,s,z,r)×母音4(a,i,u,o2)=52
アクセントが5種類とは限らないから3種類に減らしても、(36×56+36)×3=5724

同音異義語も許容されると考えれば、名詞と形容詞語幹で6000の枠があれば十分たりるんじゃないか?
738名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 08:18:58 0
小泉説でそんなにアクセント史学が滅亡したか?
確かに縄文語がどうとか基層語の無アクセントが現代の無アクセント方言に残ってどうとか言ってる輩もいるが、
普通に金田一説に基づいた研究だって最近でも行われてるし、外野で変なこと言ってる奴らがいるだけじゃないのか?
739名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 08:42:31 O
>>735
> 上一段、上二段、下二段が、連用語尾/i/を足して、それぞれViからの合成母音として説明できるから、
> 3+1で基本4母音というのが、重要な間接証拠となっていたはず。
そうだったな。何もかも CVC- だと言いだしたのはタミル語以降か。
ただその連用語尾 -i というのがまた曲者で、もともと名詞と思われる ame2 (雨)、mi2 (身)、ki2 (木) まで
ama + i、mu + i、ko2 + i に由来すると考えるのは、やはり論理的誤謬だろう。
*amai、*mui、*ko2i を祖形として立てておくのが筋だ。被覆形は *-i の消滅によると説明できる。

> 俺としては、小泉のせいで、アクセント史の金田一通説(院政アクセント一元説)が、
> あたかも「過去の遺物」のように語られるようになったことが、なにより悲しい。
> これで、日本語のアクセント学という学問分野は完全に滅亡した。
そんな事実はないと思う。今でも音韻論の専門家は、金田一春や小松英の業績を非常に重んじている。
740名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 08:45:33 0
タミル語ってどこが日本語と似てたんだ?
日本―ヘブライ瓜二つ言葉のコピペを大野さんがみたら
1200%日ユ同祖論を信じちゃうのだろうか。
741名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 08:55:39 O
>>736-737 自然言語は穴だらけなんだよ。だから、必要最少限よりずっと多くの音素を持っている。なぜかはわからない。
たとえば日本語で、2 拍の語を五十音順に考えていくと、「アガ」「アヌ」という形態素はない。
742名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 09:04:43 O
>>741 × アガ → 〇 アゾ
743名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 11:20:28 0
形態素が先なのか音韻が先なのかわからんなぁ
744名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 11:49:03 O
音素が少なければ穴も少なくなる、もれなく使い切ろうとする、というわけではない。
ハワイ語も音素が少ないがけっこう穴はある。そして語が長い。
745名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 12:10:40 0
>>738
>>739
「日本語は古くは無アクセントだった。アクセントは複雑化したのだ(代償発生の説明一切なし)」
というのは、学者が「言ってはいけない」ことなんだよ。

小学校の理科教師が「南の空をみてごらん。太陽は地球の周りを回っているんだよ。」と教室で教えるのと同じ。
あるいは、物理教師が、
「石より羽毛のほうが早く落ちるだろ?重いもののほうが早く落ちるんだよ。」と教室で教えるのと同じ。
あるいは、
「トマトにカビが生えたね。菌類というのは、何もないところから発生するんだよ」と教室で教えるのと同じ。

これは、理科教師ばかりでなく、算数の教師であっても「言ってはいけない」はずだ。
表現の自由という問題ではなく、
「何かを教える」という職に就く者として、もはや「言ってはいけない」レベル。
そういう意味で、小泉「縄文語の発見」は万死に値する。

>>739の立論は興味深いんだが、その前に。
マオリ語、ハワイ語などの南島語族ポリネシア語派は、音素数が極度に少なくCV音節であることはよく知られているが、
実は語根は2音節標準なんだ。長く見えるのは、複合語に過ぎない。
例:アオ・テア・ロア(NZのマオリ語正式名称)
先史日本語だって、複合語としては、相当長いものが許容された。
「かむやまといわれびこ」「あまてらすおほみかみ」「やまとととひももそひめ」
音素が少ないことは、大野説を腐す決定打ではない気がする。
746名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 13:13:10 0
雨は雨水アマミズ、木は木の葉コノハとかあったけど、
身はム?なんかあったけとおもったが、ムクロがそうなのかな?
クロってなんだ?そしたら
747名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 13:35:34 0
単純に黒くなっちまった煤けた死体といった意味では?
748名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 15:19:02 O
>>745 覆すも何も、大野説は正当な手順に従っていないからもとより誤謬。
古代日本語の基礎的な語はたいてい単純語だ。2 音節語のなかには 1 音節形態素どうしの複合の可能性があるものも少なくないが、音義説に陥らないために、一応単純語ということにしている。
音素の少ない言語だったらしい特徴はない。
749名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 15:26:55 O
>>746 クロは地面の盛り上がった所で、ムクロは地面に横たわる死骸を指す。ほかにはムザネ (身実)、ムカハリ (身代) など。
750名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 16:44:28 P
ザ行(zV)は昔からあったの?
751名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 16:54:27 0
>>750
古言清濁考を買って読むよろし。
752名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 18:58:22 0
音素の少ない言語だったらしい特徴とやらは、
多音節の長い単語があるかないかという点で識別するという議論を立ててるみたいだが、
それで、そういった特徴がないから日本語は音素が少ないってことはなかったであろうっていう議論みたいだけど、
おいらが考えるにゃ、
先史時代だし語彙がすくなかったんじゃねーのかな?
ってのと、同じことだけど、一つの単語がかなり幅広い領域をカバーしてたとか。
たとえば、「とる」って動詞だが、ちょっと変換するだけで、
取る、採る、捕る、執る、獲る、録るがある。
色の議論あったが、こげ茶色から薄いピンクまで、「あか」みたいな。
そんな感じだったんじゃねーの?
大野の議論の抽出過程に問題があったとしてもだ、
議論の抽出過程の正否は議論の正しさの正否とは関係ないぜ?
大野の議論の正否をどうこうできるだけのあれは俺にはないけど、
四母音はすんなり受け入れられるんだけどなぁ。
753名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 21:09:54 P
古代シナ語みたいに複数の子音を伴った複雑な音節が、
後世に複数の音節に分かれたって説を主張してみる。
例:しし=cci,cic、まほ=mpo,map、父=tti,,tit、やまと=ymat
754名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 21:14:46 0
「論理的誤謬」って体言止めで粘着されるぞ
755名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 21:31:37 0
なんつうのかなぁ、議論の導出過程での論理的誤謬と、
議論そのものの正否は別じゃねーのかなぁって思うわけよ。
まぁ、おいらは、言語学のそんな見識のある人間じゃねーんだわ。
ただの、アマチュアなんで、ここでの議論を楽しく見学させてもらってるだけなわけなんだけどさ。
例えばさ、古代ギリシャ人は、男は女を求め、女は男を求めるっていう議論をしてたわけじゃない。
で、その議論はどうやって抽出されたかっていうと、
太古、人は一つの胴体に二つの頭、四つの手、四つの足があったと、
それが二つに分断されて、男と女になった。
で、その太古のありし姿を求めて、男は女を、女は男を求めるっていう議論をしたわけだ。
これは、議論の抽出過程は完全に間違ってるけど、ギリシャ人の男は女を求めるっていう議論自体はまちがってねーだろ?っていう。
そういう感じかな。
おいらの疑問わ。
議論の導出過程自体はどうでもいいんじゃねーのっていうか。
四母音自体は腑に落ちるんだよねぇ。まぁ、不勉強な人間なんで、
ここでの議論を見学させてくださいって感じなんで、ロムります。
756名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:03:44 O
>>752
> 議論の抽出過程の正否は議論の正しさの正否とは関係ないぜ?
議論の過程こそが議論そのものだろう。式を間違えて答だけまぐれ当たりした数学は 0 点。
757名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:07:21 0
小泉「縄文語の発見」のように、
「目次に3秒目を通して、直ちに120%嘲笑できなければ、読者の頭脳のレベルが疑われる」
(つまり、ちょっとでも納得してしまった者は「真正の馬○」)
というような真正電波ではないと思うんだよなあ。
大野でも、タミル語説は本当はこの部類。でも小泉よりはるかに「よく出来ている(笑)」ので、
目次を見て嘲笑するのは、かなり難しいと思う。

大野説の評価をこれ以上論じても意味が無いので、そろそろ本題に入ろうと思う。
せっかく自説を提示してくれているんだから。

>>739の立論なんだが、決して筋は良くないと思う。
被覆形において「-iが消滅する」とするのは、筋が悪い。
もしこの方向性で論証するなら、他の母音(子音でもいい)が消える例をあげてほしい。
そうすれば、「被覆形では最後の音が脱落する」という、
それなりに筋の良い説を導くことが出来る。

だが、-iだけを言挙げするとなると、「引き算方式」は明らかに筋が悪い。
どう考えても「形態素として、「非被覆の場合」に-iが接続される(足し算方式)」と考えるべき。
758名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:12:06 0
ああ、すまん、議論っていう言葉はまずいな。
おいら、法学&経済学系の人間なんで。
議論っていう言葉を議論するっていう意味じゃなくて、
理論とか説とか、そういう意味の言葉で使ってた。
すまそすまそ。議論の過程って討論とか、理論構築の過程とか、そういう意味じゃなくて、
議論ってのは、ある説とか、ある公式とか、ある仕分けのありようみたいな、
そういう意味で使ってた、ごめんごめん
759名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:29:54 0
あと、ちょいと、もうロムりますから、不勉強者なんで。
>>756
答えがあってるかどうかだけでいいじゃん。四母音が正解か否かだけで。
ワーグナーの大陸移動説なんか、地球の内部はまだ熱くて、
固まってなくて、内部で液状で移動してるとかわかってなくて、
あれ?北米南米大陸とユーラシアアフリカ大陸がこれ、合致するね。
あれ?山脈の亀裂とか、うまいこと符号するねっていうだけだぜ?
大野が論理的誤謬に満ちた、ワーグナーとしても、
大陸移動説を提唱したなら、大野の議論の導出過程は非難されても、
大陸移動説は非難していいわけじゃないだろ。
760名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/11(日) 23:52:07 O
>>757
> 被覆形において「-iが消滅する」とするのは、筋が悪い。
> もしこの方向性で論証するなら、他の母音(子音でもいい)が消える例をあげてほしい。
文献時代には重母音の融合、および複合語前項における *-i の消滅は完成していたと考えられる。だからそんな例は要らない。
waga + iFe1 (我が家) → wagaFe1 のような例はあるが、関係がない。

> どう考えても「形態素として、「非被覆の場合」に-iが接続される(足し算方式)」と考えるべき。
-i の付く形態素と付かない形態素との違いがわからない。
すべての形態素に -i が付くのなら、名詞の露出形は e2、i1、i2 のどれかで終わらなければならないが、それは事実に反する。
こちらの方が筋が悪い。
761名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/11(日) 23:54:01 O
>>759
> 答えがあってるかどうかだけでいいじゃん。
大野にもそれに類する開き直りがあった。自分の示した例に明らかな間違いがあったら消してくれ、はたして何個消せるかなと。
議論の手順が間違っているものは、吟味するまでもなくすべて間違い。
仮に将来、日本語とドラヴィダ語族との間に何らかの関係が証明されたとしても、その学史に大野の名は挙がって来ないし、挙げるべきではない。学問とはそういうものだ。
ヴェーゲナー (ワーグナーは作曲家) は、大陸を移動させた力について、あくまで「わからない」とし、将来に委ねた。
もし彼が当時の水準から見てもいいかげんなことを言っていたら、トンデモのまぐれ当たりとして葬られていただろう。

ちなみに、男が女を求めるのは周知の事実だが、史前日本語が 4 母音だったのを聞いて来た人はいない。
762名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/12(月) 13:05:57 0
4母音説はとっても魅力的なんだけど、オ甲の扱いに関してはなんか違和感がある。
俺はオ甲も含めて5母音だったんじゃないかと思うんだけど

第一に、有坂の法則との整合性がとりづらい。
オ甲が大野説のとおり母音融合を起源とするなら、エやイ乙のように法則の範囲外になりそうだし、
ウの異音だとしても共起できる範囲が食い違うのがおかしい。ウおよびオ甲はどっちもオ乙と共起できないか、
少ないができるんならどっちも同じくらいできて当然だろう

763名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/12(月) 13:12:21 0
途中で書いちまった。

第二に、母音の配置がアンバランスすぎ。
オ乙が非円唇の後舌母音に再構できるとして
円唇後舌母音がなくて非円唇だけ存在するっていう言語あるか?
今お前がしゃべってるウも非円唇だろ、とか
そういう細かい突っ込みは置いておくとして、
オ乙はエ甲乙ができるまでは非円唇の前舌母音で、
舌の高さ的にオ甲と対立していたと見るのが自然なんじゃないだろうか
764名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/12(月) 15:39:31 O
アイヌ語「カムイ (神)」は日本語「神」からの借用とされるが、その時の日本語は *kamui だった可能性が高い。*-ui が本源的重母音か、-u + *-i に遡るものかは容易に断定できない。しかし *-ui という重母音の時代があったことはほぼ間違いない。
765名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/12(月) 16:02:07 0
つまり彼ムイってコトか。彼身?
766名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/12(月) 19:11:40 0
色彩を表す語の話も出てきてますけど、日本語の色彩を表す語は他の言語と比較して少ないとはっきり言えるんでしょうかね?
例えばラテン語なんかも純粋に色彩を表す語は「白」「黒」だけだったと聞いたことがあるのですが…
(松本克己さんあたりが言ってた気がする)
767名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/12(月) 19:57:02 0
ラテン語は
白:albus,candidus
黒:niger,ater
赤:ruber,russus
緑:viridis
黄:flavus
青:caeruleus

caeruleusは青緑色も含んでいて青が微妙な状態になってる
768名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/12(月) 20:50:11 0
>>763
>オ乙が非円唇の後舌母音

ここがそもそもおかしい。こういう仮定の人はいないわけじゃないが、
この説を取る人は、俗ラテン語(今でも正則イタリア語はこれ)のような「開合体系」をとるので、
4母音(あるいは7、8を含む4+α母音)という考えは、論理的にあり得ない。
おそらく藤井なんかも開合体系なんだろう。

そもそも8母音の通説自体が、オ乙を、少なくとも中舌母音だと理解する。
シュワー(森)なのか、ö(大野他)なのかが割れている。
俺は、オ乙の最古の発音は前舌だったと思っているが、ちょっと極論だな(支持者は見たことが無い)。
769名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/12(月) 21:02:50 0
つまり、後半部分については途中まで同じだ。
オ乙が「対立していた」のはアなので(類義語で交代する例がゴロゴロ存在する)
アが後舌母音として、オ乙と対立していたと考えれば、4母音でもそれなりに座りが良い。
アが後舌だったこの傍証は、森の復元音(これは音声の復元なので間接証拠に過ぎないが)。


>>760
「-iの有無のメルクマール」を、何らかの概念として抽出する研究というのが筋なんじゃないか?
多重母音を認めるとしても、「なぜか i だけは被覆するときに消える」というのは、明らかに変だ。
この場合とはややはなれるが、一般に/i/というのは
形式名詞的なふるまいをしていたらしいことが、多くの研究者によって示唆されている。
この議論は古くて新しいもので、ここから先にちっとも進まないのが難点なんだが。

俺は、おまえさんほど「重母音を認めるかどうか」は、そもそも重要視しないんだ。
重母音というのは、「静的な足し算の重母音」なのか「動的な移動母音(典型的には近代英語)」なのか、
そこのところを明らかにしてほしいんだが、
(この文脈で「本来的」云々は、正直言葉遊びにしか聞こえない)
もし前者だとしたら、俺としてはそれほど違和感を感じるものではない。

770名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/12(月) 21:09:07 0
そもそも被覆形と露出形の二つの形を持つ名詞と持たない名詞の二つがあるのはなぜですか?

771名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/12(月) 21:29:47 0
>>762
言い忘れていた。
突き詰めた大野説(俺は、大野が本当に突き詰めた説を主張しているのかどうか疑問だが)でも、
オ甲は、uaの融合とするので、有坂法則に組み込まれるのはごく自然な発想。
むしろ、エ甲乙やイ乙が有坂法則から原則外れるとされる理由のほうが問題だったりする。
エ甲乙はaを「含み」、イ乙はuを「含む」からだ。
772名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/12(月) 23:52:11 0
>>770
>そもそも被覆形と露出形の二つの形を持つ名詞と持たない名詞の二つがあるのはなぜですか?

被覆形を持つことになった名詞については、接尾辞「い(甲)」が体言であることを強調する用法で用いられた、
つまりその文脈で実体詞として用いられていることを強調して用いられていた、という理由ではないでしょうか。

1音節の名詞に被覆形を有する(被覆形で定着した)ものが多いのは、文脈の中で音声が際立ちにくいため、
「かみ(神)」「あめ(天)」など恐れ多い名詞に被覆形を有するものが多のは、ことさらに言挙げして語るため、
身体語に被覆形を有するものが多いのは、日常頻用される単語なので特に強調する必要があったため、
と説明できると思います。
また「もの(mo乙no乙)」「こと(ko乙to乙)」は、実体詞でなく抽象名詞として使われることが多いために、
接尾辞が付かない露出形が定着した、と説明できるのではないでしょうか。
773名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 00:36:00 O
>>769
> 「-iの有無のメルクマール」を、何らかの概念として抽出する研究というのが筋なんじゃないか?
-*i の付着を主張する人こそがその研究をすべきだと思うが、だれもやらない。

> 多重母音を認めるとしても、「なぜか i だけは被覆するときに消える」というのは、明らかに変だ。
全然。i が最も sonority が小さい。

> 重母音というのは、「静的な足し算の重母音」なのか「動的な移動母音(典型的には近代英語)」なのか、
> そこのところを明らかにしてほしいんだが
当然後者。1 音素だから。

> (この文脈で「本来的」云々は、正直言葉遊びにしか聞こえない)
始めから *Vi だった、V + *i には由来しないものを認めるなら、4 母音説はどだい成り立たない。
大野に毒されるとそこまでアフォになるんだなw
774名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 00:37:45 O
>>770 語末が重母音 -*Vi だった名詞は、被覆形 -V- (-*i- の消滅) と露出形 -e2/-i2 (-*Vi の融合) を持つようになった。
語末が短母音 -V だった名詞は、複合語前項でも単独でも -V(-)。
>>772 なんかよりずっとシンプルで優れた仮説だ。
775名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 00:58:42 0
寒いが口語でさみー
甘いがあめー
こっち来いがこっちきー
みたいな話と理解すればいいんでつか?
776名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 01:22:27 0
>>775
それ、以前から疑問だったんだが、「強い」は「つええ」なのに「重い」が
「おめえ」にならないのは何故なんだろう。
777名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 02:38:02 0
>>776
言うよ。
778名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 14:00:01 0
この話題重ーよ
779名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 14:11:28 0
近代語では oi > oe > e (拍のある方言では代償延長で ee) となるが、古代語では o1i/o2i > i2 となった。
重母音の融合過程ではまだ e1 が確立していなかったのかもしれない。
780名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 14:14:42 0
>>779
こっち来いはこっちけーになるはずだが、
関西弁や土佐弁ではきーになってるな。
関係あるのかな?
781名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 19:54:49 0
>>773
相変わらず他人を腐してばかりで、神のごとく自信満々だが、
おまえさんの自説、致命的な点で完全に破綻しているんだが。

>当然後者。1 音素だから。
→つまり英語の長母音のような「調音点が移動することを本質とする母音」ということ

>全然。i が最も sonority が小さい。
→例えば/ai/という「移動母音」から、iが取れるという「sonorityが一番小さな」状態によって生まれるのは
単母音/a/!!!(笑)

おまえさん、俺や大野を馬鹿にする前に、
中学校1年生の英語のクラスに混ぜてもらったほうがいい。
これは、移動母音の本質を理解していないと言うことなんだ。絶対にあり得ないんだよ。
782名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 20:39:37 0
まぁまぁ、人格攻撃は控えて議論しましょうよ
783名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 21:02:43 O
>>781 実際には十分ありうる。音声上は [ai] でも [ae] でも [a∂] でもいいものが [a] に変わるということ。移動母音の後半部が最もソノリティが低い。
だいたい、重母音が融合するとき、移動母音を経ないことはない。仏語も朝鮮語も名古屋方言も同じ。
君のような屁理屈屋がいるから、村山七郎はこの現象を「-i の収縮」と呼んだのかもしれないが、結局同じことだ。君は「英語の移動母音は融合も収縮もしない」と言っているにすぎない。
残念だったねw
784名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 21:18:20 0
>>783
あー、また複数の議論をごちゃごちゃにして目くらましをしているよ。
意図的なのか、無意識なのか知らないが。
無意識だとしたら、相当非論理的な脳みそをしたお方と見える。
解きほぐすのもいいかげんめんどくさくなってきた。

一応、簡単な反論と質問だけをする。
>重母音が融合するとき、移動母音を経ないことはない。
だから、「日本語の『根源的』重母音」なるものは、
「線的な移動母音」なのか「複数の点を重ねる多重母音」なのか、一体どっちなんだ?


一応、俺の見解を述べておく。
もし「線的な移動母音」の存在を仮定しても、徒に音素を増やすだけで、
被覆系問題の解決にはならんと考える。
移動母音の後半が切り捨てられても(収縮?)、「調音点起点の単母音」に還元などされないからだ。
音素を増やせば、それが目的だというのなら、俺はもはや何も言わないけれど。
他方、「複数の点を重ねる多重母音」ならば、俺は全く否定しない。
もともと「櫂の例外」という、有名な問題がある。
俺は、母音衝突回避は絶対法則であるとは考えていない。
785名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 22:48:34 O
>>784
> だから、「日本語の『根源的』重母音」なるものは、
> 「線的な移動母音」なのか「複数の点を重ねる多重母音」なのか、一体どっちなんだ?
1 音素でありながら「複数の点を重ねる」ということはないだろう。本源的とは形態素 -i がかかわっていないという意味だ。

> 移動母音の後半が切り捨てられても(収縮?)、「調音点起点の単母音」に還元などされないからだ。
還元される。有限個の音素が体系をなしているから、近い音に合流するはずだ。

> 他方、「複数の点を重ねる多重母音」ならば、俺は全く否定しない。
多重母音は 2 音素であって、やはり大野の 4 母音説が正しいと持って行きたいわけだなw
786名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/13(火) 23:32:45 O
>>785
> 本源的とは形態素 -i がかかわっていないという意味だ。
これでは狭すぎた。本源的とは (-i を含む) 形態素の結合がかかわっていないという意味だ。
787名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/14(水) 00:50:43 O
現に融合は起こったわけだから、少なくともその過程では、移動母音だったんじゃない?
2 音節の多重母音からいきなり融合したとは思えない。
788名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/14(水) 11:52:18 0
外国語で発生した現象を検証もせずに日本語にそのまま適用していいのか?
789名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/14(水) 13:16:53 0
>>783
> 音声上は [ai] でも [ae] でも [a∂] でもいいものが [a] に変わるということ。
[a∂] はさすがに無理か。au と区別できなくなる。
原始日本語には重母音 au (> o2) があったかもしれない。
ともあれ、英語の重母音は、狭まる方 ([ε∂] [⊃∂]) も広まる方 ([i∂] [u∂]) も同じ音 ([∂]) を目指して動く場合があるから、
「「なぜか i だけは被覆するときに消える」というのは、明らかに変だ」 (>>769) という反応が出て来るんだろう。
原始日本語の ia (> e1)、ua (> o1) はそういった移動ではなく、後半部は ai (> e2)、ui/o1i/o2i (> i2) の後半部より広かったと考えられる。
790名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/17(土) 03:37:00 0
「にらみ用」に作ってみた。


八十八音図
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ワ      ヰ      (ウ)      ヱ         ヲ

ア      イ      ウ     エ(愛)        オ

ヤ      (イ)      ユ     エ(曳)     ヨ甲   ヨ乙
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
サ      シ      ス      セ      ソ甲   ソ乙

ザ      ジ      ズ      ゼ      ゾ甲   ゾ乙

タ      チ      ツ      テ      ト甲   ト乙

ダ      ヂ      ヅ      デ      ド甲   ド乙

ナ      ニ      ヌ      ネ      ノ甲   ノ乙

ラ      リ      ル      レ      ロ甲   ロ乙
791名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/17(土) 03:38:55 0
八十八音図 (つづき)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ハ   ヒ甲   ヒ乙   フ   ヘ甲   ヘ乙      ホ

バ   ビ甲   ビ乙   ブ   ベ甲   ベ乙      ボ

マ   ミ甲   ミ乙   ム   メ甲   メ乙   モ甲   モ乙
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
カ   キ甲   キ乙   ク   ケ甲   ケ乙   コ甲   コ乙

ガ   ギ甲   グ乙   ゲ   ゲ甲   ゲ乙   ゴ甲   ゴ乙
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
792名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/18(日) 03:05:23 0
古語辞典で甲乙の区別が明記されてる奴で一番安い乗って小学館古語大辞典のコンパクト版?
結構古いのが残念。
793名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/18(日) 14:46:55 0
>>792
大野晋「岩波古語辞典」のほうが安いよ (3150円)
ただし小学館のより古い (初版1974、改定版1990)

俺はこれで間に合わせているけど、助詞が巻末にまとめて
あるなど、辞書として不便なところがある。

三省堂の「時代別国語大辞典 上代編」も甲乙を区別して
いるが、高くて手が出なかった・・・
794名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/19(月) 01:33:35 0
藤井説は結局どうなったんだ反論できないからおまいらスルーかよ
795名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/19(月) 11:54:00 0
>>794
散々反論されてただろw あれじゃ足りないのか?
オ段甲乙は条件異音で説明できるという主張だったが、例外がめちゃめちゃに多くて完全に破綻している。
逆にオ段甲乙は前後の音韻環境でもアクセントでも説明できないということが明らかになった。
イ段とエ段の甲乙については藤井説でも日本語話者も区別していたという主張なので問題なし。
796名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/19(月) 12:23:44 O
こうやって議論が終わってみると、藤井の言いたかったこともわかる気がする。
しかしそれは、「音素は自由な組み合わせで、均等に使われるはずだ」という思い込みに基づいている。自然言語は全くそのようではない。
この思い込みは大野にも見られた。
797名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/21(水) 01:54:12 0
798名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/25(日) 22:53:58 0
藤井は本についているCDを買って聞けばすべてが明らかになるとか言っているが、ホントにそれだけで大丈夫なのか?
買って聞いた人は報告すべし
799名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/25(日) 23:03:45 0
ひょっとして藤井さんが自ら単語や文章朗読してんの?
800名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/26(月) 04:21:02 0
>>798
Youwee (>>300) のリンクから藤井のホームページへ行くと、いろいろ聞ける。
右側にある「日本語(呉音)」を聞いてみると面白い。「世の中」を低高低低と発音
している。藤井説では「世」は高になるはずだが。破綻するにしてもあっけない。

以上、買わないで聞いた人の報告でした。
801名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/30(金) 20:44:26 0
日本語の単語の少なさってとこに話戻していいかな?
ちょっと、思うことがあるんだけど、
日本語って子音の連続も母音の連続(母音の連続は上代限定かもしれん、上代以前は許された?重母音?は置いとく)も嫌うよな。
やっぱり、音素の組み合わせでいくと、かなり組み合わせの数は少ない。
子音がすんごい豊富でもないし、母音もせいぜい八母音。
それで、自然言語は音素の組み合わせをフルに、万遍なく使うわけじゃない、
しかも、二音節が単語の基本というか、せいぜい三音節まで。
英語なんか、子音連続はありだし、母音の数も、米語は省力化されてるけど、
英国英語なんか母音も豊富。
上代日本語の語彙の貧弱さは不自然に感じるんだよ。
つまり、上代以前は、開音節の縛りとか、母音連続の縛りとかなかった?
けど、そこになんらかのクレオール化とか、なんかあって、音韻に大変化が生じた。
で、異音意義語が集約されて、同音異義語が増えたり、一つの単語の受け持つ意味の幅が増大したりしたのが上代語では?
てなことを妄想するんだよねぇ、チラ裏すまそ
802名無し象は鼻がウナギだ!:2010/07/31(土) 10:35:13 0
超亀すまぬが >>686-694 あたりに追加してください
森博達『日本書紀の謎を解く』中公新書
まだ新本が手に入る (ゼー込み819円)
803名無し象は鼻がウナギだ!
>>801
かなり豊富で弁別的な高低アクセントがあったんだからそれで充分補えるだろ。
日本語のアクセントは、豊富な型で単語を互いに弁別するという機能を徐々に捨てて、
その代わりに単語全体のまとまりを表す方向に変化してきた。

上代のアクセントには以下のように非常に豊富な型があった(括弧内は稀な型)。
一拍名詞には高〜高高、降〜高低、低〜低低、(昇〜低高)、(昇〜低降)
二拍名詞には高高、高低、低低、低高、低降、(高降)、(降低)、(昇高)、(昇低)
三拍名詞には高高高、高高低、(高低低)、低低低、低低高、低高高、低高低、(低低降)、(昇低低)
四拍名詞には高高高高、高高高低、(高高低低)、(高低低低)、低低低低、低低低高、(低低高高)、低低高低、低高高高、(低高高低)、低高低低、(低低低降)

同じ語の中に高い部分が分かれて現れないという制約はあるが、それ以外は相当に自由なアクセントだ。
上代では四拍名詞はあまり存在せず(ただの名詞連続の場合が多い)、三拍語以下が多かったわけだが、
これだけ豊富なアクセントがあれば音韻が単純で語が短くても充分だろう。
アクセントが豊富な言語は、音韻の単純さの割に単語は短いことが多い。

日本語のアクセント自体が何らかの音韻の代償として発生したもので、
複雑な音韻が単純化する際にアクセントが発生した可能性は大いにあるけど、
それは文献時代より遥か前のことだろうし、今の言語学の射程外になってしまうと思う。