>>281 つづき
さらに古典ラテン語は・・・という感じで、
どんどん、「音」と「形態」を頼りにして、
それに逐次「歴史書の裏づけ」を取りながら先祖を見つけていきます。
そうすると結果的に文献がない言葉を仮定しなければならなくなり、
その文献のない言葉がどんな言葉だったのかを予想を立てていきます。
(これを祖語の構築といいます)
そして、大もとの大もとをたどった結果、
かつて話されていたであろうと思われる言葉が
印欧祖語(Proto Indo-European→PIE)です。
・・・なんていう分析が 19cに大流行し、
Raskの発見した「グリムの法則」やそれを補足する「ヴェルナーの法則」、
さらに Saussure による原始印欧語の母音における諸考察、
楔形文字ヒッタイト語の解読や古典アルメニア語への着目などを通して、
次第に確実なものへと近づけることに成功しました。
和書で比較的読みやすいものを挙げておきますと、
ダンジェル(著)「ラテン語の歴史」(クセジュ)
下宮(著)「歴史比較言語学入門」(開拓社)
パーマー(著)「現代言語学入門」(研究社)
ブルームフィールド(著)「言語」(大修館)
ソシュール(著)「一般言語学講義」(岩波)
で比較言語学の項目を流し読みすれば楽しく知ることができます。