jackendoffを語る

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1名無し象は鼻がウナギだ!
概念意味論の先駆者、jackendoffを語りましょう。

[CAUSE(JOHN,[GO(MARY,[TO([IN([HOUSE])]]]]
2(´∀`):02/07/26 23:01
LCSスレがすでにあるんだけどにゃ……といいつつズサー

ジャケンドフはもっと大きな視点から言語を論じてるのに日本では概念意味論の
セコイ、いやいや緻密な仕事だけが取り上げられて矮小化されているような気も
するにゃが。
3ななし:02/07/27 00:49
(´∀`)さんには、「2ゲトズサー」も概念構造表記してもらいたかった(w
4名無し象は鼻がウナギだ!:02/07/27 05:26
ZUSAA[GET'((´∀`), 2)]

こんな感じか?
5(´∀`):02/07/27 11:15
ズサーはむしろmanner componentかにゃ、で、こいつがゲトに取り込まれると
ズサ-ルって動詞ができる、って俺はLCS不要論者なのにゃ!

逃走派しゃん、Foundations of Language読んだといってたから、なにか
書いてくれるといいんだけどにゃー
6名無し象は鼻がウナギだ!:02/07/28 13:56
Jackendoff "Parts and Boundaries"の論文を読みました。
[+-b]とか[+-i]の素性を使った道具立ては、すばらしいなと思ったのですが、
この考えは、他の研究でどれくらい受け入れられているんでしょうか?
生成文法でも使われることはあるんでしょうか?
7名無し象は鼻がウナギだ!:02/07/29 08:32
>>5
乗り突っ込みですかい。さすが関西人(w

>>6
イマイチ何が聞きたいのか良くわからん。論文読んで感動して
思わず書き込んだ、というかんじか。(w
Jは生成文法家です。ちょっと毛色が違うように感じるでしょうが。

ちなみに、Jのアプローチに対する批判というのはどういうものが
あるんでしょうかねぇ?あまり批判している人というのは覚えが
ないやうな。

2の書き込みは「セコイ」のところにわらた。けど、似たような
印象もちますです。日本人で、大きなスケールで言語について語っている
といったら誰でしょうかねぇ。
8名無し象は鼻がウナギだ!:02/07/29 13:29
>7 大きなスケールで
2さんは「大きな視点」で、と言っているのを「大きなスケール」と
言い換えると誤解が生ずる可能性あり、と言ってみるテスト。

視覚、音楽など他の認知現象の生成文法もやりつつ、認知の仕組み一般の中で
言語を考える、というのはすげー。日本人でこういう広い視野から言語を眺めてる
人って、山下洋輔?
9逃走派:02/07/29 18:55
召還するか、ドアを開けるか、回復するか、全滅するか・・・(by くるり)

--

何か書こうにも、どっから書いていいか分からないっすよ、顔文字しゃん。
とりあえず、J(=Jackendoff)は音韻、統語、概念構造を3本並列で独立させ
て計算、対応規則で関連付けとだけは言っておこうっと。例えば、サルなんかは
音韻・統語が欠如しているけど概念構造は(どの程度複雑だか分からんが)保有してる
ということも言ってるよー。でもって、顔文字しゃんはどっかで、「統語構造
から意味が生まれるのであって、その逆ではない」といったことをおっしゃっていて
すると、統語を持たないサルは意味(思考)を持たないってことになってしまうのでは
ないんかなー?と妄想を働かせちゃってるよー。どこが間違っているか、
教えてくれー。
10逃走派:02/07/29 19:06
>>6
文のtelicityなどを決める要因を動詞・名詞などの品詞にまたがって認め
それを表現するための素性[+/-b][+/-i]ですよね。同じような観察は
KrifkaとかVerkyulとかにもあって、それぞれ、独自の道具立てを使ってるよう
だよ。よいと思ったら、どのくらい受け入れられているかは気にせずに
自分でどんどん使ったり改良したりして構わないと僕は思うけど。Parts & Boundaries
の発展版の"Proper Treatments..."も面白いと思います。
11:02/07/29 20:02
>>7
まあ、たしかに、感動したから思わず書き込んだってかんじですわな(汗
品詞間にまたがる道具立てというのが、おもしろいと思った。
でも、意味に関わることは、統語と違って、形には表れないから、
好きなことができますよね。
どの理論的枠組みが正しいか、なんて、絶対証明できないような気がするんですけどね。

>>10
10さんも、読まれましたか。
とても心強いです。
実は自分も、"Proper treatment"の論文、読んだのですけど、
だいたい考え方はわかりましたけど、
「相に関する動詞」、「移動に関する動詞」の分析には使えそうですけど、
他の動詞には、使えませんよね。
あと、関数に6つでしたか、導入していますが、
その導入の仕方が、ちょっとあやふやじゃないですか?(対になってるのに、厳密に平行的じゃないとか)
12(´∀`):02/07/29 22:40
逃走派しゃん、
意味にゃら概念構造にゃらは、言語に拘束されないもっと広いものだと思うにゃ。
ちょうどLCSスレにもそんなこと書いたんだけどにゃ。
サルにはサルの、ヒトにはヒトの知覚世界や概念意味があり、このような言語外意味
はとりわけ系統発生については言語に先行していておかしくないにゃ。
一方、ヒトの場合には自律的統語論が組み上げる言語構造が、その構造特性
ゆえに表しえる言語内意味およびその限界があり、その言語内意味と言語外意味が
たまたまインタフェイスを介してうまく繋がった部分だけを人間は普段の思考や
言語運用に利用しているんだろうと思うにゃ。

13逃走派:02/07/31 00:15
Everybody's got something to hide except for me and my monkey. -- The Beatles

__

>>11
6しゃん、関数の導入のところ、今まで全然気がつかなかったよー。sp-bindingが
かっちょえーけど、何とかしたいなーというところだけに目が向いてて、ノートにも
ノーチェックだたよー。telicityは文の特性で、その文全体の特性がどういう風に
部品である構成素からでてくるのかっていうのがあの論文のissueなんだと思うけど
ズレてないよねー。Verkuyle(spelling怪しい)もそこらあたりで四苦八苦して本を
書いたような感じだし。

>>12
LCSスレの最近のところ、読み飛ばしてて、適切にサイトしてなかったよ。ごめんにゃー。
で、「概念構造は言語に拘束されないもっと広いもの」ってところ、禿同!
「サルにはサルの、ヒトにはヒトの概念構造」ってところに、顔文字しゃんの慎重さを
読み取ったよー。こうもりが音波反響を利用して独自の知覚世界を作っているのと同じく
サルだってヒトには到底不可能な知覚世界で暮らして、独自の概念構造を作ってるかも
しれないもんねー。その点、Jはナイーブ君だよ。概念構造について、サル概念+αが
ヒト概念って言っているように読めるところがあるしねー。
ともあれ、Jと顔文字しゃんの違いはあまりなさそうかなー(がっかり)。しいて
言えば、Jは言語外意味と言語内意味の区別は不可能だし、無理して区別しても意味なし
という立場なのに対して、顔文字しゃんは、区別可能で区別は有意義としてるところかも。
Jは、言語外・内の区別なしで全部概念構造に表示、個別言語の統語構造は言わば
「フィルター的」に作用。結果、「言語内的意味」が「表面的に一般性を持つ(ように見える)」
とする立場といえるかも。一方の顔文字しゃんのは、言語内意味は統語構造が表示、言語外は
LCS(?)が好き勝手に表示。両者の対応でたまたま同型になったのだけを言語で使ってる
ってことなのかなー。

多分完璧に誤解してるなー。ともかく、マッタリいくよー。
14逃走派:02/07/31 00:36
ちょっとその手の話が好きな人にリップサービス。とは言えブロージョブじゃねーよ。

上のところで概念構造で全部表示、個別言語の統語がフィルター的に働くと
と書いたけど、そこら辺りにウォーフ仮説が入り込めるかもともJは言ってるよー。
個別言語L1が提供する統語構造S1には、ある概念構造C1は表わしやすいけど、
C2は表わしにくいってケースが考えられて、別の言語L2だとその統語S2はC2の
方が表わしやすいってケースが考えられるからねー。ちと、常識的すぎて
つまらないけど。
15(´∀`):02/07/31 04:25
>概念構造について、サル概念+αがヒト概念って言っているように
>読めるところがあるしねー。
ほー、この辺り、なにかしら進化論上のヒトの優越性を主張したがっているよう
にも聞こえるにゃ。ジャケンドフは言語進化についてはネオ・ダーウィニストに
味方しているにゃが、本来のダーウィンの立場に好意的(のはず)なチョムと
対照的かも知れないにゃ。俺の勝手な理解では、チョムの視点というのはヒトの
固有能力としての言語を認めながらも、それがヒトの優位性にはつながらない、
むしろ他のあらゆる生物種にとって種固有の遺伝的能力があるのと同じ意味で
人間言語があるのであって、それ以上でも以下でもない、という力みのない
自然体のものだと思うのにゃ。ところが、最適設計にゃら持ち出したとたんに
言語だけは別格だといってるようにしか思えない面もあり、この矛盾をどう
解消すべきか、なんてことも考えると面白いですにゃー。やっぱりどこかで
チョムは人間崇拝者の部分があるのかにゃー。

>Jと顔文字しゃんの違いはあまりなさそうかなー(がっかり)
逆にきくにゃが、Jは生成内部でのチョム批判を標榜しているわけにゃが、
実際、どこが批判になってるとゆーわけにゃ?
16逃走派:02/07/31 23:08
We're just two lost souls swimming in a fish bowl year after year -- Pink Floyd

__

Jはどの辺りからChomskyに批判的になり始めたのかなー。
やっぱInquiryでのLarsonとのdouble object論争の頃からかな?
X' Syntaxの頃はC的syntaxだったし、Semantic Structuresも
Cの枠を相補するものと意図されていたように思う。Architecture
辺りから明示的に批判側に転じたと言うべきか?あのDO論争自体、
評価が分かれているような気がするよー。

> 実際、どこが批判になってるとゆーわけにゃ?

批判になっているかどうかはおいておいて、Jにとっては
Cは統語中心主義(syntacticocentricism)を取っている(alledgedlyの副詞付き)
ところが問題だという点が一番根が深いかと。音韻、意味は統語の
解釈部門であり、いわば従属的立場にあると(Jが考えている)点。
これに対して、Jは3部門並列それぞれに自律的とする。当然、
そうなると3部門の対応が問題になるわけで、対応規則の中身が課題に
なるし、その延長で、3部門を個別に内包している語彙記載項について
その一つ一つが対応規則とするアイデアが出てくる。後は、この枠に則って
行けばミニマリストとの相違がぞろぞろramifyしていくわ。いわく
・イディオムも語彙記載項的に対応規則化。その延長で構文も語彙化。構文文法に近づく
・統語計算も、派生ではなく制約型。HPSGなどに近づく
・UGも原則&パラメータ的ではなく、「ずれた」構造も許容するtoolkitと解釈
他に、「線形順序重視」、「認知心理やAIとの連携に媚を売る」ってところもあるかなー。

俺としては、仮にCが統語中心主義を取ってるとしても、分析の深化のための
strategyでやってることだろうなと思っているし、Jと根本で矛盾するわけでもなく
構文文法的抜け道を備えたminimalist syntaxであっても一向に構わないんじゃねーの?
なんでそームキになるんだろーなー?といった日和見野郎なんだけどね(苦笑)

俺、3日ほどアクセスできなくなるよー。
17(´∀`):02/07/31 23:19
wish you were hereだにゃ
以前、俺は洋楽板にフロイドのスレをたてたことあるにゃ!
フロイドの最高傑作はThe Final Cutだ、と言い続けてたのが俺にゃ!

これから帰宅、続きは後でにゃー
18逃走派:02/07/31 23:35
ashes and diamonds, foe and fro, we're all equal in the end

BOBしゃんと顔文字しゃんのことかなー。俺、もう寝るよー。
19(´∀`):02/08/01 01:30
together we stand, divided we fall ...

俺が立てたフロイド・スレはこれにゃ
http://cheese.2ch.net/musice/kako/975/975065405.html
ここの137=151はまさか逃走派しゃんかにゃ!?
あげ

顔文字さんってモバギ使ってる?
モバイル板のモバギスレ(2)でにゃーにゃー言ってる人がいる。(w
21逃走派:02/08/04 15:05
なんてこったい! いかにも! 127=137=151は俺だよー(大笑)
Hey youの訳詞についてはリアル逃走派も回りの連中に喋ってたから
実体がバレちまうかもなー(笑)。
foe and friendsのタイポだた>18

内容ナイヨ、でageないよー!
22逃走派:02/08/05 01:12
For millions of years mankind lived just like the animals
Then something happened which unleashed the power of our imagination
We learned to talk -- Pink Floyd

__

計算機資源の無駄遣いと罵られようがKeep Talkingするよー。The Wallの映画では、奥さんに
浮気されたのを自覚して公衆電話の受話器握りながらずりずりと壁を背にしゃがみこんで、
敗北が決まったときのゴールポスト前のカールとおんなじ格好をしていたゲルドルフに
涙うるうるの俺だけど、1さんには悪いと思いつつこのスレ乗っ取っちゃおうかなー。
「Jについて語る」とある以上、Jのビブリを紹介しとくと便利かもねー。単行本だけだよ。

1972 Semantic Interpretation in Generative Grammar, MIT Press
1977 X-bar Syntax, MIT Press
1983 Semantics and Cognition, MIT Press
1983 A Generative Theory of Tonal Music, MIT Press (with Fred Lerdahl)
1987 Consciousness and Computational Mind, MIT Press
1990 Semantic Structures, MIT Press
1992 Languages of Mind, MIT Press
1994 Patterns in the Mind, Basic Books
1997 The Architecture of the Language Faculty, MIT Press
2002 Foundations of Language, Oxford

23逃走派:02/08/05 01:13
3行コメント集だよー。

1972 Semantic Interpretation in Generative Grammar, MIT Press
拡大標準理論のもと、代名詞化、焦点前提、主題関係、法構造、数量詞とかいろいろ
やってるよー。生成意味論がなければできなかった本だけどね。後輩にこの本を
薦めると、なぜかいや〜な顔をするのがちょっと悲しいよー。

1977 X-bar Syntax, MIT Press
CのNominalizationの論文を忠実に受けて、英語でとことんやってみようじゃ
ねーの!って本かもしれないねー。破綻を承知でとことんやるところ、俺には
かっちょええーと映るよー。後にStowellのPhD論文を生み出すよー。

1983 Semantics and Cognition, MIT Press
なんと言ったらいいか、すげー本だと思うよ。概念構造が全面に出てきて、言語外の
システムからの言語内(特に意味)の再検討が実にねちっこいよー。ともかく興味が
ある人は気合入れて読んだ方がいいよー(とは言え、理解できてないところがある俺)
このあたりから独自路線ってことになったのかもなー。でもあまり後続がない(泣)

1983 A Generative Theory of Tonal Music, MIT Press (with Fred Lerdahl)
俺読んでません(爆)。だって楽譜、読めないし。

1987 Consciousness and Computational Mind, MIT Press
これも読んでません(核爆)。俺のようなヘタレには難しすぎ。
でも1997で要約があるから、まあいいかと・・・(言い訳)

1990 Semantic Structures, MIT Press
語彙意味論でのバイブルだよー。でも論文でりファーしようとするとワープロで
LCS書くのが面倒になるので困るよー。1972でのGruber再評価、その後の1977での
"Toward an explanatory semantic interpretation"の必然的な展開形だよねー。
ちなみに俺自身は語彙意味論についてはシロートなので、この本の評価はマユツバと
しておいてー。

1992 Languages of Mind, MIT Press
地味だけど、俺にはかなーりインパクトがあった論文集だよー。まずintroがでかい。
何がでかいって視野が。これ読んだときにいろんなimaginationをした思い出があるよ。
Languagesと複数形になっていることに注意。Mindとは、言語の集合体なのだよ!よ!よ!
モデルは生成系の言語システムだ!だ!だ! それぞれのprimitivesとそれぞれの
計算機構、および対応規則の集合。音楽でのUG、社会認知でのUGとかも
出てくるよー(萌え)。フロイトの話さえなければなー。

1994 Patterns in the Mind, Basic Books
PinkerのLanguage Instinct(言語を生み出す本能)と同趣旨の本。
Pinkerに比べて、ちょっと影が薄くなってしまった感じの本。
日本語訳もとうとう出なかったし。Pinkerに比べて、領域がちょっと狭かったから
なのかなー。だが、これがきちんとした訳で出てたら、もうちょっと
アンチ生成の人もreasonableな人の比率が多かったかもねー。

1997 The Architecture of the Language Faculty, MIT Press
ちょっとテクニカルな本。1章は生成の格好のイントロになってると
思うよー。ミニマリストへの反論もあるけどねー。8章はかっちょええーよ。
「意識」とか「言語と思考」とかを扱ってるよー。そういった話題では
俺の中ではこの章が標準理論っす。

2002 Foundations of Language, Oxford
ひょっとして代表作になるかもといった勢い。多分、ていうか絶対、心理とか
哲学系の人に読んでもらいたがっている(言語で読むのは当然ってか?)
詳細のコメントは今はやめておくよー(てか、書くのがしんどい:笑)

もう寝るよー。
24(´∀`):02/08/06 09:01
>>21
ほ、ほんとかにゃ!
こんな偶然もあるんだにゃー。あのスレは俺の2ちゃん歴(w)中でも、
なんかこー、一番思い出に残るほのぼのとしたスレにゃった……(遠い目
脱線スンマソ。

>>20
それは俺ではないにゃ。にゃーにゃー言う人はあちこちのスレにいっぱいいるのにゃ。
25名無し象は鼻がウナギだ!:02/08/08 04:49
>>22
大変参考になりました。
論文のほうもお願いできたらお願いします。

わし、parts & boundariesとmeasuring outの2つは読んだのですが・・・
26名無し象は鼻がウナギだ!:02/08/12 03:11
j'age'ndoff
27逃走派:02/08/14 01:35
BGMは、ELPのThe Sageってとこで、ここではバカばっかり書く予定だからここでは永遠に
sage書き込みに徹しようっと。俺の人生、ホコリまみれだ。払っても消えやしねえぜ。
乗っ取るとか言いながら、すたこら逃走してたよー。ちなみに明日からまた逃走するー。

**

顔文字しゃん。あのディープなスレが顔文字しゃん主催とは。ぶったまげてましたよー。
前に、私信でRage against the machine聴いてると書いたら、速攻でChomsky Archive見れ!
と返事をよこした某先生もいてそんときもぶったまげてしまったけどねー。
22しゃん、22しゃんも読まれた論文についていろいろ語ってくれると嬉しいっすよー。

**

Jのコアな信念にはモジュラリティがあると思うです。モジュラリティっていうとFodorが
出てくるけど、Fodorが中央系はモジュールでないって言ってるのに対して、Jはそれも
モジュール。より中央より、周辺よりの区別はあるけど。潔くて気持ちいいー。
mindは要するに心的器官の集合となるわけで、「心的解剖学(mental anatomy)」なんて
かっちょいいフレーズも出てくるよ。でも養老猛司ファンがJのことに言及してるとこ
見たことないなー。

mindへの入力としては、視覚、聴覚、皮膚感覚、重力感覚などもろもろ。一方、出力は
運動のみ。声帯や口腔筋肉の運動を通しての発話もそれに含まれるけどね。でもってJは
例えば視覚入力情報について言語で説明したりできるのであるから、言語モジュールと
視覚モジュールもどっかでつながっているところがあるはずと考える。同じ事が運動と
言語とか、視覚と運動とかいろいろ考えられるけどね。そして言語については生成的な
「規則(原理)とそれが適格性を決める表示(representation)のセット」という図式を
受け入れ、その図式を他のモジュールにも当てはめていく。視覚に関してはマーを規範に
してるよー。
(つづく)
28逃走派:02/08/14 01:36

言語については次の図式かなー(ちゃんと表示できるかどうか分からないけど)。表わしているのは
表示のみ。それぞれの表示についてそれの適格性を決める規則群がある。

聴覚入力→
      音韻構造 ― 統語構造 ― 概念構造
運動出力←

概念構造がいわゆる「意味表示」と言ってよくて、他のモジュールと連結してるところ。

視覚についてはこんな図式。ここでも表示のレベルだけ。それぞれの表示についてその
適格性を決める規則群がある。

網膜上のパタン→第一次スケッチ ― 2 1/2 スケッチ構造 ― 3Dモデル構造

よく研究が進んでいるのは視覚と言語だけだと思うけど、運動についても取り込むと
次のような図式になるかも。facultyを「機構」と訳しちゃうよ。

言語機構    ― 概念構造
            |
視覚機構    ― 3Dモデル構造
            |
触覚機構    → 身体表示(body representation)→ 運動機構
体位置計算機構

言語・思考部門の概念構造、視覚部門の3Dモデル、運動部門の身体表示が中央系
それへの入力(出力)部門が周辺系。各モダリティの連結は中央系同士で行われている。
例えば、言語で「木」という音声を聞くと言語機構で解釈され概念構造に「木」が
生じ、3Dモデルでもそのイメージが出て、それを発話するとすれば音韻表示に直して
「木」と運動機構で発話するとか(この場合は身体表示は経由しないけどね)。
29逃走派:02/08/14 01:37
Jはもちろんこれだけでモジュールが尽くされるとは考えていなくて、他に
音楽機構とか社会機構とかについても論じてます。音楽は運動・身体の表示につながってる
らしい。社会機構によりいわゆる文化の様々な問題も解けるかも。さらに普遍文法に
対応するような音楽普遍文法とか社会・文化普遍文法とかもあるようだし。

ともかくこのような方向で行くと、モジュールとその連結の組み合わせ・相互作用で
mindの機能は説明できることになるわけで、生成的な言語観の自然な拡張、もっと言えば
ChomskyよりもChomsky的なmind観を具現した図式を提起しているように思います。
(まあ、アンチの人にとってはとてつもない妄想としか映らないだろうけど)
30逃走派:02/08/14 01:49
ところでJは再三、音楽機構がどのような適応上の利点によって進化したのか分からない
といってるよ。
言語なら、コミュニケーションの利便があるから、言語をもつことによって有利になるというのは
分かるけど、音楽を認識できたからといって子孫が増やせるとか捕食者から身を守れるなんて
ストーリーは考えづらいもんね。歌を歌える種はそれだけでも気持ちいいから、歌を歌えない種より
子孫が増えるのか?俺もカラオケ練習するか?
31(´∀`):02/08/19 18:21
Our reasons are lost in our lies ...
逃走派しゃんの名解説助かりますにゃ(ぺこり

で、カマをかけたのかかけられたのか分かんなくなっちゃったけどにゃ……
>前に、私信でRage against the machine聴いてると書いたら、速攻でChomsky
>Archive見れ!と返事をよこした某先生
……そりゃ俺にゃ!(核爆

>Jは再三、音楽機構がどのような適応上の利点によって進化したのか分からない
>といってるよ。
これはちょと意外にゃ。音楽や歌の進化は進化心理学の連中が性選択で説明したくてウズ
ウズしてるテーマの代表ではないのかにゃ。ごく単純にいえば、歌の上手い奴のほうが異性にモテて子供を残す可能性が高い、ってことにゃ。実際、LADの先駆物としてSong
Acquisition Device(SAD)にゃらMusic Acquisition Device(MAD)にゃらが提案されてる
みたいだしにゃ。前に私信で紹介したかも知れんにゃが、参考文献あげとくにゃ。
http://jom-emit.cfpm.org/1998/vol2/vaneechoutte_m&skoyles_jr.html
http://jom-emit.cfpm.org/2002/vol6/majoros_w.html
で、生成が、ってか俺が再三言ってるのは、そのような淘汰圧による説明はすでに淘汰
されるべき変異体ができ上がってからの話しであって、そもそもそのような変異体が
どうやって生じたかの「起源」の問題に対しては無力ってことにゃ。生存や繁殖に有利
だというだけにゃら、イヌにUGがあり、ヒトに翼がはえてもおかしくないのにゃ。
そんなバカな! と自分でいってりゃ世話ない人もいますがにゃー

32名無し象は鼻がウナギだ!:02/08/28 12:32
Patterns in the Mind, p.41より

On the other hand, thre are cases where these experiments aren't so simple.
The most obvious is when you are working on some language other than your
owns. You then hace to find an informant, a native speaker of Turkish or
Kwakiutl or what ever, and ask him or her for judgments. In this situation
it's much harder to make up sensences to check, and harder to guess what
to try next; the process is trickier, but it can be done.(it works both ways.
I spent an entire Kyoto-to-Tokyo train trip being asked by a Japanese
linguist for judgments about hundreds of English sentences.)

うわー、この日本人言語学者が誰だか、すんげー知りてー
けど我慢する。
33名無し象は鼻がウナギだ!:02/09/09 03:41
j_AGE_ndoff
34逃走派:02/12/01 20:39
ギャハハ、ほぼ3ヵ月半ぶり。大笑い。まあこんなもんだ俺の書き込みなんてな。
倉庫行きはsageで書き込んでいる間はまぬかれるとの話しをどっかで読んだよ。
多分倉庫行きは大丈夫だろうな。苦笑い。

***

>>31 顔文字先生。いつの間にかレイジも解散しちまってたなー。音楽能力の起源について同意。
淘汰圧による説明は能力出現後の展開に関してしか有効ではなく、能力自体の起源の説明に関しては
無力というのはそのとーり(どーい!)
>>32 我慢しましょー。笑い。Ann Farmerの昔の本でもややこしい日本語文が例文として使われてて
あの判断には大津先生がずいぶん苦しめられてたらしいよ。そう言えばFarmerは今なにしてるんだべがー?
35逃走派:02/12/01 21:29
というわけで、書き込みつづけよっと。sageでいくよー。しかもJマンセーで行くからねー。
何書くかなー。言語と思考の関係とかー?

***

言語と思考ということについて少し考えてみるとすぐ思い当たることとして、なんだか、自問自答というか
独り言を言っているように感じるよー。俺だけかもしれないけど、割と独り言、言っていて傍から変な目で
見られることが多いよー。恥ずかしいよー。ということから、思考には言語が不可欠と考えるかもしれない。
でもそいつは間違いだよー、ていうのがJ。というかJ自身も言ってるけど、これはJ独自の見解でもなんでも
ないけどねー。言語=/=思考の根拠は次。ソースはJackendoff1997.セクション8.7。

1)どの言語だろうが思考の本質部分に関しては同じ。例えば翻訳可能性。本質部分に関しては
翻訳に関して言語の相違はない。思考(結果)の伝達はどの言語でも可能。思考は、
伝達される言語とは独立して中立的に存在する。英語と日本語では語順が違うのは
当たり前だが、同じ思考を表現できる。例えばバイリンガルは「異なる言語で思考する」と
言われるが、行っている思考自体は同一のはず。よって思考は言語とは独立した別の存在
のはずである。

2)障害で言語と思考の相違が顕現化する例がある。ウイリアム症候群の人は極端に難解な
語彙を駆使して話をするが思考がかなり希薄である。スミス&ティンムプリの言語サバンは
16もの言語を自在に操っていたが、逐語的翻訳や屈折の表現は見事であったにもかかわらず
翻訳に必要な文脈理解がまるでダメであった。思考を司る部分と言語を司る部分で選別的な
障害があったといえるかもしれない。

3)そもそも古典的な卓越した絵画や音楽に表現されたものは高度な思考の結果と思われるが
それらは言語によって表現されたものではなかった。

(つづく)

36逃走派:02/12/01 21:30
>>35からの続き)

4)もっと卑近な例で、「皿洗い」や「焚き火の見張り」を考えてもいい。これを
実行できるロボットも作れずにいるし、動物にも教えることができずにいる。それほど
高度な知性を必要としている行動といえると思われる。要するに人間は言語(音韻論・
統語論)以外の、それらよりはるかに豊かな認知表示を元に行動を行っているようである。

5)さらに人間以外の動物に目を転じてみよう。人間以外の霊長類にはreasoningが
存在するとする証拠がたくさんあると思う。Cheney and Seyfarth (1990)の研究によると、
野生のベルベット・モンキーでは、あるサルXがサルYを攻撃すると、かなりの可能性で、
YがすぐにXの親族のサルを攻撃するらしい。この時のYの頭の中では次のreasoningが
行われているはずだ。

(1) XがYを攻撃した
(2) 復讐することが望ましい
(3) 別のサルZはXの親族の一人だ
(4) 攻撃と復讐に関して、親族は、その本人とほぼ同等の価値を持つ
(5) (1)−(4)の理由は復讐する理由となる

これはかなり複雑な推論だと思うし、実際の攻撃以外は、関係している事実はきわめて
抽象的なことばかりである。これらを行なうための概念構造には、適切な抽象化が係わっている
はずだ。

当たり前のことかもしれないが、以上から次のことが確認できる。

(X)言語は思考(の一部)を表現するかもしれないが、思考それ自体は言語とは別の脳現象である。



37逃走派:02/12/03 23:27
続き。

(X)言語は思考(の一部)を表現するかもしれないが、思考それ自体は言語とは別の脳現象である。

ここでの「言語」って言うのは>>28での「言語構造」に対応し音韻と統語を含むと考えていいと
思うよ。で、「思考」って言うのは>>28での「概念構造」に対応すると。すぐに但し書きをしたくなる
が今はやめとくー。35-36で言っていたのは、結局、言語構造と概念構造は別のモジュールで
それぞれ独自のprimitivesを持ち、独自の計算機構を持っていると(モデル化できると)いうことだにょ。
38名無し象は鼻がウナギだ!:02/12/04 01:05
晒しあげ
39(´∀`):02/12/04 06:23
SAGE進行で独演会されてはこまりますにゃー (・∀・)ニヤニヤ
35は言語決定論にゃら言語相対性にゃらの話しにゃ?
個別言語レベルは論外として、普遍文法レベルでどこか人間の思考や認識のパタンを
言語が制限なり規定している部分は多少あるのではないかと俺は思ってるにゃ。
たとえば自然世界のある事態を見た時、言語化するしないに関わらずその事態を項と
述語からなる言語的構造に押し込んでとらまえているが、人間言語を持たない動物で
あれば全然違う認識の仕方をしているのではないか、とかにゃ。

もちろん思考と言語はイコールではないけども、その一部は重複しており、普段はその
うまく重なっている部分にしか注意を払わないので言語の認知的特異性に気がつかず、
みそも糞もごったにしたような(敢えていうと質の悪い認知文法的)議論が一見
もっともらしく聞こえるだけなんでは、と煽ってみるにゃ
40名無し象は鼻がウナギだ!:02/12/04 14:58
>>35
せっかく、あがってきたので、ちょっと絡ませていただきます。でも、
絡むポイントと方向性は、かおもじせんせいとほぼ同じです。w

>1)どの言語だろうが思考の本質部分に関しては同じ。
>  例えば翻訳可能性。本質部分に関しては翻訳に関して言語の相違はない。
>  思考(結果)の伝達はどの言語でも可能。

ここのところは、ほとんど異論がないのですけど、

>思考は、伝達される言語とは独立して中立的に存在する。
>英語と日本語では語順が違うのは当たり前だが、同じ思考を表現できる。

以上の部分は、思考と言語の独立性を、どの程度の強さで考えるかによって、
異論が生じてくるところのように思います。すなわち、上記の主張は、言語と思考
の不可分性を否定して、「思考は言語とは独立に存在しうる」とする弱い主張なのか、
それとも、原則として「思考は言語とは独立に存在している」と考える、
より強い主張なのか、どちらなのでしょうか。言い換えると、どの程度の強さで、
逃走派さま(もしくはJackendoff)は、言語と思考の独立性についてお考えなの
でしょうか。

Jackendoffの理論では、思考は、原則的に言語から独立して存在しているものと
みなされ、実際、その個別言語から独立した思考は、概念構造のような表現形式
によって中立的に表現できるものと考えられているようにみえるのですが・・・
41逃走派:02/12/04 19:17
ぎゃあー晒されたー。(はやく沈まないかにゃー)

>>39
> 35は言語決定論にゃら言語相対性にゃらの話しにゃ?
んにゃ、どちらの話でもないですよー。言語のシステムと思考のシステムが別々だ
というだけの話ですよー。前者が音韻構造+統語構造、後者が概念構造(など)で
互いに独立しているってことだけで、これはそんなに喧喧諤諤の話題でもないよ
うに思えるですよ。Chomskyの言葉で、前者は(phonology +)にゃろーsyntax、
後者がconceptual-intentional systemsと区別されると言ってもいいですよ。

> 個別言語レベルは論外として、普遍文法レベルでどこか人間の思考や認識のパタンを
> 言語が制限なり規定している部分は多少あるのではないかと俺は思ってるにゃ。
おお、個別言語レベルでの言語から思考への影響についての仮説がウォーフ仮説だけど
それは論外としつつも、普遍文法レベルで言えば、そもそも言語があることによって
人間の思考や認識パタンに制限・規定が加えられてるということですね。
こんな用語があるかどうか知らないけどネオ・ウォーフィアニズムと呼んでも
いいような。すげー。顔文字しゃんオリジナル!?

> たとえば自然世界のある事態を見た時、言語化するしないに関わらずその事態を項と
> 述語からなる言語的構造に押し込んでとらまえているが、人間言語を持たない動物で
> あれば全然違う認識の仕方をしているのではないか、とかにゃ。
ううう。ちと懐疑的。そもそも人間の概念構造自体がまだまだ全然分かっていない
のだけど、それにも増して、動物の概念構造もはっきりさせてからでないと、両者
の区別が分からないからなー。例えば、推論が概念構造に対する形式的操作によって
導き出されるとして、そして仮にその形式的操作が人間と動物で同一だとして
人間と動物が同じ事態に対して異なる推論をする(異なる推論をしていると示唆する
行動を示す)ならば、両者の概念構造は別になっていると言えるだろうけどねー。

#本文が長すぎだってよ!
42逃走派:02/12/04 19:18
(続き)

でもって、どうなんだろう。事態を項と述語からなる言語的構造に押し込むというのは
ちょっと分からないよ、言語的構造なのかなー。何か、主体と背景と言った
二項的、順序対的な捉え方というのなら分かるけど、それなら言語的構造とも
いえなくなると思うよー。つまり、項=主体、述語=背景と置き換えれば、一気
にfigure-ground関係になると思うんだよー。

例えば、動体視力が優れている猫を例にすると、猫も食物が食べたいし、捕食者が
恐いしで、視覚認知でも動くものを中心に認識するよう進化してると思われるにゃ。
そんな猫たまの概念構造では、動くものを主体とし、それに背景なりが属性として
くっつくという風に形式化されてるんじゃないかって僕は妄想しているにゃ。
主部ー述部の萌芽的形式としてにゃ。かなーり原始的なのだろうけど、猫たまの
概念構造にも階層性があるんじゃにゃかと。

でもって、人間の場合、言語ができたもんだから概念構造を部分的に翻訳・
表出可能になり、その際、できるだけ言語と概念の対応を簡潔にするように
働いて、結果、主部ー述部の階層が言語にも現れるんじゃないかってねー。

主題階層なんかも(というかHale-Keyser構造は)実は思考の階層構造の
言語システムでの反映に過ぎなくて、その逆ではないのじゃないかなー
なんて言って逆煽りをしてみるー。
(ここにガクガク・ブルブルのアスキーアート挿入)

43逃走派:02/12/04 19:26
40しゃん。Jも僕も「思考は言語とは独立に存在している」と考える
より強い主張でしゅ。で、40しゃんが書かれている次の記述の通りだと思いますー。

> Jackendoffの理論では、思考は、原則的に言語から独立して存在しているものと
> みなされ、実際、その個別言語から独立した思考は、概念構造のような表現形式
> によって中立的に表現できるものと考えられているようにみえるのですが・・・

言語と思考はシステムとしては独立してますが、もちろん、つながってはいるので
連携したりはありますよー。そこの話をsageで独演会(笑)してようーっと思ってたら
晒し上げられちゃったんすよー(苦笑)
44逃走派:02/12/04 23:26
で、>>36で言った(x)というか言語構造と概念構造の区別が歴然と存在すると仮定して話を
進めちゃいますー。いきなり話題は変わって、

<言語と意識>

です。ドドーン! 派手なタイトルだー。「意識」と言ってもなんか深遠で取っときにくいもの
ってわけではなくって、自分でそれが認識できるかどうかってそれだけだけどねー。
でもって、言語から見ると、他の人が言った言葉は物理的には空気の振動なわけでそれを
鼓膜が捉えてその周波数とかから言語音を割り出したりしてるわけで、よくよく考えてみれば
ものすごい計算をしているわけだけど、そこはすっかりてっきりまるっきり意識しようとしても
できないのでした。さらにそこから言語音を割り出して語の文節を区切り句構造を当てはめてる
と思うけど、それまたどんな句構造かなんて意識できないのでした。それが意識できてたら
そもそもこの40年間の生成統語論なんて無意味そのもんだもんねー。意識に照らし合わせて
句構造は明瞭に自明事実になっていたはずー。やれ名詞句はNPだDPだとか、意識可能だったら
議論にならないしねー。そー言えばBarriersの時に「VP-adjunctionなんて不自然だ」と言って
た人とか、split Inflが出たとき「そんな複雑なはずがない」(pc)とか言ってた人って、
すごいと言うかそもそも人間じゃなかったのかもなー。

意識で直接アクセスできる現象は、そもそも議論対象にならないってことだなー

(続く)
45逃走派:02/12/04 23:27
でもって、そういう知覚のナマに近いところは意識にのぼらないって言うのは言語音に
限ったことじゃなくって、視覚でも、網膜に刺激として入ったものがどのように計算されて
立体視とか何とかに変わるかってのもいくら頑張って意識しようとしてもできないし、
嗅覚に入ってきた「ぬか漬け」の匂いから、これは「ぬか」の匂いだって認識に至る過程も
意識できない。何か変なものを触って「うぐー、きしょいー」と思ってもその触った感覚
が脳内に「きしょいもの」を喚起するにいたるまでの過程を意識しようと思ってもできない
のであった。

こっから言えることは次じゃないかと。これもJがオリジナルってわけじゃなくって、
例えばFodorが言ってることで、比較的、uncontroversialじゃないかと・・・

(Y)脳内過程の「ナマ」に近いところは意識しようとしてもできない(ように人間はできている)

4640:02/12/04 23:48
逃走派せんせい、レス有難うございます。

私は、言語なしの思考も存在するが、思考の有り様は、少なからず言語に依存
していると考えており、実際、これは、言語学・言語哲学でも、一般的な見解かなと
思っておりましたので、かなりラジカルともいえる思考の言語からの独立性のテーゼ
には興味を惹かれます。

とりあえず、思考の言語依存性の典型的な例として挙げられるのは、概念の語彙
に対する依存性であると思うのですが、これについては、Jackendoff and/or
逃走派せんせいは、どうお考えておられるのでしょうか。例えば、日本語の「とる」
と英語の「take」、また、日本語の「飲む」と英語の「drink」の違いなどを
考えていただければ結構です。

で、やっぱり、ageちゃいけませんかね・・・
47K-Rod:02/12/05 01:35
逃走派せんせ、こんな所でおもろいネタを。

>>意識で直接アクセスできる現象は、そもそも議論対象にならないってことだなー

禿同ですにゃが、Jしゃんは認知について何か言ってませんですたかにゃ?
ちなみに認知では、思考・認知能力がprimitiveとしてあり、言語は下位範疇で
認知能力からfollowするって思想だと思うにゃ。別に同意はしませんがにゃ。

ここで顔文字先生と逃走派先生が顔見知りだということが判明したわけですね。
あ、あとsageておかないと駄目なんですよね?


48(´∀`):02/12/05 02:27
概念構造というべきかは迷うところにゃが、人間と動物とでは外界を感知する諸感覚器官の仕様や
性能が違うこともあって、それぞれ異なる外界認識をしていることは間違いないにゃ。簡単に
言えば、人間と犬では違う目で違う世界を見るしかないわけにゃ。いかに仲良しでもにゃ(;つД`)
で、言語は人間にとって、そういう感覚器官のような機能もあると思うのにゃ。上でいったように
無意識のうちに言語構造にあてはめて外界を捉えてるという意味でだけどにゃ。項・述語構造と
ゆーか、何がどうした、どれとどれの間にどういう関係が成り立つ、というように外界についての
たとえば視覚的情報を加工して見る癖があるのは言語をもつからではないだろうかと思うにゃ。
これをfigure-groundと一般化できるのかどうか、よく分からんにゃが、動物の場合はground無視で
figureにだけ固着する程度が高いと言えるのではないかにゃ。回りの状況が見えていない分、目の前の
刺激に即座に反応する、と「動体視力が優れている猫」を表現してもいいと思うにゃ。人間の場合は
むしろそのような反応が遅くなり、刺激をいったん分析・再構築した上で(再)認識している、
それが進化論的には言語を可能にし、また今では言語によって要請されていることではないだろかにゃ。
で、そのような遅延反応がそもそもどうして人間において生じるのかをたとえば分子細胞レベルで
説明することも、biolinguisticsの射程に入るかにゃー、と。(別スレの尿酸分解酵素の話しに
リンクする罠ゃ)

>主題階層なんかも(というかHale-Keyser構造は)実は思考の階層構造の
>言語システムでの反映に過ぎなくて、その逆ではないのじゃないかなー
言語進化のレベルでは、先行する認知能力に依存して言語の特性も生じたが、いったん言語が自律
した系として安定すると、その関係は逆転し言語の特性が思考や認識にも反映されるようになる、
と見たいところにゃ。これを言語と認知の共進化仮説と呼んでおこうかにゃ (・∀・)ニヤニヤ
49(´∀`):02/12/05 02:28

 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |  次でボケて!!!   |
 |________|
    ∧∧ ||
    ( ゚д゚)||
    / づΦ
50逃走派:02/12/05 12:06
>>49
    ∧∧ 
    (,,゚Д゚) 
   / つつ 
 〜 ,,つ    (   ∧∧      
   (/   ⊂、⌒⊃゚Д゚)⊃   ドテッ  


うまいボケが思いつかなかったので、コケてみました

51逃走派:02/12/05 13:23
ageで書いてくれてもいいっすよー。てか、みんなのスレだし、自由にってことで。
だた、漏れの場合は、ほら、シャイだし、sageがふさわしいかなって・・・

>>46 の40しゃん。例えばdrinkは液体を口に入れ飲みくだすものに限られるけど
「のむ」は液体に限らず、錠剤を飲むなどとも言える、drinkは使えないといったこと
かなー。個別言語によって似たようなことを表わす語彙でも意味の射程が微妙に
異なるのはその通りだと思うですよー。国広先生の意義素論とか。でもそのような
相違があるからといって例えば英語話者が「のむ」が表わす概念構造に対応する
事象を理解できないとか、逆に日本語話者がdrinkなりeatなりの語彙概念構造で
区別される事象を理解できないとかにはならないと思うんですよ。つまり、概念構造
には当該言語で表現可能な構造しかないと言うわけではなく、言語で(端的に)
表現できない構造もあると思うんでしゅー。どっか俺、勘違いしているかもー。
なんかあったら教えてくだしゃい。

>>47のK-Rodしゃん。Jしゃんはあちこちで認知言語について言ってるけど
おおむね好意的かなー。J自身、どっかで概念構造をモデルに言語構造が出てくる(進化のレベルで)
とかそんなことを言っていたように思うけど、今はちょっとどこだったか忘れちまったよー(ごめんにゃ)
あっしも、そこはどうかなと思ってるよー。

#また本文が長すぎって蹴られたー
52逃走派:02/12/05 13:24
(続き)
>>48の顔文字しゃん。
> 言語と認知の共進化仮説!!!
(ビックリ眼でイイー!と叫んでるAA挿入)

言語システムに感覚器官の機能があることは禿同にゃ。概念構造というか、推論、類推、
記憶などに関わる中央系にはいろんな感覚モダリティから情報が入力されてくるしにゃー。
ともあれ人間が言語を持ったおかげで概念構造が爆発的に豊かになったのは事実で、そのおかげで
(よく分からないが)人間とたいして違わない概念構造をもつと思われるサルがまだまだジャングル
でうろちょろしているのに対して、人間の方はどかどかと文明を作り上げてきたと思われるにゃー。

遅延反応というか、目の前の事象に対して衝動的に反応しないで内省に回し反応が遅れるのは
まさに言語があるからだと思われるにゃ。例えば、食べ物を見たときに、猫たまは、
視覚情報→概念構造→運動というルートで済ますのに対して、人間の場合は、
視覚情報→概念構造→言語(脳内発話)→概念構造→運動といったルートで「ちょっと待って
考えてみる」過程が挟まるからじゃないかにゃー。
53(´∀`):02/12/05 19:17

 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |どんどんどうぞ! |
 |_________|
    ∧∧ ||
    ( ゚д゚)||
    / づΦ
5440:02/12/05 20:29
>>51
Jackendoffをざっと読んだイメージなんですけど、動詞とかの意味表示は、
語彙概念構造に現れるCAUSEとかBECOMEがINとかが、言語普遍的で、動詞の意味の
骨組みとなる部分を作り、その周りに個別言語によって異なる、細かい具体的な
部分が肉付けされて、実際の動詞の意味ができる、という感じをイメージしていた
んですが、この辺のことについて、Jackendoffは実際にどう言ってるんでしょうか。
5540:02/12/05 20:29
>>51
Jackendoffをざっと読んだイメージなんですけど、動詞とかの意味表示は、
語彙概念構造に現れるCAUSEとかBECOMEがINとかが、言語普遍的で、動詞の意味の
骨組みとなる部分を作り、その周りに個別言語によって異なる、細かい具体的な
部分が肉付けされて、実際の動詞の意味ができる、という感じをイメージしていた
んですが、この辺のことについて、Jackendoffは実際にどう言ってるんでしょうか。
5640:02/12/05 20:31
あっ、はじめて二重カキコしてしもた・・・、すまそ。
57K-Rod:02/12/06 01:33
>>51 逃走派先生、ありがとうござりまする。
みゃ、ちょうど

>概念構造をモデルに言語構造が出てくる

って話はLanguage 1997の最後辺りでちらっと言ってるような
感じですたのにゃ。
p.556 a notion of constructional meaning is necessary in UG
in any event
ってことなので、Jに言わせりゃ概念構造こそがUG原理に他ならないって
ことなんでしょうかにゃ?実は、この辺の話が認知と共通点ありそうな
感じがしたので、ちょっと聞いてみますたのにゃ。

ただ、私は>>48辺りの話に、カナーリ引き込まれてしまった思い出があります
のにゃ。おもしろいっていうか、「ぐっとくる」感じの話ですにゃ。


58(´∀`):02/12/06 22:26
>個別言語によって異なる、細かい具体的な部分が肉付けされて、実際の動詞の意味ができる
英語だと kill + α → assassinateみたいに表面上、別個の語彙を生むにゃが、同じことを日本語では
漢字表記でうまく差別化してると思うにゃ。
見る + α はαの意味内容によって、視る、観る、診る、看る、とかに書き分けられる、とかにゃ。
音声には反映されない言語知識が文字になって初めて顕在化することもあるのかにゃ。
ロマンス語のverbal agreementが綴りでは区別できても発音は同じであるような場合、(たとえば
読み書きできない話者にとって)どこまでリアリティがあるのかと疑問に思うこともあるにゃが、
文字を持つ言語においてはそのような綴り上の区別も立派に母語知識の反映だと言っていいんだろかにゃ。
59逃走派:02/12/08 00:58
アマゾンにチョムスキーのDVDを注文した。その2分後に漏れはDVDプレや―を
持っていないことに気がついた。

>>53
(ギコ猫が太鼓を叩いてるAAを挿入)
>>54
40しゃん、そのご理解でよいと思いますですよー。語彙概念構造については顔文字しゃん
やら坊やしゃんやK-Rodしゃんやたくさん僕より詳しい人がおられるような気がするですよー。
アタクシの場合、例えば影山センセの本をひっしこいて読んでリファされてる文献を漁るのが
せいいっぱいなんすよー。近くにその道の人がいて、そのひとにまかしときゃいいやー
って甘く考えてた結果、今の漏れのこのありさまっすよー。

>>57
そこはなんとなくJのリップサービスのような気がする所なんでしゅ。
やっぱもうちょっとハードシンタックスも大好きのような所もJには感じられるってのは
贔屓目なのかなー。アタクシにはミニマリストとJのシステムとは充分に
すりあわせ可能で、両者はそれこそ相補的、Jの議論は意味・概念の世界への
チョムスキー的モデルの拡張であって、きわめて生成的と思われるのでした。
(JがムキになってMPと立場を分かとうとしてる、というかそういう論を張るのか
とチトじれんま感じるっす)

>>58
そういう文字レベルでの区別って面白いっすね。観る、診る、看るでも基本は「見る」
で、漢字区別習得前は単一語彙でその下位クラスで意味の書き分けがあるんだろうねー。
聞く、聴く、訊くは同じクラスだろうけど、効くは別だろうなー。聞くと菊は(river)bankと
(money)bankと並行的だってかー。シラブル・パタンが英語より限られてるから
何よりかにより荒勢のがぶりよりでこういったクラス分けが出るんだろうなー。
ロマンス語の方は漏れも知りたい。
60逃走派:02/12/08 01:22
>>45の続きでしゅ。派手派手タイトルの<言語と意識>の話でしゅ
顔文字センセはもちろんのこと40しゃんもK-Rodしゃんも既知のことなんですがあえて話を
続けます。

>>45のところで
(Y)脳内過程の「ナマ」に近いところは意識しようとしてもできない(ように人間はできている)
とかなーり当たり前のことを書いたわけですが、Jはもち、ここでは止まりません。
言語に関していうと、「ナマ」に近い音声解析の計算レベルが意識できないのに加えて
統語計算ばかりでなく意味の表示に当たる概念構造も意識できないと述べてます。言語では
人が意識できるのは(一種、言語音声認識での中間レベルである)音声表示だけ。
人の発話を聞いて意味を理解できる我々ですが、意味の表示たる概念構造を直接意識できる
わけではなく、意識しているときには常に概念→統語→音韻の計算を経て、ようやく音声形式で
意識下にはいりそこで意識的に理解しているのだということです。このようなことは
他の視覚などのモダリティでも言えるそうです。そう考える理由とか、この主張の
帰結などについてはまた今度ー。
61(´∀`):02/12/08 06:07
とっくに配送予定日を過ぎてるのに俺んとこにはまだ届かんにゃ>チョムのDVD
パソコンで見るにゃ>逃走派せんせ
ちなみに俺が怪しげなネットショップで買ったDVDプレーヤーはリージョンフリー
かつコピーガードフリーという強者にゃった (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
6240:02/12/11 23:09
下がりっぱなしになっていたんで、このスレの存在忘れてた・・・
63とも:02/12/26 03:58
日本でJやってる先生ってだれですか? 東京近辺でいたら教えてください
64T女の竹田:02/12/26 08:13
おぉっ。こんなスレがあったとは。
昔図書館で読んで、とても感銘を受けたんだけど、詳しい内容忘れちゃったなぁ。
2,3冊買ってみたいのですが、お勧めの本はありますか?
65名無し象は鼻がウナギだ!:02/12/28 03:11
jackendoff (1990) "semantic structures"って、今から読んでためになる?
当方、大学院一年生。興味は、統語と意味のインターフェイスです。
もし読むとすれば、何日(あるいは何ヶ月)かかりますか?
>>65
Jは読みやすいYO!

>みなちゃん
影山先生は、概念>統語、とはっきり言ってるけど、あれは語彙的な
面をみれば当たり前で、逃走派氏の言うハードコアなJとも矛盾は
しないですよね?
>>65
マジレスだが、研究者になろうと思うのであれば、若いうちには、最新の
ものだけではなく、できるだけ「古典」を読んでおくことをお勧めする。
言語学的な思考法を学ぶには、むしろ、その方がいいと思うからだ。
だから、論文で参照するには、もう古い論文とか本とかはあると思うが
勉強するには、最新のものよりも、むしろ、有名な古典をまず読んだ方が
基礎的な思考力が付くのではないかと思う。
ちなみにSemantic Structuresは、統語と意味のインターフェイスを専門に
研究する人にとっては「必読書」の部類に属すると思うのだが、如何?
68名無し象は鼻がウナギだ!:02/12/28 19:58
65です
アドバイスありがとうございました。
jackendoff (1990)読んでみます。
やはり基礎なんですね。
でも自分はGOとかCAUSEのような概念意味論の理論の枠組みではなく
treeのでてくるsyntaxや、[ACT]CAUSE[BECOME[BE<___>]]のでくるLCSを使いたいんですけどね。
6967:02/12/28 20:08
>でも自分はGOとかCAUSEのような概念意味論の理論の枠組みではなく
>treeのでてくるsyntaxや、[ACT]CAUSE[BECOME[BE<___>]]のでくるLCSを使いたいんですけどね。

前者と後者はどう違うのですか。w
70名無し象は鼻がウナギだ!:02/12/28 23:18
65だ
>>67
さっぱりわかりませんw
それを含めて勉強するということで
71(´∀`):02/12/29 11:37
久しぶりに上がってるにゃ。
逃走派しゃんはずっと逃走中みたいなのでかわりに俺が煽っとこうかにゃ。
>>66
>影山先生は、概念>統語、とはっきり言ってるけど、あれは語彙的な面をみれば当たり前
そうとは思わんけどにゃ。統語モジュールと意味概念モジュールは各々自律的でその間の連携が
どのようになっているか、という見方からすれば概念と統語の間に優先順序のようなものはないはずにゃ。
意味概念には諸相があり、大別してLCSのような構造的表示がしやすい部分、規則性や予測可能性の
高い部分と、文字通りidiosyncraticで個別に列挙するしかない部分があると思うにゃ。
前者を構造的意味と呼んでおくと、この部分にかかわる語彙意味論とsmall V分析に代表される精緻化
された動詞統語論の間には甚だしい余剰性が見られるにゃ。簡単にいえば
>treeのでてくるsyntaxや、[ACT]CAUSE[BECOME[BE<___>]]のでくるLCS
の両方はいらんだろう、ということにゃが、あらかじめ語彙的にLCSが指定されそれに従って
統語構造が組み上がるみたいな二度手間をかけるのか、統語派生がそのまま意味解釈的にはLCSの
組立に相当するというだけのことなのか、議論の余地があると思うにゃ。
72山崎渉:03/01/06 22:58
(^^)
73逃走派:03/01/31 01:23
ハロー!
もうすでにみなしゃんイラついてこのスレを見放してる頃じゃないかと思うこの頃。
まあ、こんなペースで書き込みしても脱兎落ちしないところが言語板のステキなところ
>>71の顔文字しゃんには(1)その余剰性は排除すべきなのかという点と(2)統語的
に表示済みの意味とLCSでしか表示されない意味とを分かつ独立根拠は?って点の
2つを聞いておきたい気持ち。

同じ質問が>>66しゃんの言う影山センセにも言えて、概念>統語なら、どうして
概念構造上のすべての区別が統語に反映しないかとか答えて欲しかったりするのでし。

>>67しゃんには禿同。1972年の本も1977の本も1983の本もどれも薦めていいと思うっす。
今から読むとしたら、やっぱ最新のFoundationsから読んで過去に遡るのがいいように思いますよー。

>>61の顔文字しゃん。漏れのパソコンではDVDは再生できないでしゅ。
しかたないので史上最強の、ゲームもできるDVDプレーヤーを買ったよー。
PSなんとかって書いてあるけどphrase structureの略じゃないよー。
WSと書いてword starじゃなくってwork stationの略だよってのと同じくらい
つまらないネタだったねー(笑)寝る。
逃走派先生、おかえりなさいませ。
やっぱりsage進行なんですね(笑

>>60の続きが気になって仕方ありません。。。
もしよければ“独演会”続けてもらえませんか?
少なくともここに一人読者はいますので。


と、丁寧に教えて君をしてみました。
75逃走派:03/02/01 21:36
ぐひゃ! >>74しゃん。あい! 独り言続けるつもりっすよー。とてつもなく長ーい
目で見ててくれるとありがたいっすよー。
76かかりちゃん:03/02/03 08:14
sage進行だとbookmarkでもしとかないと気付かないニョロ。
この間、jの大昔のgapping & related rules(LI)を読み返して
感銘を受けましたニョロ。しっかりしたargument、(記述的な)
説明、昔の論文は面白いニョロ。それにしてもPS2よりは
安いDVD playerの方が安いんでないですか?
77逃走派:03/02/10 01:14
ハッロー! かかりしゃん。そうだにゃー。やっぱsage書きやめるよー。sage書きするほど
自信が無いならそもそも書き込むなって声が聞こえてきそうだしねー。
Jの論文ばかりでなくって、70年代の論文の議論って、どこか手堅い印象があるよねー。
(てか、かかりしゃんの議論もそのタイプで手堅い印象っすよー)。確かに安いDVDプレーヤー
はあるけど、諸般の事情から(てか自分の事情から?藁)、最強のゲーム機能つきDVDプレーヤー
に決まったのです。あくまで範疇は「DVDプレーヤー」です(でないと家庭内予算が降りない:泣き)

>>60からまともに話を進めてなかたよー。しゅみましぇん。とは言え、興味がある人は、っていうか
知ってる人はすでにJのArchtectureを読んでると思われるんだけど、まあいいや(笑)
>>60で、言語モジュール関連では意識にのぼるのは音声形式PFだけって書いたけど、そこんとこ
もうちょっと補足。まず耳から入る音波の周波数解析とかなんとかかんとかのプロセスは
みんなできてるわけだけど、そこんとこを意識できる人はいないと思うし、同じように、発話に関する
運動系(筋肉や声帯への運動指令)のプロセスを意識できる人もいないと思う。だからPFより
「浅い」レベルは誰にも意識することはできないと。次に統語構造だけど、ここも人が直接知覚できて
意識にのぼらせることができるんだったら、そもそも文法で構成素構造について、やれ
AGRがあるかないかとか、どれこれがなになにと構成素をなしているかいないかとかの議論には
なるまでもないはずで、すっかり自明となっていたはず。だから統語も意識にはのぼらない。
問題は意味が意識にのぼるかどうかってところ。ちろっと考えると、人は文の意味の区別ができてる
のだから、意味形式も意識にのぼると考えると思うはず。
78逃走派:03/02/10 01:16
(つづき)
だがJは、そうは考えないのだったー。意味形式(=概念構造)は直接意識にのぼらないと考えるの
でしゅ。その根拠として出てくるのがrhyme and reasonなのでした。例えば、mouseとhouseの
二つの語。これがなぜ韻を踏むのかを聞かれたら、その答は誰にでもすぐに分かる。韻を
踏む関係にある語の問題の部分、すなわち-ouseの部分が意識できる領域(つまり音声形式)にあり、
その部分が形式上共通だと指摘できるから。一方、含意関係を考えてみると、例えば、Bill killed
Harry.と Harry died. の関係で、この二文の含意関係は簡単に分かるけど、最初の文の
どの部分が、二番目の文のどの部分と対応するのかはさっぱり分からない。killという語の
概念構造上のどの部分が、dieという語の概念構造上の形式と対応するのか、その部分が
自明になっていないからである言える。つまり、ある種の文の対の含意関係は、自明で機械的に
判断されるけど、形式的にどの部分で含意が成立しているのかは、意識されないというわけです。

概念意味論を知ってる人だとkillの概念構造はdieの概念構造を内包しているので、含意関係も形式的に
捉えられると分かるけど、もちろんそれは概念意味論がそのように表記しているからであって
rhymeの場合のようには素人は含意の形式的理由を説明できないのでした。
79逃走派:03/02/10 01:17
(つづき)
古代から続いている論理学というのは、この含意・推論に係わっている各段階を明示的にしよう、
思考の機械的な原則を明らかにしようとする試みだったわけですが、どうしてそのような試みが
必要とされてきたかというと、まさに自然言語ではこのような原則が明確な形で姿を現さないから。
自明でないからこそ、(つまり意識にのぼる領域の現象でなかったからこそ)学として探求する
価値がある分けです。これに対して、「韻を踏むこと」の背後にある機械的な原則を明らかに
しようとする試みは、学としては成立してこなかった。どうしてかって言うと、誰でも分かる
(つまりだれにでも意識にのぼらせることができる)当たり前の現象だったから。

一般的に言って、思考のプロセスそれ自体は決して意識に上らない。
おかしいと思うかもしれない。思考をしてる自分というのは意識できてると自覚がある
人は多いと思うから。でも意識的に思考をしている時には、頭の中で独り言を言っているのが普通なの
じゃないかとJは言う。いわゆる意識の流れとして延々と頭の中で独り言を言ってるはずだと。
Inner Speechってやつ。で、その内的言語には分節音とか、強勢とか、イントネーションとかが
完備していて、発話される文と同じ、換言すれば、意識された思考には常に音韻論が完備している
んだと。そして、そういった、音声形式は思考の形式ではないのだと。

要するに、思考の各段階を追っている自分自身を意識に登らせることができたとしたら、
それは、その各段階を音声形式の形で言語的にいちいちフィードバックし、それを意識してる
からにすぎないってわけです。
80逃走派:03/02/10 01:17
(つづき)
インスピレーションが沸いて来るという時を考えてみると、これは脳がいちいち音声形式に
フィードバックせずに、概念構造のレベル(そこでの推論プロセス)で問題解決をした結果
と言える。結論だけが、いきなり、言語にフィードバックされて音声形式を付与される。
その結果、いきなりの「インスピレーション」となって意識される(「考えていた」のは
もちろん自分自身の概念構造レベルのメカニズム)。

Jの「(言語系で)意識にのぼるのは音声形式だけ」って主張の支持はこれだけかな。
81逃走派:03/02/10 01:18
(つづき)
ちょっと私見。以上のJのメカだけじゃ足りないと思うんですよー。
てかJ自身implicitに仮定してるとは思うんだけど。あるPFに対して、「それに
概念構造CSが対応します」って指標のようなものが必要じゃないかと。じゃないと
そもそもBill killed HarryとHarry diedとが「関係アリ」って関係が意識できない
ことになるから。さらに、二義的な文(PF)について、その意味の二義性を意識できる
分けだから、同一PFに対して2つ以上のCSが「対応してます」って情報も意識化
できないとまずいと思うです。さらにさらに、オフコースっていうか小田和正っていう
か、「言葉にできない」って感覚は意識化できるもので、これは「あるCSに対して的確な
PFが見当たらない」っていう精神の苦しみ状態で、CSからの「対応を欲す」って指標までは
意識化できてないと困るんじゃないかな。さらにさらさらに、統語であれ、概念構造であれ
「こいつは逸脱してるよ」って標識もPFに付与されてこないと、「文法性・容認可能性」
の判断自体が意識化できないわけになっちゃうって困った事態になるので、これも
音声形式以外の情報ではあるが意識化可能として欲しいと思われるっすよー。

とりあえず、今日はここまで
82(´∀`):03/02/10 07:55
逃走派しゃんにしては珍しく書き込みペースが早いにゃw
遅レスにゃ >>73
(1)当然なのにゃ。てゆーか、概念構造を組み上げる能力と文や語を組み上げる
能力は同じものであり(syntax)、人間言語はsyntaxの出現によって一気に成立した、
というシナリオを描いてるんでにゃ。これは系統発生と個体発生の混同であるとかいう、
どっかで聞いた(w)批判を受けるべきものではないはずにゃ。
(2)統語操作にとって見える意味と見えない意味の差がこれに対応しているにゃ。
「語彙意味が統語構造を左右する」ように見えるのは、その語彙意味自体が構造表示
されるものであるからだと考えるにゃ。Hale & Keyserのbound featuresのペーパーで
ちょっと面倒なことが書いてあったけどにゃ。
83かかりちゃん:03/02/10 14:12
77 「手堅い」評価ありがとうございますにょろ。光栄ですが、
Jをzepにたとえると、アッシの論文なんて中高校生のbeatlesの
コピーバンドくらいニョロ。とりあえず逃走派先生の
J批判楽しみにしてますにょろ。PS2は少しうらやましいにょろ。
84山崎渉:03/04/17 09:46
(^^)
85山崎渉:03/04/20 04:35
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
hogehoge
87山崎渉:03/05/28 15:34
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
88ななしさん:03/06/02 17:29
Linguistic Inquiry Monograph 39, Hale & KeyserのProlegomenon to a Theory of Argument Structure
なんだけど、後ろのreferences (p.265)でJackendoff(1990)がSyntactic Structuresになってるんですけど(w
もうすでにだれか指摘済み?これって漏れの持ってる版だけかな。
89山崎 渉:03/07/15 12:43

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
90名無し象は鼻がウナギだ!:03/09/23 21:50
>>88
あ、ほんとだ
わしの本でも確認
91名無し象は鼻がウナギだ!:03/11/17 04:39
やっぱこの人日本では人気ないかね

海外ではわりと知名度あると聞くが
92名無し象は鼻がウナギだ!:03/11/17 05:44
いや、日本でも十分有名だと思うが
93名無し象は鼻がウナギだ!:03/12/24 20:40
そんな邪険(Jacken)になるなよ
94名無し象は鼻がウナギだ!:03/12/29 17:05
和訳がないからじゃ(Ja)?
そういや和訳無いね
別に原著読めばいいことなんだけど、めんどくさいから
JackendoffとLangackerの和訳誰か出してくれ
96名無し象は鼻がウナギだ!:03/12/29 20:21
めんどくさいから、一冊にまとめて『言語と認知文法の基礎』を誰か出してくれ。
97名無し象は鼻がウナギだ!:04/02/02 19:13
>>96
言いだしっぺのおまいが書け
買ってやるから
98かかりちゃん:04/02/02 21:40
今、lsaの会長にょろね。前にも書いたかもしれないけど去年のsummer insituteでは
お昼の時間にhornsteinと「とっても白熱した議論」になり、周りの人が
どうやって止めればいいのか、という事件になったらしいにょろ。
一緒にお昼食べていた人に聞いた話ニョロ。
>>98
先日のBostonをもって彼の任期って終わりじゃないの?
100かかりちゃん:04/02/03 06:25
そういえばそうかな。次誰になったんだろ。この頃、会費払ってないから
news letterもとまってしまった私。
ちなみに、
>hornsteinと「とっても白熱した議論」
は、例のcontrol <> movement絡み?
102かかりちゃん:04/02/03 07:36
>>101いや、それよりもっと大きい話。jackendoffが
ちょっとanti-chomの極端な話をして、hornsteinが
”that's bull-shit”といったらしい。hornsteinの
口癖なんだけど、あんまりいい言葉ではないニョロ。
んで、jeckendoffがhornsteinの腕をつかんで振るもんだから、
hornsteinがstop itといったけどやめなかった。
私の知り合いはそこで時間切れで授業しにいっちゃったんだけど、
その後えらいことだったらしいニョロ。紳士的でいたいものニョロ。
Jは最近吠えてますな。lsa@Bostonでも「比喩としてナラともかくmovement
なんてやめてもっと有意義なことしようぞ」とかなんとかのたまって、
会場の失笑?を誘ってた。cnomはその時は会場にいなかったと思うけど。
>>103

(言えないっっ。同感だなんて失笑を誘ってしまいそうで言えないっっ)
Jはきれやすいのかな?月刊言語の昔の増刊号(20世紀の・・・)にも
ニューメイヤーに対してきれた、というエピソードが紹介されていたな。
Jは髭が怒ゲージになってて
最後まで伸びきるとキレる
AせんせはJと似たような言語観なのかな?
これから日本のJと呼ぼう。
108名無し象は鼻がウナギだ!:04/02/13 23:13
ちくりage
┌亜米利加┐         ┌ 日 本 ┐
│        │ コ ネ ク タ   │        │
│  J───────────A     │
│        │         │        │
└────┘         └────┘
>>105
「20世紀言語の101人」では、生成意味論との論争で、レイコフとつかみ合いに近い口論を演じた、とあった。69年に大学も揺れてた、と時代背景が書かれてたが、今も、なんだ。
ホーンシュティンは筋トレで鍛えているからな。
112名無し象は鼻がウナギだ!:04/02/21 12:35
顔餅せんせのJ批判に期待あげ
113名無し象は鼻がウナギだ!:04/07/01 20:01
Jせんせいは
おっかない人なのか

だれか答えたまえ
そういえば邦訳が岩波から出た 10年近く前の本で今更なんだが(Foundation出せ!)
Jの英語は読みやすくて好き 読者へのサービス精神がありあり チョムと大違い
言語学プロパーの人には重要なファクターではなさそうだが
115名無し象は鼻がウナギだ!:04/07/06 22:23
あ、Patterns in the Mindの邦訳出たんだ。
確かにJの英語って読みやすいですね。禿同です。
Foundations、読もうと思いながらまだ読んでないや(w
夏休みにがんがって読もうっと。
>>115
ガンガレ!
ふと思うのだがJackendoffの最大の貢献とは何だろうか?
認知言語学のように耳障りのいい話はふんだんに著書の中に
書かれてあるのだがなぁ。。。
118名無し象は鼻がウナギだ!:04/08/12 11:10
[ACT] CAUSE [BECOME [BE at top]]
>>117
1. 解釈意味論が60年代以降の意味論に与えた影響
2. 概念意味論が90年代以降の意味論に与えた影響
この辺か?
>1. 解釈意味論が60年代以降の意味論に与えた影響
>2. 概念意味論が90年代以降の意味論に与えた影響

解釈意味論と概念意味論って(どう)つながってるの?

解釈意味論がばりばりの統語論に即した意味論で、概念意味論は認知言語学のような意味論か?
漏れの脳内イメージでは、統語と意味のインターフェースをどうとらえるのかの問題、なんかそんな感じ。

jackendoffがTalmyや構文文法など、旧生成意味論系で、広い意味での認知系への理解を示し始めたのと
パラレルな様な感じもするけど。

 
 
 
 
 
 つ
 ま
 ら
 ん
122( ̄□ ̄メ):04/11/29 05:04:09
みみずんで「じゃけんどふ」検索でここにきたなり。
逃走派さん(はじめまして)と顔文字さん(はじめまして)の議論は大変おもしろくて
参考になるのでいつも読んではうーんうーんしてるなり。
なんで検索したかとゆーと今今まさに「たっそー人形館とばいんばいんせおりー」を
読んでいたからだす。なんで読んでたかは65さん(はじめまして)と同じなり。
おいらも「いんたーふぇいさー(who are intersted in interfece btw sy & se」だからです。

こないだの学会で「じゃけんどふの概念構造は見えないからやだー。」ゆー人がいてました。
確かにおいらも半分ぐらい賛成です。読んでて思うのは「総論賛成・各論反対」でし。
概念構造かぁ…って。基本的アイデアというかコンセプトはおいらとしては大賛成だし、
イントロ読むとわーいわーい!ってなるんだけど、いざ読み勧めてみるとうーんうーん、
ホントにいいのかこれで…?というなんともかんとも、言い表しづらいのですが、
「すっきりしない」とゆー感じ。
123( ̄□ ̄メ):04/11/29 05:04:36

顔文字さんの考えにはまだバカちんなおいらには分からない部分も多いですが、
理解した限りでは95%ぐらい賛成です。基本はおいらしんたっくす野郎なので。
ですが、どうにもこうにもみんな思ってることなのかもしれませんが、おいらと
してはGBあたりから(どかーん)きな臭くなったふうに思うのです。
とーぜんミニマリズムもあんまし好きじゃない。究極の理論とか書かれてたの見た
ことあるけど、あんなん例外までちんたっくすに取り込んで無茶な理論を立てた
おなにー理論としか思えません。(下品で失礼)

上にも分野の住み分け(実際は言語を捉える各componentといった方がいいかな)の
話が出ていましたが、おいらは極端に言えばしんたくすは句構造だけだと思ってます
(どかーん)。構造は構造で意味は意味で(こぐにてぃぶもせまんてぃくすも含む)
わけて考える(というかそもそも担当が違う=プリンをフォークで食うようなもの)
のが一番わかりやすくてすっきりしてると思うんですがのー。

今更ですが、英語の再帰代名詞(ぎゃっこう)のデータでc-comなんかいらないんだよーん的な
論文を書こうと思っているのでし。

せっかくの書き込みですから、ひとつ質問しちゃおうかな。

1.構文それ自体に意味があるか(ごーるどばーーーーーーぐ)

このようなじゃけんどふスレはインターフェイサーにとっては大変有意義なものです。
マジな話をすれば、このスレが存在することそれ自体がみんなが「必要だよなあ」と
考えてることを反映しているとおもいます。ここで終わらせるのは実にもったいない。
レスがつくまで見続けてやるぞー。えーんえーん。


インターフェイスは面白い。日本語でインターフェイスやるなら複合動詞もおもろしろかよ