Chomskyの、Chomskyによる、Chomskyのための文法

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349279@消防
 デカルトの二元論が接触に基づく力学を中核にすえた機械論がまずボデーを
説明して、それで説明しきれないものをマインドとしたことに関して、俗説は
ニュートンがより精密な力学を打ち出すことで機械論を強化し、ニュートンに
始まる科学こそが心をも説明しつつある、というものです。しかし、チョム先生が
いうのはこれは大きな誤解であるということです。ニュートンが彼の力学に数学的
手法を使ったのは、デカルト、ガリレイという先達の手法を継承したのであり、
そのことはニュートン力学を特徴付けるものではない。実は彼の力学の原理として
採用されたのは、接触に基づかない運動を保証する万有引力の法則であったわけで
す。チョム先生はこの点を強調し、俗説とは反対に、ニュートン力学の誕生は
力学の原理として非接触的運動原理を導入することによってもたらされたのであり、
このことは接触に基づく機械論の崩壊を意味しました。ここでデカルトの二元論
設定の論理を辿ると、機械論でまず世界を切り分ける、という作業があったわけ
ですから、機械論の崩壊はこの二元論設定の基盤を失わせることになったという
わけです。余談ですが、ニュートン研究者は、ニュートンが万有引力の原理の
ようなものをとった背景として、彼が霊的なものに関心があったことも挙げられる
としている、というのをどこかで読んだことがあります。このあたりのさらに詳し
い話はNew Horizons in the Study of Language所収のNaturalism and
Dualism...にあったと思いますが、なんか釈迦に説法してるような気がしてまつ。
 と、絞り出してみましたが、ちがってるかもしれません。ちがうところは
(´∀`)先生におまかせしたいのですが・・・