生成文法総合スレ

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751(´∀`):02/02/14 04:28
>>748
>「読んだ後で」みたいに連体形になるからもしかしてcomplexNP
 太郎は [ 花子がなぜ帰ったから ]悲しかったの。
 友達の悪口を太郎は [ 花子が t 言ったから ] 悲しかった。
やっぱり下のほうがdegradeする印象にゃ。
>「ない」に対するinner readingなんて顔文字氏にも出来ないだろう
できないのにゃ。
 太郎が花子と結婚した{噂・事実・ニュース}
どれも大差ない気がするにゃ。ひょっとして関西弁ではもともとcomplementizerが
落ちやすいからかにゃ?

752(´∀`):02/02/14 04:31
>>749
>「今のMPでは、移動も何もしなくてもfeatureのcheckができるようになって
>いる」とのコメントを頂いて
だから移動による格照合を使った分析は全部間違いだ、と決めつけるのはどうかと
思うにゃ。移動なしで済むのならその方がいいにゃが、その一方で例えば以前出てきた
主格目的語と対格目的語のスコープの差などはそれぞれの照合位置が異なることで
うまく捉えられていたにゃ。移動を破棄するにゃら、別の形でその違いを捉えることを
考えてみる、というのも意味のある作業だと思うにゃ。素性のagreeだけにゃら、その
agreeの相手(Inflなりvなり)に目的語のφ素性と同じ値がありそれがスコープの違い
につながる、とか考えればスコープやbindingを決定する素性の同定を行えるかも
知れにゃいにゃ。
>nominativeをspec-headでcheckするから、それに合わせて統一
Spec-headで統一、というのはむしろ初期の頃にAgrOのSpecに移動して対格照合とか
いってた頃の話しではないのかにゃ。主格照合も移動なしでagreeで、というのと
統一して対格もin-situで、にゃら分かるにゃが。何か俺が読み間違えてるにゃ?

>(1)?誰にi太郎は[花子がti怒られたという]噂に驚いているの?
>(2)?何をi太郎は[花子がtiあげたという]噂に驚いてるの?
>(3)どこでi太郎は[花子がi迷子になったという]噂に驚いてるの?
うみゃ、俺はあまり差を感じないのだけどにゃ。(全部ヘン)
差があるとしたら移動がovertかどうか、のほうが大きいにゃ、
(1) *誰にi太郎は[花子がti怒られたという]噂に驚いているの?
(4) oki太郎は[花子が誰に怒られたという]噂に驚いているの?
とかにゃ。もしA/Aに結びつけるにゃらovertな移動は範疇素性自体の同一性に対して
sensitiveにゃが、feature agreeは素性の値(+whとか)の同一性にsensitiveって
ことになるのかにゃ?? かなりヘンな話しにゃ。かかり氏、タッチにゃ(w 
753ha?ge:02/02/14 05:39
横から失礼致します。
生成文法は破綻寸前だと聞きました。
ホントですか?
何が根拠なのかはわからないのですが・・・
754かかり助詞:02/02/14 08:44
(1)?誰にi太郎は[花子がti怒られたという]噂に驚いているの?
(A1)?*隣のオヤジにi太郎は[花子がti怒られたという]噂に驚いているの?

文法性の違いはあると思う。(1)のような文は時折、日本語にsubjacencyが
ないという例としてあげられたりするけど、(2)のような現象があるのだから
ここいらへんは慎重に考えないといけない。もしかすると、(1)はwhを
動かしているのではなくbase-generateなのかも知れない。斎藤先生の
博士論文に、
(A2)a. 北京は-i山田君が[t-iいったことある人を]知っている。
b.??北京には-i山田君が[t-iいったことある人を]知っている。
というような例があって、NP Topicは文頭にbase-generate可
だけどPP Topicはたえず移動、ってことになっていた。それと
同じようなことのような気がする。何となく、(1)の「誰に」の後に
ポーズがあるように思う。(A2a)も「北京は」の後にポーズあると
思われる。斎藤先生の90年代の論文のどれかに、(1)のような例は
のっていたと思う。それと、Daiko TakahashiさんのNLLTの1993の
論文も参考にされたし。

>>753 そういうことをいう人に訊くのが早道でしょ。直接聞いて、
出来たら報告して頂戴。
755名無し象は鼻がウナギだ!:02/02/14 13:28
>>753
数年前にホウジ・ハジメさんが、今は生成文法の「暗黒時代」だと
言っていました。「破綻寸前」という言い方にせよ、「暗黒時代」と
いう言い方にせよ、チョムスキー派の生成文法に関しては正しい見方で
あると思います。一方、そういう見方は非チョムスキー系の生成文法には
当てはまらないと思います。

Lappin, Levine, and Johnsonという三人組が、非チョムスキー系
生成文法の見地からチョムスキー派を批判する文章を、Natural
Language and Linguistic Theoryの2000年の号の665-671ページ、
および同ジャーナルの2001年の号の901-919ページに書いています。
彼らに対して反論する文章といっしょに掲載されていて、なかなか
面白い読み物になっています。

Lappin, Levine, and Johnsonは、2000年のNLLTに載った方の
文章は、当初はLinguaに載せる予定だったのだそうです。それを
結局NLLTに載せることになった経緯が
http://listserv.linguistlist.org/cgi-bin/wa?A2=ind0006&L=hpsg-l&P=R2
で述べられています。こちらもなかなか面白いので一読をお薦めします。
756文脈知らずにカキコ:02/02/14 14:28
>>751
 太郎は [ 花子がなぜ帰ったから ]悲しかったの。
 友達の悪口を太郎は [ 花子が t 言ったから ] 悲しかった。

個人的には上の方がひどいけどね。
下は全然問題無し。特にイントネーションでちょいと
補ってやると。
757名無し象は鼻がウナギだ!:02/02/14 14:44
どういう意味でHoji先生が暗黒時代といったのかにもよるけど、
とにかく批判的になるにせよなんにせよ、人の意見を鵜呑みに
してはいけない。Chom自身がしばしば「今の言語学は物理で
言うならガリレオ以前」っていうくらいだから、ある意味、
暗黒時代なんだろう。確かに、GBの頃の博士論文とか本とかは
読んでいて興奮があったけど、最近、「これだ」とおもえる
論文って少ない。私が年とったせいもあるかも知れないけど。

まあ、だいぶ上で書いたけど、ミニマリストはまだ理論になってない。
それはchom自身が認めている。しかし、私はミニマリストに
「記述するのでなく説明する」ということがどういうことなのか、
今までの言語理論とはかなりかけ離れた考えを持っているという意味で
興味ある考え方だと思う。

私は構文分析が中心なので論文書くときはあんまりミニマリストの
テクノロジーをassumeして書いているわけではないけど。さいきん、なんか
ここではミニマリスト派のようになっている。今学期、ミニマリストの
セミナーを教えているからかな。

NLLTのessayは手元にないし、755のリンクはfile-not-found
だったので読めなかった。しかし、まあ、journalのeditorialの
判断なんて実はあんまり公正なモンじゃないと言うのは同意。
私も最近、論文をとあるところに審査に出したのだけど、
けっこう大変な思いしている。reviewerに3回もどうでも
いい細部の書き直しをさされ、もう3回も直したから落とせ、
って理不尽なことをいわれた。書き直させたのおめーだろ、って
突っ込んでやったよ。
758K-Rod:02/02/14 19:52
顔文字先生ありがとうございます。
ある程度予測通りの返事だったので、安心しました。
それとかかり先生もありがとうございます。
小生、そのように誰がどんな分析をしてたとかいう
知識にはてんで疎いものですから、参考になります。

MPが暗黒時代?
まあ、でも私がassumeするにほとんどの生成研究者は自分達の理論こそが
絶対無比の完璧なものであるという確信はないと思ったりするのですが。
私が理解している所では、SSに始まってGenerative grammarが言語(特に
英語)の分析を進めていくうちに「どうやら言語には効率化を優先するような
傾向があるらしい」という経験的観測から来る見通しみたいなものが出てきた
のだと思います。それで、「いったい言語はどんな効率化を行っているのだろう
か?」という疑問から、今のMPの姿があるのだと思います。
だから現在では、chomsky先生のおっしゃることも「提案」の域を越えられない
のだと思います。だから、私が上で質問してみたようにchomky先生もそれこそ
「いろんな」角度からの言語分析を行っている最中なのだと思います。

しかし、この試行錯誤が全くの無意味に終わるということはあまりないのでは
ないでしょうか?
この辺の理論的立場についての議論はこの掲示板でも挙がっていた通りだと
思います。
私はこの辺の話を学んでいくうちに、(これは掲示板で、ではありませんが)
生成文法が研究に値する学問なのではないかと思うようになりました。
さもないと、さっさと学校の先生を目指してましたよ。高校の頃の夢でしたし。

759K-Rod:02/02/14 20:07
それに生成研究者の中でも、MPには反対で、GBに帰ろうといった
保守的な意見を持っていらっしゃる方ももちろんいます。
彼らの批判も私は耳を傾けるに値するものだと思います。
単なる罵倒ではなく、ちゃんとした批判だったりしますから。

それと、ここの3人の批判は読んだことがありませんが、
Levinさんはchomky派とは全く目指すものが違うから仕方が
ないような気がします。
彼女はけっこう、コーパスが好きでいろいろ例文収集をしてきますが、
Generative grammarでは、それこそこの上であげられているような
一生で一度使うか使わないかといった頻度の文ですら研究対象になります。
こういった文に対して一定の判断をくだせる母国語話者の言語能力を
問題にしているわけですから。
彼女の論文、特にLanguage 2001 (December)ではResultativeを扱って
いました。2つのevent structureを想定して、これにあてはまるものを
Resultativeだとしていましたが、はっきりいってこれは一般的すぎて
何も言っていないに等しいのではないか?と思ってしまいました。
なんせ、Direct Object Restrictionに違反する結果を表す文の収集に
必死でしたから。Generativeの立場から言えば、DORなどの仮説を通して
何が見えてくるかを問題にしているので、この理論そのものが否定されない
限り、反例を挙げられた所で問題になることはないと思います。

素人意見かもしれませんが、私はLevinさんの論文が何を主眼としているの
かがあまり見えてきません。だから、私は彼女達の論文を読むよりもMP関係
を読んでいる方がおもしろいと思ったりするわけです。

とりあえず、今日はここまでにしておきます。
760B.O.B:02/02/14 20:56
忙しくてレスができないあいだに、すごい伸びだ。まあ、おいおい、返すところは返す…
相変わらずgenerativeとChomskianを混同している人が絶えないな。

虚無好き氏、
「太郎はチョムスキーが書いた本を読んでいる」は「チョムスキーが本を書いた」ことを、
「太郎は誰かが書いた本を読んでいる」は「誰かが本を書いた」ことを前提にしている。
それでは、「太郎は誰が書いた本を読んでいるの?」は、何を前提にしている?
それがわかれば、「太郎は花子がなぜ書いた本を読んでいるの?」がおかしい理由もわかるはずだ…
761名無しの象はウナギだ!:02/02/14 21:26
>>759
3人組のレビンをBeth Levinだと同定されているようですが、
Robert Levineという別人物です。ご注意あれ。B. Levinも
確かにChomskyとは違うものを目指していますけど。
762名無し象は鼻がウナギだ!:02/02/14 21:35
>>759
ガンバレー
おいらは頭が回らないから、院に行くの辞めてしまった根性無しだよ。
趣味で、言語学、生成文法できたらなぁ〜と思ってるのですが、無理かなやっぱり。
雑談、独り言スマン
763名無し象は鼻がウナギだ!:02/02/14 21:56
>>762
おれも趣味でsyntaxの勉強をしたいと思ってますが、やっぱり学校にいないと、
文献(特に雑誌論文)を入手するのがかなり困難になるのがハードルですね。
764(´∀`):02/02/14 22:04
>>758
ホントに学部生なのかにゃ?(w
しっかりしてるのですっかり感心したのにゃ。
一つだけ気になったにゃが、LevineとLevinを混同してたりは……しにゃいか?
うみゃ、Levinの仕事に対する見方は俺のほうが勉強になったにゃが。
派生の経済性については俺個人は実はあまり期待してないのにゃ。ま、独り言にゃ。

ミルクせんせ、俺も The Cerebral Code買ったにゃ。ツン読の可能性が高そうにゃ……

765(´∀`):02/02/14 22:06
761とだぶってるにゃ、スマソ
766ミルク:02/02/15 00:14
話の腰を折ってまことに申しわけないんだけれど、確か以前、虚無好き
先生か顔文字先生がフィボナッチ級数のことをお話ししていましたよね。
これはどういう文脈で出てくるのですか?
767かかり助詞:02/02/15 00:27
>>758
ホントに学部生なのかにゃ?(w
しっかりしてるのですっかり感心したのにゃ。

禿同っす。どこの院に行くかは知らないけど、頑張って下さい。
修士の時から学会発表したり、論文書いてどんどん出していくと
いいよ。>>761氏は前に「一生成文法家」ってコテハンだった
人のような気がする。立場もそうだけど、日本語の文体が
似ている。
768ha?ge@753:02/02/15 03:35
みなさんレスありがとうございました。
いや、実は「破綻寸前」というのは某板で書いてあったものなんです。
自分は生成を勉強し始めたばかりなので少し心配になり
皆様のご意見を伺った次第です。
頑張って勉強を続けたいと思います。
769かかり助詞:02/02/15 14:04
>>750>>754の話しの続きだけど、いわゆるsluicingの例。

(1) I hear that Mary is dating someone, but I don't know who.

はwhoの後に[Mary is dating]というのが省略されている。
で、island violationとなるような、

(2)I hear that Mary is wondering whether Bill is dating someone,
but I don't know who.

という文は、whoの後ろに省略されている部分(who) Mary is wondering
whether Bill is datingがwh-island違反だけど結構いい。Ross, Guess who
参照。これと何か関係があるような気もする。この英語のsluicingの
事実は、例えばsubjacencyは実はrepresentationにかかる制約で、
sluiceされてemptyになった部分にはかからないので、(2)は文法的とも、
考えられる。しかし、もし日本語の>>750>>754と同じeffectなら
sluicingだけに当てはまったことではないので、subjacency=representation
説は成り立たないだろうな。ECPぽいのだと、
(3)I hear that Mary wondering whether Bill is dating this ugly girl for some
reasons, but I don't know why.
だめそうだ。たしか、ダメだと読んだことがあるような気がする。
いろいろ考えてみると面白そうな問題だね。


>>759
>それに生成研究者の中でも、MPには反対で、GBに帰ろうといった
>保守的な意見を持っていらっしゃる方ももちろんいます。

一応指摘しておきますが、LappinとLevine(ラヴィーン)はHPSGを
やっている人です。(よく知りませんがJohnsonもそうかもしれません。)
GBなどやっていません。
ホウジさんも「保守的」とは言えないでしょう...
771間違えました:02/02/16 00:28
すみません。
LevineをLevinと間違えておりました。いやはや、、、

でも、なんだかお褒めの言葉とかいただいて恐縮です。
生成はまだ1年半くらいしか勉強してないので、これからどんどん
当たっていこうと思います。
学会発表とかもやりますよ。で、注目されるようになって、かかり先生
なんかにも見にきてもらえるように頑張ります。アメフトの選手みたいな
人を探せばいいんですね?
ちなみに顔文字先生とは面識ありです。今後、直接にいろいろ学んでいき
たいと思います。よろしくお願いします。

>760
私は、MPをやってる学部生だと自分の立場を表明したはずですが。
他にもこういう人はいると思いますが、個人的にchomskianという
言葉は好きではない。確かに彼は中心人物ですが、Generative grammarは
彼一人だけで発展してきた理論ではないということは、ちょっとでも
生成文法をやったことのある人にとっては明らかな事実なはず。
「私はchomskianです」と言ったところで、Chomsky本人もいい顔はしない
だろうし、我々も自分たちはGenerative grammarをやっているのであって、
chomsky理論ばっかりやっているわけではない。HPSGやLFGもGenerative
grammarの一種なんでしょうが、MPを中心にやっている人にとっては
特別な断りがなければ、自分たちはGenerative grammarをやっていると
言うはず。一応、いろんな読者がいると思われますので、注釈です。

>770
私の知ってるところではF. Newmeyerなんかがそうですよ。
772(´∀`):02/02/16 02:19
>>766
へぼなっち(フィボナッチ)についてはチョムも以前から言及していたらしいにゃが、とりわけ
生成が言語デザインの最適性を論じ出して自然物に見られる数学的パターンの研究にゃら、形態
発生学への接近を求めるようになってから話題になることが増えてきたみたいにゃ。
リンデンマイヤーはとっくに植物学に句構造文法を取り入れていたわけにゃが、逆輸入(?)の
ような形で今はダーシー・トムソンにゃらアラン・チューリングにゃらの発生学の仕事を生成が
参考にしようとしているような状況が一部にあるにゃ。もっとも句構造や音韻構造がそのまま
へぼなっちになってるとかの直接的なつながりを求めるのではにゃく、機能的には無関係なはずの
随所に同じ数的パターンが繰り返し現れることは機能論と無関係に説明されるべきというスローガン
的部分が生成の立場と親和性があるというのが第一だと個人的には感じてるにゃ。この辺はむしろ
逃走派せんせが詳しいかも、にゃ。逃走派せんせ、以前某所でUriagerekaにtalkしてもらった時、
言語の中のへぼなっちの話しが出てこなかったのでなんでかと訊いたら、実はあの部分はあまり
自信がない、と言ってたのにゃ(w
ミルクせんせ、このUriagerekaという人の書いた入門書のカバーが局地的に話題になったのにゃ→
http://www-mitpress.mit.edu/images/products/books/0262710080-f30.jpg
ちなみに「自然科学としての言語学」のカバーの貝殻も同趣旨なのにゃ、たぶんにゃ

>>769
>(2)I hear that Mary is wondering whether Bill is dating someone,
>but I don't know who.
この場合、I don't know who that someone is 相当が基底にあるようにも思うにゃが……

>>771
>ちなみに顔文字先生とは面識ありです
ガ━━(゚Д゚;)━━ン!
773名無し象は鼻がウナギだ!:02/02/16 02:40
>>771
絶対、学部をやっとこさ終えたおいらなんかより断然優秀。
ガンバレー
UGが如何なる物なのか解明してくれ(W
774B.O.B:02/02/16 02:50
>私は、MPをやってる学部生だと自分の立場を表明したはずですが。
だから混同していないということにはならないよ。
チョムスキー理論はちっとも (そもそも理論ではない、という問題はさておき)
generative でない、ってのが Lappin らの批判のひとつだと思うけどね。
775ミルク:02/02/16 03:04
>>772
わざわざどうも。
そのヒマワリの種の並びとか花序、貝殻のようなフィボナッチ級数で
表される現象の他に、ハチの巣の六角形、身体構造の左右対称性とか
ですね、なんらかの数学的な規則から必然的に導かれる生物の構造が
あって、それが生命現象の頑健性 robustness につながっているのでは
ないか、という考えが浮かんだのです。もすこし考えてみますね。
776(´∀`):02/02/16 04:38
>>775
うみゃ、俺がもやもやと思っていることをうまくいってくれた感じにゃ。
言語も同じrobustさを持っており、生命現象なり情報の自己複製の一つのありかたと
して人間言語を見てみよう、ということかも、にゃ。

>>774
人にネチネチからんでばっかりおらんで「建設的な話し」の続きを頼むにゃ
777かかり助詞:02/02/17 13:50
なんだか下がってしまいました。あげます。

>>772
この場合、I don't know who that someone is 相当が基底にあるようにも思うにゃが……

確かに。もう少し考えてみます。かなり多くの人がこういうのの日本語の
構文をやっているので、私も勉強してみようかと思う。

Uriagerekaの本は一応授業で教科書として使ってみてるんだけど、学生より
私の方がいい勉強しているような気がする。自然界に同じような数学的
パターンが現れるというのは面白い現象ですね。自然界というより、
正確には生物の世界ですよね?

>>アメフトの選手みたいな人を探せばいいんですね?

そんな昔にいったことを覚えておいでですか。去年の夏からダイエットして、
5kg程痩せたけど未だに78kgもある。元が太すぎたのかもしれん。
いつか会えることを楽しみにしてます。
778ミルク:02/02/17 14:19
ううむ、UriagerekaのRhythm and Reason、確かに面白そうですね。
断続平衡説との統合、ホフスタッターのゲーデル・エッシャー・バッハを
もじってチョムスキー・フィボナッチ・バッハですか(笑)

>>777
>自然界に同じような数学的パターンが現れるというのは面白い現象ですね。
実は私、今本気で生物は数学的規則のゆえに非常に楽をしているのではないか、
と考えているのです。ハチの巣の六角形は、ただ柔らかい円形の筒を個々の
ハチが密着して各自制作すれば自然にできる、という具合に。あるいは、
穴にその穴の大きさと同じ太さの棒を垂直に差しこもうと思ったら、穴が
漏斗型をしておれば差しこむのが非常に楽になるだろう、つまり形態と神経系が
協働している。さらには、すこし「と」が入るかも分からないけれども、
神経回路の電気的活動パターンがある数学的規則をもって出現した時、その
数学的規則から必然的に「意味」がもたらされるとか。
779S:この文Sは、なぜ、どうおかしいの?:02/02/17 22:48
>「太郎は花子がなぜ書いた本を読んでいるの?」がおかしい理由もわかるはずだ…

「なぜ」問題の難しさは、意味論的に妥当な、「なぜ」と「どういう理由で」(いわゆるargument群)の互換が、
ばあいによりシンタクス上拒否されてしまう(ようにみえる)ことにあるにゃ。
なぜ/どういう理由で、の区別が、理由・根拠抜きで、論理定式化できるものかにゃ…

いろいろいいたいことはあるけど、忙しくてダメにゃ…

あと、「虚無好き」有名になりすぎたにゃ。どうするかにゃ。
780かかり助詞:02/02/18 08:36
>実は私、今本気で生物は数学的規則のゆえに非常に楽をしているのではないか、
>と考えているのです。

Chomskyのミニマリストの言語観もそれに近いものがあります。
言語というのは知覚システム(音声)と概念システム(意味)の
間にある、おそらくは突然変異によって生じた計算体系であり、
知覚、概念への「こういう風に発音しろ」とか「こういう風な
意味に取れ」といった条件を「最も経済的に」語彙から計算している
のだ、と考えられているわけです。英語、日本語などの違いは
語彙の違いで、計算体系はほぼ変わらないと考えられてます。

Uriagerekaの本のタイトルはRhyme and Reasonです。本のタイトルの
根拠もsecond dayくらいに書いてあった。
781ミルク:02/02/18 09:39
>言語というのは知覚システム(音声)と概念システム(意味)の
>間にある、おそらくは突然変異によって生じた計算体系であり、
本質的には変わらないけれども、突然変異によって生じたと考えるより、
知覚システム(音声)と概念システム(意味)がある程度複雑化すると
言語とよばれることになる能力が創発する(emergent)と考える方が
無理がない、という気がしています。
枝を持つのに適した手が鉛筆ももてるように・・・

>Uriagerekaの本のタイトルはRhyme and Reasonです。
そうですね(笑) 私の頭の中ではRhy...という綴りを見ると最優先順位で
Rhythmが浮かんでしまいます。
782(´∀`):02/02/18 11:38
>>778
ハチの巣の六角形については実は以前に取り上げたことがあるのにゃ。
↓ここの237前後を見てみてにゃ。
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/gengo/988295604/
そういえばCalvinのCerebral Codeも六角形だらけにゃ。
対称性(>>775)というよりも、対称性の破れやゆらぎ(FA)、パリティの非保存
なんかが言語にも反映されている(たとえばhead parameter)、と考えると
面白いかも、にゃ。

>>777
>正確には生物の世界ですよね?
うんにゃ、正確には生物・無生物に関係なく同じ数学的パターンが現れることが重要
だと思うのにゃ。古典的な例だと石鹸膜とハチの巣、トンボの羽根、放散虫の骨格
とかにゃ。チョムが言語は有機物にはまれな、むしろ無機物世界に特有の経済性を
実現しているとか言っていたのも、生物・無生物の隔たりを超越した普遍法則を
ほのめかしていたのではないか、と思うのにゃが……

781のミルクせんせの見方はまさに生成文法的だと思うのにゃ。進化の隙間に予期
せず出現した言語という「スパンドレル」がたまたまある機能を果たすのに好都合
だったのでそれに転用された、ということだろうかにゃ。

ところでかかり氏、上の学部生さんはなかなか切れ者にゃ。おまけにカラオケも
俺よりは上手いときたもんにゃ(w

783ミルク:02/02/18 11:54
>>782
おお、ありましたね。ま、誰でも考えるか(笑)

>しかし実際にはハチは一つひとつの六角形を独立して作るのであり、「既に存在する巣の壁を、新たに作る
>巣の壁として再利用する」のではない。 それが成立する経緯はどうあれ、現在のそのようなハチの能力に遺伝情報化
>され生得的に与えられたものの関与を想定するのは極めて合理的だと思う。
これ、そうでしたっけ? ちょっと調べてみよう。

ちなみに無生物では最近、natureかScienceにブリテン島の巨大六角構造の地形に関する
論文が出ましたね。伝説では巨人が作成したことになっているらしい。
784かかり助詞:02/02/18 13:07
「organic worldにおいてunique」とかchom先生はいっていたように思うけど、
そういう意味であったっすか。chom先生の論文の最初の3ページくらいは
解ったようで解らないことが沢山書いてあるモンですね。

顔文字さんと面識あるということはK-Rod氏は関西系の学生さんです
かね。もしかして顔文字さんところの学生?私は関西の大学のことは
よく知らないのだけど、大学間のつながりのようなものもあるんです
かね。
785(´∀`):02/02/18 13:30
>そういう意味であったっすか
いや、俺の勝手な解釈なので真に受けないほうがいいにゃ
>顔文字さんところの学生
ではないみたいにゃ、残念ながら
逆に俺は関東の事情には疎いにゃが、なんとなく関東のほうが集団的な活動が
活発で、関西では個人零細活動が多いという気がするにゃ。俺が徒党組むのが
嫌いなだけかもにゃ。
786ミルク:02/02/18 13:43
私の勘では顔文字先生は本書いてるでしょ?
心当たりの言語学者の名前、ずらっと並べてみようかな。
787(´∀`):02/02/18 14:36
むにゃ、すっかり雑談スレになってるにゃが……
ミルク氏、またまた勘違いにゃ
誰と間違えてるか分かるような気もするにゃが、
正体アテはあくまでジョークに抑えといてにゃ
ちなみにミルクせんせのHPをハケーンしたのにゃ(w
788ミルク:02/02/18 17:35
>>787
私も本スレを雑談スレにするのは本意ではないのですが、私はあまり
細かい文の解釈には興味がないのでこうならざるを得ないのです。。。
言語学者ではありませんのでね。
あのメアドは本物ですから、その気になればすぐに正体が分かります。
ただ、私はHPを放置しており、自分の掲示板も読んでおりません(爆)

ところで、今まで話を伺っている限りでは文章理解に重点を置かれている
ように思いましたが、私はむしろ文章を作成する方(内省言語)に興味が
あります。一部では言語がなければ意識も発生しないという立場があるそう
なんですが、この辺はどうお考えですか?
789NIHILOPHILIA:02/02/19 07:05
むにゃあ。なんでBOB先生いないのかにゃ。

なんか出尽くした議論だけど、いちおう補足しておくと、例えば
「なぜ」が(絶対的)「根拠」への問い、「どういう理由で」は形式的な「理由」への問い、
みたいなかたちでのアプローチはいろいろ考えたけど、どうもうまくないにゃ。
@なぜ、わたしの説はまちがってるの?
Aどういう理由で、わたしの説はまちがってるの?
をみると、@とAで「わたしの説が、まちがっている」という命題/陳述についての、
若干の話者のmoodの違いが観察されるけれども、
いやはっきりいえば、@は「まちがってる」ことについての異議とも読めるし、
「なぜ」疑問が、ある命題の事実性をpresupposeしないということは正しいかもしれないにゃ。
しかしこのような分析は、ことごとく「どういう理由で」にも適用されるように思えるし、
少なくとも形式意味の範囲では、両者はほとんど等価なのではないかにゃ…
すると、結局
B太郎は花子が、どういう理由で書いた本を読んでいるの?
がなぜいいのか不明のままにゃ。ショボ〜ン。

てなわけで、わたしのほうは完全なる「敗北」にゃ。ここはひとつBOB先生にパスしとくにゃ。
いっぽう、「なぜ」と「どういう理由で」のシンタクス上の「振る舞い」の違いは、
比較的簡単に検出できるので、そっちのほうから何かでてくるかもにゃ。

ついでに言っとくけどにゃ。
メールでも「にゃあにゃあ」言ってる先生は、わたしではないにゃ。
メロンパンの先生のことは知らないけどにゃ。バトルLIVEはどうなったのにゃ?

ってゆーか、関西か…。遠いにゃ。ミルク先生の推定ハズレにゃ
790(´∀`):02/02/19 08:21
>>788
理解(解釈)と作成(生成・産出)はもちろん別物にゃが、無関係ではないにゃ。
ある文の意味解釈は一部はその文の構造によって指定されるものにゃから、そもそも
そういう構造が生成不可能であれば、それに対応する意味解釈も不可能になるにゃ。
で、「なぜ」を巡るとある解釈ができないのは、それに対応する構造が統語的制約に
よって生成不可能だからなのか(かかり派)、それとも構造の問題とは別に意味的
語用論的理由でそのような解釈が出にくくなっているだけなのか(BOB派)、という
ことを上ではやっていたわけにゃ。でBOBの建設的な話しはどうなったのにゃ?

意識の発生についてはなんとも言えませんにゃ。またまた量子重力脳が出てくるにゃ?
素人考えでは意識に対する意識を可能にしているような時間差・神経反応の遅れが言語
の成立にも必要かにゃ、とは思うにゃが、ここはミルクせんせのお説拝聴にゃ。

789 = 虚無好き氏かにゃ?
「メールで「にゃあにゃあ」言ってる」とは何のことにゃ?
せんせは最近読めない話しが多いにゃ。
791虚無好き:02/02/19 09:05
もとの鞘にもどるにゃ。

>「メールで「にゃあにゃあ」言ってる」とは何のことにゃ?
これは個人的メッセージにゃ。スマソにゃ。
792虚無好き:02/02/19 09:22
>意識に対する意識を可能にしているような時間差・神経反応の遅れが

自己言及的意識のことかにゃ?
わたしは、このばあいは(広義の)言語能力のほうが先行してるような気がするにゃ。
それにしても、自称バイオ派なんだから、脳生理学についてももう少し学術的な表現をしてもらいたいにゃ。
最近、注文が多くて申し訳ありませんにゃ。
793ミルク:02/02/19 10:44
最近、心理学板に「自由意志」スレが立ちました。
どの発言が私のものかは一目瞭然だと思う。
794かかり助詞:02/02/19 11:32
言語と意識に関係するか解らないけど、前に話題になった
Genieは閉じこめられて言語を持たずにいた子供の頃の
ことを後に覚えたつたない言語で話すことは出来ました。
私は「意識」というものが何なのか解ってなかったり
しますが、「あのときおとうさんが来て恐かった」と
いうことを感じるのが意識なら、Genieは言語は持たないけど
意識はあったことになると思います。
795B.O.B:02/02/19 16:45

気になってる人がいるみたいだから、「なぜ」問題について整理すると、
(1)「なぜ」と「どういう理由で」の違いは何に由来するか
(2) 関係節/内容節と、補文からの"抜き出し"の許容可能性のgradableな違い
(3) factive vs. non-factive の (かなり鋭い)対立
だね。

虚無好き氏のひっかかってるところ、
>形式意味の範囲では、両者はほとんど等価なのではないかにゃ…
は正解だと思うよ。私の考えではね、この二つの違いは見たまんま、
「なぜ」より「どんな理由で」の方が、長くてまわりくどいという
ことだよ。語用論的には、「ことさらにまわりくどい言い方」、つまり
有標な形式は有標な解釈に結びつきやすい、という法則がある。これ定説。
理由や様態を(ある種の環境から)"Wh-extraction"しにくい、というのが
語用論的な理由であれば、このような語用論的説明で足りる。もちろん、
syntaxによる説明と矛盾はしないが。
796B.O.B:02/02/19 16:46
>でBOBの建設的な話しはどうなったのにゃ?
これは(2)の、profileとsettingの話ね…それで逃走派氏はそれなりに納得した
みたいだからもう終わりだよ。
profileとsettingの心理学的な本質は何かと言われたらそんなことは
まだわからないけど、認知心理学的な背景がちゃんとある概念だから、
積極的に考慮していいと思うね…Langeckerが好きか嫌いかは別にして。
「なななーんと」の例は傑作だったね。関係節の中の、例えば副詞は
焦点化しにくい、これを説明するのに他にいい方法があるかね。
797虚無好き:02/02/19 19:26
なんか考えすぎたのかにゃ…

じゃ、あまり深く考えないでいくにゃ。
ずばり、焦点化しにくい情報だから、副詞にとどまったのにゃ。
とくに項と付加詞のあいだに論理的関係があるときは、
その関係こそが主文相当に生成されるべきであり、これは、
「なぜ・どう」が共起しにくいこととたぶん矛盾しないにゃ。

まだ容量ダイジョブかにゃ?
798虚無好き:02/02/19 19:28
↑失敗。それをいうなら付加詞どうしにゃ。
799(´∀`):02/02/19 21:28
>>795
>有標な形式は有標な解釈に結びつきやすい
これ自体には何の異存もないにゃ(前にも言ったとおりにゃ)
問題はこのことから「なぜ」と「どういう理由で」の特定の解釈についての
差異をどう帰結させるか、それを述べなければ何も説明したことにはならないにゃ。
たとえば「なぜ」を使えば済むところをわざわざ「どういう理由」と言ったから
には、「なぜ」では表せない意味を表すに違いない、と聞き手が考えたとするにゃ。
ではどうしてその意味が「なぜ」では表せない、と分かるのにゃ。またそれが
どうして今検討すべき意味だと分かるのにゃ。別種の言語知識を前提にした上でしか
成り立たない後付けの辻褄合わせを繰り返しているだけではないのかにゃ?
あるいは、「太郎はなぜ花子が帰ったと思うの」対「太郎はどういう理由で〜」に
ついて、その語用論的説明は何を予測するのかにゃ。どちらも補文内要素としての
解釈が可能であるのに、「わざわざ」後者を使うとどういう違いがあるのにゃ?
いつも異なる表現形式が異なる意味解釈と結びつくわけではないのに、たまたま
そういう場合だけを選択的に取り上げてみても何かを説明してもらったという気には
全然なれないにゃ。あるいは逆により有標な形式を使えばどんな解釈も可能になる
というわけでもないにゃ。どんな形式でもありえる解釈とありえない解釈があり、
むしろその制限はどこからくるのか、に統語的分析は関わっているのにゃ。
語用論的な考察が要請されるのはその後の話し、という棲み分けが大事だと思うにゃ。

何度も言ったにゃが、説明とは無関係に見える多くの現象を単純な法則で関係づける
作業にゃ。たとえば Who saw what? はいいのに *Who left why?はダメ、という
現象と「太郎は花子が何を買った店が好きなの」はいいのに「*太郎は花子がなぜ
買った本が好きなの」はダメ、という現象の間に関係性を求める立場の一つとして
argument-adjunct asymmetryという見方があるのにゃ。一方、上のような
語用論分析はこの関係を認めないのみならず、たとえばWho left for what reason?が
who left whyではなくwho saw whatと同じクラスに属するということも無視する
ものにゃ。もちろんその関係づけが正しいという保証はどこにもなく、突き詰めて
言えばどういう分析を採るかはどういう関係づけが面白いと感じるかのセンスの
問題にならざるを得ないんだけどにゃ。その関係づけの可能性はさっさとあきらめて
しまうには面白すぎる、というのがこちら側のセンス、ということにゃ。
800(´∀`)
>>792
まず「(広義の)言語能力」とは何にゃ? 人間の言語能力全般かにゃ、人間以外の言語
(的)能力も含めて、という意味かにゃ