「全然」は否定表現が肯定表現に変化?

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337名無し象は鼻がウナギだ!
「全然」の肯定的用例

・「実に全然たる改革を宣告せり」(内村鑑三・求安録・明治26年)
・「人間の用うる国語は全然模傚主義で伝習するものである」(夏目漱石・我輩は猫である・明治38年)
・「一体生徒が全然悪るいです」(夏目漱石・坊ちゃん・明治39年)
・「小野は全然わがもので、調戯面にあてつけた二人の悪戯は何の役にも立たなかった」(夏目漱石・虞美人草・明治40年)
・「母は全然同意して」(正宗白鳥・何処へ・明治41年)
・「自分の計画を全然打壊したのは医者の小野山に違いない」(石川啄木・病院の窓・明治41年)
・「代助には此社会が今全然暗黒に見えた」(夏目漱石・それから・明治42年)
・「こうやって演壇に立つのは、全然諸君のために立つのである」(夏目漱石・大阪講演・明治44年)
・「下人は始めて明白にこの老婆の生死が、全然、自分の意思に支配されていると云う事を意識した」(芥川龍之介・羅生門・大正4年)
・「殆ど全然『感情』を標準にしたところのパンフレットが続々として後から後から刊行された」(萩原朔太郎・月に吠える・大正6年)
・「ところがそのすこしあと、葉子は全然別な角度から麻川氏を見かけた」(岡本かの子・鶴は病みき・昭和11年)
・「あなたは、他の男のひとと、まるで全然ちがっています」(太宰治・斜陽・昭和22年)