「全然」は否定表現が肯定表現に変化?

このエントリーをはてなブックマークに追加
198名無し象は鼻がウナギだ!
全然はもともと下に肯定をつけてもよく、それがだんだん否定のみになり、
現在になって戻ってきてるって習いました(当方国文学科生)

一体生徒が全然悪いです    坊ちゃん
右四名の身元は全然不明で  東京日日新聞昭和3・5・8

↑プリントから抜粋

あと、下に肯定をつけるのが普通になった言葉に「とても」があるみたいですね。

このごろの若い人たちは「あの映画は全然いいんだ」とか「あそこの食事は全然うまいよ」とかいう。
この場合の「全然」は「非常に」「たいへん」という意味である。
しかし、「全然」は「全然できない」「全然感心しない」のように、否定の言い方を伴う副詞で、意味は「まるっきり」である。
それを「全然いい」「全然うまい」と肯定表現に使うものだから、年寄りたちからは、とんでもない使い方だと非難されている。
ただし、このような使い方は、前例がないわけではない。
今、東京では「とてもきれいだ」「とてもうまい」のように、「非常に」「たへん」の意味で「とても」を使う。
しかし本来は「とてもできない」「とても動けない」のように、「とても」は「どうしても」の意味であり、否定表現を伴う言い方なのだ。
それが、明治四十年代ごろから、学生たちの間に愛用されて、今では、東京の口頭語としては普通の言い方となってしまっている。

朝日新聞 昭和39年10月6日