136 :
名無しさん 〜君の性差〜:
「兄としての務めを果たせ」
那智 文江(主婦 46歳 東京都)
以前に投書したが、私は一度芸能事務所に娘を売り込みに行ったことがある。だが、当の事務所
の人がわがままを言い出したことと、私自身の売り込みが上手くなかったせいもあって、結局実
を結べなかった。それ以来、私も娘も息子もしばらく意気消沈していたが、気を取り直して今も
新たな方法を模索している。そんな中、一つの方法が頭をよぎった。そもそも、その芸能事務所
に娘を売り込みに行けた理由は、息子が渋谷でスカウトされて、接点を持っていたからだ。息子
がアイドルの卵としてスカウトされたのだから、娘も渋谷を歩けばスカウトされるに違いない。
翌日、娘と二人で渋谷の街を歩いていると、早速若い男に声をかけられ、二人で写真を撮られた。
雑誌に載せる写真というので、これは有望だと確信した。しかし、当の撮影者は『ドブスを守る
会』と称し、容姿の良くない女性の写真を撮っていると言い出したのだ。私は怒り狂って、その
撮影者を怒鳴りあげ、号泣する娘を慰めながら足早に帰宅した。私は恥ずかしさと怒りでその時
のことはよく覚えていない。なぜ私たちは、何をやってもうまくいかないのだろう。私はその晩、
茶碗を洗う息子に「あんたは何もかも恵まれすぎて不公平、少しは妹に協力してあげなさい」と
叱ると、生意気にも「これ以上何をしろって言うんだよ?」と反抗したのだ。これまで「正しい
家族のあり方」に則って、仕事も家事も女性家族の扶養も一人きりでこなせるように育ててきて
やったのに、それに対して感謝するどころか口ごたえをするとは何事か。だいたい、実の妹に力
を貸すのは、兄として当然の務めではないのか。それすらも分からない程の情けない男に育って
しまったのだろうか。これは母親である私の教育の失敗だが、元々は不甲斐ない父親である夫に
責任がある。罰として、息子の就寝中に、息子の教科書に油性マジックで落書きをしておいた。