83 :
名無しさん 〜君の性差〜:
昨夜、西麻布のバーで友人たちと飲んでいた
隣席にいた4名の30代前半くらいの男性から声をかけられた
「お姉さんたちは何をしているんですか」
企業経営者と、医者と、私。
なぜ職業を尋ねたんだろうと逆質問してみると、応えて。
「僕たち、4人とも外資系投資ファンドのマネージャーなんです」
わざわざ「外資系」と言うところに優越感を感じさせる彼らは、何度か転職して今の仕事に就いているという。
「最初は普通の都市銀行に就職したんですけど」
「ハントされちゃって」
「前はディーラーやってて、毎日、何百億って金を動かしてたんですけど、毎日同じことの繰り返しで飽きちゃって」
「ディーラーよりファンド・マネージャーのほうが権限大きいし」
「ディーラーみたいに、毎日の市場の動きを気にしなくていいし」
「でも、本国の連中は威張ってるからやりづらいことはあるよ」
「社内は全部、英語だしさ」
彼らは、なぜ私たちに声をかけてきたのだろう?
「お姉さんたちって、なんか儲かってそうじゃないですか。僕たちは今、お姉さんたちがどれくらい儲かってるかって話してたところなんです」
84 :
名無しさん 〜君の性差〜:2006/11/24(金) 23:41:12 ID:GnPBg8+B
へえ。
そうですか。
貧乏くさいと評されるより光栄だが。
まあ、適当に話を合わせながら(私たちはオトナだから)、「大きなお金を動かしてるのね」とか、「景気も良くなってきたからチャンスだね」とか、「若いのにすごいね」とか。
すると、
調子に乗った彼らは口々にこんなことを言う。
「僕ら、年収8000万なんですけど、会社には億単位で儲けさせてるんですよ」
「だったら独立した方が儲かるじゃないですか」
「20億ぐらいの資金があったら、3年以内に1000億くらいには増やしますよ。少なくとも」
「村上はバカだね」
「マジメに仕事したら儲かると思ってる、中小企業のオヤジって多いからなあ」
「金ってのは、稼ぐものじゃなくて儲けるものなんですよ」
ああ・・・
困ったなあ。
私たちはできるかぎり大人の対応をしたい。
が、
図に乗りすぎたのだろう彼らの言葉は続く。
「お姉さん、もっと儲けたくないですか?」
85 :
名無しさん 〜君の性差〜:2006/11/24(金) 23:43:23 ID:GnPBg8+B
残念ながら彼らが想像するほど儲かってないし、きれいごとではなくて、
お金のためにテレビに出たり本を書いているわけではない。
なにかを伝えたいと思って仕事をしている。
でも、そんな説明はしない。
自分が持つ正義や役割意識や社会の仕組みを知ろうとしない人には伝わらないから。
彼らの中で一番、偏差値の高そうな男の子が、経営者女性に向かって言う。
「僕らの金主になってくださいよ。儲けさせてあげますから」
ああ。
言っちゃだめだよ、それは。
この類の発言をするとき、人はとても浅ましく見える。
私たちは、その言葉を聞いて店を出た。
別の店に入って飲み直す。
強く言葉を発したのは経営者の女性である。
「志もなければ品もない。お金儲けがうまくても、事業家をバカにする彼らには、
いくらお金を持っていても、絶対に投資しない」
そうだよね。
外資系というところを鼻にかけながら、ヤクザ系闇金屋のような言葉を使う。
30代の若さ(たぶん)で、お金を扱う商売をしていながら、
どこかお金を舐めてかかっている。
彼らに年間8000万も払っている外資はバカだ。
いつか酷い火傷を負うだろう。
86 :
名無しさん 〜君の性差〜:2006/11/24(金) 23:43:59 ID:GnPBg8+B
経営者の彼女は続ける。
「うちは従業員7人の小さな会社で、利益も少ないけど、
みんな夢を持って真面目に仕事している。いい従業員に恵まれているんだなぁ、と実感したよ」
そうだよね。
いくら金儲けがうまくても、額に汗して働く人間をバカにするのは論外。
その日は、
打ち合わせをしたホテルで、
日本の戦後を支えたある大手商社の元会長を偲ぶ会が開かれていた。偶然だが。
焼け野原だった日本の立て直しに必要な資源やら物資を世界中から買ってきて、まだ粗悪品のイメージが強かった日本製品を世界で売るだけでなく、将来性のある企業や産業に投資して、人材を育て、日本経済の発展に寄与してきた。
あなたたちの志を、ひとりでも多くの若者が引き継ぐことができますよう、心の中で手を合わせた。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/kuhiwo/dazai/isyo/shimada.html