ドイツ初の女性首相になったアンゲラ・メルケル氏は、かなり寛大な
人らしい。昨年の首相選挙のとき、ドイツ代表のクリンスマン監督は
前任者のシュレーダー氏を応援していたのだが、メルケル首相は
「それは過去のこと。もう気にしていないわ」と、クリンスマン監督を
全面的にバックアップすることを約束。
「W杯では、ぜひ控え室に行きたい。実は私はかなりのサッカー好き。
幼いときはクライフの大ファンだった。
ドイツ代表はW杯で優勝してくれるはず」と期待を寄せている。
メルケル首相を筆頭に、ドイツでは女性の時代≠ェ到来している。
今年1月、国営放送ZDFの人気サッカーは番組の司会者に10年ぶりに女性が起用されて話題になった。40歳の子持ちの主婦が、ドイツ代表選手と議論を戦わせる姿は頼もしい。
女子サッカーのドイツ代表は03年のW杯で優勝しており、
エースのプリンツは3年連続でFIFA最優秀女子選手に選ばれた。
まさに女子サッカー界のロナウジーニョ。「最近のドイツは、男子の方がだらしない」という声が出るのも仕方がないだろう。
確かにドイツの男子は、見た目ばかり気にして、チャラチャラした選手が増えてしまつた。
バイエルン・ミュンヘンのマガト監督は「試合前に、整髪料とクシを
手に、鏡の前に立っているヤツが多すぎる」と激怒している。
バイエルンで計7年間プレーしている元フランス代表のリザラズは
「ドイツ選手は昔みたいに、体が強くなくなったよね」と
ドイツ人の弱体化を肌で感じている。
メルケル首相は自信たっぷりに、こんなことを言っている。
「男子にできて、女子にできないことはない!」。
ドイツ代表にとって最も手厳しい評論家は、周りにいる女性たちになりそうだ。
http://www.sponichi.co.jp/wsplus/column_w/02841.html