75 :
ベランダへの閉め出し行為:
原判決は、甲が乙を「仰向けに引き倒してその腹部に馬乗りになり、両腕を掴
んで押さえつけるなどの暴行」した行為、すなわち「制圧」と公判部検事が表
現した行為の直後、甲がベランダへ乙を閉め出した行為(以下、閉め出し行為)が
あるというのである。
閉め出し行為が存在するという検察の主張は、信憑性がない。
閉め出し行為は、司法警察員調書のいずれにも述べられておらず、乙実母公判供述、
甲実父公判供述、甲の被告人供述になく、検事調書以後の乙供述にしか存在しない。
検事調書が認定する、乙が「甲の手背に噛み付き、首を前から押し上げるようにして
押しのけ」て「死にもの狂いの抵抗を」して「咄嗟にベランダに逃げ出した」経過は、
最も信用性の高い、事件当日(5月11日)、乙の事件翌日(5月12日)の調書に
存在しない。甲の司法警察員調書や被告人供述のいずれにも、「怯んで手を引く」ほ
どの、甲手背の受傷が述べられていないこととも符合しない。
76 :
ベランダへの閉め出し行為 2:2006/01/29(日) 15:37:33 ID:h5FS1Sqk
原判決は、乙が「ことさらに虚偽の証言をする理由はなく、」「誤った記憶を保持する
理由もない」とするが、事件当日(5月11日)、事件翌日(5月12日)の乙の調書
やその他の司法警察員調書に存在しない事実が、事件後二週間を経て、検事調書(5月
28日)に出現するのは不自然極まりない。
さらに、検事調書は、甲が鍵を閉じ乙をベランダに閉め出し、甲がしばらくして「自分
から鍵を開け」たあとに、乙に「鍵は開いている。俺が閉め出したのではない。おまえ
が勝手に出て行っただけだ。」などと言ったとするが、原判決の補足説明2の(7)で
は、甲が「死にたいやつは死ねばいい」と「悪態をついて」から「ベランダの鍵を閉め
て」乙を「閉めだし」たと認定しており、閉め出し行為における甲の悪態の時期および
内容が変わることも、不自然そのものである。
77 :
ベランダへの閉め出し行為 3:2006/01/29(日) 15:38:14 ID:h5FS1Sqk
閉め出し行為についての、検事調書の事実認定(17頁8行目より)は、以下の通りで
ある。
乙は甲の「手の甲に口を近づけて噛み付き、死にもの狂いの抵抗」をして、
甲が「怯んで手を引くと」甲の「首を前から押し締め上げるようにして」甲を「押し
のけると、咄嗟にベランダに逃げ出した」のですが、甲はこの時は「中から鍵を閉めて」
乙を「閉め出してしまいました。」しかし、甲はしばらく経つと「自分から鍵を開け」、
乙に「鍵は開いている。俺が閉め出したのではない。おまえが勝手に出て行っただけだ。」
などと「勝手なことを言っていました。」乙は、その後、「和室の窓から入った。」
78 :
ベランダへの閉め出し行為 4:2006/01/29(日) 15:38:54 ID:h5FS1Sqk
閉め出し行為に関する乙公判供述は、以下の通りである。
検事調書にある、乙が甲の「首の辺りを押さえて押しのけたりした」行為を、乙は認め、
「私は押しのけようとはしましたけど、それでは全然抵抗になっていなかったというか、
全然効き目がなかった状態です。抵抗はかなりしました。」と述べ、最終的には、甲が
乙を放したとする。乙は「しばらく和室で泣いていた」。それから「和室のほうからベ
ランダのほうへ出ました。」
乙はベランダに出た動機を、「そのときは死にたいと思ったからです。」と語り、検察
官に「ベランダから飛び降りて死のうと考えた」と問われて肯定する。
乙がベランダに出たとき、甲は「のぞきに来て、」「それから、死にたいやつは勝手に
死ねばいいと言って、」「窓をぴしゃりと閉めて」「鍵を閉めました。」
79 :
ベランダへの閉め出し行為 5:2006/01/29(日) 15:40:30 ID:h5FS1Sqk
検察官に「ベランダの窓を閉めてかぎをかけてしまったということは、証人をベラン
ダに締め出してしまったということですね。」と尋問を肯定する。
検察官に「今、死にたいやつは死ねばいいというようなことを言ったということですが、
ベランダに出るのを止めたりしなかったんですか。」と問われて、乙は肯定する。
その後、乙は「ベランダでしばらく泣いていましたけど、」「しばらくしてから夫が窓
の鍵を開けて、閉め出したわけじゃないからなどだけ言って窓のかぎが開いた状態で、
また離れていきました。」
検察官の、甲が「わざわざかぎを開けにきたということですね。」と問われて、肯定する。
さらに検察官が、甲がわざわざ鍵を開けに来た行為の動機を尋ねると、乙は「自分が
締め出したわけじゃないということを言いたかっんだと思います。」と答える。
さらに、検察官の「つまり、責任を回避したいと考えたからだろうということですか。」
との尋問に、「分かりませんけど、そうなのかのもしれません。」と答える。
原判決の、事実認定の補足説明2の(6)(7)は、以下のように認定する。
乙は、「畳に腕がすれて痛いのと」甲の「100kg近い体重が重いのとで大
変苦しく」、「静かに寝ている(ママ)とか謝れと言われて謝るとかして」
「ようやく」甲に「放してもらった。」「しばらく和室で泣いた後」、「死に
たいと思ってベランダに出たところ」甲が「死にたいやつは死ねばいい」と
「悪態をついて」「ベランダの鍵を閉めて」乙を「閉めだした」
が、しばらくして甲が「ベランダの鍵を開けたので」乙は「部屋に戻った」。
ベランダの鍵は、部屋の中から掛けるようになっているのに、検事調書(
14ページ12行目)は、甲は「洋間の中から怒鳴っていましたが、」乙は
「もう聞きたくないという気持ちで」、「窓を外からぴったりと閉め」たと、
甲の攻撃を回避するため、乙が窓をベランダ側から閉めたと認定している。そ
の後の、検察官のいう甲の「制圧」の後に「しばらく和室で泣いた」乙が、「
ベランダから飛び降りて死のうと考え」、甲を避けるために「窓を外からぴった
りと閉め」ないと考えることも内部矛盾である。
80 :
催吐行為 1:2006/01/29(日) 15:45:36 ID:h5FS1Sqk
横浜地方裁判所 平成15年(わ)1311号傷害被告事件判決(平成15年
10月1日宣告)(以下、原判決とする。)の事実認定の補足説明2の(6)に
おいて、「セルシン6錠と、通常飲んでいる抗うつ剤の一回量」を服用した被害
者(以下、乙とする、)に被告人(以下、甲とする。)が「薬を吐き出させよう
と後ろから手をまわし」、「胃の部分を押すようにして」、乙の「体を持ち上げ」
たり「揺さぶった」り、「ペットボトルの水を鼻から入れようとしたり」したと
認定し、乙が甲に、服用した薬剤が「セルシン6錠なので大丈夫だ」と説明したの
に、甲は「聞き入れなかった」というのである。
(写真撮影報告書 K巡査作成 写真第8 に相当)
しかし、上記の甲の一連の行為(以下、同行為とする。)の事実認定は、明ら
かな誤りである。
乙は、司法警察員調書(5月11日)で、甲は「『吐け』と言って私の腹部を後ろ
から抱え込んで振り回したり、みぞおちを強くたたくように押しつけたり、拳を
口の中に入れた」、司法警察員調書(5月12日)で、甲は「私が精神安定剤を飲む
と、後ろからおなかを押したり、水を顔にかけたりして無理矢理吐かせました」と
述べている。
検事調書(5月28日)は、甲が、いきなり乙の「後ろに回る」と、両手を乙の
「みぞおちにあてがい思いきり圧迫した」行為の直後に、乙が甲に「今6錠飲んだ
だけ、先生に言われた量飲んだだけよ」と説明したとする。しかる後に、甲が乙
の「体を持ち上げ」、「ぶんぶん振り回した」り、「口に指を突っ込んできたり」
「コップに水をくんできて鼻から流し込んだり」したと認定する。
81 :
催吐行為 1:2006/01/29(日) 15:46:45 ID:h5FS1Sqk
浜地方裁判所 平成15年(わ)1311号傷害被告事件判決(平成15年
10月1日宣告)(以下、原判決とする。)の事実認定の補足説明2の(6)
において、「セルシン6錠と、通常飲んでいる抗うつ剤の一回量」を服用した
被害者(以下、乙とする、)に被告人(以下、甲とする。)が「薬を吐き出
させようと後ろから手をまわし」、「胃の部分を押すようにして」、乙の「
体を持ち上げ」たり「揺さぶった」り、「ペットボトルの水を鼻から入れよ
うとしたり」したと認定し、乙が甲に、服用した薬剤が「セルシン6錠なので
大丈夫だ」と説明したのに、甲は「聞き入れなかった」というのである。
(写真撮影報告書 k巡査作成 写真第8 に相当)
しかし、上記の甲の一連の行為(以下、同行為とする。)の事実認定は、
明らかな誤りである。
82 :
催吐行為 2:2006/01/29(日) 15:48:03 ID:h5FS1Sqk
乙は、司法警察員調書(5月11日)で、甲は「『吐け』と言って私の腹部を
後ろから抱え込んで振り回したり、みぞおちを強くたたくように押しつけたり、
拳を口の中に入れた」、司法警察員調書(5月12日)で、甲は「私が精神安定剤
を飲むと、後ろからおなかを押したり、水を顔にかけたりして無理矢理吐かせま
した」と述べている。
検事調書(5月28日)は、甲が、いきなり乙の「後ろに回る」と、両手を乙の
「みぞおちにあてがい思いきり圧迫した」行為の直後に、乙が甲に「今6錠飲んだ
だけ、先生に言われた量飲んだだけよ」と説明したとする。しかる後に、甲が乙の
「体を持ち上げ」、「ぶんぶん振り回した」り、「口に指を突っ込んできたり」
「コップに水をくんできて鼻から流し込んだり」したと認定する。
83 :
催吐行為 2:2006/01/29(日) 15:49:31 ID:h5FS1Sqk
検事調書では、同行為に経時的に明確な順序を認めるが、同行為の内容の後半は
「拳を口の中に入れた」(司法警察員調書:5月11日)、「水を顔にかけた」(司
法警察員調書:5月12日)、「口に指を突っ込んできたり」「コップに水をくんで
きて鼻から流し込んだ」(検事調書:5月28日)と転々と変化し、全く一貫性が
なく不自然そのものである。特に、検事調書の「コップに水をくんできて鼻から
流し込んりしました」はコップを用いた既遂行為であるのに、公判供述では、
「ペットボトルに入れたお水を鼻から入れようとしたりした」とペットボトル(
容量不明)を使った未遂行為となっており、不自然かつ不合理である。経鼻的に
鼻粘膜に水分を接触させると激痛を生じ、激しく咳き込むばかりでなく、一時的
に呼吸困難を生ずることは医学的事実であり、事件の当日(5月11日)、翌日(
5月12日)の乙の司法警察員調書に、「鼻から水分を流し込まれた」旨の供述が
存在せず、同行為についての乙供述に一貫性があるとは到底考えられない。同行為
についての乙供述の著しい調書ごとの変化と検事調書以後に加わった「鼻から水分
を流し込まれた」事実が起訴前の司法警察員調書や捜査報告書等に存在しないこと
は、原判決の(事実認定の補足説明)3にある、乙が「誤った記憶を保持するに至
る理由もない」とする認定と大きく矛盾する。
84 :
催吐行為 2:2006/01/29(日) 15:51:32 ID:h5FS1Sqk
乙は、司法警察員調書(5月11日)で、甲は「『吐け』と言って私の腹部を
後ろから抱え込んで振り回したり、みぞおちを強くたたくように押しつけた
り、拳を口の中に入れた」、司法警察員調書(5月12日)で、甲は「私が精
神安定剤を飲むと、後ろからおなかを押したり、水を顔にかけたりして無理
矢理吐かせました」と述べている。
検事調書(5月28日)は、甲が、いきなり乙の「後ろに回る」と、両手を
乙の「みぞおちにあてがい思いきり圧迫した」行為の直後に、乙が甲に「今
6錠飲んだだけ、先生に言われた量飲んだだけよ」と説明したとする。しか
る後に、甲が乙の「体を持ち上げ」、「ぶんぶん振り回した」り、「口に指
を突っ込んできたり」「コップに水をくんできて鼻から流し込んだり」した
と認定する。
85 :
催吐行為 3:2006/01/29(日) 15:53:55 ID:h5FS1Sqk
検事調書に至って、初めて事実認定された「鼻から水を流し込んだ」鼻粘膜に液体を接触させ、
咳漱反射を誘発し、激しい痛みと呼吸困難を伴う危険な行為が、通報を決断した乙実妹の司法警
察員調書、乙自身の二通の司法警察員調書や、及び乙実母の公判供述にも存在しないことは、乙
の検事調書が検察官の誘導による作文であることを示すばかりでなく、乙実妹、乙実母による都
筑警察署への通報が、甲に刑事上の処分を受けさせる目的の虚偽の申告であることを示唆する。
公判供述では、乙は同行為の供述と、服用したセルシン錠の危険性を混ぜ、並行させて説明して
いるため、全体として時間軸に沿った供述となっておらず、乙が甲に「今飲んだのはセルシン6
錠なので大丈夫だ」旨、いつ告げたのかは不明確である。
86 :
催吐行為 4:2006/01/29(日) 15:58:26 ID:h5FS1Sqk
以下、同行為についての乙の公判供述である。
公判供述の主尋問(11頁12行目)では、乙が「一日の
限度を超えない範囲でと、冷静に考えて6錠飲んだ」と述べ、
検察官が甲の対応を尋ねると、突然に検事調書の服用薬剤の
供述を翻し、「セルシン6錠に加え、アモキサン、リーゼ、
半夏厚朴湯を服用した」旨、証言したのちに、甲が「それを
見て大量服薬だと言って、騒ぎ始め」、乙に「吐かせようと
して」「胃のところを押すようにして」「体をぶら下げて振り
回し」、「ペットボトルに入れたお水を鼻から入れようとした
りした」と述べている。
87 :
催吐行為 5:2006/01/29(日) 15:59:50 ID:h5FS1Sqk
検察官が「持ち上げて揺さぶった」ことを乙に確認した後に、乙に同行為に
ついて、「結局そのようにして薬を出させようとしたということですね。」
と尋問すると、乙は「はい。」と肯定しており、甲の被告人供述での同行為
が「薬を出させようとした」ものであるという主張と一致する。
その後、再びセルシン6錠(後に30mgであると判明)を服用した当事者
に対し、「多分その量だと、先ほども申し上げましたように眠くなる程度な
ので、安静にするように言うぐらいだと思います。」「どうしても吐き出さ
せる必要があるのなら、それぐらいの量でしたら自分で吐くように、お水を
飲ませて自分で吐き出すようにというふうに指示をする程度」であると供述
する。
88 :
催吐行為 6:2006/01/29(日) 16:01:06 ID:h5FS1Sqk
検察官が再び「揺さぶられて薬を吐き出させられようとしたときに、証人は吐き
出したくないと言ったり、抵抗して暴れたりしましたか。」と尋問すると、乙は
「いきなりやられたので抵抗はしました。」と供述する。
その直後の主尋問で検察官に、「被告人に対して何か話をしましたか。」と問わ
れて、乙は「とにかく、今飲んだのはセルシン6錠なので、大丈夫だというような
こと」と述べている(以下、同供述とする。)が、乙はセルシン6錠等の服用後の
症状に関する乙の主張と甲の同行為を混じて交互に供述しており、前後関係からみ
て、乙の同供述は、同行為のどこかで「セルシン6錠だから大丈夫」である旨、甲
に告げたというだけに過ぎず、「鼻から水を入れようとした」行為のあとに「セル
シン6錠だから大丈夫」である旨、甲に告げたものではない。
89 :
催吐行為 7:2006/01/29(日) 16:06:38 ID:h5FS1Sqk
原判決は、甲が両手を乙の「みぞおちにあてがい思いきり圧迫した」直後に、乙が甲に「今6錠
飲んだだけ、先生に言われた量飲んだだけよ」と説明し、その後に甲が乙の「体を持ち上げ」、
「ぶんぶん振り回した」り、「口に指を突っ込んできたり」「コップに水をくんできて鼻から
流し込んだり」したとの検事調書の認定を採用せず、乙公判供述における「服用薬剤がセルシ
ン6錠等である」旨の説明が同行為のどの時点で行われたかの経時的な不明確性を否定し、甲が
「薬を吐き出させようと後ろから手をまわし」、「胃の部分を押すようにして」、乙の「体を
持ち上げ」たり「揺さぶった」り、「ペットボトルの水を鼻から入れようとした」あとに、あた
かも乙が甲に「セルシン6錠なので大丈夫」である旨告げ、甲が聞き入れなかったかのように装っ
て表示している。原判決は、同行為についての乙の供述内容が調書ごとに変化すること、激痛と
呼吸困難を誘発する「鼻から水を入れる」行為が乙の二通の司法警察員調書に全くないことの
不合理性を認めず、いかなる証拠にもよらず、同行為の事実の順序を恣意的に入れ替え、錯誤に
よる誤解を招く表示をなした.