女子に多い疲労性恥骨骨折
陸上競技の女子選手では、恥骨の疲労骨折が多くみられます。この場合の骨折では、足を着地するたびに「腰や足の付け根に痛みが響く」といいます。
女子選手の場合は、走っている時の背骨を中心とした腰の揺れ幅は、骨盤が広い分だけ大きくなります。そのため男子以上に、恥骨に繰り返して大きなストレスがかかります。
このため、大股にストライドを伸ばして走る女子選手や、長距離走でもストライド走法に変えたばかりの女子選手などは、とくに疲労骨折の危険性が高いといわれます。
鳥居さんは、女子における疲労骨折と骨密度、さらにはトレーニング量や内分泌系との関係を検討するため、長距離走女子選手(148人)について調べてみました。
その結果、女子では無月経を伴う選手が多いことに気がつきました。女性ホルモン(エストロゲン)の低下が、骨塩量や骨強度の低下をもたらし、疲労骨折を起こしやすくしていたのです。
「無月経や疲労骨折はハードなトレーニングによるもので、指導者においては適切なトレーニング管理が必要です」と鳥居さんは指摘しています。
http://health.biglobe.ne.jp/md/colum03/item15.html