★「オニババ」ってなに?医学的に高齢出産を考える
・妊娠、出産しないと、女性はオニババになってしまう―そんな呼びかけをした
本が売れている――「負け犬の次はオニババ?」と反感を抱く人もいる
だろうが、果たしてどんな意図で書かれたのだろうか。
「オニババ化する女たち」の著者、津田塾大教授の三砂ちづるさん(46)は、
女性の健康や途上国の保健を専門分野とする研究者だ。
同書は「日本の昔話に出てくるオニババは、社会の中で適切な役割を
与えられない独身の更年期女性が、エネルギーの行き場を求めて若い男を
襲うという話だったのではないか」と、性や生殖の見直しを提案する。
三砂さんは「日本でも戦後、医師主導の病院出産が奨励され、女性たちは
体やお産に関する昔ながらの知恵を失ってしまった。そのため、月経や妊娠、
出産は煩わしく、つらいものという否定的なメッセージが伝えられてきた」と言う。
「若い世代には、肯定的に女性である自分の体と向き合ってほしい。仕事も
大事だが、出産はできれば早い方がいい」と三砂さんは勧めるが、医学的には
どうなのだろう。
東京都江東区で婦人科クリニックを開業する丸本百合子医師は「体のことだけを
考えれば、出産には10代後半から20代前半が最も適している。ただ社会的
構造が変わり、体の成熟と社会的な成熟がずれていることを考えなければ」と話す。
しかし、丸本さんも出産を先延ばしにする傾向に懸念を抱く。「産まない選択をした
人は別として、いつか産みたいと思う人が、35歳くらいになって急に焦っても
うまくいかないこともある」
産科婦人科学会は「35歳以上の初産」を高齢出産としているため、「それまでに
出産すれば大丈夫」という風潮があるという。しかし、卵巣機能などは、年齢と
ともに低下する。
「高齢出産には、人生経験や知識の豊富さといった良さもたくさんある。いつ
産んでもいいですが、お産の素晴らしさを若いうちに経験してほしいという
気持ちはあります」(一部略)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041210-00000021-mai-soci