DV被害相談の女性が告訴状 男女共同参画元委員、容疑認める 道警
「無理やり乱暴した」
ドメスティックバイオレンス(DV)被害の相談に訪れた女性(三四)が、S市男女共同参画元委員(40)に乱暴されたとして、道警捜査一課に強姦罪で告訴状を提出、委員が「無理やり女性に乱暴した」と容疑を認める供述をしていることが六日、分かった。
道警は、委員の立場を利用した悪質な犯行とみている。
女性の訴えなどによると、元委員は三月二十七日午後六時ごろ、DV防止法による保護命令が出され、子供と一緒にS市の一時避難施設で生活していた女性の部屋を訪問。
室内で数時間にわたって酒を飲み、翌二十八日未明、「子供が起きたら困るだろう」と、女性が抵抗できないようにして乱暴した疑いがもたれている。
女性は昨年十二月三十日、会社役員の夫(四五)によるDV被害を相談するため同委員会を訪問し、元委員が担当となった。
この直後から、委員が「子供に、遊びに行く約束をした」などと執拗(しつよう)に女性を誘い出すようになり、女性が避難所に移り住んでからも、「職務上、部屋を見る必要がある」と言って度々、部屋に上がり込んでいたという。
女性は四月二十八日、捜査一課に告訴状を提出。これを受け、同課などは告訴状の受理を保留したうえで委員から任意で事情聴取しているが、委員は当初、「お互い合意の上での行為だった」と否認。
その後、「無理やり、乱暴してしまった」と容疑を認める供述を始めたという。
道警では、子供が寝ている目の前で犯行に及び、女性が抵抗できない状況だったことや二人の供述などから、強姦罪での立件の可否について慎重に検討している。