エリスロマイシンを代表とするマクロライド系抗生物質は、主にグラム陽性菌に対して抗菌力を持ち、
逆にグラム陰性菌には無効の事が多いため、βラクタム系の抗生物質と比較して抗菌スペクトルが狭く、
しかも耐性菌が多くなってしまっているため、抗生物質としての有用性は低くみられがちでした。
ところが最近では、本来の抗菌作用とは別の作用が存在することが明らかになり、俄然注目されるようになりました。
この件については後述します。
マクロライド系抗生物質の作用機序としては、「細菌の50Sリボゾームサブユニットと結合してタンパク合成を阻害する」ことによります。といっても、「何のこっちゃ?」ということになりますので、もう少し詳しく説明してみましょう。