1 :
エリート街道さん:
平成3年4月、安川は自分の頭文字を冠したイベント会社「NYプロダクションズ」を設立登記する。
いっぱしの青年実業家気取りだったが、経理が杜撰だった上、仕事ぶりもいい加減だったから、
たちまち取引先からクレームが殺到し、15万円の家賃の支払いにも窮するようになった。
金に困った安川は、飲み屋で知り合った別のイベント会社の社長に頼み込み、面接担当のアルバイトを始める。
アルバイトを採用するアルバイトという複雑かつ不本意な仕事だった。
新たな金づるを探す必要がある。そう思っていた矢先の5月半ば、かわいらしい顔をした女の子が、面接を受けにやって来た。それが池田美由紀だった。
すぐに採用の連絡を受けた美由紀は、安川から三連のネックレスなどをプレゼントされ、しきりに口説かれるようになる。
「僕がつくったオリジナルカクテルを飲んでほしい」
美由紀は酒が強かった。安川が大学の先輩であることを知った美由紀は誘いに乗り、薄野に近い安川のマンションに行く。
この時、カクテルの他にハワイで買ってきたというビタミン剤も飲ませられ、意識を失っているうちに強引に肉体関係を持たれた
――美由紀はそう主張するのだが、安川に言わせれば、「美由紀の方から抱いてくれと頼まれた」ということになる。
無期懲役か死刑か――生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされた2人の主張は、こんなふうにことごとく対立する。
「邪魔だから殺すべ」
大学が夏休みにはいると、美由紀は両親に「サホロリゾートで泊まり込みのバイトをする」と偽って安川のマンションで同棲を始める。
マンションの家賃を支払うため、8月からはクラブ勤めまでして安川に貢ぐようになった。
夏休み明けには、いったん家に戻ったものの、「一人暮らしをする」と言って再び安川の元へ舞い戻っている。
どうやら美由紀が安川に狂ったのは間違いなさそうだ。
「うちの娘と一緒なんじゃないですか」
美由紀から「実業家の先輩と付き合っている」と聞かされていた母親の泰子(45)は、携帯の番号を調べて安川に電話をかけてくるようになった。
「東札幌方面のアパートにいるようですよ。居所が分り次第ご連絡します」
安川は慇懃にそう答えたが、ほっとする間もなく、今度は父親の勝明(45)がマンションを訪ねてきた。
安川と美由紀は部屋の電気を消し、忍び足で歩いて居留守を使った。
その一方で、美由紀は両親が不在中に安川を連れて自宅に戻ることが何度かあった。最初に2人で家に行ったのは8月の暑い日だった。
安川は箪笥を開け、通帳や生命保険の証書などを見ていた。
預金の額はさほどでもなかったが、生命保険を受け取り、家を売却すれば、ある程度の金になるだろう。
安川はそう考え、秋になると、美由紀に両親の殺害を持ちかけるようになる。
「お前のかあさんは、俺が前に勤めていた会社にまで電話をかけて、俺がお前を連れ去ったと騒いだ。そのせいで、俺は恥をかいた。
常識がない。お前の家は、今はお前の親父のものだが、親父が死ねばお前のものになる。2人とも邪魔だから殺すべ」
初めのうち、美由紀は冗談だと思っていた。ところが安川は本気だった。この男は殺害計画の内容を「備忘録」に記していた。
スタンガンで両親を痺れさせ、車ごと岸壁から落とす――これが「小樽計画」で、10月14日と16日には美由紀も一緒に小樽まで下見に出かけている。
2人は現地を視察し、スタンガンの実験を繰り返したが、スタンガンが思ったほどの効果がなかったことから、次に「利尻計画」を立案する。
美由紀が両親を利尻旅行に誘い、フェリーのデッキから突き落として事故を装うという、これまた幼稚な計画だった。
不可解なのは美由紀の行動だ。どういうつもりでか、安川に命じられるまま、美由紀は両親に利尻旅行を持ちかける。
娘に戻ってきてほしい一心の両親は大乗り気で、勝明は勤務先に有給休暇を取りたいとまで申し出た。
日程の調整が付かず、この計画も結局は破綻するが、美由紀は安川の計画に常に協力する姿勢を見せていたのである。
続きは2で載せます
私は2ちゃんでこの事件を読んで両親が不憫で眠れません
同姓・・・・同棲では
3 :
エリート街道さん:01/12/22 11:08 ID:hhovdKPy
一の続き
--男と共謀「両親」を殺害した美人女子大生の「性生活」--
平成3年12月、深い雪に閉ざされた札幌市郊外の原野から突然火柱が上った。焼け焦げた車内から中年夫婦の死体を発見した道警本部は、
この夫婦の長女、池田美由紀(19)=事件発生当時、以下同=と恋人の安川奈智(24)を逮捕する。
幸福な家庭に育った真面目な女子大生は、なぜ自分の両親の殺害に手を染めたのか。「北海道庁職員夫婦殺害事件」の陰惨な内幕――。
「たくさんの人がいるから話したくないけれど、……でも、言います」
女がそう言うと、傍聴人たちは息をひそめて次の言葉を待った。法廷記者や裁判官までが身を硬くして女の方を見つめた。
モデルをしていたこともあるという女は、165aのスラリとした長身で、渡辺満里奈に似た美人だった。
「安川さんは縛って関係を持つのが好きでした。ガムテープで口を塞がれ、性器にカラオケマイクを入れられたことがありました。マイクの他にナスビやキュウリを入れられたこともあります。
SMクラブで一晩中吊るされ、犯されたこともありました。安川さんは“大人はみんなこうしている”とか、“こうしないと大人になれないんだ”と言っていました」
ポニーテールにした、まだあどけなささえ残る女の口から、まさかと思うような話が次々に飛び出した。そのギャップが何ともいえなかった。
「最初のうちは縛るだけだったのですが、そのうち“前からこういうことがしたかった”と言って、色々なことをされるようになりました。
『究極の選択』とか言って、尿を飲むのと縛るのと、どちらかを選べと言われ、選ぶと“お前が言ったんだからやれ”と、その通りにやらされました。
尿を飲まされたこともあるし、大便をはさんだパンを食べろと言われたこともありました」
――求められて、嫌がらなかったのですか。
「嫌だと言ったら“それならほかの女とやるからいい”と言われ、嫌だったけれど、しました。10月からは毎日のように乱暴され、そのたびに“ご主人様、ごめんなさい”と言わされました。
安川さんは“お前ためにやっているんだ”とか“大人のいい女になるには、こうしないといけないんだ”などと言っていました。
逃げよう、別れようと思ってみたけれど、彼のことが好きだったし、後悔するのが嫌でした」
女はまた、男が粗暴である点も強調した。一晩中、髪を引っ張られ、殴られた。プロレスの技をかけられたこともあったし、組み伏せられて怪我をし、大学に通えなくなったとも言った。つまり、男が悪いのだ、と。
女は常に明晰な言葉で話した。SM、飲尿、大便サンド、……倒錯した性関係がつまびらかにされるたびに法廷はどよめいたが、初公判以来傍聴を続けてきた法廷記者の何人かは、女の証言にむしろ疑問を抱いた。
暴力やSM、スカトロ話まで持ち出して理路整然と性的被害を訴える女に対し、男の方は言葉遣いも曖昧で、何を言いたいのかさえ分からないことも多かったからだ。
この言葉巧みな女が、あんな馬鹿な男の殺人計画に唯々諾々と従うものだろうか?
「お前のビデオや裸の写真がどうなってもいいのか」
犯行の直前、安川はそんな脅し文句を口にしたという。女はこれに怯えて殺しに荷担したというのだが、これだって怪しいものだ。何しろ、この女が同棲相手の男と一緒になって殺したのは、他ならぬ彼女の両親なのだ。
19歳の女子大生による親殺し――法廷記者たちの関心は、共犯関係にある男女のどちらが主導的な役割を演じたかの一点に集中していた。起業家を自称していた24歳の低能男か、その恋人だった被害者夫婦の実の娘か。
4 :
エリート街道さん:01/12/22 11:09 ID:hhovdKPy
誤字が多いのですがさらに続き
平成4年7月29日、札幌地裁第6号法廷で行われた公判は、結局、新たな疑問と後味の悪さだけを残して閉廷した。
安川奈智は伊達男だった。デザイナーブランドのソフトスーツを愛用し、ひと目で偽物と分るロレックスをはめて札幌市内のディスコやスナックで女を漁っていた。
バブルきに良くいた手合いだが、どういうわけか安川はの年増女たちによくモテた。見てくれはともかく、金はないし、頭の悪さが言葉の端々に窺えるといったタイプのどうしようもない男だったが、ともかく年増女にモテていた。
後の安川のマンションをガサ入れした捜査員は、薄野のママたちのアドレスがびっしりと書き込まれている手帳を押収した。この手帳を頼りに、複数のママに事情聴取した結果、いっぺんに謎が解明した。安川奈智は、優に20aを超す巨根だったのである。
平成元年に北里学園大学を卒業した安川は、英語教師の資格を取得していたが、教職にはつかず、起業家を目指した。これが、そもそもの間違いの始まりだった。バブルの最盛期に学生時代を過ごした安川は、一攫千金の夢を見ていたのである。
「20代で財を築いて、みんなを驚かせてやる」
巨根を武器に、金づると女を求めて夜の町をさまよった安川は、年増女たちを相手に寝物語に実現しそうもない夢を語った。安川に入れ揚げて三連の指輪を贈った有閑マダムもいるが、中には亭主殺しを持ちかけられた女もいた。
「旦那を殺して2人で逃げよう。見つからない方法はいくらでもある」
女は怖くなって安川を遠ざけた。すると今度は「旦那にバラす」と脅され、会社設立資金として1000万円出せと脅されたという。要するに、いつ塀の中に落ちてもおかしくない種類の男だったのである。
5 :
エリート街道さん:01/12/22 12:06 ID:uCsm7pL/
決行の夜
平成3年11月21日の午後7時半頃、薄野に近い吉田ビルで同棲していた2人は、9階の部屋を出た。
忘れ物がないか、安川はもう一度所持品をチェックした。絞殺用のネクタイ、ビニール袋、ガムテープ、布団カバーなどを入れたボストンバッグ。
必要と思われるものはすべて揃っていた。美由紀のショルダーバッグには、睡眠薬入りのお茶を入れたブランデーの瓶も入っている。
準備は万端だったが、机上の計画と現実度はまま食い違いが生じることもあるから、冷静に行動する必要があった。
何よりも重要なのは度胸だ。安川奈智はそう自分に言い聞かせた。
吉田ビルはオートロックの上に管理人もいる。管理人の目を避けて密かにビルを抜け出すために、安川はあらかじめ非常階段の踊り場に梯子を立てかけておいた。
エレベーターで3階まで降り、非常階段から梯子を使って首尾よくビルを抜け出した安川は、黒塗りの愛車クラウンで薄野の街を通り抜け、北区新川にある美由紀の自宅へ向った。
「いけねえ、携帯電話を忘れてきた」
早くもこの体たらくである。一瞬戻ろうかと思ったが、人目を気にしながら梯子を上り下りするのが面倒だったので、安川はそのまま車を走らせた。
「取りに戻らないの?」
「俺は外にいるから、親父たちが寝たらバルコニーから合図しろ」
美由紀の実家に着いたのは9時前だった。2年前に建てられたばかりの一戸建てて、1回の居間には明かりがついていた。
「お茶をちゃんと飲ませろよ」
美由紀を車から降ろす前、安川はそう念を押した。女が家に入るのを見届けると、安川は車で付近を走り回って時間をつぶした。
大学生の1人娘が戻ってきたのを見て両親は喜んだ。事前に帰ってくることを伝えられていた母親の泰子は、友人に「今晩、美由紀が家に来るのよ」と話していた。
美由紀は安川に騙されているのだ。両親はそう思い、美由紀が安川と別れ、家に戻ってきてくれることを心底から願っていた。
久し振りに両親と食事をとった美由紀は、睡眠薬入りのお茶を温めて湯呑みに入れ、「インドの痩せるお茶よ」と言って両親に勧めた。
当初は睡眠薬入りの酒を飲ませる計画だったのだが、泰子が酒を飲まないため、敢えてウーロン茶に変更したのである。
ところが、勝明がほんの少し飲んだだけで、泰子は口をつけようとさえしなかった。
両親が、2回の和室に上ったのは夜の11時ごろだった。
新川周辺を車で流していた安川が、美由紀の家の近くに戻ったのは、その30分後である。バルコニーにいた女に手を振ると、美由紀は頷き、外に出てきた。
「どうだ?」
安川は、自宅近くの路上で、新雪を踏みつけながら訊ねた。
「“親に会う気がない”と叱られたけど、睡眠薬入りのお茶を飲んで、もう寝ているわ。でも、完全に寝たかどうかは分らない」
「そうか、じゃあ、もう1時間待つか」
「お茶を勧めたら、羊羹を出されたわ」
「羊羹にはお茶が付き物だけど、まさかお前、お茶を飲んじゃいないだろうな」
「そんな馬鹿じゃないわよ」
日付が変わった午前零時半頃、再び外に出てきた美由紀は、クラウンの助手席に乗り込んできた。
「もう寝たか?」
安川が訊ねると、美由紀は頷いた。
「寝室で“お父さん”“お母さん”と呼んでも全然返事がない。もう熟睡していると思う」
「じゃあ、行こう」
安川はボストンバッグを手に、美由紀の後について家の方に向った。
1階居間の電気は消されていた。2人は居間にあったクッションを頭と肩に見立て、ネクタイで首を絞める練習をした。
台所から包丁2本と手ぬぐいを持ってきた。あくまでも絞殺するつもりでいたのだが、包丁は念のために用意した。
手ぬぐいは、首を絞める時に顔にかけるためのものだった。いかに安川といえども、間近に死に顔を見るのは嫌だった。
2人はネクタイと包丁を持って、2階に上った。
両親が寝ている和室は真っ暗だったが、目が慣れると北側に頭を向けた2つの人影が見えた。泰子が手前で、勝明はその奥で仰向けになっていた。もう後戻りはできなかった。
6 :
エリート街道さん:01/12/23 01:12 ID:m1vUXNZW
娘にアルバイトもさせられねえな
君が書いてる小説かなんかですか?
8 :
エリート街道さん:01/12/23 01:55 ID:m1vUXNZW
>>7 北海道ではちょっとした有名な話
有名高校出たての女子大生が遊び人の3流高校出身の社員につかまりついには両親殺しをしたというもの
9 :
エリート街道さん:
気持ちはわかるが
読むのが非常に面倒ではある