日没。
ちずこは時々その眺めに愕然とすることがある。
天空に紫色の雲が流れ、黒い鳥が二羽ねぐらへと急ぎ、
昼の威容を湛えながら最後の陽が落ちようとしている。
かつて人間たること全てを学ばんと決意したちずこにとって、
その光景は自分のちっぽけさ、求める道の果てしなさを認識させるに充分だった。
「しかし」ちずこは呟いた。「果てしがないからこそ・・・・」
「ちずこ」カーテンをしめた手に、そっと重ねられた手。
・・・・・性欲の匂いのする声だった。
その微妙なトーンを嗅ぎ取った彼女は、振り向いて無理にもくちびるに
ほほえみを形作ってみせた。
「もう他の者は帰ったよ」
男は、社長らしく洗練されたラフな服装をさらにゆるめるべく、ネクタイに手をかけた。
「さ、ライブカメラを止めておくのを忘れないようにな。
きみは、おりこうさんだから、そんな失敗はしないだろうけどな。」
「私に指示をされる時は、終業時間内だけに限らせていただきますと、
申し上げたはずですわ。」
「そうだ確かに(笑)。しかし、今はもう仕事は終わり。
ただの男と女ではないのかな?それは君が一番良く、知っているはず。
いや、君というより、君の体がな・・・・・」
「あ!!!」
すでに男のてのひらがちずこの体の線をなぞっていた。
「スカートをはいてくるように言ってあるじゃないか・・・?」
社長のくちびるを避けながらちずこはピシャリと言い返す。
「女性にスカート姿を強要することは、本来おかしいのですよ。
女性の意志によらなければならないはず」
「しかしちずこのスカート姿は、きっと良いに決まっているぞ・・・
そして、そうでない姿も・・・勿論・・」
「やめてっ・・・!!」
ドンガラガッシャーーーーーーン!
広告代理店のデスク上の雑多な物が手荒に取り除けられ、ちずこの
マグカップが床に落ちて割れた。
彼女は、その机の上、彼女自身が取りまとめた企画書が散乱する上に
あおむけに押しつけられた。
彼女が最も嫌う「男の腕力」そしてその力の前に彼女はなすすべもなかった。
ストッキングが、あっというまに下ろされた時、ちずこは恐怖を覚えた。
「も、もう、やめて下さいッ!!
一度だけならともかく、二度までッ・・・・!!」
「しかしあの時は君も随分喜んでいたんじゃないのかな?」
首のネクタイを抜き取ると、社長は以外なほど器用な手腕を見せて
ちずこの両手首を頭の上で縛り上げた。
冷たいデスクの感触に身震いするちずこの脚を、余裕で大きく割る・・・・
「いい加減にして下さいッ! あの時はあの時です!!
しかもあなたがジンライムをすすめすぎたせいじゃ・・・」
だがその抗議は、男の舌がパンティの中に入ってきた時、途切れた。
沈黙。
「・・・・フフフ君らしくないよちずこ。”あやまち”だろうが何だろうが、相手のせいだけに
するようなちずこじゃないはず。そうさ、君は確かに、これを望んでいるんだよ・・・」
「ぁぁ・・・・」「ほら声を出していいんだよ」
「ぁ・・・ぁ・・・ぁぁぁっ」「気持ちいいだろう?」
男の体がちずこの奥深く、ゆっくりと入ってきた。
まとわりつく愛液、からみあう陰毛、まさに性の饗宴です!!!(古館風)
ちずこは腰全体で感じていた・・・かつてないほどの快楽が約束されている予感に、
彼女は震え、わななき、自分自身を忘れて大声をあげた。
自ら腰を振ることを覚えたのはこの時からが初めてだった。
(面白い女だ)
男は、狂乱するちずこを眺めゆっくり腰を動かしながら、会心の笑みをもらした。
(表面では頑張っているが、結局かわいい女だ・・・・
抑えている反動もあるのか、セックスへの溺れ具合もかなりのもんだ。
コロリと変わるからな・・・
それにここの具合もかなりいい・・・入れてすぐはそうでもないが、感じ出してくると
入り口が強く締まってくる。中がうねるように吸い付いてきて揉み上げてくるこれはどうだ・・・
相当な名器かもしれんな・・・ゆっくり味わってみるか・・・)
つづく(おわりかもしんない)