■スレに人がいない人用のスレ第2話■

このエントリーをはてなブックマークに追加
406ちょっとイイ話
馬場馬術は、日本では競馬ほど一般的ではないが、欧米では馬術でメダル
を獲ることは大変な価値がある。その金メダルをアジア人としてただひと
りオリンピックで獲得した日本人がいる。名馬ウラヌスとのコンビで1932
年のロサンゼルス・オリンピック大障害に優勝した西竹一がその人だ。

金メダルを獲得した翌日のロサンゼルス・タイムス紙の一面トップ記事を
西竹一が飾り、同日、西はロサンゼルス市の名誉市民になったことでも
欧米での馬術の評価価値がわかる。ロシア公使の華族の家に生まれた西は、
欧米人によって「バロン西」と呼ばれた。

学習院初等科の頃から暴れん坊で有名だった西は、10歳で父も養母も失い、
家督を相続し、その後は金の力で人生を切り拓いてきた。前回のアムステ
ルダム大会で馬資源の不足を感じていた西に、1930(昭5)年、イタリアに
留学中の友達から「いい馬がある」との知らせが入り、西はさっそくその
馬を買った。体高180センチ(通常は160センチ前後)もあるウラヌスの力
強さに惚れ込んだ西だが、ウラヌスには血統書がなく、また大きすぎるう
えに暴れ馬でもあったため、イタリアでは手を焼き、もてあましていた馬
だった。