末永遥・2

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123長いからさげる
部活の練習が終った時は日も落ちて、外はすっかり真っ暗だった。
いつも通り帰り道に買い食いをして、小腹を満たしながら家に帰ると、
「なんかお兄ちゃんに来た手紙、食卓に置いてあるよ。」と妹が言うので、
「おう、サンキュ。」と、いつも通りの会話。

いつも通り父はすでに夕食を食べていた。テーブルの上にある葉書にはあて先が書いてなく、
「あれ?なんでオレ宛てに来たってわかるの?」と思い裏を見ると、きったない字で、
「ぷりち〜&らぶり〜遥ちゃん♥だいすっき。ぼくの頭の中はもうフルコンプした遥ちゃんで
いっぱいです。
どの写真もとっても満足。もう最高ですかー、最高でーす。うちの妹とトレードしたいっす。
プレゼントくらさ〜い♪」
と、書いてあった。

その葉書はオレが夜中に書いた、「はるかーど」の感想が書いてあるプレゼント応募葉書が、
送り先住所無記入のために配達されずに戻ってきた物だった。ピッタリ貼られた「はるかーど応募券」
がやけにまぶしかった。

そこから先の記憶はなく、もう家族と目を合わせる事ができない現在にいたる。
でもそんな事件は全く知らない、はるかーどNo.18の遥ちゃんは今日も優しく微笑んでいる。
チクショウ、チクショウ!