21世紀は上戸彩でいこうぞね Part97　

　冬の初めのある日･･････。私立日向女子高校に通う町田雛は、
授業をサボった折に保健室で顔見知りになったばかりの同級生・紅子と共に、
夜の繁華街へと繰り出す。
　だが、些細なことがきっかけで紅子と別れた雛はゲームセンターで一人
ゲームに興じる不思議な男・湖賀郁巳と出会う。
　その場の流れで何となく湖賀のマンションまで付いていった雛は、
湖賀から体を求められるかもしれないと不安に身構える。
しかし湖賀からは何もしないから朝までただそばで一緒に眠って欲しいと言われ、
結局、雛は湖賀と一晩を過ごす。
翌日、登校した雛は、新任の数学教師として教室に現れた湖賀を見て愕然とする。
だが、まるで雛の存在に気づかないかのように平然と授業を始める湖賀。
湖賀は、もともと文部科学省のコンピューター関係の技官で将来を嘱望されたエリートだったが、
わけあって、この高校の教師へと転職してきたのだった。
授業を終えた湖賀は、放課後、２年生の学年主任で英語教師の藤村に
構内を案内され同僚教師を紹介してもらい、高校教師としての第１日目を終え帰途に就く。
　ところが、そんな湖賀の後を雛が尾行していた。バスに乗り込んだ湖賀の隣に座る雛。
湖賀もようやく雛に気づく。
　こうして透明な冬空の下、夜の街で出会い、そして、
高校で再会した湖賀と雛の運命の歯車はゆっくりと動き出す。