息を吸うときに気管がふさがって呼吸しにくくなる喉頭)軟化症のため、定期的に
吸引器で痰を吸い出すことが必要な女児(5)とその両親が2日、「痰の吸引が
必要なことを理由に保育園への入園を拒んだのは違法」として東京都東大和市側を
相手に、入園を不承諾とした処分の取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こした。
原告は青木繁宜さん、待詠子(たえこ)さん夫妻と長女鈴花(すずか)ちゃん。
訴えによると、鈴花ちゃんは1歳のときに気管切開手術を受け、それ以来、気管への
空気の通り道を確保する器具を常時のどに装着している。このため、1〜3時間おきに
1回、細い管を気管に入れ、電動の吸引器で痰や唾液を吸い出す必要がある。
吸引が必要なこと以外に問題はなく、障害がある就学前児童が通う施設でも「十分に
保育園や幼稚園に通える」と言われていたという。だが、市立保育園への入園を
申し込んだところ、「吸引は『医療行為』で人的対応ができない」として不承諾とされたという。
原告側は「保育園には看護師が配置され、十分対応できる。吸引は家族でも容易にでき、
業務の負担にはならない」と主張。
市側は「看護師はいるが、鈴花さんは常時観察が必要で、集団保育のなかでは対応
できない」と説明。
厚労省によると、「痰の吸引を必要とする子を一般の保育園や学校に通わせたい」との
要望は自治体を通じて相次いで寄せられている。養護学校では吸引ができる看護師の配置が
進んでいるものの、普通の学校にはこうした措置はとられていない。このため、同省は吸引が
必要な子について「養護学校に通ってもらうのが基本」としている。(一部略)
http://www.asahi.com/national/update/1102/TKY200511020162.html ・市に300万円の損害賠償と入園を認めるよう求めて東京地裁に提訴した。原告側は「吸引は
本人や常駐の看護師で対応できる。カニューレが脱落する恐れもない」と主張している。(抜粋)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051102-00000018-maip-soci