インフルエンザ流行期に、治療薬タミフルの成分が下水処理場から
河川に放流された排水中に高い濃度で含まれていることを、
京都大流域圏総合環境質研究センター博士課程3年ゴッシュ・ゴパールさん(30)と
田中宏明教授らが突き止めた。
インフルエンザに感染している野鳥などがこの水を飲んだ場合、
ウイルスがタミフルの効かなくなる耐性になる恐れがあるという。
研究チームは、京都府内にある三つの下水処理場について、
放流水と処理場の上流、下流の河川水のタミフル濃度を測定した。
その結果、季節性インフルエンザ流行のピークにあたる
今年1月下旬〜2月上旬に、放流水で水1リットルあたり最大約300ナノ・グラム
(ナノは10億分の1)、下流の河川水では最大約200ナノ・グラムを検出した。
沈殿処理した下水を浄化する標準的処理を行っている2処理場では
タミフルの40%以下しか除去できていなかったが、標準的処理に加えて
オゾン処理もする処理場では90%以上除去できていたこともわかった。
人が服用したタミフルの約80%は、そのまま体外に排出されているとされる。