<鳥居みゆきAnotherStory〜天使になった女編〜>
ある朝目覚めると妻が鳥居みゆきになっていた
横たわっている妻は涙で枕を濡らしていた
妻は嗚咽をもらしては赤ん坊のような顔ですやすやと眠っていた
なぜだか僕も童心にかえった
僕らはずっとずっと前から一緒にいてまた二人いっしょになったんだ
みゆきはいつも会うたびに泣いてたっけな
何かを思い出すたびに「怖いの」って泣いてすがりついてたっけな
子供のように笑って子供のように泣いて
そのくりかえし
ずっとずっとそのくりかえし
知らない間に僕らはまた生まれ変わって
またいつの間にかある朝、きみはぼくの横でぐっすり眠ってるんだろう
こんな転生のくりかえしにふと僕の頭にあるアイデアがよぎった
ぼくは、みゆきを動画に閉じ込めた
翌朝、みゆきはぼくのそばから消えていた
みゆきはいろんな人に愛されいろんな人に憎まれ
いろんな人の感情を呼び覚ますようになった
みゆきはいろんな人のそばにいるようになって
ぼくのそばから離れ、天使になったんだ