芸人にまつわるちょっといい話#9

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ルート33を結成したての頃の話。
二人は、結成した後、周りがひくぐらい、漫才の練習をはじめた。
そのおかげで、ルートは結成間もないのに、同期の中でもメキメキと
頭角を現して、着実にファンを増やしていった。

そんな中、ルートは1日に2つ、離れた場所にあるイベントに出なければ
いけなくなった。時間の関係で、タクシーで乗り付けることに。
「こんないい待遇してもらえるんだから、自信作をやろう」と決めた
ルートは、会場についてすぐの登場だったけれども、前々から好評の
自動車のネタをやりきった。
すると、そのイベントが終わったあとのアンケートを見てびっくり。
そのアンケートには、「LaLaLaの新ネタぱくるなんてサイテー」と
書かれていた。そしてその夜、LaLaLaのたむらけんじに呼び出され
「お前ら、俺らの新ネタをパクったやろ! 謝れ!」と大激怒された。
スタッフから事情を聞くと、二人の自動車のネタと同じネタを、自分達の
出番より前に出ていた、LaLaLa(当時人気があり、イベントのメインだった)が
やっていたらしい。
自動車ネタは、そのイベントで「新ネタ」として発表したLaLaLaよりも
かなり前からやっている。そのため、益田はガンとして謝らなかった。
先輩は絶対という空気の中で、「生意気」「頭下げるだけでいいのに」と
言われても、益田はガンとして譲らなかった。
しかし、横にいた堂土は、その横で、ベッタリと頭を下げて、「すまんかった」
と、あっさり謝った。納得いかない益田は、あとで堂土に詰め寄って、
「パクったとしたら、LaLaLaの方やないか」と謝ったことを責めた。
堂土は「それは周りが決めることや」といって、新ネタを作り始めた。

532/2:2006/09/28(木) 15:26:12
結果、この一件が広まり、「パクり芸人」と「益田は性格悪くて生意気」という、
いわれのないそしりを 受けるハメになったルート33。それはかなり長い間続き、
先輩芸人に意味無くキツく当たられたり、イベント中にハリガネロック (元堂土の相方)
以外、誰もルートに話をふろうとしなかったり、同期イベントなどに呼ばれなかったり、
ということが続いた。 劇場でもイベントでも、実力は評価されているのに、かなり
冷遇される羽目にもなった。
それでもルートはネタを作り続け、練習を山ほどして、オンエアバトルに出られるまでになった。
そしてそれから、オンエアバトルのチャンピオンとなった時には、彼らの持ちネタの数に、
彼らを「パクり」と揶揄する芸人は、いなくなっていた。