278 :
名無しさん:
前に松本スレでうそつきよばわりされた件(教授のダウンタウン批判)
坂本龍一×天童荒太「少年とアフリカ」より
(日本人のモラルハザードについて話が進んだ後)
天童 なんででしょうね。
坂本 僕はダウンタウンのせいだと思う。
天童 面白くなってきた(笑)。
坂本 僕には、ダウンタウン理論というのがあるんですよ。
天童 そのこころは?(笑)。
坂本 ダウンタウン前とダウンタウン後で日本人の心は大きく変わった。
つまりね、ダウンタウンの原型は、僕らの世代にあるわけ。権威を信じない、笑いたい、失墜させたいというのは、一九六〇年代的でしょう?でもそれは、社会に権威があってこそ成り立つ方法で、六〇年代はそうだった。
でも、いまは反抗すべき権威はなくなっている。それなのに、なんとか権威を失墜させようとするあまり、倫理的な規範とか社会的なルールを壊そうとしてしまってるんだよね。
あれもこれも壊して当たり前、壊すのが普通なんだというところまで進んでしまうと、社会は崩れるしかない。いままで、面白おかしいかたちで、いちばん体現したのがダウンタウンだったと思う。
その前のお笑いを引っ張ってたのはビートたけしだけど、たけしの笑いの基本はやっぱり、挑発すべき権威というのがある時代のものだから、ダウンタウンとの間には大きな断絶があるよね。
279 :
名無しさん:2005/08/30(火) 21:59:23
天童 そのたけしさん自身が、一種の権威になってしまいつつあって、若い人からも年配の人からも尊敬される高みに、ご本人は不本意なんだろうけど、のぼってしまった。
そのあとのダウンタウンには、反抗するような権威がすっかりなくなっている時代状況だったから、社会通念とか、一般常識として人々を縛っていたものに対して、ユーモアをもって受け止められやすい大阪弁で、「おかしいんちゃうかい!」と言う。
いまの若い人の気分にそれがあっていたわけですよね。
坂本 挑発すべきものがなにもないところでやってるから、パフォーマンスとしての反抗にならざる得ない。
ここ二、三年のダウンタウンの芸って、年下の芸人をいたぶってるだけで、一言で言うと、「どんくさいやつをいじめてなにが悪いの」ってことでしょ。
天童 僕は坂本さんも共演されたアホアホマンの頃は好きだったな。あれと同じ恰好をした坂本さんは飛び抜けてるけど、それをやらせた松本さんもやっぱり天才だと思った。(笑)。
280 :
名無しさん:2005/08/30(火) 22:00:33
坂本 その頃はよかった。多少なりとも規範があった時代には、ダウンタウンの芸も新鮮だし、面白かった。
子どもがいきなり人を刺したら、異常な事件だと思える社会では、いきなり人をどつくダウンタウンは面白かった。
でも、いまはダウンタウンのやってることが、社会のスタンダードになっちゃった。
結局、子どもたちはみんなダウンタウンをやっている。だって、いまのいじめとか少年犯罪のパターンって、ほんとダウンタウンそのままじゃない?
松本人志はあのすごい才能で、そういう社会を啓示したんだよ。
天童 もちろん、ダウンタウン自身は、受け手の側の問題だと言うだろうし、自分たちが権威になることも望んでないでしょう。
281 :
名無しさん:2005/08/30(火) 22:02:05
坂本 それはそうです。
天童 ただ、彼らなりのおさまりどころが、いま意外と難しくなっていて、権威なんてなりたくない、なのになにを言っても妙に受け入れられてしまうし、尊敬までされはじめている。
独自のビデオ製作も、そうしたことへの苛立ちのあらわれだったのかもしれない。
最近は社会を攻撃しても、反発なんて来ないから、うすら寒くなるような拍手や尊敬を、なんとかかわしたり、ときには甘んじて受け入れたりして
―あのお二人には「なにぬかしとんねん」と怒られるだろうけど―
ダウンタウン自身が一生懸命「ダウンタウン」を演じている姿が見えるようなときも、増えてきた気がします。
坂本 「いじめてなにが悪い」から「人を殺してなにが悪い」に行き着くのは早い。そういう社会になったら、もうダウンタウンの存在意義はないわけだけど。
でも、さっき言ったように、権威に反発して、ルールがないことはいいことだと戦後最初に言ってたのは、僕らの世代なんだよね。いわゆる全共闘世代。
いま僕らの世代が親になり、教師になって、そういう子どもを育ててしまっている。
282 :
名無しさん:2005/08/30(火) 22:03:10
天童 ダウンタウン的なものって、かつては社会のメインストリームにはなり得なかったはずですよね。
でも、それがいまの子どもたちには流行になり、すでに目標でさえあるのかもしれない。
この先を考えると、ダウンタウンよりもうひとつ外れていた、言わば外れの外れにあった人たち―明るく「アホなこと言うな」とすら言えないような人たちが、メインストリームに出てくることもあるかもしれない。
それが僕が希望をもてるような、自分や他者の痛みなり弱みなりを、おだやかに受け入れていくアンチダウンタウンなのか、あるいは、いまはまだ異常だと思われている「人を殺してなにが悪い」っていう人たちなのかはわからないけど。
283 :
名無しさん:2005/08/30(火) 22:04:23
坂本 それについては、僕は、ダウンタウン前ダウンタウン後というのと同時に、オウム前オウム後の変容もすごく感じるの。
オウム真理教はああなってしまったから、もうオウムに入ることはできない。
けれど、オウム的な感性をもってる層は非常に厚くて、インターネットの世界を中心に増殖し続けている。
天童 ああ、その層は多いと思いますね。
坂本 そういう子どもは単に神秘的なものに関心があるかということじゃなくて、日常的に突出したことをするわけでもない。
バスジャックもしないし、松本のようにひとをどつきもしないし、オウムにも入らない。
でも、現実に適応できなくて、自分を見つめることもできなくて、なにかに導かれたがっているような分厚い層の広がりがあるような気がする。
284 :
名無しさん:2005/08/30(火) 22:06:36
>この先を考えると、ダウンタウンよりもうひとつ外れていた、言わば外れの外れにあった人たち―明るく「アホなこと言うな」とすら言えないような人たちが、メインストリームに出てくることもあるかもしれない。
それが僕が希望をもてるような、自分や他者の痛みなり弱みなりを、おだやかに受け入れていくアンチダウンタウンなのか、
(注:2001年3月初版。この時すでにアンガールズ、南海キャンディーズ、ヒロシなどの台頭を予言しいてるのが興味深い。)
285 :
名無しさん:2005/08/31(水) 15:26:06
>うすら寒くなるような拍手や尊敬
>オウム真理教はああなってしまったから、もうオウムに入ることはできない。
>現実に適応できなくて、自分を見つめることもできなくて、なにかに導かれたがっている
松本信者怖い。おれは松ちゃんをつまらないともおもわないが好きでもない。
ただ、2ちゃんねるでわかったのは松本信者は恐ろしいということ。
この書き込みのリアクションがどのスレにかえってくるかが証明になる。