お笑いバトルロワイアル〜No.10〜

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364佐木ビデ男 ◇9Ce54OonTI

「ぁっ、ぁ……ぁ」
 あたしの口からは、喘ぎというより意味のない言葉しか出てこなくなって、クライマックスを告げるドラムみたいな、連打される衝撃だけが胎内にたまる。体の内がいっぱいになってもまだ積もり続け、膨れ上がって出口を探している。
 腰が揺らぎ、足をばたつかせ、手が宙を掻いても掴むものはない。我慢できない尿意に近い、せりあがって弾けてしまいそうな大きな塊。
 大声で叫んでしまう。唇から咆哮が漏れてしまいそうだ。
 や、や、や……こんなすごいの、こわい。
 がくがくと体を痙攣させながら、指先でとらえた濡れタオルを、とっさに咥えた。
 うあぁぁぁぁ!!
 きつく噛みしめられるタオル。声にならないくぐもった音。溜まった力が一気に開放される。股間から頭のてっぺんまで、全身を貫き走っていく初めての激しい快感。ひくひくと震えて背を仰け反らせ、あたしは意識を失った。



「ちょっと! いつまでお風呂に入ってんのよ。直子!」
 怒声にも似た母の声が遠くに聞こえる。薄ぼんやりして夢の中のようだ。気づくと冷たい水が太腿を濡らしていた。
「あ……はーい! いま出るから」
 急いで起き上がったが、目覚めたばかりのようにふらついた。風邪をひきそうなほど体が冷えきっていたので、いったん湯船で暖まる。
達したばかりの秘部が、じんじんと痺れていた。あの怒り方からして、そうとう長い時間ここで呆けていたらしい。勘のよい母のこと、あたしのおかしな行動に気づいたかもしれなかった。