お笑いバトルロワイアル〜No.10〜

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363佐木ビデ男 ◇9Ce54OonTI

 雫を滴らせてお風呂からあがる。シャワーのコックから、水滴がぽたんと落ちた。バルブのパッキンが古くなっているのか、冷たい水が肌に当たり、体がびくっとする。
 シャワーコックを取り上げた。思いついて胸元に水を垂らしてみる。
 温度差に体が熱くなった。ぽつぽつと流れ落ちる雫に、震えた乳首が固くなりつんと勃起する。冷たいのに火照っていく不思議。手のひらに背中に、臍に太腿に、水滴がこぼれて転がる。足の間が濡れてくるのがわかる。
 指を太腿の隙間に忍ばせた。くちゅ。湿って暖かい体の中。この熱さを冷ましたい。
 頭の中が何かに憑りつかれたように、ひとつの想いだけが高まっていく。
 フックにシャワーコックを引っかけて、冷え始めた浴室の床に横たわった。さめていく体の表面の熱。昂ぶっていく体の中の熱。
 足を静かにくの字に折り、膝を立てる。糸状の水流が膝頭を叩き、内腿に細く垂れる。黒く縮れた茂みを濡らし、やがて体の左右へ、足の隙間へと筋になって伝わっていく。
 冷水を浴びせられた肌が魚みたいにびくんと跳ねて、背筋に淡い刺戟が走った。
今からやろうと思っている事は、この間してしまった馬鹿馬鹿しい行為と同じくらい、誰にも言えない。家族にも友達にも、ましてや好きな人には。
 あたしの体の奥に眠っている、感じたがりの獣を起こす前に、深呼吸をひとつ。膝を開いた。蜜が溢れ始めた襞を、細い流れが叩く。
「はぅっ!」
 不意打ちくらったように変な声を出してしまい、慌てて口を抑えた。晒された割れ目を水滴が叩く刺戟に、反射的に膝も閉じていた。
 どんなに細くても上から落ちる水流の勢いは、侮れないものらしい。透明なテグスほどに勢いを調節して、いま一度チャレンジする。
 敏感な芽に雫が間断なく突き刺さり、びりびりした電流みたいなものが、脳天まで突き抜けた。