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ざわざわとした昼休み。ベランダの柵に頬杖をついて、ぼんやりクラウンドを眺めている。眠くなってしまうほど、ぽかぽかしていい天気。
去年までは、あの場所に先輩がいた。スリーオンスリーでバスケに興じているのや、ひとりでランニングしている様子をずっと見ていた。
告白なんてする勇気もなかったけど、先輩が卒業してからもこうやっていつも見ていた。砂埃の中で先輩が会心のシュートを決めて、立っているような気がしたから。
いつからだろう。先輩の姿を探そうともしなくなったのは。
それはきっとあいつのせいだ。