お笑いバトルロワイアル〜No.10〜

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355佐木ビデ男 ◇9Ce54OonTI

「ちょっとぉ、まだなの? おかず冷めちゃうわよ」
「はいはーい」
 慌てて返事をして大急ぎで服を着る。こんなタイミングで母に部屋に入られたら一大事だ。
 で、どうしよう、これ。捨てるのもあれだし。
 抜き取ったばかりのチューブは一面にねっとりした液体で覆われて、ほわんと雌の匂いすら漂ってくる。とりあえずそれを小さなタオルでくるみ、カーディガンのポケットに押しこんだ。


 足早に下に降りて、洗面所にはいる。手を洗うついでにチューブも洗ってしまうつもりだ。
 タオルから取り出そうとして触れた途端、びっくりして取り落とした。
 温かい。
 生暖かいチューブの温度が、それが胎内にあったと告げる。さっきまであたしがえっちな遊びをしていたと。
 恥ずかしい。いたたまれない。
 ふと目の前の鏡を見た。頬を赤く染め困惑した表情の自分と、目が合った。