【2003・M−1】ちょっと待ったーと思う奴の数→
某漫才評論家の俺がM-1の各コンビの評価をしてみる。
『千鳥』
言ってることが聞き取りにくい。聞き取れなかったところもある。
ネタで笑わそうとしていない。観客が笑っていたのも、どんなコンビかわからないし、
これからドカンとこさせてくれるに違いない。M-1の予選を勝ち抜いてきたエリートだから。という期待があったからだ。
そして千鳥はその期待に答えることもなく、ドカン無しで、演技や勢いだけでほろっと笑わせただけで終わった。
最下位だったのも納得がいく。
>>180 それじゃぁー 他のコンビの解説もキボン。
『麒麟』
シモネタはあるが、ネタのおもしろさと、独自の空気を作っていたところがいい。ボケとツッコミ各々のキャラがよくわかった。
ツッコミもうまい。ネタの世界感がよく見えた。M-1一回戦ではいちばんおもしろかったと思う。
『アメリカザリガニ』
ツッコミががんばりすぎ。そのがんばりに、ネタとボケのキャラがついていかず、
結果ツッコミが浮いてしまう状態となった。
もっとボケにキャラをつければいいと思った。無口でたんたんと進行していくああいうキャラは
あのツッコミとは合わない。ネタ自体もあまりドカンとくるものではなかった。
二年前は中川家よりおもしろいと思っただけに、残念。
審査員
島田紳助、ダウンタウン、ウンナン
今田・東野、爆笑問題、くりーむしちゅー
さまぁーず、よゐこ、木村祐一
この辺でいいんでない?
『2丁拳銃』
初っ端にでた「タタタタータ」のネタが敗因。
長い時間を使ってタタタタータといい続けた彼らを見て、
観客の彼らに対する期待は消えて行った。ヒイタともいう。
「しゃべり」で笑わせずに、「アクション」に走る。
それは江頭2:50と同じである。
後のネタも「ややうけ」程度のレベルだったが、観客はタタタタータで冷まされていたので
「ちょびうけ」にしかならなかった。おれは幻滅した。
『りあるキッズ』
伸介も言っていたが、最後の三匹の子豚ネタがすごくおもしろくなかった。
「おーはらおーはら本気になったらコーロギ」のところで完全に冷めた。
キャラクターはしっかり持っている。昔ながらの漫才的な雰囲気も持っている。
しかし、ツッコミが「おもんないわ」とつっこんだ事はマイナス。
2丁拳銃も言っていたが、絶対に言ってはいけないツッコミである。
これを言うことで、笑っていた人も、笑うのをやめる。
それと話に無駄や矛盾があったのも残念。もっと考えつくしておくべきだ。
最初の、第一志望は大塚製薬ってところから、いきなり進学をめざしてるという話になって
矛盾を感じない人は少ない。最初の大塚製薬は言わなくていい無駄な話。
もう18歳ということで、幼さを使ったネタができなくなっている分、新しい成長が必要だと思う。
『スピードワゴン』
ボケに問題がいくつかあった。
さっちゃんネタで「さっちゃんはね・・・・・・」と長い話を始めたところで、観客は動揺してしまったはずだ。
それは最初に「つかみ」をまったくしなかったことと、ボケが、どんなキャラの人かが観客にはまったくわからなかったことだ。
自分達独自のリズムを持つコンビは、まずそのリズムに客を乗せなければならない。
さっちゃんネタは非常に個性の強いネタ。リズムにのせていれば、そのまま最後ドカンとくるが、
いきなり長い話を始めた彼らのリズムについていけなかった人には「ちょびウケ」程度の成果しか
上がらない。「早く笑わせてくれ」と思っている客にスローなネタを使うには難しい。
自分達はこういう芸風なんですよと最初に示しておけば、安心してネタを聞いていられただろうに。
『笑い飯』
ボケ&ボケで小ネタを出し合うスタイルは良いが、ネタの完成度が悪い。
まずロンゲの方は漫才慣れしていない感があり、安心して見れない。
ツッコむ時も、声が曇っていて聞き取れなかったところがある。
小ネタのいくつかに笑えないものを混ぜているところがいけない。
もっと考えつくして構成すべき。
「像の鼻が・・・静岡県静岡市の茶畑に・・・・」のネタはウケるはずがない。
「脱脂綿」の話を大声で叫んだ事もマイナス。客がひいた。後の冷静なつっこみで中和するつもりだっただろうけど、しきれていなかった。
しかし、「勢い」や、「観客を自分達のペースにのせること」には長けていた。ドカンもいくつかあった。
もっと「うまさ」を養い、ネタを考えつくすともっとおもしろくなると思う。
2位になって、あのネタで松本や伸介が票を入れているのには納得できないが、
ロンゲが床にはいつくばって「ええ土ー!!」と叫んだときが、M-1で一番観客が笑ったドカンだった。
『アンタッチャブル』
ツッコミにいくつか問題があった。
そういう芸風なのだろうが、攻撃的で暴力的な態度は、見ていてむかついてくる。
「三年寝太郎もびっくりするくらいね」は不自然。それにおもしろくない。
ネタも全体的に「ヤヤウケ」で構成されていた。ドカンは無し。
漫才はやはり一度以上はドカンを持ってこないといけない。
ネタの構成もこれといった特徴もなく、典型的感じがあった。
『フットボールアワー』
ボケとツッコミ各々(特にボケ)にしっかりしたキャラがあり、
開始一分以内で誰にでも2人のキャラがわかるようになっていた。
一回戦でボケが「ガーシャガーシャ」と写真の音を叫んでいたのはマイナス。
意味の無い濁音を大声で叫び続けると、観客にストレスをあたえてしまう。
「うるさい」と思われてはいけない。
ツッコミの方は、話方も受け方も勢いもうまかった。
勢いを抑えるところはちゃんと抑えて、行くときはおもいっきり行っている。
二回ほど噛んだことも、ネタにはそんなに影響しなかっただろう。
ドカンも何度かあった。
二回戦のSMタクシーはM-1で見た漫才の中で一番おもしろかった。
つかれた。
麒麟が一回戦で正等な評価を受けていれば、二回戦でフットボールアワーとガチンコになったんじゃないかと思う。