お笑いバトルロワイアル〜vol.8〜

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58雪乃丞 ◆h//D5xSzUA
それから会話が途切れた。斉藤はどうしても何が危険なのか聞きたかった。
しかし、あいかわらず矢野の顔はこわばっていて聞くに聞けなかった。
やはり歩くたびに見つかる死体。頭がなかったり、何かを訴えているかのように見えたり・・・・・。
また斉藤は泣き出した。
「・・・・・改めて言うけど・・・・やっぱり泣き虫やな。」
矢野が、泣いている斉藤を見て言った。やっと口を開いてくれたので安心した。
「でもな、もう泣くのやめ・・・・」
かぼそい声でつぶやいたが斉藤にはちゃんと聞こえていた。
声を殺して・・・・・やっぱり泣いていた。

「・・・・・・なぁ、何が危険なのか・・・・・教えてくれへん?・・・・・」
おそるおそる斉藤は聞いてみた。 ・・・・・・・・・・・。
矢野は何も言わない。・・・・・だろうな。
そのとき、急に矢野はピタッと止まり後ろを振り返った。
「お前に・・・・心配かけたないねん」
また早々と歩き出した。 心配?何が? 
斉藤にはなんのこっちゃわからなかった。

2人が歩く道はどんどん山の奥の奥へと入っていった。
「こんな山奥に小屋なんかあんのかい・・・・・・・」
徐々に不安がこみ上げてきた。でもやっぱり矢野の様子がおかしい。
だまってついていくしかなかった。