お笑い芸人を題材とした、バトルロワイアルパロディスレッドです。
■ローカルルール■
○書き手用○
・どのレスの続きかを必ず明記する事。文章の最初に >>レス番号 をつける。
・文中で芸人が死亡または同盟を組んだ、仲間になったなどの場合は、最後に必ずその旨を明記。
・文章が長くなる場合は、一度メモ帳やエディタで作成、確認してから連続コピペを推奨。
・長編になる場合は、このスレのみの固定ハンドルを使用する事を推奨。
・これから書こうと思う人は、必ず過去ログに目を通す事
○読み手用○
・コメント、感想、励ましメッセージ、注文などはsage進行もしくは感想スレッドに。
・書き手に過度の期待は厳禁。書き手さんだって、書けない時もあります。
○共通用○
・死んだ芸人は原則として復活禁止です。
・「あくまでもここはネタスレッド」です。まったりと楽しみましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
過去ログや関連のスレッドは
>>2以降を参照してください。
・・・こんな感じでいいのかな?
4 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/22 00:06
1さん、オツカレ&ありがとう。
一旦あげときますね。
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :02/01/22 00:08
お疲れ様でした。ありがとうございます。新スレあげ。
6 :
名無しさん@お腹いっぱい:02/01/22 00:08
お疲れ様1さん。
もう3かあ。。
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/22 00:12
>1
サンクス!
もう3だね。早いな〜
書き手さん達、いつも楽しませて頂いてるので頑張ってください〜〜
8 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/22 00:22
3まできたか
ごめん、スレタイトル・・・ロワイ「ア」ルにしてしまった。
つい癖で・・
これからも作家さん頑張ってね。応援してます。
10 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/22 00:41
このスレ、本気で目が離せなくなってきた。
11 :
白雪姫さん@小人いっぱい。:02/01/22 00:52
凄い・・・もう3だって。
12 :
白雪姫さん@小人いっぱい。:02/01/22 00:53
早速、内容全然進んでない話、ダラダラ
入れて良いですか?(ワラ
13 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/22 00:54
>>12 お願いします。
見たくてうずうずしてたので。
14 :
白雪姫さん好き!:02/01/22 00:55
カモン!
寝る前にのぞいてヨカター。
16 :
第11回放送:02/01/22 01:11
(これまでの死亡者、合体、武器情報等は前スレ
>>4-7、
>>13-14、
>>19、
>>273、
>>552、
>>556、
>>701-702)
前スレ702以降の死亡者
島田秀平(号泣)
伊藤 雅子・石井 愛(旧姓亀村) (共に元 VERSUS)
イヌがニャーと泣いた日
山田隆夫 大竹(さまぁ〜ず)
分離
ハリガネと野爆
合体
山崎とモリマン(笑)、爆笑問題田中と長井秀和
内村・くりぃむしちゅー組と清水ミチコ
見落としがあったらスマソです
part2.
>>795 突然かけられた声に、田中は一瞬反応が遅れる。
一拍間をおいて松本の声が届くと、田中は慌てて答えた。
「そ、そうですね・・・。あ!僕ちょっとこの辺見てきますわ!!」
そう言うと、田中はこれ幸いとばかりに立ち上がる。
しかしすぐに、松本の声に引き止められた。
「・・・待てや」
「は、とととと!は、はい!?」
勢いよく飛び出そうとしていた田中は、思わず2、3歩たたらを踏んだ。
振り返ると、松本が岩から身を起こしこちらを見ている。
松本はいつになく神妙な顔をしていた。つられて田中も真面目な表情になる。
「まぁ、座れ」
「は、はい・・・」
田中は松本の正面に腰を下ろした。
>>17 しばらく、沈黙が続く。
「どうしはったんですか、松本さん。なにか・・・」
空気の重さに耐え切れず、田中は自分から喋りだす。
しかしそれを遮り、ようやく松本が口を開いた。
「・・・ホンマは、キムが帰ってきたら言おう思てたんやけど・・・・・・」
「な、なんでしょう?」
「これから、どうするかについてや」
松本は、じっと田中の目を見て話し始めた。
「田中、お前はどうしたい?」
「え、僕ですか?僕は・・・・・・」」
>>18 聞かれて田中は口篭もる。
自分はこれから、どうするのか。
正直自分では、具体的には何も考えていなかった。
改めて訊かれると答えることが出来ない。
「僕は・・・松本さんたちについて行こうと思ってます」
田中は、それだけ返した。
「そうか・・・」
松本はふっと目をそらすと、岩陰から見える海の方を見遣った。
「俺もな、いろいろ考えててん」
「いろいろ考えて、そいで・・・・・・。
結局、どないしたらええかまだよう分からへんねんけども。
でもな、一つだけ、決めとることがあんねん」
そこで松本は小さく息をついた。
「このまま、普通には終わらしたらん」
>>19 「え・・・と、言うと?」
田中の問いかけに、松本が田中の方を向く。
「このゲームは、ここに折る奴らどんどん殺してって、最後に残ったもん一人が勝ちっちゅーもんやろ。
さっきから聞いとったら、みんな、どんどん殺していっとるみたいやな。
結構知っとる名前も挙がってきとる」
「・・・はい」
田中は思い出していた。親しかった先輩、同期の仲間、後輩たちの名前が放送で告げられた、
その時のことを。やるせない思いが込み上げてきて俯く。
悔しさにぐっと両手を握り締めと、伸びた爪が手のひらに当たって痛い。
「せやけど、それでええんかなぁ」
「え・・・?」
田中はぱっと顔を上げる。
「俺らは、何やねん。芸人ちゃうんか?
芸人が、普通に殺し合いしとって何がおもろいねん。
そんなんアホでも出来るわ。そんなんちゃうやろ?そんなん、ちゃうねん・・・
せやから、」
言いながら松本は、再び海に視線を戻していた。
「せやから俺が、
思っきりおもろくしたるわ」
今、死ぬ程真剣にアルチュン見てました(ワラ
前スレ
>>764続き
・・・こんな時に限って、誰も、現れない。
福田は、何の宛てもなく森を歩く最中、
小さな遊園地に通りかかった。
どうせ、歩いても向かう所はないのだ。
ならば、もう、歩きたくはない。
頭がぼんやりとして、何も考え付かない今、
どこかで、これからの事をゆっくりと
考えたかった。
福田は遊園地の入り口を塞いでいる
チェーンを力なく、またいだ。
ガチャン、という、乾いた音が、
静まり返った園内に響き渡る。
誰か。
もう、自分を殺してくれ。
福田は、この数時間、
そんな事をぼんやりと思っていた。
>>21ケンコバはやっぱ声いいですね。続き。
徳井の仇はとった。
自分のやりたかった事は成し得た。
もう、生きている、理由が無い。
そうは思っても、自分で自分の首を
掻っ切る様な真似が出来るほど、
福田はこの状況を割り切れている訳でもなかった。
「・・・ただの、根性無しや。」
そう、つぶやくと、福田は、並ぶ遊具の上に
へなり、と座り込む。
どさり、どさ。
その振動で落ちたナップザックから
バラバラと荷物が散らばる。
「あっ・・・。」
その光景を前に、福田の動きが止まる。
福田はここに来て初めて、このナップザックが
自分のものでないという事に気付いたのだ。
>>22 配給されたナップザックは色形共々、皆どれも同じで、
一目見ただけでは、個々の物は意外と判別がしにくい。
きっと、倉庫から出て行くとき、他の誰かのナップザックと
入れ替わったに違いない。
陣内の物か、コバヤシの物か、はたまた、たむらの物か。
・・・もしかしたら、徳井の物かも知れない。
ほんの僅かな期待を込めつつも、
福田は、荷物をかき集め、落ちたナップザックを拾い上げる。
まず、目に入ったのは、金槌と、釘だった。
「・・・ランディーズ?」
一瞬そう思ったが、そんな、万分の一の確率で
その様な持ちネタの武器が当たるとは考えにくい。
福田は持ち主が判らぬまま、更に、ナップザックを探る。
カッターナイフ、それから水の入ったペットボトル
ボールペン、それに、明らかに生活必需品ではないであろう
ゴチャゴチャとした訳の解らない玩具のような物と紙。
ナップザックのサイドポケットに膨らみを感じ
紐を解くと、中からは、煙草とライターが滑り落ちた。
>>23 はなからそんな期待を込めていたわけではないが、
これで、このナップザックの持ち主が
我が相方ではないと言う事がはっきりとした。
ころがる煙草の銘柄は、相方のマルボロでなく、
セブンスターだった。
福田は、足元の煙草を拾い上げる。
「セッタ、って事は・・・コバヤシさんかな?」
この、要らないガラクタだらけのナップザックの
中身から考えても、恐らく、一番妥当な線であろう。
事もあろうに、憎き敵の物と間違えて持ってくるなんて。
福田は、自分の不運を嘆くかのように、がくりと
首をうな垂れた。
やっぱり、駄目だ。
全然、駄目だ。
「・・・ははは。」
間抜けな自分に、急に笑いがこみ上げてくる。
「ははははははははは・・・はぁ。」
福田はひとしきり笑うと、ぼんやりしていた
頭が漸く冴えてきた。
>>24 「・・・こんなとこでウダウダしてても、埒あかんわ。」
徳井君を探しに行こう。
せめて、探し出して、花でも手向けてあげたい。
最期まで、やりとげないと。
死ぬ事ばっかり考えていては、きっと、徳井に笑われる。
決意を込めた福田の表情は、疲れてこそいたが、
もう、先ほどの死んだ魚のような、目ではなくなっていた。
さあ、出かけるか。
時間は待ってくれない。
何も武器はないけれど、今なら何とかなる様な気がする。
徳井と再会するまでは、きっと、彼が守ってくれる。
もちろん、それは何の根拠もない自信だけれども。
立ち上がったその時。
・・・あれ?
冷静なった頭に、突然過ぎる一抹の不安。
>>25 ・・・武器が、入っていない?
おかしい。
コバヤシの口ぶりだと、どうやらコバヤシは
徳井以外にも数人の者を襲って、数々の物を
手に入れている筈だった。
が、このバックには、凶器と成りえるのは
カッターナイフと、金槌のみしか入っていない。
しかし、その金槌には、使った形跡が全く無く、
ほぼ新品に近かった。
カッターナイフも、かなり小型の古い物で、
硬い物を削ろうならば、今にも折れてしまいそうな
もろい刃である。
これだけ・・・?
福田はそんなはずは無い、とカバンの中を再度探る
が、やはりこれといって、凶器になるものは、
ナップザックから出てこない。
菅の話では、徳井はナイフで滅多刺しにされた、と聞いた。
そして、菅の手負いの傷から考えて、
コバヤシは少なくとも銃を持っている筈だった。
だから、自分は、対抗すべく、菅からライフル銃を借りたのだ。
>>26 ナイフはまあ、小さい物ならポケットにでも入るだろう。
しかし、カバンの中には銃も見当たらない。
普通に考えて、いつ、誰に襲われるか解らないこの状況下では、
逃亡にも備えて、銃の一つくらいは、直ぐに持ち運べる、
ナップザックに入れておくものである。
例え、銃弾がなくなってしまい、使えなくなったとしても
陣内ならともかく、ある程度頭の回るコバヤシなら、
空になった本体を捨てる様なバカな真似はしない筈だ。
>>27 福田が考えを巡らせているその時、背後に何かの気配がした。
その気配に、ゆっくりと、福田は振り返る。
誰も居ない。
でも、眼下に微かに入ったもの。
重なり合うように、横たわる、男女の死体。
その横には、小さなベニヤの板きれ。
福田はそれにゆっくりと、一歩づつ近づく。
距離を経るにつれ、その死体が、
かつみさゆりの2人であることは即座に解った。
が。
これが人間の六感、というものだろうか。
何か、大きなとてつもない、恐ろしい予感にひかれ、
福田は2体の死骸の前を通り過ぎると
まるで何かに惹き付けられるかの如く
側に、ぽとりと落ちているベニヤを拾い上げた。
福田は軽くそれの土を払い落とすと、そっと、板を裏に返した。
「・・あ!」
>>28 そこには、baseメンバーの名前が、びっしりと
油性マジックで綴られていた。
先輩から順に、何人もの見知った名が書き綴られたその板。
もちろん自分の名前も、徳井の名前も、書き込まれている。
しかし徳井と自分の名前の書き方で、決定的に違ったもの。
それは、
徳井の名前の上にはナイフかなにか、鋭利な物で
幾度も切り付けられた後があるという事。
キンコンの西野の名の上にも同じような傷がついている。
最初、福田は、放送であった、死亡者の名を、
baseメンバーの誰かが一つづつ消していった
板なのだと思った。
しかし、よく見ると、フジワラの2人や、梶原、
他、何人かは上に『死』というマークが
マジックで書き込まれている。
この傷は、死、という意味ではないのか?
そして、その、beseメンバーの名の下には、
後から付け加えたかのように、小さな字で
『番外編・かつみさゆり』と書き込まれていた。
その名の上には、もちろん、例の傷。
>>29 福田は、その瞬間、目を見張った。
かつさゆの名の下に、何故か
自分の名前。しかも、名の上には、ハートマーク。
そして、その福田の名の横に、陣内の名と
信じられない言葉が付けたし、綴られていた。
混乱する頭。
解りたくない。
だが、気付いてしまった。
こんな筈はない。
これは幻覚だ。
夢だ。
なんども、自分に言い聞かせた。
でも、どれだけ逃避しても
これがどうやら真実らしい。
>>30 これで、全てが、つながった。
頑ななまでに、
「コバヤシは殺していない」と必死で
否定し続けていた陣内。
殺されかけているというのに堂々として、
命乞いすらしなかった小林。
「コバヤシが殺した」と認めた陣内が、
何故かずっとコバヤシに謝り続けていた訳。
これで、不思議だった点が、全て、つながった。
カタン!
福田の手から、ベニヤ板が滑り落ちる
目は、見開かれ、喉が一気に渇ききった。
手は、ガタガタと異常なまでに震え出し、
なによりも、その時の福田の顔は、
紙のように白かった。
>>31 福田は、その瞬間、何も考えず、すぐに走った。
荷物も持たず、もの凄い勢いで、走った。
森の中を、草むらを、走って走って。
元来た道を、もの凄い勢いで走り抜ける。
草木で服や体が切れ、血が飛び散る。
しかし、そんな事には気付きもせず、走った。
ああ、どうして自分は気が付かなかったのだ。
どうして、いとも簡単に信じてしまったのだ。
人を積極的に襲うような人間が
抵抗もせずに、殺されるはずがない。
『気にするな、それでええ。』
コバヤシの、最期の声が、頭の中に響きわたる。
あの時、彼は、どんな気持ちだったのだろう。
あの言葉は、陣内一人に向けられたものではなく、
いつか、本当の事を知ってしまった、福田の為にも
投げかけられた言葉だったのだ。
俺は、俺は・・・何もしていない
コバヤシさんを・・・殺した!
>>32 福田が去った、園内に、ごおおっ、と風が吹き荒れる。
一つ、ぽつんと残されたベニヤ板には、マジックで
はっきりとこう、綴られていた。
『一石二鳥徳井復讐大作戦実行中・
福田さん、ガンバレーvv陣内さんガンバレー!』
そして、そのbaseメンバーの名前リストの中には、ただ一人
菅の名前だけが、なかった。
前スレ
>>798の続き
「・・・誰や。」
男の口から低く重い声が漏れる。
「渡辺です!渡辺鐘ですよ!」
渡辺がそう返すと、その男ははゆっくりと顔をこちらへ向けた。
その顔は確かによく知るジュニアだった。
しかし・・・
冷たく沈んだ目。
暗く澱んだ生気のない表情。
渡辺は背筋がゾクッとするのを感じた。
-----この人・・・・生きてんのか・・・?
昔からなじみの男である。
尊敬すべき先輩でありながら、良きライバルだった。
お互いに才能を認めあう心を許せる仲。
こんな時に出会えたらうれしい、はず、なのに・・・。
ジュニアを包む重苦しい空気に押され、渡辺はうごけなくなっていた。
>>34 「渡辺・・・おまえ・・・」
ジュニアの声に渡辺ははっと我に返り、歩み寄った。
「ど、どないしよってんすか。なんかあったんですか?」
近付いてみると、ジュニアの頭や肩には白く小さな氷の結晶がつもっていた。
濡れたままでいた為、夜の森の空気に冷やされたのだろう。
ジュニアは渡辺に目もあわせず、投げやりに呟いた。
「・・・・何もないわ・・・何もないねん」
その時、渡辺はセイジの名前を告げた放送を思い出した。
この男の兄であり相方でもあるセイジはすでに何者かにより殺されていたのだ。
-----あぁ、そうだった。この人は・・・・。
ふっ、と渡辺の表情から緊張が消えた。
>>35 渡辺はジュニアの目を覚まそうと、肩に手を置いて静かに語りかけた。
「ここ危ないっすよ。何かないかと思ってうろうろしてたんですけど、ろくなトコやないです。
すぐそこに山下も居るんですよ。ってお前今さらジャリズムやんのかい!みたいなね。」
渡辺は昔よくやったように、ジュニアに向かって悪ガキっぽくはにかんでみせた。
「一緒に行きましょう、ジュニアさん。昔よく家来たやないですか。」
「・・・もうええねや。」
空ろな目のままそう呟くと、ジュニアの体は糸のきれた操り人形のように崩れおちた。
「!」
渡辺はなんとか抱きとめたが、ジュニアは力なくうなだれたままだった。
肩に寄り掛かる長身でガリガリの男。
渡辺は大阪時代ミナミで一緒に夜遊びした事を思い起こし、懐かしそうに微笑んだ。
>>36 「大丈夫っすよ。きっと。今までやって来ましたやんか・・・。」
二人の男は夜の森の中をゆっくりと歩き始めた。
【元ジャリズムコンビから渡辺一時離脱、千原兄弟Jr.と合流】
前スレ
>>684 の続き
一方その頃、宇治原は菅の行方を捜していた。
あれから街へと向かったものの、そこは略奪と殺戮で大混乱に陥っており、とてもではないが菅を探すどころの話ではなかった。
街のそばの林の茂みに隠れながら、レーダーのスイッチを入れてみる。閉鎖が迫っているせいだろう、いくつもの点が街の外へ向かって移動していた。
(この中のどれかが菅かもしれん・・・くそ、どれや!?)
まるで見当がつかない。宇治原は舌打ちしながらレーダーのスイッチを切った。
(こういう時は機械よりも頭で考えるしかないか・・・)
とはいうものの、菅がどこで何をしているのか、まるで見当がつかない。
(待てよ。もし、オレがあいつやったら、今どうしているやろう・・・?)
宇治原は考えてみた。
菅は前日、後藤の銃撃で手を負傷している。傷が癒えるまではなるべく、いや絶対に派手なアクションは起こさない。むしろ、戦闘は避けたいくらいだ。
(案外どこかでじっとしているんとちゃうか・・・?)
とすると、平原に出るとは考えにくい。身を潜めやすい森か山に逃げ込んだ可能性が高い。途中で隠れ家になるような小屋や洞窟が発見できれば、そこに身を潜めるだろう。
(よっしゃ。とりあえずはその線でいこう。)
宇治原は、森の中を捜索しながら通り抜け、山を目指すことにした。
前スレ
>>545 の続き
空は、落日の時を迎えつつあった。
島の東側にある山の頂きに立つ男が一人。
男は、手にしていたスピーカーの電源を入れると、大きく息を吸い込んだ。
次の瞬間。
「川島あー――――ッ!!」
藤井隆の声が、島中に轟いた。
「麒麟の川島!!お前よ!聞いてる?田村は私が預かったわ。返して欲しければ明日の夜、森の奥にある遊園地にいらっしゃい!!来なかったら相方の命はないわよ!」
藤井は一呼吸置くと、さらにこう続けた。
「それから野次馬は容赦なく殺すわよ!命が惜しければ遊園地には近づかないこと!いいわね!」
藤井はスピーカーを地面に置き、カバンの中に入れていた手書きのビラの束を空に向かって投げ捨てた。ビラには、たった今藤井が叫んだことと、同じ内容が記されていた。
たちまち風に乗り、島中に散らばっていくビラ。その光景を眺めながら、藤井はで唇をなめた。
「準備完了♪いよいよね、川島・・・・・・」
狂気に満ちた決戦の火蓋が切られた――――
>>33一応キリ番。続き
「はあっ・・・、はああっ・・・っ。」
福田が漸く、元の倉庫がある丘に辿り着いたのは、
時計の針が、丁度、午前10時を切った頃だった。
何時間も走り続け、足は、感覚を無くしている。
息をする度に、ヒュー、ヒュー、と喉や肺に
冷たい感覚が残り、気分が悪い。
酸素を欲した呼吸器官が、空気をさかんに吸入する為か、
喉が異常に渇ききり、粘膜と粘膜が引っ付いて
苦しくて。
それでも、福田は足を休めなかった。
よろよろと、しかし、着実に一歩づつ倉庫に向かい
地を蹴り、足を進める。
「はあ・・・っ、はあっ・・・どこ・・っ?」
とうとう、目的地に辿り着いた福田は、ぐるりと
倉庫内を展望する。
しかし、そこには既に人の姿はなく、
冷たい地面に昨日の惨劇を物語るかのような
生々しい血痕だけが残されていた。
>>42うわ!42番!続き
とりあえず福田は、そこで一旦乱れた呼吸を整える。
「・・・っ・・・、遠くには・・・行ってないよなっ・・・」
異常な喉の渇きに、吐き気さえしてくる。
しかし福田には、ゆっくり休む暇などなかった。
福田はまだ酸素が行き届かずに、ふらつく脳を
必死で回転させた。
最期に見た、陣内は、呆然としていて、
とても動ける様な状態ではなかった。
陣内があんな状態である限り、
まだそんな遠くには行っていない、
いや、行く事が出来ないのは確かであろう。
ならば、一体何処に。
ふ、と視線を、窓の外の緩やかな谷へと送る。
小さな、煙が谷の底で上がっている。
それはモクリ、モクリ、と上がっては、風に紛れて、
消えてしまいそうな、頼りのないもので、
人目に付きにくくはあったが、
この倉庫の位置からは、簡単に確認できた。
>>43 急いで、福田は、倉庫の外へと飛び出すと、
建物の反対側に回り込み、谷を降る。
長い草に足をとられ、転びそうになりながらも、
その斜面を一気に駆け下りる。
しかし、先ほどまで筋肉を酷使していた為だろうか。
濡れた草に足が滑ってしまい、
福田は削れた急斜面をもの凄い勢いで
転がり落ちる。
「・・・った・・・。」
しかし、その急な坂を降りてみると
唐突に視界が開け、福田の目には焼却炉が飛び込んできた。
「そうか、火葬しようと・・・」
ならば、陣内達はまだ
ここに居るかも知れない。
福田は、焼却炉に向かい、走った。
走って、走った。
>>44 会って何を言おうか、
どうすればいいのか。
殺される、かもしれない。
でも、それでも良かった。
許されないのは解っている。
死んでも、きっと償いきれない。
それでも、謝らないと
絶対に、謝らないと。
コバヤシに、
陣内に、
たむらに、
そして、徳井にも。
焼却炉の近くに人影が見えた。
福田はそれを目にして全速力で駆け寄る。
たむらだ。
焼却炉の前には、たむらが、
蹲るように座っている。
「ったむらさん・・・!!」
呼びながらも、福田は最期の20mもない距離を
一気に走りぬく。
たむらは、気付いていないのか、振り返らない。
漸く、焼却炉の目の前まで辿り着いた福田が、
たむらの肩を、がしっと、掴み、我が方向に向かせ、叫んだ。
「たむらさん!おれ・・・おれえっ!」
ふらり。
同時に、たむらの体が揺れた。
思わず福田は、その体を支えた。
「!!!」
どさり、と倒れこんできた、たむらの胸と腹は、
大量の血で、真っ赤に染められていた。
「たっ・・・たむらさんっ!!!!」
突然の出来事に思わず福田は、悲鳴をあげた。
>>41 の続き
川島の耳に、どこからか声が聞こえた。
(タムラ・・・・・・・・・?
アイカタ・・・・・・・・・・・・?)
川島は激しく身を震わせた。
頭の中を、2つの言葉が幾度となく反芻する。
胸が、しめつけられるように痛い。
「ウオーーーーーー!」
川島は、持っていたアーミーナイフで、周囲を狂ったように切りつけた。
タムラ。アイカタ。俺にとって大事なもの。
しかしいくら考えても、頭の中に”それ”の映像が浮かんでこない。
「明日の夜・・・・・・遊園地・・・・・・・」
川島は、よろよろと歩き出した。
何故かは分からない。しかし、明日の夜はどうしても遊園地に行かなければならない。行かなければ――
やがて日が沈み、闇が島を侵食し始めた―――
>>46吟醸生さん、何だか交互でスミマセン。
こっちの田村はタムケンです。続き
たむらの体は小さく、カタカタと、震えていた。
目を、ぎゅっと閉ざし、痛みに耐えるかのように
苦悶の表情を浮かべている。
「・・・たむらさ・・・。」
福田の震えたその声にうな垂れていた
たむらはピクリと反応し、薄く、瞼を開いた。
「お・・ま、ぐふっ・・」
喋りかけて、たむらは、その口から血を吐いた。
げほげほと咳き込む、たむらの口からは、
真っ赤な血が、何度も飛び散り、
福田の膝を濡らす。
福田は、泣きそうだった。
手も、足も、体中が震えて、声すら、満足に出せない、と。
ガシリ!
たむらの手が、ブルブルと、わななきながら、
しかし、もの凄い力で、福田の襟首を掴んだ。
「お前っの・・・せいや・・・!」
たむらは、体をわなわなと震わせて
搾り出すように、低く、くぐもった声を発した。
憎しみがこもった、地を、這うような声。
たむらはブルブルと、震える手で、更に
福田の体を、もの凄い握力でガシリと掴みあげた。
「っつ・・・」
普段のたむらからは想像出来ないほどの、
憎悪に満ちた、形相。
そして、血走った、たむらの両の目じりからは、
ボロボロと、大粒の涙が幾筋も零れ落ちた。
「全っ部・・・何もか、も・・・っお前のせえやぁあ!!」
そう叫ぶと、たむらは、近くに落ちていた大きな石を拾い上げ、
福田の頭めがけて殴りかかった。
福田はそれを避けなかった。
もう、ここに来るまでに自分は覚悟を決めてきたのだ。
ギュッと目を閉じ、
福田は、石が自分の頭を砕くのを待った。
前スレ>684より。
菅の真後ろを歩く高井が、菅の行動を見逃すはずが無かった。
ポケットから取り出され、手に握られるその黒い影。
森は薄暗くあまりはっきりと見て取れなかったが、
明らかに殺意を持って向けられるそれに、自分の目を疑った。
一番前を歩く中川は全く気がついていない。
今なら、まだ間に合う。
高井は手にしていたコルトを菅に向ける。
菅も高井の行動を見ていなかった訳ではなかった。
やはり、狙ったとおりの行動に出た。
(かかりましたね。高井さん。)
あえて気付かないふりをして顔を伏せ、菅はにやりと笑う。
タイミングは今しかない。
高井が引き鉄に指をかけ引く寸前に行動を起こす。
菅の心の闇など知らないまま。
震える高井の指が、引き鉄を…手前へと…引いた。
>51の続き
「危ない!」
菅は無理やり中川の服をつかみ横へ突き飛ばす。
そして直ぐに森の静寂の中に響きわたる銃声。
「わぁっ!菅、お前……」
急に突き飛ばされ、中川は藪の中へと倒れこむ。
藪がクッションとなり、大した衝撃はなかった。
「いたたた…菅〜何やっとんねん〜…」
中川は大げさに頬をさすりながら、藪の立ち上がる。
だが、菅はいたって深刻な顔のまま残酷な事実を伝える。
「高井さんが中川さんの事狙おうとしてたから…
俺…助けなくちゃって思って……すいませんでした。」
菅は何度も中川に頭を下げた。
「…お前、本気か?」
嘘だと思った。いや、嘘だと思いたかったのに。
中川には高井が自分を狙っていた事が信じられなかった。
だけど、一度沸いた疑惑の種は確実に心の中に根付いてゆく。
>52の続き
「いや、そんな事ないって、逆に菅がお前を…」
いつもの中川なら、あまり深く考えずに話を流してしまう。
しかし、今は場所が違う。
こんな状況下の中、一度疑われたという事実が、高井の心を深くえぐる。
「俺が、中川さんのこと殺したいとか思ってるわけないじゃないですか。」
今にも泣き出しそうな瞳で中川を見る菅。
その目に嘘は一つも感じられなかった。
「菅がそんなこと、思うわけないやん…。俺らの後輩やで?」
「中川…お前、騙されんなや!!」
流した涙を指で拭い、中川の後ろに隠れまた嗚咽をあげる。
「もう、いいです。俺のことなんて信用してもらえへんで当たり前ですよね。
こんな時に…でも俺は…二人の事信用してたから今こうやってついて来たんですよ?」
「高井君、もうええわ。その手に持ってるピストルがまだこっち向いてるのは何でや?
しかも、一回撃ったんやろ?いつか自分も、俺を殺そうと狙ってたんやろ?
そりゃ、そうやわなぁ。ここで勝ち残るのは1人やから。
誰だって、自分が生き残りたいわなぁ…。」
>54の続き
何時も温厚そうに笑う中川の初めて見せた冷たい、目。
自分に対して見せたのは初めてだった。
長い間コンビを組み、信頼も十分築いて来た筈なのに。
中川の冷たい目が、その積み重ねてきた時間を打ち砕く。
「違う…俺のこと信用できへんのか?
何年も一緒にコンビ組んでるのに、信用してくれへんのか?」
「この状況下において、人を信用する事が、
どれだけ愚かな事か知っててそんな事言うんか!」
ずっと中川を信用してついてきた高井は中川の言葉に
ショックを隠しきれないでいた。
握られたコルトが小刻みに震える。
「菅!お前が…お前がおらんかったら!!」
ガタガタと震える手で高井は菅に銃口を向ける。
震えて上手く狙いが定まらない。
………だけど。
銃声が高井の方ではなく、別の場所でおこる。
そして…同時にその場に崩れ落ちる高井。
>54の続き
「ッ……中…川…」
高井の目には銃口を自分に向けた中川が映っていた。
その光景が高井には信じられなかった。
ごちゃごちゃになる頭の中。
…でも。中川が自分を撃ったという事は覆しようの無い事実だった。
信じていたのに。
ずっと、信じていたのに。
何があっても、お前なら裏切らないと信じていたのに。
何度も、そう高井の頭の中で繰り返される。言葉。
「ごめんな。俺、もうお前の事、
信用できへんようになるかもしれへん。
そんな事になる前に、俺の中のお前との思い出、
キレイなままで終わらせたかってん…。」
相方を、この手にかけてしまった。
ただ、その事実だけが中川の心に重く圧し掛かる。
多分、この事は一生心を縛る枷に…なる。
>>50 が、
しばらくしても、石が頭を直撃する気配はなく、
福田は恐る恐る、瞑っていた目を開けた。
そこには、殴る一歩手前に、
自分の目の前で息絶えてしまった、
たむらの姿があった。
たむらの、顔は、先ほどの、苦悶の表情からは、
想像もつかないほど穏やかなものになっている。
「たむらさん・・・何で・・・。」
一気に力の抜けた、福田の目から
涙が一筋零れ落ちる。
コバヤシを殺してしまった上、
たむらまでもが、自分の目の前で、
自分を恨みながら、死んでいった。
訳が解らなかった。
一体、何が、どうなって、こうなったのか。
陣内の姿も、見当たらない。
でも、一つだけ解った事は、
自分のしてしまった事の、重さ。
>55の続き
「中川さん……」
「菅、いこか。あいつの苦しんでる姿…俺見られへん…。」
苦しむ高井から目を逸らし、中川は高井に背を向けた。
だが、菅は振り返ることは無かった。
「…中川さん、真実から目を逸らしちゃ駄目ですよ。
高井さん、苦しんでるの中川さんのせいでしょ?」
「菅?」
「コンビだったら、苦しみも分かち合わなくちゃ…ね。」
菅は口端を大きく歪める。
中川の背中に、衝撃と鈍い痛みが何度も走った。
「もうちょっと、シナリオに一捻り欲しかったんやけど、
やっぱり、二人じゃ役不足でしたね〜。」
手にしたバタフライナイフを中川の背中から抜き取り菅は笑う。
「殺すか殺されるかしか答えがないこの時に、
他人を一度でも信用したあんたが悪いんですよ。中川さん。」
ナイフを何度も振り、付着した血を払う。
「…じゃあ、今までありがとうございました。…先輩。」
倒れこんだ二人に、菅は邪気のない笑顔で礼を告げた。
だけど、その感謝の気持ちだけは嘘ではなく本当の気持ち…だった。
>>56 『全っ部・・・何もか、も・・・っお前のせえやぁあ!!』
先程のたむらの悲痛な叫び声が、頭の中に蘇る。
「・・・ごめんなさいっ・・・。ごめんなさいぃ・・・
たむらさん、っ・・・ごめんなさい・・・」
福田は、あの時の陣内の様に、
たむらに何度も何度も謝った。
たむらの体を抱きしめ、壊れたラジカセの如く
何度も何度も謝った。
何度謝っても、足りない。
声が枯れるまで、謝っても許されない。
こんな事をしても無駄なんて事は、解っている。
でも、今の自分には、これしか出来ない。
こんな事ぐらいしか出来ない。
福田は、その日、日が暮れるまで、
その体制で、たむらに謝り続けた。
【たむら けんじ 死亡】
>57の続き
レーダーに映る3つの光。もしかしたら…と、
宇治原は期待と不安を抱きつつ森を進む。
街の方面へ行ったものの、肝心の菅の姿を見つけることは出来ず、
また来た道をレーダーを頼りに引き返してきたところであった。
すぐ近くで聞こえる数発の銃声。嫌な予感に胸を痛める。
これ以上もう誰も傷つくのは耐えられない。
その気持ちが、疲労しきっている宇治原の足を前へと進めた。
だが、目の前の藪の中に広がった光景に宇治原は足を止める。
「高井…さん……中川…さん…」
唖然となる宇治原の目の前に倒れているのは
先輩であるランディーズ二人だった。
辺りを見回し見かけたことのある後姿を見る。
あの、後姿は…間違えない。…菅だ。
だが、今は側にいる傷ついた二人を置いては行けない。
倒れている二人は互いに傷を負い、酷く出血している。
いつも、後輩である自分を支えてくれたリーダーの高井。
いつも、みんなを和ませる存在だった中川。
二人からはその雰囲気が消えていた。
>59の続き
それでも、二人は宇治原に笑顔を見せる。
後輩である宇治原に余計な気を使わせまいとしているのか…。
「…宇治原……ごめん……なぁ。もっと早くお前に会えれば…。」
「高井さん、もう…それ以上喋らんといてください…」
「うーじーはーらー…ヒーローの…登場遅すぎんで…。」
「中川さんも……もう…」
二人の間で立ち尽くす宇治原。
目の前にいる人間を救う事が出来ない自分。
ここでも、自分の無力さを思い知らされた。
「…宇治原、早く菅を…」
「で、でも…俺二人を置いてなんて…」
「アホ。宇治原。……空気読めや。」
「もっと、お前アドリブ…きかせや…。なあ。」
「まだ、今なら、間に、あう…から。」
立ち尽くす宇治原を促す二人。
宇治原はぎゅっと目を瞑り、菅の逃走した方向へ駆けていく。
わかっていた。二人はもう助からないと。
だから、最後まで後輩として、同じユニットの仲間として。
…側に居たかったのに。
こんな形での、永遠の別れは絶対に嫌だったのに…。
涙がとめどなく溢れてきた。今の宇治原にはそれを止める術がなかった。
>60の続き
宇治原が走り去ったのを確認した高井はようやく安堵の表情を浮かべる。
「なぁ…たーちん…………俺ら、こんな事なったけど
…友達。やんなぁ…。最後の最後まで、こんな一緒やなんて。
テレビ的には、凄い……おいしいやん。」
高井が中川のあだ名を呼ぶ。
いつしかいい年をした男同士があだ名で呼ぶのは恥ずかしいから…
と呼ぶのを止めてずっと呼べなかったその名前。
何年ぶりかはわからなかった。
コンビを組んだ時の初々しい気持ち。そして、初舞台の時の気持ち。
初めてコンクールで最優秀賞をとった事。
初めてテレビでレギュラーを貰った事。
大道芸の修行の為に見知らぬ異国を二人でまわった事。
コンビを組んだ何年もの時間の記憶が蘇る。
しかし、これ以上二人の時間が流れる事は永遠にない。
止まったままの時間。全てが終わりになる…。
それでも良かった。
二人で一緒に最期を共にする事が出来る。
ただそれだけで、なにも、怖くない。
二人…一緒だから。死ぬ事も、怖くない。
>61の続き
「オイシイ…な。最後まで、お笑い芸人貫き通せて、
俺も、凄い…嬉しいわ。あと、ごめん…なぁ…
お前の事、最後の最後で裏切ってもた…。」
「……最後やから、許したるわ……たーちん。貸し、一つ。な。」
「わかった。じゃあ最後に仲直りの握手…しよか?」
すぐ側に倒れる高井に中川は手を差し伸べる。
「…うん。たーちん、俺とコンビ組んでくれて、ありがと…な。」
答えるように中川に差し伸べた高井の手が、
その願いもかなわぬまま、ぱたりと地面に落ちた。
「……何や、高井君…自分、もう死ぬんか?まだカメラまわっとんで…?
お前も、お笑い芸人…やろ?エンディングまでは、笑顔で映ろうや…。…な?」
死ぬ事は怖くないんやで?お前も一緒やからな。
でもな、俺をおいて先に行かんといてな。
俺、めっちゃ寂しいやん…。
寂しがり屋のおっさんなんて滑稽やろ?
でも、もうすぐ、追いつくから。
これで、俺もお前も寂しくないんやで…。
>62の続き
言葉は声にならず、風の中へと消えて行く。
中川の言葉がこれ以上続く事はなかった。
再び訪れた静寂の中。
使い慣れた高井の釘が、
主を失い土の上で寂しそうに…光っていた。
【ランディーズ 高井・中川 死亡】
前スレ781さん、782さん、重ね重ねのミス、ご迷惑をお掛けしております。
アラだらけの文面で申し訳ありません。
799さん、ありがとうございます。
もうしばらく、爆問田中アンド長井コンビ書きますのでおつきあい下さいませ。
では、前スレ718からスタート。
しばらくして、狙い通り長井を巻き添えにする事に成功した田中は、長井にハ
ーレーの運転をさせて数時間、島で一番眺めの良い高台にたどり着いた。
「すげー」
長井よりも先にハーレーから降りた田中は、妙に感心した顔でやっぱハーレー
すげー早えーわ。と、言った。
「乗ってる方はそりゃそーでしょうよ」
と、いいながらも、田中より遅れてハーレーから降りた。
その時の長井は、女の件をネタにされ、田中の運転手代わりにさせられている
この状況下を、この状況下だからだから仕方ない。と、一応納得しているもの
の、ハーレーに乗れたとのんきに喜んでいる田中の様子を見て『アホか』と、
その時点でかなり呆れていたのだ。
「人乗せて運転さすのって、結構来るんですよ」
「わりー、本とこれ乗るのには足届かないから、ほんとわりーわ」
「それはともかく、これから先どうしましょうね」
「取りあえず、光に追いつく選択肢は今んとこ4つだな」
と、田中は一度言葉を切ると、長井になるべく分かりやすいように選択肢を説
明し始めた。
その説明は、箇条書きにすると以下の4つの通りである。
1,直接太田を追いかける
2,ジンジャーを使って真っ直ぐ太田を追いかけているであろう、原田を追い
かけ、更に原田が太田を捉えた瞬間を狙って追いかける。
3,太田が追いかけているであろうダウンタウン松本を追いかけ、太田が松本
を捉えた瞬間を狙う。
4,太田を追いかけているであろう、立川談志師匠を捜してから一緒に太田を
追いかける。
しばらくして、選択肢を全て言い終えた田中は先に地面に座わり、更に長井に
も話が長くなるからと、早く地面に座るように促すと、地面に座った長井は、
田中が広げた地図を見ながら、うーん、これの場合、やっぱり太田さんを追い
かけた方がいいような気がするんですよね。と、言って、地図の東の方向を指
さした。
「光直接追いかけんのか……」
普通に考えるとそうだろうな。
田中は思った。
しかし、田中は、この場合は日が過ぎる毎にエリアは狭まっているとはいえ、
太田は一人、しかも徒歩で行動しているので単独ではかなり探しにくいんじゃ
ねえか。と、光を探し始めていた時からそう考えていたのだった。
だからこう、自分の気持ちを長井にこう、切り出す事にした。
「しかしよ、それは正論なんだけどよ、光のヤツ、今んとこ、一人であっちゃ
うろうろ、こっちゃうろうろしているみたいだから、どこにいるか全く見当も
付かねえし、泰造ん後付けて光と対決した時を狙うっつーのが、一番リスクも
高いけど、一番他の連中よりは目立ってるから探しやすいし楽っつえば楽なん
だよなあ」
「目立つと言えば、太田さんが追いかけているはずの松本さんも目立つと思い
ますけど、そっちはどうでしょうね」
「あっちも悪くねえけど、アレは取り巻き多すぎて別の意味でやべえんじゃね
えのか」
「あー、あっちは確かに取り巻き多すぎてあっちに見つけられたときにキツイ
ですね」
「それと、光追いかけていそうな談志師匠は見つかった時に光いたら光に注意
それていいかもしんねえけど、今回は論外だな」
「そっちもうるさそう」
「つーことで、取りあえず泰造追っかけて追いついたらその後をあいつが光見
つけるまで付けていくしかねえようだな」
「消去法でそう行くしかなさそうですね」
更に田中は、だな。と長井に返事をしてから、黙って長井に頷いた。
上の文面、アホミスやってしまったので、すみませんが、直し訂正お願いします。
この状況下だからだから→この状況下だから。
70 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/22 11:19
菅・ランディーズ・福田・宇治原の話が繋がってきた
作家さん凄いなほんま。
最高です!
何だか嫌いだった芸人も好きになってしまった・・・ダメだ・・・
そして、彼らを画面で見るたびに(ムゴい死に方をした人たちは得に)
「よくがんばったなー」っていいたくなる。
今回は特にランディーズに言いそう。
アレは泣けてしょうがなかった。
これからも頑張ってください。
>41と同時刻、別の場所で。
藤井の宣戦布告を聞いたのは、当然のことだが、川島だけではなかった。
「!………藤井!?」
突然響き渡った藤井の声に驚き顔を上げたのは、相変わらず途方にくれていたココリコ遠藤だった。
聞き慣れたその声に少し安心したものの、なおも続く藤井の宣告に、目に見えて青ざめる。
「何考えとんねん、アイツ……」
それもそのはず、番組でもプライベートでも仲の良かった遠藤は、普段の藤井をよく知っている。
いつもは温厚だがキレるとどうなるかわからないことを、薄々肌で感じてはいたのだ。
藤井がバカなことをするのをやめさせたい。でも自分にそれができるのか………?
時間までに遊園地に行ってなんとか藤井を説得できれば、あるいはなんとかなるかもしれない。
そう思い、自分の武器を見る。
………………ぬいぐるみ。
「野次馬は容赦なく殺すわよ!命が惜しければ遊園地には近づかないこと!いいわね!」
藤井の最後の一声が聞こえた。
「あかん、ムリや。」
遠藤は結局藤井の説得はあきらめ、再びあてもなく歩き出した…。
深沢どうなるんだー
>72続きを少し
そして別の場所にも、同じ声を聞いている一人の男がいた。
彼もまた少し立ち止まり、藤井の声を最後まで聞いていた。
「へぇ〜〜、カッコエエやん。でも、ま、今は関係ないかな」
そう呟いて菅はまた歩き出した。次の標的を探して。
75 :
シガレットさん@お腹いっぱい。:02/01/22 16:37
前スレ>784続き
先ほどから、パラパラと小雨が降ってきた。
時間的に、もう遅い。
これから冷えこむであろうことが、嫌でも予想できた。
そんな夜だった。
山口と宮迫は、大きめの木の下で雨宿りをしていた。
土の上に出ている太い根に、2人が並んでしゃがんでいる。
「うー…寒いっちゅーねん…」
あさっての方向を見つめながら、宮迫は愚痴をこぼした。
山口は「またですか」と、苦笑いをしながら答える。
ここにきて、宮迫の愚痴が増えた。
本人は冷静でいると思っているものの、
島全体に広がるピリピリとした空気に押し殺されないように
気を紛らわしているのだろう。
さっきから、同じようなことを繰り返し愚痴っていた。
山口は、自分の冷えた手を揉んでハァ…と吐息を吹きかけた。
そして問うように呟く。
「今夜は、ここで野宿ですかね…」
木々の隙間から覗く、どんよりとした雨雲を見上げた。
>>75 ↑sage忘れて鬱
雨足は、さして強くはなかった。
宮迫も、空を見上げたあとに答えた。
「ここよりマシな所があるんやったら行きたいわなー」
「気持ち同じですわ。探しますか」
「せやな。こないな所で寝たら凍え死ぬ…」
宮迫は動かしていた口を、ハッと止めた。
微妙な間。
再び、宮迫は口を開く。
「……すまん…」
「…いえ……」
2人は黙り込んだ。
『死』
普段だったら冗談のようなこの単語も、
今では冗談ですまされない近さに存在していた。
現に2人それぞれの相方…蛍原と平畠は、既に死んでいる。
殺されたのか、自殺したのか、事故なのか…。
死ぬ間際に立ち会っていないし、あの教室以降姿を見ていなかった。
だが、今はもういないことに変わりはないのである。
何回目かの放送で流れたその名前を、2人は聞き逃していない。
しかし、お互いその事をもう口に出さないことが、暗黙の了解になっていた。
お互い、心にできたキズを突つかないように。
>>76 しばらくの沈黙。
「…………行くか」
「…そですね…」
2人は、特に何も言わなかった。
心のモヤモヤした感じは否めないが。
そんな心境のまま山口と宮迫は立ち上がり、荷物を持って歩き出した。
全く展開が進みません。
知ってる芸人少ないから、第三者を出すこともできないんだよー
(;'δ`)<ウワーン!!
前スレ793
道無き道をひた走る木村祐一。
裂かれたリュックから中身が落ちない様
しっかりと左腕で抱きかかえ、
右手で邪魔な草木をかきわけながら無我夢中で走り続ける。
白いTシャツは汗でべっとりと肌に張り付き
血が滲み、シャツを赤く染めていた。
右腕からの出血がさっきから止まらない。
木村は痛みを忘れていた。
憧れ、そして親しい存在であった筈の浜田と
殺し合う事になってしまった現実。本当に憎むべき相手は
浜田では無いのに殺意を抱いて斬りかかった事。
>>79 しかし木村はそれらを後悔などしなかった。
自分の冒した行為を振り返れば途端にこの両足は止まってしまう。
生い茂る草木をかきわけ、前を見る事だけに集中した。
だが、いつの間にか木村の頬には涙が流れていた。
浜田と過ごした日々が、嫌でも頭の中を駆け巡り、心を掻き乱す。
声をあげる事も無く、顔色一つ変えず走る木村。
『兄やん、もう少しやで』涙を拭う木村に少し笑みがこぼれた。
…その後ろをレーザー銃を持った太田が走っていた。
81 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/22 18:06
------------------ここまでよんだ----------------
感動っす。ランディーズー(TT)
>>77続き <ラッキーセブンだっ!!
雨は降っているものの、うまい具合に木の下をすり抜けながら歩いていたので
そんなに濡れていなかった。
山口と宮迫は、ただ歩いていた。
『さっきより雨風を凌げる所』を探す、という目的はあるものの、
それが見つかった後の事は、なにも考えてなかった。
パァ…ン……
どこか遠くで、銃声が聴こえた。
木々山々に反響して、エコーがかかっている。
山口はピタッと立ち止まり、銃声が鳴ったと思われる方向を向いた。
「…ぐっさん?」
山口の前を歩いていた宮迫だったが、つられて歩みを止め、同じ方向を見る。
今2人が歩いていたところは谷の上だった。
まばらに生えている木も途切れ、周りの景色がよく見渡せる。
見下ろせば、そこにも森が広がっていた。
「また、誰かが殺し合いをしてますわ…」
「…せやな」
ちょうど遮る物の無い位置で立ち止まった為、
雨が、2人の頭上に降りかかった。
「とっとと行かんか?……どーしたん?」
>>82 山口は、立ち尽くす。
そして意を決したように、話す。
「…ずっと、考えとったんです」
「なんやねん、改まって」
宮迫は、ポケットに手を突っ込む。
片足に重心を乗せて、楽な体制になった。
山口は、雨で濡れた髪を両手でかき上げてから、答えた。
「自分…死のうかと思ってます」
「…………は?」
宮迫は、相手が言ったことを理解できなかった。
「おまえ何言って…熱でもあるんとちゃうか?」
「雨に打たれとるけど、充分平気です」
「冗談はやめぃ、本気にしてまうから」
宮迫が、山口の肩を叩いて茶化す。
「…本気ですよ」
チャッ…
いつの間にか山口の手に、ナップサックに入れてあったトカレフが握られていた。
「…ははっ……マジかい………?」
宮迫の額を、雨に紛れて冷や汗が流れた。
84 :
名無し@お腹いっぱい。:02/01/22 18:36
チュート福田、ランディーズ、鳥肌もんです。
菅がなんだか嫌になってきました。
宇治原、菅を停めてくれ…死めてくれ…
また後で。
江戸むらさき野村は木にもたれ掛かって座りこんでいた。
さっき受けた傷がさらに痛みを増した。
どっかの誰かが奇声を上げながらレーザー銃を撃ち回していた。
その流れ弾(?)が野村の左脚を貫いた。
幸い、そのどっかの誰かに野村の存在は気付かれることはなく
その場を必死で離れ、今の場所にいる。
しかし、傷の痛みよりも野村を苦しめるものがあった。
『仲間』
>>86 野村はゲーム開始から何度か殺し合いの現場を目撃した。
しかもそれは全て仲間同士の殺し合いだった。
相方を刺し殺す女芸人。
事務所の先輩を撃ち殺す大阪芸人。
仲が良かった後輩をこれでもかと殴り殺す大物芸人。
皆、ついこの間までは笑いを造り合う、仲間だったのに。
何故殺すなんてことが出来るのか・・・。
実際、今の自分に仲間はどんどん減っていた。
幼なじみの相方、磯山。
同じ事務所で仲が良かった号泣の二人。
他にも顔なじみの芸人が次々と・・・・。
みんな仲間と殺し合ったのだろうか・・。
いや、違う!
仲間なんてそんなもんじゃない!!
そう思わずにはいられなかった。
少なくとも俺達はそうじゃなかった
必死でそう思い続けた。
「野村・・?」
聞き慣れた声がした。
>>87 ずっと抱え込んでいた頭を上げると
そこには同じ事務所で先輩の坂道コロンブス林が立っていた。
「林さん・・・!」
安堵の表情を浮かべる間もなく目に映ったのは
林の右手にしっかりと握られている銃、
そしてバッグから覗いている血と妙な物が付着した何かだった。
「林さん・・・もしかして・・」
野村の考えていることがそのまま聞こえたかの様に林は喋りだす。
「殺ってもうた・・一人だけな。
俺かて・・・死にたないんや。死ぬのが怖いねん。
・・・・・・怖いんや・・・」
俺は、この人に殺されるかもしれない。
仲間を疑いたくはない、
けれど それが本当になるのは嫌だ。
この林の状態から言ってそれはほぼ確実のような気がした。
>>88 仲間が殺し合う。
そんなことは絶対あってはいけない。
そう思った瞬間
野村は腰に挟んであった自分に与えられた武器
拳銃を心臓にあてた。
(最初からこうすればよかったのか・・・)
いつもの笑顔を浮かべ、
「さようなら、ありがとうございました」
野村は引き金を引いた。
『野村ぁ、こんなのどうかな、今度のオンバトでやってみようよ』
深夜のファミレス,磯山と二人で雑談も交えたネタ作り
お客さんの笑い声
いつしか「ショートコントといえば江戸むら」
そんな風に言われるようになった。
あとで また ショートコント やろうよ 磯山
最後も微笑んだまま
野村は静かに死んだ。
理想の仲間像を残したまま
【 江戸むらさき 野村浩二 死亡 】
>>89 林はその一瞬の出来事を理解するのに
しばらく時間がかかった。
あまりにいきなり過ぎた後輩の死。
それも目の前で。
しばらく立ち尽くしたままだった。
ごめん、今気付いた。
前スレ>784
【DonDokoDon山口→トカレフを拾う】
書き方解らんですけど、コレでOKですか?
一人の名も判らない若手芸人が
疲れきった体を引きずり森の中をさまよっていた。
「はぁはぁ疲れた…誰か…居ないのか?」
その時、目の前に女が立っているのに気が付く。
その顔はとても美しく、その笑みは寂しい心を埋めるには
充分過ぎる魅力を放っていた。
「あっ…あぁ…」
男はまるで花の蜜に誘われる虫の様に引き寄せられる。
女に触れようとした時、
男の首に何かが巻き付いた。
ピアノ線!?と男は思った。
>>92 女の方へ振り向き、何かを言おうした時
男は驚愕した。
美しいと思っていた肌は、
ペンキで白塗りした様な分厚い化粧…。
「お…お前は…モモコ…?」
その瞬間
男の首は飛んだ。
「見た〜?凄い切れ味やろ!?」リンゴが木の影から笑う。
「あたしの方こそメチャ綺麗やん。」
女優顔負けのメイクでモモコは自慢する。
「アンタの化粧怖いわ。地層出来てんちゃうん!?」
「アンタの髪の毛の方がよっぽど怖いわ。どんだけ切れ味凄いんよ」
アロンアルファで繋ぎとめたリンゴの髪の毛は
仕事人顔負けの武器に仕上がっていた。
二人は屍から戦利品を奪い
森の中へ消えていった。
【ハイヒールリンゴ モモコ 合体】
自分は前スレ768〜772を書いた奴です。
少し松丘借りて坂コロでの話書きます。
一応そちらの話がおかしくならないよう配慮はしますが、
もし気にくわない結果になったら申し訳ありません。
前もって謝っておきます。
個人的な希望。
・もうそろそろ新しい芸人を出すのは止めて、
今ある芸人達で話をまとめていって欲しい。
・感動ものは堪能したので、ストレンジな話を
読者の意表をついた話が読みたい。
・願わくばダーティーヒーロー菅が
ぶっちぎりで優勝してくれると嬉しい。
・話の結末は、希望のカケラもないものが
しっくりくるかな、と思う。
「個人的な希望」ということで、言いたい放題
言わせてもらいました。長文失礼。
>>95 うわっ、めっちゃキモイしイタかった。
逝って来ます。
雨が降ってきた。
深沢は慌てて大きい樹の下に潜り込む。その時、後方でボソボソと声がした。
「誰だ!」
深沢が刀を鞘から抜こうとする。
そこには、底ぬけAIR-LINEの古坂と小島がいた。
「深沢・・・さん」
その時、ピッ・ピッという小さい音が深沢の耳に聞こえた。
それは古坂が持っているレーダーから発されているものだった。
「お前、それ」
深沢がレーダーを指すと古坂はレーダーを隠す。
古坂と小島は訝しげな顔をして深沢を見ていた。
どうやら、信用されていない様だ・・・深沢は大きなため息をついた。
「いいよ、信用してくれなくても。無理に干渉しないから・・・俺は捜している人いるし」
「東さん、死んじゃったじゃないすか」
「ああ・・・」
「深沢さんが、殺したんですか?」
「まさか!」
しかし古坂と小島の表情は変わらない。
>>98 続き
「・・・誰、捜してるんですか?」
小島が深沢に聞いた。
「泰造だよ。原田泰造。何処にいるか知らないか?」
古坂と小島は顔を見合わせた。
「捜してどうするんですか。殺すんですか?その刀で」
深沢は黙っていた。
古坂はそっとレーダーを見る。
「・・・ここから数十メートルぐらい先にバス亭があります。そこの裏の畑に居ます。名倉さんも一緒ですよ。」
「そうか、ありがとう」
深沢は振り向かず、後ずさりした。自分は彼等に信用されていないのだ。
振り向いたら殺されるかも知れない・・そのくらいの警戒はしていた。
そして深沢は走り出した。古坂は表情を変えずそれを見送っていた。
『捜してどうするんですか。殺すんですか?その刀で』
あの時の古坂の言葉が深沢の頭に響いている。
(殺す・・・?)
深沢は立ち止まった。
『泰造を止めて。泰造を助けあげて』東の聞いた堀内の遺言。
もうすぐやってくるだろう原田との対決。納得のいく勝利が出来るだろうか?
>>95のコテハン
『読者の意表をついた話が読みたい。』っていうのと、
『願わくばダーティーヒーロー菅がぶっちぎりで
優勝してくれると嬉しい。』は矛盾してるような・・・。
>前スレ768〜772の続き
桶田が姿を消し、松丘にはにわかにやる事が無くなってしまった。
かと言って、これ以上ジッとしているのにも耐えられなくなり、
松丘はフラッと散歩に出る事にした。
立ち上がる松丘に不審げな目を向ける村田には、用足しや、と告げておく。
耳をそばだてて、まわりに誰もいない事を確認しながら、松丘はあてもなく歩く。
不安で一杯だったが、ジッと座り込んでいるよりはずっと良い。
……座っとったら腰、痛ぁて堪らへんもんな。
随分前から抱えっぱなしの爆弾を、そっと手でさすって松丘は呟く。
「…………。」
独り言のように洩れたその声に被さるように、微かに声が聞こえたような気がして、
松丘は警戒しながらその場に立ち止まる。
「……つ……か。」
声は再び聞こえた。
「だ、誰やっ!」
「…松丘っ!」
三度目に聞こえた声と共に、松丘の目の前に見慣れた細身の身体が飛び出してきた。
「はや…林か?」
松丘の言葉に、その男は、林は軽く頷いてみせた。
>>95 すいません。ハイヒールいなかったと思ったので
気楽に書いてしまいました。逝ってきます…
「…どこ行っとったんや。捜したんやで。」
「スマンな…俺、今な、村田さん…成子坂さんらと一緒に行動しててん。」
どういう事? と訊ね返してくる林に、松丘は今までの経緯をかいつまんで説明した。
勿論、最初に村田らに木に縛られた辺りの話はしっかり編集済みであったが。
「そうや、お前も一緒に来ぉへんか? 俺が話付けたるから。」
きっとあの人達も了承してくれはるって。
ひとしきり話し終わり、松丘は林に告げた。
林はこの一同に対して全く関係ない人間ではない。
互いにある程度の気心も知れているはずである。
しかし。
「いや…俺はええよ。」
林は静かに答えて、首を横に振った。
「……へ?」
まさかこの提案が断られるとは思っておらず、松丘は思わず間の抜けた問いを洩らした。
「野村がな、目の前で死んでん。」
これは答えになっていないな、と思いつつ林は告げる。
「俺には止められへんかった。あいつは、まだ生きるべきやったのに。」
「…嘘やろ?」
「嘘やない。」
林は、ジッと松丘の顔を見る。
この期に及んでも、まだどうにかなるだろうと言わんばかりの気楽げな表情だった。
「でな、俺…色々考えたんや。」
数秒ほど間を計るように一度口を閉ざしてから、林は続ける。
「もしかしたら…俺らのような奴のせいで、このゲームが行われてしもたんかな…って。」
芸能界は一般の企業なんかとは違い、明確な定年など存在しない世界。
どんなに世間的に見放されていようとも、本人にやる気さえあれば、
いつまでだってしがみつく事の出来る世界。
それは芸人も一緒。
どんなにライブで笑いが取れなくても、案外何とかなるもので。
林は考え考え言葉を紡ぐ。
「ホンマに面白い奴がおったとしても、本当ならそいつらにやるべき枠を、
俺らのようなつまらへん奴が塞いどるのが現状や。」
やったらいっその事、全部消し去ってしまえばええ。
「林…お前何を言っとんのかわかってるのか?」
松丘の放った問いは、穏やかながらも決意を帯びた林の視線に封じられる。
「松丘…若草山の山焼き、これはきっとあれと同じや。」
傍目から見れば少々残酷かも知れないが、結果的には必要な儀式。
「せやから…俺は、火が燃える手伝いをしようかと思う。」
その言葉にハッとする間もなく、松丘の首に林の手が掛かった。
106 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/22 20:28
ーーーーーーーここまで読んだーーーーーーーーー
前スレ>760の続きです。
しかし、進行の関係で深沢にそう簡単に追いつかれてたまるか、ということで
>98さんスマソ。
「信じられへんな……」
先に寝袋に入って寝ている原田の方を見て、名倉はいつ斬り殺すか分からない
から離れてくれと原田から言われているにも関わらず、原田が眠る頃を見てそ
の側に近寄っていたのだ。
「全然まともやし、そんな感じせんけどな……」
何であんな事言うんやろ。
名倉は呟いた。
原田の言う、自分が自分では無いという意味があの様子を見た限りだけでは理
解できず、名倉には原田が先に眠る前には全くいつもと変わらないとしか思え
なかったのだ。
↑さげわすれ鬱
しかし、名倉にはただ1つだけ──気がかりなことがあった。
「あん時だけはちょっとヤバかったけどな」
そう、余りの原田の様子に思わず自分が原田の持っていた妖刀村正をへ
し折ろうとしていた時、妖刀村正を取り返そうと、原田の目の色が変わ
り、自分が刺されかねないとあの一瞬だけは思えたからだったのだ。
「健殺したの、他の連中を殺したのは信じるしかなかへんけど、健殺し
たの絶対お前じゃあらへんよな、誰よりも気に掛けてたんやし、お前じ
ゃ絶対あらへんよな」
普段から原田がどう考えても危なっかしくて同時に忙しい中台本を一生
懸命書こうとする頑張り屋な堀内をかなり気遣っていたのを同じ仲間で
ある名倉はよく分かっていたのだ。
「泰造、絶対それはお前じゃあらへんよな……」
もしそうだったとしても絶対俺はお前殺せへんよ……。
安らかに寝ている原田の様子を見て、名倉は泣きそうになっていたのだ。
朝になり、原田の目も覚めた。
「潤ちゃん、目え、大丈夫か」
原田は名倉を気遣って言った。
「大丈夫や」
お前もこの2,3日無茶してるみたいやから、お前の方もどうや。
名倉は原田の方を見つめ返してから言った。
「なあ、お前、これから先太田追いかけるんか」
自分の寝袋をたたみながら名倉は言った。
しかし、言葉と裏腹に無茶するなと、名倉の目は言っていた。
「ここまできたらやるしかないでしょう」
原田は自分の寝袋をたたみながら答えた。
「本とに行くんか」
「それだけは譲れないから」
「もし太田倒したら、待ち合わせして今度こそ一緒に先進まへんか」
「勿論その時は」
待っててくれますか。
原田は寝袋をたたむ手を止め、静かに言った。
「そうしたら潤ちゃん、俺は潤ちゃんの側に絶対いるから」
「そうしてくれるやろな、絶対やぞ泰造」
約束だからな、と名倉は二人で食べる朝食を準備しながら原田を見つめ
返した。
111 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/22 20:33
ランディーズの話かなり良かった!!
初めて2ちゃんで泣いてしまった。
>110の続きです。
「嫌な予感がする……」
名倉と朝食を食べながら原田は呟いた。
何となく自分と名倉以外に人の気配が何となくするのだ。
付けられている。
第六感で感じた原田は早くここから逃げなければと思ったのだ。
「なしたんや泰造」
何にも感じていないであろう名倉は不思議そうな顔をして原田の方をじっと見
た。
「ごめん潤ちゃん、人が来そうな気がするから、ごめん! 」
自分が太田を付けているはずなのに、他の人間から付けられていたのでは本末
転倒だ。
そう思った原田は、名倉を置いてバス停の入り口から出ると、とにかくその気
配が消えるまでジンジャーを飛ばして逃げようと最大速度ギリギリまでジンジ
ャーを飛ばして遠くまで逃げたのだった。
「ぎゃああーっ!!」
内海桂子のナタが、熊本キリン桐畑の右腕をはねた。右腕は空高く舞い、木の枝にぶらさがった。
桂子の肩には矢が刺さっていた。
「こんな毒矢ごときであたしが殺せると思ったか!」
桂子は肩から矢を抜き、投げ捨てた。
桐畑は新しい矢を抜き、それを左手に持って再び襲い掛かる。
「でやあああっ!!!」
バシュッ!!
桂子は再びナタを振るった。今度は桐畑の左腕がはねられ、それは森に落ちる。
「さあどうする?次は足を使ってくるかい?」
「ち・・・ちくしょう・・・」
桐畑の息が荒くなり、そのまま地面に倒れる。
桂子はナタについた血を拭い、そのまま立ち去った。
「・・・これじゃあ・・・にゃんこできねーじゃねえか・・・」
【熊本キリン桐畑 両腕紛失】
>>前スレ790
木陰の洞穴で目を覚ます。
横には大上がいた。
「おはよう。」
「…おはよう。」
挨拶を返すと大上が優しく微笑み返してきた。
そういえば昨日は何も話さないまま寝てしまったんだっけ。
少し心配そうにオレの方を覗き込む顔を、オレは笑いながらどついた。
「こうしてる間にも、何が起きてるか分からへん。
はやく皆を見つけんとな。」
大上を安心させるように強気に話し掛ける。
「おん。」
「とりあえず森を抜けて…それからやな。」
オレが歩く少し後ろを大上がついてくる。
「ほら、ボヤっとしてたらあかんで。」
一瞬振り返って、また前を見て歩き出す。
大上が苦笑しているのがわかった。
そのとき。
「えー、皆さん、おはようございます。第十回放送ですよー。」
>>116 止まる歩行。
震える体。
今、何て?
ケンドウコバヤシ?けんどうこばやし?
…ケンドーコバヤシ?
「コバ。」
大上が信じられないといった顔で呟く。
オレはその顔を冷静に見ていた。
震える体と対照的に、頭は怖いぐらいに冴えている。
コバヤシが死んだ。
小林は、死んだ。
「松口…。」
大上の不安そうな目がオレの方へ向いた。
オレに何かを手渡す。
ガラスの、長い棒。
ああ、オレの武器や。
握り締めてたつもりだったのに。
ありがとう、といってそれを受け取る。
大上の顔はいっそう不安げになっていた。
>>117 松口は泣かなかった。
剛のときでさえあれほど取り乱していたのに。
小林が死んだことを理解できていないのか?
初めはそう思ったが、そういうわけでもないらしかった。
俺が心配そうな顔をすると、大丈夫やで、といって笑顔まで見せる。
それは安心すべきことなのに、俺はなぜか胸騒ぎがした。
「こうなった以上、本当に早く皆を見つけんとな。」
俺にそう促す。
それ以上は何もできず、俺はまた松口の後を追いかけていった。
>>118 森を抜けると、丘の上に小屋があるのが見えた。
とりあえずそこに向かうことにする。
小屋に着くと、何か生臭いにおいがした。
ゆっくりとドアを開ける。
そこには、おびただしい量の、血。
「ヒッ…。」
後から入ってきた松口が小さく悲鳴をあげる。
大量の血。
転がった懐中電灯。
何か生活感のある部屋が、よけいに恐怖心を駆り立てる。
嫌な予感がする。
小屋には誰も居ない。
しかしこの血の様子からみて、そう時間はたっていないだろう。
ガシャン。
何か割れる音がして、慌てて松口のそばに駆け寄る。
「あかん、ついに割れてもうた…。何回か落としてたからな。
どないしよ。」
松口の手には、真っ二つに割れたガラスの棒があった。
目には見えない、小さく入ったヒビは。
やがてそこから大きくなって、
いつか壊れてしまうのかもしれない。
>>58続き?
約、2時間程前の話。
夜も明けきって、窓からは暖かい日が照らしこむ。
空は、驚くほど澄んで晴れ上がり、
草むらの上に降り注ぐ日光が、少し湿気た草に
反射して眩しい。
そんな変わりゆく窓の外の景色を、
陣内は、一睡もせず、ただぼんやりと見つめていた。
「・・・そろそろ、行かな・・・な。」
外では、たむらが待っている。
何時間待たせてるのだろう。
約束した、夜明けは、とっくに過ぎている。
普段なら「いつまで待たせるんだ」と怒ってきても
不思議ではない位の大遅刻。
それでも彼が、自分を急かし、呼びに来ないのは
きっと、たむらの優しさなのだろう。
もう、完全に、日が昇っている。
「・・・さ、いこ!」
陣内は、自分に、言い聞かせるかのように
もう一度言うと、よいしょ、と立ち上がった。
>>120 いつまでも、ここに居る訳にはいかない。
泣いて悔んでしゃがみ込んでいたって、何も始まらない。
前に、進まないと。
陣内は、玄関口に落ちているパンパンになった
ナップザックを拾い上げた。
ぎぃ・・・
金属の錆びた鈍い音をたてて、ドアを開く。
隙間から、きらりと、光が差し込み、
その眩しさに、陣内は一瞬目を細める。
外に、出る一歩手前で陣内は、少し立ち止まり
倉庫内をゆっくりと眺め回した。
たった、4日間だったけど、
ここでは色々な事があった。
もう、ここに戻ってくる事はないだろう。
「・・・いってきます。」
ばたん。
ドアを閉めると、陣内は歩き出した。
>>121 ふらふらと、頼りない足取りではあったが
一歩づつ、焼却炉に向かい、歩みを進めていく。
陣内は、振り返らなかった。
振り返ったら、もう、自分は
駄目になってしまうような気がした。
「・・・ぅ舎の影、芝生の上、吸い込まれる空〜♪」
陣内は、不意に大好きな尾崎の歌を、歌い始めた。
ちょっと、音は外れていたけど。
「・・・幻とリアルな気持ち感じていた〜♪」
なんだか、少し気が紛れた気がして、
陣内は、歌を続けた。
彼は決して、立ち直った訳ではなかったのだ。
どうにかして立ち直らなければならないと、
ボロボロに削れた心で、必死にもがいていた。
誰も居ない、静かな小さな草原に、
彼の歌声だけが聞こえた。
123 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/22 22:43
太田が松本を捉えつつあるが、
まさかそれでどっちかが死んじゃったりしないよね。
太田は田中・長井組、原田との絡みもあるだろうし。
でも、松本さんしんだら、きむこわい・・・。
>>120-122 は、あたし書いたやつです。
他の板行って、名前変えるの、忘れてました(ワラ
森の中を駆け抜ける二人の男がいる。
いや、男と言うより老人と言ったほうが的確かもしれない。
しかし二人の、実際の年齢を思わせない機敏な動作が、老人という総称を否定している。
と、二人の前方にこれまた二人、小柄な青年が立っているのが見えた。
二人はこちらに気付いてない様子だ。
老人二人は一瞬だけ目を見交わし、また視線を戻した。
永年の付き合いがある彼らの意志の疎通には、たったそれだけで充分らしい。
標的までの距離が縮まってきたところで、二人が同時に叫んだ。
>126続き
「「おめでとうございま〜す!!」」
突然、至近距離から聞こえたその声に青年は振り向く。
しかしその動作が終わらないうちに、青年の視界は黒い傘、いや、どす黒い血がべっとりと付いた萌黄色の傘に覆われた。
そしてすぐ強い衝撃。
「よっ………吉田っ!!」
思わず相方の名を叫んだもう一人の青年もまた、同じ凶器によって昏倒してしまった。
老人がくるり、と傘を返す。
竹で出来たその傘の柄は、光を放ちそうなほどに鋭利に削られていた………。
もう一度視線を交わすと、二人は再び走り出した。
次なる獲物を求めて…。
あとには名前もわからないまま殺された、コンビだった青年の亡骸が二体。
老人が最後に一言呟く。
「いつもより多く殺しておりま〜す」
樺色の袖がはたり、とひらめいた。
【ビタミンC 奥本・吉田 死亡】
>>123 おまえウザい!
誰だろうが死ぬ時は死ぬんだよ!!
いや、現実と虚構の区別がつかずに登場人物生き返らせちゃうヲタみたいな話じゃなくて、
ただ単に「ここでキーマンが死んでは盛り上がりに欠けるのでは」という話をしたんだけど…
>131
それは同感
133 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/23 01:20
宇治原は菅の姿を追いかけて森を走っていた。
「菅!なんで仲間ばっかり殺すんや!なんでやねん!」
思わず涙声になる。
「殺したいからに決まってるやん。」
不意に後ろから聞こえた声に宇治原は振り返ろうとした。が、それよりも早く
パン
>>134の続き
「がはっ・・・!」
銃弾が宇治原の胸を貫通した。
「おもんないくせに正義漢面すんな、クソが。」
パンパン
麒麟・川島がさらに放った銃弾はかろうじて立っていた宇治原の頭を打ち抜いた。
「はははは・・・・・・『ナカマ』?
『ナカマ』一体なんですか?教えてくれよ、君ぃ!」
ピクリとも動かない宇治原の身体に、なおも執拗に撃ちこむ麒麟・川島。
血に染まった胸のハーケンクロイツが、ぬめるような光を放っていた。
【ロザン宇治原・・・死亡】
うおお宇治原ー!!宇治原マジ死んだん??!
書き物屋さんじゃないのに勝手に宇治原を殺すのはどうかと・・・。
>>137 そんなルールはどこにも書いてありませんが、何か!?
いや、空気が読めてないって話だよ。
ここまで来てコンビ間の会話も無しで死なれても。
・・・そろそろいいかな。
宇治原は起きあがり、川島が通り過ぎるのを待った。
「あいつもおかしなったんか・・・?
あんな川島を止めようとしてる相方がきっとおるはずや・・・
俺も早く菅を見つけんと・・・」
防弾チョッキをさすりながら宇治原がつぶやいた。
【宇治原、死んだふりでした。。。】
すっごいつまんない文章でびっくりした・・・
「だったら、アンタが書けばッ!?」
って、又出てくるのかな(苦W
あ、復活してる!よかた・・・
頭も防弾(w
あらっ、頭?(藁
んじゃあヘルメットかぶってたって事で(藁
まぁ、流れ的にも間違った事はしてないと思っとります。
感想スレでもあったように、
宇治原は死んでいないとゆう方向で。
さぁ、何事もなかったかのように続けてください。
何か色々あったみたいですけど(w
それでは続けさせて貰います。
>>101 & 103〜105 の続き
「…なっにすん……!」
叫ぶ松丘の声は、気管が押さえつけられて言葉にはならない。
「驚いたか? まさか俺にこんな事されるとは思ぅてへんかったやろ。」
膝から力が抜けたのか、地面に転がる松丘に覆い被さるようにして
確実に松丘の喉を包む指先に力を込めつつも、林は言って小さく微笑む。
「…………っ!」
林の手を引き剥がそうと松丘は指を掛けるが、簡単に剥がれる物でもない。
しかしもう何秒かで松丘の息が止まる…そのタイミングで林は自ら指を解いた。
真っ赤な顔になってむせ返る松丘。
「安心し、簡単に殺したりはせぇへんから。」
ゆっくりと立ち上がり、林は未だ地面に転がる松丘を眺める。
「せやけど情けないなぁ…。こんな奴に今まで人生預けてたんかと思うとホンマ阿呆らしいわ。」
まぁ、いつだって口ばっかりで、どうしようもない奴やったけど。
口に出さずに続け、林は軽く肩を竦めた。
お陰で随分苦労だけはさせて貰ったな。
「林……お前そんな事言っとるけど、ホンマに人を殺せるのか?」
…今かて、結局は殺せへんかった癖に。
まだ呼吸がままならないのか、ゼェゼェ言いながら松丘は林に訊ねた。
「…もう殺したで。」
しれっとした口調で林は即座に返答する。
「口で言うた所で信用はして貰えへんと思うけど。確かに、この手で。」
林を見上げる松丘の表情が僅かに固まる。
「まさか、お前誰もまだ殺せてないんか?」
「そ、そんな事あるか! 俺かて……人の一人や二人ぐらい!」
挑発するように告げられた林の言葉に、松丘は慌てて反論する。
実の所松丘には誰も殺せてはいないが、それを白状するにはプライドという物が邪魔をしたらしい。
「やったら、心配する必要は何も無いみたいやな。成子坂のお二人もおる訳やし。」
松丘の言葉を聞いて、林は薄く笑った。
…その程度の嘘ならとっくにお見通しやで。
そんな事を言外に告げるような、いやらしい笑顔だった。
「……そういう事やから、俺は行くで。」
これ以上顔をあわせるのすら厭になって、林は告げると荷物を担ぎ上げた。
再会した当初はここで松丘を殺しておくのも悪くない…そんな事を林は考えていた。
しかし目の前の松丘の様子に、そんな気分は一切抜けてしまっていた。
林の中に残ったのは哀れみに似た感情のみ。
…こんな奴、殺す価値もない。
「どうせ死ぬんやから、最後ぐらい自分の好き勝手にやらせて貰うわ。」
誰に言うでもなく呟き、林は松丘の方をチラッと見やる。
お前の的外れの提案で、これ以上振り回されたりしないように。
「ちょ…待て、林っ!」
「……それじゃせいぜい気を付けて。松丘さん。」
林は松丘など最早構う事無く、軽やかな足どりで走り去っていく。
追い掛けようと松丘が地面に手を突いた時、さっきの首締めの後遺症なのか
ぐらっと眩暈を感じてそのまま松丘は再び倒れ込む。
地面と空が逆転して映る松丘の視界の中に、やけに目立つピンク色の物体があった。
手を伸ばして松丘が掴んでみると、それはビニール製の羽根飾り。
かつて林のステージ衣装用に、と松丘が用意してやった物だった。
>ABCさま
……って事で、松丘の方お返しします。
もし成子坂&松丘編で林を使う予定だったのでしたら、申し訳ありません。
……何だかなあ。続き行きましょ。
>>113の続き。
「置いてかれてもうたわ」
置いてきぼりになった形の名倉は呟いた。
「こんなへんぴな畑んなか、そう簡単に誰か来るわけないやろ……」
街ん中でもあるまいし。
名倉は不機嫌そうな顔をしてまわりを見渡すと──10メートル先に人影が見
えた。
「深沢……? 」
こんなとこ、来るわけないやろ……。
名倉は目をぱちくりさせた。
しかし、明らかに名倉のいるバス停の方向にその陰は近づいてくるのだ。
バス停に来る。
間違いはない。
うーん、深沢は悪いヤツじゃないやろし……。
まだ動くには時間が早いやろし……深沢が来るまで待ってみよか。
結局名倉は深沢が来るまで待つことにした。
>>68の続き。
「もうそろそろこの辺で降りねえか」
補助席で長井の腰を掴みながらながら田中は言った。
ハーレーに乗り込み、高台から更に東へ約二時間位飛ばした時点で日が暮れて
、もうそろそろ泊まりの準備をしなければと、田中と長井はとあるキャンプ場
の辺りで降りたのだ。
「ログハウスあると便利なんですけどねえ……」
長井は回りを見渡した。
「ねえんじゃねえのか」
田中も周りを見回しながら言った。
「なきゃ困りますよ、野宿なんてしたら、いつ雨が降るか分からないし、まだ
死にたくないんですから」
「あ……あるかもしんねえぞ」
田中の目の前にはキャンプ場の地図が見えた。
「え、どこどこ? 」
長井の言葉に目の前のキャンプ場の地図を田中は指さした。
「行くのは良いけどよ、先着はいねえだろうな……」
最悪誰か襲いかかったら撃ち殺す覚悟しとかねえとな。
小声で田中は呟いた。
「大丈夫そうですよ。ほら」
長井がログハウスの方を指さすと、まだログハウスの明かりはついていないの
で大丈夫そうだ。
「ならいいんだけどよ、大丈夫かなあ」
「大丈夫っすよ、絶対」
「絶対かよ! 」
「ぎゃはははは!! 」
「つっせーなあ!」
言い合いをしながら二人はログハウスに入ると……。
大分長い間使われてなかったのか、中はホコリだらけだった。
「結構けむいなあ」
「寝るとこ位は床拭いといた方が良さそうじゃねえか」
「そうですね、でないと結構ここ鼻に来ますよ」
最低限度の場所を二人は床拭きし始めて約30分……。
二人して大体の床拭きは終わったようだ。
「これで野宿するよりかはマシだな」
「まあ、これで雨漏りしたら最悪ですけどね、本との野宿するよりかはまだ」
で、後ろでお前が言いかけたの……何だっけか。
そう言って、田中は床に座り込んだ。
田中は運転しながら長井が言いかけた言葉が気になっていたのだ。
「原田さん追いかける時に……リスクが高いって、何のことですか」
改めて荷物を片づけ終えた長井は田中に同じ内容を聞いた。
「リスクか、そういやお前にまだ説明してなかったな」
何とも言え無さそうな顔で田中は頭をかいた。
「リスク……泰造が持ってる刀そん物(もん)だよ。アレがなきゃどーでもい
いんだがな」
「刀……とは? 」
「村正だよ、村正、アレさえなきゃどーでもいいけど、アレをどーにかしねえ
事には光が危ねえんだよ」
うんざりしたような顔で田中は言った。
「村正……」
聞いたことはあるような……。
長井は思った。
「この手のヤツは光の方が詳しいんだけどよ、今光が側にいねーからなあ……」
本と参ったよ。
付け加えるように田中は言うと、田中が分かる範囲内で肝心の中身の説明をし
始めた。
「ヤツの持っている刀って、柄の辺りをちらっと見たら、村正って書いてあっ
たから多分それだと思うんだけどよ、正確には『妖刀村正』って言って、刀そ
のものに魂が宿っている刀みてえだな」
はー、刀自体に魂宿っているのか……。
それだけでも曰く付きの刀みたいだな……。
田中の言葉に感心したような顔をして長井は田中の方を見つめ直した。
「魂が宿っているって、どういう事ですか」
「古い物には魂が宿っているって、よく言うだろ、まさにアレがそれじゃねえ
のか」
「アレですか」
納得したような、納得していないような、長井はそんな顔をした。
「まじー事に、一回泰造にあって襲われ掛かったとき、俺は逃げたからいいん
だけどよ、うかつに攻撃仕掛けたらマジ今ここにはいねえわな」
まじめな顔をして田中は言った。
「何かあったんですか? 」
「あったもクソもねえだろ、マジで死ぬ思いしたんだからな」
「斬りかかってきたんですか」
「おう、しかも大上段で俺を真っ二つにしようとしやがった」
マジであれ、おっかねえよ。
と一度田中は言葉を切った。
そして、今のあいつの状態は、あの刀のせいでヤク中みたいになって、しかも
トチ狂ったまま野の中にほっぽりだされている状態、つーたら、お前にも分か
っだろ。と言葉を続けてから田中は長井の顔を見つめ直した。
まさにそれ。
思い出しただけでもゾッとする。
そう言い終えた田中の顔は──かなり──青ざめていた。
フレッシュ暇人さん、『村正』説明かぶってスマソ。
158 :
白雪姫さん@お腹いっぱい。:02/01/23 03:23
>>135続き
宇治原の頭を、拳銃が打ち抜く。
自分が、倒れこんで、動かなくなっても
何度も、何度も、自分にぶち込まれる銃弾。
死んでいるはずの自分の視線は、まるで、
第三者であるかの様に、上からのものであった。
その為、川島の、気が狂ったかのような不気味な笑みが
直に視界に入って、宇治原は、ぞくりと身を震わせる。
やつは、殺しを、楽しんでいる。
不意に川島の顔が、カクンと下に伏せられる。
暫らく伏せられたままの川島の顔。
不審に感じて、川島には見えない筈の
第三者の自分は、ゆっくりと彼に近づく。
と、突然、ばっと、顔が、上げられる。
一瞬、驚き、ひるんだ体。
逃げようと、宇治原はきびすを返す。
しかし、その腕をがしり!と掴まれ、宇治原は身が凍った。
そんな、俺は、ヤツからは、見えない筈なのに!
「ナカマって、なんや?」
>>158 なじんだ声。
川島のものではないそれに
宇治原は、ゆっくりと、振り返る。
自分の至近距離。
にやりと不気味な笑顔が、宇治原の視界いっぱいに
入った。
「ナカマって、俺か?」
その顔は、川島ではなく、
我が相方、菅だった。
「・・・うあああっ・・・!」
宇治原は、飛び上がるようにして、身を起こす。
どうやら、菅を気にかけながらも、
木にもたれて、居眠りをしてしまっていたらしい。
無理もない。
この、数日間、菅を探すべく
機械を弄ったり森を歩き回ったりと
ろくな睡眠もとっていなかったのだ。
「座りながら寝てまうなんて・・・
俺、よっぽど疲れてんねんな・・・。」
宇治原は、自嘲気味に笑う。
160 :
白雪姫さん@小人じゃん!(ワラ:02/01/23 03:32
>>159最近名前、間違いすぎ間抜け〜・・・。
・・・それにしても、なんて夢や・・・。
先程、川島のあらぬ噂を耳にしたからであろうか。
とんでもない夢だ。
宇治原は、汗でびしょぬれになった
背中を、そっと拭う。
「ナカマって俺か?」
最期に見た、菅の笑み。
菅の言葉が、頭の中を、ぐるぐると回る。
菅は、自分の大切な友達を、もう何人も殺している。
自分の、大切な「ナカマ」を、何人も、何人も
目も当てられないほど残酷に。
・・・それでも、菅、
おまえは、俺の、「ナカマ」や。
宇治原は、自分に言い聞かせるかのように
呟くと、起き抜けの頭を軽く振って
寝る前までの作業にもどった。
161 :
名無しさん:02/01/23 03:32
フォローうまい!>白雪さん
早書きなんで雑な文でスミマセン。
そして、勝手に生き返らせて、申し訳ない。
俺は作業を続けていた、本気になると集中力も高まる。
だいぶ進んだ、この調子でいけばもうすぐ完了する
そのとき急な尿意が起こった、生理現象だ、立ちションしに行こ
植え込みの中へ入ろうとしたその時、足元がくずれ俺の体がまっさかさまに落ち始めた
どこまで落ちるんだろう、落ちてゆく先を見ると竹やりの切っ先が何本もこちらを向いている。。
「ああ、俺、死ぬんやな、なんもできひんかったな、俺」
ちょっと涙が出た、サヨナラ、みんな。
164 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/23 04:42
で、俺を生き返らせるのは無しの方向で!
ルール(規範)には従いましょう!
宇治原って誰じゃ?
荒らしがウザイので、作家さんもsage進行で逝きませんか?
悪いけど、荒らしを呼んでるのはbaseヲタだと思うよ。
荒らしよりウザイ。
>>169 うん・・・
前いた書き手さんたち戻ってこないかな・・・・・・
>>164 でも、ここで宇治原を死なせるのは惜しいよ。
今までの展開が無駄になる。
読者も納得せんだろ。
>>166 お前がルールなんて言うなよ。何様?
172 :
名無し@お腹いっぱい。:02/01/23 08:49
>171
宇治原を死なせるのは惜しい…
というのか、流れ的に変・・・。
173 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/23 08:53
もはや、ヲタが読みたい文を強要しているだけだな。
>172
私情が混じった。スマソ
書き込んだ後、感想スレ覗いて青くなったよ…
X-GUNは複雑な山道を走っていた。そこを出ると崖がある。
「なるべく視界がいい場所に出た方がええな」
西尾がそう言い、嵯峨根が同意した。
「!」
その時、大きな爆音が響く。
「崖の方や」
嵯峨根がそこを指した。
「・・・燃えてる?」
崖の方が燃え上がっていた。雨は既に止み、この乾燥した時期・・炎はあっという間にその範囲を広げた。
「誰かが戦ってるんや・・・どうする?」
二人は顔を見合わせた。
炎に包まれた崖にでは坂本ちゃんとスマイリーキクチが対峙していた。
「どきなさいよー!」
「どかない♪」
「何よ、ナマイキね!」
坂本ちゃんは同じメガネ芸人でもスマイリーは好きになれないようだ。
「殺してやるわ!」
坂本ちゃんは日本刀をぶんぶん振りかざして奇声を上げて襲い掛かった。
スマイリーはそれを紙一重でかわす。スマイリーは坂本ちゃんの背後にもぐりこんだ
「!」
スマイリーは手刀を坂本ちゃんの首に打ち込む。
ゴキッ!!
坂本ちゃんの首は普段曲がらない方向に向いた。坂本ちゃんはそのまま地面に倒れる。
「皆、武器なんかに頼っちゃうから♪」
スマイリーは坂本ちゃんの体を炎の中に放り込んだ。
仮面の独白スマイリーキクチ。彼の真の武器は、彼自身である。
【坂本ちゃん 死亡】
もう炎に放り込んだから復活ないのか>坂本ちゃん
>>180じゃあお詫びに気に入りそうなの書いて逝きます。
「もうここまで逃げたら十分やろ。」
走って逃げてきた菅。
「疲れたー。」
宇治原が追いかけてこないのを確認し休憩がてら
木の根子に腰かけたその時。
パン
「ぐは・・・!」
菅の腹部を銃弾が貫いた。
菅が腹を抱えてうずくまる。
「だ、誰や!」
>>182 「どうも麒麟です。」
麒麟・川島はええ声で答えた。
「高学歴の時代はおわったんじゃ!」
これまたええ声で叫ぶと川島はライフルで
菅の体を乱れ撃ちした。
ぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱんぱぱぱぱぱんぱ・・・。
「弾切れか。」
川島はすでに息絶えた菅に近寄ると
胸部をナイフで滅多刺しにした。
調子にのって何度も刺しまくる川島。
どんどんズタズタになってゆく菅の胸。
「はっ。しまった。これじゃハーケンクロイツが刻めん!」
川島は菅を裏返すと背中を鍵十字に切り付けた。
「やっぱりこれ入れんと殺した気せーへんもんなあ。」
無邪気に笑うと川島は森の奥へと消えていった。
【菅広文 死亡】
>>182-183 とてもいい話だったケド、
>>182 のところでちょっと無理があるな〜。
菅は防弾チョッキ着てるんでっせ?
せめて頭打ち抜くとか、そういうのにしてもらわないとヲタどもに突っ込まれてまう・・・
そ、そうか!
師匠と呼ばせてください!(w
>>185 いや、ええよええよ。
誰でもうっかりミスっちゅうのがあるさかい。まあ先生がお手本見せたろうかな。(w
「もうここまで逃げたら十分やろ。」
走って逃げてきた菅。
疲れたー。」
宇治原が追いかけてこないのを確認し休憩がてら
木の根子に腰かけたその時。
どさっ
「ぐは・・・!」
菅の心臓が活動を停止した。
菅が胸を抑えてうずくまる。
「じ、寿命や!!」
【菅広文 死亡】
不覚にもワロタ(w
189 :
名無しさん@お腹いっぱい:02/01/23 13:45
>>37 勝手に続き
「待ってくれや〜!」
渡辺とJrが振り向くと、半泣きの山下が走ってくる。
「一人にせんとってくれや〜!」
「なんやねん。オマエずーっと、うずくまったままやったから
鼻が重うて動かれへんねや思たんやん」
「あほーっ、動けるわ。ピンピンや」
「けど、鼻赤いぞ」
「ジュニアさんまで、何を言うんですか。あいかわらず細いですねえ。
ちゃんと食べてますかあ?」
あいかわらず場の空気を読めない山下である。
【元ジャリズム山下・渡辺・千原Jr 合体】
合体後の気怠い時間の中、山崎はモリ夫の腹を見て思った。
『しっかし、ホンマに太っとんなぁ』
【モリ夫 脂肪】
191 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/23 15:30
192 :
暇人乱入@ごめんなさい。:02/01/23 16:53
遠くの方に人影が見える。
近づいてみると、1人の若手芸人がうずくまって苦しんでいた。
かなり深い傷を負っているようだ。
「君、この人どうしたらいいと思う?」
「ほっといたらいいと思う。」
「ほっとく?とどめを刺して殺すでもなく、助けてあげるでもなく、ほっとく?
ちゅうとはんぱやな〜。」
そう言い残して2人は立ち去っていった。
そして残された若手芸人は、
「なんやってん・・・。」
と最後の言葉をつぶやいて息絶えた。
[若手芸人1人死亡]
誰ー!?
真ん中あたりのセリフよいね
え、菅ちゃんはマジで死んじゃったんですか??
誰かが冗談で殺したんでしょ。
でも死んんじゃったのよね…。
>192
良い!!忘れてーたよ!
菅と宇治原の話がごちゃごちゃしてて
結局どうなったのか分からないんですが…
じゃぁ、宇治原さんと菅ちゃんは会えずじまい??
個人的に会わせてほしかったぁ・・・。
宇治&菅は死んだことにして、もし書いた人がいるなら感想スレに、ってことになるのかな?
200 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/23 17:20
201 :
ひまじん。:02/01/23 17:31
森の中を一人の男が歩いている。
が、しかしその姿は極めて異様だ。
全身白塗りで、顔に異常なメイクがされてある。
オバQメイクの西川のりおであった。
彼は今まで一人でいるのが寂しくて、
街の中や森をうろつきまわっていた。
正直、誰かに見つかって殺されたかった。
それも、前途有望である吉本の若手に。
それが古い人間の運命だと思った。
正直、生きているのが面倒になっていた。
しかしどの若手も、自分を見ると無視するか、
怖がって逃げていった。
さげわすれ。。。
>>201続き
「なんも思い通りにならん…。」
いっそのこと、元祖ブチ切れ芸人として
ひと暴れしてから死のうか。
西川のりお、ここに在り。
自らの存在を他の全芸人どもの頭に叩きこんでやる。
そう決心したとき、芸人としてあることを思いついた。
どうせ死ぬなら、あの姿で。
彼は町で見つけた画材屋で、
往年のオバQメイクを自らに施したのである。
「ひょうきん族の頃はよかったなあ…」
異様な姿で、しみじみと昔をなつかしんでいた。
宇治原と菅を死なせたのは荒らそうとしたからでしょ。
だからその部分はシカトしとくのがいいと思われ。
>>202の続きです
「…。
ばかぁ〜。
ツッタカター、ツッタカター、ツッタカタッタッター…
のりおちゃんポーン!のりおちゃんポーン!
・・・ホーホケキョ。」
無意識に昔のギャグを口ずさんでいた。
そのとき、あることを思い出した。
自分はひょうきん族に出ていた。
そしてこのバトルロワイヤルはビートたけし主催。
自分が何かを変えられるかも知れない。
彼は首輪に盗聴マイクが仕掛けられていて、
さらに発信器で自分の場所がたけしに知られていることにも気づいていた。
>>204の続き西川のりおは首輪に口を近づけた。
「…たけしさん、聞こえますか?
西川のりおです。おひさしぶりです。
あの…単刀直入に言いますと、
僕は殺し合いではなく、話し合いをしたい。
それも、あなたと。
どうか、お願いします…」
神妙な顔つきで必死の問いかけをした。
果たしてたけしさんは答えてくれるだろうか。
が、彼はオバQメイクであることをすっかり忘れていた。
>203 禿同
というかそれを希望
>203>206
漏れもそれキボンヌ。
それで良いと思う。
208 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/23 18:07
209 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/23 18:14
>203
誰がいつ死ぬかわからない
これこそがバトルロワイヤルなんだよ!
てめーらの勝手で無視だのなんだの言ってんじゃねー
死んだモンは死んだんだ!!
ストーリーだの絡みだの期待してる前にお前も早く
誰か芸人殺せ!
いつまでもこんな茶番劇に執着してねーで
とっとと皆殺しにすりゃいいんだよ!
解ったか!!解ったら早く殺せ!!
頃すじゃなくて殺せ!!
俺は、銃口を
>>209の頭に押し付けた。
そして何の躊躇も無く、引き金を引く。
DQN
紅い華が咲いた。
崩れ落ちた
>>209は、もう息をすることすらなかった。
【荒らし
>>209 死亡】
212 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/23 18:43
>210
荒らしに載るお前も荒らし。
同じ穴の狢ってとこだな!!
「死ね!!210」
ドキューンだボーン
真性DQNは意外に弱かった・・・
210が最後に一言
「せっかくsageたのに・・・」
俺は言ってやった。
「近い番号で直リンなんかしてんじゃねーぞ」と。
【DQN 210 死亡】
>211
感想スレ読んで、無視して続けた方がいいと思ってますが何か?
宇治原はまだしも菅の死亡は明らかに荒らしだろーが。
ロザン死んだままの方がこのスレ終わると思われ。
>210
個人的にはそのネタ好きだが、209のような荒らしは今後一切放置した方が良いかと。
同じ事の繰り返しになるから。
面白いがやめとけ。
<とっくに忘れられてるとは思いますが、
ブラック・ボックス編(前スレ
>>627)の続きです>
俺はお前に何をしてやれる?
お前はいっつも一人で頑張りすぎなんや。
ちょっとぐらい、俺のことも頼って欲しかったのに。
「あーあ、死んじゃったあ…
もっと引っ張ればよかったなー。つまんねえの」
マスノは地面に転がった前の死体にそう言い放って、
包丁にこびりついた大量の血を拭った。
力が抜けて、糸が切れた操り人形のように
日村の腕にだらりと体を預けるP-MAN。
それを見て日村はひひひひひ、と笑う。
「どーした?ナマの殺人見てビビったか?」
しかし何を言われても、P-MANはぴくりとも反応しなかった。
P-MANの頭の中では、
いつだったかの舞台裏で前が何気なく言った一言がぐるぐると回っていた。
「俺に任せとけや。俺が何とかするわ」
それは今までずっと引っかかっていた言葉だった。
>>213 なんでロザン死んだらスレが終わるの???
純粋に疑問
と、P-MANは隙を突いて体を半回転させ
突然日村に殴りかかった。
「お…わっ」
瞬間、日村が発した小さな声も無視して、
P-MANは抵抗する暇も与えずひたすら殴った。
武器の存在はとうに忘れていた。
ただ目の前の存在を殴り倒すことしか頭になかった。
拳の痛さは全く感じなかった。
――昔からずっとや。
お前は俺によっかかって来ることもなくて。
俺は毎日、先を歩いてるお前の後姿ばっか見てて。
俺は最後までお前を守ることもできんかった。
どっちみちもう長くない命を使って、
俺は何をして償えばいい?
「…復讐しかないやん」
心は既に決まっていた。
夢中で、相手を殴っていた。
「おい」
後ろから首根っこを掴まれ、P-MANは我に返った。
日村はとうに気絶していた。
「困るんだよなあ、相棒に勝手なことされちゃ」
振り返り、にやにやしているマスノを睨む。
「マスノ…」
「怖い顔すんなよ。よかったじゃん、死ななくて。
相方ひとり殺されたぐらいでナニ涙目になってんだよ」
「……何やて?」
「ふざけんなっ!」
P-MANはマスノの喉に掴みかかった。
「自分の相方を真っ先に殺したお前に何が分かんねん!
結局お前は人の心なんか持ってへんねや…
お前は悪魔や!!」
「悪魔?」
すると今度は逆に、マスノがP-MANの襟に手をかけた。
「ていうかさ、お前だって相方見殺しにしてんじゃん」
ケラケラと嘲笑う声がP-MANの心に突き刺さる。
「殺されてくの見てて何にもできなかったような奴に、
んなこと言われたくねえんだよ」
「………」
頭の中に、忌まわしいあの光景がフラッシュバックした。
>>218の続き
あのとき、狂った日村の腕の前に自分はあまりにも非力で
P-MANは己の無力さを呪っていた。
その心の傷を容赦なく抉るマスノの言葉。
言い返せない悔しさで涙が溢れた。
「………黙れや!!だってお前らが、お前らが…っ!!」
「もういいよ。お前、うるさい」
マスノは蔑むような目で、P-MANの首に包丁を突きつけた。
「嬲り殺す気も失せた。さっさと死ね」
「…あ……………!」
その瞬間、心の中で声が聞こえた。
”嫌や”
”このまま何も出来ずに死ぬのは嫌や”
そして、P-MANは衝動的に目の前の憎むべき存在を殴っていた。
胸にある思いはひとつだった。
自己満足だっていい。
掠り傷ひとつでも、こいつに負わせることができたら。
全身全霊を込めたP-MANの拳はマスノの左頬を打った。が、
その途端に力を失い、体と共に地面へ倒れていった。
P-MANは、意識が遠のく間の数秒をスローモーションのように感じていた。
妙に冷静な自分が自分でもおかしかった。
「ごめん…前…」
耳の奥に、前の言葉が蘇る。
『お前が相方でよかったわ』
「…俺も………」
意識が途切れる寸前、自分の声が響いた。
後には、果てしない虚無があるばかりだった。
>>220の続き
「ってー…口ん中切ったな」
腕で口を拭い、マスノは握っている包丁を見た。
「ああもう、せっかく綺麗に拭いたのにまた汚れちゃったじゃん…」
誰に言うわけでもなく文句を言いながら、マスノは再び包丁を拭き始める。
マスノの頭の中では、P-MANの声が反響していた。
『自分の相方を真っ先に殺したお前に何が分かんねん!!』
「どう思うよ?松下…」
自分の腹に向かって話し掛けるマスノ。
「だいたいさ、相方って何?」
当然のごとく、亡き相方の返事はない。それでもマスノは喋り続けた。
「何かにつけて信頼とか尊敬とかさ、バッカみてえじゃん。そんなの」
なおも言葉を紡ごうとした時、それを遮るように日村が目を覚ました。
おお!マスノと日村だ!
>>221の続き
「…あれ?俺…」
マスノははっとして、何事もなかったように振舞う。
「あ、気がついたか」
意識を取り戻した日村は殴られたことを思い出し、さんざ悔しがっていたが
ふと思い出したように言った。
「そういえば何か今、独り言言ってなかった?」
少しの間の後、マスノは答えた。
「……ううん、何も」
【ブラック・ボックスP-MAN 死亡】
別に誰が死んでもいいんだけど
菅の話は前後の繋がり無視で書かれてるようだから
納得いかない人が多いんじゃないか?
>■ローカルルール■
>○書き手用○
>・これから書こうと思う人は、必ず過去ログに目を通す事
これが守れてないよね。<宇治原・菅死亡話
>>213 あのなー・・・
もうロザン以外のウエストサイドの皆さんは全員無事お亡くなりになっただろ?
ランディーズ殺した時点でもうロザンは役割を終えた。ていうか用済み。
あとは2人が死ぬだけなの。
出会うか出会わないかなんてたいした問題じゃない。
それともあれか?白雪姫系の
「宇治原・・・ゴメン・・・俺・・・ずっと怖かったんや・・・・・・」
「菅。もうええ・・・もうええんや。これからはずっと2人一緒や、そうやろ・・・・・・?ウエッサイの皆にも向こうで謝ろな・・・・・・」
みたいな展開キボーンか?チミは。
もうたくさんなんだよ!!
よってロザン死亡【確定】
話の流れを無視した荒らしの書き込みなんかに惑わされてんじゃねーぞ。みんな。
ロザン死なせたがってる荒らしは無視して今まで通り続けりゃいいじゃんか。
>>225 走ってた人間をいきなり眠らせたお前に言われたかね―な(w
230 :
暇人乱入@ごめんなさい。:02/01/23 19:42
バトルが始まって以来2日間、ずっと相方を探していた。
相方としゃべるのは久しぶりのような気がした。
「昨日な、若手の1人にとどめさそう思たら、そいつ「命だけは助けてください」いうて
命乞いしてきよってん。」
「そんなやつおらんやろー。ここは殺し合いの場やで、殺し合わな。おれはきのう2人若
手殺したけどな。」
「あ、おれもきのう1人殺した。」
「おまえはないー。」
「いや、1人殺したって。」
「おまえはないー。夢でもみとったんや。」
相方は2日前と同じ調子だった。
[計 若手芸人 3人死亡]
>230
ワロタ
「南原!」
内村が叫んで皆がハっと洞穴の入口を見た。そこには傷だらけの南原が倒れていた。
「ひどいケガだ・・・」
南原の腕には食糧や医療品・・そして防弾チョッキや着ぐるみが抱かれていた。
「何だこれ」
内村は着ぐるみを広げた。
これは濱口がめちゃイケで着てたやつだ。よーく覚えてる。
「南原」
南原はチラリと内村を見た。
「濱口は・・・殺してない。ちょっとおしおきしてやっただけ・・・だ」
「南原さん喋らないで」
上田はガーゼと包帯を取り出す。
「・・・大竹?寝てんのか?」
南原の目に横になっている大竹の姿が見えた。南原はその直後に気を失う。
「大竹さんの死体、始末した方がいいッスよ。ねぇ?」
「そうですね。腐ってきましたし」
くりぃむしちゅーの提案に内村と清水は頷いた。
【内村、くりぃむしちゅー、清水ミチコ組→南原合流】
>>229 いや、どう考えてももう白雪姫いないでしょ。
それよりなんか書いてくださいよ。
けっこう「宇治」バナ好きだったりするおいら。
続けてくれる気のある人がマターリと綴るスレ
自分はそれでいい・・・
菅は死んだん?!ヲタじゃないけど話の流れ的に気になる!!どーなんやろ。。
236 :
暇人乱入@ごめんなさい。:02/01/23 21:08
アホ♪アホ♪
あれ?なにか聞こえてくる。
アホ♪アホ♪アホの・・・
どうやらだれかが歌っているようだ。
後ろを振り返ると1人の男が立っていた。
見た所戦う意思はなさそうだ。
その油断が災いしたのだろう。
シュッ。という音と共に吹き矢が放たれた。
アホ♪アホ♪アホの坂田♪
男は歌いながら山の方へ消えて行った。
[若手芸人 1人死亡]
>236
なんだか和んだ(笑
>>239 そう返したきみも荒らしと一緒に見えるよ。
んで自分も荒らしと。
じゃぁみーんな荒らし。
オイラも荒らし♪
大野は嵐♪
haihai,mounerujikanndayo!
nja,oyasuminasa-i vv
荒らしはやめてくれ…
ホンマにロザンの話終わり?
あかん、納得いかない。
うざっ
>>245 それはもういいでしょうが。
いつまでもこだわってたら一生このままだよ?
書き物小屋さんてもういないんですか??
感想スレで書き物屋さんがロザンの話にかたをつけてくれてますよ。
別スレに書かなきゃいけないんだろうけど、なんか荒れ気味だし
昔の(悲劇に酔ってない)上手い作家さんに戻って来てほしいのもあるし
取り敢えずサゲで感想書きます。
今までで1番文章が上手いのはBRコミック読み組@まいぺーすさんだと思う
個人的に。口に出すセリフにする場合と、ト書きで表す場合の区別の仕方が
めちゃくちゃ上手い。しかも、ちゃんと「こういう喋り方するよな」って
セリフを言わせてるのがいい。例↓
>>156 :BRコミック読み組@まいぺーす :02/01/23 02:56
「何かあったんですか? 」
「あったもクソもねえだろ、マジで死ぬ思いしたんだからな」
「斬りかかってきたんですか」
「おう、しかも大上段で俺を真っ二つにしようとしやがった」←ココと
マジであれ、おっかねえよ。 ←ココの区別の仕方ね
と一度田中は言葉を切った。
今の所、無駄に悲劇過ぎないから過剰なものがなくスッキリ読めるし。
これからもスタンス崩さず書いて欲しい。
極楽の決着つけてほしいな〜
>>156続き
「はあ〜…」
田中が盛大な溜息をついたその瞬間、それが合図であったかのように
ログハウスのドアが勢いよく開き、数名の人間がなだれ込んできた。
「なっ…」田中と長井はとっさにそれぞれの武器を構えた。
相手は総勢5人、手にしている武器は錐、彫刻刀、釘抜き等で、
どれもろくに手入れされておらず表面には錆が浮いていたが、
殺傷能力は充分備えていそうだった。
1人の例外もなく、目は血走り、全身小刻みに震えている。
中には髪に白いものが混じっている者さえいた。
「お、お前ら……
5番6番に冷やし中華じゃねえかよ」
銃を向けつつ発せられた田中の言葉に、彼らはふと我に返った。
「…田中さん…それに、長井さん…?」
252 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/24 01:02
>ロザンネタについて
漏れは別にヲタじゃないが、話の流れとして死ぬのはおかしい。
大体、書き物屋さんなど専属の作家さんがいるのに
勝手に意味不明の死に方をさせるのは明らかにルール違反だし、
せっかくここまで作家さんがシリアスに考えてかいてくれたのに
荒らし同然のやつに終わらせられたら納得いかんだろ。
ま、でも生き返らすのは違反らしいけど。
しかしあの死に方じゃ作家さんは納得いかないな。
>252
禿同。
255 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/24 01:07
>254
見たけど、何か?
別に生き返らせようとも言ってないし。
第一、もう完結したことだし。
ただもったいなかったって話をしただけだよ。
感想スレに書いても読む奴すくないだろうから書かしてもらった。
>専属の作家さんがいるのに勝手に
>意味不明の死に方をさせるのは明らかにルール違反
いつ誰だ決めたルールだ、そりゃ?
勝手に脳内規則決めてんじゃねーぞ、ゴルァ!
257 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/24 01:09
>256
厨房の時代が来た(w
早く寝ろよ。
南原が街から戻ってくる数時間前。
洞穴の中では、くりぃむしちゅーの2人が集めてきた
落ち葉・枯れ枝を燃やした焚き火を囲み、ただじっと誰もが
炎を見つめていた。
突然やってきた清水ミチコ。
他の男達は、彼女がここに来るまでに一体何をしたのか、
一体誰を殺めてきたのかそのことばかりを考えていた。
「パチパチ」
焚き火の心地よい炎の揺らめきと、辺りに舞う灰に目を
やりながら内村が沈黙を破った。
内村「なぁ、ミッチャン。ここくる前にあの小瓶の中身使ったみ
たいだけど誰に使ったの?」
有田「そうっすよ。俺もずっと気になってたんっすよね〜。」
清水「・・・・」
清水「ねぇ、私さあ『夢逢え』終わったの今でも残念に思ってるんだ。」
内村「えっ」
内村の脳裏に『夢逢え』のメンバーが浮かぶ。南原は今街に行っている。
DTは2人とも只でさえ疑い深いのに、ましてやこんな状況だ。
小瓶の中身を飲ませる事は容易ではない。
だとしたら・・・・・
>>257 小説以外はsage。
済んだことを今頃ぐちぐち言うのもsage。
全角数字の消防はとっとと寝る。
ルールです。
>>259 清水「ウッチャン今、野沢だと思ったでしょ。」
内村「え・・・いや。」
清水「あははははっ。まさか、もうあんたらしくもない。あせるなあせるな。」
清水の笑顔に目をやる事ができず内村は黙って炎に手をかざす。
有田・上田はこの会話に入ろうともせずだんまりを決め込んでいるようだ。
清水「ほら、うちらの番組の後にやってたさあ」
内村「!!」
清水「そう。ユ・メ・ガ・モ・リ・モ・リ!」
(だってこれは芸人同士の殺し合いのゲームじゃないのか?
どうしてあの2人が紛れ込んでいるんだ?)内村はその疑問を表情
に浮かべ清水の顔を見た。焚き火から少し離れた場所に腰を下ろして
いる清水の表情は炎の影に揺られ笑顔を絶やす事は無かった。
>260
はいはい。分かったよ。
どうもすみませんでした。
263 :
携帯電話@お腹いっぱい。:02/01/24 02:02
一人の男が、森の中を彷徨い続けている。
一体、どれだけの時間を費やしただろう。
今まで共に歩んできた仲間達を、この手で殺めてしまった。
ドウシテ コロシテシマッタノ・・・?
男は紅く染まった手を見つめ、何度もその言葉を繰り返した。
誰も見ることの出来ない、紅く染まった手を見つめながら・・・。
264 :
携帯電話@お腹いっぱい。:02/01/24 02:04
>>263 男は気付いた。
たった一言、あの言葉を言えばこんな惨劇が終わるのに・・・。
勇気を結し、男は口を開けた。
265 :
携帯電話@お腹いっぱい。:02/01/24 02:05
>>264 「お笑いバトルロワイアル、これにて終了!!」
266 :
名無しさん@お腹いっぱい:02/01/24 02:18
>>265 超感動的なラストでした!!!
おつかれさまですぅwwww
以上、終了ーーーーーーーー!!!
終了〜〜〜〜!
お疲れ様でした。
短い間だったけどよい思い出をありがとう。
あら、終り?
まあ、荒れてきたし、ここでもう止めたほうがいいかもね
作家さんたち、お疲れさまでした
皆さんハイテンションでどうされたんですか?
何で終わっちゃうわけ??
ロザン死んだら終わりなんだってさー
baseヲタの皆さん、ご満足?
まぁ気にせず他の続き書いてよ。
ウンナンの先とかやっと出てきたトコなんだし。
ロザンが死んだからってよりも
荒らしがロザン殺したから終わりなんじゃないの?
続けたい人は続けていいと思うよ。
とゆうか、小説載せる本編と雑談はやっぱり分けた方がいいんでない?
小説だけ読みたくて見る人も居るだろうしさ。
長々と普通の書き込みあるとやっぱり邪魔だよ。
2ちゃんに秩序は必要ない。
>>277 いや、確かにそうゆう趣旨のサイトなんだけど・・・
ちょっとワラタ。
279 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/24 05:40
面白い
>151の続きと書きたかったけど、書いて下さる方がいらっしゃったので
>251の続き。
「あ──!!」
その場にいる全員が何でここにと言った表情で指さした。
無理はない、絶対いるはずがない古ぼけたログハウスで見知った顔が何人もい
るのだから。
なんでだよー。
はー。
田中は何でだー。と、回りを見た。
「5番6番、冷やし中華、もしかしてお前ら村正の件ずーっと、長井と一緒に
最初から最後まで聞いてたのか」
黙って彼らは頷いた。
「じゃ、余計な説明はいらねえな」
「……みたいですね」
周りを見回して長井は言った。
「つーわけで俺らは取りあえず泰造探して光探してるわけだから、もし見つか
ったら携帯に連絡入れれねえか」
携帯ならこの場に全員が持っているはずだ。
レーダーという探知機を持っていなくても携帯があれば見つけられた時にも
すぐ連絡は入れられる。
どこぞの番組のようにオフィス北野もそこまで酷いことはしなかったのだ。
あんましうまく書けないけど、ちょっと自分の意見をば。
本来は感想スレに書くべきなのだろうけど、ちょっと浮いてしまいそうな気が
するんでこっちに。すまそ。
実は感想スレもこっちのみなさんの意見も昨日一日中読んでたの(注・昨日は
様子見と、具合が余り宜しくなくて書けなかった)。
ただね、このスレ、書き手と読んで下さる読み手いてナンボなのね。
いい読み手はさ、いい書き手がいるからこそ育つしさ(逆も又しかり)、私も
文、打ち出してアッチャーと思ってしまうことも多々(特に、把握しきってい
るとは思えないネプ原田関連)で、読み手の方に突っ込んで頂いて勉強になっ
てるし…。
って、言うのもまた事実なんだけどね。
>250さん、例も上げながら誉めていただき、ありがとね。
それと、今回の荒れた一件に関しては、言いたいことがあったけど、状況的に
言えなくて、菅さん、宇治原さんの文の件をきっかけに不満爆発しちゃったよ
うな形だしねえ。
これ、いつかは通らなくては行けない道だっただろうけど、個人的に私はこれ
完全にケリ付けるまでは進行ストップなっちゃうと書く場エゴ丸出しになるけ
どないし、まだ話書きかけというのもあって書きたいし、少なくても他の書き
手さんの話も読みたいんで、他の書き手さんが帰ってくるまで書きながら待た
せていただきます。
俺もまだ読みたいし書きたい。書くよ。これからも。
ロザンはこのスレ自体には関係ねぇ。
バス亭までもう少しだというところ・・・。
(・・・・?)
深沢は何かが走る「音」を聞いた。深沢はそっと身を隠す。
向こう側からジンジャーが走ってくる。
(誰が乗ってるんだろう?)
深沢は肉眼で確認した。とうとう「あの男」を肉眼で見た。
ジンジャーを運転していたのは原田泰造だった。
「・・・泰造!」
深沢は全速力でジンジャーを追った。しかし、ジンジャーも全速力で走っている。追いつけるはずもない。
「ちっくしょう!」
せっかく見えたのに。逃げられた。深沢はその場に膝をつく。
深沢の腰につけられている名刀正宗が、深沢を慰める様に唸りを上げた。
「深沢さん・・・?何で深沢さんが俺を追ってるんだ?」
その時、原田の側にあった妖刀村正が、高い呻きを上げる。
「・・・まぁいい。あいつを始末するまでは生かしといてやるよ」
原田ははっとなって村正を見た。今、俺は何を口走った・・・?
しかし原田はそれを自答する事もできず、意識を支配された。
285 :
第12回放送:02/01/24 09:51
「はいはーい。これでもう12回目の死亡者発表になっちゃいました。
今回は一人の偉大な実力者が死んでしまって先生もビックリしてま〜す。
いまだほとぼりが冷めませんが死んでしまったのは仕方がありません。
残りの皆さんでこれからもどんどん殺しあってくださ〜い!」
たけしの元気な声が生存者の心の奥をえぐるのか、それとも・・・
17以降の
【死亡者】
たむらけんじ、ランディーズ(高井・中川)、江戸むらさき(野村浩二)
ビタミンC(奥本・吉田)、ロザン(菅・宇治原)、坂本ちゃん、
ブラックボックス(P-MAN)、無名若手芸人5名、
(モリ夫は死亡ですか?それとも脂肪ですか?)
【分離】
なし
【合体】
元ジャリズム(山下・渡辺)・千原Jr.
内村、くりぃむしちゅー、清水ミチコ、南原
286 :
第12回放送:02/01/24 09:52
288 :
名無しさん@お腹いっぱソ。:02/01/24 10:23
書きます。
「ちょっとー!!もう、遅いわね!いつまで私を待たせる気かしら?
最近人急上昇だからって調子に乗ってんじゃないのぉ?
なのに関係ない奴ばっかりここに来て!
…聞こえてないのかしら・・・。」
藤井隆はなかなか現れない麒麟川島に相当苛立っていた。
その代わりに間違えてここに来てしまった芸人の命が
12回放送が終わって直ぐに落とされてしまったのだ。
川島が来ない苛立ちを藤井はその芸人達にやつあたった。
「ばかっ!なんなのよっ!なんでこないのよっ!
お前達呼んできないさよ!」
転がった右腕が
手招きをしているように見えた。
【ライセンス藤原・井本 死亡】
川島vs藤井が今は一番楽しみだ
>>205続き
「殿、西川のりおがちょっと面白いこと言ってますよ」
本部で監視モニターを見ていたそのまんま東がつぶやいた。
「…ああ、聞いてたよ」
ソファーに寝っころがったまま、たけしが答えた。
そしてそのまましばらく何かを考えていたかと思うと、
ふいに立ち上がった。
>>290続き
「殿、どうしたんですか?」
「…ああ、ちょっとトイレ」
「まさか、のりおさんと話をしに行くんじゃないでしょうね?」
「…。どうだっていいだろ」
「よくないですよ!外は鉄砲とかバンバン撃ち合ってんですよ!?
もし撃たれたらどうするんですか!?」
「大丈夫だよ。俺は死なねえ」
「そんなことわからないじゃないですか!!」
「うるせえ、ガタガタ言うんじゃねえ
…東。お前知らなかったのか?」
「…な、なにをですか?」
「…俺は前回、第1回お笑い芸人バトルロワイヤルで優勝してるんだよ」
そう言うとたけしは、散歩でも行くかのように
両手をズボンのポケットに突っ込んだまま、手ぶらで本部を出ていった。
ダウンタウンは一体?どこ?
こんなならロザン生かしといて物語すすめりゃよかったのにー
ユウキロックのその後もー
ますだおかだの呆気ないし似方
ファンからいわせりゃ、岡田は人見知り(人嫌い)なんで光裏に話かけるわけない
293 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/24 14:43
また新たな芸人も出てきてるし、このままマターリ進行で行こうよ。
一応新ルールとして
「専属の書き手がいる芸人は無闇に動かさない」
「専属芸人の続きを書きたかったり、自分の話と繋げたい場合は、スレ内で呼びかけ確認を取る」
「長期間放置されたままで、明らかに前の書き手がいないと思われる場合は、新たな書き込み可」
とかはどう?
今まで暗黙の了解みたいだったから、イザコザ起こったんだし。
>293
賛成
モリ夫はまだ生存中です。
太田光(爆笑問題)は夢を見ていた。
藪の中で胎児のように丸まって、眠っていた。
太田はかつて自分の通っていた高校にいた。
校庭でサッカーをする者、教室の中で談笑する者、校舎は人で溢れている。
しかし、太田の方を見るものは一人としていなかった。
孤独だった。
一人で演劇部に所属し、
休み時間には一人で図書館で本を読み、
三年間、友達と呼べるものはいなかった。
が、一人でいることに苦痛はなかった。
高校時代のことをあれこれ思い出していると、
溢れかえる人の波の中に、見慣れた小さな人影があることに気づいた。
田中か・・・?
手を振り呼びかけようとすると、手を挙げかけると小さな影はこちらに気づいた。
確かに田中だ。しかし田中は太田の姿を見ると、駆け出して逃げていった。
なぜ逃げるんだ。
太田は急に寂しくなって、小さな影のあとを追った。
田中は校舎の建物に入っていった。
太田もあとを追った。
田中は階段を上っていく。
太田と田中の距離は常に一定で、なぜか追いつけない。
階段を駆け上がっているうちに息が切れてきた。
すると、頭上からバタンとドアを閉める音が聞こえた。
どうやら田中は屋上に出たらしい。やっと追いつける。
屋上までの最後の階段を一息に駆け上がり、ドアノブに手をかけた。
鉄の扉を押し開けて屋上に出る。
頭上から直に降り注ぐ日の光が眩しい。
田中はどこだろう?
ぐるりと見回すと、こちらに背を向けて柵にもたれかかった田中を見つけた。
「オイ、なんで逃げるんだよ」
田中がこちらに振り向き、何かを言おうとしたその時──────
太田は夢から覚めた。
握り締めていた銃の重さで、一気に現実に引き戻された。
ほんの5分程だろうが、この状況下で眠ってしまうとは。我ながら呑気なもんだ。
藪から身を起こし、再び松本を探すためにさまよい始めた。
太田の主観が出てこなかったので、書いてみました。
ヘタクソですんません。
>298
センキュウ!
>298
かなり良い感じだね〜
前スレ740及び現スレ236続き
「・・・・・・。」
伊藤は歌丸が現れるや否や手持ちの銃を構えた。
「・・・ど、どうしたの?」
「あいつなの。あいつが虻ちゃんを・・・。」
と、伊藤。
「そうだ。悪いか?・・・ふっふっふ。
お前は「虻ちゃん」とやらの相方か?」
「ええ!」
「ならば・・・。お前もあいつと同じ死に方を味わせてやる。」
「断らせてもらいます!私は・・・虻ちゃんの敵をとる!」
と、伊藤。
「伊藤ちゃん、私も協力するから!」
と、田上。
テツ「俺も出来る限り協力してやるぜ!」
トモ「こっちも!」
ユリオカ「オレも!」
「さぁ・・・どうかな・・・?」
緊迫したムードが辺りを包む。・・・そんなときだった。
♪アホ、アホ、アホの坂田
おとぼけな音楽が聞こえてきて緊迫したムードは一瞬にして崩れた。
「・・・・・・。」
あまりにも突然すぎるへなへなな展開に唖然とする面々。
「いまは…敵討ちの最中なの・・・ジャマすんなー!」
伊藤はアホの坂田を巴投げで投げ飛ばしたのであった
日の光の届かない洞窟の中に、一人きりの男がいる。
体育座りの姿勢のまま身動き一つしない。
添野豪(アルカリ三世)は、ずっと動いていなかった。
何度か身の隠し場所を探す芸人が洞窟に入ってくることもあったが、
入り口以外に逃げ道がないことが分かると、わざわざ一番奥まで来る者はいなかった。
そうして、運良く今まで生きている。
なぜ自分がこんなことに巻き込まれているのか、まるで分からない。
最初はまた電波少年の企画か、と思っていた。
しかし、参加者全員が集められていたあの部屋で鉄拳が死んだのは本当だった。
脳天に突き刺さったナイフも本物だったし、溢れ出た血も本物だった。
スタート地点から飛び出して、まず考えたのは相方の坂本ちゃんのことだった。
会った所でどうなるとか全く考えは無かったが、とにかく仲間が欲しかった。
だが坂本ちゃんを探そうにも当てが無い。ただ歩き回るほか無かった。
そうしながらも「このゲームはやっぱりテレビ番組じゃないのか」という思いもまだあったが、
坂本ちゃんを探して歩き回っているうちに、それが甘い考えだと思い知らされた。
行く先々に、知った知らないを問わず芸人の死体がゴロゴロしているのだ。
最初の死体を見たとき、あまりの血の臭いの強さに吐いてしまった。
「畜生・・・、なんなんだよ・・・」
人に見つからないように、這いつくばりながら涙を流した。
だがそれも遠い昔のような気がする。
こうしてうずくまっている間に感覚が麻痺してきたようだ。
光の無いところにずっといるお陰で、視力も萎えてきている。
ぼんやりとした意識の中で、最後に見た坂本ちゃんの姿を思い出した。
山の中をビクビクしながら歩いていると、斜面の上のほうに学ランを着た人影が見えた。
すぐに坂本ちゃんだと分かった。うれしくてたまらなかった。
すぐにでも呼び止めたかったが、大きな声を出すのは危険だと分かっていたので、
追いつくために早足で斜面を登っていった。
あと15m、というところまで迫ったとき、坂本ちゃんに違和感を感じた。
歌を歌っている。
坂本ちゃんが、大好きな槇原敬之を口ずさんでいる。
歌のリズムに合わせて、何か棒のようなものを振り回している。
紛れもなく日本刀だった。しかも血糊付きの。
さっきまでうれしくてたまらなかったのに、今度は愕然となった。
坂本ちゃんが人を殺している。
偶然に血糊の付いた日本刀をひろった、なんて都合のいいことは思いつきもしなかった。
坂本ちゃんが、人を殺している。
大慌てで反転し、山の斜面を駆け下りた。
ひょっとしたら、走りながらわあわあ泣きわめいていたかもしれない。
そのあと、この洞窟を見つけて飛び込んだのだった。
隠れてからも暫く泣いていた。涙が止まらなかった。
あれからどれくらい時間がたったのか、もう分からない。
もう時間なんてどうでもいい。何もかもどうでもいい。
洞窟に吹き込む風に乗ってくる、金気臭い血の臭いも気にならなくなった。
暗闇に目が慣れるのを通り越して、もう何も見えなくなった。
嗅覚も、視覚もとうに麻痺した。
何もかもが嫌だ。添野は外界との接触を頑なに拒んでいた。
風に乗って、微かに放送が聞こえる。
死亡者の名前を読み上げ、禁止エリアを告げる。
今添野がいる洞窟は、読み上げられた禁止エリアに入っていたが、気にならなかった。
聴覚も麻痺しているのかもしれない。
先ほどの放送の指定した定刻どおり、洞窟は禁止エリアになった。
添野に残された触覚が、首輪が爆発する熱と痛みを脳に伝え、その役目を終えた。
【添野豪(アルカリ三世) 死亡】
太田主観書いたやつです。
今度はソエノ君書いてみました。坂本ちゃん出てきてたので。
それにしても長すぎ、俺。
樹の根元に腰を下ろし、林はバナナを食べていた。
黄色い皮を剥いて、中の白い果実にかぶりつく。
自然の甘みが口の中に広がり、林は気分が落ち着くのを感じていた。
このバナナは先ほど殺した男から奪った物である。
ガッツ石松。
まさか元ボクサーまでもがこのゲームに参加していたとは思わなかったが。
自分と出会ったのが運の尽き。
自分の武器のハンマーはこいつ相手には不利…そう判断し、間合いを計って拳銃で射殺した。
何せこちらには伊藤から奪ったコルト・ダブルイーグルと
後輩芸人、江戸むらさきの野村が自死のために用いた、コルト・ピースメーカーがある。
しかし、無傷でとはいかず、何発か殴られてしまった。
現役時代のパンチを喰らっていたら、勝者は逆になっていたかも知れないが。
何とか口の中を切り、奥歯を一つ損傷するぐらいの被害で済んだ。
林が三本目のバナナを囓り終える頃には、先ほどの対ガッツ戦の興奮は流れ去ってしまっていた。
「案外まだ生き残ってるの、おるんやなぁ……。」
冷静に状況を把握しようとする意識が働いてくると、側の道を見知った顔が歩いてくるのに気付く。
林はバナナを投げ捨てて小さく呟くと、ハンマーの柄を握ってその男に近づいた。
「…つぶやきさん、一緒に逝きません?」
声に気付いた男が林の方を向いた瞬間。
林の振り下ろすハンマーが、つぶやきシローの頭部を砕き割っていた。
何が何だか把握し切れていない表情が崩れ、周囲に血が飛び散る。
返り血が林の顔を、身体を赤く染める。
腐ったトマトを潰してみても、なかなかこう派手にはいかない。
「あぁ、楽し……。」
血の飛沫が付着した顔に恍惚に似た笑みを浮かべたまま、林の口元は確かにそう動いていた。
【ガッツ石松・つぶやきシロー 死亡】
>>150 遅レスですみません、しばらくネット繋げる状況じゃなかったもので。
松丘使用全然大丈夫でしたよー。
つーか桶田に関して書きたいけど時間がなくてなくて(苦笑
<すっかり放置されてるので書いちゃいます。前スレ
>>450の続き>
アルファルファ飯塚・豊本、エレキコミック谷井・今立とおぎやはぎ小木一行は
エレキ二人の証言とカンを頼りに、叫び声のした方角に向かって歩いていた。
マスノはというと、出発しようとした時
「悪いんだけど、俺らまだやり残してることあるからさー」と言うが早いか、
日村を連れていつの間にか森の奥へ消えていた。
「そういえばさ、マスノくんの言ってた
やり残してることって何だろうね」
「…ヤなこと思い出しちゃったじゃん…やめてマジで」
何気ない小木の一言で、
無意識に松下の顛末を想像してしまった飯塚がえづく。
具合悪そうに俯く後ろ姿に、豊本が追い打ちをかけるように言った。
「もしかして今頃、胡蝶蘭あたりが犠牲になってたりして!?」
沈黙。
「……シャレになってねえよ」
えづいていてもツッコミは忘れない飯塚を見て、
さすがだねえとふざけ半分で感心する豊本。
そんな相方に飯塚は「バカ」と返すのが精一杯だった。
>>310の続き
そんな会話を続けながら歩き続けること数分、
最終的に古びた病院にたどり着いた一行は息を飲んだ。
「…ここかな、たぶん…」
北向きの館内は明かりが消えていて、昼間だというのに薄暗かった。
静まり返る廊下に足音が不気味に響く。
「こえ〜よ〜」
「…小木さん、あんた素でキモチワルイからしがみ付かないでよ」
本気でヒいている豊本に、小木に便乗して飯塚もくっついた。
「ごめん、俺も怖い」
「なあなあ、俺もこーわーいーっ!」
面白がって、谷井までが豊本に掴まる。
「ちょっとーどうにかしてよこれー」
豊本は呆れ顔で3人を引っ張って歩きながら、今立に助けを求めた。
こんな状況でもまるで緊張感のないこの集団を眺め、
今立はただただ苦笑いするしかなかった。
>>311の続き
さて一行は”あの男”の存在に用心しながら、一歩一歩慎重に足を進め
ひとつひとつの部屋の中を確認していく。
森で聞いた悲鳴の意味、一緒にいると思われる片桐の安否など
数々の疑問をそれぞれの頭の中で反芻させながら。
そしていくつ目かのドアを開けた時、全員が驚愕した。
そこにあったのは、血の海の中に横たわったひとつの死体。
「……片桐………」
「…マジかよ〜」
「ひっでえ…」
顔をしかめる谷井。思わずその場にうずくまる今立。
「せっかく助けたのにな……」
あの時仲間にしておけばよかった、という後悔の念は倍増していた。
血に染まった片桐を悲しそうに見る谷井の首元に、
小木の一言でイヤな汗が伝う。
「ねえ、まさかこれもあいつが…?」
一同は戦慄した。
>>312の続き
「…かたぎりー!!」
感極まって飯塚が走り出そうとしたのを、豊本が慌てて静止する。
「ちょっ…ダメですよ迂闊に近づいちゃ!」
「だって、片桐が…片桐が……」
涙目で訴える飯塚を豊本は小声で必死に諭した。
「あいつがいるかもしれないってさっき言ったばっかりじゃないすか」
「でも…!」
その時、聞き慣れた声がした。
「だれ……?」
物陰から顔を出したのは、他でもない小林だった。
肩を縮めて、体育座りの体勢を取っている長身の男。
「…コバケン」
皆、どうしていいのか分からずに無言になった。
うろたえながらも、なんとか場を繋ごうとする谷井。
「……あのさ、まー落ち着けよ。
俺らは別に何も危害加えようってんじゃねえからさ」
「白々しいよお前!もっと上手くやれよ」
意味もなく半笑いを浮かべる谷井の耳元で、今立は反射的にツッコんだ。
小林はそのやり取りを見てきょとんとしている。
「…?」
>>313の続き
どこか怯えるような表情で突然の来訪者をじっと見詰める目には、
薄く涙の跡が残っていた。
「…何か様子ヘンじゃねえ?」
「うん」
「おーい、どーしたー?」
異変に気付いた谷井たちは口々に声をかけたが、
小林は狐につままれたような顔をしたままだ。
痺れを切らした小木が、片桐の死体を指差して尋ねる。
「ねえ、これ何?どういうこと?」
そして、この素朴な質問に返された小林の答えは
誰もが予想だにしないものだった。
「おにいさんたち、だれ?」
>>314の続き
……………。
はい?
全員の心の声が一致していた。
誰もが言葉を失っている中で、
まず第一声を発したのは豊本。
「………ん――、何何何?ちょっと待ってちょっと待って。」
混乱しながらも、豊本はやっとのことで平静を保ちつつ
恐る恐る尋ねた。
「…あのさ、とりあえず自己紹介してみ?
名前は?年いくつ?」
小林は真っ直ぐ豊本の顔を見て、はっきりと言った。
「こばやしけんたろう。7さいです」
「…………………………ハァ!?」
(続く)
316 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/25 00:17
ヒマナスターズ…( ;´д`)ハァハァ
おじさんがマソショソを買ってあげるから早く続きを書いておくれ…( ;´д`)ハァハァ
ここ、面白いから楽しみにしてたのに、キンコンで泣いてランで泣いてロザン・・・
最悪!何アレ。キッショ。ちゃんと書き手にまかせんからあかんのやって。
もう終わるん?つまらんね。 マンダラ見よ。
太田光(爆笑問題)は考えていた。
それはゲームの開始が宣言されてからずっと考えていた。
「自分は何をすべきか、何ができるのか」
ゲームの開始が宣言され、鉄拳が死に、自分の名前が呼ばれ、
ナップザックを渡され、武器があるのを確認し、外に飛び出し、
そして多くの命が散っていくのを目にしてきた。
もちろん怖かった。
芸人が芸人を殺していることが怖かった。
非常識が常識になっているこの場所が怖かった。
ただ・・・、
>319のつづき
不思議なことに取り乱すことは無かった。
小説の「バトルロワイアル」を読んだとき、もし自分がこの立場に置かれたら、と考えたことがあった。
もし自分だったら、状況に絶望して崖から身投げするか、
徹底的に殺して、殺して、殺しまくるかのどちらかだろう、と思っていた。
だが現実はそうではなかった。
こうして自殺せずに思考を続けているし、何人か殺しはしたがそれに快感を覚えることはなかった。
それよりももっと他に、自分でも意外な発見があった。
この状況を楽しんでいる自分がいるのだ。
人が死んでゆく残虐なシーンを楽しんでいるのではない。
それを成す「人」を見ることに、太田の知的好奇心は大いにくすぐられたのだ。
>320のつづき
怯えながらも、我が身可愛さに引き金を引く「人」。
死の恐怖に怯えながら必死に命乞いをする「人」。
死を覚悟し、穏やかな表情になる「人」。
返り血を浴びながら笑顔を浮かべる「人」。
死という蟻地獄に踏み込みもがく、「人」、「人」、「人」・・・。
いつしか太田は自分の身を守ることも忘れ、この最悪の人間ウォッチングに没頭していた。
ずっと反芻していた自らの問いに出した答えは、
────「この状況を楽しめ」
>321のつづき
ロザン・菅、麒麟・川島。
この二人に太田は楽しませてもらった。
序盤から暴れまわってくれたお陰で、腹いっぱい観察することが出来た。
特に川島は、相方を拉致した藤井の呼びかけに答えるのかどうか今後も見ものだ。
だがこの二人よりも、さらに要注目のサンプルがいる。
ダウンタウンの松本である。
ゲーム開始から、禁止エリア以外は殆ど踏破しているが、松本の姿は一度も見かけなかった。
観察するためにずっと探しているが、結局見つけられず終いでいる。
放送を聞いても松本の名前はまだ呼ばれていない。
まさか怯えきってどこかに隠れたままだとは思えなかったし、思いたくもなかった。
>322のつづき
「何か突拍子もないことをしでかしてくれるよな・・・」
太田は自分の期待を口に出してみた。
何でも願いの叶うおまじないのように、何度も繰り返した。
「突拍子もないこと」とは何なのか。
「しでかし」た時、松本はどんな顔をしているのか。
その時、傍にいるであろう取り巻きの連中はどんな顔をするのか。
太田は楽しみで仕方が無かった。
考えているだけで頬がだらしなく緩んできた。
前すれ>581の続き
浜田雅巧は日本刀を小脇に抱え、森の中を歩いていた。
血痕を頼りに木村を追ってきたのだが、途中で血痕を見失ってしまった。
「けたっくそ悪いわ、ホンマ、いてもたるでキム、…ぶつぶつ」
彼はお腹が空いて、普段よりもガラが悪い様子だった。
ふとカサカサッという物音が聞こえ、浜田は少し身構えて物音のした方向を見た。
そこにいたのは野ウサギだった。キョロキョロと周りの様子を伺っている。
ぐ、ぐぅぅ・・・。
浜田のお腹が鳴った。
「……あれ食うたれ。」
そうつぶやくと浜田はウサギを捕まえるために駆け寄ったが、
ウサギはすばやく身をかわし、森の奥へ逃げてしまった。
浜田は後を追った。
野生のウサギの足は速く、中年で運動不足の浜田には
なかなか捕まえることが出来ない。
「なんやねん、ハアハァ。人おちょくっとんのか、ウサギのくせに…」
一生懸命走っている浜田の横から突然、全力疾走の男が飛び出してきた。
「ぎゃーーーーー!!!」
「うわあああ〜〜〜!」
予想していなかった事態に二人とも驚き、叫び声をあげる。
心臓が飛び出るほどびっくりした浜田はうわ〜、うわ〜と言いながら
訳もわからず日本刀を振り回した。
気が付くと浜田の目の前で男が一人倒れていた。
浜田の振り回した日本刀で喉をぱっくりと割られ、血がどくどくと流れ出している。
「な、な、なんやぁ!超びっくりしたやないけ!!!死ぬかと思ったわ!こんボケが!」
浜田はイライラと言葉を吐き出しながら、その怒りをぶつけるように
死にかけの男に何度も刀を刺した。
男の死に顔を確認した浜田は肩で息をしながら
「こいつ…、まぁええか」
とつぶいた後、森の奥を見つめた。
「ウサギ…。」
【逃げまくり田代まさし 死亡】
(ウサギを逃した浜田、空腹と怒りで凶暴性増)
↑前スレ793見逃してるYO!
繋がってないよ〜
>326
ほんま申し訳ない。田代を放ったらかしにしたくなくて、
物語に支障ないレベルで浜田に殺させたかったんですが…。
あれから半日は立って、またお腹がすいたってことで。
食いしん坊ってことで。
>>291続き
西川のりおがたけしに呼びかけてから、
約1時間が経過していた。
自分は、この「ゲーム」の流れを変えられるだろうか。
たけしさんは自分と話をしてくれるだろうか。
でも、話すとしたらどうやって?
こちらから本部の方に行くか。
しかし、それは危険すぎる…
のりおは同じ事ばかり考えながら、
意味もなく森の中をうろうろしていた。
オバQメイクで。
>>328続き
「あれから約1時間か…」
体力的にも、精神的にものりおは疲れ切っていた。
木陰に腰をおろし、少し休もう。
そう考えたその時、
「おう、ひさしぶりじゃねえか。
お前、おもしろい格好してやがんな」
ふいに後ろから声がした。
のりおは慌てて振り向く。
片方の口の端だけを曲げる、テレビで見慣れた独特の笑顔で、
ビートたけしがそこにいた。
>>329続き
「…!!たけしさん!
すんません、わざわざこんなとこまで来てもろて…」
「そんな挨拶はどうだっていいんだよ。
それより、俺と話がしたいんだって?」
「…はいっ、あの…。」
のりおはたけしの突然の登場にパニックになった。
必死で頭の中で言いたいことを整理しようとする。
冷や汗でメイクがかなり流れ落ちた。
「たけしさんは、誰が勝つと思いますか?」
そんな話はどうでもいい。
しかしただ、もう少し考えを整理したかった。
>>330続き
「あ〜…ダウンタウンの浜田とか、爆笑問題の太田とか、
結構いいとこ行くんじゃねえか?
でもこればっかりはよくわかんないよ。
俺だって前回のこれで、優勝するなんて夢にも思ってなかったし。
最後、横山やすしさんと2人になっちゃったときは
ほんと、どうしようかと思ったけど」
そう言うとたけしはいつもの
しかめっ面のような笑顔を見せた。
…!
噂は本当だった。
随分前に楽屋で、そんなことを誰かが話しているのを聞いた。
しかしそんなことがあるわけないと思っていた。
が、しかし…
>>331続き
「ところで、お前の武器なんだ?」
ふいにたけしが質問した。
考え事をしていたのりおは慌てて
「はいっ、これです。拳銃ですわ」
と、たけしに銃を手渡してしまった。
「…へえ、ベレッタか。いい武器もってるじゃねえか」
パーン
試し撃ちでもするかのように、たけしはのりおを撃った。
【西川のりお:死亡(射殺)】
>>332続き
たけしはのりおが即死したのを確認すると、
のりおの首輪に向かって話しかけた。
「おいお前ら、聞こえるか?たけしだ。
俺もこのゲーム、乗ってみるよ。
若いやつらががんばってるの見てたら
ウズウズしてきちゃってさあ。
だからお前ら、軍団も参加しろよ。」
その発言は本部に待機していた、
たけし軍団のメンバー全員が聞いていた。
西川のりおの首輪にセットされていた、盗聴マイクから聞こえてくる
殿の発言の意味がよくわからなかった。
たけし軍団の面々は、誰も口を開こうとしなかった。
まさか殿が参加するって…。
しかも、自分たちまで?
>>333続き
「…あ。それからお前ら、早くそこ出ないと危ないぞ。
出てくる前に爆弾セットしといたから、
あと5分か10分でそこ、爆発するぞ」
…殿は本気だ。冗談なんかじゃない。
誰からともなく慌てて武器をとり、
先を争うようにして外に出た。
【ビートたけし&たけし軍団 参戦】
335 :
長文すまそ:02/01/25 04:09
強引な展開で申し訳ないー
ただ、話が広がるかな〜、と。
あげ。
ちょっと待て。
放送はどうなるんだ?爆破されるってことはなくなるのか?
なんかえらいことになってるぅ〜!!!!
のりおとか歌丸とか、ベテラン芸人を扱ってる作者さんネタが豊富で上手!
>>284の続き。
深沢書きの方、ちょっとだけお借りしますね。スマソ。
原田の後ろ姿を捉えた途端、結局追い抜かれてしまった深沢は名倉の無事を確
認をしようと、現在地から10メートル南側に戻ってきた所にある、バス停ま
で戻ってきたのだ。
大丈夫かなあ……。
内心、切り倒されていないかと心配だった深沢は、名倉の無事を確認する為に
バス停のドアを開けると……。
名倉は原田もいないことだし、特に急ぐ用事もなかったので朝食の続きをして
いたのだ。
「潤……お前……」
余りにも今いる場所がバス停の中に関わらず、余りにも名倉の様子が日常的す
ぎるので、かえって深沢はあっけに取られていたのだ。
「なんやお前、そんな血相変えたような顔して」
事の自体を名倉は把握していないようだ。
「無事だったのか? 」
「無事だったも何も、せっかく泰造と朝飯食べてたというのに、お前のせいで
台無しや」
その言葉通り、名倉の表情は一体どうしてくれると言いたげだったのだ。
「お前のせいで光殺したらずっと一緒で、待ち合わせどうするかって話してた
のに、泰造お前の姿多分見て逃げてったんやぞ、一体どうしてくれるんや自分」
名倉のその剣幕に、切り倒されているか、それともか堀内の件を知って落ち込
んでいるかと思っていたのに、これじゃ自分が悪者じゃないかと深沢は思って
しまう位だった。
341 :
暇人乱入@ごめんなさい。:02/01/25 10:32
彼は海辺を歩いていた。
・・・疲れた。
彼は岩に腰をかけ、夕日が沈んでいくのをみていた。
・・・あつい。
彼は西日で燃え尽きた。
[リットン調査団 水野 死亡]
一応
>>122の続きですが、その書き手さんの意向が分からないので支離滅裂かも。
陣内はあても無く歩いた。
このバトルが始まってから数日がたつが
よくここまで生きてきたな、と少し自分を褒めてやった。
ふふっ、と微かに声を出して笑う。
「・・・陣、内、さ・・・。」
声にならない声で誰かが自分を呼んだ。
顔をあげると
福田が前に立っていた。
すると福田は土下座の態勢になった。
「あ、、あのっ、い、いや、マジで、ほんま・・すいませんでしたぁぁぁっ!」
何度も何度も頭を地面にこすりつける。
顔面テッカテカが売りの福田にも油など、もう浮いていない。
顔には湿り気のある土が額にへばりつく。
それを只、ボーッと見つめる陣内。
「・・・もう、ええて・・・」
鼻水まで垂れる福田の顔を見て陣内は少し笑った。
「もう、ええから。・・・ここすわり。」
12回放送が鳴り響く。たけしの馬鹿っぽい声。
たむらけんじと告げる声。
福田は陣内の顔を見る。
しかし、陣内は土をいじっている。気にも留めていない。
いや、一生懸命感情を押し殺し
気に止めまいと必死だったのかもしれない。
一人の偉大な実力者・・・か。
別に誰だって構わない、そう、かまわ・・・
「ロザン、菅広文」
はっ、
暫く声も出ない福田の心境に陣内は気づくのだろうか。
「陣内さん・・・菅が、」
菅が言ったんです。徳井殺したの陣内さ・・・
心の中でもその事をいうのをやめた。
もう、いまとなってはどうでもいい事だったから。
「そして、宇治原史規」
「あー、ロザン逝ったかー・・・。よう残っとるわ、俺ら。」
感情のない声で陣内が呟く。
>>343の続き
「じ、陣内さん!お、俺を殺してくださいよ!」
すると陣内はまるで福田の声が聞こえないかのようにすっくと立ち
「俺、いくな。」
と、福田に背を向けた。
陣・・・
「俺、人の自殺手助けするようなええ奴ちゃうで。」
背を向けたまま陣内は言った。
「自分の相方や仲間が死んだからゆうて、だから自分も死ぬなんて
都合よすぎやな。自分、頑張らんと。」
陣内はゲーム開始当初の陣内ではなかった。
たくさんの死に出会い、考えは変わった。
「じゃ、お前も・・・な。」
陣内は森の中へと消えた。
陣内さん、尊敬するわ。
陣内さん、俺、そこまで強くなれへん。
もう、ええかな。もう、ええんや。
【チュートリアル 福田充徳 死亡(自殺)】
>>342-344 ありがとう!ロザンは片づいたけど
福田・陣内あたりの続きが気になってたからスキーリしたよ。
346 :
名無しさん@初書き:02/01/25 13:51
感想・要望スレ2の3-5の続き
男はバトル参加者の中では年老いているほうだが、元来の器用さのおかげで銃の扱いに早くも手馴れていた。
弾は標的に命中したようだ。
その死体に近づき、戦利品を探る。
「二人とも拳銃か。
こりゃあ、ついてるな・・・。
若いのが潰しあうのを待ちゃあいいんだ」
先程、眼前で起こった出来事を思い出しながら呟く。
「さんまは死んだし・・・後はタケちゃんか・・・」
【タモリ 久し振りに前線復帰】
347 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/25 13:57
WAOH!!タモさん!!
>>340から
「でも・・・俺は泰造を追わなきゃいけないんだよ」
「何でや!」
「貴博が、健ちゃんが言ったんだよ。泰造を止めてって、泰造を助けてって・・・!」
深沢の瞳から涙がこぼれる。
「どういう事や。まさか泰造が・・・泰造が健を殺したっていうんか!」
「・・・」
「深沢!」
名倉は深沢の両肩を掴む。深沢は顔をそらしていた。
「・・・たとえそうだとしても・・・お前にはできない。お前に泰造は止められない」
「・・・」
「泰造を止められるんは俺しか居ない。そう、思っとき」
深沢が持っていた正宗がゴトリと床に落ちる。名倉は正宗に目がいった。
それは原田が持っていた刀・・・村正と鍔の模様がよく似ていた。
「これは俺が持ってる。お前もアホな事考えんな」
深沢は虚ろな目つきでバス亭の椅子に座り込んだ。
「・・・俺もう行くで。お前は安全な所にでも行っとけ」
>>348から
名倉が去って暫くした後、深沢はバス亭のベンチに横になっていた。その目はやはり虚ろだった。
深沢はおもむろに自分のバッグに手を伸ばす。バッグから出したのは残り一つになった手榴弾だった。
爆音を聞いて名倉は振り返った。だが、バス亭を離れて久しく場所までは特定できなかった。
名倉は再び原田を追って走った。
燃え尽きたバス亭からは何故か深沢の遺体は発見されなかった。
350 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/25 15:13
では
>>83続き (一応こちの番号で)&↑名前変え忘れ&sage忘れ
雨が、口の中に落ちる。
しょっぱい。
宮迫の心境も、負けず劣らずしょっぱい。
「なぁ…何をどー考えたっちゅーねん。何が何だかわからんで。
……教えて…くれへんか?」
宮迫の声が、微かに震えていた。
それが寒さからくるものなのか、苛立ちからくるものなのか、はては恐怖…からくるものなのか。
正直、よくわかってなかった。
本人だからこそ、よくわからなかった。
「…よく…わからなくなったんですわ」
山口が、呟く。
同じかよ。
宮迫は、心の中でぼやく。
今、自分がイライラしていることに気付いていなかった。
わからないって何やねん。
俺のがよっぽどわかんねーっつーのっ。
「何が?…」
「生きる、意味です」
>>351 何のこっちゃ。
生きる意味だと。
「宮迫さんは今、ありますか?…生きる意味が」
そんなん知るか。
今生きとるから生きるんじゃボケ。
納得のいく答えは、出てこなかった。
「んなの……ぐっさん、おまえの考えはどーなんや」
「たぶん、ですが…もう生きる意味はありません」
無いのか。
何でや?
「相方は死んだ。仲間も殆ど死んだ。生き残れるのはたった1人…
正直、恐いです」
弱音か?ソレは。
「んな俺だって恐いわ」
そう、恐い。
「今、ココにいるだけでも2人…。どういう意味かわかりますよね、宮迫さん?」
>>352 山口は、空を見る。
雨雲に隠れて月は覗いていなかった。
『ムーンライト』は、見えなかった。
宮迫の考えはまとまっていない。
考えるより先に、山口の口から言葉がこぼれてしまう。動いてしまう。
考えさせろや。
「殺しは、したくないんです」
──チャ…
山口の頭に、銃口が向けられる。
「俺が殺すのは、俺1人だけで充分…」
──カチャ…
しっかりと、ハンマーを起こす。
>>353 「今まで、色々とお世話になりました…」
笑顔。
それは優しい微笑み。
山口は、静かに目を瞑る。
「ぐっさ……」
宮迫が伸ばした手、
──パァン…
届くことなく。
その場に、男が1人、崩れた。
まさに即死。
男はこれから、天国に昇るであろう。
【DonDokoDon山口智充 死亡】
太田光(爆笑問題)は、未だに松本を見つけられずにいた。
散々歩き回っているというのに、だ。
水と食料は殺した相手から奪った分のお陰で、当面困ることはない。
ただ、疲れていた。
単独行動をしているので、見張りを立てて眠ることもできず、
休憩を取ると言っても、緊張の糸は常にぴんと張ったままだったからだ。
「あ〜、どこにいるんだろな〜・・・」
林の中を歩いていた太田は、歩みを止めてその場に座り込んだ。
しかし、じっとしてはいられない。
またこの前のように気づかないうちに眠りに落ちてしまうかもしれないからだ。
気を取り直して松本探しを始めようと、立ち上がろうとしたその時・・・、
>355のつづき
遠くのほうから足音が聞こえてきた。
落ち葉を踏むさくさくという音が微かながらにも太田の耳に届いたのだ。
まだ距離はかなり離れているようたが、だんだんと音が大きくなっている。
どうやらこちらの方に来るらしい。
太田はどうしたものかと逡巡したが、身を隠してやり過ごすことに決めた。
相手がどんな武器を持っているのか分からないうちに、戦いを挑むのは賢明ではない。
それに、くたびれ果てた今の状態では、逃げてもすぐに追いつかれるのが関の山だ。
>356つづき
藪の中に身を隠しながら、それにしても不自然だ、と太田は考えた。
今まで、誰かに追われて逃げ回る乱れた足音は数多く聞いたが、
この足音は一定のリズムを刻んで乱れることなく進んでいる。
まるでジョギングでもしているかのように。
息を潜めて誰がやって来るのかを待った。
さく、さく、さく、さく、足音がはっきり聞き取れる。
はっ、はっ、はっ、はっ、と足音のリズムに同調した息遣いも聞こえてきた。
徐々に姿形が見えてきた。
180cmをゆうに超え、鍛え抜かれて引き締まった身体。
そしてゆるやかなオールバックの髪。
オール巨人だった。
オール巨人は、正にジョギングの真っ最中だった。
かつて腹筋、スクワット、ベンチプレスを日課としていた巨人は、
このゲームの最中にもトレーニングを怠らなかったのだ。
「なんでジョギングなんかしてんだよ・・・、余裕だなオイ」
太田は心の中でそう呟き、巨人が走り去るのを待った。
が、
>357つづき
巨人は太田の視界の真正面で立ち止まってしまった。
静かに緊張が走る。太田は物音を立てないように、慎重に銃のグリップに手をかけた。
太田と巨人の距離は約5m。巨人はストレッチをしながら呼吸を整えている。
銃を握る手のひらにじっとりとした汗がでてきた。
まだこちらには気づいていないようだから、このままやり過ごすか?
それとも飛び出して不意打ちをくらわすか?
この二択に迷ったのが太田にとっての命取りだったのかもしれない。
唐突に、舞台でならした張りのある声が巨人の口から飛び出した。
「なんやキミ、先輩に会って挨拶もせえへんとはどういうことや?」
太田の心臓は跳ね上がった。
俺か?それとも他に誰かいるのか?
巨人の視線は太田のほうを向いていない。
目玉だけを動かして巨人の視線を辿るが、それらしき気配はない。
どうやら俺らしい。
銃を握る手の人差し指を伸ばし、引き金に指をかける。
「ホンマ、ワシの弟子やったらパンパンやで・・・、パンパン!」
>>348-349で、
>>340の続き書いて下さっている方がいらっしゃったのでその続
き。
>>348-349の辺りを私が書いたの読みたい物好きな方は、感想スレ>70-74の方
をどうぞ。
「せめて太田を殺すまではこの刀使わせてくれ、と頼み込まれて結局折れた俺が
馬鹿やのかもしれない」
一度バス停から走り去った名倉は、深沢に話した時の事を思い出して少しだけ走
りを止めた。
「あいつと太田は因縁あるの分かるんや、だからそれ言われると俺は弱かったん
や」
自分の言った事を思い出すたびに俺って馬鹿やホンマ……。
泣きそうになりながら名倉は自分の言った言葉に対して、悔やみ切れないと後悔
した。
走り出そうとする度に、バス停で会った深沢の言葉を思い出し、原田の事を思い
出しても悔やみきれず、それでも原田を見つけるまでは走らなければならないと
思い直した名倉は、再び原田を捜しに東の方向へと走って行った。
その時だった〜どかーん!!〜鋭い爆発音と共に会場が木っ端微塵に吹き飛んだ
。
[優勝該当者無し。プログラム強制終了]
勝手に≫334の続き。
…その男は、イヤホンを耳から外すとにやりと笑った。
「やれやれ、所詮はあいつも芸人ということか。せっかく前回優勝者待遇で安全な
とこにいさせてやったのにな…だが、面白くなってきたな」
男は後ろを振り返って宣言した。
「今から『会場』に向かう。今後は俺達が仕切る」
男の後方には…数十人の武装兵が整列していた。
〉361 続き。
『みなさーん、今日も元気に殺し合ってますか〜?』
突然スピーカーから声が流れる。その声に生き残っている全員が首をかしげた。
おかしい…定時放送の時間ではないはずだ。それに、気のせいか今までの声とは
違っているような…
『今日は皆さんに重大なお知らせがありまーす。なんと、第1回優勝者のビート
たけしさんとたけし軍団の皆さんが参戦することになりましたー。はい、拍手〜
!』
もちろん、この状況で拍手する者など一人も居やしない。それでも声の主は数十
秒待ってから言葉を継いできた。
『なんだー皆うれしくないのかー?たけしさんはなー皆の頑張りに感動して参戦
してくれたんだぞー。ちょっとは感謝するんだぞー』
無茶苦茶なことを言いつつ、放送はさらに続く。
〉362 続き。
『そういえばたけしさんと軍団の人は首輪つけてなかったなーでも先生考えたぞー
今から禁止エリアに軍隊を配置しまーす!エリアに入った人は容赦なく殺すので皆
さん気をつけてくださいねー!では皆さんはりきって殺し合いましょ〜!』
声が途切れた。どうやら放送は終わったらしい。
だが、参加者全員の心には一つの疑問が残った。
…あいつは、いったい、誰だ?
「…とうとうお出ましになりやがったか。あの野郎…」
ただ一人、ビートたけしは面白くなさそうにそう呟いていた。
364 :
フレッシュ暇人:02/01/25 21:33
「なぁ西尾」
「なんや嵯峨根」
「・・・」
「どうした?」
嵯峨根が苦笑いしていた。
「やっぱ、爆笑問題を見つけた方がええと思うねん」
「そうか?」
嵯峨根がうんうんとうなずく。
「一番信頼できるやん」
「そう言われれば・・・そうやけどな」
西尾の表情がけわしくなる。
「爆笑問題というか田中さんを見つけた方がええな・・・太田さんにはなるべく会いたくない」
「うん」
その時、銃声が響いた。
「嵯峨根隠れろ!」
西尾が大きな鉄板を掲げる。それは食堂から持ち出してきた、焼きそばなどを作るのに使う鉄板だ。
鉄板は二人を銃弾から守っていた。
「誰や!姿を見せろ!」
西尾の後ろから嵯峨根が叫んだ。・・・銃声が止んだ。
「・・・嵯峨根さん?」
姿を見せたのはアンジャッシュ渡部だった。
>>364の続き
「渡部」
渡部はマシンガンを下げた。
西尾と嵯峨根は今までの行動を一部始終、渡部に話した。
「そうですか・・僕も人を探しています。実は教室を出る時、有田さんが言ったんです。
『とりあえず、ゲバルト一族で揃おう』って。」
(「ゲバルト一族」はくりぃむしちゅー、アンジャッシュ、アンタッチャブルによるユニットである)
「ここまできて、奇跡ですよね・・?まだ皆生きてるんですよ・・!」
渡部の目から涙がこぼれる。その時、西尾が立ち上がる。
「そこにおるの、誰や」
「オレや・・・」
366 :
名無しさん@お腹いっぱい:02/01/26 01:35
>>189 続き
大きな通りに出た3人。
「うわっ、エライことになっとんなあ。誰が誰やわからんやんけ」
多数の死体、腕がちぎれている者や顔面を打ち抜かれている者。
ここでどんな惨劇があったのか伺える有様である。
「とりあえず、お焼香の真似事だけでもやっとこか。浮かばれんわ」
「そうですね」
手を合わせ、お焼香をするJrと山下。
「ゲット、レディ、ファイアー!」
「ここでもかいっ!」
待ってましたとばかりに突っ込むうれしげな山下。
「お前ら、オモロイなあ」
細い身体をくねらせて笑うJr。
「俺なりの供養!」
【元ジャリズム 山下&渡辺 & 千原Jr, 仲良く移動中】
>>280の続きです。
「あ、そーだ、冷やし中華、特に高崎、光とみっちゃんから伝言」
死んではいないだろうけど、一応。
この場にタイタン芸人の主だったメンバーの内、冷やし中華と、五番六番がい
るので、最悪の事態に備えて田中は何かを言おうとした。
「社長と太田さん何か言ってたんですか? 」
冷やし中華の一人、高崎が一体どういう事だと田中に聞いてきた。
「他の二人もそうだけどよ、おまえら今年か来年か、就職活動だったよな」
そうですけど……。
田中の確認に冷やし中華の三人は顔を見合わせた。
「三人とも、今は学生だからまだ許すけどもーちょいしたら就職すんのか、そ
んまま芸人で骨埋(うず)めんのか腹くくれだってよ。特に高崎、学校出ない
まんまで辞めるか辞めないかダラダラしてねえでどっちか決めろ、だってさ」
それだけ。
後はお前らが決めろ。と、ボールを投げたように田中は言った。
「まじっすか……これ」
三人が三人して、そこまで彼らが言ってるとは思っていなかったのだ。
「ま、何やってるのかは大体筒抜けだっつー事だわな」
思い当たる長井も長井でそう言うことか、とため息を付いた。
「というのも兼ねて冷やし中華と、五番六番、お前らには光とみっちゃ
んの手前なるべく生きて貰わないとマズいから、ちょっと俺からは安全
コース頼むわ」
長井には本当に悪いんだけどな。
田中はその場にいるメンバー全員の顔を見直すと、何かを決めたような
顔をしてからこう言った。
「俺と長井は泰造追いかけて泰造が光に追いついた瞬間狙うけど、おま
ーら全員バラバラになって直接光探してくれ」
で、見つけたら速攻俺の携帯番号は分かっていると思うから俺の携帯に
電話入れてくれ。
長井の携帯に電話入れるのはあいつにはハーレー運転して貰ってるから
無理だけどな。と、田中は付け足すように言ってからもう一度長井の顔
をじっと見た。
「何でハーレー、長井さんに運転して貰っているんですか? 」
と、能海は何故田中が長井にハーレーを運転して貰っているのか不思議
だったのか、田中に質問しようとしたが当の本人と、他の人間の反応が
ない。
ふと能海が回りを見れば、田中は田中で怒鳴ろうとしているのをこらえ
ているし、回りは回りで何となく理由が分かったのか吹き出すのをこら
えているのだ。
「何でですか」
「お前、田中さんの身長」
鈴木は余計なことは聞くなと、能海をこづいた。
>>307-308 の続き
「何や、結局たけし軍団も参戦するんや…。」
予定外の放送を聞き終えて、林は小さく呟いた。
「まぁ…消せる人数は多いに越した事ないけどな。」
笑って林は傍らのハンマーを拾い上げる。
その柄は、多くの芸人の血を吸い込んで完全にどす黒く変色してしまっていた。
林は芸人を殺すと、必ずハンマーで頭部を叩き割っていた。
頭蓋骨が砕けて脳が飛び散るサマは何度見ても楽しいものであったが、
何よりこの行動で、その死体を作ったのが自分だという証拠になったから。
だから拳銃を得ようとも、手の皮が剥けようとも、林はハンマーを手放さなかった。
まさか最後まで生き残れるとは、林も端から思ってはいない。
仮にそれが出来たとしても、自分は場の空気の読めないどこかの芸人とは違う。
しかしせめて、数多く残る死体によって、自分の存在を誇示したい。
それが世間に名を残せなかった芸人の最後の足掻きとすれば、あまりにも滑稽な話で。
「あ…っと言う事は、首輪、気にせんでエエって事か…?」
頭の中で放送の内容を反芻し、ふと林は呟く。
たかが全体の何%程度のたけし軍団の為だけに兵隊を配置するのなら、
さすがあの人も太っ腹だな、というだけの話だが。
『エリアに入った人は容赦なく殺すので 皆さん気をつけてくださいねー!』
確かに放送ではそう告げられていた。
もし、危険エリアに対する芸人の首輪の爆破設定が解除されたのだとすれば……
やり方によってはその逆も出来る訳で……。
手元でブラブラとハンマーを小さく振り回しながら、林は思案する。
もしかしたらコレ、案外チャンスなんとちゃうか……?
生き残る方にも、大量虐殺者として名を残す方でも。
そのまましばらくプランをまとめようとしていると、
ザク、ザク、と遠くから足音が聞こえて、林は慌てて物陰に身を潜めた。
……あぁ、こいつらが。
チラッと音のした方を眺めてみると、緑の迷彩をまとった武装した集団。
どう考えた所で放送の奴が告げた軍隊だろう。
集団は林には気付かず、脇を通り過ぎていく。
この先にある危険エリアを守る為、急いでいるのだろうか。
「……そうや。」
集団を眺める林の脳裏に、ようやく一つの思考が浮かんだ。
計画さえ決まれば、後はそれに従って行動するのみ。
完全に集団が通り過ぎようとした時、林は俊敏に動いて集団の最後尾の男を捕らえた。
声を出されないように男の口を塞いで、もといた物陰に引っ張り込む。
ステージ衣装の一つである赤い布で男の首を締め上げると、やがて男は動かなくなった。
「おいおい、それでもホンマに兵隊さんかいな…? まぁ、ええけど。」
呆気なく息を引き取った男にどこか呆れながらも、
男からはぎ取った装備を全て身につけ、満足したように林は呟いて笑った。
今の格好ならヘルメットで顔も隠れていて、
遠目からなら誰もこの男が林である事には気付かないだろう。
問題の首輪も、装備の襟を立てれば充分誤魔化せる範囲内。
念の為にこの男にもハンマーの一撃を見舞ってやって。
「見とけよ松丘…俺一人でも、充分やって行けるんやから…。」
無意識の内に洩れた単語に笑みを苦笑に変えつつも、
林はハンマーを携えて、集団が去っていく方向とは逆に歩き出していた。
目指すは……ただ一点。
全てを高みから見下ろし、死をも自在に扱える場所。
【名もない兵隊さん1名・死亡】
374 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/26 07:17
面白くなってきたなぁ
>358つづき
完全に気づかれているようだ。
ならば片付けるまでのこと。太田は人間観察の邪魔をする者を排除することにした。
迷うことなど何もない。
茂みから飛び出し、レーザー銃を正眼に構える・・・、つもりだった。
茂みの枝にシャツの袖をとられ、僅かながらもたついてしまった。
自分の間抜けさ加減に反吐が出る。だが悪態をついている暇などない。
無理やり引っぱったせいでシャツの袖が裂けた。
構えの体勢ができた頃には、巨人のが目前に迫っていた。
「こらあぁぁぁッ!」
クソ!
素早く引き金を引く。だが、銃身から発せられた光線が巨人を捉えることはなかった。
さっきまで目の前にあった、巨人の大きな影が消えていた。
「ぎゃっ!」
姿勢を低くしてタックルを仕掛けてきた巨人に押し倒されてしまった。
仰向けに倒され、マウントをとるべく巨人が迫ってくるのが見えた。
咄嗟に銃口を向けた。巨人の動きがピタリと止まる。
「挨拶もせえへんうちに銃撃つなんて、ホンマに礼儀知らずやな、キミ」
>375つづき
とりあえず巨人の動きは止めた。さあどうする。
次の一手は何だ?その次は?そのまた次は?
太田は焦っていた。
それもそのはず、真っ向勝負で殺し合いをするのはこれが初めてだった。
今まで殺した相手は全て不意打ちして、わけも分からないうちに撃ち殺してきた。
「ははあ…、さては弾切れか?」
図星だ。正確には違うが、今引き金を引いても銃はうんともすんとも言わない。
太田のレーザー銃は、殺傷能力は十分だが、一度撃つと暫くエネルギーが充填するのを待たねばならなかった。
それが唯一にして最大の欠点だった。
巨人はゆっくりと立ち上がり、太田の腹の上にまたがった。
「口で言って分からん奴は、体で教えたらなアカンなぁ!」
巨人!惚れる!
面白いよ。
すげぇ。巨人がかっこいい!
パンパンか。パンパンなのか。
太田頑張れ。
ぐっちょんどうした?そろそろ出してほすぃ
>376つづき
殺られる。
そう思った途端に顔面に拳が飛んできた。
右、左、右、左、右、左、ジョギングと同じように正確なペースでパンチを浴びせられた。
口の中が切れ、鼻血が出た。
殴られながらも、まだ太田は考えていた。
俺が死ぬまで殴ることをやめないだろうということ。
誰かが来て巨人を殺してくれたとしても、次に殺られるのは俺だということ。
松本の成すことを見届けるためには、今の状況を自力で脱するほかないということ。
冷静さを取り戻した太田は、そこでピンと閃いた。
マウントポジションを取り、太田の生殺与奪の権利も取ったにも関わらず、
コイツは素手で殴ってくる。
さては丸腰か、あるいは完全にイカレてまともな判断ができないのか・・・。
まだ、チャンスはある。
>381と、前スレ
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/geinin/1011108578/561 つづき
オール巨人こと、南出繁は怒り狂っていた。
もっと的確に表現するならば、怒り、そして狂っていた。
常識人すぎる彼の精神は、殺戮の現場にいるという緊張感で潰れかけていた。
ロードワークの最中に人の気配を感じた。
普段の習性で挨拶が無いことに怒りがこみ上げ、さらに追い討ちをかけたのが自分への発砲だった。
これで良識のタガが完全に外れた。
彼の精神の中で、芸人人生を支えていた信念と、プレッシャーに後押しされた狂気の奔流が絡み合い、
奇跡的な調和を見せていた。
「ワシはキミのためと思って言うてるんやで!!」
そして何度目かに右の拳を顔面に叩きつけた時、何が起こったのか一瞬判断がつかなかった。
>382つづき
「あがああああがぅああっ!!」
太田は巨人の右拳に文字通り食らいついた。
巨人の拳骨に、これでもかと前歯を突き立てる。
前歯が2,3本持っていかれたが、痛みは感じなかった。
「ぐあっ!・・・、このガキ!」
巨人が怯んでいる隙に、渾身の力を込め圧し掛かっている巨体を突き飛ばす。
さっと立ち上がり、右手に収まっている銃のエネルギーゲージを確認する。
銃のエネルギーの充填は済んでいるようだ。
放出された光線が、尻餅をついた巨人の眉間を捉えた。
頭から血を流す巨人の死体を見やる。
その右拳には、太田の折れた前歯が食い込んでいた。
「クソ・・・、痛ぇな・・・」
折られた歯の痛みが今頃になって襲ってきた。
【オール巨人 死亡】
384 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/26 20:28
いくらなんでも下がりすぎage
巨人が・・・
386 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/26 22:13
>>354 呆然。
呆然。
雨。
呆然。
展開速すぎやっちゅーねん。
何が、…何が起こった……?
「おい、…ぐっさん?」
宮迫は、山口に向かって問い掛けた。
答えはもちろん、無い。
動かない身体の、その頭から、血が絶えず流れる。
「おい…?」
もちろんわかっている。
わかっている。
が。
信じられない。
信じたくない。
信じるしかない。
>>386 名前変え忘れ&sage忘れ(全開から忘れ杉田っつの)
こいつは死んだんだ。
…あっけない。
俺は「さよなら」言ってへんぞ。
何が「お世話になりました」ーや。
まだ身体あったかいやん。
なんで死ぬかなコレ…。
俺も…
死のうかな。
宮迫は、山口の手に握られているトカレフを取る。
何故か冷静だった。
こんなときに。
こんなときだから。
まだ熱の残る銃口を自分に向ける。
山口と同じ所──頭。
──カチャ…
同じようにハンマーを起こす。
扱い方を知らないので、同じようにするしかなかった。
>>387 目を瞑り、色んなコトを思い出す。
妻のこと。
子どものこと。
仲間のこと。
相方のこと。
ついでに自分のこと。
今までのこと。
「みんな、今までありがとうな…」
少し、いやかなり恐い。
スゲー痛そう。
しかし…。
引き金を、ゆっくり引く。
>>388 …そこで、宮迫の意識は無くなった。
自分が死んだということすら考えられなかった。
これが、死。
【雨上がり決死隊宮迫 死亡】
「いつまで待たせる気なの〜!!!川島!!!田村がどうなってもいいの?
あんたの相方でしょ?早く来なさい!!!」
響き渡る藤井の声。これで二回目。
「まだ来てないんか。」
一回目の呼びかけがあった時、藤井の元へ行こうとしたが自分の身の危険を感じ
諦めてしまったココリコ・遠藤の姿があった。
自分がいったら藤井の事何とかできるんか?いや、自分がいったところであいつの
興奮高めるだけやろ。でもな・・・
いこか、やめよか、いこか、やめよか、いこか、やめよか、いこか、やめよか、・・・
んんんんあああぁぁ!どないやねん。
麒麟・川島。同じ事務所にも関わらずこのプログラムが始まるまで殆ど知らなかった。
勿論、どんな人間かもわからない。とんでもない奴なのか?藤井が目つける位やから相当なもんやろ。
この期に及んで藤井がたじろぐはずはない。どんな戦いになっても参戦するだろう。
自分が勝てるわけない。自分が入ってはいけない領域なんや。
でも、藤井の事が気になってしょうがない。
確実に遠藤は遊園地の方向へ向かっていた。
>>390の続き
この坂を登れば、遊園地。いくで。いってまうで。せーのっ!
・・・しかしなかなか藤井の前で姿を現す事の出来ない遠藤は大きな岩に隠れてしまった。
そっと岩から顔を覗かせると右の手にバズーカ砲をもった藤井の姿が。そしてその斜め前に
川島の相方であろう田村が足に鎖鎌の鎖を絡めながら俯き加減で座っている。
ダメだ。どうする事も出来ない。路頭に迷う遠藤。すると、
「誰!!!!!」
藤井がこちらに向かって声を張り上げた。
「誰よ!!!川島なの!!!」
確実に自分の存在に気づかれた。ますます路頭に迷う。
どうしよう、殺される。バズーカ砲なんか一瞬で自分の体がバラバラに飛び散る。
周りを見渡せ。誰かの手や足が転がっているではないか。自分のもそうなるのか。
嫌だ・・・死にたくない。ましてや藤井に殺されたくはない!!
一歩、二歩、三歩、四歩。
着実に近づく足音。
九歩、十歩。
止まった。
!!!!!!!!!!!
「あ〜ら☆可愛いぬいぐるみさん☆」
・・・。自分の手には武器である井上トロのぬいぐるみが差し出されていた。
藤井は遠藤の手からぬいぐるみを離し、抱きしめた。
遠藤が恐る恐る藤井の顔を見るとプライベートの時と同じ優しい目つきをしていた。
藤井、変わってくれたんか?元の藤井に戻ってくれたんか!
遠藤が安堵の表情をした。が、そんな簡単に話が終わるはずも無かった。
藤井は再び目の色を変え、ポケットからカッターナイフを取り出し、ぬいぐるみをズタズタに切り裂いた。
そうだ。ここは殺し合いの場。藤井は戦いを楽しむ奴らの中の一人なんだ。
ここは物語の中ではない。現実だ。
「こーんな子供騙し、私に通用すると思って?ねぇ、遠藤君。」
>>392の続き
「・・・藤井、なぁ!話聞いてや!!!もう、もうこんな事やめようや!!」
「あんたに指図される筋合いは全くなーーーーーーーーーし!!!」
「こんな下らん事やめよう!!!な!!頼む!!!」
「シャラーーーーーーーーーップ!!!!」
「お前の気持ちもわかる!!分かるけど、なんの得になんねん!!!こんな事!!」
「あんたに何がわかるのよっ!!あんたは私のなんなのよ!!!!!!!」
「仲間やないか・・・!!!」
「・・・ふっ、仲間ぁ?希薄よね。そんなもん。」
遠藤は大きなため息をついた。・・・ダメだ。今の藤井に何を言ったって通じやしない。
落胆の表情をし、藤井から目を離した。
横に目をやればズタズタに引き裂かれたぬいぐるみにカッターナイフが突き刺さったまま。
・・・カッターナイフ。
遠藤はすかさずカッターナイフを持ち、藤井に突きつけた。
>>393の続き
「なんなのぉ?そんなんで勝てると思ってるの?」
藤井にはバズーカ砲。自分が勝てるなんて思っちゃ居ない。
それより、勝ち負けなんかじゃない。
「んんんんんぁぁぁぁあああああ!!!!」
遠藤は藤井に突進しカッターをバズーカ砲を持っている右腕に突き刺した。
パキン!と、音がして二個の刃が藤井の腕に食い込んだままカッターは地面へ落ちた。
「ああ、、、んがっ!!!」
傷みを露にする藤井の手からはドクドクと鮮やかな朱色の血が流れ落ちた。
その血の流れと一緒にバズーカ砲がゴトンと地面に落ちる。
遠藤はそれを見や否やバズーカ砲を拾おうと体を屈めたその時
背中にまるで矢が刺さったかのような強烈な痛みが体中に広まった。
「ん、がはっ!!」
遠藤が倒れ込むのを血走った目で見る藤井。遠藤の背中に突き刺さったのは果物ナイフ。
>>394の続き
「・・・邪魔を、、、邪魔をするなぁぁぁ!!!」
藤井の怒鳴り声が響く。
「・・・や、やめよう・・・や、、、」
遠藤はもうこの言葉しか出ない。声を発想とするたびに激痛が体中を駆け巡る。
「殺す!!!殺ーーーす!!!!!!!」
藤井が遠藤の背中に突き刺さった果物ナイフを抜き取り再び背中に突き刺そうとする。
しかしその的ははずれ地面にナイフが突き刺さる。藤井も地面に倒れ込む。
その隙を遠藤は見逃さなかった。
「やめろやーーーーーーーぁ!!!」
ドスッ・・・・
自分の下敷きになったバズーカ砲で藤井の頭を殴る。
藤井は動かない。・・・死んだのか?
ハァ、ハァ・・・
殺して、しまったのか?
>>395の続き
強烈な傷みを感じつつもずるずると匍匐先進をし、田村の元へ近づこうとする遠藤。
「・・・遠藤さん・・・。」
呆然とする田村にほんの少し笑いかける。
「もう・・・大丈夫やから。・・・川、島、くるんかな・・・。」
田村にようやく近づき鎖鎌の鎖を外そうとする。しかし、遠藤の体はもう、限界だった。
「遠藤さん・・・あ・・・」
「もう・・・、ええ・・・何も、いう・・・・・・」
ドーーーーーーン!!!!
「ひひひやあややああ!!!!!」
遠藤の手が、顔が、田村に・・・。
血が、真っ赤な血が田村に飛び散る。
何も出すものがないのに体が嘔吐を催促する。
黄色い胃液が口の中から吐き出される。苦しい、苦しすぎる。
涙が頬に飛び散った血を洗い流す。どんどん流れ落ちる涙。
川島も、藤井と同じ気持ちなのか?
川島。
>>396の続き
「・・・野次馬は、、、容赦なく殺す、、、わよ。」
藤井の頬に涙がつたうのを田村は分かるはずもなかった。
【ココリコ・遠藤 死亡】
田中は海岸より少し離れた
木々が生い茂る辺りに枯れ木を拾いに来ていた。
「寒む〜段々冷え込んできたなぁ…」
日が沈みかける夕暮れが近づき、
一帯を紅く染め出していた。
田中にはその紅さが今は忌わしかった。
あの海に芸人達の鮮血が流れ、
海を紅く染めている様な…
そんな思いに駆られるからだ。
「遠藤…お前…無事なんか…?」
松本の前では木村祐一の帰りを待つ事ばかり
考えていたが、そんな時でもやはり相方の事を
忘れている訳ではなかった。
振り返り焚き火に使える枯れ木を再び探す田中。
「ガサッ…」
田中の動きが止まる。
確実に森の奥に何かが居る。
体が意味も無く震え出す…
「誰…?」
麒麟川島は浅い眠りから目を覚ました。
彼は藤井の指定の時間まで、遊園地の傍で休息を取っていた。
空は夕暮れの色を醸し出している。夜がくるまで後少し、か。
彼はもう一度目を閉じる。
どう考えてもおかしい。
このゲームは明確に強者と弱者を分けるゲーム。
自分は強者だ。絶対的存在だ。この世に俺より優れた存在など認めない。
なのに、なぜ、まだ自分以外の人間が生きているのだ?
今すぐに自分以外の人間を皆殺しにすることができないもどかしさで、
感情が爆発しそうになる。体が熱い・・・。
何よりあのおかま・・・。自分に命令していた。この、川島明に。
あんな身の程知らずは、今すぐに抹殺しなければならない。
そう考えると彼は立ち上がった。
実は川島を遊園地へ駆り立てる強い動機はもうひとつあったのだが・・・。
彼自身がそれに気付くことは、もう二度となかった。
書き忘れましたが、上は
>>48の続き
ということになるのでしょうか。
前スレ>526の続き
遠くからかすかに藤井隆の二度目の放送が聞こえた。
田村を探すレギュラー西川も(やはり汗だくだくだ!)、遊園地へ向かい森の奥へと進んでいた。
「遊園地へ行けば田村に会える…」
それにしてもこの異常な状況では、と西川は思った。
普段の生活では見えない人間性が出てくるもんなんやな・・・。
絶望して自殺する者、ゲームに乗り殺人を始める者、それを追う者。
俺は自殺はできひん、人を殺すんも嫌や、何も出来ない。
ただ無理やりに理由つけて田村を探してるだけや。
・・・そう、あの人も、追っていたな・・・。西川は昨日会った人間のことを思い出していた。
>401
ドン!
「死にたくなかったら振り向かずにその場で止まれ!」
いきなり聞こえた声に西川は怯え、無意識に手を上げた。背後から質問が投げかけられる。
「お前、誰だ?」
「レ、レ、レギュラーの西川と申します」
「・・・。知らねーな・・・。・・・お前、ジンジャーに乗った人間見なかったか?」
「ジンジャー!・・・、てなんすか?」
「・・・。いいわ、じゃぁ原田泰三見なかったか?」
「原田さん・・・、てネプチューンのですか?いえ、見てません」
「そうか・・・。じゃあ・・・、・・・いやもういいわ。
悪かったな驚かして。あんたに用は別にないんだ、
もう行っていいぞ。ただしそこで100数えてからな。後ろを絶対振り向くんじゃねーぞ」
「は、は、はい。わかりました。仰せのままに・・・」
西川は小さな震えた声で数を数え始めた。殺されずに済むのだろうか、そう考えながら。
背後からは遠ざかる足音が聞こえる。
100数え終わると西川は一目散に駆け出した。
好奇心に負け、後ろを振り返ったが、もう人影はなかった。
>402
昨日のあの人は誰だったんだろう。声は爆笑問題の田中さんに似ていたような気もする。
でも原田さんを追っていた理由は何なのだろう。
自分と同じように人を探している人間に、西川は奇妙な親近感を持っていた。
結局人間なんて皆似たような存在なんかもしれんな・・・。
森に散らばる死体はかなり腐敗が進み、強烈な腐臭を放っている。
もうすぐ夜だ。太陽が少しずつ沈んでゆく。
夜の静けさが近づくに連れ、死体にたかる虫の羽音がよりいっそう
うるさく耳に響くように、西川には感じられた。
「!!」
声が聞こえた気がした。深沢はガバっと起き上がる。そこは・・・ベッドだった。
辺りを見回す・・どうやら住宅らしい。
「痛っ!」
深沢は体に激痛を感じた。深沢は自分の体を見た。全身が包帯で巻かれている。
「ようやく起きやがったか」
目の前にはたけしがいた。深沢は何がなんだかわからない。たけしと軍団が放送に参加するという放送を聴いていないからだった。
「ほら、持ってけ」
たけしは深沢に手斧を投げつけた。
「俺からのプレゼントだ。て言ってもそいつはお前の相方は使わずじまいだった武器だがな」
「え?」
「俺も運が良かったな〜。たまたま立ち入った所だったからさ」
深沢は手斧を手に取る。
「じゃあな」
「え、ちょっと」
まだ深沢は混乱気味だった。
>>404 続き
「どこ行くんですか」
「どこ行くんですかじゃねーよバカヤロー」
「あ、すみません」
深沢は黙ってうつむく。たけしは深沢に背を向けて言った。
「妖刀村正ってのはなー。特定の標的を殺したらもう制御がきかなくなるんだよ」
「?」
深沢はたけしの言っている事がわからなかった。たけしはそのままその場を去る。
「・・・」
深沢は手斧を握りしめる。そしてしばらく考え込んだ。
何故たけしは自分を助けたのか?自分はこれからどうするべきか?
名倉に「お前に泰造を助けるのは無理」と言われた自分は・・・このゲームでこれからどうする?
そして深沢が出した結論は
「とりあえず、歩くか・・・腹も減ったし・・」
>369 の続き。
朝になり、放送が流れた。
「何だアレ……。おい、長井起きろ! 」
先に起きていた田中は寝袋から起き出すと、寝ていた長井をたたき起こし、部
屋のカーテンを開けて窓からの放送を聞くことにした。
「放送の時間じゃ無いっすよね……」
眠たそうな目をこすりながら長井は言った。
「今放送してんだよ馬鹿!」
二人は放送をじっと聞いた。
どうやら放送の内容と放送している人間の口調から察するに、今までこのゲー
ムを仕切っていたのは同じ芸人同士のオフィス北野だったのだが、たけし軍団
とビートたけしが参戦した結果ゲームを仕切っている人間が他の人間になった
という事実があったのだ。
「田中さん……」
「長井、何だお前」
「冷やし中華と、五番六番叩き起こして外に出さないと、多分連中に銃で撃ち
殺されますよ」
今までのパターンがそうでしたから。
長井は心配そうに田中の顔を見た。
「確か今までのパターンだと、早くあいつら出さないと放送と大体一緒にエリ
ア狭まってくるからここ引っかかるかも知れねえし、今の内に出さねえとな」
田中も長井の顔を見つめ返した。
「よし、俺が五番六番起こすから、長井悪りぃけど冷やし中華叩き起こしてく
れ」
分かった。と長井の返事を聞いた田中は、部屋を出、五番六番を起こす事にし
た。
バン!
田中は五番六番のいる部屋のドアを開けた。
「何ですか田中さん……」
田中がドアを開けた音で目が覚めた二人は、眠たそうに田中の方を見た。
「お前ら、今の放送聞いたか」
「何でしたっけ……」
二人とも放送の内容を聞いていないようだ。
「エリア縮むから死にたくなかったら外出ろって! 」
田中のその一言だけでおおよその放送の内容が分かった二人は互いの顔を見た。
田中の言葉から察するにこのログハウスも近い内に禁止エリアの内に入るのだ
ろう。
お互いまだ死にたくない。
五番六番が一気に目が覚めて、あわてて外に出る準備をし始めたのを見て、よ
うやく安心した田中は五番六番のいる部屋のドアから外に戻って行った。
「こんなに早くログハウスがエリア外になるとは思わなかったですね」
しばらくして、田中が五番六番を起こしたように、冷やし中華を外に出し、先
に外で待っていた長井は少し遅れてログハウスから出て来た田中に言った。
「本とだな」
「大体伝えることは伝えたし、後は五番六番、冷やし中華のどっちかが光か泰
造みっけたらめっけもんだな」
「まあ、あんまり期待しないで待つ事にしますか」
そうするしかねえな。
田中は何とも言えないような表情で返事をした。
>>284と、
>>383の続きです。
後にまわそかと思ったんですが、そーも言ってられないような雰囲気ですので。
ダラダラ文にもうしばらくおつきあい下さい。
それは、名倉と泊まったバス停から離れて、更に数日がたった昼下がりの事だ
った。
──海が見えた。
崖の下には白い波と青い海。
外は冬の海なのにとても綺麗に原田には見えた。
その様子に、ゲームが始まって以来『妖刀村正』を持ったが故の宿命か、一人
で行動して来た原田の気持ちがふっとゆるんだ。
満潮なのか、干潮なのか、原田の目には分からないけれどとても綺麗で。
たたずんでいられたら楽なのに。
原田は潮風に吹かれながら、運転していたジンジャーを止めて思った。
しばらくして、感傷に浸ったままもう一度原田が改めて良く崖の下を見ると、
誰かが走っている姿が見えた。
気になったので、崖の下を見た。
──見知った顔、誰よりも忘れられない誰か。
太田さん?
その姿は原田が見知って、忘れられない、例え血で血を洗う状態になってもこ
の男に会うまではこの刀を離すまいと原田が何度も繰り返し思った男──。
──爆笑問題『太田光』。
その人だった。
間違いない、間違いない以上はこうしてはいられない。
原田は思った。
この千載一遇のチャンスを逃してしまっては、もう二度と無いだろう。
ジンジャーのガソリンは少なくなり、原田の気力も限界に近い。
今を逃しては──後はない。
今なら最大出力で走れば数分後には太田に追いつく。
そう判断した原田はジンジャーの残り少ないガソリンをフル活用しながら崖の
下を駆け下りるように最大出力で崖をジンジャーで降りた原田は、結果的に太
田の先回りをしていた形になった。
原田の目の前には──太田がいた。
「すとー──っぷ! 死にたくなければそこで止まれ! 」
大声で原田は言った。
「何しやがんだ、邪魔だてめえ! 」
オール巨人を殺したばかりで、歯を折られ、まだ息が荒い太田は売られた喧嘩
は買うかのように大声で返事をした。
太田も太田で松本を追いかけているので、道行きを塞ごうとする原田の存在そ
の物が邪魔なのだ。
「……太田さん」
死んで貰います。
原田は妖刀村正を居合いの形から抜き身にし、太田の持っているレーザー銃の
動きを塞ごうと村正を、中段の構えで構えた。
「村正かよ……」
抜き身の村正を見た太田は息を飲み、確認のためにもう一度原田の持つ刀の鞘
の近くを見直した。
太田が見直してみても、鞘の近くには刀を守ろうがする故に仕上げの刻印を彫
り直した跡など無く、そこにははっきりと刀が作られた時のまま明らかに『村
正』と彫られてあった。
「よりによって嫌な刀持つんじゃねえよ畜生……」
原田に聞こえないように太田は言った。
読書が趣味である太田は、その範囲が広いが故にある程度の刀の知識は持って
いた。
数ある名刀の一つ、そして、妖刀とも語り伝えられる『村正』。
その長所も短所も本を読むことで十分に分かっている。
しかし──実践など通常下ではとうてい考えられないが──生き残る為にはす
るしかない。
レーザー銃を持ち、息を飲みながら太田は考えていた。
ロザンさん、死んじゃったんですか〜?この話で一番気になってたのに・・・。
ハリガネロックの動向も気になるし、かといって自分では書けない・・・。
「ハァハァ…ウッ」
男は大量の精を女の膣に放った。
すでに3回目の射精である。
女は動かない。目もうつろに見開いたままである。
「さんざん俺のことアホ扱いしやがって。この、くそアマ」といいながら
女の乳房をわしづかみにする。
「あかん。また催してきた。でも、ええやろ、俺は今や芸術家や、
先生やで」
狂気じみた笑いを浮かべながらジミー大西は、ハイヒール・モモコの
死体を汚し続けた。
舞台上のモモコのミニスカートから覗く、むっちりした太ももを見ながら
オナニーした日々。それをなじられながらもペニスを擦ることをやめられ
ないくらい憧れた女の体を、今、自由に陵辱し続けている。
どこの誰がモモコを殺めたのかわからない。が、鋭利な刃物で延髄を
一突きした死体の体は傷ひとつなく、死体を発見した5秒後には、ジミー
はモモコのピンクのパンティにつつまれた股間に顔を埋めていた。
口、膣、アナル・・・、あらゆる部分に自分の精を放ち続けたジミー。
おもむろにアーミーナイフを取り出し、モモコの腹を縦に切り裂き、
自分自身を押し込み狂ったように腰を振り続ける。
「エクスタシ〜」
ジミーの目は真っ赤に血走り、すでに人間のものではなくなっていた。
【ハイヒール・モモコ死亡確認】
>>398 夕日がゆっくりと森の暗闇を紅く照らす。
そこには上半身裸で腰に刀を携えた無言で立ち尽くす木村祐一の姿があった。
「きっ…木村さん!!大丈夫ですか!?」
体中の切り傷、右腕から滴る血。木村は何も言葉を発さない。
「木村さん!!何があったんですか!?どうしたんですかこの傷!」
「…兄やん…どこや…?」
田中は驚きながらも深く息を吐いた。
目の前にいるのは紛れも無く田中の知っている「木村さん」だと。
「こっちです!向こうの方にいますよ!」
田中は木村に肩を貸し変わりにリュックを持つ。
その不自然なリュックの裂け方は木村に起きた出来事を
考えさせるには充分だった。しかし木村は遠くを見つめ松本の姿を
探している。
>>418 田中は憧れだった松本と仕事をするまでになった。
長い時間を松本と一緒に過ごし、いつの頃か自分がごっつのメンバーに
加わった様な、そんな密かな誇りを感じていた。
しかしそんなものはただのおごりだったと痛感する。
「松本さん怒ってましたよ!『キムおそいなー』ゆーて」
木村は下を向き苦笑した。
田中もそれを見て少し笑顔になった。
2人は松本のもとへ急いだ
今、自分達のいるエリアがもうすぐ禁止エリアになる・・・
内村達は荷物をまもめて洞穴を出る事にした。南原の意識が目覚める前に、さまぁ〜ず大竹の遺体を埋葬したりして・・・。
「何でお前着てんだよ」
濱口から剥ぎ取った犬の着ぐるみは有田が着ていた。
「いやあ〜〜ちょっと着てみたかったなぁ〜なんて。可愛い?」
「はぁ・・・」
上田は大きなため息をついた。有田に会ってから上田はずっとペースを崩されっぱなしだ。
その時、体に包帯を巻いた南原が戻ってきた。
「濱口、いなくなった」
「いなくなったって?」
「樹に縛り付けておいたんだ。今見てきたら、樹ごとなくなってた。近くにおいてあったアイスピックも」
「ねえ早くしないと禁止エリアになっちゃうよ」
清水がせかす。内村はうなずいた。
「行くか」
それに皆もうなずく。洞穴には人のいた跡すらもない。
「・・・なあ上田」
「なんすか?」
南原は上田に小声で聞いた
「大竹、本当にいなかったのか?」
「やだなあ大竹さんいないっすよ。どっかで死んじゃったんでしょ」
南原は「そうかなぁ〜」といぶかしげにしていた。
>>334続き
突然参戦することになってしまったたけし軍団の面々。
中でも主要な人物が息を切らして集まっていた。
とりあえず安全だと思われる、
民家にそろって逃げ込んできたのである。
そのメンバーとは
そのまんま東
ガダルカナル・タカ、
ダンカン
ラッシャー板前
井手らっきょ
つまみ枝豆
グレート義太夫
松尾伴内
以上の9人である。
>>421続き
窓から外の様子を伺っている者
黙り込んで座っている者
落ち着かない様子で、家の中をうろうろしたりする者
と、その様子は様々であった。
「…ど、どうしよう…」
ラッシャー板前が顔を真っ青にしてつぶやいた。
「どうするもこうするもねえよ」
ガダルカナル・タカが答えた。
「…俺達、死ぬのかなあ」
松尾伴内が言う。
「バカなこと言うなよ。大丈夫だって」
と、そのまんま東が言ったが、その言葉には自信がない。
>>422続き
死。
突然自分たちに降りかかってきた恐怖。
しばらく全員が黙り込んだ。
突然ガダルカナル・タカがなにかを決意したように立ち上がり、
喋りはじめた。
「よし。俺達が犠牲になって殿を守ろう。
あの人を死なせるわけにはいかない。
ここを出て殿を探そうぜ。
そんで最後、俺達と殿だけになったら俺達は死ぬ。
いいよな?」
他の8人も同じ意志だった。
全員が力強く頷き、各々武器をとって
最後に西川のりおがいた場所に向かって
民家を後にした。
>>423続き
たけし軍団の9人は一列縦隊で歩き出した。
しばらくして突然、最後尾を進んでいたダンカンが静かに笑い出した。
「…どうした?気でも狂ったのか?」
とそのまんま東が尋ねた。
「なんかさあ、15年ぐらい前のあの事件思い出しちゃって」
ダンカンは答え、そして続けた。
「ほら、あれ。
殿のFRIDAY襲撃事件。
あのときは俺達も殿も若くてバカだったけど、
あの頃と何も変わってないよな。俺達も殿も」
全員が昔を懐かしんで照れくさくなり、静かに笑った。
「…殿があの事件の後に俺達に言った言葉、みんな覚えてる?」
つまみ枝豆が呟いた。
「忘れるわけねえじゃねえか」
ガダルカナル・タカが答えた。
他のみんなも同じだった。
>>424続き
15年前のビートたけしFRIDAY襲撃事件。
芸能界でも悪名高い、その事件の後にたけしが軍団に言った言葉。
「悪かったな、おまえら」
「おまえらの面倒は一生見るから」
「おれ、土方してでも、おまえらを絶対食わせるからな」
その言葉を聞いたとき、「この人のためなら死ねる」。
全員がそう思った。
その気持ちは今でも変わってはいない。
>>425続き
「…よし。ちょっと急ごうぜ」
そう言うと先頭を行く井手らっきょが少し走りはじめた。
「バカ、お前が走ったら義太夫なんかついていけるわけねえだろ!」
そのまんま東が言った。
「…俺、死んでもついて行く!」
グレート義太夫はそう言うと、井手を追い抜かそうとした。
「殿を守る前に死んでどうするんだよ」
タカのその言葉にみんな、少し笑った。
殿であるビートたけしのため、死を決意した集団。
しかしその集団の誰一人として、その決意に迷う者はいなかった。
【たけし軍団:合体】
(そのまんま東、ガダルカナル・タカ、ダンカン、ラッシャー板前
井手らっきょ、つまみ枝豆、グレート義太夫、松尾伴内)
少し、義太夫のキャラが微妙・・・
たぶん喋ってるところ、見たことないし(汗
でもFRIDAYのエピソードは絶対いれないと、って思って。
あげ。
・・・てゆーかあげれてないし!!
鬱だ氏脳!
おおおーたけし軍団いいねえ
430 :
名無しさん@お腹いっぱい:02/01/28 00:31
ヒマナスターズさん来ないのかなぁ
ボクたん待ちきれないよ(;´Д`)ハァハァ・・・
>>397の続き
息耐えた遠藤を見下ろしていた藤井の体がわなわなと震えだした。
「キエェェェェーーー!!!何なの一体!?こんなの全然美しくないわッ!
むかつくむかつくむかつくー!」
狂気地味た様子の藤井に田村は恐れおののいた。
「あんたと川島の感動的な対面の後、二人とも残酷に殺してあげようと
思ってたけど作戦変更よ。川島は容赦なくぶち殺すわ、あんたちょっと来なさい!」
藤井は後ろ手にロープを縛った田村を引っ張ったが、
彼は足に巻きつけられている鎖鎌でバランスを崩してしまい、転んだ。
ああ!もうどんくさいわね、と言いながら藤井は鎖鎌を外す。
「逃げ出そうとしたらバズーカで撃つからね」
>431
二人は小さなジェットコースターの搭乗ゲートまで場所を移した。
階段を上りきった場所にあるそこは見通しがよく、遊園地の入り口が良く見える。
しかも向こうからは乗り場の屋根が影になっていてこちらは見えない。
藤井は田村の足に鎖鎌をもう一度巻きつけると、
小さな明かりで照らされている入り口の方へバズーカを向けた。
「・・・ここから川島を狙い撃ちよ♥」
小さく舌なめずりをする。
静寂。川島を待つ時間が何時間にも感じられた。
「ふふふふ。来た来た・・・」
田村が入り口の方へ目を向けると、少し猫背で斧を片手に、ゆっくりと歩く川島が見えた。
遠く小さいその姿からも異様な殺気が放たれているのが分かる。
「もう少し、もう少しよ・・・」
藤井は慎重にバズーカの照準を合わす。
「アディオス、川島」
カチッ。
>>420の続き
UN、くりぃむしちゅー、清水ミチコのパーティーは新たな隠れ場所を捜して歩いていた。
内村がなるべく殺し合いは避けようと言ってそれに皆が従った形になった。
「ところでさあ」
沈黙を内村が破った。
「三村ってかなーり前に死んだよな。誰に殺されたんだろう?」
「一体誰が殺したんでしょうねぇ〜?」
有田がすかさずそれに乗る。
「三村さん殺したやつが生きてたら、俺がメチャメチャにしますから。内村さんや南原さんが手を下すまでもないですよ!」
「くりぃむしちゅーはさまぁ〜ずの事憎んでないのか?」
「憎む?俺らが?何言ってるんスか南原さん!」
有田は異常なくらいはしゃいでいた。パーティーの最後尾を歩く上田の顔はこわばっていた。
上田は自分が三村を殺した事を誰にも言っていない。言い出せずにいた。
「俺らがさまぁ〜ずさん憎むはずないよなぁ上田?」
「あ、ああ」
「俺らはくりぃむしちゅーになった事にむしろ感謝したいくらいだもんな〜♪」
「・・・!」
それを聞いた時、上田の殺意は上田の中でふつふつと沸きあがってきていた。
>>199 ひととおり小屋を見回ってみたが、武器や食料は見当たらなかった。
前の住人が、ここから出る時に持っていってしまったのだろうか。
あったのは人形を彫リ直したらしい、たくさんのちいさな木。
作りかけの人形たちは、どこかで見たことがあるような顔をしていた。
俺が見回っている間、松口はずっと同じ場所にいたようだった。
血なまぐさい部屋。
これ以上、松口をここに居させてはいけない。
「松口、もう行こう。」
松口は折れた武器を握り締めたまま、血を見つめていた。
その表情からは何も読み取れない。
ただ、「見ている」。
「松口。」
いやな予感に襲われて、俺はあせって松口の手を引いた。
松口は何も言わず、俺に引かれて小屋を出た。
いつもの松口だったら、怒鳴るか文句の一つでもいうところなのに。
>>434 小屋から出ると、近くで何かを焼いているのだろう、煙が立ち昇っているのが見えた。
誰か居るかもしれない。
とりあえずそこに向かおうと松口に言うと、小さくおん、とだけ返してきた。
先程のように、松口の少し後ろをつけて歩く。
煙の位置を確認しつつ歩いていると、松口との距離がかなりできてしまった。
たまに見えなくなるその姿に、あわてて走って追いかける。
しばらくすると、立ち止まっている松口が見えた。
「松口?」
松口が何かを抱いているのが分かった。
…ネコ?
動物好きの松口のことだ、どこかで見つけてきたのだろう。
こんな時だからこそ、動物と一緒に行くのもいいのかもしれない。
「ネコか?ペット飼ってみるのもいいかもしれへんな…」
松口に近づいていく。
だんだんと、なにか錆びた臭いがしてきた。
松口の服が赤いことに気が付く。
…血?
「大上、やっぱり動物はええなあ。」
松口の抱いていていた猫は、首から上が、無かった。
>432
「やめろおおおーーー!!!」
その瞬間、ものすごい勢いで田村が藤井に突進した。
ドーーーン!
一瞬後の爆音。バランスを崩した藤井から放たれた弾は川島からそれた。
「な、アンタ!」
油断していた。田村の手にはカッターナイフが握られている。
それで腕のロープを切り、鎖鎌を外したらしい。
「まさか、・・・さっきこけた時に拾ったのね?」
「川島は殺させぬい」(かんだ)
「うるさいわね、じゃあアンタが死ね!」
藤井が田村にバズーカを向けるより速く、田村の拳が藤井の顔を直撃した。
藤井の手から離れたバズーカ砲がカランカランと音を立て、階段から転げ落ちる。
取っ組み合いになり、二人は倒れ込んだ。藤井は右腕を負傷している。
肉弾戦では若くてスポーツマンの田村に分が有る。
ヤバイ、と判断した藤井は後ろポケットのナイフを取り出し田村を刺した。
ナイフはわき腹に食い込んだが、田村はそのナイフを持つ藤井の手ごと掴んで
ナイフを抜き、藤井の喉元まで持っていった。
ギリギリギリ・・・。
>436
「アンタ、川島より強いんじゃないの・・・」
付き合わせていた藤井の顔に、ふうっと、うっとりとした表情が浮かんだ。
「うああああ!!!」
その瞬間、叫び声とともに渾身の力を込めて、田村はナイフを藤井の首に刺した。
恐くなって後ずさりした田村に馬乗りになって覆い被さってくる藤井。
喉からの血がだばだばと田村の顔に流れ落ちる。
「がぼぼっんふー、素敵ね、田村クン、あたしの手で殺したかっ、悔し・・・ぃ」
そう言うと藤井は田村の上に崩れ落ちた。
【藤井隆 死亡】
85さん、
>>399の「体が熱い・・・」って麒麟のネタ意識して書きました?
かなりM−1の麒麟思い出したんですが(w
あと>436の噛む田村も芸が細かくてイイッスね。
85さんイイ!
ハリガネ、ちょっと続けてみていいですか?よければ書いてみまふ。
潮の香りがする。
ブラックマヨネーズ・吉田は茫然と眼下の海を見つめていた。
信じ難い状況に放り込まれて一日目。
ただ途方に暮れるばかりの自分に声をかけてきたのは後輩のビッキーズ・須知だった。
「皆で力合わせたらどうにかなりますよ。小杉さんや、他の芸人も集まってきてくれたんです」
自分は相方を捜します、と言う須知と別れ、教えてもらった他の芸人との集合場という洞窟に辿り着いた。
「スッちゃんに言われて来ましたー。吉田ですー。」
声を掛けながら中に入った吉田は驚愕した。
そこには先輩の土肥ポン太、同期の次長課長、そして相方の小杉の無残な死体が転がっていた。
四人とも体に無数の切り傷がある。
「…え?」
殺されてる?
どういう事や?
誰かに襲われたんか?
それとも俺は須知に騙されたんか?
吉田は今の今まで、このバトルロワイアルという状況に順応できないでいた。
頭の隅で、これは悪い夢ではないかという考えを捨て切れないでいた。
だが今自分の目に映るのはまぎれもない現実。
ただ信じたくない気持ちだけが先走り、泣くことも怒ることもせず、吉田はその場から走り去った。
闇雲に走って辿り着いたこの崖で、吉田は今日まで十数回の放送を聞いてきた。
その度にどんどんリアルさが増すこの状況。
あのときよりは冷静になれた吉田は相方の事を考えていた。
1で菅が西野の他にもbase芸人を殺した記述があったので強引に繋げてみました。
(本文にはないですが菅が殺ったってことで(´д`; )
次課長、ブラマヨ、ポン太を書く予定だった人スマソ。
ガブンチョも麒麟田村、レギュラー西川以外は麒麟川島に殺されたようなんでbase芸人はこれで全員出尽くしましたかね?
444 :
名無しさん@お腹いっぱい:02/01/28 14:41
壊れたロック松口、続きキボン
>>443 バッファロー吾郎木村がでてないんだよ。たしか。
竹若もスレッド1ででてきたっきりだし。
竹若を冷静且つ頭脳明晰キャラで書いてみたいけど時間も文章力もないんだよね。
実際頭もいいし運動神経もいい、それでいておごったところのない人なので
今までにあまりないキャラだと思うんだけど。
殺人鬼ばかりもつまらんし、誰か書いてくれる人いませんか〜。
>>443 お疲れ。実は自分も片付けがしたくてしょうがない。
生き残ってて、大して物語にもからんでなくて、忘れ去られてる人たちを
バカバカ殺そうかと思ってる。
ビッキーズの須知じゃないほうって出てきたっけ?
上で「探します」みたいなのになってるけど。
ビッキーズ2人とも1スレで死んでるよ。
449 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/28 23:22
完っ全に放置されてるが、アンタッチャブル柴田の今後がめちゃくちゃ気になる。
システム破壊の一助になりそう。
放置組では柳原も気になるのだが。
でも復讐→川島を倒す…は無さそうだしなー。扱い辛そう??
>>437の続きです。
田村は頭を抱え込んだまましばらく動けなかった。
人殺しをした事実が彼に重くのしかかる。
「これお前がやったんか?」
ふと頭上から声が投げかけられる。いつからそこにいたのだろう。
川島だった。
遊園地に入ってすぐ、自分の傍で爆発が起こった。
川島は状況が理解できなかった。
かすかに聞こえた人の話し声を頼りにジェットコースターの搭乗ゲートへ向かった。
そこには自分との対決を控えたはずの藤井の死体と、
頭を抱えてうずくまる、一人の男がいた。
何が起こったのかは解らなかったが、藤井が死んだのならそれはそれで都合がいい。
とっとと傍の男も殺して、用のない遊園地からは退散しよう。
川島は斧を振り上げた。しかし。
自分の中で何か躊躇させるものがある。なぜか斧を振り下ろせない。
川島は右手を下ろし、その男に話し掛けてみた。
「これお前がやったんか?」
>452
「川島!」
やっと対面できた相方に、田村は腹の痛みも忘れ無我夢中で話し掛けた。
「川島、俺や、田村や」
「俺、俺、お前に会いたかったんや。お前に一言、お礼言いたくて」
血にまみれた田村の顔に、涙が浮かぶ。
しかし川島は田村の顔を見つめたまま一言も声を発さない。
「川島・・・?俺のこと、わからんのか・・・?」
「・・・お前、たくさん人殺したんか?・・・なんでそんなことするんや?
お前、お前、人なんか殺さんでも、十分オモロイやつやで?」
「・・・・・・・・・」
「川島!何とか言ってや、なあ!」
田村は川島の肩をつかんで彼を揺さぶった。
すると川島の顔がうつむいた。肩が震えている。
川島の手から斧がゴロンと音を立て、滑り落ちた。
「川島・・・?」
突然川島は堰を切ったように笑い出した。
「どうでもええけど、お前の顔、湯剥きしたトマトみたいやな」
低音の笑い声が響く。たがの外れた川島は背後から拳銃を抜き、田村の脳天を撃った。
>453
BAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAN!!
田村はその衝撃によって200メートル吹っ飛んだ。
「くくく。馬鹿な奴だ、俺にむかってくるとは。」
田村を葬った川島はその足でMBSへ向かった。
「リンゴちゃん、今日はええんやろ」
「角さん、ほんま好っきやねえ」
不倫関係にあるハイヒール リンゴとMBSアナウンサー角淳一が
ぷいぷいの収録を終え、車に乗り込もうとしていた。
>451.ちょっと書いてみました。こんなもんでいかがでしょう。
首のない、『猫』。松口の服を汚す血は、既に乾いている。
・・・自分が松口に遅れて、追いかけて追いついて――それほど
時間は経っていない――はずだ。
「それ・・・猫か?どないした?」
大上が聞いた。いくつか、言葉を飲み込んで。
松口は、それに気づかない。
「ここにおった」
「・・・・・・そっか」
「『独り』でおってん、こいつ。いっしょにおっても、ええよね?」
上目遣い攻撃・・・・勝てるわけがありません。――多分。
「わーかった。・・・でも、どっかでちゃんと弔ってやらなで?」
「うん」
巻き添え食ったノラに同情するとは。らしいっちゃ、らしいやな。
――そう、思いたかった。
とりあえず、こんだけ。
456 :
名無しさん@お片付け:02/01/29 13:51
>>445 木村がいましたか!
自分、SMAPの木村とバッファローの木村を混同してた。
てっきり放置されたままだと…。
誰かバッファローの続き書いてくれないかな?
>>446 放置芸人の続きを是非!
457 :
フレッシュ暇人:02/01/29 20:13
>>365の続き
「オレや・・・お前らこそ、誰や・・・」
暗闇から聴こえる低い声。西尾は暗闇に近づく。
「西尾!危ないって!」
嵯峨根が小声で抑止を呼びかけるが西尾は聞かない。
パーン!・・・その方向から銃声。
「西尾!」
銃声の直後、西尾は大きくのけぞった。肩を撃たれたのだ。
「オレは大丈夫や、渡部ちょっとそれ貸せ」
西尾は渡部からマシンガンを取り、暗闇へ撃ち放った。
「ぎゃああーーー!!!」
悲鳴とともにドサリとそいつは起きた。
「ああっ!?」
嵯峨根と渡部は声を上げた。
「やっぱり・・・あんたか」
西尾は淡々と言った。銃弾を浴びたその男はムクリと起き上がった。その表情は屈辱と怒りに満ちている。
「笑福亭鶴瓶!」
「貴様・・ただではすまされへんぞ!!」
放置芸人・・・
たしか、ツインカム森永が1スレで光浦・岡田を殺した後、出てきてない。
他にもいっぱいいるはずなんだけど。
459 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :02/01/29 23:07
桂三枝とか、空手家矢部太郎とか・・・
あっ、歌丸!!
とんねるず木梨、勝俣、ヒロミ、所ジョージたちは
何の緊張感もないお気楽な殺人ゲームを楽しんでいた
ヒロミ 「アホの坂田はっけーん」
勝俣 「ヒロミさん、どっちの玉が先にあたるか競争しましょう。
そう言うと二人は射的を楽しむように拳銃を構えた。
坂田 「アホ♪アホ♪アホの坂田〜♪うっ!」
ヒロミ 「俺の弾が当たったみたい、お前下手だな〜」
勝俣 「そんなことないですよー、上達のスピードはヒロミさん以上です、そのうち抜きますよ」
所 「また誰か殺したのー?」
勝俣 「ええ、まあ。所さんの方はどうですか?」
所 「うん、あっちで一人殺したよ、鳥肌実だった」
木梨 「おーい、トラップに誰かひっかかってるぞー。」
木梨の声を聞いて駆けつける3人。そこには竹やりが体中に刺さって息耐えている二人組がいた。
ヒロミ「こんな奴らいたんだな〜」
所 「いたんだね〜」
【工藤兄弟・鳥肌実・アホの坂田 死亡】
そうだ、歌丸!!
浜田雅巧はまた一人、芸人を血祭りに上げた。
浜田と目を合わせてはいけない。浜田の目に止まってもいけない。
浜田にでくわした芸人は運が悪いと思って諦めるほかはないのだ。
【ジミー大西 死亡】
463 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/01/29 23:23
かんからが2スレ以降出てきてない気がする。
田上・ダンディ・伊藤・ユリQとかも。
>>409の続きです。
「あー、腹減った」
メシ何か食えねえかな。
ハーレーから休憩かねがね降りた田中は地面に座り、手をひらひらさせながら
先にハーレーから降りて休憩に入っていた長井に言った。
そこは、ゲームに参加した全員がゲームのスタート時に貰っていた地図の区域
に当てはめると、C−2地区の東端、しかもゲームの全範囲内で一番高い山の
頂上だった。
「食糧補給もせずに探し回ってるからどうしょうも無いでしょう」
と、返事をした長井は、地面に座って『腹減った』等と言っている田中の様子
を呆れながら見ていた。
「腹減ってる物は腹減ってるしよー、どうしようもねえ物はどうしようもねえ
だろ」
その田中の返事は相方である太田が側にいたとしたら、三倍返しにして突っ込
まれかねない言葉ではあるが、それでも田中はレギュラーの西川っていうヤツ
に会った時に止まらないと撃つぞ、という代わりに食料置いて行かないと撃つ
ぞと言って置いた方が良かった。と、更に続けて喋っていた。
「ジンジャーに乗ってるし、結構人も殺してるしで松本さんとかよりも原田さ
ん一番目立って見つかりそうな筈なのに、なかなか見つからないですよね」
かえって、太田さん直接の方が良かったかもですよ。
しばらくの間田中の様子を横で座りながら見ていた長井は、田中にそう生返事
をしてから自分のリュックから取り出したミネラルウオーターを飲み始めたの
だった。
「あー、本とに光か泰造のどっちかは確実に見つけねえと、長期戦になればな
る程俺の武器も辛くなってくるしよー」
しばらくして田中はそう愚痴り終えると、長井の様子を見ながらギリギリまで
取って置いたコーラをリュックから取り出して大事そうに飲み始めた。
「冷やし中華に五番六番どっちか連絡くれないと、結構限界来てますしねえ」
そう言ってから、長井は自分の頬に触れた。
なぜならそれは、長期戦になる事はある程度長井も覚悟していたのであるが、
それでもやつれてないかと長井は気になっていたのだ。
案の定、食料を最低必要限しか取っていない結果、少しばかり長井の頬はや
つれていた。
そしてそれは、同じく必要最低限しか食料を取っていない田中も同様だった
のだ。
「まあ、死体は食えねえからなあ」
コーラを飲み終えた田中は、側の崖の辺りで転がっていたその死体を見た。
その死体は、田中の目にも死後一週間は過ぎていると分かる、一部白骨化した
死体だった。
「いくら何でもアレは食えませんよ」
その死体を見て長井は返事をすると、今どの辺りにいるのか気になった田中は、
自分のポケットから地図を取り出した。
「……今どの辺だ長井」
田中は長井に持っていた地図を見せた。
「C−2地区の東端ですね。もう少しでC−1地区に入ります」
長井の横に座っていた田中の質問に、田中が広げた地図を見た長井は田中に分
かるように今座っている現在地を指さした。
「C−1か……」
ほとんど海だし、今いられる現状エリアギリギリの範囲じゃねえか。
付け足すように田中は言いながらも、現在地から少し西に戻ったDエリアのD
−2地区、もしくはD−3に戻って北に進んだ方がいいかと長井の様子を見て
考えていた、そんな時だった。
「お? 何だこりゃ」
田中がポケットの中に突っ込んでいた携帯電話の呼び出し音が鳴った。
あわてて出なければと田中は電話に出た。
『俺だけどどうした? 』
『五番六番です、田中さん今どの辺りにいますか』
その声から田中が察するに、電話を掛けてきた相手は同じ事務所の後輩、五番
六番の樋口だった。
『おう、樋口か、C−2、お前らは』
『C−1の真ん中辺です、今崖の側に立ってます』
『で、今人影見えるんですけど、あの、その人影に置いてある二輪車、田中さ
んが出てた番組でも特集やってたあの立ったまま運転する二輪車、あれ、ジン
ジャーですよね』
『それ、多分シグウェー、ジンジャーでも一緒なんだけどよ』
『多分、そんなけったいな二輪車乗ってる人原田さんしか考えられないですし、
もう一人誰かいるみたいですけど、ちょっとよく見えなかったんで、もう一回
確認します』
その声と共に電話先の樋口は、崖の下を見た。
それは田中と同じ位見知った顔だった。
『あー! 田中さあああん!! 太田さんです、太田さん、かなり状況的にヤ
バイ雰囲気なんで急いでC−1東端、崖の中央に来て下さい。俺らそこで田中
さん方来るまで待ってますんで!』
崖下の二人に携帯で連絡を入れているのに気付かれたら危険だと判断した樋口
は、田中の返事を待たずに急いで電話を切った。
>>455 立ち上る煙だけを頼りに叢の中を歩く。
松口と、首の無い猫と。
今度は自分が先頭にたって歩く。
松口との距離が開かない様、細心の注意を払いながらゆっくりと進む。
煙が上がっていたのは、明らかに人工的な小さな櫓だった。
そして。
また、あの臭い。
遅かった。
「田村…」
変わり果てた仲間の姿。
放送では何人か聞いてはいたが実際に目にするのはそれが初めてで、その衝撃はとても大きかった。
血を流して、うつろな目で空を見ている田村。
11期のリーダーとして、ずっと頼っていた存在だった。
田村に会えば、何かできるかもしれない。
そう思っていたのに。
「た…むら…?」
松口の声に俺ははっとする。
いやな沈黙が二人を包む。
しばらくして。
無機質だった松口の顔が、ぱっと明るくなった。
>>470 「やっぱり!田村やんなぁ。」
その呼びかけは、あまりに自然で、
「田村も『独り』やったん?」
そう微笑む松口の顔は、本当に嬉しそうで、
「ずっと、探してたんやで?いっしょに行こうや。」
小さな櫓に添えられた花と木彫りの人形。
どこかで見たことのある顔をしている。
ああ、これはきっと―
「コバ?コバやろ?ここにおるんやろ?」
俺が気付いて、松口が気付かないはずが無い。
「俺ら、マツコバやもんなぁ。分かるで。待ってな、今そっから出したる。」
吐き気がする。
松口を止めなければ。
―俺が。
ガンッ。
そう思った瞬間、俺は意識を失っていた。
>>471 「おい、ハリガネロックじゃねえのか?」
「ああ、そうだ、M-1でみたぜ。」
誰…?
「はは、こいつ情けねえなあ。もうのびてやがる。」
「おい、相方さんよ、お前は何やって―」
「ヒッ…!」
「どうした…うっ、うえっ、ボホッ…」
コバの上で吐くな。
汚い。
大上…?
赤い…
赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤い赤いいいいいいいいいい!!!
「うわあああああああっ!]
「おい!大丈夫か!?…うッ…がはっ…」
【名も無い芸人・二人死亡】
>>370-373 の続き。
「もう一度だけ聞くで。予備の本部は…何処や?」
男の襟首を掴んで問う。
「知らねぇよ、知らねぇんだから助けてよ!」
返事は先ほどからずっとそれだった。泣きわめきながら頭を振って。
男の着衣には『OFFICE KITANO』の文字。
彼はずっとこの地獄絵図の傍らで安穏としていた人間だった。
「そうか…ホンマに知らんねんな。やったら…。」
…楽にしたるで。俺で良かったら。
掴んでいた襟を離し、林は男の頭部にハンマーを振り下ろす。
血が周囲にまき散らされ、眼球と脳を繋ぐ神経の線までが露わになる。
林は表情を変えず、男の死体を蹴り倒した。
鈍い音と共に倒れた男の側には、妙に長い髪の男が倒れている。
こちらも頭部はハンマーで打ち崩され、もうすでに息はない。
「三又さんや山崎さんも知らへんとなると…あいつら一体どこら辺におるんやろ……。」
林は肩を竦めて空を見上げた。
沈み掛ける太陽の光で、空はラベンダー色に染まっていた。
>473
あの男の私兵の装備を奪ってから、林は真っ先に学校を訪れた。
何処からともなく拉致されてきた芸人達が、このゲームの存在を知らされた場所。
しかし、そこはもうビートたけしの仕掛けた爆薬によって破壊されてしまった後だった。
ならば、今現在このゲームを仕切っているあの男達は、違う場所を本部と定めている筈。
早く新しい本部を捜して、このゲームを終わらせないと。
何一つの例外もない、全ての芸人の死を以て。
新しい葡萄酒は、新しい革袋に入れなければならない。
その為には、今ある古い革袋は全て廃棄しないとならないのだ。
喩えそれが名工の手による物であっても、非常に良質な革袋であったとしても。
林はその役目を果たすのは自分だと、固く確信していた。
>474
「って言う事は…後は『街』の辺りやろか……。」
最初に与えられた地図を広げて眺め、林は一人呟く。
一人で行動する事を決めてから、林には自然と独り言の数が増えていた。
「そういや…あそこはもう封鎖されとるし、住宅地もあったな。」
相方を捜して街に立ち入った時の事を思いだして、林はまた誰に言うでもなく呟く。
連中の事だ。いくら予備の本部とはいえ、まさか洞窟などを選んだりはしないだろう。
「決めた、街に行こう……。」
首輪の事はもう気にしなくても良い。
最短距離を通って行けば、日が暮れるまでには街に着くだろう。
夜になれば、闇が身体を隠してくれる。隠密行動にはもってこいだった。
地図を折り畳んで林が歩きだそうとした時。
「だ、だれ……や?」
林の背後から妙に震えた甲高い声が聞こえた。
>472
その二人の芸人は、松口にとっては名もない芸人だったが、
どんな芸人にも名前はあるのである。
その二人の名は、西条充敏と雨宮陽平。
18KIN大滝と別行動中のノンストップバスの二人だった。
【ノンストップバス西条・雨宮 死亡】
(エピソード書ける人、書いてください)
>475
「…………っ。」
いくら他の事に気を取られていたとはいえ、ここまで素直に背後を取られるとは。
林は自分の迂闊さに舌打ちをしながら、背後の方へと向き直る。
木々が作る闇の中に、黒い瞳を光らせる男がいた。
反射的に身構えるも、林にはその男に見覚えがあった。
「…柳原さん?」
「川島が…麒麟の川島がぁ……。」
林がポツリと言葉を洩らした途端。
ボロボロとその両目から涙を流しながら、暗闇の中から男は駆け出してくる。
警戒して林はハンマーの柄を握り直すが、柳原は林にしがみつくと子供のように嗚咽を始めていた。
「ゴメンなさい、ゴメンなさぃ……。」
「……………。」
どうして良いのか正直わからず、林は柳原の手に武器らしき物がない事を確認し、
あとは柳原の気が済むまで放っておく事にした。
>477 と前スレ>565-567 の続き
土田と共に身を潜めていた時。
川島にすぐ側で土田を殺されて。
自分の命惜しさに、柳原は土田を助ける事を何もしなかった。
川島は土田を殺すと、満足して次の芸人を殺しに行ってしまった。
残された柳原が、自分の身が助かった事に気付いた時。
同時に自分の犯した罪の重さにも気付いた。
『俺は土田さんを見殺しにした………。』
何もできなかったのではない。何もしなかったのだから。
もしかしたら川島の気を逸らし、一緒に逃げる事だって出来たかも知れないのだ。
あまりの恐ろしさに最早土田を弔う事も出来ず、柳原はただただ逃げていた。
とにかく誰かに許して欲しくて。誰かに助けて欲しくて。
「柳原さん、どないしたんですか……。」
林に問われ、柳原は林の顔を見た。
エリアを封鎖する兵士と同じ迷彩服をまとってはいるが、知っている人間の顔。
「お前、林…さん、なんか?」
怖々と柳原が訊ねると、林はヘルメットの下、小さく頷いて返した。
>478
「これ、林さんが殺したんか?」
思う存分泣いて落ち着いてきたのか、傍らに転がる三又と山崎の死体を見やり、柳原は訊ねた。
「……ええ。」
林はここは隠す必要はないと判断し、素直に柳原に告げる。
「…強いな。俺は何もできひんかったのに。」
柳原は川島の行動を、最後に告げたあの一言を、内心で反芻しながら呟いた。
一人になった途端、怖くなって何もできなくなった自分とは逆に見えて。
「なぁ、林さん…これから何処行くん?」
柳原は服の袖で涙を拭い、林に問う。
「…このゲームを仕切っとる奴の所や。」
林はこの質問にも素直に答えた。
「そこに行けば…全て、終わらせられるはずやから。」
「………勝算は?」
「まぁ、俺らのオンエア率ぐらいには。」
>479
「アカンな、それやと。」
柳原の声の音域が少し跳ね上がった。
「俺も一緒に行ったる。そうしたら俺らのオンエア率との平均ぐらいには上手くいくで。」
「………いや、俺一人で行く。」
林は柳原の現金な態度に少し肩を竦めて答えた。
「俺が考えるに、あいつら…首輪以外にも俺らを縛る手段を持っとるはずなんや。」
俺ら芸人が一致団結して…それはありえへん事やけど…本部を襲うような時のために。
多分、毒ガスを島中に散布させるような…身を守るための手段を持っているはず。
「俺は、それを発動させて…みんな殺して…全部終わりにしたい。」
…だから、行くんや。
林はそう言って柳原の方を見た。
「それでも構わへん。」
間髪入れずに柳原は答える。
「平井も、土田さんも殺された。もう川島にギャフン言わせるには…それぐらいせな、な。」
柳原はハンマーの柄を握る林の手を、ぎゅっと握りしめた。
「どうせ死ぬんやから…そんぐらいしてもバチは当たらんよ。」
【坂コロ 林・アメザリ 柳原 合体】
【ジョーダンズ 三又・山崎 死亡】
吟醸生サマ、柳原預かります。
もし今後使う予定があったのでしたら、何らかの形でお返ししますので。
(゚д゚)ウマー
483 :
名無しさん@お腹いっぱい:02/01/30 07:23
>>459 歌丸さんの話書いておきます・・・。
さっさと敵討ちの結果書かなきゃ・・・。
マジで書かれると引く。同人版じゃないから。
ネタ満載だと楽しい。芸人版だから。
歌丸は楽しみだ。
所木梨ヒロミ勝俣とか、そう言うのは楽しい。
ジョーダンズ三又は前スレで×−GUN西尾に殺られたはずなんだが…
ま、いっか。たいして支障無いし。
>454の続きで。
200メートルふっとぶ銃・・・。当然即死である。
田村は最期の言葉を発する間もなかった。
【麒麟・田村 死亡】
階段の下にはバズーカ砲が落ちていた。
【川島はバズーカ砲を手に入れた】
(川島はこの他、斧、カッター、アーミーナイフ、ボウガン、拳銃を所持)
>486
川島が遊園地の出口に差し掛かったところで、
向こうから汗まみれの男が走って来るのが見えた。
川島はバズーカを肩から下ろし、ボウガンを取り出して男に向ける。
「わー!川島!撃たんといてくれ!俺や、レギュラーの西川や!」
「ゼイゼイ・・・ごくっ、お、お前、田村と会ったんか?」
西川の呼びかけでトリガーにかけていた指をわずかに緩めた
川島はゆっくりと答えた。
「背の高い黒い奴なら殺した」
西川は凍りついた。
・・・間に合わなかったんや。
また。
頭の中で何度も打ち消した最悪の結果。
その結果に直面し、膝をがっくりと地面へ落とす。
>487
このゲームがじわりじわりと自分へ突きつけた事実とは、
現実が決して自分の思い通りにならないということだった。
須藤の死に顔が思い出される。
間に合わなかったのだ。取り返しはつかないのだ。
「もう嫌や・・・。」
西川の口から独り言のようにこぼれる言葉。
目の前で鋭い眼光をこちらに向ける男。
川島・・・。お前だってな。
多分この島で、最後まで生き残ることはできひんねんで・・・。
「川島・・・」
西川は自分の運命を受け入れた。
「俺、痛いの嫌やから、一発で頼むわ」
その心配はなかった。
川島の放った矢は、一瞬で西川の息の根を止めた。
【レギュラー西川 死亡】
遠ざかる意識の中、声が聞こえた。
悲鳴のような、断末魔のような。
確かめようにも、体は動かないまま。
声が消えるまで。
背中の奇妙な感覚に疑問を覚えるまで、そのまま。
「――ん・・・?」
開けた視界に飛び込んできたのは、天井。和室のようだ。
よく見ようとして、めまいを感じた。思わずおさえた頭には、なぜか包帯。
頭を、不意打ちで殴られたらしい。
頭に傷を負った場合、出血していないほうが危険なのだが、幸いといって
いいものか、傷は開いていたらしい。
(何があったんやっけ・・・?)
・・・ここは、どこなのか。
(確か・・・煙のとこに着いて・・・、誰かが・・・たむらがおったな・・・。
たむらがおって・・・松口、喜んでたな・・・。ほんで・・・、――そうや!)
相方!あいつはどこにおんの!?
「大上!」
>489.
声がしたかと思うと、柔かい(?)「もの」に思いっきりぶつかられ――いや、
抱きつかれた。
「よかった!目ぇ覚めたんやな!」
・・・「噂をすればなんとやら」ですか、これは。
けが人に体当たりかました「やわらかいもの」の正体は、言わずもがなの相方、
松口であった。
『えー、この放送も13回を迎えることになりました。
みなさんぐれぐれも気をつけて殺し合いをしてください。
尚、前回まで放送を担当していたビートたけしさんが参戦されたため、
今回より、各局の民放アナウンサーが交代でお送りいたします。
第13回の今回は、日本テレビの福澤がお送りいたします』
286以降の
【死亡者】
藤原(ライセンス)/井本(ライセンス)/添野(アルカリ三世)/
ガッツ石松/つぶやきシロー/田代まさし/西川のりお/
水野(リットン調査団)/福田(チュートリアル)/山口(DonDokoDon)/
オール巨人/宮迫(雨上がり決死隊)/遠藤(ココリコ)/ハイヒール・モモコ/
藤井隆/工藤(順一郎(工藤兄弟)/工藤(光一郎(工藤兄弟)/鳥肌実/
アホの坂田/ジミー大西/西条(ノンストップバス)/雨宮(ノンストップバス)/
三又(ジョーダンズ)/山崎(ジョーダンズ)/田村(麒麟)/西川(レギュラー)/
名も無い兵隊さん/名も無い芸人さん2人
【参戦】
ビートたけし/そのまんま東/ガダルカナル・タカ/ダンカン/ラッシャー板前/
井手らっきょ/つまみ枝豆/グレート義太夫/松尾伴内
【合体】
そのまんま東&ガダルカナル・タカ&ダンカン&ラッシャー板前&井手らっきょ&
つまみ枝豆&グレート義太夫&松尾伴内/
林(坂道コロコロ)&柳原(アメリカザリガニ)/
『今回の目玉は、やはり死闘を繰り広げた藤井隆さんと麒麟の田村さんでしょうか。
依然、生き残り続けてる人も結構いますね。
それではみなさん頑張ってください。
以上、日本テレビ福澤が生放送でお送りいたしました』
麒麟川島は、冷たくなった西川の傍らで13回目の放送を聞いていた。
「田村」
放送で2度呼ばれた名前。たぶんあの、背の高い黒い奴の名前だろう。
「川島、俺や、田村や」
「俺、俺、お前に会いたかったんや。お前に一言、お礼言いたくて」
俺を見て、あいつは嬉しそうに言った。
「お、お前、田村と会ったんか?」
何かを少し期待したような顔で俺に尋ねてきた西川。
「背の高い黒い奴なら殺した」
俺がそういった瞬間、西川は凍りついてがっくりと地面に膝をついた。
俺は「田村」を殺すのを2度もためらった。
何故?
たくさん人を殺してきたが、他のやつに対しては
ためらいなど全くなかった。
俺の目的はしょうもない奴らを蹴散らして、頂点に立つこと。
ためらいとか、同情とか、感情は一切関係ないはず。
関係ないはず・・・。
雨が降ってきた。
体に付いた血が流れていく。
早くここを離れよう。
次の獲物を探そう。
そう思った。
西川にも
そして、背の高い黒いあいつにも
自分が殺した証
ハーケンクロイツを刻む気にはなれなかった。
>>414の続きです。
あー、どっから突っ込みゃいいんだ。
太田は思った。
太田と原田は砂浜で向かい合ったまま、二十分が経とうとしていた。
原田は村正、太田はレーザー銃を握ったまま、身動きが取れずにいた。
お互いの距離が原田にとって有利な近距離でもなく、かと言って太田に有利な
中、遠距離でもない微妙な距離なので原田も、太田も結果的に身動きが取れず
にいたのだ。
「隙を見せた方が負けですよ」
原田はじっと太田の顔を見た。
原田に言われるまでもなく太田には、この勝負は一瞬でも隙を見せた方が負け
だと十分に分かっていた。
「ガチンコ勝負だかんな、他ん連中アテにすんじゃねーぞ」
太田に言われる前に原田は、雑音も、波に消されて聞こえる訳が無く、そして
互いに単独行動を取っていたので援軍も来る訳が無いのは十分に分かっていた。
そして、ほんの一瞬──太田は昔の事を思い出していた。
原田(こいつ)に勝たなければ俺は先に進めない。
太田は思った。
俺のここでの目的はあの松本に土下座をした屈辱を何倍にもして松本に返す事
だ。
その為には誰が来ようとも蹴散らして先に進むだけだ。
太田の決心はスタート時から固まっていた。
さかのぼれば七年位前の話であっただろうか、松本がアディダスの服を着てい
た事を太田はネタ程度のつもりでその事を番組で喋ったと考えられるが、衣装
をバカにされたと解釈された松本に、太田は楽屋に呼び出され、その場で“土
下座する・パイプ椅子で殴る・芸能界を辞める”という屈辱的な3つの選択肢
を言い渡された太田は迷いに迷った結果、その内の一つ、土下座を選んだのだ。
プライドが高いと思われる太田の事、それだけでも十分屈辱的だったのだ。
シュッ。
原田は少し考え事をしていた太田に隙があったと取ったのだろう。
太田の右側の脇腹に剣を向け、斬りつけようとした。
それに気付いた太田はほんの僅かにかわした時、原田の目を見た。
……人間の目じゃねえ。
太田は思った。
原田の目は何かに取り憑かれたような目になっていたのだ。
村正のせいか?
一瞬そう解釈した太田は、どこか原田に構えの抜けがないかと原田の腕の方を
見た。
やっぱり。
滅茶苦茶やってるから抜けてやんの。
小声で太田は言った。
武道を習っている訳でもない原田の事、一応剣道の上段の構え、中断の構えと
形を取っているが、結局は付け焼き刃ででしかなく、どこかに隙があると太田
は取った。
しかし、太田のレーザー銃のメーターはオール巨人を撃ったばかりで、原田に
攻撃するまでには十分振り切っていない以上、守りの姿勢を取るしか状況的に
なかったのだ。
>>497 解釈された→解釈をしたでした、スマソ。
「ふぬっ!ぬぅぅううああああっ!!」
両足を踏ん張り全身に力を込める。
自分の身体を縛り付けられた木が細かったのが、不幸中の幸いだった。
根元がミシミシと音を立て始めた。もう一踏ん張りだ。
濱口(よゐこ)は、再び全身を強張らせた。
ドーバー海峡横断部で培った体力は伊達ではない。
「うぅらぁああっ!!」
手ごたえあり。足元の土が盛り上がり、大幅に身体の自由が利くようになった。
さらに両膝をぐっと伸ばすと、木の根が地面から離れるのが分かった。
濱口は縄を切ることを考えず、縛り付けられた木を引き抜くという方法を選んだ。
背中に木を背負ったまま、身体を激しく揺さぶる。
枝に残った枯葉が頭上から降ってきた。
ロープが緩み、自由を取り戻した頃には、縛られた荒縄の跡が身体にくっきりと残っていた。
「はははは、めっちゃアザになってるやん!」
腕の痣をさすりながら濱口は笑う。
「はははははは!ええわぁ〜・・・」
恍惚とした表情になる濱口。まさにそれはMの三兄弟の顔だった。
得体の知れない覆面男に圧し掛かったまでは良かった。
好奇心で覆面を剥ぐと、その下にあったのはエラのはった南原の顔だった。
本能とも言うべき南原に対する恐怖心が、
濱口を狂った笑う犬から単なるヘタレ濱口に引き戻したのだ。
その隙に組み敷かれ、木に縛り上げられるという失態を演じてしまった。
南原が拾い忘れたアイスピックを拾い上げ、濱口はなおも笑う。
「アイツ、ホンマ殺したろ!殺したんねん!殺し、コロッ、コロコロッ!
アハハ、あはははあはあはあは!!」
アイスピックを見えない敵に向けて振り回しながら、濱口は笑い転げた。
犬の着ぐるみは剥ぎ取られ、Tシャツにトランクス一枚という薄着ではあったが、
興奮の頂点に達している濱口の頭からは湯気が立ち上っていた。
「やるぞー!やったんぞー!あははははははは!!」
笑う男は、その狂った頭で次の標的を南原に定めた。
濱口出してみました。
今後の行動は他の方にお任せってことで(笑)
そういえば500ゲット。
500は420の続きですか?
「つんつん、つんつん」
斉木しげるは死体をいじくって遊んでいた。
梅垣「も〜、趣味が悪いですよ、早く行きましょう」
斉木「いやー、女の子殺すと嬉しくてねー・・・」
・・・はー、本当に、と梅垣は思った。
本当に気味の悪い男だな。
【青木さやか 死亡】
どのくらい歩いたのだろう。できるだけ身を隠しながら竹森はある人を探していた。
支給された武器は、1本の果物ナイフ。こんなもので人を殺せる訳がない。
いや、彼には誰かを殺して生き残ろうという意志はなかった。
道すがら、彼はさまざまな死体を見てきた。
テレビで見た、憧れていた人たち。
時々、ライブで共演するコンビ。
共に番組をやってきた先輩たち。
同郷の、事務所の先輩・後輩たち。
目にしてきた物事は、すでに彼の常識の許容範囲を超えていた。
いろいろなものが麻痺していくようで、ひどく恐かった。
ただ、彼は探すしかなかった。自分の「相方」を。
再会は、唐突に訪れた。
「相方」は、木の根元に座っていた。
見覚えのある、姿形。思わず駆け寄る。
「阿部っ!」
名前を呼び、肩を揺さ振る。
しかし、その体は重力に従い、地面に崩れ落ちた。
「…し、んでる?」
その事実が信じられないかのように、なおもその骸を揺さぶり続ける。
しかし、薄く開かれた目は、何も映してはおらず。
「…やっと、会えたのに…」
やがて、あきらめたかのように阿部の体から手を放し、その場にへたり込む。
「なあ、阿部…。もう、みんな死んじゃったんだ。newsのみんなも、奥本も、キヨシも」
放心したような顔で骸に語りかける。
「俺、いっぱい死体も見たんだ。みんないろんな死にかたしてた。
…なあ、おまえは誰に殺されたんだ?」
「…でも、もう、どうでもいいや。お前いなかったら、生きててもしょうがないし」
果物ナイフをスッと首筋に突き立てる。
「待ってろよ阿部、今から俺もそっちいくから…」
一気に首にナイフを突き刺した。
【アップダウン(阿部・竹森) 死亡】
news(今でもあるんでしょうかこのユニット)の残りメンバーが出ていて、
札幌事務所の後輩ビタミンCも出ていたので、アップダウンも出しとかなと。
つたない文章で、ファンの皆さんすみませんです。
>507
うまいね。
ぜひ他の放置芸人の話も書いていただきたい。
深沢は家にあった米を研ぎ始めた。
今は何も考えず、ただ米を研ぐだけだった。できれば飯の事だけ考えていたかった。
しかし、深沢が米を研ぎ終わろうとしたときだった。
「・・・なんだこれ!」
研ぎ汁が薄い紫色に変色していた。
「腐ってんのか?米が」
深沢は水道の蛇口を見た。
「・・・この水道に何か入ってるんじゃないだろうな・・・」
深沢は薄い紫色の研ぎ汁の中に入った米を見た。
「これ<<武器>>に使えるかな?」
510 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/01 20:50
「オーイ、オマエラ水飲むなよ」
たけしが軍団に言い放った
<書き出しっぺの自分が思いっきり放置してしまった…スマソ
>>315の続きです>
外は嫌になるほど晴れていた。
思わず背伸びをしたくなるような暖かい陽気は、
気を抜くとここが殺し合いの場だということさえも
忘れてしまいそうになるほど、気分のいいものだった。
「俺、気持ち悪い…」
天気とは裏腹に、だるそうに呟く飯塚。
「まあ、あれは見てて気持ちイイもんじゃないですよね」
うなだれた横顔に覗く表情に苦笑いしつつ、
豊本は相方の背中をさすっていた。
普通なら正気を失うような事態に直面しているのに、
妙に落ち着き払っているのは小木も同様。
「にしても、まさかこんなことになるなんて思わなかったな〜」
「ほんと、びっくりだよね」
>>511の続き
びっくりしたような顔は欠片も見せず淡々と喋る二人を横目で一瞥してから、
なんで揃いも揃ってこんな奴ばっかりなんだ、という独り言と共に
飯塚の口からため息が漏れる。
「……そもそも、びっくりするとかもうそういうレベルの話じゃねーよ」
付け加えられたその一言に導かれるようにして、
3人の脳裏に、先ほどの現実が蘇ってきた。
――最初は誰もが、悪い冗談だと思って取り合わなかった。
単に小林が自分達をからかおうとしているとしか考えられなかった。
「何言ってんだよ」
「とぼけるにしたってもうちょっとマシな嘘がつけねえの?」
当然のように、口々に言いたいことを言う。
すると突如として、小林の声のトーンが上がった。
「うそなんかじゃないよ!」
全員が凍りついた。
>>512の続き
それは5人ともが初めて聞く声だった。
まるで、捨てられようとしている子供が親に必死ですがるような
掠れかけた情けない声。
「ほんとなんだ!!
目がさめたらここにいて、それで、
そしたら…このおにいちゃんが……っ…」
そこまで言ったかと思うと、小林は泣き出してしまった。
「……うっ…うそじゃないよお……」
誰も何も言えなくなった。
しゃくり上げる仕草と、訴えるような拙い口調が
あまりにもリアルだったから。
同じ舞台に立ち、役に入っている時とは明らかに違う
”芝居”という一言では絶対に済まされないような小林の挙動。
滴り落ちる涙も、すすり泣く声も
薄っぺらい演技の仮面などには見えなかった。
>>513の続き
一同はどうしようもなくなって、互いの顔を見合わせた。
おそらく今自分がしているであろう表情がそのまま、
鏡のように相手の顔に映っているように思われた。
「マジ……?」
小林の嗚咽だけが狭い部屋に響き渡る。
誰もが言葉を失っていた。
無言のまま、いたずらに時間だけが過ぎた。
と、突然
この場には場違いすぎるほど明るい声が上がった。
「なあ、外で遊ばねえ!?」
声の主は他でもない、谷井。一斉に視線が集まる。
谷井は好奇心いっぱいの目で小林に誘いかけている。
>>514の続き
「……は?」
怪訝な顔を向けられた谷井はしごく冷静に答えた。
「は?じゃねえよ。早い話が、こいつ記憶喪失になってるってことだろ?
そんな状態で話も何も聞けねえよ。第一これじゃ
大人が寄ってたかってガキ一人苛めてるみたいじゃん。
いーよ、俺が一緒に遊んでやるよ」
そう言って、しゃがみ込んだ小林に手を差し出す。
「来いよ。な?」
小林は、最初は目に涙をためて怯えていたが
谷井の人懐っこい笑顔に少し安心したようだ。
何も言わずに差し伸べられた手を取ると、
「よっしゃー行くぞ!」
そう言って駆け出す谷井に手を引っ張られて、外へと走っていった。
「おい、ちょ…待てよ!!」
今立が慌てて二人を追いかける。
取り残された3人は、その様子を唖然として眺めていた。――
>>515の続き
「ああもう、思い出しちゃったよ…気持ちわりい」
飯塚が再び頭を抱えた。
豊本と小木はそれには大して構わず、呑気に会話を続けている。
「うーん…で結局何なんだろう、あれは」
「まーいわゆるそのー、幼児退行ってやつ?だろうね」
「…なんでお前らは全然動揺してねえんだよ」
ツッコむ声が一段と低くなる。
今までの疲労も重なって、飯塚はげんなりしていた。
「で、あいつらはあいつらでなんであんな楽しそうに遊んでんだ」
窓の向こうでは、谷井たちが元気にはしゃぎ回っていた。
「おーし!次はサッカーやろうぜっ!」
「いや、ボールねえだろ」
「あのな、こーいうのは”やりてえ”って気持ちが大事なんだよ気持ちが。
そう思うだろ?ボーズ」
声をかけた先には、
返り血で真っ赤に染まった服を着た身長180超の立派な大人がいて。
「うん!やろうやろうー!」
>>516の続き
「すーっかり馴染んじゃってるなー」
窓の外で繰り広げられるシュールな光景を、豊本はやや楽しそうに眺めていた。
飯塚にはその飄々とした態度が何となく気に食わない。
「いいの?ほっといて。
小林のあれがもし演技で、隙をついて本性出したりしたらどうすんだよ」
不機嫌そうに、不安を煽るような問いかけを試みる飯塚。
だが、豊本は少しも動じなかった。
「大丈夫じゃないすか〜?今立もいることだし。
だいたいあれが演技だと思います?」
外で無邪気に走り回っている小林を指差し、豊本は飯塚に聞き返す。
さらに小木が追い打ちをかけるようにぽつりと言った。
「ていうかさ。まずさ、あいつってあんなに芝居巧くないよな」
「……言うなよそれを…」
逆に状況を再確認させられて、飯塚は今日二つ目のため息をついた。
(続く)
518 :
EORRR:02/02/02 23:08
「うら〜〜〜〜〜〜」
「いけ〜〜〜〜〜〜」
ドッカ〜〜〜〜〜〜ン
「うっわ・・。なんだこれ?」
ヒロミの服に火が燃えうつる。
「手投げ型爆弾みたいだね。別に命は狙ってないみたいだから、ほっといたら?」
木の棒で火の粉を払いながら呑気に所ジョージが言った。
「うわ〜。クーちゃん凄い火があがってるよ。」
「げへへへへ・・・」
「次は小木さんのところでも狙おうか?」
「げへへへ・・・。」
野生爆弾は其のなの通り、野性に戻っていた。
【野性爆弾 爆弾20個ほど所持】
有野晋哉(よゐこ)は、最初何の音が聞こえたのか分からなかった。
ただの空耳だったかもしれないが、有野の直感がその声を聞き取ったのだ。
「あ、濱口や」
声の主はすぐに思い出せた。中学時代からの友人の声を忘れるはずがない。
「笑ってる・・・・」
距離がかなり離れているらしく、周囲の物音にかき消されそうになりながらも耳に届いていた。
暫くすると相方の発する馬鹿笑いは止んだ。
「加藤さん、加藤さん、濱口がおる」
木にもたれ掛かって眠っている加藤(極楽とんぼ)を揺さぶる。
二人は二時間交代で見張りと休憩を取っており、今は有野が見張りをする番だった。
疲弊しきった加藤は、口を開けよだれを垂らしながら中々起きなかった。
「う・・・、ああ?濱口?」
「うん、なんかアイツ笑ってた」
「はあ?」
>519
有野と加藤は、99の二人と、それぞれの相方を探すために行動を共にしていた。
99は早々と死んだことが放送で告げられていたので、コンビで葬ってやるために、
そしてそれぞれの相方は、合流して行動を共にするために探しているのだった。
だが、加藤の相方の山本まで死んでしまった。
放送で『大物を殺した』と言われていたが、その後に誰かに殺られてしまったらしい。
それを知ったとき、加藤は泣かなかった。我慢している風でもなかった。
それを問う有野を怒鳴り返すくらいだった。
有野にはそれが解せなかった。しかし、
"・・・今は生きてる奴のが大事なんだよ"
加藤の一言は有野の心を鋭く抉った。
加藤とて、身近な人間の死を知って辛くないわけがない。
それでも、残された二人が成すべきことは仲間の死を悼むことではなく、
如何にして生き延びるかを考えることなのだ。
悲しいことではあるけれど、その一言は加藤が非常に頼りになる存在である証明にもなった。
>520
「行こ、濱口まだ生きてるし」
「アイツ・・・、笑ってたのか?」
「うん」
加藤は有野から目線を外し、地面を見つめながら黙ってしまった。
再び有野と目を合わせた加藤の目は、悲しい表情をしていた。
「有野」
「うん?」
「アイツは、濱口はもうダメだ」
「・・・何でよ?俺の相方やで?」
「お前も分かってるだろうがよ」
再び目をそらす。
「もう、濱口はイカレちまってる」
>521
噛んで含めるような言い方だった。
「こんなクソみてぇなゲームの最中に、笑う奴なんかいるわけねぇだろ」
「うん・・・」
有野は加藤に言われるまでもなく、理解していた。
何度でもドッキリ企画に引っかかり続ける純粋な心を持った相方が、
このゲームの緊張感に耐えられるはずが無い。
濱口の心が押しつぶされ、発狂してしまうことは予想していたことであり、
先程の相方の馬鹿笑いは、その証明に他ならない。
「ナイナイも、山本も、光浦もみんな死んじまったな」
有野に聞かせるでもなく、加藤はひとりごちた。
「めちゃイケメンバー、もう俺らだけになっちまったな」
懐からクシャクシャになったタバコを取り出し、口にくわえる。
タバコをくわえた口は、自嘲気味に歪んでいた。
「オイどうするよ。爆裂お父さんとキダタローの二本立てでやるか?」
それは加藤の精一杯のジョークたったが、有野は笑わなかった。
>522
「まだ、笑う男がおるよ・・・」
「・・・・・・・」
有野の言葉尻は微かに震えていた。
「いいか、もう濱口はダメだ。会ったところで話が出来る状態じゃねえのは目に見えてる。
今は濱口に会うよりも、また隠れ場所探すほうがいい」
今度は目をそらさなかった。有野を守るための最良の方法を、有野自身に説くためだ。
「・・・・でも」
「でもじゃねえ!!諦めろっつってんだろッ!!」
加藤は立ち上がり有野の胸倉を掴む。激しく揺さぶり、有野の鼻先で叫んだ。
「死にてぇのかコラ!ナイナイみてえによ!山本みてえに死にてえのか!?ああ!?」
それだけ言い切ると、有野の身体を思い切り突き飛ばした。
「もう、自分が生き残ることだけ考えてろ」
「・・・・・・・」
「俺のためにも、お前は生きろ」
>523
加藤は立てかけていたロケット砲とバッグを担ぎ上げ、有野に背を向ける。
「行くぞ」
加藤の声に有野は反応しなかった。
「有野ッ!!」
怒鳴り声に押し出されるように、有野は加藤とは反対方向へ、
つまり濱口の声が聞こえたほうに駆け出した。
「待てよコラッ!有野!!待てってオイ、コラァ!!」
加藤の怒声に振り返ることなく、有野の姿は見る見る小さくなっていった。
有野加藤組もう出て来ないかと思ってた。
良かった。楽しみ。
>>469の続きです。
「長井お前、今からC−1の崖の方まで飛ばせるか」
電話が終わった田中は焦った口調で長井に聞いた。
「C−1が何かあったんですか? 」
「光と泰造見つかったんだよ! 」
え……?
田中の言葉を聞いて、長井はあっけに取られた。
「太田さんと、原田さん見つかったんですか? 」
五番六番から今、携帯掛かってきてそうだとよ。
もう一度持っていた地図を開きながら田中は地面に座っていた長井を立たせ、
地図上のC−1地区にある断崖を指さした。
「見つかったみてーだ。しかも光と泰造ダブル」
「一気に手間が省けたみたいですね」
そう答えた長井は確認するかのように田中の顔をじっと見た。
「長井お前、どこ通ったら手っ取り早いか分かっか? 」
「……二つルートあるみたいですが、細い道の方が微妙に早そうですね」
「一つは国道で舗装、もう一つは細い小道で、しかも砂利道か……」
一度長井も田中も考え込んだ。
一つは舗装、もう一つは近道で砂利道。
どっちをとるか。
普通なら無難な舗装を通って行くべきなのだろうが……。
一瞬一秒を争うこの状態だ、ここを外したらえらいことになる。
二人は思った。
「砂利道行きましょう。そん代わり振り落とされないように僕の背中にしがみ
ついて下さい」
せっかくのハーレー、ここで生かさないと勿体ないでしょう。
しばらくの間考え込んでいた長井は言った。
「本とにお前、それでいいのか? 」
念を押すようにに田中は言った。
それは自分が太田を捜す為にとってつけたような脅しを入れてまで長井を巻
き添えにしたという後ろめたさもあって、かなり申し訳ないと田中は今の今ま
で思っていたのだ。
田中は長井の返事を待った。
「毒を食らわば皿までです。行きましょう」
側に置いてあったハーレーに乗った長井は、同じくハーレーに乗ろうとしてい
る田中の顔をじっと見た。
「俺も外さないようにナビやるから、間違えんなよ長井」
同じく乗り終えた田中も長井の顔を見つめ直した。
「この道でいいんですかね」
「間違えねえ、ここしか通りようがねえ」
砂利道を通り過ぎた一度乗っていたハーレーを止め、そのままの状態で田中と
長井は地図を見ながら確認をした。
「五番六番、どの辺にいるんでしょうね」
長井はどこに五番六番がいるかと周りを見回した。
「あそこだ長井! 」
田中は500メートル南側の辺りを指さした。
そこには五番六番がいた。
「分かりました、あそこに行きます、捕まって下さい! 」
二人はハーレーをもう少し飛ばして五番六番がいる辺りまで近寄った。
「田中さん! 長井さん!! 」
田中と長井の二人が近づいているのに気付いた五番六番は二人が気付くように
と大声で二人を呼んだ。
その声が聞こえてくるのが分かった二人はハーレーに少し加速を付けた。
「おう、お前ら! 光と泰造どこにいるか知らねえか? 」
五番六番の側に近づいた時点で乗っていたハーレーから降りた田中は、あわて
た口調で樋口の側に近づいた。
「崖下です、あそこ見て下さい」
樋口に言われるがままに、田中と長井は崖下を見た。
崖下には原田が乗っていたハーレー、その近くに妖刀村正を持っている原田、
そして20メートル位離れた所にレーザー銃を持った太田が立っている。
間違いない。
その様子を見て田中と長井は息を飲んだ。
「こっから先はおまーら一緒に行くとやべーだろうし、取りあえず俺だけ崖下
まで歩いて降りてくわ」
田中は言った。
「何でですか? 」
樋口は言った。
「探してる時に他の奴らから話聞いたら、光はともかく、泰造の野郎、全然関
係のないヤツ何人もたたっ切ったらしい」
何人もだ。
正気じゃねえ。
田中は周りを見回した。
たたっ切られんのは俺だけで十分だよ。
田中はそれ以上何も言わず、崖下に向かう道をそのまま真っ直ぐ降りて行った。
みい
爆問マンセー!!
>529
の十行目、ハーレー→ジンジャーです、ハーレーは田中&長井が乗っている
のに今気付いた。スマソ所じゃなくて、逝って来る…。
逝かんで良し!戻って来てまた来てくれたまえ!!!
あ、間違えたしサゲれてないし…鬱
戻って来てまた書いてくれたまえ。と言いたかった。ゴメソ
俺こそ逝くっす
何か・・・ずっと期待して見てきたのに・・・
今更ながらロザンの終わり方には納得いきません。
途中、ホンマこれ本にしてほしいとか思ってたけど・・・
荒れてきたし白雪姫さんとか名作家はもうこないし・・・
ほんまがっかり!!
>536
そりゃ自分もそう思う。ロザン書きとか減ってから
あんまし面白くなくなったし、あんまり見なくなった。
でもそんな事をここに書いたら今の書き手さんに失礼。
いや、こんな事かいてる時点で、自分も失礼なのだろうが(w
あまりにもこの手のレス多いんで、ついこぼしてしまった愚痴。
そうですね、失礼かも・・・
ごめんなさい。でも、一時はあんなに盛り上がってたのにねぇ・・
泣いたし。
ところで、意見とかカキコするほうの掲示板(?)みたいなのあったけど、
あれはもう見れないの?
539 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/04 05:05
さあ?なぜか自分もみれない。
暫らくしたら見れるのでは?
お。みれた>538
どうやって??>540
あ、多分1の方見てんじゃない?
ここのスレの>287に貼ってある。
実は感想スレのほうが今おもしろかったりする(w
一回よんでみな。
>>473-475 &
>>477-480 の続き。
スーパーの倉庫の鍵をハンマーで叩き壊し、中に侵入する。
店頭に並べられていた品々は、先の街の開放により芸人達に奪われていたが、
倉庫の中の品は、まだ手つかずで残されていた。
「一応…念のため、封の開いてない奴にしぃや?」
未開封の段ボール箱からペットボトルのスポーツ飲料を取り出しつつ、
林は傍らで菓子の箱に取りついている柳原に告げる。
「ン…そやな。」
答える柳原の身には、林同様このゲームを管理するための兵士の装備。
街中をウロウロと見回っていた不幸な兵隊に二人で襲いかかり、頂戴したのである。
「何か…これ、むっちゃ大人買いしとるみたいやな…。」
卵形のチョコレートの中におまけが入っているタイプの菓子をずらっと目の前に並べて柳原は笑う。
「一気にコンプリートできるんとちゃう? そんだけあったら。」
「ダブりが出たら、林さんにあげますわ。」
柳原が言うと、つられるように林もククッと笑った。
「そん時は、棚でも準備して待っとるよ。」
本当に他愛もない会話だったが、こんな状況下では久々に交わす無駄話。
思わずこぼれる無邪気な笑顔は、一体いつ以来になるのだろうか。
倉庫に残されていた菓子や乾物を中心に最後の晩餐を終えると、
おもむろに林は一丁の拳銃を柳原に投げて寄越した。
「何…?」
「大概の奴はその自動小銃で何とかなると思うねんけど…万が一のために渡しとくわ。」
林は言い、確かお前の武器って手裏剣やったやろ? と付け足す。
西部劇に出てきそうなフォルムの拳銃、コルト・ピースメーカーを物珍しそうに見やりながら、
柳原は林に問う。
「ええんですか?」
「まぁ、俺もまだ一丁持っとるし…じゃ、そろそろ行くか。」
林はコルト・ダブルイーグルを軽くちらつかせると、そう言って立ち上がった。
「計画はさっき話した通りや。上手く行けば…全部終わらせられる。川島の事も、きっと。」
「そんな、あいつの事は、ちょっと忘れておきますわ。今は…目の前の事をやるだけやし。」
受け取った拳銃をしまいながら、柳原は目線を少し脇に逸らして言う。
しかしその言葉ほど、柳原の内面で川島の存在が処理されていない様子なのは、
ここまでの道すがらで柳原から軽く話を聞いただけの林にも、容易に感づけた。
「……わかった。頼むで。」
だからと言って、今更引き返す事もできない。
林は柳原の背中を軽く手のひらで叩いて、せめてもの微笑を浮かべた。
一時、白雪姫あたりでバブルしてただけだよ。最初はもっとマターリだったよ。
初期のマターリしてた頃が一番よかった。
今くらいのもいいよ。
みんな頑張って。
確かにロザンあたりで盛り上ってた頃も好きだったし荒らしは悲しかったけど、
今の雰囲気もすごく好き。実際今の方がレベル上のような気もする。
だから、今書いてる書き手さんたちには頑張ってほしいです。楽しみにしてるんで。
>524から続き
有野は途方に暮れていた。
濱口の声を聞いて、加藤と意見が衝突して、感情に任せて飛び出したはいいものの、
行けども行けども濱口の姿は見つからない。
感情の昂ぶりが収まるにつれて、自分の置かれた状況が危険なことも分かってきた。
何しろ有野の持つ武器は、ただの花瓶なのだから。
笑い声はあれから一度も聞こえなかった。
声のした方に来たものの、濱口があれから移動しないという保障などない。
道しるべを失った有野は、闇雲に歩き回るしかなかった。
とはいえ、身体は正直である。
日頃の運動不足が祟って、歩き疲れてへたり込んでしまった。
膝が笑っている。暫く休んだらまた探そう。有野には諦められない理由があった。
「濱口を一人にしたら、大変なことになる」
有野はその言葉をゲームが始まってからというもの、ずっと反芻していた。
>550
濱口がお笑い芸人になると言ったとき、運命を占うために占い師の元に行ったことがある。
そこに有野も同席していた。
占い師は、濱口の今後についてあれやこれや行った後、
ただの付き添いだった有野のほうに向き、こう言った。
「濱口君を一人にしたら大変なことになる。有野君、一緒にいてあげなさい」
その時有野は既にコックとして就職が内定していたが、占い師の言葉を真に受けた濱口に、
無理矢理にお笑いの道に引きずりこまれたのだった。
濱口から一方的にコンビを組んだのだが、それを了承した自分にも責任がある。
現実に濱口が大変なことになりそうな今、有野はその責任を果たそうと躍起になっていた。
>551
加藤は有野を追っていた。
担いだロケット砲が重くてうまく走れなかったが、それでも追うことを止めなかった。
自分がもたついている間にも、有野は濱口を探して遠くに行ってしまう。
急がねば。
親友を守ると決めたときから、なぜか加藤は落ち着いていた。
このゲームには「生き残る」という最大の目標があるが、
それに到達するまでの手段が漠然とし過ぎている。
それが不安で、自殺したり殺戮したりする奴がいる。
もっとも、ゲーム開始直後は自分もその中の一人だったのだが。
「有野を守る」という目的を手に入れたことで、心の安定を取り戻したのだ。
こうして追っているのは、もちろん有野が心配だから追っているのだが、
目的を失うことが不安だからかもしれなかった。
「クソ、あの馬鹿どこ行きやがった?」
持病の喘息も忘れて、加藤は走り続けた。
553 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/05 10:21
>>518続き
強力な武器を手にした興奮から、
文字通り野に放たれた危険物と化した野性爆弾川島だったが、
ここ暫くはめぼしい標的も現れず、素に戻りかけた状態で森の中を歩いていた。
「あんま人おれへんなー。」
「結構日にち経っとるからな…」
「おい、手榴弾あと何個ある?」
城野に聞かれた川島はその場に屈み、ナップザックの中を覗いた。
だいぶ少なくなってきたとはいえ、実物の手榴弾は何度見ても興奮するものだ。
背後でドサッという音がしたが、数えるのに夢中の川島の耳には届いていなかった。
「えー…1、2、3………8個やな。こんだけあれば…」
>552
「ゴホッ」
加藤はとうとう力つきた。
「ここまでか・・・」
しかし不思議と無念さはすこしも感じなかった。なぜなら今までの人生に悔いはなかったからだ。まだ素人だったころ、天才たけしの元気がでるテレビで『いまきた加藤』として
デビュー、当時同じく素人だっためろりんQの山本太郎とコンビ『極楽とんぼ』を結成し
芸能界に新風を吹きおこした。しかし現在では芸能界ですることはなくなっていた。
「ここで死ぬのもいいかもな」
そう思っていた加藤の背後に黒い影が忍び寄っていた。
>553
川島は手榴弾を食べることしか考えることができなかった
これを食べたらうけるかも、試しに一つ口にしてみた。
『どっか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!』
手榴弾が爆発した。まさに野生爆弾だった。川島はコナゴナに砕け散った。
しかし川島の精神は生き残り『土曜ドカン!』のステージに立っていた。
周りには、東野、中川家、森三中、その他6人が番組を進行していた。
もちろん精神だけの川島には気付かない。
「なぜここに?」
答えがでるのに1分とかからなかった。
川島の肉体は、
その直前に頭から矢を生やして死んだ相方城野の上半身もろとも吹き飛んだ。
鮮血が周囲の木々を鮮やかに染めた。
「…何やってんだあいつは」
城野の背後から矢を放った張本人、アンタッチャブル山崎はただ嘆息するしかなかった。
爆心地を覗き込むと、案の定、奪うはずだった手榴弾は全て誘爆していた。
「くそ!」彼は忌々しげに城野の下半身を踏みにじった。
「“さまよえる獣人”か…」
ボキャブラ天国での野性爆弾のキャッチフレーズをなんとなく呟き、
山崎はその場をあとにした。
「今考えりゃ、あん時が俺らのピークだったかな…」
【野性爆弾(川島・城野)死亡】
>>530の続き。
一歩、二歩、三歩……。
田中は崖から降り、山沿いを二人に気付かれないようにと更に声と足音を潜め
て歩き始めた。
元々自分の声も大きいし、カン高いのもよく分かっているから余計にその点は
用心しないといけない。
原田と太田に気付かれないように用心しながら田中は思った。
二人に気付かれたら最後、一度はあの小屋の時に逃げ切ってはいるが、原田と
太田を捜す時にも話に聞いている、あのファンキーモンキークリニックの藤本
と同じように、自分は原田に今度こそ斬られるだろう。
自分がバタバタ歩き回って泰造に見つかったら最後だ。
恐らく光も一緒に、自分も村正で弧を描くように真っ二つに斬られるだろう。
と、思った田中は回りを見た後、念の為にと崖上に残らせている長井と五番六
番の様子はどうかと崖上と自分の携帯電話の表示部分のアンテナ位置を見ると、
電源が入っているのにも関わらず、その表示は出ていなかったのだ。
こうなると、せっかく携帯隠し持ってたのにこれじゃあ意味ねえじゃねえかよ。
あー使えねえ。
思わず田中はそう声を出しそうになった。
これはあくまでも仮定であり、推測でしかないが、数日前からこのゲームに参
戦したたけし軍団と入れ替わって芸人達全員の様子を隠しカメラで監視してい
るであろうゲーム主催の上層部に、太田と原田を捜すために田中達が携帯を使っ
て連絡を取り合っている様子を近くにあった隠しカメラで撮られたらしく、そ
の結果芸人達へのペナルティとして田中達以外の芸人全員にも携帯を使えない
ようにと、彼らがこの島にあった携帯電話の基地局を全て破壊し尽くした結果、
つい数分前までは田中の携帯の表示部分はアンテナ三本出ている状態で仲間達
と連絡を取り合えるようになっていたにも関わらず、今の田中の携帯の表示部
分は電源が入っているにも関わらず、アンテナが一本も表示されていない状態
になってしまっていたのだ。
そんな仮定も状況的に考えられないであろう田中には、呼ぶのに声出してもこ
こまであいつらに近づいたら泰造に切られる危険も出てきたし、このまま近寄
るしかねえか。と、考え直すと、太田と泰造から見えない距離ギリギリの砂浜
の陰まで近づき、そのまま更に歩みを進ませて二人に見つからないようにとそ
のままの体勢で砂浜の陰にかがみ込んだ。
アンタッチャブル柴田は血の海の中で泣いていた。
民家で仮眠をとっている所にやって来たのは、
盟友、プラスドライバーの3人。
いつもの調子で声をかけた柴田に対して返ってきた返事は、鉛弾だった。
混乱する頭を抱えて何とか無傷で逃げきれたのは、
3人が持っていたのが単発式の拳銃であった事を差し引いても奇跡的だったかもしれない。
バスルームに飛び込んで床にダイナマイトを置き、窓を蹴破って脱兎の如く走った。
5分後、現場に戻った柴田が見たものは、
引き千切られた和知の半身と、角田のひしゃげた眼鏡、
両足を吹き飛ばされながらまだ息のある大田。
「柴田・・・・・・ごめんな・・・ごめんな・・・」
傍らに落ちていた拳銃を手に取り、太田のこめかみに当て、
深く目を閉じ、引き鉄を引いた。
涙は涸れることなく、柴田の頬を濡らし続けた。
【プラスドライバー(和知・角田・大田)死亡】
561 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/07 00:11
最近沈んでるなぁ。
ヒマナスターズさん、秘密夜話会ヲタさん、
マスノの動向が気になるよぉ〜
お時間ありましたら是非ともお願いいたします
一度文章を書いてみてあまりのへたれ具合に本気でグロッキーになって
しまいましたので、他の書き手の方、ぜひぜひマスノの続きお願いします。
(ヒマナスターズサンノカクヤツーンガ,,,(´Д` ;)ハァハァ)
<魔スノくんちょっといい話>
先日秘密夜話会で聞いたはなし。
飲み会で、何度注意しても大声で話し掛けてくるうるさい後輩に対し、
怒ったマスノくんは最後には割り箸で後輩の目を突いたそうです。
彼ならマジで相方のシチューくらい余裕で喰うだろうなと思いました。
まだあった。
遅筆でスイマセンです…
マスノ+日村は今書き進めている最中なので
今しばらくお待ちくだちい。
>秘密夜話会ヲタさん
素敵な小話ありがとうございました。
おかげで邪悪マスノの想像が膨らみそうです(w
あと、ヤツーンに萌えて頂けて嬉しい限りです(w
飛石連休って出ました?
魔スノくん… ちょっといい話…
さすがといおうか…(笑) 箸か。
567 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/08 00:12
たまにはage
568 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/08 00:13
age
569 :
名無しさん@お腹いっぱい:02/02/08 00:18
このスレまだ続いてたんだぁ。(ワラ
以前に比べたら全然伸びなくなったよね。
結局お笑いは大阪吉本で成り立ってたんだね。
放置芸人救済さん、プラスドライバー書いてくれてありがとぉ
秘かに気になってたので。
>569
どっちかと言うと、一度このスレが荒れる以前の場合base系の書き手さんが
多かったからねえ…。
大阪吉本云々の問題ではないのよねえ。
>初代スレ271の続き
あれからどれくらい経っただろう。
堂土にナイフを突きつけられ、死を覚悟したのに、死んだのは堂土の方で・・・。
整理しようにも、あまりにも突然だったので頭がついていかなかった。
「どうしたらいいんや?なぁ、俺はどうしたらいいんや?」
すっかり冷たくなってしまった堂土にそう話しかける。
しかし、当然のごとく、ただ沈黙が返ってくるだけだった。
「・・・・・そうやな。こんなところでいつまでも落ち込んでたらアカンですよね」
唐突にそう言うと増田は立ち上がった。
「堂土君、ちょっとこれ借りますよ」
増田はそう言って堂土が持っていたナイフを手にすると、自分の荷物を持って出口へと向かった。
洞窟を出る直前、もう1度後ろを振り返る。
「必ずぶち壊してみせますよ。こんなゲーム」
だから見とってください。
増田は声に出さず言って走り出した。
「まずは信頼できる人を捜さんとな」
ルートの増田、ずっと放置されていたので書いてみました。
もし続き考えていた人がいたらごめんなさい。
ネタがないのでこの先書いてくれる人がいることを願います。
他力本願でごめんなさい(汗)。
574 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/08 19:51
暗い森をゆっくり歩く男がいた。
パーマがかった髪に小柄な体はひどく貧相に見える。
眼鏡の奥の瞳は、覇気がなく虚ろだった。
・・・バッファロー吾郎、竹若だ。
静かな森には小枝を踏む音が予想以上に響く、そう考え
竹若はすり足で歩いていた。
傷だらけで無造作に転がっている死体を見て、
自分のしてしまったことが嫌でも思い出される。
殺し合わなければならない状況だというのは解っていたが、
でもそれが靖史だとは知らなかった。
同期の中でも、特に仲が良かった靖史の変わり果てた姿。
「あぁ・・・」
声にもならない声で呟いてみても、自分のしてしまったことは変わらない。
靖史にためにも、この戦いに勝ち残って弔いをしてやりたい。
とにかく・・・勝ち残りたい。
(その為にも・・・なんか武器探さんと・・・)
>>560続き
「参ったな、ここもかよ…」
プラドラの3人が所持していた拳銃3丁を譲り受けたものの、
やはりこれでは長期戦には心もとない。
そこで、刃物のような手ごろな武器を探すべく一帯の民家に押し入った柴田だったが、
そこは既に他の芸人に入られた後らしく、
包丁やバットはおろか、カッターナイフの一本も残されていなかった。
クソ、周到なこって。
「拳銃以外っつったら…ダイナマイト4本か。これでやってくしかねぇのかなぁ…」
その時、柴田は外の物置から漏れる臭気に気付いた。
中に何が入っているのかは…この状況だ、容易に予想がつくが、
一応武器を探す為、思いきってドアを開けた。
羽織袴を着た男が1人、血溜まりに顔を埋めて死んでいる。
手にしている鋏で頚動脈を切ったらしい。
誰なのかは不明だが、さすがに死体を起こして顔を見る気にはなれなかった。
「……」
物置内部を覗きこんだが、武器に使えそうな物はない。
柴田はもう1度鋏に目をやった。
「……ないよりマシか」
苦労して男の指から鋏を引き剥がし、軽く手を合わせて冥福を祈ってから、
柴田はその場を去った。
その男は紙切り芸の大家、林家正楽だったのだが、
おそらく柴田は顔を見ても誰だか分からなかっただろう。
【林家正楽 死亡】
>>544-546 の続き。
爆笑問題の田中達が携帯で連絡を取っている…そう報告を受け、
兵隊の一部を携帯電話の基地局の爆破へと向かわせた後。
高田文夫は新しい本部と定めた一軒家のリビングでくつろいでいた。
「…報告です。」
ソファーに深く腰を下ろし、眠気覚ましの珈琲を啜っている所に、兵士が二人入ってくる。
「何だ?」
兵士の方を向いて高田が答えたその瞬間、その一人が高田に拳銃を突きつけた。
「報告します。只今を以て、ここは我々が占拠した。命が惜しければ、要求に従え。ええな?」
押し殺した声で兵士が高田に告げる、それとほとんど同時に、もう一人が自動小銃の弾を床にばらまく。
「ハイハイハイハイ、みんな武器捨てて、大人しぅ手ぇ上げてぇな?」
鼓膜に反響するほどの高い声で兵士は他の兵士達に怒鳴っていた。
「……要求は何だ。」
「例外のない全芸人の死による、速やかなゲームの終了。それだけですわ。」
銃口を高田に突きつけたまま、兵士はヘルメットを外す。
汗で額に張り付く赤茶けた髪を乱暴に掻き上げて、林は高田にそう告げた。
「お前、自分が何を言っているのか…わかっているのか?」
「ええ。御陰様で。」
高田と林、二人きりになったリビングに、小さな声が広がる。
柳原はリビング内にいた兵士を外に追い出し、武装解除させるためにここにはいない。
「これは最強最後の一人を決めるために始まった。せやけど、現実には狂っている奴も出てきとる。
まさかそんなんを生き残らせるつもりですか? さっさと終わりにしましょうよ、こんな事。」
高田の頭部に拳銃の照準を合わせたまま、林は言った。
「あるんでしょう? 首輪以外で確実に俺らを殺す手段が。」
「……………。」
高田は小さく肩を竦めると、ソファーの下からジュラルミンのケースを引き出した。
ケースをテーブルの上に乗せて開くと、黙々と作業を始める。
壁に掛かった時計の秒針がカツカツと音を立てていた。
時間的にはもうすぐゴールデンタイム。
芸人が姿を消してもう何日が経ったのだろうか。時間の感覚がほとんどなくなりかけていたが。
撮りだめされていた番組も、そろそろ底が尽きているはずだろう。
林は、リモコンを拾い上げるとTVの電源を入れた。
プツン、と音を立ててTVに光が灯る。
真っ先に黒のピチピチのTシャツを着た安東アナの姿が映った。
その背後にはFAXの紙がベタベタと貼り付けられていて、まるで愛で地球を救おうとする番組のよう。
FAXに書かれている文字は『頑張れ』、『死ぬな』、『戦え』……『殺せ』?
「それでは、視聴者からの応援メッセージを紹介します。群馬県の主婦、ゆうくんのママさんから…
原田さん、応援しています。他の奴らを皆殺しにしてどうか勝ち残って下さい。」
安東は普通に、特に厭そうでもなく物騒なそのメッセージを読み上げる。
林はリモコンを操作し、画面を他のチャンネルへと切り替えた。
「………嘘や…っ」
1局だけのんびりアニメを流している所があったが、
それ以外の民放はいずれも特別番組を組み、このゲームの事を扱っていた。
いずれも重大な事件といった様子ではなく…寧ろ、オリンピックか何かの楽しいイベント事のように。
「……まさか、お前はこんなでかい事が個人的な思いつきで出来ると思ってたのか?」
不意に起こった高田の声に林は我に返る。
「舞台になる島を借りて、武器を用意して、何より大勢の芸人をかき集めて。
たかが1個人の財力で、権力でこんな真似が出来ると思ってたのか?」
「……………。」
TVにはCGで作られた芸人の一覧表が映っている。
ひっきりなしに安住アナが行き来する、その表の芸人の名前は白と灰の字、
多分生き死にで字の色は変わっているのだろう…で書かれ、
名前の後ろにはオッズとおぼしい数字と多額の金額が書かれていた。
オッズの低い芸人達には、それぞれ何十億単位の金額。この瞬間にも増え続けるこれは、まさか。
「馬鹿だなぁ、お前も。知らなかったら良かったのに。」
薄く笑うように告げた高田の声と同時に、林は腹部に熱が走るのを感じた。
高田の方を見やると、その手には先ほどまでにはなかったはずの拳銃。
銃口からは硝煙が立ち上っていて。
林がその手の拳銃の引き金に力を込めようとする、その前に高田は二射目を放った。
「全ては痛みを伴う改革のテスト、そして経済復興の為……と言えば、少しは納得行くか?」
再び腹部を打たれ、傷口を確認しようとした林の左手の、その上から高田の膝蹴りが入る。
さすがに立っていられなくなり、林はよろめいて倒れた。
「まぁ、ついでだから言わせて貰うが…お前らの計画、こっちには全部筒抜けだったよ。」
「な…んやて?」
「盗聴機能はまだ生きてるんだよ。それに隠しカメラも動いてるし。馬鹿だねぇ…お前も。」
だから、こっちはお前らの計画に乗ってやるフリをして、こっそり拳銃を準備できた、という訳だ。
高田は言い、ジュラルミンケースの中の機材に付随しているボタンを押した。
液晶のパネルに10m00s00と数字が浮かび、早速カウントダウンを始める。
「10分後にこれは爆発する。せいぜい辞世の句でも考えると良い。」
下手に動かしても、ドカンだぞ。睨み付けるように見上げる林の足を撃ち抜き、高田はそう笑った。
柳原に会わないように…だろうか。リビングの窓を開け、高田はそこから外へと立ち去っていく。
無人のリビングに一人取り残されて。
灼けるような痛みと急激に襲ってきた虚脱感に、林の口から小さく笑い声が漏れた。
こいつ、いっつも何とかしよて足掻きよんねんけど……結局みんなしくじんねん。
ホンマ何も上手く行った試しないもんな。阿呆やわ、俺。松丘の事笑われへんやん。
「……林さんっ!」
不意に甲高い声が降ってくる。林が視線を上にやると、柳原の顔。
銃声がして、慌てて駆けつけてきた…と言うところだろうか。呼吸がやや荒い。
「何があったんです、計画は…一体……」
「計画は失敗や……高田センセは逃げてしもたし。悪い、俺が阿呆やった。」
林は告げて、柳原にTV画面を指で示した。
瞬時に柳原の表情に浮かんだ露骨な嫌悪感に、林はTVの向こうの出来事に自分が感じた感覚が
自分だけが抱く異質なモノではない、他の人間にも起こりうる事だと確認する。
「このゲームを終わらせるには、こんなトコやのうて首相官邸に行かなあかんかったみたいやな…。」
軽い口調で柳原に告げて、林は痛みを堪えて苦笑を浮かべた。
「柳原…早ぉ逃げろ。ぐずぐずしとると……お前もコイツに巻き込まれるで。」
チラッと見やったジュラルミンケースの機械のカウントダウンは、あと5分を切ろうとしていた。
これが自爆装置であることを手早く伝え、林は高田が開けっ放しにした窓を脱出口として目で示す。
「林さんは…」
「俺はアカン、もう動かれへん。」
林の言葉の半分は本当だろう。しかし、まだ多少の余力は残っているように柳原には思えた。
「ええから行きや。お前には…まだやるべき事…残っとるやろ?」
柳原の表情から躊躇を読みとり、林は血で濡れた手で柳原の太股を叩く。
TV画面では相変わらず安東が笑っていた。
安住が笑っていた。福澤が、羽鳥が、福井が、小宮が、久米が、ゲスト達が。
掛け金はどんどん跳ね上がっていく。遂に浜田のが100億の大台に到達したらしい。
しかし、そんな事はもうどうでも良くなっていた。あまりにも全てが阿呆らしくて。
「………はい。俺、行きます…わ。」
柳原は林の心情を察したのか。どこか複雑げな表情のまま、林を残して立ち去っていった。
それから数十分後の事。
『新しい情報が入りました。坂道コロコロの林伸行さんの死亡が確認されました。
脱落した林さんに掛けられていた掛け金は、全額没収となります。』
「おいおい…そこ、コンビ名間違ぉとる……」
カードラジオのイヤフォンから聞こえてきたアナウンサーの声に、
乾いた高い声でツッコミを入れる一人の兵士の姿が目撃されたという。
【坂道コロンブス・林 死亡】
最後は一気に書きたくて、長文並べてしまいました。スマソ。
柳原は…要望スレの方に良い文章があるんで、
そこまでの話を後々ちょっと書き加えさせてもらいますね。
>>498の続きです。
長文に付き、ごめんなさい。
畜生、まだ振り切ってねえのな……。と、原田の動きをかわしながら太田は、
繰り返し何度も用心深くレーザー銃のメーターを見ていた。
しかし、らしくもない事に太田は、今からさかのぼる事数時間前、C−1地区
に入る地点にある高い山で、自分のレーザー銃を谷底まで落としてしまい、一
度谷底まで降りてそのレーザー銃を引き上げていたのだが、その銃のメーター
の部分が谷底に落とした衝撃で壊れていたという事実に、数時間たった今でも
全くと言っていい程気が付いていなかったのだ。
そして、その事にも気が付かず、精神的にも追いつめられた太田が、こんな時
──小僧(あいつ)がいれば。と心のどこかで相方の田中を頼っていたその人
間としての弱さを──。
原田は確実に突いた。
やべえ! 太田が気付いた時にはもう遅かった。
原田に砂浜の上に押し倒され、これ以上メーターが殺傷能力十分になるまで引
き延ばすのももう無理だ。と思った太田の目には完全に正気を失い、喜々とし
て太田を刺し殺そうとする原田の笑顔が見えた。
太田の額には既に原田の剣が刺さり、血が少しずつ、少しずつその体全体に流
れ、その鋭く尖った剣先が太田の喉元にずれ、もう少しでその剣先が太田の喉
元に刺さりそうだと思ったその時──。
斜め後ろから砂浜の谷間から二人に見えないように小さい体を更に小さくかが
めている田中の姿が太田の目にははっきりと見えた。
「何か投げろ小僧! 」
少しだけ起き上がった太田の大声に、原田がひるんだのを見た太田はそのまま
の体勢で思いっきり原田の腹を蹴飛ばした。
「受け取れ光! 」
太田の声を合図に立ち上がった田中は、自分の小銃を限界まで速く数メートル
離れた太田に投げた。
しかし、太田の手元に少しだけ距離が届かなかったのか、少し手前にその小銃
は落ちたのに気付いた原田は、太田にその小銃を取らせまいとその小銃を手で
払いのけようとしたが──。
ほんの少しだけ太田の動きが早かった。
銃のある辺りまで太田が必死で腕を伸ばし、ギリギリで小銃を掴み取ると、そ
のままの体勢で原田を撃とうとしたが、原田も原田で太田の胸元に剣を当て、
少しずつその胸に剣を刺しながらそう簡単に自分の向きに太田の銃を向かせよ
うとさせない駆け引きをしばらく続け、ようやく太田は原田のその一瞬の隙を
見つける事が出来た。
「死にやがれゴラァ! 」
太田は大声で叫び終えてから、原田の胸元に向かって銃を撃った音は、海鳴り
を越える音で砂浜中に何度も響いた。
太田が原田を撃った距離は数10センチも無かったので撃ち殺すには十分な距
離だった。
そして、原田はスローモーションで砂浜に仰向けになって倒れた。
原田の方を見れば、胸から大量の血が流れ、腕から力も失ったのか、その剣は
その右腕から離れている。
妖刀村正はひびも入ることがなく、そのままの状態だった。
「光! 」
田中は太田の側に駆け寄った。
太田の中で限界値を超えたのか、いつもの罵声も、優しい声も田中の耳には聞
こえない。
「光お前、大丈夫か! 」
心配そうに田中は仰向けに倒れている太田の顔を見た。
「死ねねえよ」
声に出すことなく、その唇は言っていた。
太田は松本の事を言おうとしたが、言えなかった。
それよりも太田には田中に対してもっと言いたい事があった。
だから。と、太田は、二人にとって一番重要な事を言った。
お前と二人で映画作るまで死なねえよ……。と。
「馬鹿野郎!! 喋るな動くな、じっとしてろ!! 」
それだけで田中も、太田が言わんとしていた事は十分に分かった。
太田は何年も前から自分達で映画を作りたいと言っていた。
そして田中も太田がもしこの先映画を作るなら自分もその映画に出してくれる
よな。と、何度も互いに『映画を撮りたい』と、ずっと二人で約束していたの
だ。
「じっとしてろ光!! 」
そう言い終えた田中は、自分の上着を脱ぎ太田の胸元の血を急いで止め、砂浜
の中の明らかに他人に攻撃されないような位置まで一生懸命太田を引きずり始
めた。
>552からつづき。
鳥のさえずりすら聞こえない静かな森の中を、有野は一人で歩いていた。
有野は、それを見つけた。
それは濱口ではなかったけれど、目的の一つではあった。
それは昼寝でもしているように地面に大の字になっていた。
だが昼寝ではないことは一目で分かる。それを中心に血の海が広がっているからだ。
「山さん・・・・」
有野は山本圭壱(極楽とんぼ)の遺体を見つけたのだ。
山本の遺体の傍にひざまずく。
首をかき切られている。首に二つめの口が出来たようにぱっくりと傷が開いている。
流れ出た血はどす黒く固まり、山本の顔も紫色に変色していた。
山本は目を見開いたまま死んでいた。顔色は悪かったが、その目だけがらんらんと輝いて見える。
それが痛々しさを増幅していた。
>592
本当なら毛布でもかけてやりたい所だが、当然そんなものは持っていない。
有野は山本が着ていたダウンジャケットを脱がせて、身体の上にかけてやった。
そして顔を撫でて瞼を閉じさせようとしたが、なかなか上手くいかない。
映画のように格好はつかなかった。
手に触れた山本の肌は、ひんやりとして冷たかった。
「死んでるんや・・・」
山本が死んだことは知っていたが、遺体に直面したショックは大きい。
有野は現実の重みに打ちひしがれていた。
涙が頬を伝う。
有野の心の中は、悲しみよりも怒りに支配されていた。
なぜ山本が死ななければならないのか、なぜこんな理不尽な目に遭わなければならないのか。
やり場のない怒りがこみ上げ、それが涙となって有野の体から放出される。
>593
山本の右手は人形を握り締めていた。
強く握っていたせいで首が不自然に曲がっている。有野はそれを手に取った。
「山さん人形やん」
精巧に山本の姿を模したその人形は、腹が縦にざっくりと裂かれていた。
殺人者がわざわざ裂いたのだろうか。悪趣味な奴だ。
さらに怒りがこみ上げてきた。怒れば怒るほど、涙がぼろぼろとこぼれた。
有野は山さん人形を形見として持ち帰ることにした。
だが、いつまでも泣いていられない。
加藤の言ったとおり、今は生きている者の方が大事だ。
袖で涙を拭い立ち上がる。
「じゃあな、山さん」
山本に手を振る。当然返事はない。
濱口はまだ生きている。生きているうちに会わなければ意味がない。
こんな思いは二度としたくない、有野はそう心に誓った。
>594 まだ続きます。今度は加藤さん編。長くてスマソ
ロケット砲を担いで、薄暗い森に踏み込んだ時だった。
締め付けるような息苦しさに、加藤はその場に倒れこんだ。
倒れた拍子にバッグから砲弾が転がり出る。
「ぜぇ、ぜぇ、うぅ・・・、ぜぇッ、ぜぇッ」
喘息の発作が出てしまったのだ。
加藤は喘ぎながらバッグの中を引っ掻き回し、吸入器を取り出した。
額に脂汗を浮かべながら、ゆっくりと吸入する。
息苦しさは治まったが、心臓の激しい動悸はまだ治まりそうになかった。
「はあ、はあ・・・、なんでまた、こんなときによォ・・・」
地面に横になったまま、動悸が治まるのを待った。
>595
仰向けになっていると、木々の間から空が見えた。
ゲームが始まってからずっと、ぐずついた天気が続いている。
今も分厚い雲が垂れ込めていた。
そしてこの天気は、正に加藤の気分そのものであった。
黒く分厚い雲は、いつまでたっても晴れそうにない。
そして、動悸が静まってきた頃だった。
「おーう!加藤さん!久しぶりやなー!」
聞き覚えのある声がする。誰かすぐに分かった。
濱口だ。
姿は見えないが声音から推して量るに、狂っているのは間違いなさそうだ。
今探しているのは有野だ。相方の濱口に用はない。
加藤は濱口の呼びかけに何の反応もしなかった。
「あれー?ひょっとして死んでんのん?」
雰囲気に不似合いな呑気な声は続く。
>596
加藤は考えた。
濱口がイカレているのは間違いない。その先に選択肢は二つある。
ただ単に発狂して彷徨っているだけか、あるいはキレて殺人鬼と化したか。
200人以上の芸人が死んだ中、生き残っているからには後者であろう。
ならば、濱口との戦闘は避けられそうにない。
ならば、有野を守るために濱口を殺さねばならない。
「やるしかねえ、みたいだな」
加藤は小声で呟く。まだ仰向けのまま、起き上がろうとはしなかった。
濱口の気配が近づいてくる。
かつての仲間との殺し合いを目前にしながら、加藤の心は凪いでいた。
か、加藤・・・有野さんとの約束は?
誰も殺さないって言ったのに〜!
と、小説なのにおろおろしてしまいましたw
通りすがればいいじゃないさん頑張って!
599 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/09 15:34
ガンガレage(たまにageないと落ちますよ)
600!!
>>310冒頭の続き
”ヒデ”
ここ数日、頻繁に空耳が聞こえる。
ぼやけていてはっきりとは聞き取れないけれど、聞き覚えのある低い声。
これは誰の声だったっけ。
「疲れた〜…ったく、往生際が悪いんだからよ」
日村が額の汗を拭った。
目の前に横たわるのは、縛られた胡蝶蘭の二人。
あれだけ暴れたにも関わらず、先ほどまでと変わらない元気さで
罵詈雑言を吐き続けている。
「ちょっと、どういうつもりなのよ!とにかくこの縄ほどきなさいよ!」
二人の武器であった大量の爆薬と花火は、既にマスノのカバンに収められていた。
>>601の続き
「で、どーする?」
日村は今さっき思いついたある考えを実現すべく、
まずはマスノに向かって何気なく問い掛けた。
しかし、マスノはうわの空で遠くを見つめたまま反応しない。
「…マスノ?」
「ああ、何」
やっとのことで答えが返ってくる。
どこか不自然な態度に違和感を感じて、日村は怪訝な顔でマスノを見た。
「何ぼーっとしてんだよ」
マスノの頭の中では様々なことが同時進行で渦巻いていた。
胡蝶蘭の処理方法について。
先ほど別れた豊本たちの動向。
そして、あの空耳。
”今考えなければならないことは胡蝶蘭だ”
日村の声に、我に返って切り返す。
「悪い。で、何」
>>602の続き
んん、と咳払いをしてから、改めて日村は言葉を言い直した。
「俺いいこと思いついたんだけど」
含み笑いを浮かべ、マスノの耳元で何やら囁く。
それを聞いたマスノは、口の端を持ち上げてにやりと笑い、言った。
「いいよ」
その言葉を待ってましたとばかりに、突如として日村がエリに襲い掛かった。
「な、何すんのよ!いやああああああああああ!!!」
甲高い悲鳴が響いた。
暴れるエリの体を無理矢理に押さえつけ、容赦なく頭部を殴る日村。
その顔には不気味な笑みが浮かんでいる。
「エリ!!」
あべこは真っ青になって叫んだ。
咄嗟に、楽しげにその様子を眺めているマスノを睨みつける。
「ちょ…ちょっと、何なのよアンタ達!」
「何って何が」
平然と答えるマスノ。屈辱と怒りであべこの声が大きくなった。
>>603の続き
「何じゃないわよ!!何なのよこれは!どういうつもりで……っ」
言葉を続けようとした口を、マスノが思い切り踏みつけた。
「ギャーギャーうるせえんだよ」
「ここがどういう場かってことぐらい分かってんだろ?」
マスノは目を反らしたまま、
まだ何か言いたそうな顔で見上げているあべこに言い放った。
「可愛い方冒してもいいか、って聞かれたから
いいよ、って言っただけ」
エリの声はいつのまにか随分と小さくなっていた。
数回殴られ、既に意識が遠のいているらしい。
これ幸いと、日村はほぼ無抵抗になったエリの体をあらわにしていく。
「さてと…」
マスノは視線を戻した。
「こっちはどうしようかな?」
冷徹な笑顔に、あべこは震え上がった。
>>604の続き
カバンから取り出されたのは、マスノの体には少し大きいと思われるノコギリ。
あべこは自分の体温がみるみるうちに下がっていくのを感じた。
「…う、そ……」
マスノは身動きの取れないあべこの体の上に腰を下ろし、
震える顔にノコギリを突きつけた。
「嘘なんかじゃねえよ?ホラ」
刃の先で、薄く頬を切る。
「きゃあああああああ!!」
血が染み出す。
涙目のあべこを見下ろして、マスノは笑っていた。
「俺お前のこと嫌いなんだよなあ」
「ひ………っ」
銀色に輝くノコギリの刃で、ひたひたと顎を軽く叩かれて
あべこは掠れ声すら出せなくなっていた。
「前の時はちょっと急ぎすぎちゃったからさ。
今度はもっとゆっくりやろうと思うよ」
そう言うが早いか、あべこの指を切り落としにかかる。
「…いやあ――――――っ!!!」
>>605の続き
血の匂い。
悲鳴。
あれだけ堪能したはずなのに、なおもその欲求が満たされる気配はない。
前を殺した時と同じように、急所を避けながら刃を突き立てていく。
その度に滲み出る鮮血と金切り声が嬉しくて、
ノコギリを持つ手の動きが止まることはなかった。
どれくらいの時間が経っただろう。
「…殺して……」
蚊の鳴くようなあべこの声。
「もういや……お願い…殺して…」
マスノはそれを聞いて、笑みをより深くした。
「…殺して欲しい?」
>>606の続き
血と涙でぐちゃぐちゃになった顔で、懇願するように頷くあべこ。
最上級の、醜く汚れた顔。
それはマスノの嗜虐心をたまらなく刺激した。
「絶対、殺してやんない。」
マスノの口からくくっ、という低い笑い声が漏れる。
「死んだ方がよっぽど楽だよな?こんな状態で生きてるよりも。
だったら意地でも殺してなんかやんねえよ」
「………っ!!」
あべこの顔が恐怖で歪んだ、
その瞬間だった。
”ヒデ”
マスノの耳の中で、聞き慣れた声がした。
>>607の続き
またこの声か、と思い、マスノは最初は無視していた。
が、声がだんだん大きくなり、激しい頭痛を伴ってきた。
脳が破裂するような痛みに耐えかねて、思わず頭を抱え込む。
「……あ…っ!」
「な、何…?」
あべこは、なすすべもなくその様子を見ていることしかできなかった。
”ヒデ”
頭痛はなおも勢いを増してマスノを襲った。
常軌を逸した感覚に、気が振れそうになる。
「やめろ……やめろおおっ!!」
突発的に、ノコギリが絶対に狙うつもりのなかったあべこの喉元を切り裂いた。
あべこは小さく息を吐いて、それきり動かなくなった。
ほぼ同時に、隣ではエリが首を締められて力尽きていた。
【胡蝶蘭エリ・あべこ 死亡】
>>608の続き
「……んなんだよ…っ」
頭痛は幾分おさまったが、それでもまだ完全に治ってはいなかった。
「せっかくいいとこだったのに…」
腹いせに死体を蹴り飛ばすが、脚にもうまく力が入らない。
マスノは舌打ちをして、その場にうずくまった。
エリの処分を終えた日村が寄ってきた。
「どうしたんだよ」
「何でもねえよ…ちょっと頭痛くなっただけ」
日村は心配そうにマスノの顔を覗き込んだ。
「お前最近おかしいぞ?大丈夫か?」
「…平気だっつってんだろ」
唯一の相棒をぶっきらぼうに突っぱね、マスノは唾を吐き捨てる。
その時、草むらでガサッという音がした。
瞬間的に二人の視線が音のした方向に向けられた。
そこにはいつの間にか、一人の男が立っていた。
「……お前…」
(続く)
>>536続き
武器は中途半端な物しかなく、食料は底を尽きかけている。
同じ事務所の芸人には一向に巡り合えない。
名倉も野性爆弾も不意打ちで襲ったため、
真っ向勝負になったときの覚悟も育っていない。
「柴田ぁ、俺こんなところで死ぬのかなぁ、お前の顔も見れずに」
“自殺”
ふと、その単語が頭をよぎった。
「自殺かぁ。そう言えば『自殺の順番待ち』なんてネタもやったっけなぁ、俺ら」
自殺という行為の恐ろしさより、それに関連するネタが先に浮かんでしまうあたり、
根っから芸人であることを再認識する羽目になった山崎だった。
>>611続き
「あれバカ爆で初めておろした時ったらそりゃあもう・・・
2人ともめちゃめちゃテンション高くて、アドリブガンガン入れて、
もちろん客は大爆笑で」
必勝の気合と共に、彼らはオンバト第2回チャンピオン大会にそのネタをぶつけたが、
結果は365KB。
「畜生・・・ルートなんかのどこが良いってんだよ?
所詮『子供の頃の思い出』しかひきだしのない低脳ゴミカス関西漫才師だろ」
焦りや苛立ち、怒りの矛先をいつしかルート33に向けていることに、
山崎は全く気付いていなかった。
「確かボケの豚饅頭はもう死んだんだっけな・・・ツッコミはまだ生きてんのか?
増井?増川?だっけ?まあいいや」
612 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/12 14:42
あげとかんと
>597つづき。ハマグチェ登場
濱口(よゐこ)は、このゲームをドッキリ企画だと思っていた。
めちゃイケでやったバトロワのパロディの延長線上で、
本当に芸人が死んでいるように見せかけるドッキリだと思っていた。
どこかでカメラが自分の姿を追っていて、リアクションを撮られていると思っていた。
自分がドッキリに引っ掛けられるのは、自分が意外なリアクションをするからであった。
ならば、今回のドッキリ企画で自分に求められる「意外なリアクション」とは何だろう。
怯えて逃げ回るのが普通のリアクションだ。
ならば、逆に芸人を殺しまくるのが「意外なリアクション」なのではないか。
そう考えることで、濱口に怖いものは無くなった。
そう考えることで、濱口の精神は徐々に壊れ始めた。
>613
ゲラゲラ笑いながら、支給されたアイスピックで幾人も血祭りにあげてきた。
握り締めているアイスピックには、誰の血かわからないものが黒くこびりついている。
自分の手が血で汚れていくにつれ、濱口は自我を失い「笑う男」に染まっていった。
そして、アイスピックの先端が人の身体に食い込んでいく感触に快感を覚え始めた。
島中を駆けずり回っているうちに、森の中に倒れている人影を見つけた。
極楽の加藤だ。
ぐったりして動く様子は無い。
「おーう!加藤さん!久しぶりやなー!」
まだ加藤は動かない。聞こえていないのだろうか。
「あれー?ひょっとして死んでんのん?」
それでも動かない。
>614
ここで加藤と行動を共にするように頼むのが普通のリアクションだ。
ならば、加藤を滅多刺しにして殺すのが「意外なリアクション」なのではないか。
意を決して加藤の方へ歩み寄っていく。
手中でアイスピックをくるくると回してみる。
血と汗で滑って、取り落としそうになった。
いざ殺そうとするときに落としてしまっては話にならない。
手についた血をTシャツで拭い、アイスピックをぎゅっと握りなおした。
人々は、濱口がドッキリに引っかかる姿を奇跡(ミラクル)と呼ぶ。
奇跡を起こすために、笑いの神の姿を借りた魔物が濱口の身体に棲んでいた。
本編の後が書けないんでこれでしまいにします。
すみません。
>>
海鳴りの音が響いた。
武器も失い、虚ろな気持ちのまま名倉はC−1の砂浜までたどり着いた。
誰かが倒れているのに気付いた名倉はそこから少し離れている日本刀が気にな
ってその側まで駆け寄った。
側に駆け寄ると──刀は『村正』、その側の人間は、村正の使い手である原田
泰造だった。
「泰造! 」
何故や。何でや。
今ある状況が名倉には信じられなかった。
ただ分かるのはもう全てが、遅かった。
原田を止めるには──全てが遅かった。
それだけだった。
原田の胸元を見ると、銃で何度も撃たれたのか、どくどくと血が流れている。
原田は虚空を見るように名倉の顔を見た。
「潤ちゃん」
「何でや、何でやお前……」
胸を銃で撃たれ、腕の力を失った原田の目は、虚空だけを見つめていた。
名倉はとても悲しくなった。
せめて胸に撃たれた銃の玉を取り出そうとしても取り出せず、どうしようかと
一瞬名倉は少し前の方を見ると、太田を助けようと安全な場所まで太田を引き
ずり、太田が動けるまではと様子を見ている田中の姿がはっきりと見えた。
「太田を殺してから、一緒に行動するんや無かったのか馬鹿野郎! 」
悔しくて悲しくて仕方の無かった名倉は、着ている物を使って原田の血を止め
ると側にあった村正を海に投げられるだけ遠くに投げてからもう一度原田の側
に近寄った。
「何であそこまで太田にこだわったんや、何でや……」
「借りを返したかっただけだよ」
潤ちゃん。
そう言い終えた原田は静かに、眠るように目を閉じた──。
【ネプ原田死亡】
追記・ >616-617は、>591の続きです。ゴメソ
>>463 近々アップする話で思いっきりユリオカさんたちを
活躍させる予定です。お楽しみに。
>>419の続き。
夜が明ける直前、冷え込みが一日の中で一番強くなる時間、
ダウンタウンの松本は決断した。
傍では数日前に再び合流した木村と田中が眠っている。
「キム、キム」
松本は田中に気付かれないように、小さな声で木村を起こした。
「兄さん…?眠られへんのですか?」
松本は、静かにしろ、と人差し指を口に当てるジェスチャーで表し、
こっちへ来てくれ、と手招きした後、木陰の方へ歩いていった。
寝惚けて頭がはっきりしないまま、木村は松本の後を付いていく。
「どないしたんですか?」
木村は夜明けの寒さで身震いしながら問い掛けた。
「俺、これから南の廃校へ行こうと思ってるんや」
「・・・?なんでですか…?」
松本はポケットから紙切れを取り出し、木村に渡した。
「これ・・・。…南の廃校で待つ?誰が書いたんですか?」
「わからん」
「…わからんって」
「いつの間にかジーパンのポケットに入っとったんや。
でもこれはこのゲームのルール外に出られる唯一の手掛かりやと思う」
木村には松本の言っていることがいまいち理解できなかった。
>619
「キムお前、これからどうしようと思っとんねん」
木村は質問の趣旨がわからず、松本の顔を不安げに見た。
「島の人間殺しまくって、最後まで生き残るつもりでおったんか?
最後、俺とお前とだけ生き残ったらどうするつもりやったんや?」
それは…。と木村は思った。自分には兄さんを殺すことなど
絶対に出来ないやろう。二者択一。
どちらかを選ぶしかないのなら多分自分は…。
自分が死ぬことの方を選ぶやろう。
そう答えようとした木村よりも速く、松本は話を始めた。
「俺はな、このゲームが始まってからずっと腹が立っとったんや」
「俺は今まで自分が絶対後悔せんような生き方をしとったつもりや。
自分の思い通りにやって来た。他人の言うことなんかクソくらえや」
>620
「このゲームが始まったとき、お前ら気は確かなんか?って思ったで。
この島で殺し合いをします?最後の一人だけが生き残れます?
なんやそれ?なんでそんなこと俺らがやらなあかんの?
なんでそんな言うこと聞かなあかんの?」
松本の表情が険しくなる。
「このゲームの主催者は俺とか浜田とか、この世界で目立っとるやつとかが
オモシロおかしく踊らされるん見れんのが楽しみなんかもしれんけどなー…。
生憎、俺は他人の思惑に乗っからされるのが一番嫌いなんや…!
…それで、ゲーム始まったときは」
裏かいたろう思て自殺しようとしたけどな…。
松本はその言葉を飲み込んだ。
「…とにかく。俺は誰も殺したないし、殺されたないんや。
そんなん、思うつぼやからな。かといって特に打開策もない。
そんでこのメモや。俺はきっと廃校に行ったらなんかある気がするんや。
ずっと考えとったけど、これ以外他にどうすることもできひんしな」
そこまで言うと、松本は喋るのを止めた。
>>611続き
「あー、増田だ増田。あいつは俺がこの手で…って、ん?」
その時山崎は、遠方を移動する5人に気付いた。
先頭から4番目を歩いている男の顔を見た瞬間、慄然とした。
「あ……あ…」
何度も目を擦って確認する。間違いない。くりぃむしちゅーの有田だ!
山崎は満面の笑みを浮かべ、親しき先輩のもとへ走り始めた。
「有田さ―――――ん!俺です!山崎です!」
その言葉が口をつきかけた瞬間、山崎は再び慄然となって立ち止まった。
有田と行動を共にしているのは、相方上田、
それにウンナンと清水ミチコだった。
山崎は後者の3人とはほとんど面識はない。
くりちゅーの口添えがあったとして、自分は快く仲間に加えてもらえるだろうか…
自信は全くなかった。
>>622 さらに驚いたのは、有田の様子だった。
「何でそんなもん着てんだよ…」
今この瞬間まで気付かなかったが、有田は犬の着ぐるみを身につけていたのだ。
何かの番組で誰かが着ていた覚えがあるが、思い出せなかった。
防具としてはさしたる効果があるとは思えない。かえって動きにくいだけだろう。
「何でそんなもんをニヤニヤ笑いながら着てんだよ…」
たちまち、吐き気にも似た嫌悪感がこみ上げてくる。
まさか、発狂してしまったのだろうか。
そして上田に目をやると、
まるで悪鬼のような表情で、隙あらば絞め殺してやるぞと言わんばかりの視線を
相方の背中に注いでいるではないか。
「…何なんだよこいつら」
今、合流しようとしても、状況が好転する事はなさそうだ。
幸いまだ誰にも気付かれていない。
山崎は静かにその場を離れた。
>>577-584 の続き
柳原はよく手入れされた青い芝の上に立っていた。
涼しく心地いい向かい風が、柳原の身体を包む。
「ほら、ボール行ったで!」
どこかから聞き慣れたのっそりした声がして、振り向くと遠くで平井が柳原の足元を指さしている。
見れば、確かに足元には白と黒のブチも美しいサッカーボールが転がっていた。
あれ、お前は…何で……?
「何ボサっとしてるんだよ!」
呆然と柳原が立ちつくしていると、サッカー日本代表のユニフォーム姿の男が駆け寄ってきて
柳原を怒鳴りつける。その背番号は14。顔を見上げると、ムスッとした表情の土田。
ハッと気付いて柳原が自分の格好を見てみると。
柳原も同じ日本代表のユニフォームをまとっていた。背番号は0。
周囲を見回すと、ピッチの上には見慣れた芸人達の姿が見える。
いずれも同じユニフォームをまとっていて、その顔には思い思いの表情が浮かんでいて。
「ほら、やる気ねーんだったら、他と替わってもらうぞ。」
どこか楽しそうにそう言うなり、土田は柳原からボールを奪い、勝手に敵陣めがけてドリブルし始めた。
「な…ち、ちょっ!」
慌てて柳原は土田を追い掛ける。
ストライドの差もあるのだろうか。なかなか土田には追いつけない。
「ほらっ、林っ!」
柳原がもう少しで土田に追いつけそうになった時、土田は前線へパスを放つ。
綺麗な弧を描いてボールは背番号4、林の足元へと転がっていく。
「柳原…早ぉ来い!」
一度足でボールを止め、林は手を振って柳原を呼ぶ。
「……行け、柳原!」
土田の声が横から聞こえた。ぶっきらぼうながら柳原を励ますように、優しい声で。
「……………っ!」
柳原は土田をその場に残して走りだした。
一直線に林を目指そうとすると、林は指先と目線で柳原にゴール前へ行くよう指示する。
確かに今の林の立ち位置からすると、センタリングを上げるにちょうど良いポジション。
「……行くでっ!」
「お、おうっ! 任せときっ!」
林が蹴り上げたボールに追いつくために柳原が走りながら、ふと相手方のゴールに視線をやると。
ゴール前には川島が立っていた。
サッカーとはまったく関係のない、血に濡れたあの格好で。柳原を睨んでいた。
「…………っ はぁ、はぁ……ゆ、め……なん…か?」
ガバッと身を起こし、数秒間の間をおいて。
柳原は自分が夢を見ていた事に気付いた。
そりゃそうだ。こんな殺し合いの最中にサッカーなんか出来るはずがない。
それに。
『いや? しょうもない君でも何かの役には立つんやね? 平井君』
そう言って川島が掛けた眼鏡は、確かに平井のモノだった。
『これが終わったら、コート借りるから…空いてる日があったら早めに教えろよ?』
このゲームが始まったばかりの頃、柳原と一緒に山道を歩きながら冗談混じりに言った土田は、
川島に滅多刺しにされて殺された。
『喰いにくかったら、スプーン使うか? ………伸びるけど。』
スーパーの倉庫での食事の時、コントに使う道具のスプーンの柄をわざわざ引き伸ばして
柳原に渡しながら笑った林は、時限爆弾と共に焼け消えた。
返しそびれたスプーンは今も柳原のポケットの中。
「みんな、死んでしもたんやな……。」
高田が残した時限爆弾が爆破する瞬間、柳原はそれを比較的近くの場所から眺めていた。
もしかしたらあれは高田のブラフかも知れない。そう思いたい気持ちが、柳原の足を止めていた。
しかし。
高級住宅街の一角にある建物のリビングから爆音と共に炎が上がり、夜空を赤く染めた。
どう考えても爆弾の側に残された林が生き残っていられるはずもなく。
『お前にはまだ…やるべき事…残っとるやろ?』
林が言い残した言葉。それが川島の事を指しているだろう事は、柳原にも充分わかっていた。
とはいえ、今更何をすればいい?
平井と土田の仇を取って、川島に賭けた人間を落胆させればいいのか?
それとも、川島に殺されて胸に鍵十字を刻まれて。川島の賭け金を増大させてやればいいのか?
何をしても、遠い所の他者に踊らされているような感覚が、柳原には不愉快で。
取りあえず現在の戦場の状況を誰よりもいち早く知るために、
柳原は近くの民家でカード型のラジオを入手し、微弱な電波を受信している。
そのお陰で、平均して三十分に一度の割合で川島のいるエリアは確認できた。
「……行って行けへん事は、ない、か。」
現在地と川島のいるエリアを地図で確認して、柳原は呟いた。
まずは…動こう。
今度は口に出さずに呟いて、身を丸めて仮眠を取っていた物陰から這い出る。
実際に川島と対面した時にどうするかは、おいおい考えていけばいい。
「それにしても……。」
まだ柳原の脳裏に色濃く残る、どこか心地よかった幻影に。
天国にサッカー場があるとすれば、今頃土田さんはレンタルの申し込みしているんだろうな。
そんな考えが頭をよぎり、柳原を苦笑させた。
>>621の続き
「わかりました。じゃあすぐ行きましょう」
力強く吐き出された木村の言葉が、沈黙を破った。
「いや…、俺一人で行こうと思ててんけど…」
「なんでですか」
「こんな不確実なことに付き合わせるわけにはいかんと思てんけど。
…もしかしたらなんかしらの罠かもしれんし」
木村は松本のその言葉を聞き、しばらく考えてからこう言った。
「そうですか。でもそうやったら、兄さん俺に何も言わずに
勝手にいなくなるべきでしたわ。そんな話聞いてしもたら
俺は這いずってでも付いていきますよ」
「キム…」
どこまでも自分に忠実な木村に、嬉しさと悲しさの混ざった複雑な
感情を感じて、松本の目頭が熱くなった。
「そうと決まったらさっさと出かけましょう。俺準備しますわ」
>629
木村は自分が少し、恥ずかしかった。
ここ最近の松本の様子を見ていて、彼はもしかしたらどこか
壊れてしまったのかもしれない、と思っていたのだ。
しかしそうではなくて、松本はずっと考えていたのだ。
自分よりもずっと広い視野でこのゲームを捉えていた。
どこまでも兄さんに付いて行こう。
彼は自分を戒める意味も込めて、そうきつく誓った。
>630
「ん・・・?何してはるんですか…?」
木村がゴソゴソと立てる物音で、田中が目を覚ました。
木村は答えに迷った。
「ん、俺らちょっと食料探してくるから。お前まだ寝ててええで」
そうですか、そう言うと田中は再び眠りに落ちた。
武器と医療品、わずかに残っている食料を半分だけリュックに詰める。
準備は整った。木村はリュックを背負い、立ち上がる。
すやすやと眠る田中の寝顔をみつめた。
「生きて再会しような」
そう心の中で呟くと、松本の元へと向かい、歩き出した。
>631
夜明けが来た。太陽がゆっくりと顔を出し、辺りを明るく照らし出す。
田中は薄く目を開けた。遠くに松本と木村の後姿が見える。
頭の中はまだ半分夢の中だ。
松本さん…どこ行くんや…。収録、何時間押しやったっけ?
木村さんまだ寝とってもええて言ってたけど。
あれ?木村さん?今日って何の収録やったっけ。ガキ使い…。
いや…。バトルロワイ…!
田中は跳ね起きた。周りを見回すと、松本と木村の荷物がない。
胸騒ぎがした。自分の枕もとには、木村が残していった食料が
きちんとまとめて置かれている。
食料を探しに行く?なんで!?そんなわけない!
二人は俺を置き去りにしていったんや!どこに?どうして?
俺は、俺は足手まといってことなんか?
自分の中で、考えが整理されるよりも先に、田中は駆け出していた。
悲しくて、悔しくて、頭が破裂しそうだった。
>615からつづき。
濱口の足音がすぐそこに聞こえる。
加藤はさっと身を起こす。ロケット砲には十分に手が届く距離だ。
「なんやあ、生きてるやん。もう死んでる思たで」
濱口はニヤニヤ笑いを浮かべて加藤に話しかけた。
言葉とは裏腹に、手にはしっかりとアイスピックが握られている。
「お前、一人か?」
有野は自分と一緒にいたので、濱口は一人でいると予想していたが念のために聞いてみた。
「うん、ずっと一人や。せやけど、一人でぎょうさん殺したったでぇ」
自慢げにアイスピックを加藤に突きつける。
赤黒い血の塊がこびりついている。濱口の言葉は嘘ではない。
加藤の読みはことごとく当たっていた。最悪の予想通りだ。
>633
加藤は有野との約束を思い出した。
廃工場の裏手で、誰も殺さないと固く約束したのだ。
誰も殺さないと誓った言葉は、本心から出たものだ。
しかし、加藤は誓いの言葉を口にすると同時に、その約束を破ることを予想していた。
律儀に約束を守って有野を死なせては意味がないからだ。
しかも今回は、有野が濱口を探している。
もし二人が出会えば、間違いなく有野は殺されてしまうだろう。
そうさせないためには、ここで自分が約束を破ればいい。
それで有野にどんなに非難されても構わない。汚れ役は自分ひとりで十分だ。
加藤の全ては、有野のためにあるのだ。
「あははは!なんやその顔!めっちゃ落ち着いてるやん!なんかムカツクわぁ!!」
濱口は爆笑する。
言葉と表情と心理状態が支離滅裂になっていた。
「死ねやあ!!」
アイスピックを振りかざし、加藤目がけて飛び掛ってきた。
ロケット砲の方へ転がりながら身をかわす。勢いあまった濱口は不様に倒れこんだ。
その隙にロケット砲を取り上げ、砲身を濱口に向ける。
>634
「あはっ、あははぁ!ごっついの持ってるなー!」
持っているだけで威嚇になる、と有野と話していたが、
今の濱口相手では発射しなければなんの意味も成さない。
この近距離で炸裂させれば、自分もただでは済まないだろう。
一か八か、自分へのダメージは最小限にして、一撃で濱口を倒さねばならない。
「オイ濱口、俺は今からお前を殺す。いいな?」
安全装置を解除する。
「お前がイカれちまったからな。有野は俺が代わりに守ってやるから安心しろ」
引き金に指をかけ、照準を濱口の頭に合わせる。
「死ね」
引き金を引こうとすると、手が微かに震えた。
「あはははぁ!!お前が死ねやボケェー!!」
加藤が躊躇している内に、体勢を立て直した濱口が再び飛び掛る。
今度こそためらう暇はない。
引き金を引く。発射の轟音と煙で周囲の景色が何も見えなくなった。
何もかも一瞬の出来事であった。
>>301続き
ーあの時。森の中を必死に走っていた伊藤と虻川。
物陰から緑色の羽織を着た男・・・桂歌丸。
「・・・・・・。」
不気味にほくそ微笑む歌丸。・・・座り込み、目を閉じる。
「!伊藤ちゃん、逃げて!」
「虻ちゃん・・・!?」
「いいから・・・。」
そう言って虻川は伊藤を遠くへと逃げさせた。
伊藤が虻川の元を離れてすぐ。歌丸は虻川を攻撃した。
その様を木の陰から覗く伊藤。
歌丸が去って数分。虻川のもとに戻ってきた伊藤は
倒れこんでいる相方の前でただ棒立ちになっていた。
「・・・伊藤?」
ユリオカの声が伊藤の横から聞こえ現実に引き戻される。
そうだ。今は虻川の敵をとらなければいけない。
チャッ…。銃口を歌丸のほうに向ける。
同じくして、他のメンバーもそれぞれの武器を歌丸に向ける。
そのとき、歌丸は目を閉じ黙想していた。
「黙想している間に倒すぞ!」
と、テツ。
パンッ…。テツの拳銃は乾いた音ともに弾を放った。
未知やすえと内場勝則はまだ生き延びていた。
今まで凶暴な人間には一人として出会うことがなかったからだ。
やすえ「勝則さん、私恐いわ。いつまで生きていられるんやろ?」
内場 「大丈夫や!やすえのことは俺が絶対守ったる!」
しかし運の良さで乗り切れるほどこのゲームは甘くない。
彼らはついに「凶暴な人間」に見つかってしまった。
斉木しげるとWAHAHA梅垣だ。
斉木 「うーんどうやら夫婦を見つけてしまったようだね〜」
梅垣 「そうみたいですね」
斉木 「二人寄りそっちゃって。夫婦愛だねー。ぶっ壊したくなっちゃうねー」
斉木 「そうだ!旦那の目の前で嫁を犯すってのどうだろー。楽しそうだなー」
梅垣 「・・・・・」
もうこの人の趣味の悪さには慣れた。呆れながらもはいはい、
そんじゃあどうしますか?と指示を仰ぐ。
斉木 「とりあえずあの、男の方、動けないように捕まえてよ」
梅垣は拳銃片手に二人の方へ向かっていった。
>637
やすえ「きゃー!!!」
梅垣 「はいはい、大人しくしてね」
梅垣は拳銃を見てひるんだ内場の背後に素早く回りこんだ。
内場の両手を羽交い絞めにして、拳銃を眉間に当てる。
梅垣 「暴れたら、撃つから」
やすえ「何するの!?」
斉木 「まあまあ、楽しくやりましょうよ」
斉木しげるの登場である。
内場 「お!おあえら!やうえにないかいあらららじゃおあないお!」
斉木 「・・・。何言ってるか全然わかんない。奥さん、
まーあんな頼りない旦那持ったのが運のつきと思って諦めてよ」
そう言って斉木は未知を押し倒した。
やすえ「きゃーいやーやめてー!」
斉木 「ぐふふふふ」
>638
やすえ「・・・って、やめろゆっとんのがわからんのか( ゚Д゚)ゴルァ!!」
いきなり態度の変わった未知にびっくりした斉木の動きが止まった。
すかさずそこに未知の張り手が飛ぶ。
やすえ「お前コラ、女や思って舐めとったら承知せんぞ!あ!」
やすえ「おう!お前手ぇ離せや!」
未知は梅垣と内場の方へつかつかと歩み寄ると、呆然としている
梅垣の手から拳銃を奪い、梅垣を撃った。
斉木 「ひ、ひィィィィ!!」
やすえ「きったない手で触りやがってこのアーホ、ボーケ、カースー!」
そう言うとやすえは容赦なく、斉木しげるも撃った。
頭を打ち抜かれた梅垣と斉木は、即死だった。
内場 「や・やすえ・・・」
未知は一呼吸置くと内場の方へ振り返り、こう呟いた。
やすえ「恐かったーん♥」
【斉木しげる・WAHAHA梅垣 死亡】
>>636続き
しかしそれは歌丸の羽織を少し裂いただけに過ぎなかった。
「相変わらずコントロールが悪いなぁ。」
と、ユリオカ。
「ば、ばか!ユリオカ、これ以上言ったら仲間から外すからな!」
と、テツ。
「あんた達!あほらしい言い合いなんかしてる場合じゃないでしょ!」
と、田上。
…反省する2人。ちなみに歌丸はまだ黙想している。
「あれ?・・・な、なぁ。歌丸さんを・・・よく見て。」
と、トモ。
歌丸のほうを見る伊藤達。よく見ると何やら取り出そうとしている。
「田上、歌丸の手を狙えっ!」
と、テツ。
「分かった!」
ヨーヨーを歌丸の手に向け投げつける。
「・・・!」
ヨーヨーは見事に命中し、歌丸が取り出そうとしていた物を落とした。
その物とは・・・・。
>>640続き
「懐中電灯!?」
と、ユリオカ。
「・・・ふふ・・・。」
伊藤は不敵な笑みを浮かべる。そして懐中電灯を拾い上げ、
近くの草原に放り投げる。
「伊藤ちゃん?」
と、田上。
「ユリオカ君。あなたの武器
・・・確か『ニトログリセリン』だったわよね?」
と、伊藤。
ニトログリセリン。外的衝撃によって大爆発を起こす液体。
「ああ。そうだけど?」
「それ、ちょっとちょうだい。」
「・・・あ、ああ・・・。」
その瓶入りの液体をユリオカから受け取る伊藤。
「少し離れてて…。」
そういった後、伊藤はニトログリセリンを懐中電灯に投げつけた。
>>642 …閃光が発せられ爆破が起こる。
標的となった懐中電灯はその原形を留めていない。
「・・・あ・・・あ・・・」
突然の出来事に脳内が真っ白になる歌丸。
「あなたは…その頭にある物を当て
その光で目を潰し、人を立ち上がらせなくしてきた。
でも。ある物・・・あなたの武器の懐中電灯がない今はもう・・・。」
「・・・ぐ・・・。」
ただ言葉に詰まる歌丸。
「・・・虻ちゃんの敵・・・取らせていただきます!」
銃を乱射する伊藤。一瞬にして歌丸の身体を蜂の巣にし、
・・・地面に倒れこませた。
「ユリオカ君!」
「ああ!桂歌丸さん・・・天国へ行って・・・らっしゃい!」
ユリオカは歌丸の固まった身体に向かってニトログリセリンを投げつける。
やがて大爆発が起こる。その様を見、伊藤は言う。
「…虻ちゃん・・・敵・・・討てたよ・・・。」
へなへなと地面に頽れる伊藤。
>>642 「伊藤・・・!」
テツが彼女の身体に近寄る。
「伊藤ちゃんは今までの緊張が解かれてちょっと気が抜けたみたい。
とりあえず、近くの家で休憩を取りましょう。…あんた達も来る?」
と、田上。
「あ・・・ああ。」
と、テツ。
【テツandトモ・ユリオカ超特Q・田上・伊藤組結合】
【桂歌丸 死亡】
「待って〜。」
【訂正 テツandトモ・ユリオカ超特Q・ダンディ坂野田上・伊藤組結合
>>457の続きです。
「それはこっちのセリフや」
西尾はそう言うと再び鶴瓶に向かってマシンガンを撃った。
弾はほぼ全弾命中し、鶴瓶はスローモーションのように後ろ向きに倒れた。
嵯峨根と渡部は一瞬顔を見合わせた。有無を言わさずマシンガンを撃った西尾。
二人はそんな彼に少し引いてしまっていた。
「お前、まだ敵って決まったわけでもなかったのに…」
嵯峨根がそう言うと西尾は興奮状態で、こう返した。
「何ゆっとんねん。あいつ銃撃って来たやろが!
このゲームでそんな悠長なこと言っとったらこっちが殺されてまうで?」
そう言うと西尾はマシンガンに目を落とした。
…やっぱり武器は必要や。…鉄板と、フライパンだけじゃあなぁ。
>644
物欲しそうな目でマシンガンを見つめる西尾に不安を感じた渡部は
これ以上この二人とは一緒にいない方がいい、と感じた。
「西尾さん、悪いけどそれもう返してくれます?
俺、早くゲバルト一族探しに行かないと…」
「あ、ああ…」
西尾はそう言うとマシンガンを渡部に手渡した。
「お二人も頑張って生き延びてください。それじゃ…」
あいさつもそこそこに、そそくさといった感じで渡部は去って行った。
【笑福亭鶴瓶 死亡】
>645
渡部が去って行った後、X-GUNの二人には長い間会話がなかった。
こういう場で話すべき適切な言葉を見つけることは
嵯峨根にはどうしても出来なかった。
相方の人殺しの場面を見てしまったことは、
想像以上に彼にショックを与えている。
西尾の表情は、ぼーっとしていて、心ここに有らずといった感じだ。
そんな西尾とこれ以上一緒にいることが今の嵯峨根にはいたたまれなかった。
「西尾、俺ちょっと…、食べるもん探してくるわ」
西尾は生返事しか返さない。
相方の様子は心配だが…、
多分あいつも、今は一人にしといてもらった方が楽やろう。
そう判断して嵯峨根はその場をあとにした。
>>495 鬼に金棒〜。川島にバズーカ〜。
麒麟川島はバズーカの弾が切れるまで撃ちまくった。
自分の手から放たれた砲撃で、人間がバラバラになる様を見るのは
至福の時だった。これが力だ。圧倒的、力。
【キャイーン天野、ハイヒールリンゴ、順子とひろし、
空手家矢部太郎、川島の砲撃に巻き込まれ、死亡】
弾切れになったバズーカは池に沈めた。
バズーカで獲物を探している間は、重い斧は荷物になるので
池の傍の穴倉に隠しておいた。
これでバズーカはなくなってしまったので、再び斧が必要だ。
川島は穴倉まで戻った。
>>632 松本と木村は強い足取りで南へと向かい、歩いていた。
「田中には…、何も言えませんでしたわ…」
「…その方が良かったんちゃうか。あいつの立場からして
行きたくないと思ても断りにくいやろ」
そう言ったものの、何とも言えないやるせなさで
二人は黙りこくるしかなかった。
「・・・ん?」
二人は顔を見合わせた。遠くから田中の声が聞こえたような気がしたのだ。
「・・・松本さー…ん」
確かに聞こえる。二人は後ろを振り返った。
遠くからがむしゃらに駆けてくる田中が見えた。
>649
田中は松本達に追いつくと、自分の思いをまくし立てた。
「ハアッハァッ、松本さん、酷いですよ、どこ行くんですか?
なんで俺置いて行くんですか…?
俺、えぐっ、遠藤も死んでしもたのに、松本さんにまで見捨てられたら…。
「ひっく。俺って二人にとって、どうでもいい人間なんですね?ううう…」
松本は田中の顔を見て、感情とは裏腹に吹き出してしまった。
それはガキ使いで見せた、あの情けない泣き顔と全く同じだったからだ。
「お前はどうでもええ人間じゃないって」
松本は笑顔で喋りかける。
「だって、だって、置いていったじゃないですか…」
「ああ、悪い悪い。あれな、お前ちょっとドッキリかけたろう思て」
「ほ・ほんまですか…?あ・あくどすぎますよ」
うん、ごめんな、と言って松本は少しうつむいた。
「さ、もうええやん、早く行きましょう、な?田中も。汚い鼻汁拭いて」
木村が助け舟を出してその場の話は終わった。
これで松本、木村プラス田中の三人で南の廃校へ向かうことになった。
南の廃校には何が!?
>>623続き
それにしても何故くりぃむの2人はあんな事に…
頭をその話題だけに支配されていた山崎は、左右確認もせずにT字路を曲がってしまい、
横から歩いてきた人間にぶつかってしまった。
「(ゲッ!!)」
「あっれー、山崎君じゃん。久しぶりー!」
そこにいたのは、張りついたような笑顔の眼鏡男、スマイリーキクチ。
彼の背後には妙に顔色の悪いスーツ姿の男が、首をあらぬ角度に曲げて転がっていた。
確か、桧博明とかいうボード漫談芸人だ。
口調は穏やかだが、こんな奴と同盟を組める可能性など万に1つもないだろう。
山崎は即座にボウガンを構え、矢を射った。
ところがスマイリーは何の苦もなくそれをかわした。
>>651続き
「懐かしいな、僕も昔空気銃に熱した針入れてカエル撃ち殺したりしたよ。
たまに人に向けたりもしたけどね」
恐怖にかられて矢を連射するも、嘲うかのように全てかわし、距離をつめてくる。
「ボキャブラで共演してた君なら、僕がどんな人生歩んできたか知ってるでしょ?
君なんかとはくぐってきた修羅場の数が違うんだよねぇ…!」
強烈な蹴りが山崎の顎に正確にめり込んだ。
たった一撃で、意識が遠のきかける。
「まずはその顎を今以上に割ってあげようね」
【桧博明 死亡】
(ガーゴイル3・少女の夏休み)は去年、私が読んだ小説の中
では1番、感動したんですけど、これってスゴイ映画向きの小説
だと思うんですよ。三池監督あたりに映像化してもらえないかな?
殺し屋1なら私はこっちのが好きなんですが・・。
>635つづき
「やっぱ、加藤さんのトコに戻ろう」
山本の死体を見つけたことを報告するために、加藤と合流することにした。
元来た道を戻ろうとしたとき、有野の視界を猛スピードで何かが横切った。
白煙を上げながら飛ぶそれは、真っ直ぐ山目がけて飛んで行った。
山の中腹に突っ込んで、轟音とともに爆発した。
ミサイルか何かだったらしい。爆発の後、木が倒れていくのが見えた。
「まさか・・・」
あんな重火器を持っている人間は限られている。
加藤が誰かと交戦し、あの武器を使ってしまったのか。
それとも、加藤は殺され武器を奪った何者かが撃ったのか。
どちらにせよ加藤の身に危険が迫っているのには間違いない。
加藤は、自分のことを守ってくれている。
だが守られてばかりではいられない。
今度は自分が加藤を守ってやらねばならない。
誰も死なせたくない。
甘っちょろい考えではあるけれど、そう思わなくては精神的に耐えられなかった。
ミサイルが飛んできたほうへ、有野は危険を顧みず走っていった。
>>647 川島には杞憂があった。
ボウガンの矢も、拳銃の弾も、数が残り少なくなっていた。
殺さなければならない愚民はまだまだたくさん生き残っている。
計算して有効に武器を使っていかなくては、そのうち手詰まりになるだろう。
「これからはできるだけ斧で獲物を狩っていくべきやな」
そう呟くと、川島は斧を拾い上げようとした。
その瞬間。
川島を激しい立ちくらみが襲った。
心臓の動機が早くなり、思わず胸をつかむ。
耳鳴りが激しく音を立て、視界が真っ暗になった。
体に力が入らなくなり、そのままその場へ倒れこんでしまう。
>655
ははは、情けな。
貧血や、と川島は思った。
実は彼はゲームが始まってから今まで、
一切の食べ物も口にしていなかった。
身体が極度の興奮状態にあったためか、
これまで空腹を感じることが全くなかった。
しかし、体力の方は限界に来ていたらしい。
栄養を補給しないことには、これ以上人を殺すどころか
歩き回ることさえ出来そうにない、と川島は感じた。
どうすることもできない。
川島はしばらく地面に体を横たえていた。
>656
どのくらいそうしていただろう。
川島は微かにする、食べ物の匂いに気が付いた。
上半身だけ起こして匂いの元を探る。
どうやら匂いは北の方角から流れているようだ。
・・・どうするべきか?
このままここに倒れこんでいても何も解決はしない。
そう思った川島はなんとか身を奮い起こし、立ち上がった。
重いものを持って歩くことは、とても出来そうにない。
しばらく悩んだが、斧を持ち歩くのは諦め、
その場に放置することにした。
そして体を半分引きずるようにして、
匂いの元へと歩き出した。
>657
匂いの先には薪を囲む、二人の人間がいた。
恐らく魚か何かを焼いている様子だった。
川島は肩に掛けていたボウガンを下ろすと、最後の矢をセットした。
ボウガンを目の前まで持ち上げ、トリガーに手を掛ける。
体がふらついてなかなか狙いを定めることができない。
川島は自分に言い聞かせるように呟いた。
人を見つけた以上、殺さないわけにはいかない。
この島の人間を皆殺しにするまで、止まるわけにはいかないのだから。
659 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/16 06:32
保全
>>576続き
このゲームに放り込まれて以来、すっかり研ぎ澄まされてしまった柴田の神経が、
何物かの足音を捉えた。
物陰に隠れて、音のする方向へ銃口を向けつつも、まだ葛藤していた。
具体的プランは全くないが、一応自分の目的はゲームのシステムを破壊することだ。
できれば他の芸人は殺したくない…
そんなふうに思いつつも、
結局自分はこの手でプラスドライバーを殺したのだ。正統防衛とはいえ。
動かしようのない事実が、再び柴田の胸に突き刺さった。
しかし、次第に近付いてくる足音と共に聞こえてきたもう1つの音は、
そんな感傷をも吹き飛ばした。
口笛…!?
そんな馬鹿な。俺の耳がイカれてしまったんだろう、多分。
次の瞬間、口笛は落語の出囃子に変わった。
柴田の全身はガタガタと震え始めた。
>>660続き
遂に物音の主が柴田の視界に現れた。
立川談志だ。
両手を背中の後で組み、ゆったりとしたペースで前を横切っていく。
ナップザックすら持っていない。
どこから見ても、ただその辺を散歩しているようにしか見えなかったが、
そこには神々しいまでの迫力があった。
柴田は自分でも全く予期せぬ行動に出てしまった。
「す…すいませんでしたぁ!」
わざわざ物陰から飛び出し、土下座したのだ。
「あ…?誰だお前」
「すいませんでした!…俺、その…」
「何だったっけ、アン…ジャッシュ?違うな。
あーアンタッチャブルだ。そうだそうだ思い出した。…で、何やってんだ?」
「いえ、特に何も…」
「何だよそりゃ。俺は爆笑の太田光探してるんだけど、お前見なかったか」
「いや見てないです。すいません」
「そう。あ、そうだ。俺さっきお前の相方見たよ」
「え!?」
「フランケンシュタインみたいな顔の奴だろ?さっきあの辺横切ってた」
談志はすぐ近くを指差した。
>654つづき
「あはははははは!ドコ撃ってんねーん!ヘタクソやなー!!」
濱口の身体には傷一つ付いていない。
ロケット砲の発射の反動に耐えられず、体勢が崩れたせいで、
砲弾は濱口の頭の遥か上を飛んでいってしまった。
「行くで、行きまっせ、行ったんでぇー!!」
アイスピックを振りかざし飛び掛ってくる。
加藤はロケット砲を振り回して応戦した。
「オラァ!!」
次の弾を装填している暇はない。なりふりかまわずロケット砲を振り回す。
だが、大振りな攻撃が当たるはずもなく、加藤は一人相撲をとっている格好になった。
「全然アカンなあ。殺るならサクサクっとやらな!!」
バランスを崩したところに濱口の体当たりを食らった。
尻餅をついたところに、濱口が脳天目がけてアイスピックを振り下ろしてきた。
咄嗟に両手で頭をかばう。右腕に鋭い痛みが走る。
「がぁっ!」
痛みに耐え切れず声が漏れる。
濱口は攻撃の手を休めない。左手、右肩と立て続けに刺されてしまった。
「終いじゃあ!!」
濱口が大きく振りかぶる。この一撃で決める気だろう。
>662つづき
「うるせぇ!クソがぁぁ!!」
加藤はアイスピックの針を右の掌で受け止めた。
痛みが脳天まで一気に駆け抜ける。だが、濱口の攻撃を止めることは出来た。
空いている左手で濱口の腕を掴み、一気にひねり上げる。
「あだだだ!痛い、痛いぃ!」
腕を極めたまま濱口をうつ伏せに押し倒し、その上に覆いかぶさる。
そしてさらに腕にひねりを加える。
「いぎぃああああっ!!」
ぼこん、という鈍い音がしたかと思うと、濱口の肩が外れて腕が不自然な方へ向いた。
「痛い、痛い、痛いぃぃ!痛いやんかぁぁ!!」
濱口の表情からニヤニヤ笑いが消え、子供のように泣き喚きだした。
>663
加藤は掌にぶら下がっているアイスピックを引き抜き投げ捨て、濱口の頭を滅茶苦茶に殴りつけた。
「オメーになんか殺されるわけねぇだろ!バカ!!」
肩を外された濱口はガードすることも出来ず、加藤の拳を全て浴びた。
しばらくすると抵抗をやめ、声も出さなくなった。
「オメーに有野は殺させねぇ!」
殴るのを止め、両手で力いっぱい濱口の喉笛を締め上げる。
「ぐぇ・・・、げっ・・・・、げぅっ・・・、ぐ・・・・」
濱口の顔は見る見るうちに紅潮し、眼球がせわしなく動いた。
そしてついには、口の端から泡を吹きながら白目を剥いてしまった。
それでも加藤は、力を緩めなかった。文字通り息の根を止めようとしたのだ。
だが興奮しきっていた加藤は、自分に近づく気配に気づかなかった。
さらに力を込め濱口の首を絞めようとしたとき、後頭部に鈍い痛みが走った。
加藤の意識は暗転し、全身の力が抜けて濱口の身体の上に倒れこんだ。
>>646の続き
X-GUN西尾はマシンガンをぶっ放した余韻から
いまだ覚めないでいた。
人を殺したのは笑福亭鶴瓶で二人目だった。
しかし強力な武器で一瞬にして人の命を奪うことは、
素手で殺した一人目の時とは比べ物にならないくらいの
爽快感があった。
あの時。
渡部がマシンガンを返してくれ、と言った時。
渡部も殺してマシンガンを奪ってしまえ!
そう命令するもう一人の自分がいた。
バトルロワイヤル。
気違い地味た殺人ゲーム。
そんなゲームの中で、俺も、やはり、
どっかおかしなってしまったんやろか?
>665
「西尾」
自分の名前を呼びかけられて、西尾は我に返った。
目の前では嵯峨根が、彼と、そして自分のために捕まえてきた
魚を鉄板で焼いている。
西尾は久しぶりに相方の顔をまともに見た気がした。
そしてそこに―、自分の暴走がもたらした結果を
読み取った気がした。
嵯峨根が自分を見る眼には、いつもの親密さが微塵もなかった。
まるで、赤の他人を見るような眼をしている。
そうか。
俺は相方に不信感を持たれてしまうようなことをしてしまってたんやな。
「西尾、お前、肩大丈夫なんか?」
そう言われて西尾は自分が肩に銃弾を受けたことを思い出した。
そしてこの期に及んでも自分の心配をしてくれる嵯峨根に驚きを感じ、
逆にそばにいる人間のことを全く省みていなかった自分を恥じた。
>666
「大丈夫や。・・・カスリ傷やったみたい」
「そうかー。ホンマ良かった。心配しててんでー俺」
やっと口を開いた相方を見て少し安堵の色を取り戻した嵯峨根はこう続けた。
「しかしあれやなー。俺らフライパンと鉄板しか持っとらんけど、
食いモンの調理に困ることだけはないな!」
少しでも場を明るくしようと努力する嵯峨根を見て、西尾は胸が痛かった。
「嵯峨根」
「ん?」
「ごめん。いや、・・・いろいろ」
嵯峨根は、ん、とだけ返事して黙った。
次の言葉を探しているようだった。
「西尾、・・・あの、このゲーム、そんなこと言っとっても
始まらんってゆーのはわかっとんやけど」
「でももう、俺、お前が人殺すん二度と見たくないんや・・・」
>667と
>>658の続き
その言葉には拒絶できないような強さが込められていた。
「・・・。うん、わかった」
それを聞いた嵯峨根は嬉しそうに西尾に微笑みかけた。
その笑顔が西尾に向けられた嵯峨根の最後の表情となった。
ダンッという何かがぶつかったような物音とともに
嵯峨根の頭が仰け反ったかと思うと、そのまま彼の体は前のめりに倒れた。
西尾は自分の目を疑った。
嵯峨根の後頭部には矢が刺さっていた。
そしてその背後には、胸にハーケンクロイツのマークを刻んだ
虚ろな表情の男が立っていたのだった。
>>517の続き
「にしてもさあ、なんで急に幼児退行なんてしたんだろう?
原因が分かんないんだな〜」
お茶をすすりながら、豊本は今まで心にしまっていた疑問をふと口にした。
飯塚がためらいがちにそれに応える。
「やっぱその…片桐を殺したショックで…とかじゃねえの?」
「…!」
天然ボケな反応に豊本は思わず咳き込んだ。
気を取り直し、改めて説明のし直しを試みる。
「いや、にしたって何でまた7歳まで退行する必要があるんだって話ですよ。
あれって無意識に自分をショックとかストレスから守ろうとして
原因の出来事の前まで記憶が遡っちゃうってやつでしょ。
仁が原因だとしたら、せいぜい仁と知り合う前の
そうだな…高校生ぐらいになってれば十分じゃないですか。」
「…………」
小木と飯塚は顔を見合わせ、押し黙った。
「考えたって分かんねえよな、こんなこと…」
その時突然、重い空気を打ち破る声がした。谷井だった。
>>669の続き
「なーサッカーしねえ?人数足りねえんだよー」
窓枠にもたれかかって誘いかけてくる谷井は満面に笑みを浮かべていた。
拍子抜けするようなその表情に、呆れ顔を向ける飯塚。
「…あのな……」
「3人で頑張ってプレイして下さい。お兄さんたちは忙しいんです」
豊本がそう言って谷井を諭す。
それと同時に今立を呼び寄せ、こっそり耳打ちをした。
「あいつ、どうなのよ」
今立は少し考えた後、小声で言った。
「今んとこ大丈夫みたい」
「なあにコソコソしてんだよー。俺にも教えろよ」
すかさず谷井が首を突っ込んでくる。
「ああもう、何でもない何でもないっ!
サッカーすんだろ?ホラ、行くぞ!」
面倒なことになってはたまらないと、言葉を濁しつつ
今立は谷井を連れて小林の元へと駆けていった。
「元気だなあ…」
二人の後姿を見送りながら、豊本は半笑いを浮かべた。
小木は床のタイルの幾何学模様を見つめていた。
>>670の続き
「……仁が殺されたっつうのにな」
そう言うと、模様に視線をなぞらせていき
規則正しい反復を乱す不自然に赤い血を見た所で、目をつぶる。
その先は見る気がしなかった。
しばらく続いた沈黙の後、豊本が口を開いた。
「俺ら、もう完ペキ感覚狂ってるよね。
俺らだけじゃないよ。ここまで生き残ったような奴らはみんなそうだと思う。
何百って死体見せられて、いい加減人の死に免疫が出来すぎてる」
豊本の言葉を反芻するように間をおいて、飯塚は唾を飲み、天井を見上げた。
「何でこんなことになったんだっけ…」
「…急、だったよな」
小木が煙草に火をつけた。
全員が、各々のこれまでの記憶を辿っていく。
「うん。すんげー急だったよ」
「昨日まで普通に仕事してたと思ったら、いきなり集められて」
「なんだか分かんないまま、ここに連れて来られて」
確認し合う一言一言が、部屋に漂う薄い煙を撹拌させる。
「で、殺し合いでしょ?」
そこで、小木は肺にためた乳白色の息を一気に吐き出した。
「何なんだろう、これは」
>>671の続き
その頃、谷井は頭を抱えていた。
「人集まんねえなあ。みんな冷たいよなー」
「それ以前にボールすらないってのに…」
今立がこっそりとツッコミを入れる。
そんな二人のやり取りに、小林の素朴な質問が割って入った。
「ねえ。お兄さんたち、働いてるの?」
途端に谷井の目が輝いた。今立もその言葉に反応した。
「よく聞いた!俺らはな、お笑い芸人やってんだ」
「お笑い?」
小林の首を傾げる仕草を見て、谷井は口調を弾ませる。
「そ。たーのしいぜ〜。俺たちが面白いことやって、客がワッと笑うんだ」
「あの快感は病みつきになるよな」
今立の脳裏に、笑いを取った瞬間の感覚がありありと思い出された。
それは谷井も同様だった。と同時に、谷井の頭にあることが浮かんだ。
「そーだ!ネタやろ、ネタ」
「は!?」
予想もしない提案に、今立の声が裏返る。
「せっかく客がいるんだしさ、やろーぜ」
「いや、客ったっておい…」
不安そうに振り向くその顔を、小林は興味津々の表情で迎えた。
「いいよ。僕、見たい!」
「よーし!!やるかー!」
「マジでー?」
後ずさり気味な今立などお構いなしに、谷井は入りのセリフを叫んだ。
「社長ーっ!つっこんでかない!?」
外の騒がしさに、豊本は目を丸くした。
「…なんかネタ見せになってますけど」
「おー」
いつもの調子で続けられるコントに、
たった一人の客である小林が笑っている。
「しかもウケてるし」
「意味分かって笑ってんのか?あれ」
苦笑いしつつも、3人はどこかいとおしそうにその様子を眺めていた。
自分達が演じる。客が笑う。
忘れかけていた感覚への懐かしさで胸がいっぱいになった。
と、不意に飯塚が呟いた。
「てかさ…」
「…本来はああやってるべきなんだよな、俺ら」
豊本と小木の視線が飯塚に集中した。
>>673の続き
静まり返った部屋の中には、窓の外からの声だけが響いていた。
「……そう、っすよね…」
「あれがやりたくてこの世界入ったんだよな。
何で殺し合いなんかしなきゃいけないんだろう?」
小木は俯いた。
「笑わせらんないよな、こんなんで…」
「あーあ、ネタやりてーよお」
沈んだ空気を跳ねのけるように、豊本は思い切り背伸びをした。
小木もそれに続き、伸びをしながらぽつりと言う。
「俺も。舞台に帰りたい」
「舞台かあ…いいなあ」
飯塚は本番前の緊張感を思い起こした。
不思議といつもの嘔吐感は沸かなかった。
確固とした根拠なんてないけれど、それでも
今ならあの場所にしっかりと立つことができる。何となくそんな気がした。
「そんなこと言って、いざソデに入ったらまた死ぬほど緊張するんでしょ?」
相方の極度のあがり症を嫌というほど承知している豊本は、
いまだかつて聞いたこともなかった意外な発言に笑った。
>>674の続き
「とにかく、戻りたいよね。舞台にさ」
そう言って、小木が二本目の煙草に火を付けようとした、
その瞬間だった。
ドオンという爆発音が響き、地面が揺れた。
振動で木がざわめく音が耳に飛び込んでくる。焦げ臭い匂いが鼻を突く。
全員が正体不明の危機を直感し、震えた。
数秒後、古びたスピーカーから途切れ途切れの声が流れてきた。
『えーと…院内の皆さん、この建物はあと5分で全壊いたします。
すみやかに非難して下さーい』
「なっ……何これ!」
パニックになる飯塚。
「…ていうか、この声…まさか……」
混乱した思考回路を必死に働かせ、
豊本は声の主を記憶から掘り起こそうとする。が、
突き止める一瞬前に、その名前は既に小木の口から発せられていた。
「矢作!!」
反射的に、小木は駆け出していた。
背中越しに自分を呼ぶ声を聞きながら。
(続く)
676 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/19 06:20
保全age
>>652続き
「あのね、僕ほんっと嬉しいのよ。
今までこつこつぶっ飛ばすリストつけ続けてきた甲斐があったよ。マジで。
まさかリストの大半をこの手でぶっ殺せるなんてさぁ」
感覚がなくなった顎に代わって標的にされたのは、腹だった。
胃液の最期の一滴まで搾り上げるかのような右フックをくらうと同時に、
自らが吐いた胃の内容物で足が滑り、山崎は地面に倒れた。
再び、彼の脳裏に場違いな記憶が甦ってくる。
「(ボキャブラで「アレがすごい勃ってきてさ」で座布団獲得したんだよな、俺ら)
今からでも本物のMになってしまえば、
こんな痛みどころか、死への恐怖さえも感じなくなるのだろうか。
その思いつきはいっそ陶酔をもたらし、
やがて陰茎が静かに勃起していく感覚が伝わってきた。
「…そろそろかな。じゃあね、楽しかったよ」
とどめの踵を脳天に落とすべく、スマイリーの右足が高々と上がるのを、
山崎はうっとりと眺めた。
乾いた音と共に、その右足首から先が消滅した。
>664からつづき。一気にいきます。ながいです。
まさかこんな形で花瓶が役に立つとは。
有野は割れた花瓶を握り締めて、そんなことを考えていた。
力いっぱい殴らなかったから、死んではいないだろう。
念のために加藤の腕を取り、脈を測った。確かな感触がある。
殴って失神させた加藤の身体を横にやり、濱口の身体を引きずり出す。
顔から血の気が失せ、白目を剥いて失神している。
喉元に手を当て脈を測る。加藤と比べて弱々しいが、まだ生きているようだ。
「くり、くり、起きぃや。ホラ」
中学時代のあだ名で濱口を呼ぶ。
「おい、起きてくれや。おい!」
濱口の頬を平手で張った。そうしている内に、また涙が出てきた。
さっきから泣いてばっかりやな、俺。
濱口の目玉がきょろきょろ動いているのが瞼越しに見えた。
「くり!」
もう一度呼ぶ。顔に血色が戻ってきた。
良かった。間に合った。誰も死なせずに済んだ。
有野は安堵感で顔が緩んだ。くしゃくしゃの笑顔を濱口に向ける。
>678
意識を取り戻した途端に、濱口の全身が緊張したのが分かった。
「おあああああああああああああっ!!」
濱口は起き上がるなり有野を突き飛ばし、四つん這いになって逃げ出した。
加藤に殺されかけた濱口は、有野を加藤と勘違いしたのだ。
「大丈夫や!何にもせえへんて!」
濱口の動きが止まる。
「俺や。わかるやろ?な、一緒に行動しようや。
ちゃんと話したら加藤さんも分かってくれるって」
さっきの状況からして、この二人が理解しあえるとは思えなかったが、
とにかく今は話し合うことが先決だ。
「げほっ!げほっ!」
咳をするたびに背中が震える。濱口はこちらを向こうとはしなかった。
「大丈夫か?」
濱口のほうへ歩み寄り、背中をさすってやる。
濱口はしきりに咽喉をさすりながらむせかえっていた。
「大丈夫や、大丈夫やで」
またも涙があふれてきた。
濱口が生きている間に会うことができた。加藤も死なせなかった。
下らない自己満足かもしれないが、有野にとってはそれだけで十分だった。
>679
満足感に浸るのもそこそこに、濱口の介抱に専念することにした。
咳が収まるまで背中をさすってやろう。
そうしながら、濱口に怪我がないか観察してみた。
大きな切り傷などはないが、右肩の形が不自然に変形している。
右腕も力なくだらりとぶら下がったままだ。脱臼したらしい。
脱臼したときってどうしたらええんやったっけ?
素人が無理やり入れるとおかしなコトになるかもしれんし・・・。
とりあえず腕吊っとけばええやろ。
そんな事を考えていた有野の視界は、瞬時に真っ暗になった。
それに続いて意識も失った。
>680
「あは、あはは・・・。死なへん、死なへんぞ・・・」
濱口の左手には、アイスピックが握られている。
先ほど有野から逃げ出したのは、アイスピックを拾うためだったのだ。
その針先は有野の左目にめり込んでいる。
濱口は相方を振り返ることなく、本能で近寄るものを攻撃しただけだった。
そもそも、今刺した相手が有野だということにも、まだ気づいていなかった。
有野の左目から、真っ赤な血液が流れ出た。涙の次は血だ。
有野の身体が後ろにどさりと倒れた。
濱口に刺されたと気づく間もなく死んだ有野の顔は、おだやかなままだった。
「ははは、アホやこいつ。死によったで」
後ろを振り返ると、顔から木の柄が生えた男が死んでいる。
「誰やねんコイツ」
顔を見ると、とてもよく知っている顔だった。
濱口の顔から笑みが消え、驚愕の表情になった。
またドッキリ?
残念ながらドッキリではない。眼球を突き破った感触が左手に残っている。
間違いなくこの手で、我が相方を殺した。
>681
濱口は泣きだした。
怖くて怖くて仕方がなかった。
こんな事に巻き込まれたのが怖くて、
ずっと一人で寂しくて怖くて、
自分が人を殺したのが怖くて、
加藤に殺されかけたのが怖くて、
有野を殺してしまったのが怖くて、
いつの間にか自分が血まみれになっているのが怖くて、
涙が止まらない。
脱臼した肩の痛みと加藤の存在を忘れ、濱口は逃げ出した。
濱口の涙につられて、空からも雨がこぼれ落ちそうになっていた。
【有野晋哉(よゐこ) 死亡】
>682
それから暫くしてからの事。
ポタリ。
大粒の雨が加藤の頬を打った。
霧が晴れるように意識が鮮明になってくる。
「うっ・・・、痛ぇ・・・」
後頭部がずきずき痛む。痛むところに手をやると、僅かだが出血しているようだった。
さっきまで自分が何をしていたのか、一瞬だが思い出すことが出来なかった。
有野と一緒に移動しながら山本と濱口を探して・・・、
そうだ、有野と別れ別れになった後、濱口に出会ったのだ。
それでもみ合いになって・・・。
まだ加藤の掌には、濱口の喉仏のごつごつした感触が残っている。
両の掌を見る。泥まみれになって黒くなっていた。
その泥を洗い流すように、次々と雨粒が降り注いできた。
普段どおりの、自分の両手だ。
この手で濱口を殺したのだ。
加藤のすぐそばに、寝ている男がいる。
仰向けに大の字になって、全く動かない。
だが、加藤は違和感を感じた。これは濱口ではない。
服装が違うし、体つきも一回りほど大きい。
ここには自分と、この死体の二人だけだ。濱口の姿は見当たらない。
これは誰だ?
>683
顔を覗き込み、加藤は愕然となった。
「あ・・・・・、あり・・・の・・?」
雨で顔に付いた血が洗い流され、有野の死に顔があらわになった。
左目には、濱口が持っていたアイスピックが突き刺さっていた。
「はあ?何?何だよ、何なんだよ!?死んでんのかよ!?」
なぜ有野がここにいるのか理解できなかった。
「何?何だよ!何で死んでんだよ!?オイ!有野!!」
いくら揺さぶっても有野は起き上がらない。
その顔は、不思議と安らかな表情だった。
>684
考えられることは唯一つ。
──濱口が有野を殺して逃げた。
有野が自分を殴りつけたなど、思いつくはずもなかった。
「有野・・・」
加藤は自責の念にかられた。
離れ離れになるときに、殴ってでも自分から離さなければ良かったのだ。
死んでも有野を守り抜くと誓ったのに、それを果たすことは出来なかった。
加藤の生きる目的は、蝋燭の炎を吹き消すように簡単に消えてなくなってしまった。
「クソ・・・・」
雨がさらに激しく降ってきた。
有野の身体から、固まりきらない血をどんどん洗い流していった。
「濱口、濱口ィ・・・・」
両膝に置いた拳が怒りに震える。
怒りの感情は全身の神経を駆け巡り、震えも全身に伝わった。
「畜生!クソッタレがぁぁぁ─────!!!」
加藤は天を仰ぎ絶叫する。
涙も、怒りも、悲しみも、全て雨が押し流してくれればいい。
加藤の咆哮は暫く止まなかった。
686 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/21 09:27
あげるぞこら
死亡・合体・分離などの表記の【○○○】の中は略さずに書いてくださると
非常に放送でまとめる時にうれしいんですが・・・
すっごい独り善がりなお願いですね
できれば、でいいので
デカイ態度とってすみませんでした
>>624-628 の続き (ちょっとはまぐちぇ借ります、スマソ)
川島のいるエリアを目指して歩き続けて数時間。
道を外れた木々の向こうから微かに聞こえてきた人の泣き声に、柳原はふと足を止めた。
…もしかしたら川島から逃げてきた奴やろか?
物音を立てないように気を使いながら、柳原は人の気配のした方へと進路を変える。
「あれは…濱口…さん?」
えぐえぐと子供のように泣きながら、あてもなく歩き続ける人。
それは柳原と同じ松竹の芸人、そして先輩でもある濱口優だった。
その手には武器らしいモノは何も持っていない。文字通り、無防備そのものの格好で。
濱口が泣いている理由はわからない。
ただ、先ほどラジオで聴いた相方の有野の死が関係している事はあきらかだろうけれど。
まさか、自ら相方を手に掛けてしまったから、とは柳原にも想像できるはずもなく。
「濱口さ………」
とりあえず、挨拶だけはしておこうか。そう柳原が声を張り上げようとした時。
別の箇所から人の喋る声を聞きつけ、柳原はその口を手で塞いだ。
「おい、あそこにいるのよゐこの濱口じゃねぇ?」
「あ、ホントだ。ヒロミくん目が良いねぇ。」
「じゃ、所さん。俺が先に見つけたんで、あれは俺が頂きますよぉ。」
「え……っ?」
TVで聞いた事のある声。
この状況ですら楽しんでいる事が容易に伺えるその声に、声が告げている会話の内容に、
柳原は一瞬寒気をおぼえ、次の瞬間には怒りの感情が一気に高ぶっていく。
その怒りは、彼らと言うよりも、自分自身に向けられていて。
守れなかった。俺は誰も助けられなかった。みんな目の前で死んでいった。
だから、せめて、この人だけは……殺させへんっ!
「うぅぅるぁあああーーっ!!」
絶叫と共に、柳原は闇雲に手持ちの弾を自動小銃でばらまいた。
弾丸が手当たり次第に木の幹を削り、地面で跳ね、激しい音が周囲を包み込む。
銃撃自体はほんの十数秒程度の出来事だったのだが。
弾切れで激しい反動をもたらさなくなった自動小銃に、柳原はしばらくして我に返った。
ずっと声を張り上げっぱなしだったようで、喉の奥が痛い。
明け方の湿った空気で喉を癒やそうと深呼吸を繰り返しながら、木々の隙間から周囲を見渡す。
そこに、濱口の姿はない。そして、ヒロミ達の姿も。
「何やあいつら……人殺しを楽しんでる割に…案外ヘタレやないか。」
弾を使い果たし、ただの金属の塊となった自動小銃を足元に投げ捨てて、柳原は小さく笑った。
どうせ、自分よりも弱いと見繕った奴相手にしか力は振るわないクチなのだろう。
じきにそんなカモはこの島から姿を消す。そうなったら、真っ先に狩られるのはあいつらだ。
「ま、ここはこれでええか……。」
取りあえず、目の前で先輩が死ぬ様を見ずに済んだのだ。それだけでも良しとしなければならない。
もし濱口と会話が出来る状況なら、今まで世話になった全ての礼を言うつもりだった。
それが、たまたまこんな形になっただけ。
あとは濱口の生来の運の強さを信じるしかない。
その場をそっと立ち去り、柳原はまたカードラジオで戦場の状況を聞きつつ歩き出していた。
海沿いの崖の近く。夜明けが近いようで、水平線の向こうが紫色に染まってきている。
こんなに落ち着いた状況で朝を迎えられたのは、景色の事に気を配る余裕があるのは、
この島に運ばれる以前から数えても、本当に久しぶりの事かも知れない。
「決めた……俺、もう誰も殺さへんわ。」
柳原は不意に立ち止まり、ぼんやり日の出を見ながら呟く。
だからと言って、右頬を殴られて左頬を差し出すような真似はするつもりもないけど。
ただ、もう人が死ぬ所を見るのはうんざりだった。
死ぬのも、死なれるのも、殺すのも、殺されるのも。
全てが所詮遠い安全な地での娯楽なのだから。
「川島を殺しても、平井は還って来ぉへん。あいつらを喜ばすだけや。」
……やったら、俺はあいつから平井を取り戻す。
そうや、そうしよう。それでアカンかっても、悔いは残らないはず。
呟いて深く息を吐いた柳原の耳に、それでええんちゃう? そんなのんびりした声が聞こえた気がした。
>>668 長文行きます・・・。
西尾はまるで金縛りにあったようにぴくりとも動けないでいた。
あまりに突然の出来事に対して、どのように対処するべきかわからず、
目の前の男が拳銃を取り出す姿を、ただただ呆然と眺めていた。
カチリ、と撃鉄が起こされる音を聞いて初めて、
ハーケンクロイツの男が自分に向けて拳銃を撃とうとしていること、
自分が死の淵に立たされていることに気が付いた。
しかし今さらどうすることもできない。
西尾は死を覚悟して目を瞑った。
撃つなら早く撃ってくれ!
>692
しかし、西尾の耳に銃声の音は聞こえなかった。
その代わりに、男がこちらへ向かってくる足音が聞こえる。
体中から嫌な汗が吹き出した。
何だろう。奴は一体何をする気なんだろう。
痺れを切らした西尾が恐る恐る目を開けると、
視界に飛び込んできたのは、
ハーケンクロイツの男が嵯峨根の頭に足を掛けて、
彼の頭に突き刺さった矢を抜こうとしている姿だった。
「お、お前何しとるんや・・・?」
西尾が声を振り絞って問い掛けると、その男は
弾がね、残り少ないので無駄使いできなくて、と答えた。
その言葉の意味を西尾は考えた。
つまり、拳銃の弾がもったいないから、ボウガンの矢を再利用すると?
嵯峨根の頭に突き刺さった矢を抜いて、それで自分を殺す気なのか?
なんなんだそれは?この男は、頭がおかしいのか?
西尾は自分の理解を超えた男の行動を、唖然とした表情で眺めていた。
男はうまく力が入らないのか、嫌に矢を抜くことにてこずっている。
―――隙だらけじゃないか。
いったんは死を覚悟した西尾だったが、反撃のチャンスを目の前にして、
生に対する執着心が再び沸き起こってきていた。
何かいい武器さえあれば、この隙に目の前の男を殺すことが出来る。
西尾は周りを見渡した。
目に入ったのは、鉄板とフライパン。
・・・駄目だ!そんなもので反撃できるわけがない。
西尾はマシンガンを奪っておかなかったことを激しく後悔した。
何か、何か他に使えるものは。
西尾は自分がもうひとつ武器を持っていることを思い出した。
それはポケットの中にある小さな小瓶。
Take2深沢が残していった、白い毒薬の粉の入った瓶。
でもこれで、目の前の男を殺すことなど出来るだろうか。
どうすればいい?どうすればいい?どうすればいい?
いくら考えても自分が助かる方法はありそうになかった。
もう嫌だ。逃げたい。駄目だ。逃げたら撃たれる。
いや。逃げなくても撃たれる。死にたくない!イヤだ!イヤだ!
>694
西尾はいちかばちかの賭けに出るしかなかった。
ポケットの小瓶を取り出し、ふたを開け、男に気付かれないように
中の粉をフライパンの魚に振りかけた。
思ったよりも、瓶の中身は少なかった。でも多分、致死量は超えているはずだ。
西尾はハーケンクロイツの男の方に目を戻した。
男は嵯峨根の頭から引き抜いた矢を、ボウガンに装着しているところだった。
大丈夫だ、俺の行動は気付かれてない。
西尾はその男に喋りかけた。
「お、おい。お前、腹減ってへんか?」
男は西尾の顔をきょとんとした表情で見た。
なんとかして、なんとかしてこの男に魚を食べてもらわなければ。
「お、俺も腹減ってんねん。いい感じで魚焼けてるし、
せめて死ぬ前にこれ一口でも食べてから死にたいねん。
絶対、俺逃げへんし。ほんで二匹有るし、
せっかくやからお前も一緒に食べへん?」
我ながら不自然な申し出だと思った。
しかし西尾は少ない可能性に掛けるしかなかったのだ。
目の前の男が少しでも自分に慈悲をかけてくれることに。
西尾はうつむいて祈った。
>695
しばらく間を置いて、
「ありがたく魚はいただくことにします」
という男の返事が聞こえた。
やった!うまくいくかも。西尾は顔を上げてハーケンクロイツの男を見た。
男はゆっくりと自分に近づき、ボウガンを自分の方に向けてこう言った。
「あんたを殺した後でね」
マジかい!?そりゃそうかもなー!
西尾はパニック状態になって思わずその場から駆け出した。
しかし逃げ切れるわけなどない。
数m離れたところで西尾は背後からボウガンの矢の衝撃を受けて倒れた。
思わず胸を押さえる。矢は、背中から胸を貫通していた。
>696
「う、う・・・」
激しい痛みにこらえきれず、うめき声が漏れる。
押さえていた手を見ると、血がべったりと貼り付いていた。
もうだめだ。俺は死ぬんだ・・・。
体を傾けると、ハーケンクロイツの男がぼんやりと
薪を見つめている姿が見えた。
ははは・・・、いい気味や。お前どうせそれ食うんやろ?
食え食え。食って死ね・・・!
自分と嵯峨根を殺した人間が、自分が仕込んだ毒で死ぬ。
そう考えると、自分も嵯峨根も少しは救われる気がした。
薄れ行く意識の中で西尾は、あの男が魚を食べるところまでを
せめて見届けられたら、と思った。
しかしその願いは叶わず、それから数秒後に、西尾の意識は途切れた。
【X-GUN西尾・嵯峨根 死亡】
698 :
85 ◆jy1WXWxQ :02/02/22 03:47
フルネーム補足しておきます。
【X-GUN 西尾季隆 嵯峨根正裕 死亡】
>697
川島は二人の人間を殺したことに何の感動も感じなかった。
しょうもない奴らを殺した喜びよりも、
体のしんどさの方が勝っていたのだ。
彼にとって、この時点での最優先事項は栄養補給だった。
川島は手掴みでフライパンの魚を取ると、それを口へと運んだ。
味はまったくしなかった。川島はただゆっくりと機械的に、
少しずつ魚の身を口に入れ、噛み、飲み込むことを繰り返した。
たった2匹の魚をたいらげるのに、とてつもなく長い時間を要した。
>699
体力が戻ってくるにつれ、川島は自分の中の凶暴性が
激しく増幅されてゆくのを感じた。
先程まで鈍っていた感覚が嘘のようだ。
新たな獲物を狩りたくてたまらない。
川島は興奮を抑えきれず立ち上ると、アーミーナイフで
傍の死体にザクザクとハーケンクロイツを刻んだ。
そしてわけのわからない奇声を発しながら、もと来た道を戻って行った。
一時は持ち歩くのを諦めた斧を再び手に入れるために。
そしてそれで何人もの人間の息の根を止めるために。
川島は知る由もなかった。
既にその時、自分の体の中で死の時限装置が動き始めていたことを。
>>591続き。書いちゃいます。
「田中さんっ!太田さーんっ!」
太田の身体をを運んでいた田中だったが、名前を叫ばれ、足を止めて顔を上げた。
長井と五番六番の猿橋と樋口が、ものすごい勢いで走って来る。
「だっ…大丈夫なんですかっ…!?」
ゼイゼイと息を切らしながらも、とにかく田中と太田の傍らまでたどり着いた。
「大丈夫じゃねぇよ!まず血ィ止めなきゃ…」
そう言っている間にも、太田の傷口を止めていた田中の服が、赤黒く染まっている。
思ったより、傷は深い。
正直、ヤバいんじゃないか?…と。長井は、心のどこかでそう思った。
「あ…じゃぁ服っ」
「俺もっ」
猿橋と樋口が上着を脱いで田中に渡す。
サンキュな、と言ってそれを受け取り、太田の血を止める。
しばらくは大丈夫だろう、と。
しばらくは。
とりあえず移動することにした。
>>701 五番六番の息の合ったコンビネーションで、太田の気絶している身体を岩陰へと運ぶ。
長井は、複雑な気持ちで考えた。
先ほどまでの出来事は、崖の上から全て見た。
そういえば、降りて来るときにチラッと名倉を見かけた。今頃、原田を見つけているだろうか。
「田中さん、原田…さんは死だんですか?」
「…ちゃんと確認してないから知らねぇよ。でも多分、死んだ。…かもしれねぇ」
曖昧な返事だが、そう答えざるを得なかった。
太田を寝っころがらせ、田中はその横に座り、脈を計っている。
大丈夫かな、などと呟いている。
原田の、あの傷じゃ、まず助からないだろう。
チラ、と太田を見る。
…微妙だろう、こっちも。
時間の問題だ。
「ちょっと、覗いてきます」
長井はそう言ったかと思うと、即駆け出して行ってしまった。
>>702 「長井さんっ!?」
猿橋と樋口が口を揃えて叫んだ。
長井は、走りながらこちらを向き、右手をあげて「大丈夫」と、返事をした。
「長井さん、平気ですかね?田中さん…」
…………。
「田中さん?」
「光……?」
静かに、本当に、静かに。
太田は眠った。
【爆笑問題・太田光 死亡】
>>677続き
「ぎゃああああぁ!!」
無様に倒れ、右足をおさえて絶叫するスマイリーの姿を見た瞬間、山崎は覚醒した。
…俺は今、何を考えてた?マジでMになろうとしてたのか?
一瞬前までの自分の思考を思い出し、身震いする。銃声のことは全く頭になかった。
Mなんか良いわけねぇじゃん、変態じゃん。
大体俺、まだ死にたくねぇし。
生き延びるべく、彼は必死に次の事態に備えようとした。
だがダメージは依然として体に蓄積しており、起き上がることもできない。
おぼつかない手つきでポケットから果物ナイフを取り出し、眼前に構えるのがやっとだ。
「誰だぁぁあああぁ!お前がやったのかあぁああ!」
怒りのあまりこめかみの血管が切れて顔から血をしたたらせたスマイリーが
匍匐全身で近付いてきた。ヤバい。今度こそ殺される。
ナイフを闇雲に振り回し、尻餅をついたまま後退しようとしたが、背後の壁に阻まれた。
>>704続き
「くそっ!」
山崎はナイフを投げつけたが、スマイリーは激怒の表情を崩さぬまま、
先ほどのボウガンと同じくあっさりとそれをかわした。
頭は完全にキレてしまっても、体はちゃんと臨戦体勢になっている。
山崎は再び震え上がると同時に、心のどこかで驚嘆していた。
「くぐってきた修羅場の数が違う」の言葉に偽りなしだな、こりゃ。
首を絞めるべく、手をのばしたスマイリーが叫んだ。
「死ねぇえええええええ!」
次の瞬間、
走り寄って来た誰かの足が、スマイリーの首に叩き込まれた。
かつて彼が坂本ちゃんや桧博明にしたのと同じように、
あらぬ角度に首を曲げた状態で、スマイリーキクチは意識を失った。
【スマイリーキクチ 死亡】
706 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/23 01:31
>>701-703 乱入の分際でつまんねー結末書くなよ。太田殺すにしたって
もうちょっとやりようあるだろーが
あ〜あガッカリ。
同意。
せめて最後に太田と田中の会話が欲しかった。
708 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/23 02:52
太田さんと松ちゃんの対決は・・・
>>706 正直、物凄く同意。
でもあんまりこういうこと言っても、ロザソの二の舞になりそうだからこれ以上は言わないどく。
・太田は死亡
・よって松本VS太田はナシ!
未練あってもコレ決定。
その通り。たぶん感想スレで誰かが書いてくれるでしょう。
>>703 の続きっぽく。
ネプチューン原田に斬られ、相方と後輩芸人に見守られ逝く爆問太田。
その姿を、その一部始終を人知れず遠くから眺めていた二人組がいた。
「…ありゃあ、死んだな。」
俄に慌ただしく動き回る田中達の様子を見やりながら、二人組の小柄な方が呟く。
「マジか?」
大柄な方が訊ねると、小柄な方はコクン、と頷いた。
「随分呆気ないんだな。いや、人が死ぬってのはそう言うもんなのかも知れねぇが。」
…まさか、俺らがあいつの死ぬ所を見る羽目になるとはな。
複雑げな表情で呟き、小柄な男、水道橋博士は相方の玉袋筋太郎に気付かれないようにため息を付いた。
運命の神様は、よっぽどあいつらと俺らを絡ませたいらしい。
博士は一人、口に出さずに呟く。
けれど。
俺ら浅草キッドがあいつら爆笑問題の初舞台に立ち会ったのも。
太田の挑発に乗って俺があいつらのオールナイトニッポンに乱入したのも。
正月番組の本番中にあいつらと殴り合ったのも。
こんな結末のための布石なんかじゃないと信じたい。
「あいつら、これからどうするんだろ。」
博士の隣で玉袋が呟いた。
「そんなん俺が知るか。」
博士はぶっきらぼうに答えて、ようやく目の前の景色から背を向けた。
「あの坊やに太田の遺志が継げるとは思えねぇし。」
多分、これは博士の憶測だったが。
太田はダウンタウンの松本を追っていたに違いない。
かの『土下座事件』、
浅草キッドも自著に記したダウンタウンと爆笑問題との間に起こった出来事の。
その屈辱を、恨み辛みを晴らすには、ここはあまりにもうってつけの場だったから。
「ま、あいつらの事は放って置いて。俺らは早いところ殿を捜さないとな。」
「…そうだな。」
多分、軍団の兄さん達が殿をお守りしている事と思うが。
やはり、浅草キッドも一刻も早く殿の元へ馳せ参ぜなければならない。
それがたけし軍団の一員としての使命であり、義務である。
そして博士には少しばかり、殿にお伺いしておきたい事があった。
その為には、やはり無駄に時間を潰している暇はないのだ。
「…でもよ。」
「ん?」
「寂しくなるな。喧嘩相手がいなくなると、さ。」
博士は小さく呟いて、自分の言葉に思わず苦笑した。
それぞれ環境は違っても、同じモノを目指していた同志。
喧嘩と停戦を毎度のように繰り返していた相手。
確執があるという事は、互いに相手を相手として認識している事でもある。
どうでも良い相手なら、こんなに長い間つまらない事を蒸し返したりなんかしない。
「もし、俺らが殿を捜してる途中に松本に会ったら…どうする?」
何かを思いついたのか、不意に博士はそう言うと悪戯小僧の眼差しで玉袋を見上げた。
「ん…どうしようか。」
煮え切らない返答ではあったが、博士の視界の中の玉袋の表情はまんざらでもないようで。
「あいつに一生モノの貸しを付けてやるのも、面白そうだな。」
「…もう死んでるけどな。」
「そりゃそうだ。」
軽妙に会話を交わしながら、博士は自分の希望を玉袋が呑んでくれた事を嬉しく思った。
あとは、運命の神様が殿の前に松本と浅草キッドとを引き合わせてくれる事を、祈るのみである。
複数の人間の足音が聞こえた。
今田耕治はとっさに木陰に身を隠して足音の主を確かめた。
「あ・・・。にいさんや・・・」
そこにいたのは松本人志、木村祐一、ココリコ田中の
三人だった。今田耕治は声をかけようかどうか迷った。
あの三人が自分の敵である可能性は低い。しかし、
先頭を歩く木村祐一は、日本刀を携え、周囲を注意深く
監視し、今にも誰かに襲い掛かりそうな形相をしていた。
「こ・こわ〜」
声を掛けるのはちょっと様子を見てからの方がええかな、
今田はそう考えた。
しかし三人は一体どこへ向かっているのだろう。
今田は三人を尾行することにした。
718 :
書かせてハリガネ:02/02/24 14:16
無言で二人は座っていた。
ちょっと前までたむらを土に埋め終わったところだ。
何かを話そうと大上はしたが、松口のうつろな目をみてためらった。
小一時間ぐらい経った頃だろうか・・・・。
大上はいつも仲良くしていた二人の後輩のことを思い出していた。
「徳井と須知は誰に殺されたんやろ。」
つい声に出してしまった。
ぎろりっと松口ににらみつけられる。
「ごめん。今する話やなかったな。」
「大上。そいつに敵を討つ気はないんか?」
「え?」
「だから、徳井と須知を殺したやつを殺したくないんか?」
その言葉に大上は固まってしまった。
確かに「大上軍団」と称していつもつるんでいた二人だ。
殺したやつが憎いことは憎い。
でも、大上は誰も殺す気が無かった。殺したくなかった。
719 :
書かせてハリガネ:02/02/24 14:19
その表情をみて松口は口を開いた。
「俺は、陣内や小林やたむらや・・・あいつらを殺したやつが憎い。
そやけど、やられっぱなしの俺も憎い」
「そんなん言うたって、誰が殺したかなんてわからんやろ?それに俺はもう人を殺すのはいやや」
「別に殺さんかてええ。」
そういって鞄からバットを取り出した。
「これは俺の私物のバットや。これで暴れまわったろうやないか」
「・・・え?」
「お前悔しないんか?俺ら漫才界の武闘家といわれるんやぞ?そんな俺らが攻めんでどうすんねん?最期ぐらいかっこよく散ろうや」
大上は松口の目を見た。
その目はさっきまでの寂しがり屋の松口やなかった。
舞台の上でハイテンションなユウキロックだった。
「そやな。俺らがいかんと誰が行くねん」
そういって大上は足元の木材を拾った。
「よっしゃ。行くで。」
二人は外へと飛び出していった。
【ハリガネロック・松口 バット所持 大上 木材所持】
720 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/24 20:32
定期的あげ
721 :
名無しさん@お腹いっぱい:02/02/25 21:09
あげ
>>688-691 の続き。
ラジオから告げられる声で、柳原は自分が川島と同じエリアに辿り着いた事を知った。
現在の柳原の立ち位置は見晴らしの良いなだらかな斜面の上。
すぐ側は崖になっていて、その遙か下方に海が広がっている。
激しい波に、海面には白い泡が漂っていて。
「……おった。おったでぇ…オイ。」
降り注いでくる朝日の鋭い光に目を細めながら、柳原は呟く。
岩場に出来た細い道を、どこかよろめくように歩く男の姿。手には大斧や多くの武器を携えている。
あの風体、忘れられるはずもない。間違いなくそれは麒麟の川島である。
「何か…アイツ、前よりヤバくなってへんか?」
ずっと身を苛んできた飢餓感から解放された今。
川島の意識は、狂気は膨張の一途を辿っていた。
瞳孔までも見開かれた瞳。口から漏れる獣じみた叫び声。
かの総統が乗り移ったかのように根拠のない自信に満ちあふれたその姿は、
確かにこの世のモノとは思えないほどに狂的であったが。
同時に、それが元は一介の芸人だったとは思えないほどに痛々しくすらあって。
「…まぁ、ええか。」
自分でも恐ろしく感じるほどに今の柳原は落ち着いていた。
それは舞台に立つ直前の、腹を括った時の感覚に似ているかもしれない。
それに、すぐ側で土田を殺され、その上で相方の死を知らされたあの瞬間。
動揺と狼狽で冷静な判断が何一つ出来なかったあの時とは違う。
柳原はラジオのイヤフォンを外し、いざという時に邪魔になりそうな物を足元に置いた。
ついでに兵隊から奪って羽織ってきた上着を脱ぎ、黒のTシャツ姿になる。
重い装備の詰まった上着から解放された身体は、柳原の想像以上に軽く動く。
一瞬だけ全身に震えが走ったのは冷たい潮風のせいなのか、それともこれが武者震いという奴なのか。
川島は、相変わらずのペースで徐々に柳原の方へと近づいてきている。
「まだや…まだ、早いで……。」
自らに言い聞かせるようにして、柳原は間合いと呼吸とタイミングを計る。
ツッコミだって何だってそう。タイミングがずれたら命取りなのだ。
川島が柳原の姿に気付く、コンマ数秒前。
柳原は自らを鼓舞するように叫び声を上げながら、川島へと突貫を仕掛けた。
思わず海鳥も飛び立ってしまうほどの甲高い絶叫と共に飛び出してきた男。
川島は男の手に武器らしい物が何もない事をすぐに見抜き、斧を水平に構えた。
それでも、男は臆する事なく川島へと近づいてくる。
「死にに来たかぁ…やったら望み通り殺したるわぁ。」
川島は笑って、向かってくる柳原に向けて斧を薙ぐように振るう。
使い慣れた凶器。振り回すのは久々だとはいえ、柄の間合いは身体に染み込んでいる。
手首に手応えが走り、柳原の首が面白いように宙を飛ぶ………
「…………!?」
川島の斧は空を切った。
その視界には、柳原の姿もない。
「消えた!」
「……引っかかりおったなっ!」
足元から声が聞こえ、川島が視線を下に向けると、そこには柳原の姿。
滑り込んでくるような体勢ながら、決意を帯びた漆黒の瞳が川島を睨み上げている。
サッカーのスライディングの要領で、柳原はすんでの所で斧を避けたのだ。
柳原が地面に手をついて起き上がると、ちょうど川島は懐に潜り込まれた格好になって。
「……くっ!」
斧を再び振るうには柳原は川島に近すぎる。
川島は後方に飛び退いて間合いを計ろうとした。
「逃がさへんっ!」
柳原が間合いを詰めたまま川島に手を伸ばす。
胸元に柳原の指先が触れ、川島は心臓を直で触られたかのような悪寒が全身に走るのを感じた。
「私に触れるなっ! 愚民の存在で!」
顔を真っ赤にして怒鳴りながら、川島は空いている左手で柳原を突き飛ばした。
決して柳原も小柄という訳ではないが、約10cmの体格差もあってか容易に引き剥がされてしまう。
しかし、2回転ほど地面の上で転がってから身を起こした柳原は、何故か満足げに笑みを浮かべていた。
その手には、フレームだけになった眼鏡。
川島の衣服の胸ポケットに入っていた、平井の眼鏡が握られていた。
感想・要望スレ2の
>>248 を挟んで。
崖から身を宙に投げ出した瞬間。
眼下の海の鮮やかさを、全身を包む風を、重力の導きを、それに反しようと願う心の声を。
一遍に柳原は感じる事が出来た気がした。
海面に反射する日光の眩しさが、舞台に照明がもたらす光のようで。
思わず目を閉じると、僅かな浮揚感と共に意識が遠くなる。
……これで終わる。何もかも、や。
着水のショックを感じた記憶もないままに。
最後の最期に自分のやるべき事が出来た、どこか満ち足りた気分で。
死に行く者の中では極めて稀な、穏やかな精神状態のまま、柳原は海に飲み込まれていった。
川島は柳原が消えた崖の縁に駆け寄り、下を眺めた。
柳原の姿はそこにはなく、何事もなかったかのように、ただ波が打ち付けてきているだけで。
急に静かになった周囲。その中で、川島の高まった感情は収まらないままだった。
殺し合いの興奮は、次第に怒りへと変容していく。
この高さから飛び降りたのだ。まず柳原は生きてはいないだろう。
生き残ったのは自分。この勝負に勝ったのは間違いなく自分なのだろうが。
…あの男、笑いやがった。
懐に入られ、あまつさえ身体に触られた事も。自分の所持物である眼鏡を奪われた事も。
確かにそれは至上の存在を自認する川島にとっては屈辱であったのだが。
それ以上に、柳原が残した笑みが川島の神経に障っていた。
藤井隆が川島に遊園地に来るよう命じた事。これにはまだどこかで納得できた。
しかし、これだけは流石に許す訳にはいかない。
川島は周囲を見やる。
海辺に降りる事の出来そうな比較的なだらかな斜面を見つけ、そちらに向かって歩き出した。
「あいつ、許さへん…死体見つけたらぶつ切りにして魚の餌にしたるわ……。」
【アメリカザリガニ・柳原哲也 死亡】
729 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/02/28 07:06
age
>>344 福田と別れてからだいぶ歩いた。
ねむい。ねむい。ねむい。ねむい。
ねむい。ねむい。ねむい。ねむい。
これ以上立っていられないほどの眠気に襲われる。
そのとき、右足の先に地面がないことがわかる。
俺、がけから落ちて死ぬんか?
それでも・・・良いや・・・。
コバも死んだし俺、これ以上仲間死ぬん見たない。
落ちながら陣内は意識が遠くなって行くのを感じた。
しかしそれは崖ではなく洞穴だった。
陣内はそこでぐっすり眠りにつく。
>>791 相変わらず松口はハイテンションなままだ。
松口の口車にのせられて暴れるとは言ったものの
よう考えたらバットと棒で何が出来るねん?
相手が飛び道具もってたら一発で死ぬやんけ。
「なー、松口、武器手に入れへんか?」
「武器??武器やったらもってるやん。」
とうとう松口、頭壊れたか。
「そんなバットと棒で何が出来るねん?あほか。
そんなんやったら暴れる前に死んでまうわ」
立ち止まった松口は大量の武器をリュックの中から取り出した。
「お前・・・これ・・・」
「俺がお前がたおれてる間になんにもしてへんとでも思ってたんか?
お前、俺を誰やと思ってるねん?松口祐樹・ユウキロックやぞ。
baseで1番時間の無駄遣いの嫌いな男や」
そう言いながらリュックに武器をしまおうとしたとき
松口の目があるところで止まった。
「・・・・・陣内・・・・!」
(続き)
陣内が洞穴の中で横たわっているのが見えた。
「陣!陣!」呼びかけてみるが返事がない。
陣内の生存を確かめるべく洞穴に入っていく。
「生きてる。」
松口が陣内をゆすると陣内がゆっくり眼を開けた。
「なんや、お前らも死んだんか?一緒に三途の川までいこか」
「何言うとるねん?」
「俺しんだんやろ?」
「生きとるわ!あほか!」
「生きてる?」
良く見るとそこは暗くて汚い洞穴で
つかれのせいか体中がミシミシする。
お腹もすいた。
「お前らも生きとったんか!?」
自分が生きてることを自覚して急に嬉しくなった。
何より信頼できる仲間がいることがうれしかった。
「お腹減ったわー」
何気なくそんな言葉が飛び出した。
こんなときに不謹慎だと言われるだろうか?
しかし「俺も」と笑いながら大上が言った?
「何か食べよ」
すると松口が得意げにリュックの中からいかにも高級そうなハムとパンを取り出した。
俺たちは談笑しながらそれを食べ尽くした。
松口は
「このハム高島屋で1000円で売ってたやつと同じやで。
ただで食べれるなんておとくよな。」
と言っていた。
こんなときにお金の話をするなんて「らしい」なあ。
そのらしさを失ってない2人に出会えたことが本当に嬉しかった。
俺、死ぬんやったらこの2人のために死にたい。
小林君が俺を助けてくれたみたいに。
食べ終わってからこのゲームが始まってからどう過ごしてきたか
お互い報告しあった。
俺は腑に落ちない点がいくつかあった。
まず、俺が気を失ってる間の松口の行動がつかめない。
いつ、どこでどうやって武器や食料を手に入れたのだ?
俺を殴ったやつらはどうなってん?
普段やったら松口は頭の回転も早いし世の中上手く渡り歩くタイプやから
特に気にせえへんかもしれん。
でも首なし猫とたむらの1件が大上を不安にさせる。
陣内はたむらの死亡報告にショックをうけ
そんな事まで気が行ってない様だった。
陣内の報告を受けて松口もショックを受けている。
「菅が・・・」
でも大上はどこか普段の松口とは違うと感じていた。
大上、一抹の不安。
陣内が田村の墓に言ってあやまりたいと言うので
洞穴を出ることにする。
この洞穴人の目から逃れるのは便利やけど外の音が聞こえへん。
つまり放送が聞けないと言うわけ。
それさえなければ最高の場所やのに。
そう思いながら松口は歩いていた。もちろん先頭で。
すると前から人影が歩いてくる。
良く見えないので度付きのサングラスをかける。
「増田(ルート)や」
あいつは敵か・・・?味方か・・・?
一瞬考えたが答えはすぐ出た。
“敵”
増田の手にコバの人形が握られていた。
しかもリュックを3つも持っていてそれを物色しながら歩いているようだ。
2つのリュックには土がついていた。
あいつ、小林とたむらの墓あらしやがった。
そう思った瞬間心の中で誰かが叫んだ。
「殺せ!」
次の瞬間気付くとコバの血がべっとりついた小屋にいた。
状況がいまいちつかめない。 昨日もそうだった。
大上が殴られて・・・あいつらがコバの上に・・・
その後気付いたら大上の看病してた。
俺、まさか、まさか、まさか・・・まさか・・・・・・・・
俺、まさか、まさか、まさか・・・まさか・・・・・・・・
まわりを見渡すと陣内がやけにすっきりした格好をしている。
大上の姿が見当たらない。
「大上は?」
「今、風呂に入ってるんやん、何言ってるん?」
風呂・・・・陣内の様子を見てるともう風呂に入ったようだ。
自分の頭を触ってみると少し湿っている。 俺も風呂はいったんか・・・。
落ちつかない。不安。何かしてないと・・・。タバコ吸う。 それでも考えてしまう。
俺は記憶がない間何してんねん?
大上がなかなか風呂から上がってこない。
「あー!あいつ頭!」
そう、大上は頭を怪我している。
血圧上がって倒れてないと良いんやけど。 風呂場に急行。
俺、なんでかしらんけど風呂場の場所一発でわかる。
やっぱり記憶のない間に風呂はいったんか。
「大上〜!頭大丈夫か?」
ばっと扉を開けると普通に大上がきょとんとした顔で風呂に入ってた。
その顔があまりにアホ顔やったんで心配したんがちょっともったいなくなる。
まあ、大上に何事もなくて良かった。
【陣内・ハリガネ(大上・松口)合体】
『どうもー、ニッポン放送の荘口彰久です。
第14回目放送の今回は、私がアナウンスを担当させていただきます。
では、さっそく』
第11回
>>16 第12回
>>285-286 第13回
>>491-493 >>494以降の
≪死亡者≫
青木さやか/阿部(アップダウン)/竹森(アップダウン)
川島(野性爆弾)/城野(野性爆弾)/和知(プラスドライバー)
角田(プラスドライバー)/大田(プラスドライバー)
林家正楽/林(坂道コロンブス)/エリ(胡蝶蘭)/あべこ(胡蝶蘭)
原田(ネプチューン)/斉木しげる/梅垣(WAHAHA本舗)
桂歌丸/笑福亭鶴瓶/天野(キャイーン)/ハイヒールリンゴ
あした順子(あした順子・ひろし)/あしたひろし(あした順子・ひろし)
矢部太郎(カラテカ)/桧博明/有野晋哉(よゐこ)
西尾(×−GUN)/嵯峨根(×−GUN)/太田(爆笑問題)
スマイリーキクチ/柳原(アメリカザリガニ)
『すごいですねー今回は。
ネプチューンの原田さんに、爆笑問題の太田さん…
うーん、色んな意味で惜しい人材が“無くなりました”ね。
それと、地味〜に大御所芸人が何人か死んでいったというのも気になります。
それと何か本部で色々とゴタゴタがあったみたいですけど……あ、言っちゃダメ?
失礼しました。
それでは、みなさん頑張って殺しあってください。
では。ニッポン放送荘口彰久でした』
>>675の続き
「小木さん!!」
そう呼びかけた頃には、小木の後姿はもう見えなくなっていた。
遠のいていく足音と飯塚の声とが廊下に谺し、やがて消えた。
「…どうしよう…どうしよう!なあ!!」
飯塚は涙目になりながら豊本の腕を引っ張った。しかし
豊本は小木の去った方向を凝視したまま動かない。
しばらくの沈黙の後、やっと豊本が口を開いた。
「……飯塚さん」
「何だよ!」
その視線は動かずに、言葉だけが続く。
「燃えてますよね、この建物」
とっさに飯塚は豊本の顔の向く方に目をやった。
薄く白い煙が、こちらに迫ってきているのが見えた。
体中を戦慄が襲った。
>>741の続き
出し抜けに、窓の外から叫び声が聞こえた。
「何してんだ!!」
今立だった。もの凄い剣幕で呼びかける声が付近一帯に響き渡る。
「聞いてんのか!?おい!早く逃げろ!!」
「……」
豊本は少しの間黙っていた。が、
心を落ち着けるように息を吸い直し返事をした。
それは今立の怪訝な顔をたちまち硬直させた。
「小木さんを追う。だから、先逃げてて」
「………は…?」
今立は焦った。
できることなら、いつもの悪い冗談だと思いたかった。
「…何言ってんだよ!?死ぬぞ!!おい!!」
今までのように、すぐに笑顔で誤魔化してくれればいい。心からそう願った。
だが、返ってきたのは
それまで聞いたこともないような、怒声に近い大声だった。
「いいから逃げろって!!!」
>>742の続き
思いがけない気迫に戸惑う暇もなく、今立は豊本の決意を悟った。
豊本の腹の中で静かに煮えたぎる、底知れぬ怒りの存在に気付いた。
それは飯塚も同様だった。
「……分かったよ」
一瞬、腑に落ちない表情を見せたものの
今立はすぐに体を半回転させて、谷井と小林の元へと消えていった。
息苦しい風が、豊本の長い前髪を揺らした。
豊本は小さなため息をついた。
らしくない大声を出してしまったことに妙な照れ臭さを覚えつつ、
隣に立つ飯塚の顔を見る。
「どうします?一緒に来ますか?」
飯塚は少し迷ったが、はっきりと言った。
「…行く」
「じゃ、急ぎましょう」
飯塚が黙って頷いたのを確認し、豊本は煙の中へ駆け出した。
あとに残された片桐の死体をちらりと見てから、
飯塚もその後に続いた。
>>743の続き
受付のカウンターの前で、小木と矢作は対峙していた。
「どういうことだよ」
音もなくじわじわと近づく熱気が、背中に汗を滴らせた。
漂う煙は徐々に空間を埋めていこうとしていた。
「言ったとおりだよ」
動揺を隠せない小木とは対照的に、矢作は平然としていた。
「お前らをここで殺して、この病院を爆破する」
そう言って矢作が取り出したのは、水鉄砲ではなく本物の拳銃だった。
「…それ……!」
「まずはお前からだ」
有無を言わさず狙いを定める。
その時、駆けつけた豊本と飯塚の声がした。
「矢作さん!」
二人の息はまだ荒かった。
矢作は体勢を崩さないまま振り向いた。
「来たな」
能面のような表情のない顔が、二人の目に焼きついた。
遠くで、水滴が落ちる音がした。
>>744の続き
「妙な仲間意識持ってるお前らなら来ると思ってた。計算通りだな。
これで一気にまとめて殺せるよ。
対抗するような武器も度胸も、お前らにないことは分かってるから」
矢作の顔にしたたかな薄笑いが浮かぶ。しかし、
その笑みの奥には強い劣等感が見え隠れしていた。
薄汚れた鼠のようなどこか卑屈な態度に触発され、
豊本は平常心を保ち続けることを忘れかけていた。
矢作がひとりでこんな計画を立て、実行できるとは思えない。
何か後ろ盾があるはずだ。そう考えると余計に憎悪がつのった。
苛立ちを抑えきれず、豊本は矢作を睨みつけた。
「……誰に頼まれたんすか…」
矢作の反応はない。
豊本はついに逆上して怒鳴った。
「こんなこと誰に頼まれたって聞いてるんですよ!!」
数秒の空白の後だった。
返ってきた言葉に、三人は耳を疑った。
「マスノとヒムケンだよ」
嫌というほど体に迫っていた熱の感覚が消えた。
背筋を悪寒が走った。
>>745の続き
「な……」
唖然とする三人を見て、矢作は目を伏せた。
「…森の中歩いてたら、ちょうど二人が殺しやってる所に出くわしたんだ」
矢作の脳裏に、ズタズタになったあべこの死体が蘇る。
逃げられるものなら逃げたかった。
が、矢作の両足は鉄のように硬くなっていた。
立ち尽くす矢作にマスノが突きつけたのは
ひとつの交換条件と、それを果たすための拳銃。
唯一の武器が水鉄砲という矢作に、抵抗する術などなかった。
言われるままに、冷笑を浮かべるマスノの手を取った。
「死にたくねえんだよ、俺は」
「……そんな…」
三人は愕然とした。
先ほどマスノたちと交わした和やかな会話が、一瞬にして暗転した。
『マスノくんの言ってた、やり残してることって何だろうね』
小木が何の気なしに言ったその言葉が、
今になって恐ろしい重みを持ち、頭に反響する。
「やり残してたことって…俺らを殺すこと……?」
>>746の続き
「なんでだよ…」
小木は拳を握り締め、小刻みに震えていた。
悲痛な叫びが響いた。
「なんでだよ!お前の武器は水鉄砲だったじゃん!
なんでそれ持ってて火つけたりしたんだよ!!
なんで…それで火を消すことを考えてくれなかったんだ!!」
絶望でその目には涙が浮かんでいた。だが、そんな小木に
矢作は冷たく言い放った。
「甘えたこと言ってんじゃねえよ」
先ほどの卑しい表情が、自虐的な笑いに変わった。
矢作の目の前で、児島は大久保に殺された。
再び自分を撃とうとした大久保から必死に逃げ回ること数分、
背後のドサッという音に振り向くと、そこには落とし穴があった。
落とし穴を覗き込んだ眼に、助けを求める大久保の姿が映る。
『お願い、助けて!…さっきは悪かったと思ってるから、お願い』
プライドをかなぐり捨て、今の今まで殺そうとしていた後輩に懇願する大久保。
しかし、矢作は”それ”を一日かかって生き埋めにした。
>>747の続き
自分を撃とうとした人物を信じることなんてできない。
いや、違う。
殺し合いのゲームで、誰かを信じることなんてできない。
心の中で何かが弾けた。
矢作はそれから、ずっと独りで逃げながら生き延びてきていた。
「俺はこれからも生きる」
大久保に撃たれた右脚を擦り、銃を構え直す。
「助かるためには強い奴の言うこと聞くしかねえんだよ!
殺さなきゃ殺されるんだ!!」
矢作はそう叫んで、引き金を引こうとした。
ところが、小木を狙ったはずの銃口がほんの少しずれた。
その先にいたのは、豊本。
”撃たれる”
豊本の頭の中に確信に近い予感が閃いた瞬間だった。
目の前を黒い影が横切った。銃声と共に、影は倒れた。
豊本は目を剥いた。
飯塚だった。
(続く)
【児島一哉(アンジャッシュ)・大久保佳代子(オアシズ) 死亡】
>>722-728 の続き
崖の上から斜面を伝って海岸に降りてきた川島は、ずっと血眼になって柳原の死体を捜していた。
柳原が消えた辺りは潮の流れが速いのか、それとも以外と深かったのか。
川島にはその付近で柳原の死体を探し出す事は出来なかった。
自分を馬鹿にした男にそれ相応の報復が出来なかった事に、川島は一度は落胆したが。
…もしかしたら、余所の場所に打ち上げられているかも知れない。
そう考え直した川島は、海沿いの足場の悪い中をゆっくりと歩いていたのだった。
島を4分の1ほど巡っただろうか。日はすでにかなり傾いてきている。
大きい岩を乗り越えて、その先へ向かおうとした時。
川島は不意に眩暈と共に酷い嘔吐感に襲われた。
「何……や?」
数秒の空白の時間の後に。
フッと川島に意識が戻ると、川島は冷たい水の中に倒れていた。
どうやら身体を支える事が出来ずに、岩から足を踏み外したらしい。
しかも転がり落ちる時に岩に額をぶつけたようで、傷口に海水が滲みてやけに痛む。
「畜生。」
急いで海から陸側に戻り、川島は呟く。
痛みのお陰で眩暈や嘔吐感は多少薄れたようだったが、
海に落ちたショックで手放してしまったようで、大斧が見あたらない。
かといって冷たい海に入って捜す気にもなれず、川島は再び、憎しみを込めて呟いた。
「…あの男のせいや。」
空が青いのも、ポストが赤いのも。
自分がこうして濡れ鼠になってしまっているのも。
全ては自分を馬鹿にした黒髪黒目のあの男のせいだ。川島にはそう思えていた。
とはいえ、このまま延々と夕日に照らされている訳にも行かない。
川島は苛立ちを露わに、浜辺へと足を進めていた。
波が打ち付けては返す中、砂には無数の足跡や血の飛び散った痕が残っている。
その上を、川島は何の感慨もなく踏みつけて歩いていた。
川島の進む遙か遠くの方に、港の様な施設の姿が見える。
そこでは軍艦とおぼしい大型の船舶が停泊していた。
ちなみにこれは川島の知る由もない事であるが、その船は、このゲームの勝者と
ゲームの運営に関わった人物を乗せて帰るために準備された物である。
突如、船舶の周囲で灯される明かりが川島の視界の中で大きく歪んだ。
「糞っ……。」
吐き捨てるように呟いて、川島は視界が元に戻るまで浜辺にしゃがみ込む。
相変わらず、川島の身体はどうにも不調だった。
何度も何度も酷い眩暈や嘔吐感を催し、腹も下り気味で。
川島も最初こそは、久々に食事をしたせいで胃が受け付けないだけだろうと思っていた。
しかしここまで不調が長い間続くと、さすがにそれだけのせいとは思えなかった。
「これも全て悪いのは………ん?」
気分が悪くなる度に呪詛のように呟いている言葉を、今回も繰り返そうとした時。
川島は、波打ち際で何かが輝いている事に気付いた。
ゆっくりと顔をそちらに向けると、長細い金属の塊が浜辺に打ち上げられているようで。
砂の上を這って移動し、川島は金属の塊の側に行き着くとそれを手に取った。
金属の塊は、見たところ日本刀のようだった。
刃こぼれ一つ見られない綺麗な刀身に思わず川島が見とれていると、
川島は身体を蝕む不快感が不思議と薄れていくのを感じた。
『…………殺せ。』
「当然や。私は…他の愚鈍な連中とは違う。」
耳元で聞こえたような声に微笑んで答えると、川島はゆっくりと立ち上がる。
もう眩暈も何も感じない。わかるのは、身体の奥底から沸き上がる純粋な殺意。
柳原の事など、川島の頭からはさっぱり抜けてなくなっていた。
抜き身の刀を携えて、川島は海辺から島の中央に向かって歩き出す。
残り少ない命を全て村正の刃に預けて。
>>509 1回自殺してみたのだが。
助かってしまったからには何とか続けてやる、と思って。
できればでいいが、誰かの為にでも。
500mlのペットボトル。
「水」と書かれたラベルと、中には薄紫色をした液体。
容器の口を、しっかりと閉めた。
「ったく、壊れてるんじゃ仕方ないよなー…」
民家にあった、壊れた炊飯器を見つめる。
深沢は、苦笑いと溜め息をこぼした。
米を研いでいたら出てきた薄紫の液体。
色と、匂いと、プロじゃないからよく解らなかったが、それを「毒物」と判断した。
試験的に、あくまで試験的に。
たまたま通りかかった猫(昔飼われていたのだろうか?)にあたえてみたら、案の定。
苦しそうにうめいた後、ピクリとも動かなくなってしまった。
「コレ…ヤバイな…」
とりあえず、持つことにした。
とりあえず、一応。
>>754 「痛っ…」
ときたま、体を激痛が走る。
俺の体ってヤバイっぽいんじゃないのか?
なんて考えてもみるのだが。
結局「大丈夫だろう」ということになる。
どーだか。
やっぱり、よくわからない。
「でも死にゃしないだろう…にしても痛いのは不利だよなぁ」
人間1人になると、ホント独り言が多くなるんだなぁ…と、ついでに思ってみた。
自分の体を見下ろす。
包帯。
目覚めたときはグルグル巻き状態だったが、少し大袈裟だったみたいで。
巻き直してみたら、怪我の面積はさほど広くはないことを知った。
ついでだが、顔にはガーゼ。
…たけしが手当てをしてくれたんだろうか?
正直どーでもいいコトだが。
>>755 それよりも。
──妖刀村正ってのはなー。特定の標的を殺したらもう制御がきかなくなるんだよ
去り際に、たけしが言った言葉。
「何だつまり…泰造が太田を殺したら、完璧に殺人鬼みたくなっちまうわけか?」
つまりヤバイってことか。ヤバイのは泰造でなく村正なのだが。
何だか知らないが、嫌な予感がする。
胸騒ぎってヤツか。
もう1度、頭の中で整理をしてみた。
太田を追っている泰造が持つのが、村正。
泰造を追っている潤が持つのが、俺が持っていた正宗。
深沢は、傍らに置いてある手斧を取ってみた。
──そいつはお前の相方は使わずじまいだった武器だがな
これも、たけし。
「んー……。さて、行くか」
深沢はサックと手斧を持って、民家を後にした。
『泰造と潤、もう1度探すか』
それからしばらくして、放送にて原田と太田の死を知ることになるのだが。
757 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/03 08:48
安芸
>>1スレのどっかの続き≪ビビる大内編≫
このまま餓死するのも、別に悪くないな。
とかいってもこの体、なかなか死んでくれないんだよな。
今日の太陽も傾き始め、日の光で顔がオレンジ色に染まっている。
自分で自分の顔は見えないが、多分そうだろう。
しばらく何も食べてないんで、貧相な顔が痩せてよけい貧相になっている気がする。
ついでに、ホコリだ泥だカサブタだ何だで、服や体が汚いし砂っぽい。
あー、何となくみじめだなぁ…。
大内は、そんな事を思っていた。
洞穴。
程好い湿気と、湧き水。
深くもなく、狭くもなく。
所々に生えているコケ。
休むには、適当な場所だろう。
そう思って、ちょっとのつもりが、ずっとこの場を離れていない。
というか、動いていない。
こんな所でも、太陽の光って入ってくるんだなー。
と、地面に座りながら壁に寄り掛かって、無気力に思った。
>>758 あれから、何日か経っているんだろう。
面倒臭いので、今日がいつなのかを数えるのはやめた。
このままこうしていれば、痛くも恐くもなく死ねるだろう。
格好良くはない。が、他の誰かを殺す気も、誰かに殺されるのも嫌だ。
俺にとってコレが、一番無難なんだろう。
…誰も信用できないしな。
一番安心できそうな人に殺されそうになったんだ。
堀内さん、恐かったな。
あの目は、ヤバかった。
人を殺す事を「楽しい」と、思い始めてきたのだろうか。漫画やドラマみたいに。
でも、何処か悲しそうな目だった。気のせいだろうか。
…もうどーでもいいか。
あの人は死んだらしい。
>>759 俺もこのまま死ぬか。
「………おやすみ…」
大内は、目を閉じた。
──。
…ここは?
あ、お台場じゃん。
何で?仕事中だったっけ。
何か悪い夢でも見ていた気分だ。
あそこ走ってんの大木じゃねーか。
何だよ、トイレに駆け込むなっての。
あ。
ネプチューんさん。
原田さんと名倉さんと、…堀内さん。
何となく、見たくない顔だ。そんな気がするのは何でだろうか。
てゆーか、あっちは平気で話しかけてきたし。
じゃぁ俺の気のせいか。
何も気にすること無いのか。
普段どうりにしてりゃいいのか。
『あ、どうも……』
──。
>>760 まだ俺は死んでない。
なんのこっちゃ。
「……どんな夢だっつーの」
無意味な夢は見ないようにしましょう。
「平和だな、俺…」
762 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/05 02:29
age
763 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/07 06:39
保全age
764 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/07 06:42
これは終わる予定があるのでしょうか…素朴な疑問。
765 :
名無しさん@お腹いっぱい:02/03/07 19:44
age
>764
三国志バトルロワイアル(第一回)は五百人くらい登場人物がでたけど
無事完結。
西川きよし「コレは…!」
あてもなくさまよっていたきよしが見つけたのは、
見覚えのあるメガネと青いジャケットだった。
きよし「まさか…まさかアイツが…」
???「よう!キー坊やないか!」
ここももう終りだね。ロザン菅の死に方とか問題あったけど、
爆笑太田の死なせ方のまずさで完全に廃墟化が始まってしまった。
終了でいいんじゃない?
============終了===============
こんな空気の中、あえて続行してみるテスト。
>685つづき
有野の遺体は体温を失い、単なる冷えきった人形になってしまった。
加藤は有野の顔からアイスピックを抜き取ってやり、
鳥に啄ばまれないように茂みの中に遺体を運び終えた。
「クソが・・・」
気を失っていた時間を差し引けば、全てが終わるまでに5分もかかっていない。
生きている者の方が大事だ、と言ったものの、その大事なものはもういない。
俺は、何をすればいい・・・?
>769
喘息の発作で倒れたときに散らばったロケット砲の弾がそのままになっている。
武器は十分すぎるものがある。
生き残るために他の人間を殺せばいいのか?
でも生き残ったところでどうなる?
死体の山の上に築いた命にどれ程の価値がある?
俺は何のために生きればいい?
妻と生まれたばかりの我が子のことを想った。
そうだ、愛する家族のために生還しなければならない。
だが生還しても、血で汚れた手で我が子を抱いてやることができるだろうか?
他人の命を奪った身で、人を愛することが許されるのか?
この自問自答はいつまでたっても終わりそうにない。
その顔に狂犬と呼ばれた面影はなくなっていた。
771 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/10 01:44
保全age
age
保守。
774 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/14 18:44
作家の人達がんがれage
775 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/14 18:47
/∵∴∵∴\
/∵∴∵∴∵∴\
/∵∴ /\‖/ヽ|
|∵/ ┰ ┰ |
(6 、_| | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| \ 、、、、、、、、、〉 <俺が一番に決ってる。
\ /二二// \_________________
\ 丶丶/
>>748の続き
豊本は茫然としていた。
目の前で倒れた影が、紛れもない自分の相方だと理解するまでに
かなりの時間を要した気がした。
「ト…ヨ……」
自分を呼ぶ掠れ声。それは今まで
何度となく左耳に飛び込んできていた声。
たった今床に崩れ落ちたのは他でもない、
いつも隣にいて、事あるごとに自分を容赦なく叩いていた男だった。
「……飯塚さん…」
「飯塚さん!!」
我に返り、しゃがみ込んで飯塚の頭を抱え上げた。
丸く赤い穴のあいた胸元を見て、豊本は青ざめた。
「……ごめんな…」
「え…?」
息も絶え絶えに、飯塚は豊本の顔を見上げて言った。
「俺、ずっと後悔してたんだ…混乱してお前を殺そうとしたこと」
「……」
豊本はサバイバルナイフを手に襲い掛かってきた飯塚の涙を思い出した。
>>776の続き
あの涙は、てっきり見えない恐怖に対するものだと思っていた。
しかし今思うと、飯塚が一番猜疑心を抱いていたのは
もしかして飯塚自身に対してだったのかもしれない。
そんなことを考えている場合ではないのに、豊本の頭の片隅では
その時の光景が繰り返し回り続けていた。
「しっかりして下さい!」
膝の上に横たわらせた身体からは、確実に力が抜けていく。
げほっという苦しげな声が聞こえると同時に、
吐血が飯塚の服を赤く染めた。
「もう、やばいわ俺……」
「…何言ってんですか!」
必死に肩を揺らしても、飯塚の反応は遠くなるばかり。
薄く開いた眼は、自分の姿をしっかりと捕らえているとも思えなかった。
「単独……もう一回ぐらい、やりたかったな…」
徐々に弱くなっていく呼吸の音。
豊本は思わず声を張り上げた。
「……やりましょうよ!!」
そう言って、
浅黒い飯塚の手を力いっぱい握り締める。
>>777の続き
「またどっかの劇場借りて、
脚本書いて、フライヤー作って、映像作って、稽古して…っ」
それ以上は続けられなかった。横隔膜が思い切り跳ねたのだ。
それでも、豊本は必死で堪えていた。
滲みそうになる涙をこらえていた。
ここで泣いてしまったら、目の前の現実を受け入れることになる。
今自分が言っていることがすべて、嘘になる。
血にまみれた飯塚の口の端が少し持ち上がり、
精一杯の微笑をつくった。
「………よかった…断られなくて」
程なくしてその意味を理解した豊本は、堪えきれずに泣き出した。
初めての単独ライブ、最終日のエンドトークで
「またやろうよ」と誘われ、冗談で返事を濁したことを
飯塚は心の底で密かに根にもっていたのだった。
>>778の続き
こんなことになるなら、ちゃんと返事をしておけばよかった。
こんなことになるなら。
「いいづか…さん…っ」
呼びかけた先にある潤んだ瞳は、言葉にならない言葉を語っていた。
”最後の最後まで敬語かよ”
その瞼は間もなく閉じて、それきり二度と開くことはなかった。
>>779の続き
「う…あああ───っ!!」
擦過音にはっとして豊本は振り向いた。
矢作がその場にへたり込んでいるのが見えた。
矢作は拳銃を使ったことがなかった。ましてや、それで人を殺したことも。
体中が痺れるような衝撃と予想以上の轟音にすっかり気が動転して
矢作は腰を抜かしていた。
あまりの態度の豹変振りに、小木は驚いて矢作を見た。
「…矢作…?」
「……し…死ね!死ね!死ねったら!」
矢作の怯えた目が鈍く光った。
一向に照準の合わない拳銃を握る手はカタカタと震え、
すっかり血の気が引いている。
まるで何かに急き立てられるように次々に発射される弾丸。
しかし、それらはどれも標的を大きく反れて
天井や壁に穴を空けるだけだった。
「…………」
小木の顔に憐れみの表情が浮かんだ。
それと同時に、小木はひとつの決意をした。
>>780の続き
小木はゆっくりと矢作に近づいた。
錯乱し、引き金を引き続ける矢作。
「来るな!!来るなあああ!!!」
やみくもに放たれる銃弾のひとつが肩を貫き、
勢いよく血が噴き出す。
それでも小木はかまわず歩み寄った。
殺人ゲームという狂気じみた状況に追い詰められて、
弱さを露呈した矢作を誰が責められるだろう。
自分が平常心を保っていられたのは
奇跡的に仲間と出会うことができたからであって、
もしあのまま独りで森をさまよっていたら
自分も矢作のようになっていたかもしれないのだ。
小木の中にあったのは、矢作をひとりにしてしまったことへの罪悪感と
それを償うための小木なりの手段だった。
心は既に決まっていた。
なおも引き金を引こうとする筋張った手を包み込むように握り、
小木は矢作のからだを抱き締めた。
>>781の続き
「…え…」
震える背中をさする暖かい腕。
「怖がんなくていいよ。俺はここにいるから」
そう言って矢作の肩口に顔を伏せ、小木は歌い始めた。
When the night has come and the land is dark
And the Moon is the only light we'll see
それはある持ちネタの中で使った曲だった。
「……」
跡がつくほど強く心を縛り付けていた糸がふっと切れた気がした。
矢作の眼から涙が滴り落ちた。
背中から浸透する体温に、
こわばった体がだんだん柔らかくなっていく。
息苦しさに時折声を詰まらせながらも
気がつくと矢作は歌の続きを口ずさんでいた。
No I won't be afraid, no I won't be afraid
Just as long as you stand, stand by me
So, darling, darling...
>>782の続き
コントの中で歌っていた歌を、
まさかこんな場面で再現することになるなんて。
ライブの舞台の上と、もはや煙の充満した空間の中。
二つの対比がどこかおかしくて、悲しくて、
矢作はとめどなく涙を流し続けた。
何を迷うことがあったんだろう。
信頼できる相方と仲間がいると解っていたはずなのに、
どこで歯車が狂ってしまったんだろうか。
心も体も傷つき荒んでしまった自分を責めると共に、矢作は
そんな自分を受け入れてくれた小木の優しさに激しく胸を打たれていた。
できるならこの相方とふたりで、もう一度舞台に立ちたい。
切実にそう思った。
「stand by me…」
歌が終わり、矢作は小さな声で言った。
「…小木」
「ありがとう」
それを聞いて小木は微笑を浮かべた。
行動に移る時がきた、と思った。
>>783の続き
おもむろに、小木は握り締めた拳銃の握られた手を
そのまま矢作の側頭部に向けた。
「……あ…!?」
銃口を突きつけられ、目を白黒させる矢作の耳元で
静かに囁く声がする。
「アイラブ矢作、だもんな。」
その次の銃声はもう聞こえなかった。
小木の腕の中で、矢作は事切れた。
そして、矢作が動かなくなったことを確認した小木は
今度は自分の額に銃口を向けた。
気付いた豊本が止めようとしたが、遅かった。
>>784の続き
二人は重なり合うようにして床に倒れた。
「ごめん、豊本」という微かな声が聞こえ、
そこら中の煤が一斉に舞った。
これが自分の出した結論。相方を救うただ一つの方法。
エゴイストでいい、どうしても殺したかった。
矢作を。
自分を。
薄れ行く小木の意識を、最後の思考の流動が過ぎ去っていった。
『夜が垂れ込めあたりが暗くなって
月の光だけが輝いていても
僕はちっとも怖くなんか無いよ
君がそばに寄り添ってくれるだけで
強くなれるんだ だからダーリン
いつもいつも僕の傍にいておくれ』
>>785の続き
倒れた衝撃でも、奇跡的にズレないまま固定された小木の眼鏡が
一瞬、光った。まるで
豊本の背後に迫る火の手の存在を知らせるように。
「……っ!」
既に煙臭くなった腕で顔を拭い、豊本は走り出した。
目にしみる煙と込み上げる激情で涙が止まらない。
それでも、立ちはだかる白く形のない壁を掻き分けて
豊本はひたすら出口を探した。
その唇は、呪文のように独り言を言い続けていた。
”お笑いバトルロワイヤル”って何だろう。
お笑い芸人として参加したい。極限状態だって笑って迎えたい。
そう思っていたけれど、
飯塚さんも、
矢作さんも、
小木さんも、
みんな死んでしまった。
俺だけが生き残った。
──こんなの、笑えない。
>>786の続き
追い立てられるようにして、扉にしがみつく。
外側から何らかによって固定され、開かないドアに業を煮やし
豊本は大きめの窓をこじ開けて外に飛び出した。
硬い地面に着地した瞬間、伝わった足の痛みに
自分が生きていることをふと実感しつつ、豊本はなおも走った。
嫌というほどまとわりついていた熱からやっとのことで背中を解放され、
荒らいだ息を整える。
澄んだ空気を思い切り吸いながら、
豊本は自分の言ったことばを反芻していた。
『いいですか?”負けないこと”イコール”戦わないこと”なんです。』
胸の中で、何かが揺らぎ始めているのを感じた。
(続く)
【飯塚悟志(アルファルファ)
小木博明・矢作兼(おぎやはぎ) 死亡】
>>761糞文。
カロリーが足りない。
でも、考えることくらいは出来る。
何だか、吐き気がする。
しかし自分は、このままいつか死ぬ。
だから、体調が云々なんてどーでもいいのだ。
気持ち悪い。
気分が良くない。
この状態は辛い。
…治したい。
今、そんなことを思うなんて。
さっき、死ぬだとか言っていた奴の考えだろうか。
哀れ自分の『意思』というモノはまだまだのようである。
なんでだ。
辛いのは嫌か?
そんなことはない。
今まで、空腹を何のことなしに乗り越えてきていたじゃないか、自分。
俺は死ぬつもりなんだよ。このまま死ぬ気なんだよ。
>>789 消化する物が無くなり、仕事の無くなった胃液が、喉のあたりまで染みているのだろう。
コレが吐き気の原因だろう。口の中が苦い。
この島に来てから、自分の健康状態の基準はかなり変わった感じがする。変に丈夫になっていると思う。
でも今の自分は、かなり死に近いところにいる。
あと一歩踏み込めば、死ねるはず。そして一歩退けば、…生きることができる。多分。
そもそも自分は何故「死」を思うようになったのか。
大内は、虚ろな頭で考えた。
それは、単純に“生きててもしょうがない”と思ったからである。
何故、生きるのか。
何故、人を殺さなくてはいけないのか。
何故、笑顔で人を殺せるのか。
死んでしまったら、もう何もないのに。
笑うことも泣くことも怒ることも、人を笑わせることも。
おかしい。
大内は、自分の考えの矛盾に気付いた。
>>790 自分の死を望んでいながら、死を哀れみ、殺人を非難する。
結局自分は、あの状況で1人だけ取り残された事で弱気になっていたのである。
あるいは、自己中心的。
「……フ」
自嘲気味に、大内は笑った。
勿体無い。せっかく助かった命。
有効利用しないでどーする。
それに、俺にでもできることはあるはずだ。
「…腹」
…が減った。
たいして思い悩んだワケではないのだが、何となく吹っ切れた感じがした。
久しぶりに腰をあげる。足がフラフラした。
「腹減った…」
この非常なまでの空腹をどうにかしたい。
そう思って、洞穴を出た。久しぶりに。
歩く力はわずかながら残っているようである。
外は薄暗い。夜が近いのか。
生の空気が美味しかった(空腹は満たされないが)。
まさに「生きてるって素晴らしい」である。
「恥ず…」
大内は「無駄に死んではいけない」と思った。
まだ続いてたんだね、コレ。
おぎやはぎ感動しました。
795 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/17 11:07
期待保守age
796 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/03/20 01:52
期待保守age
797 :
書いていいですか:02/03/21 03:06
こんな空気ですが松口・大上・陣内借ります。
>>738
「なぁ…どうする?」
「せやなぁ」
煙草を燻らしながら、大上、松口、陣内の3人はこの会話を何度も繰り返した。
小屋では、松口の煙草の煙に混じって、コバの血の香りが残る。
陣内はそれに極力目を向けないようにした。
その陣内の視線の先に小さな窓がある。
コバと、この小屋に来たとき何気なく、
扉から逃げられなくてもあの窓なら逃げれるな、と思った窓だ。
その窓に黒い人影が過った―気がした。
気のせいや。
気のせい―?
―気のせいであってくれ―
「陣内?」
大上が顔を覗かせた。
唇を振るわせながら陣内の見る視線の先の小窓を見る。また陣内に振り返る。
「何か、おったか」
松口が陣内に問う。
「気のせいやと思う」
陣内は即座に答える。しかし、それは陣内自身の願望に過ぎない。
798 :
書いていいですか:02/03/21 03:10
>>797
目が疲れてるんかもしれん。
せや、俺、目悪いし。
そう思いこんだ瞬間に、次はゆっくりと移動するソレを見つけた。
「あかん!誰かおる!!」
先にそう言ったのは大上だった。
「アホか!デカイ声出すなやボケ!」
松口が小声で怒鳴る。
陣内は―唯、震えるだけだった。
コバが死んだときのことがフラッシュバックする。
その映像のコバヤシが、頭の中で自分に摩り替わる。
前向きに進もうと思ったのに、頭の中では切りかえられて無いようで。
大上の服の裾を少し、握った。
松口がドアの鍵をかける。
それとほぼ同時、ドンドンと強く扉を叩く音がした。
ドンドン、ドンドン。
名乗る気配も入ってくる気配も、今のところ、ない。
799 :
書いていいですか:02/03/21 03:11
>>798 「あの窓から逃げよか」
大上が提案する。
幸い全員細身で、その窓から十分抜け出せそうだった。
「そやな。」
陣内が頷き、立ちあがった。大上も次いで立ちあがる。
ただ、松口だけは座り込んだままだった。
「松口、行くで」
大上はまた心配になった。しかし自分には逆らわずに今まで着いてきたのだ。
が、腕をひっぱっても松口は立とうとしない。
ドンドン。
音は一向に止まない。
ドンドン。
「信用できるやつかもわからんやん」
ドンドン。
「陣内先行け。俺、松口説得するから。」
「―嫌や!!」
陣内は自分の声に一瞬にしてどっと冷や汗をかいた。
自分の声は想像以上に大きかった。
『―陣内?』
ドアの向こうの人物が、そう応え、ドアを叩くのを止めた。
誰の目にも付かない、川の上流の大木に隠れた洞窟の奥。
レギュラーの松本はゲームが始まってからずっとここに、一人でいた。
バトルロワイヤルは、彼にとって他人事のようにしか感じられなかった。
他の芸人達の喧騒を遠くに感じながら、松本はただ一人
淡々と毎日を過ごしていた。
昼間は川で魚を採り、森を少し歩き、定期的に流される放送を聞き、
後は洞窟で眠る。
彼に与えられた武器は、万年筆とノートだった。
ゲームの始まった初日から、松本は日記をつけることが
日課になっていた。
>800
○月×日
今日からバトルロワイヤルが始まった。
初日なのに、放送で死んだ人たちの名前をたくさん聞いた。
他の人たちは、早速生き残るための戦いを始めたんだと思った。
皆状況に適応する力があってうらやましいな。
僕には他の人たちにできることがどうしてできないんだろう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○月×日
放送でガブンチョのメンバーがたくさん死んだのを知った。
悲しいのかな?よく分からない。
生き残ってるのは僕のほかには西川君と川島君と田村君だけだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
○月×日
西川君と田村君も死んだらしい。
西川君。西川君。にしかわくんにしかわくんにしかわくん。
>801
○月×日
びっくりした。今日、森で川島君を見かけた。
すごく変わってたけど、あれは川島君だったと思う。
すごく痩せてて、服がぼろぼろで刀持ってて、顔は鬼みたいで
髪が逆立ってた。スーパーサイヤ人みたいだった。
血を吐いてた。声をかけたけど気付かずに行ってしまった。
追いかけるべきだったろうか?
松本は今日の分の日記を付け終わるとノートを閉じて、眠ろうとした。
横になって目を閉じると、既に死んだ相方の西川の顔が瞼の裏に
浮かんできて涙が流れる。
死ぬのは恐くなかった。ただいつまでこうしていなければならないのか。
終わりの見えないことが彼にとってはずっと恐怖だった。
803 :
書いていいですか:02/03/21 18:04
>>798 その独特の低い声の主は。
「―竹若、さん?」
いち早く気付いたのは陣内自身だった。
「陣内!なぁ!どういうことやねん、あの―」
一拍置いた。
「…たむら」
声が小さくなった。
「他にもいっぱい見たで。徳井とか、フジワラもやし、河本も、宇治原も」
小屋の中の3人は、自分が悪いわけじゃないのに、押し黙ってしまう。
「竹若さん、とりあえず中、入りますか?」
「いや、ええわ」
804 :
書いていいですか:02/03/21 18:05
>>803 思わぬ返答に3人は顔を見合わせる。
「何でですのん?」
「―ええから、裏や、裏行け」
「裏って、窓ですか?」
「そうや!はよ行け!はよ出ろ!」
竹若の只ならぬ雰囲気に、3人は順に窓から外に抜け出す。
と、同時に、新しい声がする。
「ここには誰もおらんかったんか?」
その声はバッファロー吾郎の木村であった。
「お前さぁ、ほんっまに信じられる人間探す気無いんか?
誰がコバのこと殺したかなんか、わからへんやん。それを見境無く殺すやなんて」
竹若の説得するような声が聞こえる。
「死にたいんか」
木村が冷たく言い放つ。
木村が竹若を、多分武器か何かで脅してるようだった。
陣内は思った。あのコンビの仲の良さは偽りだったのだろうか、と。
805 :
書いていいですか:02/03/21 18:07
>>804 「陣内、行こ」
大上が陣内に耳打ちした。
「竹若さん、見殺しにすんのか?」
「お前、竹若さんが俺らのためにしてくてとること無駄にする気か?」
コバのしてくれたこと。
陣内はそれを思い出し、また一瞬固まってしまう。
コバは自分を生かしてくれた。自分の命を犠牲にしても。
俺はその命を棒に振ることになっても、竹若さんのところに向かうべきか?
それとも自分を生かしてくれる人のため、命を落とすのを見届けるか?
「竹若さんとこ行くわ、俺。二人先行って」
「そんなん」
「気にすんなや」
「あかん陣内!」
大上が今までに無いぐらいの力で陣内を引っ張った。
大上の左手に握られていたのは、松口がどこからか手に入れた双眼鏡。
「おい、なん―」
806 :
書いていいですか:02/03/21 18:08
>>805 「おい!そこ誰かおんのか!」
木村が叫んだ。
ああ、竹若の気持ちを無駄にしてしまった、と陣内は思う。
「木村、待て!陣内や、陣内!」
竹若が言う。
「陣内?!ここの小屋におったんちゃうんか、こいつ!コバ殺したんは」
「そんなんすると思うか?!ヘタレの陣内が!」
出来るだけの時間稼ぎをする竹若の声。
それが逃げろの合図。
「大上、何があったんや!」
松口が早く逃げようと言わんばかりに急く。
「ヤバイやつがおるわ―」
「はぁ?!」
「川島、川島がおる」
「おい、出てこいやコラ!先輩命令じゃ!」
木村が叫ぶ。
「俺、言うてくる!」
陣内は小屋の影から体を出し、扉の方に一目散に走っていく。
『陣内!』
ハリガネの二人は同時に叫び、陣内を捕まえようとしたが遅かった。
807 :
書いていいですか:02/03/21 18:08
>>806 「木村さん竹若さん、川島がこっち向かってます!」
「関係無いわ」
木村は冷たく言い放つと、陣内の額に銃口を向けた。
「木村、お前はアホやわ」
「何言うてんねん、武器も無いクセに」
木村は発言主の竹若にツバを吐く。
そのとき木村の体が少しよじれ、銃口が少し、陣内からそれた。
「陣内目閉じろ!」
どん、と篭った音がした。
「まだ開けんな!」
パン、と乾いた音。
音が止み、ゆっくりと目を開けてみる。
そこには。
うつ伏せになった丸い背中に、赤い点が出来、赤い水が止めど無く流れる。
木村。
竹若の肩口からは大量に出血してはいるものの、命はあった。
「竹若さん、大丈夫ですか?!」
「俺はええねん、行け」
「そんなんできませんよ!」
「偽善はええ、今そんなんいらん、無礼講や」
「ウソやない!!」
陣内は大声で言った。
ウソはキライだ、ウソをつくなんてもう自分には絶対に出来ない。
809 :
名無しさん@お腹いっぱい:02/03/25 09:48
過去ログ逝き阻止age
(一応調べたんですが多田死んでたらごめんなさい)
(まだコバが殺される前の話)
COWCOW多田がやる気なく歩いていると前方に小屋が見えた。
小屋自体は夕陽に照らされて中に人が居るのかわからない。
ドアの前にはたむらが倒れていた。とりあえず窓越しに中をうかがう。
(陣内さんとコバさんや。あの人ら同期で合流できるなんて運エエなぁ。
よしは死んだって放送されたし2チョの2人も・・・土肥も・・・
他のフル大メンバーとかどうなってるんやろ・・・)
多田がそんな事を考えていると「ドンッ」という鈍い音がした。
この位置からはドアの方は見えないがたむらになにかがあったのだろうことは予想できた。
ドアの方をうかがいに行くとチュート福田がライフルを持っている姿が目に飛び込んできた。
しばらく何かを言い合っているようだったが何を言っているかは聞こえなかった。
そしてしばらくして銃声が鳴り響いた。
ショックだった。目の前で人が殺された事が。
それが知っている人間同士だという事が。
今まで自分は幸運だったのかもしれない。
誰が殺される瞬間も見なかった。それ所か知ってる人間の死体さえ見なかった。
“よしが死んだ”この事実を知ってもそれ程ショックではなかった。
どこかで生きてる。そんな気がした。
自分は死と言うものを・・・バトルロワイヤルと言うものを・・・
完全に理解していなかったのだ。
よく東京に来て自殺したいとほのめかしていた自分をすごく恥ずかしく感じる。
僕は今まで「生きる」ってことをそんなに深く考えていなかった。
「死にたい」って言った時はげましてくれたよしや小堀、修士の分も生なあかん。
そうや。生きるんや。
そう思うと急に生きてることを感じた。
そして空腹でのどが渇いていることを思い出した。
とりあえず生きるために武器がひつようだ。武器を探しに行った後で
もう1度この小屋に戻って来よう。さすがにたむらさんも陣内さんも
その頃には居らんやろ。
多田が銃とナイフ、トランシーバーを手に入れて戻ってくると
小屋の外にはまだたむらが居た。もう1夜明けて空も大分明るんできていた。
どうやら先ほど殺された小林を埋葬しているようだ。
陣内さんはどうしたんだろう?まさかたむらさんが・・・?
ありえない話ではない。半日前、人が殺されたばかりではないか。
それに何より自分が殺るきでいっぱいなのだ。とりあえず話しかけてみよう。
「たむらさん?」
「誰や?」
「多田です。COWCOWの」
「おぉ!」
「お一人ですか?」
「いや、陣内が今、小屋におるねん。あいつ、今はそっとしといてやったほうが
エエとおもて。」
「僕、いまのどからっからなんですよ。
小屋が見えたんで小屋には水あるやろとおもて来たんですけどそれじゃあ入らんほうが良いですかね?」
「いや、一緒に小屋までいこか。陣内もそろそろエエ頃やろ」
小屋まで行ったが小屋の中の陣内はすでにいなくなっていた。
「っかしいなあ・・・。もしかしたらあいつ自殺する気ちゃうか?」
「自殺?」
「そーや。あいつのためにコバが死んだんや。そのせきにん感じて。アホやから。
あいつ。」
「どうします?探しに行きます?」
「あー、そーやな」
とりあえず多田ののどをうるおし外に出る。
陣内が山を下ったかもしれないという事で山道の下のほうを見ていると
ハリガネの2人がこっちに向かっているのが見えた。
(やばいなぁ。アホのたむら1人やったらいつでも片付けられるけど
ハリガネさんと合流されたらやばい。人数も増えるし、松口さんも大上さんも
結構鋭いから、殺意あるんばれるかもしれんしな)
「福田が来よった!」反対側の路を見ていたたむらが叫んだ。
「福田がどうしたんですか?」白々しく聞いてみる。
「コバ殺したんあいつや。俺があいつ殺したる!」
ここでたむらと福田に格闘などされてはハリガネが来てしまうではないか。
それだけは阻止しなければ。
「福田を殺る気ぃなんですか?」
「あぁや(当たり前や)」(←興奮していて舌がまわってない)
しゃーない。たむらにはここで死んでもらうか。
多田は持っていたナイフでたむらを2度刺した。
「なんでや?なんで俺が殺されなあかんねん」
「しょーもないときに福田が来よるからや」
「ヴラァ」たむらが多田に襲いかかる。
多田はたむらのパンチを直でくらった。
あかん・・・逃げな。福田が来よる。
多田はたむらの足にナイフを刺すと藪の中に隠れた。
>>810 多田&山田を書いていたものです。筆力不足のため途中で投げ出したのですが、
使っていただいてありがとう。
今後も私は書く予定はありませんので、よろしければ多田の動向は三つ目さんにお任せします。
いや・・・あのさ。
新スレの方に書いてくれよ
>817
時間がずれすぎだからって思ったんだけど。