ネタバレ全般総合スレ・三十四冊目

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501花と名無しさん
番外編 年の瀬の話。
バーゲンセールを満喫しすぎた奈々生。外はとっぷりと日が暮れてとても寒い。
帰り道、安売りしているたこ焼き屋の前を通りかかる。

中学の頃、バイトの帰りに晩御飯代わりに買ったたこ焼きは家に帰る頃にはすっかり冷えて、
ひとりぼっちの暗い部屋でTVを観ながら食べたっけ。
何とはなしにチビ巴衛とチビ瑞希がたこ焼きを食べているイメージが頭に浮かんで、たこ焼きを
買う客の列の後ろに奈々生も並ぶ。
まわりの客は家族と一緒に食べるたこ焼きを買うのを楽しみにしている。 
うらやましく見つめる奈々生。
「お嬢さん、たこ焼きいくつ?」と店員に問われて「5人分」と答える奈々生。
流石に5人分は重い。「……でも、あったかいや」うれしそうな奈々生。家路を急ぐ。

ミカゲ社に着くと、巴衛は遅い!と激怒。鬼切や虎鉄、瑞希達も出迎えてくれ、皆でおコタで頬張る。
巴衛はたこ焼きを食べるのは初めてのようで「これのどこがタコなのだ?」と不思議そう。
「タコは中に入ってるんだよ」と瑞希にバカ狐と言われて、「ではお前を入れれば蛇焼きの完成だな」
と取っ組み合いのケンカ勃発。

その時、奈々生の脳裏にふと、ミカゲ社に来る前に住んでいたアパートの部屋に寒そうに、寂しそうに
座っている自分が浮かぶ。 
そして『お前はその内 嫌になるくらい賑やかな社の主になる』という言葉を思い出す。
……それは誰の言葉だったっけ……   思い出せない。 
でも「当たってる」。微笑む奈々生。
何の事か聞きたがる巴衛。 巴衛に苛められたと騒がしく訴え続ける瑞希。
「あ〜っ、もう!うるさい!!」叫ぶ奈々生。
この冬は 気付くと嫌になるくらい暖かかった。

次号巻頭カラー。