表紙:白金をバックにした久美子のイラスト
ヤンクミは、いつまでも私たちの心の担任です!
恋敵に誘拐された慎、追う久美子は…!!
沢田邸。
慎パパ(郷)に、慎が誘拐されたことを告げる久美子。
ヤクザ者と揉めていたらしいこと、黒田で調べているが皆目検討もつかないこと
もし素人との事件に巻き込まれたのならお上の力に縋るしか…と、郷に言う。
郷はすぐに部下に手配させる。
よろしく頼みますと頭を下げ、立ち去ろうとする久美子を郷は引き止めた。
「こんな時に言うべきじゃないが君に頼みたいことがある。
慎は相変わらず君を追いかけているようだが、君も慎に特別な気持ちを持っているのか?」
戸惑う久美子。
「正直なところ、個人的には君が嫌いじゃない。人間性は買ってるし良い教師だとも思う。
慎が惹かれる気持ちもよく分かる…」
親父誉めすぎ!誉めすぎ!と久美子は照れる。
「やはり問題は君の実家のことだ。黒田といえばその世界では有名だ。
慎は弁護士になると言ってるが君と関わり続けることは、慎の進む道にとって
あまりに大きな障害になるだろう。あいつのためを思うなら二度と慎とは会わないでほしい」
4人組が野田クリーニング屋の車に乗り、慎を捜索中。
久美子からうっちいに、黒田の方では何も情報が出ないと電話が入る。
「久美子がすごく凹んでた」と言ううっちい。
とその時、偶然、ある店から昨日の女、美流が出てくるのを発見する。
ヤバそうな連中に囲まれ、美流が車に乗り込むのを見届けると
あいつらが慎をさらったのでは?と気づき、そのままその車の後を追いかける。
川原で遠い目になり、たそがれる久美子。
そこに野田から連絡が入り、鶴羽という大きな家に昨日の女が入っていったと報告を受ける。
「慎がいるか覗いて見ようかと思って…」と言う野田に(クマは塀をよじ登り、中を偵察)
久美子は暴力団組長の家だから近づくな!と忠告するが、時既に遅し。
組員達に見つかり、ボコボコにされる。久美子は鶴羽組に向かう。
4人はまとめて、慎が監禁されている、えらくゴージャスな部屋に入れられる。
椅子に縛り付けられている慎。
そこへ「お前達、何しに来たの!?慎様は渡さないわよ!」美流が現れた。
「慎様は私のお婿さんになるの。そして二人で鶴羽組を継ぐのよ」
美流は慎を抱き締める。
「ならねーよ、バカじゃねーの。さわんな」と慎は睨み付ける。悔しそうな美流は
「こいつらがどうなってもいいの?うんって言わなきゃブサイク順にこいつらを殺す」と宣言。
4人組の多数決によりどうやらブサイクNo.1らしいうっちいが、
慎に「ここは取り合えず婿入りしといて、すぐ離婚して再婚したらいいじゃん!」と薦めるが
組員に聞きとがめられ、うっちいが最初に消されることになった。
関係ない4人を帰すように言う慎だったが、黒田で血眼になって慎を捜しているため
バレたらタダではすまない、戦争になるから皆殺しにすると組員達は言い放つ。
とそこへ「勝手なこと言ってんじゃねぇよ!」ドアを蹴破って久美子が現れる。
巻き髪は崩れ、ワンピは破れてボロボロな状態。
久美子の格好に驚く慎と、「やっと慎の前でお披露目って時にボロボロだ!」と不満げなうっちいに
姉ちゃんに殺される…と青ざめる野田。
慌てて組員が部屋の外を見ると、他の組員達は久美子にやられ全滅状態。
久美子に銃が向けられると、慎がそれに体当たりして銃口を逸らせる。
残りの組員を全員倒すと、久美子は美流の前に立ち塞がった。
「ワガママも大概にしろよ、このバカ娘。親の名前笠にして好き勝手やってんじゃねぇ!
力ずくで何でも手に入ると思ってんのか!教育がなってねぇな」
ガツンと一発やってやれ!と煽るうっちいだったが
「私は女に手を上げたことはねぇんだ」と久美子は男前に答える。
その時、パトカーの音が鳴り響くのが聞こえ、警察が到着したことを告げた。
「悪ぃ山口、またお前に助けられてさ… カッコ悪いよなー俺…
お前にふさわしい男になれんのは、マジ100年ぐらいかかりそ…」
言い終わらない慎を、真正面からぎゅっと抱き締める久美子。赤くなる外野4人組。
「最初は、生意気な生徒だと思ってた…そのうち、気付かないうちに頼るようになって…
いつの間にか… こんなに好きになってたよ」
涙を流す久美子の腕の中で、息を飲む慎。
「今まで一度も言ってなかったけど… 宇宙で一番好きだ!!(太文字)」
『宇宙』にビックリする外野の4人組。
じゅるじゅるに涙と鼻水を流す久美子に、うわ〜っと慎は汗を流す。
「ひとつだけ言えるよ。もう一生、恋はしねぇ!!」
そう言い放つと、久美子は自分のことをサツ(慎パパ)には言わないように頼み
塀を越えて走り去っていった。
「あいつ、何かあったのか?」呆気に取られる慎。
慎の縄を解いてやりながら、全然分からないとクマは答える。
「突然、初めての発情期がやってきたんだ」「すげぇデカい告白したぞ…」
「なんかもう一生会えねぇような大袈裟なこと言ってたぞ」「また妙なドラマ見たんじゃねぇ?」
詮索し始めるうっちい・野田・南。鶴羽邸の周りに、何台ものパトカーが詰め掛ける。
波乱の展開、まさかの番外編延長!!次号、本当の完結編!!(続)