4月25日
看護婦さんの動く音で目が覚める。「気分はどうですか」と声を掛けられる。
喉が乾いたのでペットボトルのお茶を持ってきてもらう。いつのまにか血圧計がはずされていた。
左手がフリーとなったのでテレビのリモコンが使える。これでなんとかしばらくは暇がつぶせそうだ。
看護婦さんから、これから飲む薬の説明をうける。痛み止めと他2種類、計3種類の薬を1日3回飲むことに
なった。“ごはんを食べないで、まるで宇宙食みたい”などと、のんきな事を考えていた。
午後になって、隣のベッドの準備が始まった。やがて夕方になって誰かが運ばれてきた。
カーテンが引かれているので様子が見えないが、話の内容から豊胸手術だとすぐにわかった。
苦しそうなうめき声が夜半まで続き、傍らに置かれた機械が警告音を発するたびに看護婦さんがとんでくる。
病室に二人だけになると、すごく怖い。豊胸手術は大変と聞いていたが、実際に苦しんでいる様子を目の当りに
すると、とても私にはできそうもないなあ、と思ってしまう。(本当は自分がしている事もかなりのことなのだが)
ホルモン療法だけの小さなバストに正直不満もあるのだが、がまんしよう。
一方私のほうは、その日のうちに点滴もはずされ、いよいよ自由というか本格的に暇なベッド生活に突入していた。