【早売りゲッター】総合スレ・十二冊目【ネタバレ】

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650僕らがいた1/2
七美は夢を見る。
矢野の足音が聞こえ「迎えに来た、遅くなったけど」と矢野が笑う。
遅すぎだバカと泣く七美に
「タケがいるからきっと大丈夫だと思った。
高橋が幸せでやってたならそれでいい」と矢野は言った。
「それなりに楽しくやってるけど、矢野がいた時ほど
完璧じゃない。矢野は今幸せ?」と聞くと矢野は消えた。
泣きながら目が覚める。

大学を卒業し、七美はオヤジ向け週刊編集部に
アキちゃんは大人の文科系情報雑誌にそれぞれ配置された。
3日に一度、竹内とご飯を食べる。
でも最近お互い仕事が忙しく会うのは2週間ぶり。
竹内がやってきて、ご飯を食べて寝てしまった。
そんな竹内を見て「本当は一緒に住んだほうが楽なんだけど」と
思いつつ過去に思いをはせる。

1年前のあの日、全てを竹内から聞いた。竹内は語る。

あの日矢野がやってきて『オレがおふくろを追い詰めた
オレがお袋をころした。過去を捨てる。今まで大事にしていたもの
全部捨てる』って。
オレは信じなかった。だって捨てれるわけないじゃないか。
オレはあいつが絶対戻ってくると信じてた。
けどあいつは戻ってこなかった。
オレのせいで高橋の苦しみを増やした。
オレの判断ミスだ。オレを恨んでいい。
651僕らがいた2/2:2006/09/11(月) 12:12:59 ID:???0
七美モノローグ。
ううん、みんな信じたかった。みんな悩んだ。
あたしは矢野を待ったことを後悔てしいない。
何も知らず一緒にいてあげられなくてごめんね。
一人にしてごめんね。
矢野、あなたは何も悪くない。

現在。
竹内が目を覚ます。
「泊まって行けば?」と七美はいうが
「仕事を残してきた。27日あけといて」と竹内は言った。
27日は七美の誕生日。
(結局一緒に住む話はうやむやになったまま。
竹内君がときどき分からない。あまり責任を感じないで欲しい。
私は大丈夫。確実に前に進んでいるでしょ)

アキと一緒にご飯を食べる七美。
七美の誕生日に、もう竹内と先約があると知って
「なんだやっぱり行くのか。あんたたち二人
付き合っているのかいまいちよくわかんない」とアキは言う。
「私より竹内君のほうが、矢野を忘れてないみたい」という七美。
「忘れるってどういう状態?私はむしろ年々存在感が大きくなっていく。
出会いがあればあるほど「ああ、あんな人はどこにもいない」と
思い知らされる。忘れなくたっていい。心の隅にしまっておいて
二人で時々ふたを開けて懐かしめばいい」
アキちゃんの考え方が好き。
私も竹内君もまだ上手く箱が使えてないんだね。
もし今また出会えたらこう聞きたい。
<矢野、今幸せ?>
その頃、竹内は指輪を注文していた。