【早売りゲッター】総合スレ・十二冊目【ネタバレ】
七美は夢を見る。
矢野の足音が聞こえ「迎えに来た、遅くなったけど」と矢野が笑う。
遅すぎだバカと泣く七美に
「タケがいるからきっと大丈夫だと思った。
高橋が幸せでやってたならそれでいい」と矢野は言った。
「それなりに楽しくやってるけど、矢野がいた時ほど
完璧じゃない。矢野は今幸せ?」と聞くと矢野は消えた。
泣きながら目が覚める。
大学を卒業し、七美はオヤジ向け週刊編集部に
アキちゃんは大人の文科系情報雑誌にそれぞれ配置された。
3日に一度、竹内とご飯を食べる。
でも最近お互い仕事が忙しく会うのは2週間ぶり。
竹内がやってきて、ご飯を食べて寝てしまった。
そんな竹内を見て「本当は一緒に住んだほうが楽なんだけど」と
思いつつ過去に思いをはせる。
1年前のあの日、全てを竹内から聞いた。竹内は語る。
あの日矢野がやってきて『オレがおふくろを追い詰めた
オレがお袋をころした。過去を捨てる。今まで大事にしていたもの
全部捨てる』って。
オレは信じなかった。だって捨てれるわけないじゃないか。
オレはあいつが絶対戻ってくると信じてた。
けどあいつは戻ってこなかった。
オレのせいで高橋の苦しみを増やした。
オレの判断ミスだ。オレを恨んでいい。
七美モノローグ。
ううん、みんな信じたかった。みんな悩んだ。
あたしは矢野を待ったことを後悔てしいない。
何も知らず一緒にいてあげられなくてごめんね。
一人にしてごめんね。
矢野、あなたは何も悪くない。
現在。
竹内が目を覚ます。
「泊まって行けば?」と七美はいうが
「仕事を残してきた。27日あけといて」と竹内は言った。
27日は七美の誕生日。
(結局一緒に住む話はうやむやになったまま。
竹内君がときどき分からない。あまり責任を感じないで欲しい。
私は大丈夫。確実に前に進んでいるでしょ)
アキと一緒にご飯を食べる七美。
七美の誕生日に、もう竹内と先約があると知って
「なんだやっぱり行くのか。あんたたち二人
付き合っているのかいまいちよくわかんない」とアキは言う。
「私より竹内君のほうが、矢野を忘れてないみたい」という七美。
「忘れるってどういう状態?私はむしろ年々存在感が大きくなっていく。
出会いがあればあるほど「ああ、あんな人はどこにもいない」と
思い知らされる。忘れなくたっていい。心の隅にしまっておいて
二人で時々ふたを開けて懐かしめばいい」
アキちゃんの考え方が好き。
私も竹内君もまだ上手く箱が使えてないんだね。
もし今また出会えたらこう聞きたい。
<矢野、今幸せ?>
その頃、竹内は指輪を注文していた。