【早売りゲッター】総合スレ・七冊目【ネタバレ】
【ACT.78 フェアリー・マジック】
石を渡され困惑している蓮に「覚えていますよね?」と尋ねるキョーコ。
一瞬蓮は驚くが、事務所で拾ってくれた事をキョーコは指していた。
何故自分に石を渡したのかと蓮に聞かれ、キョーコは、
「車の中で辛そうな顔をしていたら」と答え、元気づけられるのはコーンしか思いつかなかったのだと思う。
キョーコは蓮に石を空にかざす様に促し、蓮はいつかの真逆だなと思いながらも石を空にかざすと、
「今の魔法ですよ」とキョーコは言い、メルヘンの国に行きつつ、悲しみを吸い取る石だと蓮に伝える。
昔と変わっていないと思いながら笑う蓮を「信じていない!」とキョーコは怒り、
とっておきの秘密であるコーンの正体を教えると言い出し、蓮はギクリとする。
「彼の正体は妖精界の王子様。本人から聞いたんだから間違いはない。
お父さんは王様で妖精の国をすっぽり掌に包み込める程の大きな人。
お母さんは不老の力を持つ妖精界では最も美しい女王様」と、真剣かつメルヘンに言うキョーコ。
まだ信じてたんだ、妖精なんて・・・と思い、蓮はまたしても笑い出してしまう。
嘘じゃない、コーンは空だって飛んで見せてくれたのだとキョーコは訴える。
本当に?と蓮は問い、キョーコは少し悲しそうに、
「長くはなかったけど、それは仕方なかった。コーンは羽が生えていなかったから。
正確には何度か生えたが、飛ぼうとすると父の指にひっかかり、羽がもげてしまう。
『父さんの手は大きすぎて、まだ自由に空を飛んだ事は一度もない』」と話した。
蓮は幼いキョーコが「コーン可哀相」と泣くのを思い出した。
「でも、あれから10年経っていて、今頃はコーンも立派な大人になってる。
お父さんの手も高く飛び越え、誰よりも自由に空を飛んでいるはず」と話すキョーコに、
蓮は複雑な表情を浮かべ、それはどうかな?と言う。カッチンきたキョーコは、
「コーンは王様になるために生まれたんだもの。お父さんを超えられなかったのは、まだ子供だったから。
大人になったコーンならやりますよ!絶対にやれます、コーンなら!!」と豪語する。
蓮はありがとうと言って、石を返す。まだ持ってていいと言うキョーコに、
「俺は大丈夫だから。コレは君の宝物なんだろ?」と言うと、嬉しそうにキョーコは頷く。
『コレに頼らなくても、もっと確かな魔法を手に入れた、本当は、ずっと昔に触れていた、
温かくて、愛しい、魔法には・・・』
蓮はそう思いながら、石にキスをし、キョーコに石を返す。
キョーコは焦りながらも、石を受け取った。
『なんだか予感がした。これを受け取ったら、何か悪い魔法にかかる様な。
でも効き目なんて表に出さない。そうよ、敦賀さんの効き目が他人の目にも見えていいのは、もう少し先。
DARK MOONの最高視聴率が月篭りを超えた、その時だけ』
キョーコのモノローグと共に、午後の撮影が始まる。
花ゆめ1号に続く